JP4297461B2 - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータの外部記憶装置に搭載される磁気記録媒体及びその製造方法に関し、特に、その表面に塗布された液体潤滑剤による改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気記録媒体は、固定磁気記録媒体装置などにおいてコンピュータなどのデータ記録媒体として汎用的に利用されている。固定磁気記録媒体装置は、磁気記録媒体の回転時には磁気ヘッドが浮上し、磁気記録媒体を回転させる回転駆動モータが停止した時には磁気ヘッドが磁気記録媒体表面と接触するCSS(コンタクト・スタート・ストップ)方式が採用されている。
【0003】
この磁気記録媒体の例では、堅い基板上に下地層、磁性層をDCスパッタ法で形成し、その表面をカーボン保護膜で覆い磁性層の摩耗を防ぎ、更に磁気記録媒体と磁気ヘッドとの間に働く摩擦力を低減している。このような磁気記録媒体と磁気ヘッドの摺動による摩擦・摩耗を防ぐための表面保護膜としては、硬度の高いダイヤモンド的な性質を増長させダイヤモンド結合状態の比率がグラファイト結合状態の比率に比して高いダイヤモンド状カーボン(DLC)、アモルファスカーボン、またはダイヤモンド状カーボンに少量のNやSi等を添加したものが主に用いられている。
【0004】
保護膜として該DLC系カーボンを用いた場合、その表面は、反応性のカルボニル基、カルボキシル基や水酸基等の官能基を有する薄い酸化膜に覆われており、ここに汚染物が積極的に吸着、結合して存在する。そこで従来の磁気記録媒体は、その保護膜表面を潤滑剤で覆い尽くすことにより、表面に有害なガスや有機物の汚染物を吸着させず、さらに潤滑特性を向上させ、CSS耐久性に優れ安定した磁気記録媒体を得ていた。
【0005】
この磁気記録媒体の表面の潤滑特性を改善する方法として用いられている潤滑剤は、保護膜表面に均一な膜厚で安定に形成されていることが必要であり、保護膜との密着性・結合性が高いことが重要である。この密着性を高めるために、水酸基やピぺロニル基などの末端基をもったパーフルオロポリエーテル系潤滑剤が使用されていた。これらは、アウジモント社からZ−DOLやAM2001として市販されている。
【0006】
パーフルオロポリエーテル潤滑剤は、分子量が低すぎると潤滑特性が悪化し、高すぎると吸着傾向になるため、重量平均分子量は、1500〜5500MWのものが使用されている。このように分子量の比較的大きい分子を、数10Å塗布した場合、一般的には分子と分子の間に隙間が生じ、表面を完全に覆うのは困難である。よって、従来のようにパーフルオロポリエーテル系潤滑剤を使用した場合は、潤滑剤の膜厚を50Å以上に厚く塗布しなければならなく、磁気記録媒体と磁気ヘッドとの吸着を回避することは困難となる。
【0007】
更に、近年の高密度記録に伴い磁気ヘッドの低浮上化が進み、磁気ヘッドの構造も従来のヘッドからMRヘッド等の低浮上型ヘッドが採用されるようになってきた。それに伴い、ヘッド材質が触媒作用を受けたり摩擦熱を発生したりすこととによって、パーフルオロポリエーテル系潤滑剤の主鎖部(エーテル部位)では分解が進むことになる。さらに、この分解物やディスク表面に吸着したガス等の腐食成分が磁気ヘッド表面に転写され、磁気ヘッドの浮上特性を乱し、再生出力の低下を招くことになる。また、分解したパーフルオロポリエーテル系潤滑剤は、潤滑特性を保つことができず、保護膜の摩耗を生じる。そして最悪の場合には、ヘッドクラッシュを引き起こすことになる。
【0008】
また、媒体の回転数も従来の〜7200rpmから7200〜15000rpmへと高速回転化している。その結果、磁気記録媒体表面の潤滑剤が遠心力により外周部へ移動・飛散するスピンマイグレーション現象も顕在化しつつある。このマイグレーションが大きくなると、吸着障害や最悪の場合ヘッドクラッシュを引き起こすことになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の技術では、固定磁気記録媒体装置の特性を大幅に低下させることがある。上述した問題を解決すべく、各種パーフルオロポリエーテル系潤滑剤を用いた試みが種々なされているが、未だ要求される全ての性能を満足しうる技術は確立されていないのが現状である。
【0010】
本発明の目的は、高密度記録化、高転送レート化に伴う磁気ヘッドの低浮上化により発生する潤滑剤の分解、および高速回転化により発生するマイグレーション現象などによる障害を防止し、長期にわたる耐環境特性、潤滑特性の安定化を実現する磁気記録媒体およびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る磁気記録媒体は、固定磁気記録媒体装置の中にあって、磁気ヘッドと共に使用されるときの上記の問題を解決するために、以下の手段が講じられていることを特徴とする。
【0012】
本発明の磁気記録媒体は、円板状の基体上に、非磁性金属下地層、磁性層、保護層、および潤滑層が形成された磁気記録媒体であって、該潤滑層が、一般式(I)〜(III)
HOCH2−(CF2CF2O)l−(CF2O)m−CH2OH (I)
F(CF2CF2CF2O)n−CH2OH (II)
F(CF2CF2O)n−CH2OH (III)
[式中、lおよびmはそれぞれ独立して0または1以上の整数であり、nは1以上の整数である。ただしl=m=0ということはない。]
よりなる群から選ばれた少なくとも一つのアルコール系末端基を有するパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤と、一般式(IV)〜(VI)
R3R4N−(CH2)p−(CF2CF2O)l−(CF2O)m−(CH2)q−NR3R4
(IV)
F(CF2CF2CF2O)n−(CH2)p−NR3R4 (V)
F(CF2CF2O)n−(CH2)p−NR3R4 (VI)
[式中、l、m、p、およびqはそれぞれ独立して0または1以上の整数であり、nは1以上の整数である。ただし、l=m=0ということはない。−NR3R4およびR3R4N−は、以下の基
【化3】
である。]
よりなる群から選ばれた少なくとも一つの第三級アミン構造のアミン系末端基を有するパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤と、
を含む混合液体潤滑剤より形成される。
【0013】
または、本発明の磁気記録媒体は、基体上に、非磁性金属下地層、磁性層、保護層、および潤滑層が形成され、該潤滑層が、前述のアルコール系末端基を有するパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤より形成された層と、アミン系末端基を有するパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤より形成された層との二層からなる。
【0014】
ここで、前述のアミン系末端基を有するパーフルオロポリエーテルの重量平均分子量が好ましくは1500から15000であり、アルコール系末端基を有するパーフルオロポリエーテルの重量平均分子量は1500から5500であることが好ましい。
【0015】
さらに、前述の潤滑層の保護層との結合率が30〜100%であることが好ましい。
【0016】
また、本発明は、上述した磁気記録媒体の製造方法を提供する。本発明の方法の第1の実施形態は、基体上に非磁性金属下地層を積層する工程と、該非磁性金属下地層の上に磁性層を積層する工程と、該磁性層の上に保護層を積層する工程と、該保護層の上に潤滑層を積層する工程とを具えており、該潤滑層を積層する工程が、前述の一般式(I)〜(III)よりなる群から選ばれた少なくとも一つのアルコール系末端基を有するパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤と、前述の一般式(IV)〜(VI)よりなる群から選ばれた少なくとも一つの第三級アミン構造のアミン系末端基を有するパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤とを含む混合液体潤滑剤を塗布する工程である。
本発明の方法の第2の実施形態は、基体上に非磁性金属下地層を積層する工程と、該非磁性金属下地層の上に磁性層を積層する工程と、該磁性層の上に保護層を積層する工程と、該保護層の上に潤滑層を積層する工程とを具えており、該潤滑層を積層する工程が、前述の一般式(IV)〜(VI)よりなる群から選ばれた少なくとも一つの第三級アミン構造のアミン系末端基を有するパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤を塗布する工程である。
【0017】
ここで潤滑層を積層する工程が、前述の混合液体潤滑剤を溶媒で希釈した混合液をディップコート法またはスピンコート法で塗布する工程であることが好ましい。
【0018】
または、上記第1の実施形態の潤滑層を積層する工程は、前述の一般式(I)〜(III)よりなる群から選ばれた少なくとも一つのアルコール系末端基を有するパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤を塗布する工程と、前述の一般式(IV)〜(VI)よりなる群から選ばれた少なくとも一つのアミン系末端基を有するパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤を各別に塗布する工程を含んでもよい。
【0019】
ここで、上記第1の実施形態の潤滑層を積層する工程は、前述のアルコール系末端基を有するパーフルオロポリエーテル液体潤滑剤、およびアミン系末端基を有するパーフルオロポリエーテル液体潤滑剤をそれぞれ各別に溶媒で希釈した液をディップコート法またはスピンコート法で、各別に塗布する工程であることが好ましい。
【0020】
さらには、潤滑層の保護膜との結合率が30〜100%になるように加熱工程またはUV照射工程を行うことが好ましい。
【0021】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明における磁気記録媒体は、図1に示したように、基体1上に形成された非磁性金属下地層2、磁気記録用薄膜である磁性層3、保護層4を有しており、さらに潤滑層5を有している。
【0023】
ここで、基体1の素材としては、従来から汎用的に使用されているアルミ合金などの非磁性基板11の上に無電解メッキによりにNi−Pなどの非磁性金属層(メッキ層)12を施したもの、ガラス素材、セラミック素材などが挙げられる。
【0024】
基体1上に積層された非磁性金属下地層2は、DCスパッタ法などを用いてCrから形成されている。Crの変わりに、CrTi、CrSi、CrMo、CrAlなどを用いてもよい。
【0025】
非磁性金属下地層2の上に積層された磁性層3は、強磁性合金であるコバルト合金をDCスパッタ法などを用いて成膜することが好ましい。コバルト合金としては、Co−Cr−Ta、Co−Cr−Pt、Co−Cr−Pt−Taなどが挙げられる。
【0026】
そして、磁性層3の上に積層された保護層4は、スパッタ法、CVD法などによって形成され、その材料としては、ダイヤモンド状カーボン(DLC)、アモルファスカーボン、ダイヤモンド状カーボンに少量のNやSiを添加したカーボン、もしくは、その他同様のものを使用することができる。
【0027】
さらに、該保護層4の上に積層された、磁気記録媒体の表面の潤滑特性を改善するために設けられる潤滑層5がスピンコート法、ディップコート法(引き上げ式、ドレイン式)によって成膜される。この潤滑層5は、アルコール系末端基を有する主鎖がパーフルオロポリエーテルの液体潤滑剤と、第三級アミン構造で弱塩基性を帯びたアミン系末端基を有する主鎖がパーフルオロポリエーテルの液体潤滑剤との組み合わせから形成される。組み合わせとしては、各液体潤滑剤を混合して混合液体潤滑剤として用いる場合と、各液体潤滑剤を混合させずにそれぞれの層として設けて二層構造にする場合とが考えられる。
【0028】
本発明のアルコール系末端基を有するパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤は、一般式(I)〜(III)
R1CH2-(CF2CF2O)l-(CF2O)m-CH2R2 (I)
F(CF2CF2CF2O)n-CH2R1 (II)
F(CF2CF2O)n-CH2R1 (III)
[式中、R1およびR2はそれぞれ独立して任意の末端基であり、lおよびmはそれぞれ独立して0または1以上の整数であり、nは1以上の整数である。ただしl=m=0ということはない。]
で表される群から選ばれた少なくとも一つのパーフルオロポリエーテルを含む。
【0029】
また、本発明のアミン系末端基を有するパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤は、
一般式(IV)〜(VI)
R3R4N-(CH2)p-(CF2CF2O)l-(CF2O)m-(CH2)q-NR5R6 (IV)
F(CF2CF2CF2O)n-(CH2)p-NR3R4 (V)
F(CF2CF2O)n-(CH2)p-NR3R4 (VI)
[式中、R3、R4、R5、およびR6はそれぞれ独立してH以外の任意の末端基であり、l、m、p、およびqはそれぞれ独立して0または1以上の整数であり、nは1以上の整数である。ただし、l=m=0ということはない。]
で表される群から選ばれた少なくとも一つのパーフルオロポリエーテルを含む。
【0030】
前述した保護層4を形成するカーボン保護膜表面は、反応性のカルボニル基やカルボキシル基、水酸基の官能基を有した薄い酸化膜で一様に覆われており、この弱酸性を示すカーボン表面に対し、より密着性・結合性の高い潤滑層を得るためには、弱塩基性を示す有極性官能基を有したパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤を適用するのが最適である。
【0031】
一般に弱塩基性を示す官能基構造としてアミンが挙げられるが、第一級アミンや第二級アミンでは、アルカリ性が比較的強いため、これらの官能基を有したパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤を潤滑剤として保護層の表面に適用した場合、潤滑剤の結合性は高まるが、逆に大気中やドライブ内の有害な酸性ガスも引きつけやすくなり、潤滑剤の分解による再生出力の低下やヘッドクラッシュを起こす原因となる。また、第一級アミンや第二級アミン構造を有したパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤は、室温、加熱放置における安定性にも問題がある。
【0032】
そこで、弱塩基性官能基構造としては、第三級アミン構造
-(CH2)p-NR3R4、-(CH2)q-NR5R6
[pおよびqは0または1以上の整数、R3、R4、R5、およびR6はそれぞれ独立してH以外の任意の末端基を表す。]
を有することが重要であり、さらにこの第三級アミンの置換基R3、R4、R5およびR6として、カーボン保護膜−潤滑層の密着性(物理的吸着性)をさらに高めるために、カーボン保護膜のグラファイト構造とπ−π電子相互作用を持つ共役系結合を含む置換基を第三級アミン基が有していることが望ましい。
【0033】
弱塩基性第三級アミンとしては、例えば以下のようなものが挙げられる。
【0034】
【化4】
【0035】
【化5】
【0036】
(l、m、n=0、1以上の整数)
従来の潤滑層に用いられていたパーフルオロポリエーテル潤滑剤は、分子量が低すぎると潤滑特性が悪化し、高すぎると吸着傾向になるため、重量平均分子量は、1500〜5500MWのものが使用されていた。これに対し、上述したような本発明における第三級アミン構造で弱塩基性を帯びたアミン系末端基を有するパーフルオロポリエーテル潤滑剤を用いると、カーボン保護膜との結合性が強固になるため、1500〜15000MWでの高分子量でも吸着障害を起こさず、摩耗を起こしにくい良好な潤滑性能を得ることができる。
【0037】
また、本発明では、成膜された潤滑層5を加熱処理またはUV処理することによって、保護層と潤滑層との結合の強度である結合率を制御することが可能となる。この制御は加熱温度または加熱時間、もしくはUV波長、パワー・発生オゾン量・照射時間を調節することにより容易に行うことができる。本発明に用いる潤滑層の保護層との結合率は、カーボン保護層と強固に結合している結合性パーフルオロポリエーテル潤滑剤と結合の弱い移動性パーフルオロポリエーテル潤滑剤の比率を表している。この結合率とは、潤滑層を設けた磁気記録媒体をFT−IR高感度反射法で1290〜1260cm-1に検出されるC−Fピーク吸光度と、該磁気記録媒体をフルオロカーボン(例えば、3M(株)製PF−5060、アウジモント(株)製ZS−100)で5分間にわたって浸漬および超音波にさらした後のC−Fピーク吸光度との比で表す。本発明では、この結合率を30〜100%に制御することが好ましい。
【0038】
上述したように、カーボン保護膜表面は、反応性のカルボニル基やカルボキシル基、水酸基の官能基を有した極めて薄い酸化膜で覆われており、表面物性的には弱酸性を示している。そこで上述したように、このカーボン保護膜表面に対して弱塩基性を有し且つ共役系結合を有した官能基を持つアミン系末端基を有するパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤とアルコール系末端基を有するパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤の組み合わせを用いることにより、液体潤滑剤の持つ柔軟性を失うことなく、従来のカーボン保護膜表面と潤滑層界面での物理吸着による結合のみでなく、化学吸着による分子結合を伴った強固な結合を得ることができる。
【0039】
従って、近年の高記録密度の要求に伴う磁気ヘッドの低浮上化や磁気ヘッドの構造の変化により、潤滑剤が磁気ヘッドに転写することによる磁気記録媒体と磁気ヘッドとの吸着障害が起こりにくくなり、高速回転化による潤滑剤が外周部へ移動・飛散するスピンマイグレーションも起こりにくくなる。さらに、高温・高湿環境下における結合力低下に伴う現象、例えば有害なドライブ内ガス汚染成分の付着促進や凝集発生、潤滑剤の分解によって生じるヘッドクラッシュ等、カーボン保護膜と潤滑層間の結合力の低下による様々な現象が起こりにくくなり、安定した潤滑特性を、長期間維持することができる。
【0040】
以下、実施例による実験事項の詳細を示す。
【0041】
【実施例】
アミン系末端基を有するパーフルオロポリエーテルの合成
本発明におけるアミン系末端基を有するパーフルオロポリエーテルは以下のように合成した。
【0042】
(a)トリフルオロメチルスルホン化
無水トリフルオロメタンスルホン酸(1.0g)をHCFC225(30ml)に溶解した。別個に末端官能基が水酸基(−OH)であるパーフルオロポリエーテルHOH2C-(CF2CF2O)l-(CF2O)m-CH2OH(アウジモント社製 Fomblin Z−DOL)(10.0g)およびピリジン(0.1g)をHCFC225(80ml)に溶解し、0℃に冷却した無水トリフルオロメタンスルホン酸液にゆっくりと加えた。この混合液の温度を0℃以下に保って10時間攪拌した。NMRにより反応の終点を確認した。得られた液を純水で洗浄し、HCFC225を蒸留させ目的とするトリフレート CF3OSO2CH2-(CF2CF2O)l-(CF2O)m-CH2OSO2CF3(8.8g)を得た。
【0043】
ここまでを、本発明に対応するように一般に記載すると以下のようになる。
【0044】
Rf(CH2OH)2+(CF3SO2)2O → Rf(CH2OSO2CF3)2
式中、Rfは、前述の化学式(I)から(VI)の主鎖であるパーフルオロポリエーテル部分を表す。
【0045】
得られたトリフレートに各種アミノ化合物を作用させて目的のアミン系末端基を有するパーフルオロポリエーテルを得た。
【0046】
Rf(CH2OSO2CF3)2+HN−A1A2 → Rf(CH2N−A1A2)2
上記A1およびA2は、それぞれ独立して任意の末端基部を示し、前述のR3、R4、R5、およびR6のいずれかを表している。
【0047】
本合成例で述べた方法により下記の3種類のアミノ系末端基で修飾したパーフルオロポリエーテルを得た。また、ここで述べた以外の各種方法を用いて本発明におけるアミノ系末端基を有するパーフルオロポリエーテルを製造することができる。
【0048】
1.ピペリジニルエチルアミン末端基を有するパーフルオロポリエーテルの合成
オートクレーブに(a)で合成したトリフレート(5.0g)と、ピペリジニルエチルアミン(0.5g)と、HCFC225(50ml)とを入れ窒素置換した後、90℃で200時間反応させた。NMRを用いて原料のないことを確認した。次いで、水およびエタノールで洗浄し、HCFC225を蒸留させ目的物のピペリジニルエチルアミン末端基
【0049】
【化6】
【0050】
を有するパーフルオロポリエーテル2.1gを得た。
【0051】
2.ジエチルアミン末端基を有するパーフルオロポリエーテルの合成
オートクレーブに(a)で合成したトリフレート(5.0g)と、ジエチルアミン(0.4g)と、HCFC225(50ml)とを入れ窒素置換した後、90℃で100時間反応させた。NMRを用いて原料のないことを確認した。次いで、水およびエタノールで洗浄し、HCFC225を蒸留させ目的物のジエチルアミン末端基
【0052】
【化7】
【0053】
を有するパーフルオロポリエーテル2.1gを得た。
【0054】
3.ジベンジルアミノ基を有するパーフルオロポリエーテルの合成
オートクレーブに(a)で合成したトリフレート(5.0g)と、ジフェニルメチルアミン(0.4g)と、HCFC225(50ml)とを入れ窒素置換した後、90℃で100時間反応させた。NMRを用いて原料のないことを確認した。次いで、水およびエタノールで洗浄し、HCFC225を蒸留させ目的物のジベンジルアミノ基
【0055】
【化8】
【0056】
を有するパーフルオロポリエーテル2.2gを得た。
【0057】
実験例1〜12
12個のAl−Mg合金の非磁性基板11に、それぞれ無電解メッキ処理により厚さ13μmのNi−Pの非磁性金属層(メッキ層)12を形成した。次いでその表面をポリッシュにより表面粗さRa=10Åになるように研磨した後、ダイヤモンドスラリーを使用したテクスチャー加工により、ほぼ同心円状の溝を表面粗さがRa=13Åになるように作製した。
【0058】
得られた基体1を洗浄した後、DCスパッタ法により膜厚500ÅのCrからなる非磁性金属下地層2、次いで、膜厚300Åの82Co−14Cr−4Taからなる磁性層3、さらに膜厚100Åのダイヤモンド状カーボン(DLC)からなる保護膜4を成膜した。
【0059】
さらに、スパッタ後の基板に対しテープバニッシュを行った後、保護膜4の上に、先に合成したピペリジニルエチルアミン末端基を有するパーフルオロポリエーテルと、アルコール系末端基を有するパーフルオロポリエーテル(例えば、アウジモント(株)製 Fomblin Z−DOL、ダイキン工業(株)DEMNUM SA)とをそれぞれ表1に示した4種類の混合比で混合した液体潤滑剤をディップコート法により膜厚が20Åになるように、各混合比の液体潤滑剤に対してそれぞれ3枚の保護膜上に塗布して磁気記録媒体を製造した。このそれぞれの液体潤滑剤はフルオロカーボン(例えば、3M(株)製 PF−5060、アウジモント(株)製 ZS−100)を溶媒として、その濃度が0.04wt%になるように希釈して塗布した。
【0060】
さらに、成膜した潤滑層を加熱温度および時間を制御し潤滑剤のアミンおよびアルコールの各混合比を有する磁気記録媒体において、それぞれ結合率、つまり結合性パーフルオロポリエーテルの割合が、30、60、および100%の磁気記録媒体を製造した。
【0061】
実験例13〜24
表2に示した混合比でジエチルアミン末端基を有するパーフルオロポリエーテルと、アルコール系末端基を有するパーフルオロポリエーテル(例えば、アウジモント(株)製 Fomblin Z−DOL、ダイキン工業(株)DEMNUM SA)とを混合した液体潤滑剤を使用した以外は実験例1〜12に記載の方法と同様にして磁気記録媒体を製造した。
【0062】
実施例1〜12
表3に示した混合比でジベンジルアミノ基を有するパーフルオロポリエーテルと、アルコール系末端基を有するパーフルオロポリエーテル(例えば、アウジモント(株)製 Fomblin Z−DOL、ダイキン工業(株)DEMNUM SA)とを混合した液体潤滑剤を使用した以外は実験例1〜12に記載の方法と同様にして磁気記録媒体を製造した。
【0063】
比較例1および2
アミノ系末端基を有するパーフルオロエーテルを含まず、アルコール系末端基を有するパーフルオロポリエーテル(例えば、アウジモント(株)製 Fomblin Z−DOL、ダイキン工業(株)DEMNUM SA)からなる液体潤滑剤を使用し、結合率をそれぞれ30および60%にした以外は、実験例1〜12に記載の方法と同様にして磁気記録媒体を製造した。
【0064】
比較例3および4
アミノ系末端基を有するパーフルオロエーテルを含まず、ピペロニル系末端基を有するパーフルオロポリエーテル(例えば、アウジモント(株)製 Fomblin AM2001)からなる液体潤滑剤を使用し、結合率をそれぞれ30および60%にした以外は、実験例1〜12に記載の方法と同様にして磁気記録媒体を製造した。
【0065】
なお、表1〜4に実験例1〜24、実施例1〜12および比較例1〜4に用いたアミン系末端基を有するパーフルオロポリエーテルとアルコール系末端基を有するパーフルオロポリエーテルとの混合比および結合率を示してある。
【0066】
磁気記録媒体の評価
上述した実験例1〜24、実施例1〜12および比較例1〜4で製造した磁気記録媒体表面の潤滑層について以下のように行った。これらの結果を表1〜4に示す。
【0067】
(第1の評価)
上述の実験例、実施例と比較例で作製した磁気記録媒体をFT−IR高感度反射法で1290〜1260cm-1に検出されるC−Fピーク吸光度を求めておく。そしてこの媒体をフルオロカーボン(例えば、3M(株)製PF−5060、アウジモント(株)製ZS−100)で5分間にわたって浸漬および超音波にさらし、浸漬後の媒体で再度C−Fピーク吸光度を求め、浸漬前後の吸光度比で結合率とした。
【0068】
(第2の評価)
第2および第3の評価は、潤滑特性を調べたものである。
【0069】
上述した実験例1〜24、実施例1〜12および比較例1〜4で作製した磁気記録媒体の表面上に、ヘッド荷重が3.5gfの磁気ヘッドを、半径位置18.5mm、回転数1rpmで摺動させ、この時の動摩擦係数μlを測定した。
【0070】
その後、回転数100rpmで1時間摺動させた後、回転数1rpmで摺動させた時の動摩擦係数μLを測定した。
【0071】
(第3の評価)
第2の評価と同様のヘッドを用い実際の磁気ディスクドライブに組み込み、初期の摩擦係数μlを測定した。その後、常温/常湿(25℃/40%RH)と60℃/80%RHの条件下で、それぞれ20,000回のCSSを繰り返した。60℃/80%RHの条件で20,000回のCSSを繰り返したものについて、摩擦係数μLを測定し、ヘッドの汚れの有無を光学顕微鏡により観察した。
【0072】
表1〜4に示すように、パーフルオロポリエーテル系潤滑剤の末端基を弱塩基性の第三級アミン構造で置換した潤滑剤およびアルコール系末端基を有するパーフルオロポリエーテルを混合した液体潤滑剤を塗布した磁気記録媒体は、各動摩擦係数の上昇がなく、ヘッド汚れも認められなかった。
【0073】
これに対し、従来の潤滑剤であるアルコール末端基またはピペロニル末端基を有するパーフルオロポリエーテル系潤滑剤のみを塗布した比較例では、各動摩擦係数の上昇や、ヘッド汚れが認められた。
【0074】
(第4の評価)
第4の評価は、マイグレーション評価を調べたものである。
【0075】
第2の評価と同様のヘッドを用い実際の磁気ディスクドライブに組み込み、80℃/80%RH環境で10000rpmの高速回転を500時間行った後の、磁気記録媒体面内の膜厚を半径方向r=20mmの内周とr=45mmの最外周で測定した。
【0076】
表1〜4よりマイグレーション評価においては、従来の潤滑剤と比較して、結合性を高めることができ、潤滑剤の外周への移動・飛散が極めて少ないことがわかる。
【0077】
これに対し、アルコール系末端基を有するパーフルオロポリエーテル潤滑剤のみを用いた磁気記録媒体では、外周と内周との厚さに大きな差が生じ、潤滑剤の外周への移動・飛散が多いことがわかる。
【0078】
(第5の評価)
第5の評価は、ガス吸着評価を調べたものである。
【0079】
磁気記録媒体表面へのガス汚染吸着性を評価するため、SO2ガスを用いた。標準ガス発生装置「パーミエーター(ガステック(株)製)」のSO2パーミエーションチューブを用いて0.1ppmのSO2ガス発生下で24時間放置した。その後の磁気記録媒体表面へ吸着したSO2成分をイオンクロマト法で定量した。
【0080】
表1〜4の酸性ガスの吸着評価においてパーフルオロポリエーテル系潤滑剤の末端基を弱塩基性の第三級アミン構造で置換した潤滑剤およびアルコール系末端基を有するパーフルオロポリエーテル系潤滑剤と混合された潤滑剤を塗布した磁気記録媒体は、カーボン表面に存在する活性な吸着サイトと積極的に結合し、表面を覆うため、外的ガス汚染成分である酸性ガスの媒体表面への吸着を抑制することができた。
【0081】
一方、アルコール系末端基を有するパーフルオロポリエーテル潤滑剤のみを用いた磁気記録媒体では、ガス吸着評価での酸性ガスの吸着量が多いことがわかる。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【0085】
【表4】
【0086】
【発明の効果】
本発明によって、カーボン保護膜表面に対して弱塩基性を有し且つ共役系結合を有した官能基を持つパーフルオロポリエーテル系潤滑剤とアルコール系末端基を塗布することにより、液体潤滑剤の持つ柔軟性を失うことなく、従来のカーボン保護膜表面と潤滑層界面での物理吸着的な結合のみでなく、化学吸着的な分子結合を伴った強固な結合を得ることができる。
【0087】
また、高被覆率の達成により外的なガスコンタミの吸着も抑制することができる。これにより、低浮上型の磁気ヘッドに対して優れた潤滑特性を示し、長期使用時における特性安定に優れる磁気記録媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な磁気記録媒体の層構造を示す模式的斜視図である。
【符号の説明】
1 基体
2 非磁性金属下地層
3 磁性層
4 保護層
5 液体潤滑層
11 非磁性基板
12 非磁性金属層(メッキ層)
Claims (10)
- 円板状の基体上に、非磁性金属下地層、磁性層、保護層、および潤滑層が形成された磁気記録媒体であって、前記潤滑層が、一般式(I)〜(III)
HOCH2−(CF2CF2O)l−(CF2O)m−CH2OH (I)
F(CF2CF2CF2O)n−CH2OH (II)
F(CF2CF2O)n−CH2OH (III)
[式中、lおよびmはそれぞれ独立して0または1以上の整数であり、nは1以上の整数である。ただしl=m=0ということはない。]
よりなる群から選ばれた少なくとも一つのアルコール系末端基を有するパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤と、一般式(IV)〜(VI)
R3R4N−(CH2)p−(CF2CF2O)l−(CF2O)m−(CH2)q−NR3R4
(IV)
F(CF2CF2CF2O)n−(CH2)p−NR3R4 (V)
F(CF2CF2O)n−(CH2)p−NR3R4 (VI)
[式中、l、m、p、およびqはそれぞれ独立して0または1以上の整数であり、nは1以上の整数である。ただし、l=m=0ということはない。−NR3R4およびR3R4N−は、以下の基
よりなる群から選ばれた少なくとも一つの第三級アミン構造のアミン系末端基を有するパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤と、を含む混合液体潤滑剤より形成されることを特徴とする磁気記録媒体。 - 円板状の基体上に、非磁性金属下地層、磁性層、保護層、および潤滑層が形成された磁気記録媒体であって、前記潤滑層が、請求項1に記載のアルコール系末端基を有するパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤より形成された層と、請求項1に記載されたアミン系末端基を有するパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤より形成された層との二層からなることを特徴とする磁気記録媒体。
- 前記潤滑層は、前記保護層との結合率が30〜100%であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
- 前記アミン系末端基を有するパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤の重量平均分子量が1500から15000であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の磁気記録媒体。
- 前記アルコール系末端基を有するパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤の重量平均分子量が1500から5500であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の磁気記録媒体。
- 円板状の基体上に非磁性金属下地層を積層する工程と、該非磁性金属下地層の上に磁性層を積層する工程と、該磁性層の上に保護層を積層する工程と、該保護層の上に潤滑層を積層する工程とを具えた磁気記録媒体の製造方法であって、前記潤滑層を積層する工程が、一般式(I)〜(III)
HOCH 2 −(CF 2 CF 2 O) l −(CF 2 O) m −CH 2 OH (I)
F(CF 2 CF 2 CF 2 O) n −CH 2 OH (II)
F(CF 2 CF 2 O) n −CH 2 OH (III)
[式中、lおよびmはそれぞれ独立して0または1以上の整数であり、nは1以上の整数である。ただしl=m=0ということはない。]よりなる群から選ばれた少なくとも一つのアルコール系末端基を有するパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤と、一般式(IV)〜(VI)
R 3 R 4 N−(CH 2 ) p −(CF 2 CF 2 O) l −(CF 2 O) m −(CH 2 ) q −NR 3 R 4
(IV)
F(CF 2 CF 2 CF 2 O) n −(CH 2 ) p −NR 3 R 4 (V)
F(CF 2 CF 2 O) n −(CH 2 ) p −NR 3 R 4 (VI)
[式中、l、m、p、およびqはそれぞれ独立して0または1以上の整数であり、nは1以上の整数である。ただし、l=m=0ということはない。−NR 3 R 4 (これはR 3 R 4 N−と同義である。)は、以下の基
よりなる群から選ばれた少なくとも一つの第三級アミン構造のアミン系末端基を有するパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤とを含む混合液体潤滑剤を塗布する工程であること特徴とする磁気記録媒体の製造方法。 - 前記潤滑層を積層する工程が、前記混合液体潤滑剤を溶媒で希釈した液をディップコート法またはスピンコート法で塗布する工程であることを特徴とする請求項6に記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 円板状の基体上に非磁性金属下地層を積層する工程と、該非磁性金属下地層の上に磁性層を積層する工程と、該磁性層の上に保護層を積層する工程と、該保護層の上に潤滑層を積層する工程とを具えた磁気記録媒体の製造方法であって、前記潤滑層を積層する工程が、請求項6に記載のアルコール系末端基を有するパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤を塗布する工程と、請求項6に記載のアミン系末端基を有するパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤を塗布する工程とを各別に備えることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
- 前記潤滑層を積層する工程が、前記アルコール系末端基を有するパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤、およびアミン系末端基を有するパーフルオロポリエーテル系液体潤滑剤をそれぞれ各別に溶媒で希釈した液をディップコート法またはスピンコート法で、各別に塗布する工程であることを特徴とする請求項8に記載の磁気記録媒体の製造方法。
- 前記潤滑層が前記保護膜との結合率を30〜100%有するように加熱工程またはUV照射工程をさらに備えることを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
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