JPH1046171A - 潤滑剤組成物およびこれを用いた磁気記録媒体 - Google Patents

潤滑剤組成物およびこれを用いた磁気記録媒体

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JPH1046171A
JPH1046171A JP20352296A JP20352296A JPH1046171A JP H1046171 A JPH1046171 A JP H1046171A JP 20352296 A JP20352296 A JP 20352296A JP 20352296 A JP20352296 A JP 20352296A JP H1046171 A JPH1046171 A JP H1046171A
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JP
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perfluoropolyether
hydrocarbon group
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group
magnetic
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JP20352296A
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Hirofumi Kondo
洋文 近藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 あらゆる走行条件下において優れた潤滑特性
が得られるとともに、長時間あるいは長期間にわたり潤
滑効果が持続し、安定した走行性、耐磨耗性あるいは耐
久性等が得られる新規潤滑剤組成物、およびこれを用い
た磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 水酸基を含む炭化水素基と長鎖炭化水素
基とを分子内に有するパーフルオロポリエーテル系潤滑
剤と、カルボン酸アミン塩基を分子末端に有するパーフ
ルオロポリエーテル系潤滑剤とを混合した潤滑剤組成物
を採用する。混合比は1/3〜3/1がよい。また磁気
記録媒体は、塗布型、薄膜型のいずれでもよい。 【効果】 潤滑性に優れる潤滑剤と、耐久性に優れる潤
滑剤との相乗効果により、低摩擦係数が長時間あるいは
長期間にわたり持続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は潤滑剤組成物および
これを用いた磁気記録媒体に関し、さらに詳しくは、分
子内に水酸基を含む炭化水素基と長鎖の炭化水素基を有
するパーフルオロポリエーテルと、末端にカルボン酸ア
ミン塩基を有するパーフルオロポリエーテルとを混合し
た新規潤滑剤組成物、およびこれを用いた走行性、耐久
性等に優れた磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】オーディオ装置、ビデオ装置あるいはコ
ンピュータ装置等に付随する磁気記録装置で用いられる
磁気記録媒体として、薄膜型と塗布型のものが主として
用いられている。薄膜型は、非磁性支持体上にCo等の
強磁性金属薄膜をスパッタリング、蒸着あるいはめっき
等の薄膜形成技術により被着したものである。また塗布
型のものは、磁性粉末、有機バインダおよび各種添加剤
等を有機溶媒に分散、混練して調整される磁性塗料を、
非磁性支持体上に塗布、乾燥、硬化することにより形成
される磁気記録層を用いたものである。
【0003】これらの各種磁気記録装置においては、近
年ますます小型軽量化、高画質化、長時間化あるいはデ
ィジタル記録化等が進展し、磁気記録媒体に対しても高
密度記録化が強く要望されるようになっている。この要
望に応えるため、近年の磁気記録媒体はその表面を鏡面
に近い状態にまで平滑化し、磁気ヘッド/磁性層間の間
隙を狭め、スペーシングロスを可及的に低減する方向に
ある。このため、磁気ヘッド、磁気ドラムあるいはガイ
ドピン等の摺動部材と、磁性層との実効的な接触面積が
増加し、摩擦係数、摩擦力ともに大きくなる。したがっ
て、摺動部材への磁気記録媒体の凝着現象、いわゆる張
り付き等が起き易く、走行性や耐久性に解決すべき問題
点を有している。
【0004】一例として8ミリビデオテープレコーダの
場合、磁気テープは10個以上のステンレス等からなる
固定ガイドピンを通過して磁気ドラムに巻き付けられ、
ピンチローラ、キャプスタンおよびリールモータによ
り、テープテンションは約20g、走行速度は0.5c
m/secと、共に一定に保持されている。磁気テープ
レコーダの走行系では、摺動部材/磁性層間の摩擦力が
大きくなると、磁気テープがスティックスリップと呼ば
れる自励振動によるテープ鳴きを起こし、再生画面の歪
みを発生する。また磁気テープ/磁気ヘッド間の相対速
度は3.8m/secと大きく、特にスチル再生モード
では磁気テープの同一個所を連続的に高速接触するの
で、磁性層が磨耗し、再生出力が低下する。薄膜型の磁
気テープでは磁性層が薄いので、この問題はさらに深刻
となる。
【0005】ハードディスク装置の場合には、停止時で
は磁気ヘッドは磁気ディスク表面に接触しており、磁気
ディスクが高速回転すると、発生する空気流により磁気
ヘッドが僅かに浮上するCSS(Contact Start and Sto
p)と呼ばれる走行モードである。このため、起動時およ
び停止時には磁気ヘッドは磁気ディスク表面を擦って走
行するので、静止摩擦から動摩擦まで広い範囲の摩擦状
態が問題となり、極めて厳しい走行条件である。実際の
商品レベルの信頼性・耐久性を保証するためには、例え
ばCSS動作を2万回行った後の摩擦係数が0.5以下
であることが要求される。また磁気ヘッドが高速回転す
る磁気ディスク表面に接触した場合に破損するヘッドク
ラッシュの解決策も、磁気ディスク側に要求される課題
の一つである。
【0006】これら諸問題を解決するために、従来より
各種潤滑剤の使用が検討されている。高級脂肪酸やその
エステル等を磁性層に内添あるいはトップコートするこ
とにより、摩擦係数を低減する試みはその一例である。
【0007】近年の高密度磁気記録媒体に用いられる潤
滑剤には、その使用目的上、極めて厳しい特性が要求さ
れ、従来から用いられてきた潤滑剤では充分に対応でき
ないのが実情である。かかる要求特性の代表的なものと
して、以下のものが挙げられる。 (1)寒冷環境下での使用に際し、所定の潤滑効果が確
保されるように、低温特性に優れること。 (2)磁気ヘッドとのスペーシングロスが問題とならな
いように、例えば数nmと極めて薄くほぼ単分子レベル
で均一塗布できること、あるいは薄い塗布膜が均一に形
成できること。またその場合でも充分な潤滑特性が発揮
されること。 (3)長時間の使用、あるいは例えば10年間といった
長期間の使用に耐え、潤滑効果が持続すること。
【0008】これらの要求特性を満たし、磁気記録媒体
表面との強固な密着性を得るためには、まず潤滑剤の分
子設計の検討が必要である。潤滑特性や密着性は潤滑剤
の分子構造に依存するところが大きいことは明らかとな
っている。磁気記録媒体用に開発された潤滑剤は、シリ
コーン系、炭化水素系およびフッ化炭素系に大別され
る。
【0009】シリコーン系潤滑剤は熱安定性に優れるこ
とと、蒸気圧が小さいこと等のために、塗布型の磁気記
録媒体では良く用いられてきた潤滑剤の一つである。し
かしながら、表面平滑性が向上した薄膜型磁気記録媒体
においては、ピンオンディスク法による磨耗加速試験、
あるいはCSS試験等で要求される潤滑特性を満足する
ことは困難となりつつある。
【0010】炭化水素系潤滑剤は、塗布型の磁気記録媒
体では現在でも主流の位置を占める潤滑剤である。しか
し一般に蒸気圧が大きく、熱的・化学的安定性はシリコ
ーン系やフッ化炭素系潤滑剤と比較して劣るものが多
い。また摩擦熱等により生成するフリクショナルポリマ
と呼称される反応生成物が摺動面に付着し、潤滑特性を
低下させ、場合によっては致命的な欠陥となる虞れもあ
る。薄膜型磁気記録媒体においても優れた初期潤滑特性
を示すが、蒸気圧が大きいために欠落した潤滑層の補充
が困難で、長時間の耐久性に問題を残す。
【0011】フッ化炭素系潤滑剤は、薄膜型磁気記録媒
体では現在最も多く用いられている潤滑剤である。中で
も複数のエーテル結合を有するパーフルオロポリエーテ
ルは、潤滑特性や表面保護作用に優れるために広く用い
られている。これは、CF2−O−CF2 結合がフレキ
シブルであるために、同じ分子量の他のフッ化炭素化合
物に比較して粘度が小さいことと、広い温度範囲で粘度
変化が小さいためと考えられる。加えて化学的に不活性
であること、蒸気圧が小さいこと、熱的・化学的安定性
に優れること、表面エネルギが小さいこと、境界潤滑特
性が良いこと、そして撥水性に優れること等の一般的諸
特性が挙げられる。
【0012】パーフルオロポリエーテルの特性はその分
子構造に強く依存する。何種類かのパーフルオロポリエ
ーテルはすでに市販されており、それらは分子量、主鎖
の繰り返し単位、末端基等がそれぞれ異なる。例えば、
Fomblin−Yタイプは−CF(CF3 )CF2
−と−CF2 O−とのランダム共重合体で、主鎖の繰り
返し単位が側鎖を有するのに対し、Fomblin−Z
タイプは−CF2 CF2 O−と−CF2 O−とのランダ
ム共重合体で、主鎖の繰り返し単位が直鎖構造を有す
る。DemnumタイプおよびKrytoxタイプはそ
れぞれ、ヘキサフルオロプロピレンオキシドおよびヘキ
サフルオロイソプロピレンオキシドのホモポリマであ
る。化学的に不活性であるために、パーフルオロポリエ
ーテルは一般的に磁性層表面での吸着能力に欠ける。そ
こで吸着能力、すなわち密着性の改善のため、両末端に
極性基として水酸基を持つパーフルオロポリエーテルで
あるFomblin−Z−DOLや、極性基としてピペ
ロニル基を有するFomblin−AM2001が開発
された。Fomblin−AM2001は特に金属表面
やカーボン表面への強固な固定化作用があり、磁気ディ
スクに用いた場合にはある程度耐用年数が向上するとさ
れている。このように分子設計をも含めて、磁気記録媒
体用の潤滑剤には様々な改良がなされているが、すべて
の要求特性を満たす潤滑剤は未だに存在しない。なおF
omblin、DemnumおよびKrytoxはいず
れも商品名である。
【0013】また磁気記録媒体製造上の観点から見た場
合、パーフルオロポリエーテルをはじめとするフッ化炭
素系潤滑剤は、その分子量が大きいと溶媒の選択が限定
され、フッ化炭素系やクロロフルオロカーボン系溶媒以
外には良溶媒が少ない。溶媒を大量に使用する磁気記録
媒体の製造工程において、溶媒の価格や環境保全への配
慮は重要である。幸いにして分子量が1000以下のパ
ーフルオロポリエーテルの場合は、溶媒の選択肢はかな
り広く、メチルエチルケトンのようなケトン系溶媒、エ
タノールのようなアルコール系溶媒にも溶解し、使い勝
手はよい。しかしながら、分子量が小さいために蒸気圧
が比較的大きく、磁気記録媒体の経時変化に問題を残し
ていた。
【0014】ところで、磁気ヘッド/磁気記録媒体間の
相対速度が数m/sec程度以上の磁気記録装置におい
ては、接触部分で発生する摩擦熱は表面温度を瞬間的に
急激に増加させる。両者の接触点での温度をリアルタイ
ムで正確に測定する方法は存在しないが、シミュレーシ
ョン結果によると局部的に数百℃を超えると見積もられ
ている。特にこのような境界条件下では反応性に富んだ
表面が露出するので、高温となった接触点で潤滑剤分子
の分解反応が促進される。パーフルオロポリエーテル
は、一般的には空気中で350℃以上の高温でも安定で
あるが、鉄やチタン等の金属や合金、あるいはAlCl
3 、FeCl3 やAl2 3 等のルイス酸やルイス塩基
の存在下では分解し易くなる。かかる潤滑剤の分解は、
当然のことながら潤滑特性に悪影響をおよぼし、これが
磁気記録装置全体の信頼性を損なう結果となる。したが
って潤滑特性に加えて分解の少ない潤滑剤の開発も望ま
れる。
【0015】さらに最近の傾向として、磁気ヘッド/磁
気記録媒体間の相対速度が増加することにより、磁気ヘ
ッドの摺動面にブラウンステインと呼ばれる変質層が発
生し、これがスペーシングロスとなって再生出力を著し
く劣化させる場合がある。ブラウンステイン発生のメカ
ニズムは明らかではないが、酸化鉄等の酸化層の形成に
よるものと考えられている。磁性層表面の潤滑剤がこの
酸化層の形成を防止する効果も期待され、このためにも
新規潤滑剤の開発が求められている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる現状に
鑑み提案するものであり、あらゆる走行条件下において
優れた潤滑特性が得られるとともに、長時間あるいは長
期間にわたり潤滑効果が持続し、安定した走行性、耐磨
耗性あるいは耐久性等が得られる、しかも汎用溶媒への
溶解性に優れる新規潤滑剤組成物、およびこれを用いた
磁気記録媒体を提供することをその課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の潤滑剤組成物
は、上述した課題を解決するために提案するものであ
り、下記一般式(1)および(2)のうちのいずれか少
なくとも一方で示される、水酸基を含む炭化水素基と、
長鎖炭化水素基とを分子内に有するパーフルオロポリエ
ーテル系潤滑剤と、下記一般式(3)および(4)のう
ちのいずれか少なくとも一方で示される、カルボン酸ア
ミン塩基を分子末端に有するパーフルオロポリエーテル
系潤滑剤とを少なくとも混合したことを特徴とする。 Rf11 XR2 YR (1) RYR2 XR1 f11 XR2 YR (2) (但し、Rf1はパーフルオロポリエーテル基を、R1
水酸基を含む炭化水素基を、R2 は炭化水素基および単
結合のうちのいずれか一種を、Rは長鎖炭化水素基を、
XおよびYはそれぞれ独立にエーテル結合、エステル結
合、アミド結合および単結合のうちのいずれか一種をそ
れぞれ表す。) Rf2−COO- + HR3 4 5 (3) R3 4 5 + HO- OC−Rf2−COO- + HR3 4 5 (4) (但し、Rf2はパーフルオロポリエーテル基を、R3
4 およびR5 のうちの少なくとも一種は長鎖炭化水素
基を表し、他はそれぞれ独立に炭化水素基および水素の
うちのいずれか一種をそれぞれ表す。)
【0018】前記一般式(1)および(2)で示される
パーフルオロポリエーテル系潤滑剤中の長鎖炭化水素基
Rは、炭化水素系溶媒等の汎用溶媒への溶解性の観点か
らは、炭素数10以上であることが望ましい。フッ素系
やクロロフルオロカーボン系等の溶媒を使用する場合に
はこの限りではない。また、前記一般式(3)および
(4)で示されるパーフルオロポリエーテル系潤滑剤中
のR3 、R4 およびR5 中の長鎖炭化水素基は、やはり
汎用溶媒への溶解性の観点からは、炭素数は6以上であ
ることが望ましい。さらに、前記一般式(1)および
(2)のうちのいずれか少なくとも一方で示されるパー
フルオロポリエーテル系潤滑剤と、前記一般式(3)お
よび(4)のうちのいずれか少なくとも一方で示される
パーフルオロポリエーテル系潤滑剤との混合比は、重量
比で1/3〜3/1であることが望ましい。限定理由に
ついては後に述べる。
【0019】本発明の磁気記録媒体は、上述した一般式
(1)および(2)のうちのいずれか少なくとも一方で
示される、水酸基を含む炭化水素基と、長鎖炭化水素基
とを分子内に有するパーフルオロポリエーテル系潤滑剤
と、上述した一般式(3)および(4)のうちのいずれ
か少なくとも一方で示される、カルボン酸アミン塩基を
分子末端に有するパーフルオロポリエーテル系潤滑剤と
を少なくとも混合した潤滑剤組成物が、非磁性支持体上
に形成された磁性層表面に塗布されていることを特徴と
する。この場合、磁性層は強磁性金属薄膜からなる薄膜
型の磁気記録媒体、または磁性粉末を有機バインダ中に
分散してなる塗布型の磁気記録媒体であることが望まし
い。
【0020】本発明の別の磁気記録媒体は、上述した一
般式(1)および(2)のうちのいずれか少なくとも一
方で示される、水酸基を含む炭化水素基と、長鎖炭化水
素基とを分子内に有するパーフルオロポリエーテル系潤
滑剤と、上述した一般式(3)および(4)のうちのい
ずれか少なくとも一方で示される、カルボン酸アミン塩
基を分子末端に有するパーフルオロポリエーテル系潤滑
剤とを少なくとも混合した潤滑剤組成物が、非磁性支持
体上に形成された磁性層表面に内添されていることを特
徴とする。この場合、磁性層は磁性粉末を有機バインダ
中に分散してなる塗布型の磁気記録媒体であることが望
ましい。
【0021】本発明の潤滑剤中のパーフルオロポリエー
テル基Rf1およびRf2の分子構造は特に限定されない
が、下記にその一例を示す。単官能のパーフルオロポリ
エーテル基の繰り返し単位としては、下記一般式(5)
で示されるパーフルオロオキシイソプレン基とパーフル
オロオキシメチレン基との共重合体 CF3 〔OCF(CF3 )CF2 j (OCF2 k −(5) あるいは下記一般式(6)で示されるパーフルオロオキ
シイソプレン基のホモ重合体 F〔CF(CF3 )CF2 O〕l − (6) さらに下記一般式(7)で示されるパーフルオロオキシ
プロピレン基のホモ重合体 F(CF2 CF2 CF2 O〕m − (7) 等が例示される。また多官能のパーフルオロポリエーテ
ル基の繰り返し単位としては、下記一般式(8)で示さ
れるものが例示される。 −(OC2 4 p (OCF2 q − (8) 但し、一般式(5)〜(8)中のj、k、l、m、pお
よびqは、いずれもそれぞれ独立して1以上の自然数を
表す。p/qの値は0.5〜2.0が好ましく、分子量
はいずれも700〜10000程度、700〜4000
程度がさらに好ましい。
【0022】本発明の磁気記録媒体の磁性層としては、
薄膜型および塗布型いずれのものにも適用が可能であ
る。このうち、薄膜型の磁性層は、強磁性金属を蒸着や
スパッタリングあるいはめっき等の薄膜形成技術により
非磁性支持体上に形成したものである。ハードディスク
として使用する場合には、強磁性金属薄膜上にダイアモ
ンド状カーボン膜、非晶質カーボン膜、酸化クロム膜、
酸化シリコン膜あるいは酸化ジルコニウム膜のような硬
質保護膜を極く薄く形成してもよい。強磁性金属の材料
としては、Co、FeあるいはNi等の単体強磁性金属
や、Co−Ni系合金、Co−Ni−Pt系合金、Co
−Cr合金、Co−Cr−Ta合金、Co−Cr−Pt
合金等のCo系合金、Fe−Co−Ni合金、Fe−N
i−B合金、Fe−Co−B合金、Fe−Co−Ni−
B合金等のFe系合金等や、これら強磁性材料中や粒界
に酸化物、窒化物あるいは炭化物等が析出した構造から
なるものが例示される。特に、面内磁化モードによる薄
膜型磁気記録媒体では、非磁性支持体表面に対し斜め蒸
着等で磁性層を形成して磁化容易軸を磁性層の略面内に
配向する。非磁性支持体上にBi、Sb、Pb、Sn、
Ga、In、Ge、SiあるいはTi等の非磁性下地層
を形成しておき、ここに非磁性支持体表面の垂直方向環
から強磁性金属を蒸着あるいはスパッタリングしてもよ
い。かかる非磁性下地層を介在させることにより、非磁
性金属を磁性層中に拡散したり、磁性層のモホロジを制
御して面内等方性磁化を付与するとともに、抗磁力を向
上することができる。
【0023】本発明の潤滑剤組成物はかかる薄膜型の磁
性層上あるいは硬質保護膜上に塗布、すなわちトップコ
ートすることにより適用することができる。塗布方法は
特に限定されない。潤滑剤組成物の塗布量としては、
0.5〜100mg/m2 であることが望ましく、1〜
20mg/m2 であることがさらに望ましい。この範囲
以下では潤滑性、耐久性の効果が薄く、またこの範囲以
上の量を塗布しても潤滑性、耐久性の効果は飽和する。
【0024】薄膜型の磁気記録媒体を厳しい走行条件下
で潤滑効果を持続させるためには、本発明の潤滑剤組成
物に加えて極圧剤を併用してもよい。潤滑剤組成物と極
圧剤の混合比率は、重量比で30:70〜70:30程
度の範囲が望ましい。極圧剤は、境界潤滑領域において
金属接触が部分的に発生して摩擦熱が発生した場合に、
この熱により露出した金属面と反応し、反応生成物被膜
を形成することにより、摩擦・磨耗防止作用を担う添加
剤である。リン系極圧剤、イオウ系極圧剤、ハロゲン系
極圧剤、有機金属系極圧剤、これらの複合系極圧剤等が
あり、これらはいずれも本発明の潤滑剤と併用すること
が可能である。
【0025】薄膜型の磁気記録媒体あるいは金属磁性粉
末系の塗布型磁気記録媒体の場合には、強磁性金属の酸
化を防止するために防錆剤を塗布あるいは内添の形で用
いてもよい。防錆剤としては、例えばフェノール類、ナ
フトール類、キノン類、窒素原子を含む複素環化合物、
酸素原子を含む複素環化合物、イオウ原子を含む複素環
化合物等はいずれも使用できる。
【0026】また塗布型の磁性層は、磁性粉末、分散
剤、研磨剤、マット剤および帯電防止剤等を有機バイン
ダとともに有機溶媒中に分散・混練して得られる磁性塗
料を、非磁性支持体上に塗布、磁気配向、乾燥および硬
化等の工程を経て形成されるものである。本発明の潤滑
剤組成物は、この磁性塗料中にあらかじめ添加しておい
てもよいし、形成された磁性層上に別途塗布してもよ
い。このうち磁性粉末の材料は特に限定はなく、金属磁
性粉末、酸化物磁性粉末あるいはその他の化合物磁性粉
末がいずれも採用される。金属磁性粉末系としてはF
e、Co、Ni等の金属やこれらの合金、あるいはこれ
ら金属や合金にAl、Si、Ti、Cr、V、Mn、C
u、Zn、Mg、Bi、希土類、P、B、N、C等の元
素が一種あるいは複数種添加されたものがいずれも用い
られる。これらのうち、FeあるいはFe−Co合金が
飽和磁化の点から好ましく用いられる。またこれら金属
磁性粉末の表層に、Al、Si、PあるいはB等の焼結
防止元素あるいは形状保持元素を含有していてもよい。
酸化鉄系磁性粉末としてはγ−Fe2 3 、Fe
3 4 、γ−Fe2 3 とFe3 4 との中間体である
ベルトライド化合物、Co含有γ−Fe2 3 、Co含
有Fe3 4 、Co含有γ−Fe2 3 とCo含有Fe
3 4 との中間体であるベルトライド化合物等の各種ス
ピネル型酸化鉄、M型、W型、Y型、Z型等の各種バリ
ウムフェライト、カルシウムフェライト、鉛フェライ
ト、これら各種マグネトプランバイト型酸化鉄に保磁力
を向上する目的で、Co、Ti、Zn、Nb、Cuある
いはNi等を添加したマグネトプランバイト型酸化鉄が
例示される。鉄の化合物としては酸化鉄系の他に窒化
鉄、炭化鉄、硼化鉄が挙げられる。酸化物系としては他
にCrO2 あるいはこれにTe、Sb、Fe、B等を微
量添加したものでもよい。これら各種磁性粉末は単独あ
るいは複数種を混合して使用することも可能である。
【0027】本発明で採用する磁性粉末の形状として
は、長軸長が例えば0.05μm〜0.5μm程度、軸
比(アスペクト比)が3〜30程度、好ましくは5〜1
5程度であって、針状、柱状、紡錘状あるいは棒状の外
形を呈するものが好ましい。長軸長が0.05μm未満
であると、磁性塗料の分散が困難であり、長軸長が0.
5μmを超えるとノイズ特性が劣化する虞れがあり好ま
しくない。軸比が3未満では個々の磁性粒子の磁場配向
性が劣化して角型比と残留磁束が低下する結果、出力が
低下する。また軸比が30を超えると、特に短波長信号
が低下する虞れがあり好ましくない。マグネトプランバ
イト型酸化鉄の場合には微細な六角板状のものが採用さ
れる。これは板径が0.01〜0.5μm、板厚が0.
001〜0.2μm程度のものが好ましい。長軸長、軸
比、板径、板厚等は、透過型電子顕微鏡写真から無作為
に抽出した100サンプル以上の粒子の平均値から求め
ることができる。これら磁性粉末の比表面積は30m2
/gから80m2 /g、特に40m2 /gから70m2
/gの範囲のものが好ましい。比表面積をこの範囲に選
ぶことにより、磁性粉末の微粒子化に伴う高密度記録化
と、ノイズ特性に優れた磁気記録媒体を得ることができ
る。
【0028】塗布型の磁性層に採用される有機バインダ
としては、磁気記録媒体用のバインダとして従来より使
用されている熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂
等のすべてが使用可能である。熱可塑性樹脂は、熱硬化
性樹脂や反応型樹脂等と混合して用いることが望まし
い。樹脂の分子量としては、平均分子量5,000ない
し200,000のものが好適であり、10,000な
いし100,000のものがさらに好適である。熱可塑
性樹脂としては、例えば塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、フッ化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル
−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル
−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン−アクリ
ロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリルニ
トリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニル−塩
化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビ
ニル共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデン
共重合体、メタクリル酸エステル−エチレン共重合体、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブ
タジエン共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステルポ
リウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロー
ス誘導体(セルロースアセテートブチレート、セルロー
スダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロ
ースプロピオネート、ニトロセルロース等)、スチレン
ブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、
各種合成ゴム系等があげられる。また熱硬化性樹脂およ
び反応型樹脂の例としては、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素ホルムアルデヒド
樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹
脂、ポリアミン樹脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソ
シアネートプレポリマの混合物、ポリエステルポリオー
ルとポリイソシアネートの混合物、低分子量グリコール
と高分子量ジオールとイソシアネートの混合物等、およ
びこれら樹脂の混合物が例示される。これらの樹脂は、
磁性粉末の分散性を向上するために−SO3 M、−OS
3M、−COOM、あるいは −PO(OM’)2
の極性官能基を含有していてもよい(但し、MはHまた
はLi、Ka、Na等のアルカリ金属、M’はHまたは
Li、Ka、Na等のアルカリ金属またはアルキル基を
あらわす)。極性官能基としてはこの他に−NR
1 2 、−NR1 2 3 + - の末端基を有する側鎖
型のもの、>NR1 2 + - の主鎖型のもの等がある
(ここでR1 、R2 、R3 は水素原子または炭化水素基
であり、X- はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲ
ンイオンあるいは無機、有機イオンをあらわす)。この
他に−OH、−SH、−CN、エポキシ基等の極性官能
基であってもよい。これら極性官能基の含有量は10-1
〜10-8mol/gであり、好ましくは10-2〜10-6
mol/gである。これら有機バインダは単独で用いる
ことも可能であるが、2種類以上を併用することも可能
である。磁気記録層中におけるこれら有機バインダの量
は、磁性粉末100重量部に対して1〜200重量部、
好ましくは10〜50重量部である。
【0029】上述した有機バインダを架橋硬化する硬化
剤として、例えばポリイソシアネート等を添加すること
が可能である。ポリイソシアネートとしては、トルエン
ジイソシアネートならびにこの付加体、アルキレンジイ
ソシアネートならびにこの付加体等が例示される。テト
ラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジル
−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、テトラグ
リシジルアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p
−アミノフェノール等のポリグリシジルアミン化合物、
2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプト置換トリア
ジン等のポリチオール化合物、トリグリシジルイソシア
ヌレート等のエポキシ化合物、エポキシ化合物とイソシ
アネート化合物の混合物、エポキシ化合物とオキサゾリ
ン化合物との混合物、イミダゾール化合物とイソシアネ
ート化合物の混合物、無水メチルナジン酸等、従来より
公知のものはいずれも使用可能である。これら硬化剤の
有機バインダへの配合割合は、有機バインダ100重量
部に対し5〜80重量部、好ましくは10〜50重量部
である。
【0030】磁性粉末を良好に分散するためには、分散
剤の使用が好ましい。これら分散剤の具体例としては特
に限定されないが、炭素数10〜20の脂肪酸、これら
脂肪酸とアルカリ金属、アルカリ土類金属あるいは遷移
金属との塩類、これら脂肪酸の燐酸エステル、硫酸エス
テル等、そしてシリコン系、チタン系あるいはアルミニ
ウム系の各種カプリング剤等の界面活性剤が例示され
る。これら分散剤の添加量は、磁性粉末100重量部に
対して1〜5重量部であることが好ましい。1重量部未
満では分散剤としての機能が十分に発揮されない。また
5重量部を超えると、磁性粉末と未反応の官能基が磁気
記録層中に多く存在することとなり、これら過剰の官能
基の相互作用により分散性がかえって低下する。またこ
れら未反応の官能基がポリイソシアネート等の硬化剤と
速やかに反応し、この場合にも分散性が低下する虞れが
ある。
【0031】研磨剤は磁気記録層の補強剤を兼ねるもの
であり、モース硬度4以上好ましくは5以上、比重は2
〜6好ましくは3〜5の範囲のものが採用される。具体
的には溶融アルミナ、α,β,γ−アルミナ等の各種ア
ルミナ、炭化珪素、酸化クロム、酸化チタン(ルチルお
よびアナターゼ)コランダム、人造コランダム、人造ダ
イモンド、ザクロ石、エメリ、シリカ等、従来より公知
のものはいずれも使用可能である。これらの研磨剤は、
平均粒子径0.05〜5μm、好ましくは0.1〜2μ
mの大きさのものが使用され、有機バインダ100重量
部に対して通常1〜20重量部の範囲で添加される。
【0032】マット剤としては、有機質粉末、無機質粉
末あるいはこれらの混合物が用いられる。有機質粉末と
しては、アクリルスチレン系樹脂粉末、ポリエステル系
樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉
末、ポリフッ化エチレン系樹脂粉末が使用可能である。
また無機質粉末としては、酸化珪素、酸化チタン、酸化
アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜
鉛、酸化錫、酸化クロム、炭化珪素、酸化鉄、タルク、
カオリン、硫酸カルシウム、窒化硼素、フッ化亜鉛、二
酸化モリブデン等が例示される。
【0033】帯電防止剤としては、カーボンブラックを
はじめ、グラファイト、酸化錫−酸化アンチモン複合酸
化物、酸化チタン−酸化錫−酸化アンチモン複合酸化
物、サポニン等の天然界面活性剤、アルキレンオキサイ
ド系、グリセリン系、グリシドール系等のノニオン系界
面活性剤、高級アルキルアミン、第4級アンモニウム塩
類、ピリジンその他の複素環類、ホスホニウムまたはス
ルホニウム等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、ス
ルホン酸、燐酸、硫酸エステル等の酸性基を含むアニオ
ン系界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、ア
ミノアルコールの硫酸または燐酸エステル等の両性面活
性剤等が例示される。
【0034】磁気記録層を形成する磁性塗料を調製する
際の有機溶媒、あるいはこの磁性塗料を非磁性支持体上
に塗布する際に用いられる希釈溶媒としては、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン等のケトン類、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸
エチル、エチレングリコールモノアセテート等のエステ
ル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、グリコ
ールモノエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素、メチレンクロライド、エチレンクロ
ライド、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロルベンゼン
等のハロゲン化炭化水素等が使用される。本発明の塗布
型の磁気記録媒体に用いられるこれら有機バインダ、有
機溶剤および分散剤、潤滑剤組成物、研磨剤等の各種添
加剤等の混合比等は、通常の塗布型磁気記録媒体と同様
でよい。
【0035】磁性塗料の調製は、これら磁性粉末、有機
バインダ、各種添加剤および有機溶剤を混合、分散およ
び混練の各工程を経ることによりおこなわれる。分散お
よび混練には、ニーダ、アジタ、ボールミル、サンドミ
ル、ロールミル、エクストルーダ、ホモジナイザ、超音
波分散機等が用いられる。
【0036】非磁性支持体上に塗布型の磁気記録層を形
成するための塗布方法は特に限定されず、エアドクタコ
ート、ブレードコート、エアナイフコート、スクィズコ
ート、含浸コート、リバースロールコート、トランスフ
ァロールコート、グラビアコート、キスコート、キャス
トコート、エクストルージョンコート、スピンコート等
従来の方法はいずれも採用可能である。これらの塗布方
法により、非磁性支持体上に磁気記録層を含む多層の塗
布層を形成する場合には、一層ずつ塗布および乾燥工程
を積み重ねる方法でもよく、未乾燥の塗膜上に連続的に
あるいは同時に塗布を重ねるウェットオンウェット方式
で形成してもよい。
【0037】非磁性支持体上に形成された磁気記録層
は、必要に応じて未乾燥の状態で磁場配向処理をおこな
った後、加熱空気等により乾燥して有機溶剤を除去す
る。配向磁場は直流または交流で例えば0.05T〜
0.5T程度であり、乾燥温度は50〜120℃程度、
乾燥時間は0.1〜10分程度が好ましい。磁気記録層
を乾燥後、これも必要に応じてさらに潤滑剤組成物を塗
布する工程、カレンダ処理等の表面平滑化処理工程、巻
き取りロールへの巻き取り工程、硬化工程、所望の形状
への裁断工程等を経て、磁気記録媒体を完成する。硬化
工程はカレンダ処理の前後いずれに施してもよい。潤滑
剤組成物の塗布工程は表面平滑処理工程や硬化工程の後
におこなってもよい。
【0038】本発明の磁気記録媒体に適用される非磁性
支持体としては、通常の塗布型および薄膜型磁気記録媒
体で用いられるものはいずれも使用可能であり、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタ
レート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテー
ト、セルロースダイセテート等のセルロース誘導体、ポ
リ塩化ビニル等のビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン等
のビニリデン樹脂、ポリカーボネート、ポリアミドイミ
ド、ポリイミド等の有機高分子が例示される。これら非
磁性支持体の表面には接着性向上のための下地材料層を
設けてもよい。また非磁性支持体の磁気記録層の反対面
には、帯電防止用等のバックコート層を設けてもよい。
かかるバックコート層は、導電性を付与するためのカー
ボン粉末や、表面粗度を制御するための無機顔料を有機
バインダ中に分散した塗料を調製し、これを非磁性支持
体裏面に塗布・乾燥して形成する。本発明の磁気記録媒
体は、このバックコート層に本発明の潤滑剤組成物を塗
布あるいは内添してもよい。非磁性支持体としてはこの
他に、Al系金属、Ti系金属、Cu系金属、Zn系金
属等の金属あるいは合金、アルミナ、石英、窒化硼素等
のセラミクス類、ガラス等からなる剛性基板を用いても
よい。これら剛性基板の表面に、下地層として陽極酸化
被膜やNi−P系めっき被膜等を形成しておいてもよ
い。これら非磁性支持体の厚さはフィルム状、シート状
の場合は3〜100μm、好ましくは5〜50μmであ
り、カード状、ディスク状の場合は30μm〜10mm
程度である。また磁気ドラムの場合は円筒状で用いら
れ、いずれも使用する磁気記録装置に応じてその形状は
決定される。
【0039】薄膜型、塗布型いずれの磁性層において
も、本発明の潤滑剤組成物の他に他の潤滑剤を組み合わ
せて用いてもよい。他の潤滑剤の例としては、一般的な
フッ素系潤滑剤、シリコーンオイル、グラファイト、カ
ーボンブラックグラファイトポリマ、二硫化モリブデ
ン、二硫化タングステン、あるいはラウリン酸、ミリス
チン酸等炭素原子数10〜22程度の脂肪酸とこの脂肪
酸の炭素原子数と合計して21〜23の炭素数の一価ア
ルコールとからなる脂肪酸エステル、テルペン系化合
物、ならびにこれらのオリゴマ等、従来より公知のもの
はいずれも使用可能である。これらの潤滑剤は、塗布型
の磁性層の場合には有機バインダ100重量部に対して
通常0.2〜20重量部の範囲で添加される。
【0040】つぎに作用の説明に移る。本発明者はパー
フルオロポリエーテルの優れた潤滑性に着目し、これを
厳しい走行条件に曝される高密度磁気記録媒体の潤滑剤
に適用するための一連の分子設計を継続してきた。その
過程において、末端にカルボキシル基を有するパーフル
オロポリエーテルと長鎖アルコールとのエステル化合物
を、特開平5−194971号公報に開示した。また、
分子内に長鎖炭化水素基と水酸基を有するパーフルオロ
ポリアルキルエーテルを特願平7−130629号明細
書として出願した。これらは炭化水素系の汎用溶媒に溶
解しやすく、また優れた潤滑性能を有するものである。
さらに、末端にカルボキシル基を有するパーフルオロポ
リアルキルエーテルのアミン塩化合物がアルコール系溶
媒に溶解し、優れた潤滑性能を有することもすでに報告
されている。
【0041】一般に水酸基、エステル基あるいはピペロ
ニル基等を有するパーフルオロポリアルキルエーテル化
合物は、下地の磁性層あるいは保護層表面と緩やかな相
互作用を示し、吸着能力はさほど高くない。このため、
かかる潤滑剤を用いた磁気記録媒体の摩擦係数はさほど
低減されないが、一旦破壊された潤滑層の修復能力は高
い。一方、カルボン酸アミン塩基を極性基として有する
潤滑剤は、吸着能力が高く摩擦係数低減効果が大きいこ
とが知られている(例えば、1995 MRM Pro
ceedings,p37)。しかしながら、吸着能力
が高い潤滑剤は表面マイグレーション効果が小さいため
自己修復能力が小さく、表面に形成された潤滑層が一旦
破壊されると、摩擦係数が高まり、耐久性に乏しいこと
が判明した。
【0042】本発明はこのような従来技術の分析に基づ
き、さらなる磁気記録装置の高密度化、デジタル化への
対応、ブラウンステインの発生による再生レベルダウン
対策、汎用溶媒への溶解性の改善および摩擦係数のさら
なる低減等の諸要請に応えるべく、鋭意研究を進めて本
発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発明
の潤滑剤組成物は吸着能力に優れたカルボン酸アミン塩
基を極性基として有するパーフルオロポリエーテル系潤
滑剤により摩擦係数を下げ、これに耐久性に優れた水酸
基を含むパーフルオロポリエーテル系潤滑剤を混合した
潤滑剤組成物を採用し、両者の相乗効果により、あらゆ
る使用条件下においても低摩擦係数と連続走行耐久性を
両立するものである。かかる相乗効果を達成するために
は、両者の混合比は重量比で1/3〜3/1が好まし
い。
【0043】したがって、本発明の潤滑剤組成物を用い
た磁気記録媒体は、極低温や高温高湿度等、あらゆる使
用条件下においても安定した走行性、耐久性あるいは耐
磨耗性に加え、製造工程における溶媒の選択肢等の使い
勝手の良さを得ることができる。
【0044】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例につき、適宜比
較例を参照しつつ説明する。なお以下の各実施例は本発
明の好適な態様につき例示したにすぎず、本発明はこれ
ら実施例に何ら限定されるものではない。
【0045】まず、一般式(1)または(2)で示され
る、水酸基を含む炭化水素基と、長鎖炭化水素基とを分
子内に有するパーフルオロポリエーテル系潤滑剤の5種
類の合成例を〔表1〕に示す。 Rf11 XR2 YR (1) RYR2 XR1 f11 XR2 YR (2) (但し、Rf1はパーフルオロポリエーテル基を、R1
水酸基を含む炭化水素基を、R2 は炭化水素基および単
結合のうちのいずれか一種を、Rは長鎖炭化水素基を、
XおよびYはそれぞれ独立にエーテル結合、エステル結
合、アミド結合および単結合のうちのいずれか一種をそ
れぞれ表す。)
【0046】
【表1】
【0047】また、一般式(3)および(4)のうちの
いずれか少なくとも一方で示される、カルボン酸アミン
塩基を分子末端に有するパーフルオロポリエーテル系潤
滑剤の5種類の合成例を〔表2〕に示す。 Rf2−COO- + HR3 4 5 (3) R3 4 5 + HO- OC−Rf2−COO- + HR3 4 5 (4) (但し、Rf2はパーフルオロポリエーテル基を、R3
4 およびR5 のうちの少なくとも一種は長鎖炭化水素
基を表し、他はそれぞれ独立に炭化水素基および水素の
うちのいずれか一種をそれぞれ表す。)
【0048】
【表2】
【0049】さらに、〔表1〕に示した5種類のパーフ
ルオロポリエーテル系潤滑剤と、〔表2〕に示した5種
類のパーフルオロポリエーテル系潤滑剤とを混合した1
0種類の潤滑剤組成物を〔表3〕に示す。混合比は、両
者の潤滑剤が重量比で1:1となるように混合した。
【0050】
【表3】
【0051】以下の実施例1〜10は、〔表3〕に示し
た本発明の10種類の潤滑剤組成物を、薄膜型の磁気記
録媒体に適用した例である。実施例1 PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に金
属Coを斜方蒸着により被着させ、強磁性金属薄膜から
なる磁性層を形成した。PETフィルムおよび磁性層の
厚さは、一例としてそれぞれ10μmおよび200nm
とした。この磁性層上に、〔表3〕に示した潤滑剤組成
物1をヘキサンに溶解した希釈溶液を、単位面積あたり
の潤滑剤組成物の塗布量が2mg/m2 となるように塗
布・乾燥し、これを8mm幅に裁断して実施例1の磁気
記録媒体を得た。
【0052】実施例2〜10 実施例1において採用した〔表3〕に示した潤滑剤組成
物1の替わりに、同じく〔表3〕に示した潤滑剤組成物
(2)〜(10)を採用した他は、前実施例1に準拠し
て実施例2〜10の薄膜型磁気記録媒体を得た。
【0053】比較例1 〔表1〕に示した分子内に水酸基と、長鎖の炭化水素基
を有するパーフルオロポリエーテル系潤滑剤2を単独で
用いた他は、前実施例1と同様にして比較例1の磁気記
録媒体を得た。
【0054】比較例2 〔表2〕に示した末端にカルボン酸アミン塩基を有する
パーフルオロポリエーテル系潤滑剤6を単独で用いた他
は、前実施例1と同様にして比較例2の磁気記録媒体を
得た。
【0055】上述のようにして作成した実施例1〜10
の磁気記録媒体、および比較例1〜2の磁気記録媒体に
つき、摩擦係数を測定した。また市販の8mmビデオテ
ープレコーダを改造した測定機を用い、Still耐久
性およびShuttle耐久性の測定を行った。測定条
件として、25℃60%RH(通常環境条件)、40℃
80%RH(高温多湿条件)および−5℃(寒冷条件)
の3条件を選んだ。測定結果を〔表4〕および〔表5〕
にまとめて示す。
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】〔表4〕および〔表5〕の結果から、分子
量内に水酸基と長鎖の炭化水素基を有するパーフルオロ
ポリエーテル系潤滑剤と、末端にカルボン酸アミン塩基
を有するパーフルオロポリエーテル系潤滑剤を混合した
潤滑剤組成物を用いた薄膜型の磁気記録媒体は、おのお
のの潤滑剤を単独で用いた磁気記録媒体に比較して、い
ずれの測定条件下においても低い摩擦係数と優れた走行
耐久性を有することが明らかである。
【0059】以下の実施例11〜20は、本発明の潤滑
剤組成物を塗布型の磁気記録媒体に適用した例である。実施例11 下記の組成を基本として磁性塗料を作成した。塗料化は
常法に準じ、磁性粉末、有機バインダ、各種添加剤、有
機溶剤を混合しニーダ等により混練後、サンドミルで5
時間分散した。 磁性粉末 100 重量部 (Fe系金属磁性粉末、保磁力160kA/m、飽和磁
化135Am2 /kg、比表面積51m2 /g、長軸長
0.12μm、針状比8) 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体 10.5 重量部 ポリウレタン樹脂 10.5 重量部 カーボン粉末 5 重量部 メチルエチルケトン 150 重量部 メチルイソブチルケトン 150 重量部
【0060】得られた磁性塗料をフィルター後、硬化剤
としてポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製コロ
ネートL)を4重量部加え、PETフィルム上にダイコ
ータを用いて塗布し、ソレノイドコイルにより磁場配向
処理後、乾燥した。PETフィルムの厚さ、および乾燥
後の磁性層の厚さは、一例としてそれぞれ12μmおよ
び3.0μmとした。これをカレンダ処理した後、この
磁性層上に、〔表3〕に示した潤滑剤組成物1をヘキサ
ンに溶解した希釈溶液を、単位面積あたりの潤滑剤組成
物の塗布量が2mg/m2 となるように塗布・乾燥し、
これを8mm幅に裁断して実施例11の磁気記録媒体を
得た。
【0061】実施例12〜20 実施例11において採用した〔表3〕に示した潤滑剤組
成物1の替わりに、同じく〔表3〕に示した潤滑剤組成
物(2)〜(10)を採用した他は、前実施例11に準
拠して実施例12〜20の塗布型磁気記録媒体を得た。
【0062】比較例3 〔表1〕に示した、分子量内に水酸基と、長鎖の炭化水
素基を有するパーフルオロポリエーテル系潤滑剤2を単
独で用いた他は、前実施例11と同様にして比較例3の
磁気記録媒体を得た。
【0063】比較例4 〔表2〕に示した、末端にカルボン酸アミン塩基を有す
るパーフルオロポリエーテル系潤滑剤6を単独で用いた
他は、前実施例11と同様にして比較例4の磁気記録媒
体を得た。
【0064】上述のようにして作成した実施例11〜2
0の磁気記録媒体、および比較例3〜4の磁気記録媒体
につき、摩擦係数を測定した。また市販の8mmビデオ
テープレコーダを改造した測定機を用い、スティックス
リップおよびドロップアウト数の測定を行った。測定条
件として、40℃80%RH(高温多湿条件)下で所定
時間でのエージングをおこない、そのエージング前後で
測定をおこなった。スティックスリップについては、静
止摩擦係数が0.6を超えるサンプルは実走行でのテー
プ鳴きが発生するものとし、0.6以下のものを○、
0.6超のものを×とした。またドロップアウトは、3
分間の実走行で、再生出力に3μsec以上に渡り10
dB以上の出力低下が発生する回数をカウントした。
【0065】測定結果を〔表6〕および〔表7〕にまと
めて示す。
【0066】
【表6】
【0067】
【表7】
【0068】〔表6〕および〔表7〕の結果から明らか
なように、分子量内に水酸基と長鎖の炭化水素基を有す
るパーフルオロポリエーテル系潤滑剤と、末端にカルボ
ン酸アミン塩基を有するパーフルオロポリエーテル系潤
滑剤を混合した潤滑剤組成物を用いた塗布型の磁気記録
媒体は、おのおのの潤滑剤を単独で用いた磁気記録媒体
に比較して、エージングの前後いずれにおいても、低い
摩擦係数と優れた走行安定性、および低ドロップアウト
数を有することがわかる。
【0069】以下の実施例21〜25、および比較例5
〜8は、分子量内に水酸基と長鎖の炭化水素基を有する
パーフルオロポリエーテル系潤滑剤と、末端にカルボン
酸アミン塩基を有するパーフルオロポリエーテル系潤滑
剤の混合比につき検討を行ったものである。
【0070】実施例21〜25 前述した〔表1〕に示した、分子量内に水酸基と長鎖の
炭化水素基を有するパーフルオロポリエーテル系潤滑剤
2と、〔表2〕に示した、末端にカルボン酸アミン塩基
を有するパーフルオロポリエーテル系潤滑剤6を選ん
だ。両者の重量混合比(Rf1/Rf2と表記する)が3/
1〜1/3の範囲で5種類の潤滑剤組成物を調製し、こ
れを実施例1の方法に準拠して薄膜型の磁気記録媒体上
に塗布して実施例21〜25の磁気記録媒体を得た。
【0071】比較例5〜8 前述した〔表1〕に示した、分子量内に水酸基と長鎖の
炭化水素基を有するパーフルオロポリエーテル系潤滑剤
2と、〔表2〕に示した、末端にカルボン酸アミン塩基
を有するパーフルオロポリエーテル系潤滑剤6を選ん
だ。両者の重量混合比Rf1/Rf2を10/1、5/1、
および1/5、1/10とし、4種類の潤滑剤組成物を
調製し、これを実施例1の方法に準拠して薄膜型の磁気
記録媒体上に塗布して比較例5〜8の磁気記録媒体を得
た。
【0072】上述のようにして作成した実施例21〜2
5の磁気記録媒体、および比較例5〜8の磁気記録媒体
につき、摩擦係数を測定した。また市販の8mmビデオ
テープレコーダを改造した測定機を用い、Still耐
久性およびShuttle耐久性の測定を行った。測定
条件としては、25℃60%RH(通常環境条件)、4
0℃80%RH(高温多湿条件)および−5℃(寒冷条
件)の3条件を選んだ。測定結果を〔表8〕にまとめて
示す。〔表8〕から明らかなように、混合比Rf1/Rf2
は3/1〜1/3の範囲において、あらゆる走行条件下
において低摩擦係数と耐久性を得ることが判る。
【0073】
【表8】
【0074】以上、本発明の潤滑剤組成物およびこれを
用いた磁気記録媒体につき詳細な説明を加えたが、これ
らは単なる例示であり、本発明はこれら実施例に何ら限
定されるものではない。例えば、一般式(1)または
(2)で示した水酸基を含む炭化水素基と長鎖炭化水素
基とを分子内に有するパーフルオロポリエーテル系潤滑
剤中の結合基XまたはYについては、エーテル結合およ
びエステル結合の例を示したが、他にアミド結合やチオ
エーテル結合等、フレキシブルな結合基であればよい。
また実施例は磁気記録媒体として磁気テープを例示した
が、フロッピディスクやハードディスクあるいは磁気カ
ード等についても同様の効果を得ることができる。また
塗布型の磁気記録媒体においては、本発明の潤滑剤を磁
性塗料中に予め内添しておいても同様の効果を収めるこ
とができる。その他磁性粉末の材料や磁性塗料の組成、
あるいは強磁性金属薄膜の金属あるいは合金組成、さら
には磁気記録媒体の製造条件等適宜変更可能であること
は自明である。
【0075】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、あらゆる走行条件下において優れた潤滑特性
が得られるとともに、長時間あるいは長期間にわたり潤
滑効果が持続し、安定した走行性、耐磨耗性あるいは耐
久性等が得られる新規潤滑剤組成物およびこれを用いた
磁気記録媒体を提供することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:18

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)および(2)のうちの
    いずれか少なくとも一方で示される、水酸基を含む炭化
    水素基と、長鎖炭化水素基とを分子内に有するパーフル
    オロポリエーテル系潤滑剤と、 下記一般式(3)および(4)のうちのいずれか少なく
    とも一方で示される、カルボン酸アミン塩基を分子末端
    に有するパーフルオロポリエーテル系潤滑剤とを少なく
    とも混合したことを特徴とする潤滑剤組成物。 Rf11 XR2 YR (1) RYR2 XR1 f11 XR2 YR (2) (但し、Rf1はパーフルオロポリエーテル基を、R1
    水酸基を含む炭化水素基を、R2 は炭化水素基および単
    結合のうちのいずれか一種を、Rは長鎖炭化水素基を、
    XおよびYはそれぞれ独立にエーテル結合、エステル結
    合、アミド結合および単結合のうちのいずれか一種をそ
    れぞれ表す。) Rf2−COO- + HR3 4 5 (3) R3 4 5 + HO- OC−Rf2−COO- + HR3 4 5 (4) (但し、Rf2はパーフルオロポリエーテル基を、R3
    4 およびR5 のうちの少なくとも一種は長鎖炭化水素
    基を表し、他はそれぞれ独立に炭化水素基および水素の
    うちのいずれか一種をそれぞれ表す。)
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)および(2)で示され
    るパーフルオロポリエーテル系潤滑剤中の長鎖炭化水素
    基Rは、炭素数10以上であることを特徴とする請求項
    1記載の潤滑剤組成物。
  3. 【請求項3】 前記一般式(3)および(4)で示され
    るパーフルオロポリエーテル系潤滑剤中のR3 、R4
    よびR5 中の長鎖炭化水素基は、炭素数は6以上である
    ことを特徴とする請求項1記載の潤滑剤組成物。
  4. 【請求項4】 前記一般式(1)および(2)のうちの
    いずれか少なくとも一方で示されるパーフルオロポリエ
    ーテル系潤滑剤と、 前記一般式(3)および(4)のうちのいずれか少なく
    とも一方で示されるパーフルオロポリエーテル系潤滑剤
    との混合比は、重量比で1/3〜3/1であることを特
    徴とする請求項1記載の潤滑剤組成物。
  5. 【請求項5】 非磁性支持体上に形成された磁性層を有
    する磁気記録媒体であって、 前記磁性層表面には、 下記一般式(1)および(2)のうちのいずれか少なく
    とも一方で示される、水酸基を含む炭化水素基と、長鎖
    炭化水素基とを分子内に有するパーフルオロポリエーテ
    ル系潤滑剤と、 下記一般式(3)および(4)のうちのいずれか少なく
    とも一方で示される、カルボン酸アミン塩基を分子末端
    に有するパーフルオロポリエーテル系潤滑剤とを少なく
    とも混合した潤滑剤組成物が塗布されていることを特徴
    とする磁気記録媒体。 Rf11 XR2 YR (1) RYR2 XR1 f11 XR2 YR (2) (但し、Rf1はパーフルオロポリエーテル基を、R1
    水酸基を含む炭化水素基を、R2 は炭化水素基および単
    結合のうちのいずれか一種を、Rは長鎖炭化水素基を、
    XおよびYはそれぞれ独立にエーテル結合、エステル結
    合、アミド結合および単結合のうちのいずれか一種をそ
    れぞれ表す。) Rf2−COO- + HR3 4 5 (3) R3 4 5 + HO- OC−Rf2−COO- + HR3 4 5 (4) (但し、Rf2はパーフルオロポリエーテル基を、R3
    4 およびR5 のうちの少なくとも一種は長鎖炭化水素
    基を表し、他はそれぞれ独立に炭化水素基および水素の
    うちのいずれか一種をそれぞれ表す。)
  6. 【請求項6】 前記一般式(1)および(2)で示され
    るパーフルオロポリエーテル系潤滑剤中の長鎖炭化水素
    基Rは、炭素数10以上であることを特徴とする請求項
    5記載の磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記一般式(3)および(4)で示され
    るパーフルオロポリエーテル系潤滑剤中のR3 、R4
    よびR5 中の長鎖炭化水素基は、炭素数は6以上である
    ことを特徴とする請求項5記載の磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記一般式(1)および(2)のうちの
    いずれか少なくとも一方で示されるパーフルオロポリエ
    ーテル系潤滑剤と、 前記一般式(3)および(4)のうちのいずれか少なく
    とも一方で示されるパーフルオロポリエーテル系潤滑剤
    との混合比は、重量比で1/3〜3/1であることを特
    徴とする請求項5記載の磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記磁性層は、強磁性金属薄膜からなる
    ことを特徴とする請求項5ないし8いずれか1項記載の
    磁気記録媒体。
  10. 【請求項10】 前記磁性層は、少なくとも磁性粉末を
    有機バインダ中に分散してなることを特徴とする請求項
    5ないし8いずれか1項記載の磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】 非磁性支持体上に形成された磁性層を
    有する磁気記録媒体であって、 前記磁性層内に、 下記一般式(1)および(2)のうちのいずれか少なく
    とも一方で示される、水酸基を含む炭化水素基と、長鎖
    炭化水素基とを分子内に有するパーフルオロポリエーテ
    ル系潤滑剤と、 下記一般式(3)および(4)のうちのいずれか少なく
    とも一方で示される、カルボン酸アミン塩基を分子末端
    に有するパーフルオロポリエーテル系潤滑剤とを少なく
    とも混合した潤滑剤組成物が内添されていることを特徴
    とする磁気記録媒体。 Rf11 XR2 YR (1) RYR2 XR1 f11 XR2 YR (2) (但し、Rf1はパーフルオロポリエーテル基を、R1
    水酸基を含む炭化水素基を、R2 は炭化水素基および単
    結合のうちのいずれか一種を、Rは長鎖炭化水素基を、
    XおよびYはそれぞれ独立にエーテル結合、エステル結
    合、アミド結合および単結合のうちのいずれか一種をそ
    れぞれ表す。) Rf2−COO- + HR3 4 5 (3) R3 4 5 + HO- OC−Rf2−COO- + HR3 4 5 (4) (但し、Rf2はパーフルオロポリエーテル基を、R3
    4 およびR5 のうちの少なくとも一種は長鎖炭化水素
    基を表し、他はそれぞれ独立に炭化水素基および水素の
    うちのいずれか一種をそれぞれ表す。)
  12. 【請求項12】 前記一般式(1)および(2)で示さ
    れるパーフルオロポリエーテル系潤滑剤中の長鎖炭化水
    素基Rは、炭素数10以上であることを特徴とする請求
    項11記載の磁気記録媒体。
  13. 【請求項13】 前記一般式(3)および(4)で示さ
    れるパーフルオロポリエーテル系潤滑剤中のR3 、R4
    およびR5 中の長鎖炭化水素基は、炭素数は6以上であ
    ることを特徴とする請求項11記載の磁気記録媒体。
  14. 【請求項14】 前記一般式(1)および(2)のうち
    のいずれか少なくとも一方で示されるパーフルオロポリ
    エーテル系潤滑剤と、 前記一般式(3)および(4)のうちのいずれか少なく
    とも一方で示されるパーフルオロポリエーテル系潤滑剤
    との混合比は、重量比で1/3〜3/1であることを特
    徴とする請求項11記載の磁気記録媒体。
  15. 【請求項15】 前記磁性層は、少なくとも磁性粉末を
    有機バインダ中に分散してなることを特徴とする請求項
    11ないし14いずれか1項記載の磁気記録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000293894A (ja) * 1999-04-07 2000-10-20 Sony Corp 光学記録媒体
US6645634B1 (en) 1999-06-17 2003-11-11 Fuji Electric Co., Ltd. Magnetic recording medium and method for manufacturing same

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