JP2867683B2 - アンチスキッドブレーキ制御方法 - Google Patents

アンチスキッドブレーキ制御方法

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JP2867683B2 JP28975990A JP28975990A JP2867683B2 JP 2867683 B2 JP2867683 B2 JP 2867683B2 JP 28975990 A JP28975990 A JP 28975990A JP 28975990 A JP28975990 A JP 28975990A JP 2867683 B2 JP2867683 B2 JP 2867683B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、制動時、車輪のロックを防止するアンチ
スキッドブレーキ制御方法に係わり、特に、4輪駆動で
走行する自動車に好適したアンチスキッドブレーキ制御
方法に関する。
(従来の技術) この種の4輪駆動型自動車に適用されるアンチスキッ
ドブレーキ制御方法によれば、制動時、各車輪の車輪速
を車輪速センサにて夫々検出する一方、車体減速度を減
速度センサにて検出し、そして、これら車輪速及び車体
減速度に基づき、車体の疑似車体速を算出している。そ
して、疑似車体速に対し車輪の車輪速が低下し過ぎて、
その回転動向にロック傾向が生じたときには、その車輪
の制動力、つまり、ブレーキ力を減圧してロック傾向を
解消し、この後、車輪の回転動向に基づき、ブレーキ圧
の増圧、保持或いは減圧を繰り返して、各車輪の車輪速
を疑似車体速に追従させるべく制御し、これにより、各
車輪のロックを防止するようにしている。制動時、上述
したアンチスキッド制御が実施されると、操舵性を確実
に確保でき、また、制動距離の短縮にも大きな効果を発
揮できる。
(発明が解決しようとする課題) ところで、上述したアンチスキッドブレーキ制御方法
では、車輪速以外にも車体減速度を考慮して、疑似車体
速を算出するようにしている。つまり、4輪駆動の自動
車にあっては、その制動時、4輪同時にロックが発生し
易いため、車輪速の1つを基準車輪速とし、この基準車
輪速に基づき疑似車体速を算出すると、ロック傾向にあ
る基準車輪速に基づき疑似車体速が算出されてしまう虞
もあり、疑似車体速を正確に算出できない場合もある。
このため、基準車輪速にロック傾向を示すようなスリッ
プが発生していか否かを車体減速度に基づいて判定する
ようにし、そして、基準車輪速自体にも上記スリップが
発生している場合には、車輪速ではなく、車体減速度に
基づき疑似車体速を算出するようにして、アンチスキッ
ド制御、つまり、各車輪のブレーキ制御を最適に実施で
きるようにしている。
上述したように4輪駆動型自動車に於けるアンチスキ
ッドブレーキ制御方法では、減速度センサからのセンサ
信号は、各車輪のブレーキ圧を制御する上で重要なもの
であるから、減速度センサに故障が発生すると、従来に
於いては、その故障発生時点で、アンチスキッド制御を
実施するシステムの作動を直ちに停止するようにしてい
る。
このため、従来のアンチスキッドブレーキ制御方法で
は、自動車が4輪駆動でもって、例えば積雪路や凍結路
等の低μ路を走行しており、このような状況での制動に
伴い、アンチスキッド制御が実施されている最中に、万
一、減速度センサに故障が発生すると、そのアンチスキ
ッド制御が直ちに停止されることになる。それ故、上述
した走行条件に於いて、アンチスキッド制御が停止され
て通常のブレーキ制御に復帰してしまうと、この場合、
各輪の制動力、つまり、そのブレーキ圧は過度なものと
なる虞があるから、4輪の全てが同時にロックしてしま
う可能性が高まることになる。
この発明は、上述した事情に基づいてなされたもの
で、その目的とするところは、例えアンチスキッド制御
中、車体の減速度センサに故障が生じた場合でも、各輪
のロックを確実の防止して操舵性を確保し、その安全性
に優れたアンチスキッドブレーキ制御方法を提供するこ
とにある。
(課題を解決するための手段) この発明は、各車輪の車輪速を車輪速センサにて夫々
検出する一方、車体減速度を減速度センサにて検出し、
制動時、これら車輪速及び車体減速度に基づき疑似車体
速を算出することにより、疑似車体速に対し車輪ロック
傾向が生じたときには、そのロック傾向に応じ、アンチ
スキッド制御を実施して、その車輪の制動力を制御し、
これにより、車輪の車輪速を疑似車体速に追従させるア
ンチスキッドブレーキ制御方法に於いて、この発明の方
法では、アンチスキッド制御中、前記減速度センサに故
障が発生したときには、その故障直前の車体減速度の平
均値を車体減速度の代わりに使用し、アンチスキッド制
御をその終了まで継続して実施するようにしている。
(作用) 上述したように、この発明のアンチスキッドブレーキ
制御方法によれば、アンチスキッド制御中、車体の減速
度センサが故障しても、その終了までアンチスキッド制
御が継続されるから、制動時、不所望にしてアンチスキ
ッド制御から通常のブレーキ制御に移行することはな
い。よって、自動車が停止するか、又は、車輪のロック
傾向が解消されるまでの間は、アンチスキッド制御を有
効に働かせることができる。そして、減速度センサの故
障により、車体減速度を得ることができなくなっても、
この車体減速度の代わりに、減速度センサが故障した直
前の車体減速度の平均値を使用して、アンチスキッド制
御を継続するようにしたから、このアンチスキッド制御
を適切に実施できることになる。
(実施例) 以下、この発明の一実施例を図面を参照して説明す
る。
第1図を参照すると、2WD/4WD選択型式の自動車に適
当したアンチスキッドブレーキ装置が概略的に示されて
いる。先ず、自動車の動力伝達経路に関して簡単に説明
すると、4WDでの場合にあっては、エンジン1の駆動力
は、トランスミッション2、フロントデフ(図示しな
い)及び前輪駆動軸3を介して左右の前輪4L,4Rに伝達
され、そして、左右の後輪5L,5Rには、トランスミッシ
ョン2、センタデフ(図示しない)、プロペラシャフト
6、リヤデフ7及び後輪駆動軸8を介して、エンジン1
の駆動力が伝達されるようになっている。また、2WDで
の場合にあっては、エンジン1の駆動力は、前輪4L,4
R、又は、後輪5L,5Rの一方に伝達されることになる。
前輪4及び後輪5の夫々には、ホイールブレーキ9が
装着されており、これらホイールブレーキ9は、液圧ブ
レーキ回路10に接続されている。
液圧ブレーキ回路10は、ブレーキペダル11によって作
動される真空ブレーキブースタ付のタンダム型マスタシ
リンダ12を備えており、このマスタシリンダ12の一方の
圧力室(図示しない)からは前輪ブレーキ管路13が延
び、また、その他方の圧力室(図示しない)からは、後
輪ブレーキ管路14が延びている。これら前輪及び後輪ブ
レーキ管路13,14は、制御弁装置15を貫通して延びてお
り、前輪ブレーキ管路13は、その先端側が左右に分岐さ
れて各前輪4のホイールブレーキ9に接続されていると
ともに、後輪ブレーキ管路14もまた、その先端側が左右
に分岐されて各後輪5のホイールブレーキ9に接続され
ている。
前輪ブレーキ管路13に於いて、対応する前輪のホイー
ルブレーキ9に向かって分岐された部位には、アンチス
キッド弁装置16が夫々介挿されており、これに対し、後
輪ブレーキ管路14に於いては、分岐される前の部位に1
個のアンチスキッド弁装置16が介挿されている。
更に、制御弁装置15には、液圧ポンプ17が接続されて
おり、この液圧ポンプ17は、圧液タンク18から吸い込ん
だ圧液を所定圧まで加圧し、そして、アンチスキッドブ
レーキ制御中、制御弁装置15を介して各車輪のホイール
ブレーキ9に供給可能となっている。
即ち、制動時にアンチスキッド制御が開始されると、
各ホイールブレーキ9には、制御弁装置15の働きによ
り、マスタシリンダ12からの圧液ではなく、液圧ポンプ
17からの動圧が供給されることになり、そして、各アン
チスキッド弁装置16が適切に作動されることにより、ホ
イールブレーキ9内のブレーキ圧、つまり、その制動力
を制御可能となっている。
上述したアンチスキッド制御によって、各ホイールブ
レーキ9のブレーキ圧を制御するため、各車輪4,5に
は、車輪速センサ19が配置されており、これら車輪速セ
ンサ19からの車輪速信号は、コントローラ20に供給され
るようになっている。
また、コントローラ20には、車輪速センサ19以外に
も、車体減速度GSを検出する減速度センサ21、自動車
の駆動方式を設定する各種のスイッチが接続されてい
る。これらスイッチには、2WDと4WDとを選択する4WDセ
レクトスイッチ22、センタデフの機能をロックするため
のセンタデフロックスイッチ23、リヤデフ7の機能をロ
ックするためのリヤデフロックスイッチ24等があり、従
って、コントローラ20には、減速度センサ21及び各スイ
ッチからのセンサ信号及び切換信号もまた供給されるよ
うになっている。
なお、第1図に於いて、各ホイールブレーキ9から圧
液タンク18に至る戻り管路については、図面の簡略化を
図るため図示していない。
コントローラ20は、車輪速センサ19や減速度センサ21
からのセンサ信号及び各種のスイッチの切換状態に基づ
いて、前述したアンチスキッド制御、つまり、制御弁装
置15や各アンチスキッド弁装置16の作動を制御し、その
アンチスキッド制御ルーチン、即ち、ABSメインルーチ
ンの一例は、第2図に示されている。
それ故、以下には、第2図を参照しながら、ABSメイ
ンルーチンを説明する。
ABSメインルーチン 先ず、ステップS1では、各車輪の車輪速VWが夫々の車
輪速セン19にて読み込まれるとともに、次のステップS
2,S3では、第2種故障フラグF2及び第3種故障フラグF3
が立っているか否か、つまり、これらフラグF2,F3に1
がセットされているか否かが判別される。ここでは、未
だ、ステップS2,S3の判別は否(No)となり、次のステ
ップS4にて、減速度センサ21により車体減速度GSが読
み込まれる。
この後、ステップS5では、第1故障フラグF1に1がセ
ットされているか否かが判別されるが、ここでも、未
だ、その判別は否となり、よって、ステップS6に進ん
で、前述した4WDセレクトスイッチ22、センタデフロッ
クスイッチ23及びリヤデフロックスイッチ24の切換状態
が読み込まれた後、次のステップS7では、ステップS1で
読み込んだ各車輪の車輪速VWの1つが基準車輪速VWSと
して選択される。ここで、基準車輪速VWとしては、例え
ば、自動車が4WDで走行している場合には、各車輪速VW
のうち、上から2番目又は3番目の車輪速が選択され、
これに対し、2WDで走行している場合には、その非駆動
輪の車輪速が選択されるようになっている。
ステップS8では、アンチスキッド制御、即ち、ABS制
御を開始すべきか否かが判別されるが、具体的には、既
に求めてある基準車輪速VWSに対し、他の車輪速VWの少
なくとも1つが所定値ΔVW以上に低下して、その車輪に
ロック傾向が生じたか否かで判別される。ここで、自動
車のブレーキペダル(図示しない)が踏み込まれていな
い場合、つまり、制動が開始されていない場合には、ス
テップS8の判別は否となるから、ステップS1に戻って、
上述したステップが繰り返される。
ステップS8の判別が正(Yes)となって、少なくとも
1つの車輪にロック傾向が生じて、アンチスキッド制御
が開始されると、次のステップS9では、疑似車体速VRE
F及び路面の摩擦係数、即ち、路面μが推定される。こ
の実施例の場合、疑似車体速VREFは、第3図のブロッ
ク図で示してあるように、基準車輪速VWS、この基準車
輪速VWから得られる計算減速度Gk及び減速度センサ21で
得た車体減速度GSを考慮して算出されるようになって
いる。即ち、各車輪の車輪速VWから選択された基準車輪
速VWSは、フィルタ処理を経た後、基準車体速VFとし
て、疑似車体速度VREFを算出する演算部25に供給され
るとともに、基準車体速VFは、微分処理を受けること
で、計算減速度Gkとして演算部25に供給される。一方、
減速度センサ21で得た車体減速度GSもまた、フィルタ
処理を経た後、演算部25に供給されるようになってい
る。なお、第3図中、車輪速VWに付した添字FL,FR,RL,R
Rは、その車輪速度が左前輪、右前輪、左後輪、右後輪
のものであることを夫々表している。
演算部25では、基準車体速VF、計算減速度Gk及び車
体減速度GSを考慮して、疑似車体速VREFを算出する一
方、路面μを推定することになる。具体的には、通常、
疑似車体速VREFには基準車体速VFが設定されるように
なっているが、ABS制御の開始直後、計算減速度Gkが通
常の制動では有り得ない程大きい場合には、基準車輪速
VWS自体にもまたスリップが生じていると推定すること
ができる。このため、上述した状況にあっては、基準車
体速VFを疑似車体速VREFとして設定するのではなく、
この場合、ABS制御の開始直後に於いては、車体が所定
の減速度で且つ所定時間の間減速するものと仮定して、
疑似車体速VREFを算出し、この後、ABS制御の開始から
所定時間経過した後に於いては、減速度センサ21からの
車体減速度GSに基づいて疑似車体速VREFを算出するよ
うにしている。なお、計算減速度Gk及び車体減速度GS
の値が正常な範囲に戻った場合には、疑似車体速VREF
として基準車体速VFが採用されることになる。
上述したように、この実施例によれば、疑似車体速V
REFを算出するにあたり、車輪速VWのみならず、計算減
速度Gk及び車体減速度GSをも考慮するようにしたか
ら、4輪同時にスリップし易い4輪駆動での制動時にあ
っても、疑似車体速VREFを正確に算出することが可能
となる。
また、路面μは、計算減速度Gk又は車体減速度GSの
大きさ及びその変化動向から推定されるものとなってい
る。つまり、減速度の値が大きければ、路面μもまた大
きいと推定することができ、逆に、減速度が小さければ
路面μもまた小さいと推定することができる。
上述したようにステップS9にて、疑似車体速VREF及
び路面μが推定されると、次のステップS10及びステッ
プS11では、疑似車体速VREFに対する各車輪の車輪速VW
に基づき、スリップ率が演算され、そして、そのスリッ
プ率に基づき、各車輪のスリップ率を最適な値とするよ
うに、各車輪のブレーキ圧制御、つまり、制御弁装置15
及び各アンチスキッド弁装置16の作動制御が実施され、
これにより、ロック傾向にある車輪のロックを解消する
ことができる。
この後、次のステップS12では、異常フラグF0に1が
セットされているから否かが判別されるが、ここではそ
の判別は否となり、そして、後述するステップS13での
故障診断ルーチンを経て、上述したステップが繰り返さ
れることにより、各車輪のブレーキ圧は、その車輪の回
転動向に応じて、増圧、保持或いは減圧制御され、この
結果、各車輪速VWを疑似車体速VREFに追従させて、各
車輪のロックを防止することができる。
この実施例の場合、ステップS11にて、各車輪のブレ
ーキ圧を制御するにあたり、ステップS9で推定された路
面μは勿論のこと、ステップS6で読み込んだ各スイッチ
の切換状態が考慮されるようになっている。具体的に
は、自動車が4WD走行中にあって、上述したアンチスキ
ッド制御が開始される場合、前輪側駆動系と後輪側駆動
系とが繋がった状態にあるため、前輪側及び後輪側の制
動力が独立して制御されると、駆動系での捩じりトルク
が増大し、このため、前輪及び後輪の車輪速VWが振動し
てしまう虞がある。それ故、この実施例では、各車輪の
ブレーキ圧を制御するに際し、例えば、第4図に示すよ
うに後輪5Rにロック傾向が生じ、そして、所謂、セレク
トローの原理に従って、後輪5L,5Rのブレーキ圧が共に
減圧されるとき、後輪5Rと同じ側の前輪4Rのブレーキ圧
をも同時に所定圧DPだけ減圧するようにしている。こ
のようにすれば、アンチスキッド制御中、前輪側と後輪
側とでブレーキ圧の減圧制御を実施的に同相にして実施
することができるから、各車輪速VWの振動を効果的に抑
制することができる。なお、2WDの場合にあっては、ア
ンチスキッド制御中、左右の前輪4と両後輪5のブレー
キ圧とが独立して制御されることは勿論である。
上述の場合は、4WDセレクトスイッチ22がオンに切り
換えられている場合であるが、この4WDセレクトスイッ
チ22に加えて、センタデフロックスイッチ23もまたオン
作動されて、センタデフがロックされている場合には、
前述した理由から各車輪速VWに振動が発生し易くなるか
ら、このようなスイッチの切換状態の場合には、各車輪
のブレーキ圧を制御するにあたり、そのブレーキ圧を前
述した場合に比べ緩め側で制御するようにしており、更
に、上記の2つのスイッチ22,23の他に、リヤデフロッ
クスイッチ24もまたオン作動されて、リヤデフ7がロッ
クされている場合にあっては、各車輪のブレーキ圧は、
更に緩め側で制御されるようになっている。
次に、ステップS13にて実施される前述した故障診断
ルーチンの詳細は、第5図に示されており、以下には、
この故障診断ルーチンについて説明する。
故障診断ルーチン 先ず、第5図に示されたステップS20では、各車輪速
センサ19及び減速度センサ21からセンサ値、また、各ス
イッチ22,23,24の切換状態がメモリに格納され、そし
て、次のステップS21では、減速度センサ21で得た車体
減速度GSの平均値GAVEが計算されて、メモリに格納さ
れる。ここで、車体減速度GSの平均値GAVEは、第1図
のABSメインルーチンが繰り返して実施されるとき、ス
テップS21が実施される毎に所定時間前までの車体減速
度GSの値を加算して、その平均値をとることで得るこ
とができる。
次のステップS22乃至S25の夫々では、4WDセレクトス
イッチ22、センタデフロックスイッチ23、リヤデフロッ
クスイッチ24及び減速度センサ21に異常があるか否か、
例えば、各スイッチとコントローラ20とを接続する信号
線に断線等の故障があるか否かが判別される。
これらステップS22乃至S25での判別が何れも否となる
場合には、ステップS1に戻って、前述したステップが繰
り返される。
しかしながら、ステップS22乃至ステップS25での判別
に於いて、その何れかが正(Yes)になった場合には、
ステップS26に進み、このステップにて、第1種故障フ
ラグF1にセットされた後、ステップS27にて、異常フラ
グF0に1がセットされる。
一方、ステップS25の判別が正になった場合には、次
のステップS28にて、自動車の駆動方式が4WDであるの
か、2WDであるのかが判別される。ここで、駆動方式が4
WDである場合には、ステップS29に進んで、第2種故障
フラグF2に1がセットされた後、ステップS27が実施さ
れる。これに対し、駆動方式が2WDである場合には、ス
テップS30にて、第3種故障フラグF3に1がセットされ
た後、ステップS27が実施されることになる。
従って、前述したステップS26,S29,S30の何れかが実
施された後、第1図のABSメインルーチンに戻って、こ
のメインルーチンが実施される際には、ステップS2,S3,
S5の何れかの判別が正となるから、これにより、その故
障フラグに応じて、ステップS31乃至S33、つまり、第1
種乃至第3種フェールセーフ制御が実施されることにな
る。即ち、第1種フラグF1が1にセットされて、ステッ
プS5の判別が正となった場合には、ステップS5からステ
ップ31の第1種フェールセーフ制御の実施を経てステッ
プS9に進むようにABSメインルーチンが実施される。こ
れに対し、第2種及び第3種故障フラグF2,F3の何れか
が1にセットされて、ステップS2,S3の一方の判別が正
となった場合には、そのステップから対応するステップ
S32又はS33の実施を経て、ステップS6に進むようにABS
メインルーチンが実施されることになる。なお、前述し
た故障診断ルーチンに於いて、第1種乃至第3種故障フ
ラグF1,F2,F3の何れかが1にセットされた場合には、第
5図のステップS27にて、異常フラグF0に1がセットさ
れるから、この後、ABSメインルーチンが実施される場
合にあっては、ステップS12の判別が正となるから、ス
テップS13の故障診断ルーチンをバイパスして実施され
ることになる。
第1種乃至第3種フェールセーフ制御は、第6図乃至
第8図に夫々示されており、以下には、これらフェール
セーフ制御について順次説明する。
第1種フェールセーフ制御 この第1種フェールセーフ制御は、前述の説明から明
らかなように、第5図の故障診断ルーチンに於いて、4W
Dセレクトスイッチ22、センタデフロックスイッチ23及
びリヤデフロックスイッチ24の何れかに故障が発生した
場合に実施されるものであり、先ず、第6図のステップ
S40では、ABS制御中か否かが判別される。例えば、この
判別は、疑似車体速VREFに対し、各車輪の車輪速VWが
所定の偏差内に収束したか否かをみることで実施され
る。
ステップS40の判別が正である場合には、次のステッ
プS41が実施されることにより、4WDセレクトスイッチ2
2、センタデフロックスイッチ23及びリヤデフロックス
イッチ24の何れかに故障が発生していても、その故障が
発生する以前に於ける各スイッチ22,23,24の切換状態が
維持される。具体的には、第5図のステップS20にて、
メモリに記憶してある各スイッチ22,23,24の切換状態を
読み込むことで、故障以前の各スイッチ22,23,24の切換
状態を維持することができる。
ステップS41からは、第2図のABSメインルーチンでの
ステップS9に進み、このステップ以降のステップが繰り
返して実施される。
このようにステップS31の第1種フェールセーフ制御
を経由したABSメインルーチンが繰り返し実施される過
程に於いて、第6図のステップS40の判別が否となった
場合には、ステップS42に進む。このステップでは、警
報ランプ26(第1図参照)が点灯されて、アンチスキッ
ドブレーキ装置、つまり、そのシステムの作動が停止さ
れる一方、その故障フラグに対応した故障コードが出力
され、この後、ABSメインルーチンは強制的に終了され
る。
上述の第1種フェールセーフ制御から明らかなよう
に、ABS制御中に於いて、4WDセレクトスイッチ22,セン
タデフロックスイッチ23及びリヤデフロックスイッチ24
の何れかに故障が生じても、ABS制御は、直ちに停止さ
れることはなく、そのABS制御が終了するまでは、故障
前の各種スイッチ22,23,24の切換状態に考慮して、その
制御が継続されることになる。即ち、第9図に、ABS制
御中での車輪速VWの変化を示してあるように、そのABS
制御中、t1時点で、各種スイッチ22,23,24の何れかに故
障が生じても、そのABS制御による車輪速VWの制御は、
破線で示すように、その制御終了まで継続される。
従って、この実施例によれば、ABS制御が実施されて
いるとき、各種スイッチ22,23,24の故障が発生しても、
そのABS制御をその終了まで継続することができるか
ら、故障の発生時点で、万一、自動車が低μ路を4WDで
走行していても、不所望にしてABS制御が中止されるこ
とはなく、よって、4輪が同時にロックしてしまうよう
な状況を確実に防止でき、その時点での操舵性を十分に
確保してなお且つ制動距離をも短縮することができる。
第2種フェールセーフ制御 この第2種フェールセーフ制御は、第5図の故障診断
ルーチンで説明したように、減速度センサ21が故障し、
且つ、故障時点での駆動方式が4WDの場合に実施される
ものであり、この場合、第7図のステップS50では、第
6図でのステップS40の場合と同様に、ABS制御中か否か
が判別され、その判別が正の場合には、次のステップS5
1が実施される。このステップS51では、第1図のステッ
プS4で読み込まれるべき車体減速度GSとして、第5図
のステップS21でメモリに格納されている車体減速度GS
の平均値GAVEが採用され、そして、第1図のABSメイン
ルーチンのステップS9に戻って、疑似車体速VREFが演
算されるとともに、路面μの推定がなされた後、このス
テップ以降のステップが繰り返されることになる。従っ
て、このように減速度センサ21が故障した場合でも、車
体減速度GSの代わりに、その故障直前の平均値GAVEを
使用することにより、疑似車体速VREF及び路面μを正
確に求めて、アンチスキッド制御を継続することができ
る。
第2種フェールセーフ制御を経由したABSメインルー
チンが繰り返して実施される過程に於いて、ステップS5
0の判別が否となった場合には、第6図のステップ42と
同様なステップS52の実施を経て、ABSメインルーチンは
強制的に終了される。
第3種フェールセーフ制御 この第3種フェールセーフ制御は、前述した第2種フ
ェールセーフ制御の場合と同様に、減速度センサ21が故
障したときに実施されるものであるが、その異なる点
は、故障時での駆動方式が4WDではなく、2WDであるとい
うことである。この場合、第8図のステップS60では、
第6図のステップS40及び第7図のステップS50の場合と
同様に、ABS制御中か否かが判別され、その判別が正の
場合には、次のステップS61が実施される。このステッ
プS61では、第1図のステップS4で読み込まれるべき車
体減速度GSとして、第3図に示した計算減速度Gkが採
用される。即ち、この場合、計算減速度Gkは、基準車輪
速VWSを微分して得たものであって、2WDの場合、その基
準車輪速VWSには非駆動輪の車輪速が選択されているか
ら、計算減速度Gkは、車体減速度を正確に表すものとな
る。この後、ステップS51からは、第1図のABSメインル
ーチンのステップS9に戻って、疑似車体速VREFが演算
されるとともに、路面μの推定がなされた後、このステ
ップ以降のステップが繰り返されることになる。従っ
て、この場合でも、車体減速度GSの代わりに、計算減
速度Gkを使用することにより、疑似車体速VREF及び路
面μを正確に求めて、アンチスキッド制御を継続するこ
とができる。
第3種フェールセーフ制御を経由したABSメインルー
チンが繰り返して実施される過程に於いて、ステップS6
0の判別が否となった場合には、第6図のステップ42及
び第7図のステップS52と同様なステップS62の実施を経
て、ABSメインルーチンは強制的に終了される。
従って、前述の説明から明らかなように、ABS制御
中、減速度センサ21の故障が第9図中、t1時点で発生し
ても、この後、第2種フェールセーフ制御又は第3種フ
ェールセーフ制御を経由してABSメインルーチンがその
制御の終了まで継続されることになる。そして、ABSメ
インルーチンを継続するにあたっては、減速度センサ21
にて検出される車体減速度GSの代わり、故障直前の車
体減速度GSの平均値GAVE又は基準車体速VFを微分し
て得た計算減速度Gkを使用するようにしたから、減速度
センサ21にて車体減速度GSが得られなくても、ステッ
プS9で得られる疑似車体速VREF及び路面μは、適切な
値となるので、この場合でも、各車輪のブレーキ圧を最
適に制御することが可能となる。従って、故障時、自動
車が低μ路を走行していても、不所望にしてABS制御を
停止させることなく、最適なABS制御をその終了まで継
続できるから、車輪のロックを確実に防止でき、その操
舵性を十分に確保してなお且つ制動距離の短縮をも図る
ことができる。
この発明は、上述した一実施例に制約されるものでは
なく、種々の変形が可能である。例えば、この発明のア
ンチスキッドブレーキ制御方法を実施する装置として
は、第1図に示した構成を制約されるものではなく、装
置としての構造を適宜変更しても、この発明の方法は実
施可能である。
(発明の効果) 以上説明したように、この発明のアンチスキッドブレ
ーキ制御方法によれば、アンチスキッド制御中、車体の
車体減速度を検出する減速度センサが故障しても、この
故障時点で直ちに、そのアンチスキッド制御を停止する
のではなく、車輪減速度の代わりに、その故障直前の車
体減速度の平均値を使用して、アンチスキッド制御をそ
の終了まで継続するようにしたから、例えば、低μ路走
行でのアンチスキッド制御中に不所望にして、その制御
が停止されて、通常のブレーキ制御に戻ってしまうよう
なことはなく、よって、車輪のロックを確実に防止し
て、その操舵性を十分に確保でき、また、その制動距離
の短縮に大きな効果を発揮できる等、優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明の一実施例を示し、第1図は、アンチ
スキッドブレーキ装置の概略構成図、第2図は、ABSメ
インルーチンを示すフローチャート、第3図は、疑似車
体速VREFの算出及び路面μの推定を説明するためブロ
ック図、第4図は、4WDでのブレーキ圧制御の一例を示
す図、第5図は、故障診断ルーチンを示すフローチャー
ト、第6図は、第1種フェールセーフ制御を示すフロー
チャート、第7図は、第2種のフェールセーフ制御を示
すフローチャート、第8図は、第3種フェールセーフ制
御を示すフローチャート、第9図は、ABS制御中に於け
る車輪速及び車体減速度の挙動を示したグラフである。 4……前輪、5……後輪、9……ホイールブレーキ、12
……マスタシリンダ、15……制御弁装置、16……アンチ
スキッド弁装置、19……車輪速センサ、20……コントロ
ーラ、21……減速度センサ、22……4WDセレクトスイッ
チ、23……センタデフロックスイッチ、24……リヤデフ
ロックスイッチ、26……警報ランプ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各車輪の車輪速を車輪速センサにて夫々検
    出する一方、車体減速度を減速度センサにて検出し、制
    動時、これら車輪速及び車体減速度に基づき疑似車体速
    を算出することにより、疑似車体速に対し車輪ロック傾
    向が生じたときには、そのロック傾向に応じ、アンチス
    キッド制御を実施して、その車輪の制動力を制御し、こ
    れにより、車輪の車輪速を疑似車体速に追従させるアン
    チスキッドブレーキ制御方法に於いて、 アンチスキッド制御中、前記減速度センサに故障が発生
    したときには、その故障以前に於ける車体減速度の平均
    値を車体減速度の代わりに使用し、アンチスキッド制御
    をその終了まで継続して実施することを特徴とするアン
    チスキッドブレーキ制御方法。
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