JP3038894B2 - アンチスキッドブレーキ制御方法 - Google Patents

アンチスキッドブレーキ制御方法

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JP3038894B2 JP2303374A JP30337490A JP3038894B2 JP 3038894 B2 JP3038894 B2 JP 3038894B2 JP 2303374 A JP2303374 A JP 2303374A JP 30337490 A JP30337490 A JP 30337490A JP 3038894 B2 JP3038894 B2 JP 3038894B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、制動時、車輪のロックを防止するアンチ
スキッドブレーキ制御方法に係わり、特に、低μ路での
アンチスキッド制御を適切に実施することが可能となる
アンチスキッドブレーキ制御方法に関する。
(従来の技術) この種のアンチスキッドブレーキ制御方法は、制動
時、車輪にロック傾向が生じると、その車輪のブレーキ
圧を減圧してロック傾向を解消し、この後、車輪の回転
動向をみて、そのブレーキ圧を適切に制御することで、
その操舵性を確保しつつ、制動距離の短縮を図ろうとす
るものである。
このようなアンチスキッド制御を適切に実施するに
は、先ず、車輪にロック傾向が生じたか否かの判定をな
す必要があるが、この判定には、実車体速が正確に検出
されなければならない。しかしながら、実車体速を直接
的に検出するのは困難であるから、通常、アンチスキッ
ド制御を実施する上では、実車体速の代わりに、疑似的
な基準車体速を採用するようにしている。
基準車体速は、非アンチスキッド制御中の場合には、
各車輪の車輪速のうちの高速側から3番目又は4番目の
車輪速、通常は3番目の車輪速に基づいて求められ、こ
れに対し、アンチスキッド制御中にあっては、車輪速の
うち高速側から1番目又は2番目、通常は2番目の車輪
速に基づいて求められるようになっている。
従って、非アンチスキッド制御中にあるとき、その制
御を開始するか否か、つまり、車輪の1つにロック傾向
が生じたか否かは、その時点での基準車体速とその車輪
速とを比較することで判定され、そして、アンチスキッ
ド制御中にあるときには、その時点での基準車体速に基
づいて、その制御が実施されることになる。
(発明が解決しようとする課題) ところで、上述したように選択した車輪速に基づき基
準車体速を求めるようにしていると、非アンチスキッド
制御で且つ低μ路を走行中、例えば前輪が非駆動輪で且
つ後輪が駆動輪である場合には、後輪がスピンしていて
も、前輪の車輪速に基づき、基準車体速が求められるこ
とになるが、しかしながら、このような状況でブレーキ
がかけられて、アンチスキッド制御が開始されてしまう
と、この場合には、各車輪速のうちの高速側から2番目
の車輪速、即ち、スピン状態にある後輪の車輪速に基づ
き、基準車体速が設定されてしまうことになる。
このため、上述した状況では、アンチスキッド制御の
開始前後に於いて、その基準車体速が急激に上昇するこ
とになり、前輪の車輪速と基準車体速との間の速度差が
非常に大きなものとなる。それ故、この場合にあって
は、前輪がロックしていると誤って判定されるから、前
輪のブレーキ圧は緩め過ぎとなってしまい、その前輪の
制動力を十分に得られない虞がある。
この発明は、上述した事情に基づいてなされたもの
で、その目的とするところは、駆動輪がスピンしている
ような状況でアンチスキッド制御が開始される場合にあ
っても、その基準車体速を適切に設定して、そのアンチ
スキッド制御を効果的に実施することができるアンチス
キッドブレーキ制御方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) この発明は、通常の走行時には、各車輪速のうちの高
速側から3番目若しくは4番目の低速側車輪速に基づき
基準車体速を求める一方、制動時、基準車体速からみて
車輪にロック傾向が生じたときには、各車輪速のうち高
速側から1番目若しくは2番目の高速側車輪速に基づき
基準車体速を求めて、この基準車体速に基づきアンチス
キッド制御を実施して、その車輪に於けるブレーキ圧の
増減圧を制御し、これにより、車輪のロックを防止する
アンチスキッドブレーキ制御方法に於いて、この発明の
方法では、アンチスキッド制御が開始されたとき、駆動
輪の車輪速と非駆動輪の車輪速との間の偏差を求め、こ
の偏差が所定値以上にあるときには、前記低速側車輪速
に基づき基準車体速を求めて、アンチスキッド制御を実
施するようにしている。
(作用) 上述したように、この発明のアンチスキッドブレーキ
制御方法によれば、アンチスキッド制御を開始する時、
駆動輪の車輪速と非駆動輪の車輪速との間の偏差が所定
値以上であると、つまり、低μ路を走行中、駆動輪にス
ピンが発生しているような状況にあっては、前記低速側
車輪速に基づき、その基準車体速を求めるようにしたか
ら、この場合、スピンしている駆動輪の車輪速に基づ
き、基準車体速が求められるようなことはない。従っ
て、この場合、その基準車体速は、実車体速に近似した
ものとなるので、その後のアンチスキッド制御を適切に
実施できることになる。
(実施例) 以下、この発明の一実施例を図面を参照して説明す
る。
第1図を参照すると、自動車に適用したアンチスキッ
ドブレーキ制御装置が示されており、この場合、自動車
は2輪駆動(2WD)又は4輪駆動(4WD)に切り換えて走
行可能となっている。ここで、その動力伝達経路を簡単
に説明すれば、2WDの場合、エンジン1の駆動力は、ト
ランスミッション2、プロペラシャフト6、リヤデフ7
及び後輪駆動軸8を介して、駆動輪である後輪5L,5Rに
伝達されるようになっており、これに対し、4WDの場合
には、トランスミッション2から前輪駆動軸3を介して
前輪4L,4Rにも、エンジン1の駆動力が伝達可能となっ
ている。
そして、前輪4及び後輪5の夫々には、ホイールブレ
ーキ9が装着されており、これらホイールブレーキ9
は、液圧ブレーキ回路10に接続されている。
液圧ブレーキ回路10は、ブレーキペダル11によって作
動される真空ブレーキブースタ付のタンダム型マスタシ
リンダ12を備えており、このマスタシリンダ12の一方の
圧力室(図示しない)からは前輪ブレーキ管路13が延
び、また、その他方の圧力室(図示しない)からは、後
輪ブレーキ管路14が延びている。これら前輪及び後輪ブ
レーキ管路13,14は、制御弁装置15を貫通して延びてお
り、前輪ブレーキ管路13は、その先端側が左右に分岐さ
れて各前輪4のホイールブレーキ9に接続されていると
ともに、後輪ブレーキ管路14もまた、その先端側が左右
に分岐されて各後輪5のホイールブレーキ9に接続され
ている。
前輪ブレーキ管路13に於いて、対応する前輪のホイー
ルブレーキ9に向かって分岐された部位には、アンチス
キッド弁装置16が夫々介挿されており、これに対し、後
輪ブレーキ管路14に於いては、分岐される前の部位に1
個のアンチスキッド弁装置16が介挿されている。
更に、制御弁装置15には、液圧ポンプ17が接続されて
おり、この液圧ポンプ17は、液圧タンク18から吸い込ん
だ圧液を所定圧まで加圧し、そして、アンチスキッドブ
レーキ制御中、制御弁装置15を介して各車輪のホイール
ブレーキ9に供給可能となっている。
即ち、制動時にアンチスキッド制御が開始されると、
各ホイールブレーキ9には、制御弁装置15の働きによ
り、マスタシリンダ12からの圧液ではなく、液圧ポンプ
17からの動圧が供給されることになり、そして、各アン
チスキッド弁装置16が適切に作動されることにより、ホ
イールブレーキ9内のブレーキ圧、つまり、その制動力
を制御可能となっている。
上述したアンチスキッド制御によって、各ホイールブ
レーキ9のブレーキ圧を制御するため、各車輪4,5に
は、車輪速センサ19が配置されており、これら車輪速セ
ンサ19からの車輪速信号は、コントローラ20に供給され
るようになっている。
また、コントローラ20には、車輪速センサ19以外に
も、車体減速度Gを検出する減速度センサ21や自動車の
駆動方式を設定する各種のスイッチが接続されている。
例えば、これらスイッチには、2WDと4WDとを選択する4W
Dセレクトスイッチ、センタデフの機能をロックするた
めのセンタデフロックスイッチ、リヤデフ7の機能をロ
ックするためのリヤデフロックスイッチ等がある。
なお、第1図に於いて、各ホイールブレーキ9から圧
液タンク18に至る戻り管路については、図面の簡略化を
図るため図示していない。
次に、コントローラ20により実施されるアンチスキッ
ドブレーキ制御方法、つまり、車体の基準車体速VREF
を算出するルーチンについて、第2図乃至第5図のフロ
ーチャートを参照して説明する。
基準車体速算出ルーチン 第2図のステップS1から説明するにあたり、後述する
各種のフラグに関しては、その初期設定であるオフ(OF
F)となっており、また、この基準車体速算出ルーチン
及びこの算出ルーチンに引き続いて実行されるアンチス
キッド弁装置16の駆動制御ルーチン(図示しない)は、
所定の制御サイクル時間毎に繰り返して実行されるもの
となっている。
先ず、ステップS1では、アンチスキッド制御中(ABS
制御中)か否かが判別されるが、ここで、このルーチン
が開始されてから、ブレーキペダルが踏み込まれていな
い場合や、その踏み込みの直後では、その判別は否(N
0)となって、ステップS2にて、スピンフラグFSはオフ
となり、また、フラグF1はオン(ON)となる。そして、
次のステップS3では、各車輪速センサ19から得られた車
輪速VWのうち、上から3番目に速い車輪速VWが選択車輪
速SVWとして選択される。
次のステップS4では、選択車輪速SVWが基準車輪速VF
として設定され、そして、減速度センサ21から検出減速
度MUGが読み込まれて、これら基準車輪速VF,検出減速
度MUGに適切なフィルタ処理が施される。また、このス
テップでは、基準車輪速VFを微分処理することで、車
体の計算減速度G1もまた算出される。
次に第3図のステップS5以降のステップに進むと、ス
テップS5,S6,S7での判別がなされるが、ここでは、ステ
ップS5,S6の判別結果は未だ否のままであり、そして、
ステップS7の判別結果が正(Yes)となるから、次のス
テップS8,S9に進んで、これらステップでの判別が実行
される。
ステップS8では、計算減速度G1と検出減速度MUGとが
次式を満足し、且つ、この状態が所定時間T1(例えば、
100msec)だけ継続しているか否かが判別される。
G1>MUG+α(例えば、α=0.25g) また、ステップS9では、計算減速度G1が一定値CG
(例えば1.4g)よりも大きいか否かが判別される。
この時点でのステップS8,S9の実行時には、ABS制御は
開始されていないので、これらの判別結果は否となり、
よって、次のステップS10にて、基準車体速VREFに基準
車輪速VFが設定される。
この後に於いては、前述したアンチスキッド弁装置16
の作動を制御する駆動制御ルーチンに至ることになる
が、ここでは、未だ、非ABS制御中であるので、アンチ
スキッド弁装置16が実際に作動されることはなく、基準
車体速VREFのみが算出されるだけである。
この後、上述したステップが繰り返して実行される過
程に於いて、ブレーキペダルの踏み込みによって、ブレ
ーキングがなされ、そして、第2図のステップ1の判別
結果が正となると、つまり、既に求められている基準車
体速VREF即ち基準車輪速VFに対し、1つの車輪の車輪
速VWが所定値以上に低下すると、次には、ステップS11
が実行される。
ステップS11では、駆動方式が2WDであるか否かが判別
される。ここでの判別は、前述した4WDセレクトスイッ
チからの信号に基づいてなされることになる。その判別
結果が正である場合には、次のステッフS12の判別、つ
まり、スピンフラグFSがオンか否かが判別されるが、
その判別結果は、まだ、ステップS2が実行されたままで
あるので否となって、次のステップS13が実行される。
このステップ13では、駆動輪である後輪の車輪速RVW
のうち、低い方の車輪速RVW Lと非駆動輪である前輪の
車輪速FVWのうち、高い方の車輪速FVW Hとの間の偏差D
が算出される。即ち、偏差Dは、次式から算出される。
D=RVW L−FVW H そして、次のステップS14では、算出した偏差Dが所
定値D10(例えば10km/h)以上か否かが判別され、ここ
での判別結果が否の場合には、この時点では、後輪5に
スピンが生じていないと判定して、ステップS15に進
む。
ステップS15では、各車輪速センサ19から得た車輪速V
Wのうち、第2番目に速い車輪速が選択車輪速SVWとして
選択される。
一方、ステップS4の判別結果が正となる場合には、後
輪5にスピンが発生していると判定され、次のステップ
S16にて、スピンフラグFSがオンとされた後、前述した
ステップS3が実行されることにより、第3番目に速い車
輪速、この場合には、前輪4の車輪速FVW Hが選択車輪
速SVWとして選択されることになる。
なお、ステップS11の判別結果が否の場合には、ステ
ップS15に直ちに飛んで、このステップが実行されるこ
とになる。つまり、4WDでの走行中にABS制御が実行され
る場合にあっては、第3番目に速い車輪速が選択車輪速
SVWとして選択されるようになっている。
このようにしてABS制御中での選択車輪速SVWが選択さ
れると、ステップS4以降のステップが前述したようにし
て実行されるが、この時点でも、ステップS8,S9での判
別結果が否である場合には、ステップS10の実行によ
り、基準車輪速VFが基準車体速VREFとして設定される
ことになる。
そして、前述したようにステップS14の判別結果が正
となり、ステップS16,S3を経由して、ステップS4以降の
ステップの実行を経て、つまり、基準車体速VREFの算
出及び駆動制御ルーチンの実行を経て、ステップS1に戻
り、再び、上述したルーチンが繰り返されるときには、
ステップS12の判別結果が正となるから、この場合、ス
テップS12からステップS17が実行されることになる。こ
のステップS17では、前述したステップS13と同様に偏差
Dが算出され、そして、次のステッフS18にて、その偏
差Dが0以下か否かが判別される。ここでの判別が否で
ある場合には、ステップS3に進んで、このステップ以降
のステップが同様にして実行される。
しかしながら、基準車体速VREFの算出及び駆動制御
ルーチンが繰り返して実行されている過程に於いて、ス
テップS18の判別結果が正になると、この場合には、ス
テップS19にて、スピンフラグFSがオフに切替えられた
後、ステップS15を経て、ステップS4以降に進むことに
なる。
従って、この実施例の場合、ステップS14の判別結果
が一旦、正となってスピンフラグFSがオンとなった場
合、つまり、前述した偏差Dが所定値D10以上となっ
て、駆動輪である後輪5にスピンが生じていると判定さ
れた場合に、例え、ABS制御中であっても、非ABS制御中
の場合と同様にて、ステップS3が実行されることによ
り、選択車輪速SVW、即ち、その基準車輪速VFとして、
各車輪速VWのうち上から3番目の車輪速が設定されるこ
とになる。
しかしながら、ABS制御中、上述したようにして後輪
5のスピンを検出した後、ステップS18での判別結果が
正になると、ステップS19を経てステップS15が実施され
るから、この場合には、通常のABS制御中の場合と同様
に、選択車輪速SVW、即ち、その基準車輪速VFとして、
各車輪速VWのうちの上から2番目の車輪速が設定される
ことになる。
上述した選択車輪速SVWの切替えに関しては、第6図
を参照すればより明らかとなる。この第6図は、前輪4
の車輪速FVWと後輪5の車輪速RVWの時間変化を夫々示し
ており、この場合、ブレーキングの開始前である非ABS
制御中、車輪速FVW,RVWを比較すれば明らかなように、
例えば低μ路を走行する等して、後輪5にスピンが発生
している状況となっている。このような状況では、その
選択車輪速SVW、即ち、基準車輪速VFとして、各車輪速
VWのうちの上から3番目の車輪速が設定されるから、こ
の場合、基準車輪速VFは、前輪の車輪速FVWのうち速い
車輪速FVW Hとなる。
この後、ブレーキングの開始に伴ってABS制御が開始
されると、従来に於ける通常のABS制御では、各車輪速V
Wのうちの上から2番目の車輪速、つまり、後輪5がス
ピンしている場合には、後輪5の車輪速のうちの低い車
輪速RVW Lが基準車輪速VFとして設定されてしまうか
ら、第6図中破線で示してあるように、非ABS制御中か
らABS制御中に移行した時点で、その基準車輪速VFが急
激に上昇してしまうことになる。
しかしながら、この実施例では、後輪5にスピンが発
生している場合には、非ABS制御中の場合と同様なスピ
ン補償のABS制御が実施されることにより、前輪4の車
輪速FVW Hを選択車輪速SVWとし、そして、この選択車輪
速SVWをその基準車輪速VFにしてあるから、第6図中破
線で示すような基準車輪速VFの急激な上昇を防止で
き、この結果、その基準車輪速VFに基づいて決定され
る基準車体速VREFは、第6図中1点鎖線で示してある
実車体速VAに近似したものとなる。
この後、ABS制御での駆動制御ルーチンの実施によ
り、後輪5のスピンが解消されて、前記偏差Dが0以下
となった場合には、選択車輪速SVWは、通常のABS制御の
場合と同様に、各車輪速VWのうちの上から3番目の車輪
速に設定され、そして、この選択車輪速SVWが基準車輪
速VFとなる。
従って、この発明の実施例によれば、駆動輪である後
輪5にスピンが発生しているような状況で、ABS制御が
開始されても、基準車輪速VFを適切に求めることがで
きるから、この基準車輪速VFから得られる基準車体速V
REFもまた正確なものとなる。この結果、例えば、前輪
4にロック傾向が生じても、そのロック傾向にある前輪
4に対してのブレーキ圧制御、つまり、そのアンチスキ
ッド制御を適切に実施できるから、従来の場合のように
前輪4のブレーキ圧が不所望にして減圧されたままにな
るようなことはない。よって、この実施例の場合にあっ
ては、基準車輪速VREFに基づくアンチスキッド弁装置1
6の駆動制御ルーチンが適切に実行されることにより、
前輪4に充分な制動力を与えて、その制動距離の短縮を
効果的に図ることができる。
また、後輪5のスピンが解消された後に於いては、通
常のABS制御の場合と同様にして、基準車体速VREFが求
められるから、スピンの発生に伴う選択車輪速SVWの切
替えが不所望に継続されるようなこともなく、通常のAB
S制御に確実に復帰することとなる。
前述の説明に於いて、第3図乃至第5図に示したフロ
ーチャートに関しては詳細に説明していないが、このフ
ローチャートは、特に、自動車が4WDで走行中、4輪同
時にスリップが発生しても、その基準車体速VREFを正
確に求めるために設けられているものであり、以下に
は、その場合の基準車輪速VREFを算出する手順につい
て説明する。
ABS制御の開始後、4輪の全てがスリップ状態に至る
ような場合には、ステップS8の判別結果が否であって
も、基準車輪速VFから得た計算減速度G1が車体の許容
減速度以上の値であるCGよりも大きくなって、ステップ
S9の判別が正となり、次のステップS20が実行されて、
フラグF1がオフに、また、フラグFaがオンとなって、第
4図のステップS21に進む。
ステップS21では、基準車体速VREFが基準車輪速VF
以下が否かが判別されるが、ここでは、第3図に於ける
先のステップS8での判別結果からも明らかであるよう
に、この場合には、前回の制御サイクルで設定された基
準車体速VREFよりも基準車輪速VFが大きく低下してい
ることから、その判別結果は否となって、次のステップ
S22が実施される。
ステップS22では、ステップS9の判定が正となってか
ら、所定時間T2(例えば80msec)が経過したか否かが判
別されるが、この時点では、未だ、ステップS22の判別
結果が否であるから、次のステップS23が実行される。
このステップS23では、基準車輪速VFを考慮せず、基
準車体速VREFが一定値CGの減速勾配で減速するともの
と想定して、基準車体速VREFが演算により求められ
る。
従って、この後のアンチスキッド弁装置16の駆動制御
ルーチンでは、ステップS23にて演算した基準車体速VR
EFに基づき、ABS制御が実施されることになる。
そして、この後の制御サイクルに於いては、既にステ
ップS20にて、フラグFaがオンとなっているから、ステ
ップS6の判別結果は正となり、従って、ステップS6から
直ちに第4図のステップS21以降のステップが実行され
ることになる。この場合、ステップS22の判別結果が正
とならない限り、ステップS23が実施され続けて、基準
車体速VREFが算出される。
しかしながら、ステップS22の判別結果が正になる
と、ステップS24が実施される。このステップでは、検
出減速度MUGに所定値β(例えば、β=0.13g)を加えた
減速勾配で車体が減速するとして、基準車体速REFが算
出される。このようなステップS24での基準車体速VREF
の算出は、ステップS21の判別結果が正となるまで継続
される。即ち、ABS制御の実施により、基準車輪速VFが
基準車体速VREFまで上昇して回復したときには、ステ
ップS21の判定が正となって、ステップS25が実行され、
ここでは、フラグFaがオフにリセットされるとともに、
基準車体速VREFが再び基準車輪速VFに設定される。
上述した基準車体速VREFと基準車輪速VFとの関係
は、第7図に示されている。即ち、この第7図から明ら
かなように、ABS制御中、基準車輪速VFのスリップが生
じる前には、基準車体速VREFは基準車輪速VFに追従す
るが、しかしながら、最初に基準車輪速VFにもスリッ
プが発生して、その計算速度G1が一定値CGより大きく
なった時点、即ち、第1分離点からは、基準車体速VRE
Fは、基準車輪速VFに追従せず、第1分離点から所定時
間T2の間は、車体が一定値であるCGの減速勾配で減速
すると想定して基準車体速VREFが算出され、この後に
於いては、基準車輪速VFが基準車体速VREFに回復する
まで、MUG+βの減速勾配で減速するとして、基準車体
速VREFが算出されることになる。
基準車輪速VFの回復後、基準車体速VREFが再び、基
準車輪速VFに設定されるに至った場合には、次回の制
御サイクルでは、第3図に於けるステップS5,S6,S7での
判別が何れも否となるから、次にステップS26が実施さ
れる。このステップでは、計算減速度G1がMUG+αより
も大きいか否かが判別される。この判別結果が否の場合
には、ステップS10にて、基準車体速VREFは、基準車体
速VFに設定される。
しかしながら、ステップS26の判別結果が正となった
場合には、ステップS27にて、フラグFbがオンとなり、
この後は、第5図のステップS28以降のステップが実行
される。
即ち、ステップS28では、前述したステップS21の場合
と同様に、基準車輪速VFが基準車体速VREF以上か否か
が判別されるが、ここでの判別は否となるから、次のス
テップS29が実行される。このステップは、前述した第
4図のステップS24と同様に、検出減速度MUGに所定値β
を加えた減速勾配で車体が減速するとして、基準車体速
度REFが算出される。
次の制御サイクルでは、ステップS27にて既にフラグF
bがオンとなっているから、ステップS5から直ちにステ
ップS28以降のステップが繰り返され、このステップS29
の判別結果が正となるまで、つまり、基準車輪速VFが
基準車体速VREFに回復するまでの間、ステップS29に
て、基準車体速VREFが算出される。
そして、ステップS28の判別結果が正になると、ステ
ップS30にて、フラグFbがオフとなり、基準車体速VREF
は再び基準車輪速VFに設定される。
上述した第5図のステップS28以降のステップは、基
準車輪速VFに再びスリップが発生した後に実行される
ものであり、第8図に示されているように、計算減速度
G1がMUG+αよりも大きくなった時点以降、即ち、第2
分離点以降で、且つ、基準車輪速VFが基準車体速VREF
に回復するまでの間、基準車体速VREFは基準車輪速VF
ではなく、検出減速度MUGに基づいて算出される。
基準車輪速VFが基準車体速VREFまで回復されると、
ステップS30にて、フラグFbがオフとなるから、この後
の制御サイクルでは、ステップS1の判別結果が正に維持
されている限り、ステップS6,S7の判別結果は常に否と
なるから、ステップS26の判別結果が再び否となった場
合、即ち、基準車輪が再びスリップ状態になった場合に
は、第5図のスリップS28以降のステップが繰り返され
て、基準車体速VREFが算出されることになる。
従って、ABS制御中、基準車輪速VFに最初にスリップ
が生じた場合には、第7図に示されているようにして基
準車体速VREFが算出されることになり、この後、基準
車輪速VFに繰り返してスリップが発生した場合には、
第8図に示されるようにして、基準車体速VREFが算出
されることになる。
また、ABS制御中、基準車輪速VFに最初にスリップが
発生した場合、第3図のステップS9での判別結果に基づ
いて、第4図のステップS21以降のステップが実施され
ることになるが、しかしながら、この実施例では、ステ
ップS9の判別をなす前に、ステップS8の判別を実施する
ようにしたから、このステップでの判別結果が正となっ
た場合には、ステップS8からステップS31にて、フラグF
1がオフとなるとともに、フラグFbがオンとなってか
ら、第5図のステップS28以降が直ちに実施されること
になる。即ち、この場合、基準車輪速VFに最初にスリ
ップが生じた時点から、第8図に示される如く、基準車
体速VREFが算出されることになる。
この発明は、上述した一実施例に制約されるものでは
なく、種々の変形が可能である。例えば、一実施例で
は、後輪を駆動輪として説明したが、前輪が駆動輪であ
る2WDの自動車にあっても、この発明を適用できること
は勿論である。また、第1図に示したアンチスキッドブ
レーキ装置に関しても、単に例示的に示したもので、そ
の具体的な構成に関し、適宜変更しても、この発明を適
用することができる。
(発明の効果) 以上説明したように、この発明のアンチスキッド制御
方法によれば、アンチスキッド制御が開始されたとき、
駆動輪の低い側の車輪速と非駆動輪の高い側の車輪速と
の間の偏差を求めるようにしたから、この偏差の大きさ
から駆動輪にスピンが発生しているか否かを判定するこ
とができる。そして、駆動輪にスピンが発生している場
合には、各車輪速のうち高速側から3番目又は4番目の
車輪速、通常の状況では、非駆動輪の車輪速に基づき基
準車体速を求めて、アンチスキッド制御を実施するよう
にしてあるから、この基準車体速は、実際の車体速度に
近似したものとなる。この結果、駆動輪にスピンが発生
しても、アンチスキッドブレーキ制御の実施が適切なも
のとなって、非駆動輪に対しても、その制動力を充分に
与えることができ、その制動距離を短縮に大きく貢献す
ることになる。また、この発明に於いて、前記偏差が無
くなった場合には、通常のアンチスキッド制御の場合と
同様に、各車輪速のうちの高速側から1番目又は2番目
の車輪速に基づき、基準車体速を求めるようにしてある
から、基準車体速を求める際の車輪速の選択の切替が通
常のアンチスキッド制御の実施に悪影響を及ぼすことも
ない等の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明の一実施例を示し、第1図は、アンチ
スキッドブレーキ装置の概略構成図、第2図乃至第5図
は、基準車体速を算出するためのルーチンを示したフロ
ーチャート、第6図は、後輪がスピンした状況に於い
て、ABS制御前後での基準車輪速の設定を説明するため
のグラフ、第7図は、ABS制御中、基準車輪速に最初に
スリップが生じた場合での基準車輪速と基準車体速との
関係を示すグラフ、第8図は、基準車輪速に2回目以降
のスリップが生じた場合での基準車輪速と基準車体速と
の関係を示すグラフである。 4……前輪、5……後輪、9……ホイールブレーキ、12
……マスタシリンダ、16……アンチスキッド弁装置、20
……コントローラ、21……減速度センサ、VREF……基
準車体速、VF……基準車輪速、SVW……選択車輪速。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−213552(JP,A) 特開 昭53−100382(JP,A) 特開 平1−306353(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/58 B60T 8/66

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通常の走行時には、各車輪速のうちの高速
    側から3番目若しくは4番目の低速側車輪速に基づき基
    準車体速を求める一方、制動時、基準車体速からみて車
    輪にロック傾向が生じたときには、各車輪速のうちの高
    速側から1番目若しくは2番目の高速側車輪速に基づき
    基準車体速を求め、この後は、この基準車体速に従いア
    ンチスキッド制御を実施して、その車輪に於けるブレー
    キ圧の増減圧を制御し、これにより、車輪のロックを防
    止するアンチスキッドブレーキ制御方法に於いて、アン
    チスキッド制御が開始されたとき、駆動輪の車輪速と非
    駆動輪の車輪速との間の偏差を求め、この偏差が所定値
    以上にあるときには、前記低速側車輪速に基づき基準車
    体速を求めて、アンチスキッド制御を実施することを特
    徴とするアンチスキッドブレーキ制御方法。
  2. 【請求項2】アンチスキッド制御中、基準車体速が低速
    側車輪速に基づき求められているとき、前記偏差が無く
    なった時点で、高速側車輪速に基づき基準車体速を求め
    ることを特徴とする請求項1に記載のアンチスキッドブ
    レーキ制御方法。
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DE10110548A1 (de) * 2001-03-05 2002-09-19 Knorr Bremse Systeme ABS-bzw. Gleitschutzanlage mit Fehlertoleranz wegen Ausfall eines Geschwindigkeitssensors

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