JP2010141191A - インダクタおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 外部への漏洩磁束が十分に小さい表面実装型のインダクタ、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 ドラム・スリーブ構成を有するインダクタにおいて、ドラムコア111の一部に常磁性フェライトからなる常磁性体層114を設けて磁気ギャップとなし、その層の両側を軟磁性フェライトからなる軟磁性体部112,113により挟まれる構成とする。さらに常磁性体層114を含む領域をドラムコア111の巻芯部としてコイル115を巻回し、その外側にスリーブコア116を配置する。この構成により常磁性体層114以外の磁気ギャップをインダクタの磁気回路から追放することができ、良好な電気的特性を維持するとともに外部への漏洩磁束の小さいインダクタを構成することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ドラム・スリーブ構成を有する表面実装用のインダクタ、およびその製造方法に関する。
携帯電話やノートパソコン、小型ゲーム機等の携帯型電子機器においては、機能の増加に伴う消費電力の増大やバッテリ持続時間の長時間化の要求に応えるために、電源部に用いられる回路基板における搭載部品の各種特性の強化が求められている。その結果、携帯型電子機器が備える電源回路の構成素子であるインダクタに対しても、小型化、大電流への対応、低損失化の要求が高まっている。このうち電源回路に搭載されるインダクタの小型化と低損失化には、軟磁性コア部において磁気飽和が起こりにくい構成とすること、コイル巻線の直流電気抵抗を小さくすること、交流磁気損失の小さなコア材を用いることが重要である。また同時に携帯型電子機器では、表面実装型の電子部品が用いられてそれらが基板に高密度で実装されるため、部品間での電磁的干渉を防止する必要があり、インダクタから外部空間への漏洩磁束を低減する必要性が高まっている。
これらの目的を達成するため、携帯型電子機器の表面実装型の電源回路に用いられるインダクタとしては、巻芯の両側に鍔を有する軟磁性フェライトからなるドラムコアに巻線を施し、このドラムの周囲を囲堯するように軟磁性フェライトからなる磁気ヨークを配置した構成のインダクタが用いられている。ここでドラムコアの周囲を囲堯する磁気ヨークとしては種々の形状があり、巻線を施したドラムコアの周囲に軟磁性フェライト粉末を含有する樹脂を塗布した構成なども提案されているが、円筒形状のスリーブコアや複数の軟磁性平板を用いる場合は、インダクタの組立や調整が容易であるといった利点を有する。
インダクタにおけるドラムコアとスリーブコアの組合せは、一般にドラム・スリーブ構成と称されている。特許文献1はこのようなドラム・スリーブ構成を有するインダクタの例である。図6に、特許文献1に記載のドラム・スリーブ構成のインダクタの例を示す。図6において、図6(a)は特許文献1に記載のドラム・スリーブ構成のインダクタの例の上面図、図6(b)はこのインダクタの例の、図6(a)のA−Aにおける縦断面図である。図6(a)において、ドラムコア601の上側の鍔部602は、その外側に位置するスリーブコア604の内面と対向している。また図6(b)において、コイル605が巻回されたドラムコア601の下方には鍔部603が設けられており、この下側の鍔部603はやはりスリーブコア604の下面と対向している。
このようなドラム・スリーブ構成のインダクタにおいては、ドラムコアとスリーブコアの間に1箇所以上の磁気ギャップを設け、そのギャップ幅を高精度に制御する必要がある。これにより直流電流によって生じるフェライトコアの磁気飽和を抑制して良好な直流重畳特性を得るとともに、インダクタのインダクタンス値を調整する。特許文献1の場合は、ドラムコア601の上下の鍔部602,603とその外側に位置するスリーブコア604との間に2箇所の空隙608,609があり、それぞれが磁気ギャップとなっている。従って、それぞれのギャップ幅を高精度に制御する必要がある。このため特許文献1では、スリーブコア604に突起部606a〜606d,607b,607dなどをそれぞれ設け、これによってドラムコア601の鍔部602,603とスリーブコア604の本体とのギャップ幅を一定の値に保持している。
しかしながら特許文献1に記載のインダクタの構成では、インダクタを小型化、低背化する場合には、そのインダクタンス値と直流重畳特性の調整のためにドラムコアとスリーブコアの間のギャップ幅を高精度に管理する組立技術が必要であった。さらに突起部を有するスリーブコアの形状が複雑となることも重なって、インダクタの低コスト化が困難であるという問題があった。またドラムコアとスリーブコアとはスリーブコアの突起部において互いに接触しているが、この接触部位では局所的な磁気飽和が発生し易くなり、直流重畳特性が劣化して電流値の変化に対するインダクタンス値の変動幅が大きくなってしまう。このため電流値が急変した場合に回路全体としては出力電圧を安定化させることが難しいという問題も生じていた。
ところでインダクタにギャップ幅を制御した磁気ギャップを設ける方法としては、前記方法の他に、特許文献2に記載の方法が知られている。図7は特許文献2に記載のフェライト磁性材料の例を斜視図として示したものであり、軟磁性フェライトからなる2つの軟磁性フェライト層701,702の間に常磁性フェライトからなる1層の常磁性フェライト層703を挟んで一体成形して積層体となし、これを焼結したものである。軟磁性フェライト層701,702に挟まれた常磁性フェライト層703は磁気回路においては特段の磁気的な効果を有していないので、特許文献1におけるドラムコアとスリーブコアとの間の空隙と同様に磁気ギャップとして作用する。ここで常磁性フェライト層703の厚さは高精度に制御することが可能であるので、フェライト磁性材料における磁気ギャップのばらつきを小さくすることができる。従ってこのフェライト磁性材料を磁気コアとして用いることで、製品ごとのインダクタンス値の変動が小さいインダクタなどを作製することができる。
特許文献2に記載のフェライト磁性材料による磁芯は角柱状をなしており、特許文献1のようなドラム・スリーブ構成を有するインダクタとはその形状が異なる。ここでドラム・スリーブ構成を有するインダクタに対して特許文献2に記載の技術を適用するならば、インダクタにおける磁気ギャップのギャップ幅を高精度に制御するという前記課題を解決することができる。すなわち、特許文献2に記載の磁芯のように、軟磁性フェライトからなるドラムコアもしくはスリーブコアの内部に常磁性フェライトからなる層を設け、この層を磁気ギャップとする構成とすれば、ギャップ幅の正確な制御が可能になる。またこの構成ではドラムコアとスリーブコアとの間には空隙が不要であるので、両者の間を突き合わせ構造とするか、もしくは空隙に磁性材料を充填するなどの方法によって、この箇所に磁気ギャップを設けない構成とすることが可能である。
特開2002−313635号公報 特開2005−156433号公報
ところで従来のドラム・スリーブ構成のインダクタのように、磁気ギャップをドラムコアとスリーブコアの間に設けたインダクタでは、ギャップ幅のばらつきによる製品ごとのインダクタンス値の変動以外に、磁気ギャップの領域から生じる漏洩磁束がインダクタの周辺の電子回路に作用して、電子回路全体の電気特性に影響するという問題があった。この問題は、多数の小型の電子部品を密に実装する表面実装型の基板回路ではとくに重要である。インダクタからの磁束の漏洩は磁気ギャップの存在自体が原因であるので、ギャップ幅を高精度に制御することができても解決にはならない。本発明は、ドラムコアを用いたフェライト磁性材料によるインダクタにおける、磁気ギャップからの磁束の漏洩の問題を解決し、表面実装型の基板回路に使用しても回路全体の電気特性に影響を与えないようなインダクタ、およびその製造方法を提供するものである。
本発明は、ドラムコアとその巻芯部に巻回されたコイル、および前記コイルの外周を囲堯して配置された軟磁性体からなる磁気ヨークとを有するインダクタにおいて、ドラムコアの巻芯部に1層以上の常磁性フェライトからなる層を設けて磁気ギャップとすることにより、磁気ギャップのギャップ幅を高精度に制御する。それとともに磁気ギャップの領域から外部への磁束の漏洩を防止して、インダクタの周辺の電子回路に電気的な影響を与えることを防ぐものである。
ここでドラムコアは、一般にコイルが巻回される巻芯部とその両側の鍔部よりなる構成であり、ドラム・スリーブ構成を有するインダクタは、前記ドラムコアがその周囲を軟磁性体からなる磁気ヨークによって囲まれた形状である。従って、ドラムコアの巻芯部内に常磁性フェライトの層を設けるとともに、この層の両側に軟磁性フェライトからなる領域を設けて前記常磁性フェライトの層が挟まれる構成とすることにより、外部への磁束の漏洩をほぼ完全に防止して、周囲の電子回路への影響がほとんど生じないインダクタを構成することができる。なお、ドラムコアの巻芯部内に設ける常磁性フェライトの層は多層構成としても構わない。
ここで、もしドラム・スリーブ構成を有するインダクタのドラムコアと磁気ヨークとの境界領域が磁気ギャップとして作用すると、外部への磁束の漏洩が生じることなってしまう。このため、ドラムコアと磁気ヨークはこの境界領域において、磁気回路として確実に導通した状態であることが要求される。従って、ドラムコアと磁気ヨークとは少なくとも1点以上の領域において互いに確実に接触している必要がある。ただしドラムコアと磁気ヨークの間に空隙が存在しても、磁気回路に影響を及ぼさない程度の薄いものであるか、もしくは空隙が軟磁性体シートにより被覆されるなどして磁気回路としての導通が確保されている場合は両者の境界領域からの磁束の漏洩は生じることがない。従ってこの場合はインダクタとして良好に使用することができる。
なお、ドラムコアと磁気ヨークの間の空隙が薄く、磁気回路に影響しない程度の場合を両者が互いに磁気的に接触した状態にあると称する。磁気回路の構成にもよるが、一般に空隙の厚さが数μm程度の場合は磁気的に接触した状態と見なすことができる。またこの空隙には接着剤など磁気回路に影響しない物質が充填されていても構わない。
即ち、本発明は、巻芯部と、前記巻芯部の両端にそれぞれ位置する鍔部とを有してなるドラムコアと、前記巻芯部に巻回されたコイルと、前記コイルの外周を囲堯して配置された軟磁性体からなる磁気ヨークとを有するインダクタであって、前記巻芯部には、前記巻芯部を横断する向きに、前記巻芯部の横断面の全面に渡り設けられた常磁性フェライトからなる層が少なくとも1層設けられており、前記ドラムコアは軟磁性フェライトからなる領域を有し、前記常磁性フェライトからなる層と前記軟磁性フェライトからなる領域とが一体に焼結されてなり、前記ドラムコアと前記磁気ヨークとが、少なくとも一点において互いに磁気的に接触して構成されることを特徴とするインダクタである。
また、本発明は、前記ドラムコアと前記磁気ヨークとが互いに磁気的に接触する部位、もしくは磁気的な空隙を介して互いに対向する部位を有しており、前記各部位が軟磁性体シートにより被覆されてなることを特徴とするインダクタである。
さらに、本発明は、巻芯部と、前記巻芯部の両端にそれぞれ位置する鍔部とを有してなるドラムコアと、前記巻芯部に巻回されたコイルと、前記コイルの外周を囲堯して配置された軟磁性体からなる磁気ヨークとを有するインダクタであって、前記巻芯部には、前記巻芯部を横断する向きに、前記巻芯部の横断面の全面に渡り設けられた常磁性フェライトからなる層が少なくとも1層設けられており、前記ドラムコアは軟磁性フェライトからなる領域を有し、前記常磁性フェライトからなる層と前記軟磁性フェライトからなる領域とが一体に焼結されてなり、前記ドラムコアと前記磁気ヨークとが磁気的な空隙を介して互いに対向する部位を有しており、前記部位が軟磁性体シートにより被覆されてなることを特徴とするインダクタである。
さらに、本発明は、前記ドラムコアと前記磁気ヨークとが、前記ドラムコアの鍔部において互いに磁気的に接触していることを特徴とするインダクタである。
さらに、本発明は、前記鍔部が軟磁性フェライトからなることを特徴とするインダクタである。
さらに、本発明は、前記巻芯部のうち、前記常磁性フェライトからなる層を除いた部分が軟磁性フェライトからなる領域を有し、前記常磁性フェライトからなる層はその両側を前記軟磁性フェライトからなる領域により挟まれてなることを特徴とするインダクタである。
さらに、本発明は、前記磁気ヨークがスリーブコアからなることを特徴とするインダクタである。
さらに、本発明は、前記磁気ヨークの外周が円形のスリーブコアからなることを特徴とするインダクタである。
さらに、本発明は、前記磁気ヨークが複数の磁性平板からなることを特徴とするインダクタである。
さらに、本発明は、前記磁気ヨークが4枚の磁性平板からなることを特徴とするインダクタである。
さらに、本発明は、前記磁気ヨークが軟磁性フェライトからなることを特徴とするインダクタである。
さらに、本発明は、巻芯部と、前記巻芯部の両端にそれぞれ位置する鍔部とを有してなるドラムコアと、前記巻芯部に巻回されたコイルと、前記コイルの外周を囲堯して配置された軟磁性体からなる磁気ヨークとを有するインダクタの製造方法であって、焼結した後に軟磁性フェライトとなるグリーンシートと、焼結した後に常磁性フェライトとなるグリーンシートとを積層して積層グリーンシートとなし、前記積層グリーンシートを切断分離して素片を形成し、前記素片に切削により溝部を形成した後に、前記素片をそれぞれ焼結してフェライトドラムコアを作製し、前記フェライトドラムコアの巻芯部に巻線を巻回してコイルとなし、前記コイルの外周を囲堯して軟磁性体からなる磁気ヨークを配置し、前記フェライトドラムコアの前記溝部を巻芯部として、前記巻芯部に巻線を巻回してコイルとなし、前記コイルの外周を囲堯して軟磁性体からなる磁気ヨークを配置し、前記ドラムコアと前記磁気ヨークとを、少なくとも一点において互いに磁気的に接触させて構成したことを特徴とするインダクタの製造方法である。
さらに、本発明は、巻芯部と、前記巻芯部の両端にそれぞれ位置する鍔部とを有してなるドラムコアと、前記巻芯部に巻回されたコイルと、前記コイルの外周を囲堯して配置された軟磁性体からなる磁気ヨークとを有するインダクタの製造方法であって、焼結した後に軟磁性フェライトとなるグリーンシートの面上に、焼結した後に軟磁性フェライトとなるペーストと焼結した後に常磁性フェライトとなるペーストの、各々のパターンからなる層の積層体を印刷によりそれぞれ形成して溝部となし、さらに焼結した後に軟磁性フェライトとなるグリーンシートを積層してその側面に前記溝部を有する積層グリーンシートとなし、前記積層グリーンシートを切断分離して素片を形成し、前記素片をそれぞれ焼結してフェライトドラムコアを作製し、前記フェライトドラムコアの前記溝部を巻芯部として、前記巻芯部に巻線を巻回してコイルとなし、前記コイルの外周を囲堯して軟磁性体からなる磁気ヨークを配置し、前記ドラムコアと前記磁気ヨークとを、少なくとも一点において互いに磁気的に接触させて構成したことを特徴とするインダクタの製造方法である。
さらに、本発明は、巻芯部と、前記巻芯部の両端にそれぞれ位置する鍔部とを有してなるドラムコアと、前記巻芯部に巻回されたコイルと、前記コイルの外周を囲堯して配置された軟磁性体からなる磁気ヨークとを有するインダクタの製造方法であって、焼結した後に軟磁性フェライトとなるペーストと、焼結した後に常磁性フェライトとなるペーストとの、各々のパターンからなる層の積層体を基板上に順次印刷により形成してその側面に溝部を有する素片となし、前記素片をそれぞれ焼結してフェライトドラムコアを作製し、前記フェライトドラムコアの前記溝部を巻芯部として、前記巻芯部に巻線を巻回してコイルとなし、前記コイルの外周を囲堯して軟磁性体からなる磁気ヨークを配置し、前記ドラムコアと前記磁気ヨークとを、少なくとも一点において互いに磁気的に接触させて構成したことを特徴とするインダクタの製造方法である。
さらに、本発明は、前記ドラムコアと前記磁気ヨークとが互いに磁気的に接触する部位、もしくは磁気的な空隙を介して互いに対向する部位を有しており、前記各部位に軟磁性体シートを被覆したことを特徴とするインダクタの製造方法である。
さらに、本発明は、前記磁気ヨークがスリーブコアからなることを特徴とするインダクタの製造方法である。
さらに、本発明は、前記磁気ヨークが複数の磁性平板からなることを特徴とするインダクタの製造方法である。
さらに、本発明は、前記磁気ヨークが軟磁性フェライトからなることを特徴とするインダクタの製造方法である。
本発明は、ドラムコアとその巻芯部に巻回されたコイル、および前記コイルの外周を囲堯して配置された軟磁性体からなる磁気ヨークとを有するインダクタにおいて、ドラムコアの巻芯部に1層以上の常磁性フェライトの層を設けたものである。これによりインダクタの磁気ギャップのギャップ幅を高精度に制御して、製品ごとのインダクタンス値の変動を小さくするとともに外部に磁束の漏洩を生じることを防止して、周辺の電子回路に電気的な影響を与えることのないインダクタを提供することができる。また本発明によるインダクタは、逆に外部磁界によって自分自身の磁気特性を乱されることもないため、磁気ノイズ吸収具など、周囲の磁界に影響を与える素子の近傍に配置することも可能である。従って、電子回路において従来のインダクタが持っていた設置に関する制約に縛られることのない、設置の自由度の大きいインダクタを提供することもできる。
以下に、ドラムコアの内部に常磁性フェライトの層を設けた本発明のインダクタの実施の形態について、図1ないし図5をもとに説明する。
図1は、本発明におけるインダクタの例として、3種類の形状の場合について図示したものである。このうち図1(a)は水平方向の断面が円形のドラムコアを用い、円筒形のスリーブコアと組み合わせてドラム・スリーブ構成のインダクタとしたものであり、図1(a)の左側がインダクタの斜視図、右側が縦断面図である。図1(a)において、水平方向の断面が円形のドラムコア111は巻芯部と鍔部とを有している。巻芯部の中央には巻芯部全体を横断して常磁性体層114が設けられており、その上下方向の両側には軟磁性体部112,113があって、常磁性体層114は軟磁性体の領域によって挟まれた構成となっている。またドラムコア111の巻芯部の周囲にはコイル115が設けられていて、常磁性体層114はコイル115によっても囲まれている。またドラムコア111の鍔部は軟磁性体部112,113の一部となっており、常磁性体層114はドラムコア111およびコイル115の外部には露出していない。
ドラムコア111の外部にはスリーブコア116があって、コイル115はドラムコア111およびスリーブコア116によって囲まれている。またスリーブコア116の一部には切り欠き117および電極端子118が設けられていて、コイル115の端部が切り欠き117を経由して電極端子118に接続されている。ここでスリーブコア116の端部はドラムコア111の鍔部と対向しているが、本発明のインダクタではこの両者は少なくとも1箇所で互いに接触しており、両者の対向領域に磁気ギャップは形成されていない。図1(a)の例の場合はドラムコア111の左側の接触領域119が両者の接触点となっており、インダクタ内を流れる磁束はこの位置で磁気的に導通している。ここで図1(a)のインダクタにおける磁気ギャップはコイル115内の常磁性体層114のみであって、この磁気ギャップの存在によりインダクタの磁気飽和が回避されている。
また図1(b)は水平方向の断面が四角形のドラムコアを用いた例で、図1(a)と同様に図の左側がインダクタの斜視図、右側が縦断面図であり、スリーブコアの代わりにヨークとして4枚の板状のコアである軟磁性平板を用いている。図1(b)において、水平方向の断面が四角形のドラムコア121は常磁性体層124および軟磁性体部122,123を有し、またその外側にはコイル125が設けられていて、常磁性体層124はこれらによって囲まれている。ドラムコア121は4枚の軟磁性平板126と磁気回路を形成しており、両者はその対向領域にて接着剤により互いに接着されている。この接着剤はフィラーを含まないもので、両者の対向面の互いの凹凸による影響を除けば接着剤層の厚さを1μm程度以下とすることができる。従って両者は磁気的に接触した状態にあり、磁気ギャップとして作用することはない。ここで図1(b)のインダクタにおける磁気ギャップはコイル125内の常磁性体層124のみであって、この磁気ギャップの存在によりインダクタの磁気飽和が回避されている。また軟磁性平板126の一部には切り欠き127および電極端子128が設けられている。
さらに図1(c)は水平方向の断面が円形のドラムコアを用いた例で、図1(a)と同様に図の左側がインダクタの斜視図、右側が縦断面図である。図1(c)において、ドラムコア131は常磁性体層134および軟磁性体部132,133を有し、またその外側にはコイル135が設けられ、常磁性体層134はこれらによって囲まれている。ドラムコア131の各々の鍔部は軟磁性体部132,133のそれぞれ一部であり、スリーブコア136の内面は、ドラムコア131の上下両側の鍔部とそれぞれ1箇所ずつで接触している。またドラムコア131の上側の鍔部とスリーブコア136の上面には1枚の軟磁性体シート139が設けられていて、これら三者は磁気回路を形成している。軟磁性体シート139としては、軟磁性体の粒子を含む樹脂などによるシートの使用が好適である。ここで図1(c)のインダクタにおける磁気ギャップはコイル135内の常磁性体層134であって、この磁気ギャップの存在によりインダクタの磁気飽和が回避されている。またスリーブコア136の一部には切り欠き137および電極端子138が設けられている。
また図2は、図1に記載の本発明のインダクタに用いられるドラムコアの例の拡大図である。このうち図2(a)は断面が円形のドラムコアの例で、図1(a)および図1(c)に記載のインダクタの例に対応している。図2(a)の上側の図はドラムコア211の上面図、下側の図は同じく縦断面図であり、常磁性体層214および軟磁性体部212,213からなる。ここで常磁性体層214はドラムコア211の巻芯部の中央部分に、巻芯部を横断して設けられている。また巻芯部は常磁性体層214と、軟磁性体部212,213の一部ずつの三者よりなる。さらにドラムコア211の図の上下に設けられた鍔部はいずれも軟磁性体部212,213の一部であって、ドラムコア211の側面に巻芯部よりも突出した形状である。従って、ドラムコア211をシート状常磁性体およびシート状軟磁性体の積層体から切り出して作製する場合は、切り出しの後でその厚さ方向の中央部分を切削して溝部を設けるなどして巻芯部を形成する必要がある。
また図2(b)は断面が四角形のドラムコアの例で、図1(b)に記載のインダクタの例に対応している。図2(b)の上側の図はドラムコア221の上面図、下側の図は同じく縦断面図であり、常磁性体層224および軟磁性体部222,223からなる。ここで図2(b)ではドラムコア221の巻芯部が鍔部と同じく四角形状の場合を示しているが、巻芯部のみ断面が円形のドラムコアとしても構わない。鍔部が四角形状のドラムコアは、シート状常磁性体およびシート状軟磁性体の積層体を単純に縦横に裁断することで作製可能であるという利点を持つ。ただしその場合にも、常磁性体層224を中心とした厚さ方向の中央部分に切削によって溝部を形成することはやはり必要である。
図3ないし図5は、このような巻芯部に常磁性体層を有するインダクタ用のドラムコアの作製方法の例を示す説明図である。このうち図3は、ドラムコアをシート状常磁性体およびシート状軟磁性体からなる積層体から切り出して作製する方法の例を示したもので、2枚のシート状軟磁性体301,302とその間に挟まれた1枚のシート状常磁性体303から出発するものである。ここでシート状軟磁性体301,302およびシート状常磁性体303は、それぞれ焼結した後に軟磁性フェライト、常磁性フェライトとなるグリーンシートである。図3(a)はこれら3枚のグリーンシートを積層する工程を示したものであり、作製された積層体は、次の図3(b)の工程で切断線304に沿って縦横に裁断される。さらに図3(c)は裁断された状態での個々の素片の形状を示したものであり、図3(c)の右側の図は素片の縦断面図、左側の図は斜視図である。最後の図3(d)は、この素片の厚さ方向の中央部分に切削により溝部305を設けて焼結してドラムコア306としたものであり、図3(c)と同じく図3(d)の右側の図はドラムコア306の縦断面図、左側の図は斜視図である。
図3に示したドラムコアの作製方法では、コイルを巻回するための巻芯部である溝部の形成を切削により行って巻芯部を円形断面に仕上げているが、この際に巻芯部を角形断面の形状としても構わない。また図3(b)の工程においては、シート状常磁性体およびシート状軟磁性体の積層体を縦横に裁断することにより、最終的に鍔部が四角形状のドラムコアを得ている。しかしこの裁断工程を打ち抜き工程に変更して、円形断面の柱状の素片を打ち抜くようにすれば、鍔部が円形のドラムコアを得ることができる。また図3(b)の工程において縦横の裁断を行った場合でも、切削による溝部の形成の際に、鍔部を円形に加工する切削も行うようにすれば、やはり鍔部が円形のドラムコアを得ることができる。なお形成された素片は最後に焼結することにより、最終的にドラムコアとなる。
一方、図4はドラムコアの作製において、溝部の切削を行わずに巻芯部を形成する方法の例について示したものである。まず図4(a)は、図3の場合と同様のシート状軟磁性体402の面上に、スクリーン印刷によって円形の軟磁性体層405を形成した状態を示したものである。軟磁性体層405は軟磁性体を含むペーストを印刷してなる層であって、その寸法形状は、作製するドラムコアの巻芯部の断面と同じである。
図4(b)は軟磁性体層405の面上に、常磁性体層403および軟磁性体層404をそれぞれこの順番に積層した状態を示しており、軟磁性体層404の上にはさらにシート状軟磁性体401が設置される。なお軟磁性体層404は常磁性体層403に積層せずに、シート状軟磁性体401の面上に形成した後で、シート状軟磁性体401ごと常磁性体層403に重ね合わせる構成としてもよい。ここで軟磁性体層405、常磁性体層403、軟磁性体層404の3層はシート状軟磁性体402の全面を被覆しておらず、作製された積層体はこれら3層の部分の周囲に空隙部(キャビティ)を有することとなる。なおこれら3層の形状はいずれも同一であって、3層の磁性体層のそれぞれの側面がインダクタの巻芯部の側面を形成する。
図4(c)は、シート状軟磁性体401,402および軟磁性体層404,405、常磁性体層403からなる積層体を、切断線406に沿って縦横に裁断する工程を示したもので、この裁断によって個々の素片が作製される。図4(d)はこの素片への裁断とその後の焼結により最終的に得られたドラムコア408を示したもので、図4(d)の右側の図はドラムコア408の縦断面図、左側の図は斜視図である。ここで巻芯部である溝部407は、スクリーン印刷による各々の円形の磁性体ペースト層の積層により形成されているので、基本的に溝部の切削工程を行う必要はない。また図4(d)に示したドラムコア408は鍔部の形状が四角形のものであるが、裁断工程の後に鍔部の切削を行うか、もしくは裁断ではなく打ち抜き工程を行うこととすれば、鍔部の形状が円形のドラムコアを作製することもできる。
また、図5はドラムコアの作製において、シート状軟磁性体やシート状常磁性体を用いずに、スクリーン印刷による磁性体ペーストの積層のみでドラムコアとなる素片を作製する方法の例について示したものである。まず図5(a)および図5(c)において、金属やセラミックなどからなる基板506,507の面上に、スクリーン印刷によって円形の軟磁性体層501,502をそれぞれ形成する。次いで図5(b)では軟磁性体層501の面上に、やはり円形の軟磁性体層503、常磁性体層505、軟磁性体層504をそれぞれこの順番にスクリーン印刷により形成する。ここで軟磁性体層503、常磁性体層505、軟磁性体層504の3層は軟磁性体層501,502よりもそれぞれ外径をやや小さく形成する必要があり、この両者の外径の差が作製するドラムコアの巻芯部における溝部の深さに対応する。
その後、図5(d)に示すように、基板507の天地を反転させて基板506に重ね合わせて接合させ、スクリーン印刷により形成された軟磁性体層および常磁性体層のみからなる積層体の素片を作製する。図5(e)は得られた素片を焼結することで最終的に得られたドラムコア509を示したもので、図5(e)の右側の図はドラムコア509の縦断面図、左側の図は斜視図である。ここでドラムコアの巻芯部である溝部508は、スクリーン印刷による軟磁性体層503、常磁性体層505、軟磁性体層504の3層の積層により形成されるので、基本的に溝部の切削を行う必要はない。またこの作製方法では裁断や切削の工程がなく、スクリーン印刷のパターンを変えれば鍔部や巻芯部の断面が四角形状や円形など、任意の形状のドラムコアを作製することができる。
なお、本発明のインダクタでの軟磁性体および常磁性体の組成物としては軟磁性フェライトおよび常磁性フェライトが用いられるが、その範囲内なら組成はとくに限定されるものではない。しかし軟磁性フェライトとしては、高い電気抵抗率を有し、使用時に絶縁処理を必要としない、スピネル型のNi−Cu−Zn系軟磁性フェライトが好適に用いられる。その主成分の化学式はa・(Ni1-xCux)O−b・ZnO−c・Fe23で表され、好ましい組成範囲は0.05≦x≦0.45、19.2≦a≦40、15≦b≦31、45≦c≦49.8、a+b+c=100である。ここで0.05≦xの範囲の場合は1150℃以下の温度でフェライトの高密度焼成が可能であり、焼成温度を1150℃以下とすることによって過剰な粒成長が抑制されるため、Q値(インダクタンスの共振の鋭さを示すもので、誘電体損失の少なさを表す値)の高い軟磁性フェライトを得ることができる。また比抵抗においても10MΩ・cm以上の高い値を得ることができる。
一方、x≦0.45の範囲であれば、CuO量が過剰な場合に生じる異相の生成を回避することができる。また15≦bであれば比透磁率として150以上の高い値が得られ、b≦31であれば飽和磁化4πMs(Ms:飽和磁気)として4000G以上の高い値が得られる。さらにc<45の場合は飽和磁化が明らかに減少し、また49.8<cの場合は比抵抗が明らかに減少する傾向となるのでいずれも好ましくはなく、従って45≦c≦49.8の範囲が好ましい。なおaの前記範囲はb、cが前記範囲を満たす場合にa+b+c=100を満たす範囲である。
また、常磁性フェライトとしてはやはり高い電気抵抗率を有し、使用時に絶縁処理を必要としない、スピネル型のCu−Zn系常磁性フェライトの使用が好適である。その主成分の化学式は、a・CuO−b・ZnO−c・Fe23で表され、好ましい組成範囲は0<a≦15、45≦b≦51、40≦c≦49、a+b+c=100である。45≦b≦51の範囲であれば、前記組成物は−40℃以上の使用上十分な温度範囲で常磁性フェライトとなる。また40≦c≦49であれば、10MΩ・cm以上の高い比抵抗値が得られる。なおaの前記範囲はaが0より大で、かつb、cが前記範囲を満たす場合にa+b+c=100を満たす範囲であり、一般にCuOの含有量が大きいほどフェライトの焼結時の焼成温度を低くすることができるため、インダクタの製造コストや環境負荷の低減のためにはaの値が大きい方が望ましい。
なお、前記軟磁性フェライト、常磁性フェライトには成分として微量の不可避不純物が含まれるほか、焼結性、造粒性、抗折強度等に関する特性の改善のために、チタン、バナジウム、マンガン、コバルト、ニッケル、モリブデン、タングステン、ビスマス等の各種酸化物を適宜含有する場合がある。
これらの方法により作製した軟磁性フェライトおよび常磁性フェライトからなるドラムコアに、巻線を施してコイルとなし、コイルを囲堯して軟磁性フェライトからなる磁気ヨークを配置してドラムコアに固定する。この際に、ドラムコアと磁気ヨークとが対向する領域で磁気回路が遮断されないように構成する。磁気ヨークとしては比透磁率が40以上の磁性体からなるスリーブコアなどが好適である。さらに磁気ヨークに対して電極端子を固定し、磁気ヨークに設けた切り欠き部などから取り出したコイルの巻線の末端部をこの電極端子に接合し、本発明のインダクタを構成する。またこのインダクタは外部への漏洩磁束が十分に小さいが、ドラムコアと磁気ヨークとの面上に軟磁性体シートを配置することにより、漏洩磁束をさらに低減させることも可能である。以上の構成とすることにより、従来のインダクタが有していた技術課題を解決して、良好な電気的、磁気的特性を有していながら、外部への漏洩磁束が十分に小さいインダクタを提供することができる。
軟磁性フェライトとしてNi−Cu−Zn系フェライト、常磁性フェライトとしてCu−Zn系フェライトを用いて、巻芯部が常磁性体フェライトの層、その他の領域が軟磁性フェライトからなるフェライトドラムコアを作製した。また、同様にNi−Cu−Zn系フェライトを用いて軟磁性フェライトのみからなるフェライトスリーブコアを作製し、これらを組み合わせてインダクタを作製して実施例とした。また常磁性体フェライトの層を含まない、軟磁性フェライトのみからなるフェライトドラムコアを作製し、同じく軟磁性フェライトのみからなるフェライトスリーブコアと組み合わせてインダクタを作製し、比較例とした。以下で各実施例、比較例のインダクタの製造方法とそれらの評価結果について説明する。
(ドラムコアの作製)
まず化学式で27.5(Ni0.9Cu0.1)O−23.0ZnO−49.5Fe23の組成を有し、平均粒径D50(粒径が小さい側から積算して重量比が50%となる粒径)が1.2μmのNi−Cu−Zn系軟磁性フェライトの粉末に、バインダーとしてポリビニルブチラールを5重量部、溶媒としてエタノールを35重量部、他に少量の可塑剤、増粘剤を添加して100重量部とした。次にボールミルを用いてこれらの混合物に20時間の混練を行ってスラリーを得た。得られたスラリーをドクターブレード成型の方法によりポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)上に塗工して、乾燥後の厚さが0.3mmとなる軟磁性フェライトのグリーンシートを得た。なおこの材料は焼結により軟磁性フェライトとした場合に、室温での比透磁率が350となるものである。
次に、化学式で10.0CuO−45.0ZnO−45.0Fe23の組成を有するCu−Zn系常磁性フェライトの粉末を用いて、前記軟磁性フェライトの場合と同様のバインダー、溶媒、可塑剤、増粘剤を加えて混合物を得た。次いで、前記軟磁性フェライトの場合と同様の手段により、乾燥後の厚さが0.05mmとなる常磁性フェライトのグリーンシートを得た。
その後、乾燥後の厚さが0.3mmである前記の軟磁性フェライトのグリーンシートを2枚積層し、その面上に前記の常磁性フェライトのグリーンシートを1枚重ねて、さらに前記の軟磁性フェライトのグリーンシートを2枚重ねて合計5枚の積層構成とした。次にこれらの積層したグリーンシートに120℃、500kg/cm2の温度、圧力を2時間加えることで熱圧着し、積層グリーンシートを得た。この熱圧着工程により積層グリーンシートは乾燥されることから、その厚さは各層の乾燥後の厚さの合計である1.25mmとなった。
次いで積層グリーンシートを外周刃切断によって縦3mm、横3mm、厚さ1.25mmの素片に切断分離したのち、外周刃切削加工機を用いて素片の各側面部に切削加工を施し、ドラムコアの形状に加工した。得られた素片は上下の鍔部が角形で巻芯部の断面も角形のもの、および上下の鍔部が角形で巻芯部の断面は丸形のものの2種類である。このようにして成形された素片に対して脱バインダー処理を行った上で、大気雰囲気中で1100℃にて焼結した。以上の方法により、巻芯部に常磁性フェライトの層を有するフェライトドラムコアを得た。ここで得られたドラムコアは焼結による体積の減少により、高さが1mm、鍔部の一辺が2.5mmの角形の形状であり、鍔部の厚さは各0.3mm、巻芯部の高さは0.4mmであった。また巻芯部が丸形の場合はその直径が1mm、角形の場合は一辺の長さが1mmであった。
また前記積層グリーンシートを外周刃切断ではなく打ち抜き加工することにより、鍔部の外形が円形のドラムコアを作製した。打ち抜き加工によって積層グリーンシートを直径3mm、厚さ1.25mmの素片に分離したのち、同じく外周刃切削加工機を用いて素片の各側面部に切削加工を行って、ドラムコアの形状に加工した。得られた素片は上下の鍔部が丸形で巻芯部の断面も丸形のものである。このようにして得られた素片に対して脱バインダー処理、大気雰囲気中での1100℃の焼結を行い、巻芯部に常磁性フェライトの層を有するフェライトドラムコアを得た。得られたドラムコアは焼結による体積の減少により、高さが1mm、鍔部の直径が2.5mmの丸形の形状であり、鍔部の厚さは各0.3mm、巻芯部の高さは0.4mmであった。また巻芯部の直径は1mmであった。
さらに素片の側面部に切削加工を行わない方法により、巻芯部の断面が円形のドラムコアを作製した。まず乾燥後の厚さが0.37mmである前記組成の軟磁性フェライトのグリーンシートの面上に、スクリーン印刷によって乾燥後の厚さが0.23mmで直径がやや小さい、複数の円形の軟磁性フェライトの領域を1層分ずつ形成した。次いでこの領域に重ねて、同じ直径で乾燥後の厚さが0.05mmの前記組成の円形の常磁性フェライト、乾燥後の厚さが0.23mmの前記と同じ直径の円形の軟磁性フェライトを、それぞれ順に積層した。最後に再び乾燥後の厚さが0.37mmである、前記と同じ軟磁性フェライトのグリーンシートを被せて熱圧着を行い、積層グリーンシートを得た。このときの圧着条件は前記記載の方法と同一である。このシートの熱圧着後の厚さは前記と同じく1.25mmとなった。
次いでこの積層グリーンシートを外周刃切断もしくは打ち抜き加工によって素片に分離した。ここでドラムコアの巻芯部は、積層グリーンシートに設けた円形のフェライトの領域の縁部としてすでに形成されているために、素片の側面に切削加工を行って形成する必要がなく、積層グリーンシートを素片に分離するだけでドラムコアの形状が得られることとなる。こうして得られた素片は、上下の鍔部が角形もしくは丸形であり、巻芯部の断面は丸形のものである。この素片に対して脱バインダー処理、および大気雰囲気中での1100℃の焼結を行い、巻芯部に常磁性フェライトの層を有するフェライトドラムコアを得た。得られたドラムコアは焼結による体積の減少により、高さが1mm、鍔部が一辺2.5mmの角形もしくは直径が2.5mmの丸形の形状であり、鍔部の厚さは各0.3mm、巻芯部の高さは0.4mm、また巻芯部の直径は1mmであった。この寸法形状は、前記の素片への分離の後に、素片の側面への切削加工により巻芯部を形成したドラムコアの場合と同一形状である。
さらに、素片の側面部に切削加工を行わず、軟磁性体フェライトのグリーンシートも用いない方法により、巻芯部の断面が円形のドラムコアを作製した。まずアルミ板の表面にPETフィルムを貼り付け、その面上にスクリーン印刷によって乾燥後の厚さが0.37mmの複数の円形の軟磁性フェライトの領域を1層分ずつ形成した。この軟磁性フェライトの領域はドラムコアの鍔部を構成するものである。なおここで用いたアルミ板の代わりに他の材質の金属板を用いてもよく、また表面の平坦性が保証されるものであればセラミック板などでも構わない。次いで前記軟磁性フェライトの領域の面上に、同じくスクリーン印刷によって乾燥後の厚さが0.23mmの複数の円形の軟磁性フェライトの領域を1層分ずつ形成した。さらにこの領域に重ねて乾燥後の厚さが0.05mmの前記組成の円形の常磁性フェライト、乾燥後の厚さが0.23mmの前記と同じ円形の軟磁性フェライトをそれぞれ順に積層した。これらの各層はドラムコアの巻芯部を構成するものであり、鍔部を構成する軟磁性フェライトの領域よりも小さく形成する必要がある。
一方、これらの積層体とは別に、前記の鍔部を構成する軟磁性フェライトの領域と同様に、アルミ板の表面にPETフィルムを貼り付けて、その面上にスクリーン印刷にて乾燥後の厚さが0.37mmとなる円形の軟磁性フェライトの領域を形成したものを用意した。最後にこのアルミ板を裏返して前記の積層した円形の軟磁性フェライトの各領域の上に重ね合わせて前記圧着条件によって熱圧着を行った。こうして得られたフェライトの積層体はすでに素片に分離しているために、作製において外周刃切断や打ち抜き加工の工程を必要とせず、また巻芯部の形成のための切削加工の工程も不要である。またこのシートの熱圧着後の厚さは前記と同じく1.25mmであった。
さらに比較例として、常磁性フェライトのグリーンシートに代えて前記Ni−Cu−Zn系フェライトと同一組成の軟磁性フェライトを用い、乾燥後の厚さが0.05mmとなる軟磁性フェライトのグリーンシートを作製し、これを常磁性フェライトのグリーンシートの代わりに用いたフェライトドラムコアを作製した。このドラムコアは軟磁性フェライトのみから形成されている他は、前記常磁性フェライトの層を有するフェライトドラムコアと同一の形状、寸法である。なお作製した比較例のドラムコアの鍔部の形状は角形および丸形、巻芯部の形状は丸形の場合のみとした。以上、常磁性フェライトの層を有する実施例のドラムコアの形状が3種類、軟磁性フェライトのみからなる比較例のドラムコアの形状が2種類の互いに異なる形状、材質のドラムコアを作製した。
(磁気ヨークの作製)
本発明の実施例および比較例として用いた磁気ヨークは、円筒形状のスリーブコアと4枚の軟磁性平板の組み合わせの2種類の形状であり、いずれも軟磁性フェライトのみからなるものである。また実施例と比較例でその材質や形状に違いはない。実施例および比較例では、使用したドラムコアの鍔部が円形の場合には円筒のスリーブコアによる磁気ヨークを用い、またドラムコアの鍔部が角形の場合は4枚の軟磁性平板をドラムコアの4つの側面にそれぞれ接着固定して磁気ヨークを構成している。
まず化学式で27.5(Ni0.9Cu0.1)O−23.0ZnO−49.5Fe23の組成を有し、平均粒径D50が1.2μmであるNi−Cu−Zn系軟磁性フェライトの粉末に、バインダーとしてポリビニルアルコールの9%水溶液を10wt%混合し、この粉末を2000kg/cm2の圧力で加圧成形した。その後に脱バインダー処理を行って、大気雰囲気中にて1100℃で焼結して、幅2.5mm、高さ1mm、厚さ0.4mmの直方体の形状を有する軟磁性フェライトからなる平板(軟磁性平板)を得た。ここで作製した軟磁性平板は前記ドラムコアを構成する軟磁性材料と同じく、室温での比透磁率が350となるものである。なお一部の軟磁性平板の側面部には切り欠きおよび電極端子を設けておき、インダクタを構成した際にドラムコアに巻回したコイルの端部をこの切り欠きから取り出して、電極端子に接続できるように構成している。
また、前記軟磁性平板と同じ組成、平均粒径の軟磁性フェライト粉末およびバインダーを用い、2000kg/cm2の圧力での型押しおよび大気雰囲気中での1100℃の焼結により、円筒形状のスリーブコアを作製した。作製したスリーブコアは外径3.4mm、内径2.6mm、高さ1mm、肉厚0.4mmの円筒形状であり、内径は前記ドラムコアの鍔部の直径である2.5mmよりも0.1mmだけ大きく形成している。ここで作製した軟磁性平板は前記ドラムコアを構成する軟磁性材料と同じく、室温での比透磁率が350となるものである。またスリーブコアの側面の2箇所には、それぞれドラムコアに巻回したコイルの端部を取り出すための切り欠きおよび電極端子を設けている。
(軟磁性体シートの作製)
まず、軟磁性塗布剤および軟磁性体シートに用いる扁平金属粉末を作製するために、Siが3wt%、Crが5wt%、残部がFeの組成である、水アトマイズ法により製造された球状粒子からなるFe−Si−Cr系軟磁性合金粉末を用意した。この合金粉末の平均粒径D50は10μmであった。この合金粉末を扁平化するためにアトライタを用いてまず粗粉砕を行い、さらにアトライタによって遠心分離および粉砕加工を実施した。続いてこの扁平化工程で粒子内に生じる歪みを取り除くために、窒素雰囲気中にて400℃で2時間の焼鈍処理を行い、軟磁性を有する扁平金属粉末を得た。
この扁平金属粉末と、結合材であるポリアミドイミド系樹脂と、溶媒であるキシレンとを、それぞれ重量比が72:20:50となるように混合してスラリーとした。次いでこのスラリーを、離型材を塗布したPETフィルム上に乾燥後のシート厚さが0.2mmとなるようにドクターブレード法によって塗布した。その後この塗布物を60℃に保持した乾燥炉内に2時間放置して溶媒を除去し、軟磁性体シートとした。この軟磁性体シートをPETフィルムから剥離した後に、軟磁性体シート2枚を積層して温度が100℃、圧力が500kg/cm2の条件にて熱プレスを行って、厚さが0.4mmの磁性シートを得た。この磁性シートは透磁率の配向性を有しており、室温における面内での比透磁率は65であった。最後にこの磁性シートを切断して、一辺の長さが3.5mm×3.5mm、厚さ0.4mmの直方体形状を有する軟磁性体シートの平板を得た。
(インダクタの組立)
前記の各ドラムコア、円筒形状のスリーブコアおよび軟磁性平板、接着剤および軟磁性体シートを用いて本発明の実施例および比較例のインダクタの組立を行った。まず全てのドラムコアに線径(直径)が0.15mmのポリウレタン被膜銅線を5ターン巻回してそれぞれコイルを形成した。次に、ドラムコアの外側に磁気ヨークとなる円筒形状のスリーブコアもしくは4枚の軟磁性平板を配置して、両者の隙間を非磁性のエポキシ系接着剤にて固定した。
ここでエポキシ系接着剤としては2種類のものを用意し、用途によってそれぞれ使い分けた。まず第1の接着剤は液状成分のみを含み、フィラーを含まないものである。それに対して第2の接着剤は液状成分に加え、平均粒径D50が10μmの球状シリカをフィラーとして含むものである。第1の接着剤を用いた場合は接着剤層の厚さを非常に薄くすることが可能であり、その厚さを1μm程度以下として、接着剤層を磁気ギャップとしない磁気回路を構成することが可能である。一方、第2の接着剤は接着剤層を磁気ギャップとして積極的に活用するためのもので、フィラーを含有しているために接着剤層の厚さには下限が生じることになる。本発明の実施例、比較例におけるインダクタの組立においては、ドラムコアと円筒形状のスリーブコアもしくは4枚の軟磁性平板との隙間の接着に際し、接着面をできるだけ密着させるようにした。これにより、第1の接着剤を用いた場合は接着剤層の厚さを最も薄い部分で1μm程度以下とすることができたが、第2の接着剤を用いた場合は最低でも15μm程度の接着剤層による空隙が形成された。
ドラムコアとその外側の磁気ヨークとを接着剤により固定する際には、コイルの巻線の末端を円筒形状のスリーブコアや軟磁性平板に設けた切り欠きから磁気ヨークの外部に取り出すように構成し、その末端を、円筒形状のスリーブコアおよび軟磁性平板に設けた電極端子にはんだ付けにより固定した。なお電極端子は銀ペーストを焼結により表面の一部に焼き付けたものである。また一部のインダクタでは、ドラムコアの鍔部と磁気ヨークの面上に前記軟磁性体シートを両面粘着テープにより貼り付けて、漏洩磁束抑制体とした。ここで用いた両面粘着テープは粘着部を含む全体の厚さが約50μmのものである。この軟磁性体シートの形状は、前記のように一辺の長さが3.5mmの正方形であり、インダクタの磁気ヨークの外形寸法(円筒形状のスリーブコアの場合で直径3.4mm、4枚の軟磁性平板を用いる場合で3.3mm×3.3mm)よりも大きく、インダクタの1つの端面を完全に被覆するものである。
ここで鍔部が円形のドラムコアの外側に円筒形状のスリーブコアを接着剤により固定する際には、本発明の各実施例においては図1(a)に示したように、スリーブコアの円筒内面の1箇所にドラムコアの上下の鍔部をそれぞれ接触させるようにして、この接触箇所を介して磁気回路が導通した状態となるように構成した。この際の固定には1つの実施例の場合を除いていずれもフィラーを含まない第1の接着剤を用いており、ドラムコアの鍔部とスリーブコアとが磁気的に接触する箇所が最も薄く、この箇所の接着剤層の厚さは1μm程度以下となるようにしている。この場合はドラムコアの鍔部とスリーブコアとの間の空隙の幅は、その場所によって大きく変化することとなり、前記接触箇所以外での空隙は最大で0.1mm程度になるが、接触箇所以外の領域はインダクタの磁気回路の構成に関与しないのでとくに問題とはならない。なおこの空隙の内部には、スリーブコアの固定のために接着剤を充填している。
一方、比較例の場合には、ドラムコアの鍔部とスリーブコアとの間の空隙を磁気ギャップとして活用する必要があることからフィラーを含む第2の接着剤を用いて組立を行っており、ドラムコアの上下の2箇所の鍔部とスリーブコアの円筒内面との間に、それぞれ最低でも15μm程度の空隙を設けた。この空隙が磁気ギャップとなるため、ドラムコア内部に常磁性体層を有しない場合であってもインダクタを構成することが可能である。
以上の方法にて作製した本発明のインダクタは合計で実施例が9通り、比較例が6通りである。これらの実施例、比較例の各々のインダクタの構成を表1に示す。表1において、常磁性体層の有無はインダクタに用いたドラムコアの巻芯部に常磁性体層が存在するかどうかを示す。またドラムコアの形状は鍔部、巻芯部がそれぞれ丸形か角形かを示す。またドラムコアの作製方法は、グリーンシートを積層するか、円形の軟磁性フェライトの領域をスクリーン印刷により形成するかによって大きく3種類に分けられる。表1ではドラムコアの作製方法の違いを鍔部と巻芯部のそれぞれの形成方法に分けて示す。本発明のインダクタには、さらに磁気ヨークが4枚の軟磁性平板からなるのか、円筒形状のスリーブコアからなるのかの違いがあり、この相違はドラムコアの鍔部の形状に依存している。さらに、フィラーを含む接着剤を用いるかどうか(実施例では全てフィラーを含有しない接着剤を使用)、ドラムコアの1つの端面に軟磁性体シートを設けるかどうかの違いがあり、それらの相違についても表1に示す。なお、表1に示したこれらの各インダクタはそれぞれ6個ずつ作製しており、それぞれに対して電気的、磁気的特性の評価を行った。
Figure 2010141191
(評価方法)
以上の方法により作製した各実施例および比較例の6個ずつのインダクタに対し、バイアス電流がない場合の100kHzにおけるインダクタンスの値、前記インダクタンスの値と比較してインダクタンス降下率が30%となるときのバイアス電流の値、および漏洩磁束の3種類の電気的、磁気的特性をそれぞれ評価した。なおインダクタンスの値のバイアス電流依存性の測定には、アジレント社のインピーダンスアナライザ4284Aを使用した。ここで、100kHzにおけるインダクタンスは小型の表面実装用のインダクタの評価における標準的な電気的特性であり、また前記のインダクタンス降下率が30%となるときのバイアス電流の値は、直流重畳電流が存在する場合のインダクタンスの低下を評価する上での同様に標準的な電気的特性である。バイアス電流の値が小さい場合は、僅かなバイアス電流の存在によってもインダクタンスが大きく低下することになる。なお、バイアス電流の有無にかかわらず、インダクタンスの測定周波数は100kHzとした。
さらに漏洩磁束は、ドラムコアと磁気ヨークとの接合箇所から接合面に対して垂直に3mm隔てられた、空中に想定した仮想的な線状の領域における最大磁束である。この測定は、インダクタに1Aの直流電流を流した状態で、前記の線状の領域がなす軌跡上にガウスメータの検出部を配置して、このガウスメータの検出部を回転させながら軌跡上を走査させて行った。そしてこの走査により得られた一連の磁場測定値のうちの最大値を測定値とした。なお測定の際には地磁気等の外部磁場の強さを予め測定しておき、外部磁場の値による測定値の補正を行って、外部磁場の影響が測定結果に含まれないようにした。
以上の方法により測定した表1の実施例1〜9、比較例1〜6の各々のインダクタにおける電気的、磁気的特性の評価結果を表2に示す。なお表2の値は、各条件あたり6個ずつのインダクタ試料における、それぞれの測定値の平均値である。
Figure 2010141191
(評価結果)
表2の積算値は、インダクタンスの値(L)と、インダクタンス降下率が30%となるバイアス電流の値(Imax)とを掛け合わせた(L×Imax)ものであり、インダクタの性能を評価するための指標として一般に用いられるものである。ここで本発明の実施例および比較例として作製した、一辺が4mm角以下の大きさの表面実装用のインダクタをとくに電源装置に用いる場合には、使用時のスイッチング周波数と負荷の消費電流量の関係から、L×Imaxの値として1.4μH・A以上の値となることが望ましい。表2によると、ドラムコア内部に常磁性体層を設けた本発明の実施例1〜6ではL×Imaxの値が全て1.9μH・A以上であり、いずれの場合も表面実装用のインダクタとして十分に優れた値が得られている。
一方、ドラムコア内部に常磁性体層がない、従来技術のインダクタである比較例1、4の場合のL×Imaxの値は1.4〜1.5μH・Aであり、実施例1〜6にはかなり劣るものの、インダクタとしての標準的な要求を満足する値が得られている。しかしながら実施例1〜6と比較例1、4とを比べると、実施例1〜6では漏洩磁束の値がいずれも5G以下であるのに対し、比較例1、4の場合はそれぞれ12G,11Gと2倍以上も大きな値となっている。これは軟磁性フェライトからなるドラムコアと磁気ヨークとの間に磁気ギャップを生じさせるために、フィラーを含む第2の接着剤を用いていることが原因である。両者の間には最低でも15μm以上の空隙が存在するため、この空隙から大きな漏洩磁束が生じている。ドラムコアと磁気ヨークとの間の空隙は実施例4〜6の場合にも存在するが、固定にフィラーを含まない第1の接着剤を用いているために、両者の距離が1μm程度以下と非常に小さい領域(接触領域)が存在する。インダクタ内を流れる磁束はこの接触領域に集中するために、漏洩磁束は小さくなる。
比較例1、4のインダクタの構成は、従来技術におけるドラム・スリーブ構成のインダクタとしては比較的漏洩磁束が小さいものである。実施例1〜6と比較例1、4とを比較すると、実施例1〜6ではこの比較例1、4に対して漏洩磁束をさらに半分以下にまで低減しており、本発明のインダクタでは、表面実装用のインダクタにおいて漏洩磁束の顕著な低減が図られていることが分かる。
なお、比較例1、4のインダクタにおいて単純に漏洩磁束を低減させるだけならば、ドラムコアの鍔部と磁気ヨークの面上に軟磁性体シートを両面粘着テープにより貼り付けて、漏洩磁束抑制体として用いればよい。比較例2、5はそのようなインダクタの構成としたものであり、軟磁性体シートの貼付によって漏洩磁束を測定限界である2G未満に低下させている。しかし表2によると比較例2、5ではバイアス電流の値が大きく低下するとともに、L×Imaxの値も1.0μH・A程度に低下している。この電気的特性の低下があるため、比較例2、5の場合は表面実装用のインダクタとして良好に使用することはできない。これは、軟磁性体シートを設けたことにより、インダクタ内を流れる磁束のうちの相当量がドラムコアの鍔部と磁気ヨークとの間の空隙を通過せずに軟磁性体シートの内部を流れるようになり、磁気ギャップの効果が低下してしまうためと考えられる。
一方、本発明の実施例7、8は実施例1、4の場合に対してドラムコアの鍔部と磁気ヨークの面上に軟磁性体シートを貼り付けたものであるが、軟磁性体シートの効果により漏洩磁束が2G未満に低下している以外は、バイアス電流の値およびL×Imaxの値のいずれにおいても測定値に特段の低下は見られず、良好な電気的特性を維持している。これはドラムコアの鍔部と磁気ヨークとの間の空隙が磁気ギャップとしての特段の作用を有していないためであり、磁束の一部が軟磁性体シートの内部を流れることとなっても、インダクタにおける電気的特性にとくに変化は生じない。またドラムコアの鍔部と磁気ヨークとの間の接触領域では両者の距離が非常に小さく、従って磁束が極めて流れ易いため、軟磁性体シートが存在してもインダクタ内を流れる磁束の大部分はこの領域を通過し、軟磁性体シート内を迂回する磁束が少なくなると考えられる。このように、実施例7、8は軟磁性体シートをドラムコアの面上に貼り付けた簡略な構成にも関わらず、漏洩磁束の顕著な低下という効果を得ることのできるインダクタの構成である。
また、バイアス電流の値およびL×Imaxの値における電気的特性が良好である点は実施例9の場合も同様である。実施例9は、実施例8における第1の接着剤を球状シリカのフィラーを含む第2の接着剤に変更したものである。このためドラムコア内部の常磁性体層とドラムコアの鍔部と磁気ヨークとの間の領域に、合計2箇所の磁気ギャップを持つこととなる。しかしながら軟磁性体シートが存在するために、ドラムコアの鍔部と磁気ヨークとの空隙から生じる漏洩磁束はその多くが軟磁性体シートを経由して再び磁気回路に戻ることになり、両者の間の磁気ギャップが磁気的特性に与える影響は小さくなる。なお、インダクタ本体に軟磁性体シートの貼付を行うために用いる両面粘着テープは、全体の厚さが約50μmとドラムコアの常磁性体層の厚さ(0.05mm=50μm)に比較するとそれなりに厚いものであるが、インダクタの外部への漏洩磁束を減少させてL×Imaxの値の低下を防ぐためにはとくに問題となるものではない。
このことから、表2に示されたように、バイアス電流の値およびL×Imaxの値のいずれにおいても実施例8の場合に近い良好な結果が得られることとなる。また漏洩磁束も2G未満に低下することから、表面実装用のインダクタとしては他の実施例と比べても遜色のない結果が得られている。なお表2の実施例9では、許容範囲内ではあるものの、実施例8などに比べてL×Imaxの値が若干下がっている。この理由としては、軟磁性体シートの貼付が行われなかった側のドラムコアの鍔部と磁気ヨークとの間の空隙からの漏洩磁束が作用したことなどが考えられる。
なお、比較例3、6の場合は、内部に常磁性体層を有しないドラムコアとフィラーを含まない第1の接着剤とを組み合わせたものであるが、この場合にはそもそもインダクタの内部に磁気ギャップが存在しないこととなる。このためバイアス電流の値とL×Imaxの値はいずれも低下してしまい、表面実装用のインダクタとして用いるためには不適当なものとなっている。
以上記したように、本発明に係るインダクタにおいては、磁気ギャップがコイルに囲まれたドラムコアの巻芯部のみに存在することから、インダクタの外部への漏洩磁束を十分に小さくすることができる。従って、本発明によれば、磁気ギャップの幅を精密に制御して製品ごとのインダクタンス値の変動を小さくするとともに、周辺の電子回路に電気的な影響を与えることのないインダクタを提供することが可能である。また、上記説明は、本発明の実施の形態に係る場合の効果について説明するためのものであって、これによって特許請求の範囲に記載の発明を限定し、あるいは請求の範囲を減縮するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
本発明における各々異なる形状のインダクタの例を示す図。図1(a)、図1(b)、図1(c)では、それぞれ図の左側がインダクタの斜視図、図の右側が縦断面図。 図1に記載の各々のインダクタのドラムコアの例の拡大図。図2(a)、図2(b)はそれぞれ図の上側がドラムコアの上面図、図の下側が縦断面図。 ドラムコアの作製方法の例を示す図。図3(a)、図3(b)、図3(c)、図3(d)はドラムコアの作製工程を順に示す図であり、図3(a)、図3(b)は斜視図、図3(c)、図3(d)ではそれぞれ図の左側が斜視図、図の右側が縦断面図。 図3とは異なるドラムコアの作製方法の例を示す図。図4(a)、図4(b)、図4(c)、図4(d)はドラムコアの作製工程を順に示す図であり、図4(a)、図4(b)、図4(c)は斜視図、図4(d)では図の左側が斜視図、図の右側が縦断面図。 図3、図4とは異なるドラムコアの作製方法の例を示す図。図5(a)、図5(b)、図5(c)、図5(d)、図5(e)はドラムコアの作製工程を順に示す図であり、図5(a)、図5(b)、図5(c)、図5(d)は斜視図、図5(e)では図の左側が斜視図、図の右側が縦断面図。 従来のインダクタの例を示す図。図6(a)は上面図、図6(b)は、図6(a)のA−Aにおける縦断面図。 従来のフェライト磁性材料の例を示す斜視図。
符号の説明
111,121,131 ドラムコア
112,113,122,123,132,133 軟磁性体部
114,124,134 常磁性体層
115,125,135 コイル
116,136 スリーブコア
126 軟磁性平板
117,127,137 切り欠き
118,128,138 電極端子
119 接触領域
139 軟磁性体シート
211,221 ドラムコア
212,213,222,223 軟磁性体部
214,224 常磁性体層
301,302 シート状軟磁性体
303 シート状常磁性体
304 切断線
305 溝部
306 ドラムコア
401,402 シート状軟磁性体
403 常磁性体層
404,405 軟磁性体層
406 切断線
407 溝部
408 ドラムコア
501,502 軟磁性体層
503,504 軟磁性体層
505 常磁性体層
506,507 基板
508 溝部
509 ドラムコア
601 ドラムコア
602,603 鍔部
604 スリーブコア
605 コイル
606a〜606d,607b,607d 突起部
608,609 空隙
701,702 軟磁性フェライト層
703 常磁性フェライト層

Claims (18)

  1. 巻芯部と、前記巻芯部の両端にそれぞれ位置する鍔部とを有してなるドラムコアと、前記巻芯部に巻回されたコイルと、前記コイルの外周を囲堯して配置された軟磁性体からなる磁気ヨークとを有するインダクタであって、
    前記巻芯部には、前記巻芯部を横断する向きに、前記巻芯部の横断面の全面に渡り設けられた常磁性フェライトからなる層が少なくとも1層設けられており、
    前記ドラムコアは軟磁性フェライトからなる領域を有し、前記常磁性フェライトからなる層と前記軟磁性フェライトからなる領域とが一体に焼結されてなり、
    前記ドラムコアと前記磁気ヨークとが、少なくとも一点において互いに磁気的に接触して構成されることを特徴とするインダクタ。
  2. 前記ドラムコアと前記磁気ヨークとが互いに磁気的に接触する部位、もしくは磁気的な空隙を介して互いに対向する部位を有しており、前記各部位が軟磁性体シートにより被覆されてなることを特徴とする請求項1に記載のインダクタ。
  3. 巻芯部と、前記巻芯部の両端にそれぞれ位置する鍔部とを有してなるドラムコアと、前記巻芯部に巻回されたコイルと、前記コイルの外周を囲堯して配置された軟磁性体からなる磁気ヨークとを有するインダクタであって、
    前記巻芯部には、前記巻芯部を横断する向きに、前記巻芯部の横断面の全面に渡り設けられた常磁性フェライトからなる層が少なくとも1層設けられており、
    前記ドラムコアは軟磁性フェライトからなる領域を有し、前記常磁性フェライトからなる層と前記軟磁性フェライトからなる領域とが一体に焼結されてなり、
    前記ドラムコアと前記磁気ヨークとが磁気的な空隙を介して互いに対向する部位を有しており、前記部位が軟磁性体シートにより被覆されてなることを特徴とするインダクタ。
  4. 前記ドラムコアと前記磁気ヨークとが、前記ドラムコアの鍔部において互いに磁気的に接触していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインダクタ。
  5. 前記鍔部が軟磁性フェライトからなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインダクタ。
  6. 前記巻芯部のうち、前記常磁性フェライトからなる層を除いた部分が軟磁性フェライトからなる領域を有し、前記常磁性フェライトからなる層はその両側を前記軟磁性フェライトからなる領域により挟まれてなることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインダクタ。
  7. 前記磁気ヨークがスリーブコアからなることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインダクタ。
  8. 前記磁気ヨークの外周が円形のスリーブコアからなることを特徴とする請求項7に記載のインダクタ。
  9. 前記磁気ヨークが複数の磁性平板からなることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のインダクタ。
  10. 前記磁気ヨークが4枚の磁性平板からなることを特徴とする請求項9に記載のインダクタ。
  11. 前記磁気ヨークが軟磁性フェライトからなることを特徴とする請求項7ないし10のいずれか1項に記載のインダクタ。
  12. 巻芯部と、前記巻芯部の両端にそれぞれ位置する鍔部とを有してなるドラムコアと、前記巻芯部に巻回されたコイルと、前記コイルの外周を囲堯して配置された軟磁性体からなる磁気ヨークとを有するインダクタの製造方法であって、
    焼結した後に軟磁性フェライトとなるグリーンシートと、焼結した後に常磁性フェライトとなるグリーンシートとを積層して積層グリーンシートとなし、
    前記積層グリーンシートを切断分離して素片を形成し、前記素片に切削により溝部を形成した後に、前記素片をそれぞれ焼結してフェライトドラムコアを作製し、
    前記フェライトドラムコアの巻芯部に巻線を巻回してコイルとなし、前記コイルの外周を囲堯して軟磁性体からなる磁気ヨークを配置し、
    前記フェライトドラムコアの前記溝部を巻芯部として、前記巻芯部に巻線を巻回してコイルとなし、前記コイルの外周を囲堯して軟磁性体からなる磁気ヨークを配置し、
    前記ドラムコアと前記磁気ヨークとを、少なくとも一点において互いに磁気的に接触させて構成したことを特徴とするインダクタの製造方法。
  13. 巻芯部と、前記巻芯部の両端にそれぞれ位置する鍔部とを有してなるドラムコアと、前記巻芯部に巻回されたコイルと、前記コイルの外周を囲堯して配置された軟磁性体からなる磁気ヨークとを有するインダクタの製造方法であって、
    焼結した後に軟磁性フェライトとなるグリーンシートの面上に、焼結した後に軟磁性フェライトとなるペーストと焼結した後に常磁性フェライトとなるペーストの、各々のパターンからなる層の積層体を印刷によりそれぞれ形成して溝部となし、さらに焼結した後に軟磁性フェライトとなるグリーンシートを積層してその側面に前記溝部を有する積層グリーンシートとなし、
    前記積層グリーンシートを切断分離して素片を形成し、前記素片をそれぞれ焼結してフェライトドラムコアを作製し、
    前記フェライトドラムコアの前記溝部を巻芯部として、前記巻芯部に巻線を巻回してコイルとなし、前記コイルの外周を囲堯して軟磁性体からなる磁気ヨークを配置し、
    前記ドラムコアと前記磁気ヨークとを、少なくとも一点において互いに磁気的に接触させて構成したことを特徴とするインダクタの製造方法。
  14. 巻芯部と、前記巻芯部の両端にそれぞれ位置する鍔部とを有してなるドラムコアと、前記巻芯部に巻回されたコイルと、前記コイルの外周を囲堯して配置された軟磁性体からなる磁気ヨークとを有するインダクタの製造方法であって、
    焼結した後に軟磁性フェライトとなるペーストと、焼結した後に常磁性フェライトとなるペーストとの、各々のパターンからなる層の積層体を基板上に順次印刷により形成してその側面に溝部を有する素片となし、前記素片をそれぞれ焼結してフェライトドラムコアを作製し、
    前記フェライトドラムコアの前記溝部を巻芯部として、前記巻芯部に巻線を巻回してコイルとなし、前記コイルの外周を囲堯して軟磁性体からなる磁気ヨークを配置し、
    前記ドラムコアと前記磁気ヨークとを、少なくとも一点において互いに磁気的に接触させて構成したことを特徴とするインダクタの製造方法。
  15. 前記ドラムコアと前記磁気ヨークとが互いに磁気的に接触する部位、もしくは磁気的な空隙を介して互いに対向する部位を有しており、前記各部位に軟磁性体シートを被覆したことを特徴とする請求項12ないし14のいずれか1項に記載のインダクタの製造方法。
  16. 前記磁気ヨークがスリーブコアからなることを特徴とする請求項12ないし15のいずれか1項に記載のインダクタの製造方法。
  17. 前記磁気ヨークが複数の磁性平板からなることを特徴とする請求項12ないし15のいずれか1項に記載のインダクタの製造方法。
  18. 前記磁気ヨークが軟磁性フェライトからなることを特徴とする請求項16または請求項17に記載のインダクタの製造方法。
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