JP2004111697A - 強磁性部材および強磁性部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】強磁性部材に従来よりも薄い絶縁膜を形成し、磁気効率を向上させる。
【解決手段】表面に気孔6cを有する金属から成るヨーク6に対して、気孔内に熱硬化性のフェノール樹脂25を充填し、フェノール樹脂25をバインダーとして絶縁性粒子24を結合させることにより、ヨーク6とコイル13との絶縁膜12を形成した。
【選択図】 図3
【解決手段】表面に気孔6cを有する金属から成るヨーク6に対して、気孔内に熱硬化性のフェノール樹脂25を充填し、フェノール樹脂25をバインダーとして絶縁性粒子24を結合させることにより、ヨーク6とコイル13との絶縁膜12を形成した。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、強磁性部材および強磁性部材の製造方法に関するものであり、特に、強磁性材から成り、コイルが巻回されるヨーク部材の絶縁膜の形成に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来、強磁性を有する強磁性部材は、電磁弁のヨーク部材やプランジャ等に使用されている。電磁弁はハウジング内にコイルが巻回されたヨーク部材を備え、ヨーク部材の中でプランジャが軸方向に移動自在となっている。この様な構成の電磁弁はコイルに通電を行って、コイルを励磁させることによって磁界を発生、ハウジングとヨーク部材およびプランジャとの間で磁気回路が形成される様になっている。例えば、この様な構成の電磁弁では、ヨーク部材とコイルとを樹脂より成るボビンにより絶縁が図られ、磁気回路が形成される(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−206658号公報(第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ヨーク部材とコイルとを絶縁するボビンを樹脂により射出成形することによって作る場合、成形品の必要強度を確保させる必要がある。この為、ボビンには、所定の厚みが必要となる。例えば、上記したボビンに用いる樹脂としては、耐熱性が比較的高く、且つ樹脂の流動性が高い射出成形性に優れている必要があり、この特性を備えているポリブチレンテレフタレートやポリフェ二レンサルファイドを用いる場合には、コイルの径方向の厚みは、0.3mm以上、軸方向の厚みは、0.5mm以上が必要になってしまう。
【0005】
この場合、ヨーク部材とボビンとの厚みを薄くすれば、厚みを薄くした分だけ、ヨーク部材に巻回されるコイルの実装密度が高まり、電磁弁の小型化が可能となる。この為、ヨーク部材とボビンとの厚みはできるだけ薄くした方が良い。また、ボビンにおけるコイルの軸方向の厚みに関しても、コイルの実装密度を高めることが可能になると共に、コイルから発生する磁界を、効率よくヨーク部品に伝達することができる為、出来るだけ薄くした方が良い。
【0006】
よって、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、強磁性部材に従来よりも薄い絶縁膜を形成し、磁気効率を向上させることを技術的課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために講じた技術的手段は、表面に開口した気孔を有する金属から成る強磁性部材において、前記金属強磁性部材の表面の気孔に絶縁性粒子が結合したことである。
【0008】
上記した手段によれば、表件に開口した気孔を有する金属から成る強磁性部材において、金属強磁性部材の表面の気孔に絶縁性粒子を結合させれば、金属強磁性部材の表面に絶縁性粒子が結合して、粒子レベルの大きさの絶縁膜を強磁性部材の表面に形成させることが可能である。よって、従来よりも薄い絶縁膜を強磁性部材に形成させることが可能である。
【0009】
この場合、気孔には熱硬化性樹脂が入り、熱硬化性樹脂が溶融した後、固化することで、気孔に絶縁性粒子を結合させれば、気孔に入った熱硬化性樹脂が熱硬化によって気孔に絶縁性粒子が結合し、強固な絶縁膜を形成させることが可能である。
【0010】
また、強磁性部材は、コイルが巻回されるヨーク部材であれば、極微小の粒子レベルの絶縁間隔を確保して、コイルとヨーク部材との絶縁化を行うことが可能である。これにより、コイルで発生した磁界を効率良く、ヨーク部材に伝えることが可能となる。また、コイルを巻回するスペースが広くなることで、コイルを巻く回数が少なくなり、これによってコイルを用いる電磁弁の場合には、電磁弁の径方向の大きさを小さくすることができる。あるいは、コイルを巻回するスペースが広くなることで、コイルを巻く回数を増やすことが出来、これによって電磁弁の起磁力をふやすことが出来、プランジャの応答性を高めることが出来る。
【0011】
また、上記の課題を解決するために講じた技術的手段は、気孔を有する金属から成る強磁性部材を真空引きする工程と、フェノール樹脂を溶解して、該フェノール樹脂の中に絶縁性粒子を混合して混合溶液を作る工程と、該混合溶液に、真空引きした強磁性部材を浸す工程と、前記強磁性部材を前記混合溶液から取り出し、前記フェノール樹脂を昇温させて溶融させた後に固化させて、前記強磁性部材の表面に吸着された絶縁性粒子を前記フェノール樹脂により結合させる工程とを備えたことである。
【0012】
上記した手段によれば、フェノール樹脂を溶解させて、フェノール樹脂の中に絶縁性粒子が混合された混合溶液を作る。そして、気孔を有する金属から成る強磁性部材を真空引きして、この混合溶液の中に真空引きした強磁性部材を浸した後、強磁性部材を混合溶液から取り出して、フェノール樹脂を昇温させて溶融させた後に固化させることによって、簡単な方法により、強磁性部材の表面に吸着された絶縁性粒子をフェノール樹脂により強磁性部材に結合させることが可能である。
【0013】
この場合、絶縁性粒子には、Ni−Znフェライト粒子を用いれば、透磁率が鉄酸化物の中で比較的大きく、比抵抗が108Ωcm以上と大きいので、絶縁性粒子は磁気は通すが、高い絶縁性の絶縁膜を形成することが可能である。その他の強磁性で絶縁性の粒子としては、Ni−Mg−Znフェライト、Mn−Znフェライト、Mn−Mg−Znフェライトやマグネタイトがあるが、比抵抗の面でNi−Znフェライトより102Ω‐cm程度低いが、必要となる絶縁性に基づいて、用いることが出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1に、一実施形態における電磁弁1の構成を示す。図1に示す電磁弁1は、鉄等の磁性材より成る中空円筒状のハウジング11の中に、コイル13が周方向に巻回されたヨーク6が配設されている。ヨーク6は強磁性体(例えば、純鉄 SUYB φ8.9)から成り立っており、軸方向における中央が凹部状となった中空円筒状を呈する。ヨーク6は、軸方向における中央が磁気及び電気を絶縁する非磁性絶縁性部(非磁性部)7が形成されていると共に、その両側に磁性絶縁性部(磁性部)が形成されている。ヨーク6は軸方向両端が径方向に延在する円周状のフランジとなり、このフランジによって形成される中央の凹部の表面には、絶縁膜12が形成され、この絶縁膜12を介してコイル13が巻回されている。
【0016】
尚、本実施形態においては、ヨーク単体、若しくは、ヨーク6の周囲に絶縁膜12を介して巻回されたコイル13まで含めたものを、ヨーク部材5として説明する。
【0017】
ヨーク6の中央には小径孔と大径孔を有する貫通孔が軸方向にあけられ、小径孔と大径孔に軸支された状態で、プランジャ(純鉄 SUYB φ8.89)14が軸方向において移動自在となっている。
【0018】
次に、上記した構成の電磁弁1の作動について簡単に説明する。電磁弁1は、図示しない外部コネクタが接続され、外部コネクタよりコイル13に対して通電がなされる構成となっている。コイル13に外部コネクタより通電がなされると、コイル13の通電によりコイル13は励磁されて、コイル13に磁界が発生する。発生した磁界は、ヨーク(例えば、図1に示す左側)1aからヨーク10aとプランジャ4との間の空隙(エアギャップ)を介してプランジャ4に伝達される。そして、プランジャ14からヨーク(例えば、図1に示す右側)1aを通って、再度、コイル13に戻ることにより、ハウジング内で閉ループの磁気回路が形成される。
【0019】
上記した構成により、コイル13に通電した電流に比例する磁束がコイル13に生じ、その結果、プランジャ4には電磁力が作用し、プランジャ4は磁気的な吸引力によって軸方向(図1に示す右方向)に引かれ、ヨークの大径孔の内壁に沿って軸方向に移動する。この場合、プランジャ4とヨーク部材5との摺動面9において、両者との絶縁性および摺動性を確保するためにテトラフルオロエチレンコーティング等による保護膜8が形成されていると良い。
【0020】
この様な構成の電磁弁1において、本発明の特徴事項であるヨーク6について、詳細に説明する。ヨーク6は、図1に示す左側の部分がリアヨーク6a、右側の部分がフロントヨーク6bとなっており、このリアヨーク6aとフロントヨーク6bは、非磁性部7を介して一体成形されている。ヨーク6は、強磁性金属粒子を用いて加圧成形を行い、加圧成形後に成形品を焼結させた多孔質の焼結体から成り立っている。この場合、多孔質な焼結体を構成する金属粒子としては、磁気特性・透磁率の関係、或いは、加圧成形時の圧縮性を考慮して、汎用的かつ安価な金属粒子として、還元鉄粉をここでは用いている。そこで、ヨーク6の製造方法について、図2を参照して説明する。尚、以下に示す製造方法の説明においては、各工程の流れ(ステップ)を、単に、「S」として説明する。
【0021】
ヨーク6を作るアトマイズ還元鉄粉には、粒径が20μm以上(好ましくは、20から150μm)のものを準備して(S1)、これをヨークの形状を作る金型内に充填させる。そして、金型に7t/cm2の圧力を加えて加圧成形し(S2)、圧粉密度が7.1Mg/m3以上になるようにする。こうして、リアヨーク6aを一次成形により作る(S3)。
【0022】
そして、非磁性部7を作る粒子を用意する(S4)。非磁性部7を作る粒子は、粒径が45μm以下(好ましくは、45〜20μm)のミルスケール還元鉄粉に粒径が1μm前後であるヘマタイト粒子を加えて使用する。一般的に、ヘマタイト粒子は、260K以上では弱強磁性の特性を示し、常温の範囲内では比透磁率が1.0に近く、磁気的にヒステリシスの特性を有しない常磁性材料である。そして、用意したヘマタイト粒子を、例えば、メカノヒュ−ジョン装置の中に投入して、ミルスケール還元鉄粉の表面全体にメカノヒュージョン法による摩擦力によって、ヘマタイト被膜を形成し(S5)、非磁性部7を作る粒子をこの様な工程を経て作る。
【0023】
次に、S3にて既に成形したリアヨーク6aが形づくられた金型の中に、S5によりミルスケール還元鉄粉の表面全体にヘマタイト粒子による被膜が形成された粒子を充填した後、所定の圧力(例えば8t/cm2)を印加して、加圧成形(二次成形)を行って(S6)、ミルスケール還元鉄粉を圧縮し、非磁性部7を作る(S7)。
【0024】
その後、S7までの工程において、既に成形されたリアヨーク6aと非磁性部7が一体でつくられた金型の中に、リアヨーク6aと同じ材質であり、しかも、同じ粒径のアトマイズ還元粉をフロントヨーク6bを成形する為に充填する(S8)。更に、リアヨーク6aの成形時と同様な所定圧力を印加して加圧成形し(S9)、フロントヨーク6bに相当する部位を一体で成形する(S10)。
【0025】
その後、上記した工程により作られた非磁性部7の両側に磁性部を一体で有する成形品を、窒素雰囲気の中で1073K(=800℃)で焼結し(S11)、磁性部の中に非磁性部7が一体となった表面に気孔を有する多孔質のヨーク6が成形される。この後、ヨーク6の寸法精度を出す為にサイジングして表面研磨を行い(S12)、ヨーク6の表面に気孔6cを露出させ、その後、ヨーク6の表面の絶縁化処理へと進む(S13)。
【0026】
図3に示す表面の絶縁化処理では、金属焼結体、つまり、図2に示すS13までの工程によって焼成して作られたヨーク6を用意し(S21)、このヨーク6を真空装置によって真空引きする(S22)。
【0027】
一方、ヨーク6に絶縁膜12を形成する溶液を作る。この溶液は、熱硬化性樹脂から成り、例えば、フェノール樹脂を用いる。溶液にフェノール樹脂を用いた場合、溶媒としてアセントンを使用してフェノール樹脂を溶解させる(S23)。次に、このフェノール樹脂の溶液に、強磁性から成り絶縁性を有する強磁性絶縁性の微粒子を混合する。ここで使用する強磁性の絶縁性粒子24としては、例えば、軟磁性フェライト、マグヘマイト等の酸化鉄を原料とした各種の鉄酸化物を使用する。上記した鉄酸化物の中で、透磁率が比較的大きく且つ比抵抗が最も大きい粒子として、Ni−Znフェライトがあり、本実施形態においては絶縁性粒子24としてこれを使用する。また、常磁性体であり、Ni−Znフェライトと同等レベルの比抵抗(例えば、108Ω・cm以上)をもつ粒子としてヘマタイト粒子があるが、ヨーク6とコイル13との絶縁を優先させる場合には、ヘマタイト粒子を用いると良い。尚、Ni−Znフェライトあるいはヘマタイト粒子の粒径は、コイル13に用いる絶縁被覆ワイヤの線径に順じたものを使用ずる。例えば、コイル13の線径がφ:0.33mmの3種AIWワイヤを用いる場合は、絶縁性粒子24は粒径が30μm以下の粒子を用いると良い。また、粒径が30μm以下の絶縁性粒子24を用いる場合は、フェノール樹脂25と絶縁性粒子24との混合液の粘度を0.8Pa・sになるように調整し、絶縁性粒子の沈降を抑制する。
【0028】
そして、真空引きした焼結体を上記した絶縁性粒子となるNi−Znフェライト粒子を混合したフェノール溶液に含浸させる(S25)。その後、フェノール樹脂が溶解する温度まで昇温した後、冷却して焼結体の内部に含浸したフェノール樹脂を固化させて(S26)、焼結体であるヨーク6の表面に吸着したNi−Znフェライト粒子24を、フェノール樹脂25をバインダーとして結合させる(S27)と、図4に示す如く、ヨーク6の表面に、Ni−Znフェライト粒子24がフェノール樹脂25により結合して、絶縁膜12となって絶縁層が形成される。
【0029】
この様にして作られたヨーク6に対して、コイル13を周方向に整列させた状態で巻回する場合、ヨーク6のコイル13を配設する凹部形状を、実際にコイル13の線径の大きさに応じてローレット加工を施し、この後に、真空引きを行って絶縁膜12を形成すると良い。
【0030】
本実施形態では、ヨーク6の表面に絶縁性粒子であるNi−Znフェライト粒子24を吸着させて結合させることにより、ヨーク6とコイル13との絶縁化を行った。実際、実施例では、線径がφ:0.33mmのワイヤを用いた場合、絶縁性粒子の粒径を30μm以下のものを使用した場合には、従来の樹脂より成るボビンによってヨーク6とコイル13との絶縁を行う場合に比べ、絶縁層の厚みを絶縁性粒子の粒子レベル(数μm程度)にまで低減させることができ、実際には絶縁膜12の90%以上の膜厚の厚さ低減が可能になる。これによって、コイル13が巻回される空間において、同じヨーク6の大きさのものを用いた場合、絶縁膜12の膜厚分だけ余分にコイル13を巻くことが可能となることから、更に、一層余分のコイル13を巻回させることが出来る。例えば、7層から成るコイル13を巻回する場合には、同一の実装空間内に、8層目のコイルを実装することが可能となる。つまり、電磁弁1の径方向の大きさを大きくする事なく、電磁弁1のプランジャ4を移動させる起磁力を、数%(例えば、14%程)増大させることができる。
【0031】
また、コイル13の軸方向での厚みについては、絶縁膜12の厚みの低減効果が増大し、強磁性絶縁性のNi−Znフェライト粒子24により、30μmのわずかな間隙が強磁性体のヨーク6に形成される。このため、コイル13から発生した磁界の多くが軸方向に形成された絶縁膜12によっても減衰することなく、コイル13からヨーク6へと伝達されるので、電磁弁1の磁気効率が大きく増大する。よって、電磁弁1の磁気効率が良くなり、電磁弁1の性能向上が期待できるものとなる。
【0032】
【効果】
本発明によれば、気孔を有する金属から成る強磁性部材に対して、気孔に絶縁性粒子が結合して、粒子レベルの大きさの絶縁膜を強磁性部材に形成させることができ、従来よりも薄い絶縁膜を強磁性部材に形成させることができる。
【0033】
この場合、気孔には熱硬化性樹脂が入り、熱硬化性樹脂が溶融した後に固化して、気孔に絶縁性粒子を結合させれば、気孔に入った熱硬化性樹脂が硬化することによって、強磁性部材の表面の気孔に絶縁性粒子が結合し、強固な絶縁膜を形成させることができる。
【0034】
また、強磁性部材は、コイルが巻回されるヨーク部材であれば、極微小の粒子レベルの絶縁間隔を確保して、コイルとヨーク部材との絶縁化を行うことができ、コイルで発生した磁束を効率良く、ヨーク部材に伝えることができる。よって、磁気効率が良い電磁弁とすることができる。
【0035】
また、本発明によれば、気孔を有する金属から成る強磁性部材を真空引きして、フェノール樹脂を溶解させて、フェノール樹脂の中に絶縁性粒子が混合された混合溶液を作る。そして、この混合溶液の中に真空引きした強磁性部材を浸した後、強磁性部材を混合溶液から取り出して、フェノール樹脂を溶融した後に固化させることによって、簡単な方法により、気孔の表面に吸着された絶縁性粒子を粒子レベルの膜厚で絶縁性粒子をフェノール樹脂により強磁性部材に結合させることができる。
【0036】
この場合、絶縁性粒子には、Ni−Znフェライト粒子を用いれば、透磁率が鉄酸化物の中で比較的大きく、比抵抗が108Ωcm以上と大きいので、絶縁性粒子は磁気は通すが、高い絶縁性の絶縁膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における電磁弁の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示すヨークの製造工程を示す。
【図3】図1に示すヨークの表面の絶縁化処理を示す工程の流れである。
【図4】絶縁化処理がなされたヨークの表面の模式図である。
【符号の説明】
1 電磁弁
5 ヨーク部材
6 ヨーク(強磁性部材)
6c 気孔
7 非磁性部
12 絶縁膜
13 コイル
24 絶縁性粒子(Ni−Znフェライト粒子、ヘマタイト粒子)
25 フェノール樹脂(熱硬化性樹脂)
【発明の属する技術分野】
本発明は、強磁性部材および強磁性部材の製造方法に関するものであり、特に、強磁性材から成り、コイルが巻回されるヨーク部材の絶縁膜の形成に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来、強磁性を有する強磁性部材は、電磁弁のヨーク部材やプランジャ等に使用されている。電磁弁はハウジング内にコイルが巻回されたヨーク部材を備え、ヨーク部材の中でプランジャが軸方向に移動自在となっている。この様な構成の電磁弁はコイルに通電を行って、コイルを励磁させることによって磁界を発生、ハウジングとヨーク部材およびプランジャとの間で磁気回路が形成される様になっている。例えば、この様な構成の電磁弁では、ヨーク部材とコイルとを樹脂より成るボビンにより絶縁が図られ、磁気回路が形成される(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−206658号公報(第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ヨーク部材とコイルとを絶縁するボビンを樹脂により射出成形することによって作る場合、成形品の必要強度を確保させる必要がある。この為、ボビンには、所定の厚みが必要となる。例えば、上記したボビンに用いる樹脂としては、耐熱性が比較的高く、且つ樹脂の流動性が高い射出成形性に優れている必要があり、この特性を備えているポリブチレンテレフタレートやポリフェ二レンサルファイドを用いる場合には、コイルの径方向の厚みは、0.3mm以上、軸方向の厚みは、0.5mm以上が必要になってしまう。
【0005】
この場合、ヨーク部材とボビンとの厚みを薄くすれば、厚みを薄くした分だけ、ヨーク部材に巻回されるコイルの実装密度が高まり、電磁弁の小型化が可能となる。この為、ヨーク部材とボビンとの厚みはできるだけ薄くした方が良い。また、ボビンにおけるコイルの軸方向の厚みに関しても、コイルの実装密度を高めることが可能になると共に、コイルから発生する磁界を、効率よくヨーク部品に伝達することができる為、出来るだけ薄くした方が良い。
【0006】
よって、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、強磁性部材に従来よりも薄い絶縁膜を形成し、磁気効率を向上させることを技術的課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために講じた技術的手段は、表面に開口した気孔を有する金属から成る強磁性部材において、前記金属強磁性部材の表面の気孔に絶縁性粒子が結合したことである。
【0008】
上記した手段によれば、表件に開口した気孔を有する金属から成る強磁性部材において、金属強磁性部材の表面の気孔に絶縁性粒子を結合させれば、金属強磁性部材の表面に絶縁性粒子が結合して、粒子レベルの大きさの絶縁膜を強磁性部材の表面に形成させることが可能である。よって、従来よりも薄い絶縁膜を強磁性部材に形成させることが可能である。
【0009】
この場合、気孔には熱硬化性樹脂が入り、熱硬化性樹脂が溶融した後、固化することで、気孔に絶縁性粒子を結合させれば、気孔に入った熱硬化性樹脂が熱硬化によって気孔に絶縁性粒子が結合し、強固な絶縁膜を形成させることが可能である。
【0010】
また、強磁性部材は、コイルが巻回されるヨーク部材であれば、極微小の粒子レベルの絶縁間隔を確保して、コイルとヨーク部材との絶縁化を行うことが可能である。これにより、コイルで発生した磁界を効率良く、ヨーク部材に伝えることが可能となる。また、コイルを巻回するスペースが広くなることで、コイルを巻く回数が少なくなり、これによってコイルを用いる電磁弁の場合には、電磁弁の径方向の大きさを小さくすることができる。あるいは、コイルを巻回するスペースが広くなることで、コイルを巻く回数を増やすことが出来、これによって電磁弁の起磁力をふやすことが出来、プランジャの応答性を高めることが出来る。
【0011】
また、上記の課題を解決するために講じた技術的手段は、気孔を有する金属から成る強磁性部材を真空引きする工程と、フェノール樹脂を溶解して、該フェノール樹脂の中に絶縁性粒子を混合して混合溶液を作る工程と、該混合溶液に、真空引きした強磁性部材を浸す工程と、前記強磁性部材を前記混合溶液から取り出し、前記フェノール樹脂を昇温させて溶融させた後に固化させて、前記強磁性部材の表面に吸着された絶縁性粒子を前記フェノール樹脂により結合させる工程とを備えたことである。
【0012】
上記した手段によれば、フェノール樹脂を溶解させて、フェノール樹脂の中に絶縁性粒子が混合された混合溶液を作る。そして、気孔を有する金属から成る強磁性部材を真空引きして、この混合溶液の中に真空引きした強磁性部材を浸した後、強磁性部材を混合溶液から取り出して、フェノール樹脂を昇温させて溶融させた後に固化させることによって、簡単な方法により、強磁性部材の表面に吸着された絶縁性粒子をフェノール樹脂により強磁性部材に結合させることが可能である。
【0013】
この場合、絶縁性粒子には、Ni−Znフェライト粒子を用いれば、透磁率が鉄酸化物の中で比較的大きく、比抵抗が108Ωcm以上と大きいので、絶縁性粒子は磁気は通すが、高い絶縁性の絶縁膜を形成することが可能である。その他の強磁性で絶縁性の粒子としては、Ni−Mg−Znフェライト、Mn−Znフェライト、Mn−Mg−Znフェライトやマグネタイトがあるが、比抵抗の面でNi−Znフェライトより102Ω‐cm程度低いが、必要となる絶縁性に基づいて、用いることが出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1に、一実施形態における電磁弁1の構成を示す。図1に示す電磁弁1は、鉄等の磁性材より成る中空円筒状のハウジング11の中に、コイル13が周方向に巻回されたヨーク6が配設されている。ヨーク6は強磁性体(例えば、純鉄 SUYB φ8.9)から成り立っており、軸方向における中央が凹部状となった中空円筒状を呈する。ヨーク6は、軸方向における中央が磁気及び電気を絶縁する非磁性絶縁性部(非磁性部)7が形成されていると共に、その両側に磁性絶縁性部(磁性部)が形成されている。ヨーク6は軸方向両端が径方向に延在する円周状のフランジとなり、このフランジによって形成される中央の凹部の表面には、絶縁膜12が形成され、この絶縁膜12を介してコイル13が巻回されている。
【0016】
尚、本実施形態においては、ヨーク単体、若しくは、ヨーク6の周囲に絶縁膜12を介して巻回されたコイル13まで含めたものを、ヨーク部材5として説明する。
【0017】
ヨーク6の中央には小径孔と大径孔を有する貫通孔が軸方向にあけられ、小径孔と大径孔に軸支された状態で、プランジャ(純鉄 SUYB φ8.89)14が軸方向において移動自在となっている。
【0018】
次に、上記した構成の電磁弁1の作動について簡単に説明する。電磁弁1は、図示しない外部コネクタが接続され、外部コネクタよりコイル13に対して通電がなされる構成となっている。コイル13に外部コネクタより通電がなされると、コイル13の通電によりコイル13は励磁されて、コイル13に磁界が発生する。発生した磁界は、ヨーク(例えば、図1に示す左側)1aからヨーク10aとプランジャ4との間の空隙(エアギャップ)を介してプランジャ4に伝達される。そして、プランジャ14からヨーク(例えば、図1に示す右側)1aを通って、再度、コイル13に戻ることにより、ハウジング内で閉ループの磁気回路が形成される。
【0019】
上記した構成により、コイル13に通電した電流に比例する磁束がコイル13に生じ、その結果、プランジャ4には電磁力が作用し、プランジャ4は磁気的な吸引力によって軸方向(図1に示す右方向)に引かれ、ヨークの大径孔の内壁に沿って軸方向に移動する。この場合、プランジャ4とヨーク部材5との摺動面9において、両者との絶縁性および摺動性を確保するためにテトラフルオロエチレンコーティング等による保護膜8が形成されていると良い。
【0020】
この様な構成の電磁弁1において、本発明の特徴事項であるヨーク6について、詳細に説明する。ヨーク6は、図1に示す左側の部分がリアヨーク6a、右側の部分がフロントヨーク6bとなっており、このリアヨーク6aとフロントヨーク6bは、非磁性部7を介して一体成形されている。ヨーク6は、強磁性金属粒子を用いて加圧成形を行い、加圧成形後に成形品を焼結させた多孔質の焼結体から成り立っている。この場合、多孔質な焼結体を構成する金属粒子としては、磁気特性・透磁率の関係、或いは、加圧成形時の圧縮性を考慮して、汎用的かつ安価な金属粒子として、還元鉄粉をここでは用いている。そこで、ヨーク6の製造方法について、図2を参照して説明する。尚、以下に示す製造方法の説明においては、各工程の流れ(ステップ)を、単に、「S」として説明する。
【0021】
ヨーク6を作るアトマイズ還元鉄粉には、粒径が20μm以上(好ましくは、20から150μm)のものを準備して(S1)、これをヨークの形状を作る金型内に充填させる。そして、金型に7t/cm2の圧力を加えて加圧成形し(S2)、圧粉密度が7.1Mg/m3以上になるようにする。こうして、リアヨーク6aを一次成形により作る(S3)。
【0022】
そして、非磁性部7を作る粒子を用意する(S4)。非磁性部7を作る粒子は、粒径が45μm以下(好ましくは、45〜20μm)のミルスケール還元鉄粉に粒径が1μm前後であるヘマタイト粒子を加えて使用する。一般的に、ヘマタイト粒子は、260K以上では弱強磁性の特性を示し、常温の範囲内では比透磁率が1.0に近く、磁気的にヒステリシスの特性を有しない常磁性材料である。そして、用意したヘマタイト粒子を、例えば、メカノヒュ−ジョン装置の中に投入して、ミルスケール還元鉄粉の表面全体にメカノヒュージョン法による摩擦力によって、ヘマタイト被膜を形成し(S5)、非磁性部7を作る粒子をこの様な工程を経て作る。
【0023】
次に、S3にて既に成形したリアヨーク6aが形づくられた金型の中に、S5によりミルスケール還元鉄粉の表面全体にヘマタイト粒子による被膜が形成された粒子を充填した後、所定の圧力(例えば8t/cm2)を印加して、加圧成形(二次成形)を行って(S6)、ミルスケール還元鉄粉を圧縮し、非磁性部7を作る(S7)。
【0024】
その後、S7までの工程において、既に成形されたリアヨーク6aと非磁性部7が一体でつくられた金型の中に、リアヨーク6aと同じ材質であり、しかも、同じ粒径のアトマイズ還元粉をフロントヨーク6bを成形する為に充填する(S8)。更に、リアヨーク6aの成形時と同様な所定圧力を印加して加圧成形し(S9)、フロントヨーク6bに相当する部位を一体で成形する(S10)。
【0025】
その後、上記した工程により作られた非磁性部7の両側に磁性部を一体で有する成形品を、窒素雰囲気の中で1073K(=800℃)で焼結し(S11)、磁性部の中に非磁性部7が一体となった表面に気孔を有する多孔質のヨーク6が成形される。この後、ヨーク6の寸法精度を出す為にサイジングして表面研磨を行い(S12)、ヨーク6の表面に気孔6cを露出させ、その後、ヨーク6の表面の絶縁化処理へと進む(S13)。
【0026】
図3に示す表面の絶縁化処理では、金属焼結体、つまり、図2に示すS13までの工程によって焼成して作られたヨーク6を用意し(S21)、このヨーク6を真空装置によって真空引きする(S22)。
【0027】
一方、ヨーク6に絶縁膜12を形成する溶液を作る。この溶液は、熱硬化性樹脂から成り、例えば、フェノール樹脂を用いる。溶液にフェノール樹脂を用いた場合、溶媒としてアセントンを使用してフェノール樹脂を溶解させる(S23)。次に、このフェノール樹脂の溶液に、強磁性から成り絶縁性を有する強磁性絶縁性の微粒子を混合する。ここで使用する強磁性の絶縁性粒子24としては、例えば、軟磁性フェライト、マグヘマイト等の酸化鉄を原料とした各種の鉄酸化物を使用する。上記した鉄酸化物の中で、透磁率が比較的大きく且つ比抵抗が最も大きい粒子として、Ni−Znフェライトがあり、本実施形態においては絶縁性粒子24としてこれを使用する。また、常磁性体であり、Ni−Znフェライトと同等レベルの比抵抗(例えば、108Ω・cm以上)をもつ粒子としてヘマタイト粒子があるが、ヨーク6とコイル13との絶縁を優先させる場合には、ヘマタイト粒子を用いると良い。尚、Ni−Znフェライトあるいはヘマタイト粒子の粒径は、コイル13に用いる絶縁被覆ワイヤの線径に順じたものを使用ずる。例えば、コイル13の線径がφ:0.33mmの3種AIWワイヤを用いる場合は、絶縁性粒子24は粒径が30μm以下の粒子を用いると良い。また、粒径が30μm以下の絶縁性粒子24を用いる場合は、フェノール樹脂25と絶縁性粒子24との混合液の粘度を0.8Pa・sになるように調整し、絶縁性粒子の沈降を抑制する。
【0028】
そして、真空引きした焼結体を上記した絶縁性粒子となるNi−Znフェライト粒子を混合したフェノール溶液に含浸させる(S25)。その後、フェノール樹脂が溶解する温度まで昇温した後、冷却して焼結体の内部に含浸したフェノール樹脂を固化させて(S26)、焼結体であるヨーク6の表面に吸着したNi−Znフェライト粒子24を、フェノール樹脂25をバインダーとして結合させる(S27)と、図4に示す如く、ヨーク6の表面に、Ni−Znフェライト粒子24がフェノール樹脂25により結合して、絶縁膜12となって絶縁層が形成される。
【0029】
この様にして作られたヨーク6に対して、コイル13を周方向に整列させた状態で巻回する場合、ヨーク6のコイル13を配設する凹部形状を、実際にコイル13の線径の大きさに応じてローレット加工を施し、この後に、真空引きを行って絶縁膜12を形成すると良い。
【0030】
本実施形態では、ヨーク6の表面に絶縁性粒子であるNi−Znフェライト粒子24を吸着させて結合させることにより、ヨーク6とコイル13との絶縁化を行った。実際、実施例では、線径がφ:0.33mmのワイヤを用いた場合、絶縁性粒子の粒径を30μm以下のものを使用した場合には、従来の樹脂より成るボビンによってヨーク6とコイル13との絶縁を行う場合に比べ、絶縁層の厚みを絶縁性粒子の粒子レベル(数μm程度)にまで低減させることができ、実際には絶縁膜12の90%以上の膜厚の厚さ低減が可能になる。これによって、コイル13が巻回される空間において、同じヨーク6の大きさのものを用いた場合、絶縁膜12の膜厚分だけ余分にコイル13を巻くことが可能となることから、更に、一層余分のコイル13を巻回させることが出来る。例えば、7層から成るコイル13を巻回する場合には、同一の実装空間内に、8層目のコイルを実装することが可能となる。つまり、電磁弁1の径方向の大きさを大きくする事なく、電磁弁1のプランジャ4を移動させる起磁力を、数%(例えば、14%程)増大させることができる。
【0031】
また、コイル13の軸方向での厚みについては、絶縁膜12の厚みの低減効果が増大し、強磁性絶縁性のNi−Znフェライト粒子24により、30μmのわずかな間隙が強磁性体のヨーク6に形成される。このため、コイル13から発生した磁界の多くが軸方向に形成された絶縁膜12によっても減衰することなく、コイル13からヨーク6へと伝達されるので、電磁弁1の磁気効率が大きく増大する。よって、電磁弁1の磁気効率が良くなり、電磁弁1の性能向上が期待できるものとなる。
【0032】
【効果】
本発明によれば、気孔を有する金属から成る強磁性部材に対して、気孔に絶縁性粒子が結合して、粒子レベルの大きさの絶縁膜を強磁性部材に形成させることができ、従来よりも薄い絶縁膜を強磁性部材に形成させることができる。
【0033】
この場合、気孔には熱硬化性樹脂が入り、熱硬化性樹脂が溶融した後に固化して、気孔に絶縁性粒子を結合させれば、気孔に入った熱硬化性樹脂が硬化することによって、強磁性部材の表面の気孔に絶縁性粒子が結合し、強固な絶縁膜を形成させることができる。
【0034】
また、強磁性部材は、コイルが巻回されるヨーク部材であれば、極微小の粒子レベルの絶縁間隔を確保して、コイルとヨーク部材との絶縁化を行うことができ、コイルで発生した磁束を効率良く、ヨーク部材に伝えることができる。よって、磁気効率が良い電磁弁とすることができる。
【0035】
また、本発明によれば、気孔を有する金属から成る強磁性部材を真空引きして、フェノール樹脂を溶解させて、フェノール樹脂の中に絶縁性粒子が混合された混合溶液を作る。そして、この混合溶液の中に真空引きした強磁性部材を浸した後、強磁性部材を混合溶液から取り出して、フェノール樹脂を溶融した後に固化させることによって、簡単な方法により、気孔の表面に吸着された絶縁性粒子を粒子レベルの膜厚で絶縁性粒子をフェノール樹脂により強磁性部材に結合させることができる。
【0036】
この場合、絶縁性粒子には、Ni−Znフェライト粒子を用いれば、透磁率が鉄酸化物の中で比較的大きく、比抵抗が108Ωcm以上と大きいので、絶縁性粒子は磁気は通すが、高い絶縁性の絶縁膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における電磁弁の構成を示す断面図である。
【図2】図1に示すヨークの製造工程を示す。
【図3】図1に示すヨークの表面の絶縁化処理を示す工程の流れである。
【図4】絶縁化処理がなされたヨークの表面の模式図である。
【符号の説明】
1 電磁弁
5 ヨーク部材
6 ヨーク(強磁性部材)
6c 気孔
7 非磁性部
12 絶縁膜
13 コイル
24 絶縁性粒子(Ni−Znフェライト粒子、ヘマタイト粒子)
25 フェノール樹脂(熱硬化性樹脂)
Claims (5)
- 表面に開口した気孔を有する金属から成る強磁性部材において、前記気孔に絶縁性粒子が結合したことを特徴とする強磁性体部材。
- 前記気孔には熱硬化性樹脂が入り、該熱硬化性樹脂が溶融した後固化することで、前記気孔に前記絶縁性粒子が結合したことを特徴とする請求項1に記載の強磁性部材。
- 前記強磁性部材は、コイルが巻回されるヨーク部材であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の強磁性部材。
- 気孔を有する金属から成る強磁性部材を真空引きする工程と、
フェノール樹脂を溶解して、該フェノール樹脂の中に絶縁性粒子を混合して混合溶液を作る工程と、該混合溶液に、真空引きした強磁性部材を浸す工程と、
前記強磁性部材を前記混合溶液から取り出し、前記フェノール樹脂を昇温させて溶融させた後に固化させて、前記気孔の表面に吸着された絶縁性粒子を前記フェノール樹脂により結合させる工程とを備えたことを特徴とする強磁性部材の製造方法。 - 前記絶縁性粒子には、Ni−Znフェライト粒子を用いることを特徴とする請求項4に記載の強磁性部材の製造方法。
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JP2002273073A JP2004111697A (ja) | 2002-09-19 | 2002-09-19 | 強磁性部材および強磁性部材の製造方法 |
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