JP2009176836A - 電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】より多くのパターンの直流重畳特性を設定できるコイルを内蔵した電子部品を提供する。
【解決手段】積層体2aは、磁性体層4が積層されてなる。積層体2bは、磁性体層4よりも低い透磁率を有する磁性体層5が積層されてなる。コイルLは、積層体2a,2bに内蔵されている。非磁性体層6は、積層体2aにおいて、磁性体層4に挟まれている。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子部品に関し、絶縁層が積層されてなる積層体を備えた電子部品に関する。
特許文献1には、第1強磁性体層と第2強磁性体層との間に非磁性体層が設けられた積層インダクタが記載されている。該積層インダクタによれば、電流が小さいときにはインダクタンス値が大きく、電流が大きいときにはインダクタンス値が小さくなる直流重畳特性を得ることができる。
しかしながら、特許文献1に記載の積層インダクタでは、非磁性体層は、第1強磁性体層と第2の強磁性体層との間のように限られた場所に設けられているので、直流重畳特性のパターンが限られてしまうという問題がある。
特開2001−44036号公報
そこで、本発明の目的は、より多くのパターンの直流重畳特性を設定できるコイルを内蔵した電子部品を提供することである。
本発明は、電子部品において、第1の絶縁層からなる第1の積層体と、前記第1の絶縁層と異なる透磁率を有する第2の絶縁層からなる第2の積層体と、前記第1の積層体及び前記第2の積層体に内蔵されているコイルと、を備え、前記第1の積層体は、前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層よりも低い透磁率を有する絶縁層であって、該第1の絶縁層に挟まれている第3の絶縁層を、更に含んでいること、を特徴とする。
本発明によれば、第3の絶縁層は、第1の積層体内に設けられている。故に、第1の積層体において任意の位置に第3の絶縁層を配置することができる。一方、特許文献1に示した積層インダクタでは、非磁性体層の位置は、第1強磁性体層と第2強磁性体層との間に限られている。そのため、本発明では、特許文献1に示した積層インダクタに比べて、第3の絶縁層の位置の自由度が高い。そのため、本発明は、特許文献1に示した積層インダクタに比べて、より多くのパターンの直流重畳特性を設定することができる。
本発明において、前記第1の絶縁層の透磁率は、前記第2の絶縁層の透磁率よりも大きくてもよい。
本発明において、前記コイルは、前記第1の絶縁層、前記第2の絶縁層及び前記第3の絶縁層に形成されている複数の内部電極が電気的に接続されることにより構成されていてもよい。
本発明によれば、第3の絶縁層は、第1の積層体内に設けられているので、より多くのパターンの直流重畳特性を設定することができる。
以下に、本発明の一実施形態に係る電子部品について説明する。図1は、電子部品1の外観斜視図である。図2は、積層体2の分解図である。以下では、電子部品1の形成時に、セラミックグリーンシートが積層される方向を積層方向と定義する。そして、この積層方向をz軸方向とし、電子部品1の長手方向をx軸方向とし、x軸とz軸とに直交する方向をy軸方向とする。x軸、y軸及びz軸は、電子部品1を構成する辺に対して平行である。図3は、電子部品1のxz平面における断面構造図である。
(電子部品の構成について)
電子部品1は、図1及び図3に示すように、内部にコイルを内蔵する直方体状の積層体2及び外部電極3a,3bを備える。積層体2は、直方体状の形状を有している。外部電極3a,3bはそれぞれ、積層体2のx軸方向の両端に位置する側面に形成されている。
積層体2は、複数の内部電極と複数の磁性体層とが共に積層されて構成されている。具体的には、以下の通りである。積層体2は、図2及び図3に示すように、積層体2aと積層体2bとが重ねられて構成されている。積層体2aは、強透磁率のフェライト(例えば、Ni−Zn−Cuフェライト又はNi−Znフェライト等)からなる複数の磁性体層4a〜4f、及び、透磁率が1の材料からなる非磁性体層6が積層されることにより構成されている。非磁性体層6は、磁性体層4eと磁性体層4fとに挟まれている。積層体2bは、磁性体層4a〜4fとは異なる透磁率を有する強透磁率のフェライトからなる磁性体層5a〜5fが積層されることにより構成されている。本実施形態では、磁性体層4a〜4fの透磁率(例えば、μ=100)は、磁性体層5a〜5fの透磁率(例えば、μ=20)よりも高い。また、非磁性体層6の透磁率は、磁性体層4a〜4f,5a〜5fの透磁率よりも低い。複数の磁性体層4a〜4f,5a〜5f及び非磁性体層6は、それぞれ略同じ面積及び形状を有する長方形の絶縁層である。
図2に示すように、磁性体層4a〜4c,5d〜5fの主面上には何も形成されない。一方、磁性体層4d,4e、非磁性体層6及び磁性体層4fの主面上にはそれぞれ、内部電極7a,7b,7c,7dが形成される。更に、磁性体層4d,4e、非磁性体層6及び磁性体層4fにはそれぞれ、ビア導体8a,8b,8c,8dが形成されている。更に、磁性体層5a,5b,5cの主面上にはそれぞれ、内部電極7e,7f,7gが形成される。更に、磁性体層5a,5bにはそれぞれ、ビア導体8e,8fが形成されている。
以下では、個別の磁性体層4a〜4f,5a〜5f及びビア導体8a〜8fを示す場合には、参照符号の後ろにアルファベットを付し、磁性体層4a〜4f,5a〜5f及びビア導体8a〜8fを総称する場合には、参照符号の後ろのアルファベットを省略するものとする。
図2に示すように、各内部電極7は、Agからなる導電性材料からなり、「コ」字状を有する。これにより、一つの内部電極7が3/4巻き分に相当するコイルLの一部分を構成する。なお、内部電極7は、Pd,Au,Pt等を主成分とする貴金属やこれらの合金などの導電性材料からなっていてもよい。
更に、複数の内部電極7は、ビア導体8により互いに接続されることにより、積層体2a及び積層体2bに跨って内蔵された螺旋状のコイルLを構成する。積層方向において最も上側及び最も下側に形成された内部電極7a,7gはそれぞれ、引き出し部9a,9gを介して外部電極3a,3bに接続されている。
図2に示すように、ビア導体8は、Agからなる導電性材料からなり、磁性体層4,5及び非磁性体層6をz軸方向に貫通するように、内部電極7の一端に形成されている。これにより、ビア導体8は、z軸方向に隣り合う内部電極7同士を電気的に接続している。
図2に示す分解斜視図の磁性体層4a〜4e、非磁性体層6及び磁性体層4fをz軸方向の上側からこの順に重ねて積層体2aを構成する。同様に、磁性体層5a〜5fをz軸方向の上側からこの順に重ねて積層体2bを構成する。更に、積層体2a,2bを重ねて得た積層体2の表面に外部電極3a,3bを形成すると、図3に示す断面構造を有する電子部品1が得られる。
(電子部品の製造方法について)
以下に図1及び図2を参照しながら電子部品1の製造方法について説明する。
まず、磁性体層4,5となるべきセラミックグリーンシートは、以下のようにして作製される。酸化第二鉄(Fe23)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニッケル(NiO)、及び、酸化銅(CuO)を所定の比率で秤量したそれぞれの材料を原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を800℃で1時間仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、2μmの粒径の磁性体層4のフェライトセラミック粉末を得る。一方、磁性体層5の透磁率は、磁性体層4の透磁率よりも高い。そこで、磁性体層5のフェライトセラミック粉末を作製する場合には、磁性体層4のフェライトセラミック粉末を作成する場合に比べて、酸化亜鉛(ZnO)の比率を少なめに混合し、酸化ニッケル(NiO)の比率を多めに混合する。
これらフェライトセラミック粉末に対して結合剤(酢酸ビニル、水溶性アクリル等)と可塑剤、湿潤材、分散剤を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行う。得られたセラミックスラリーをドクターブレード法により、シート状に形成して乾燥させ、所望の膜厚(例えば、50μm)のセラミックグリーンシートを作製する。
次に、非磁性体層6となるべきセラミックグリーンシートは、以下のようにして作製される。酸化第二鉄(Fe23)、酸化亜鉛(ZnO)、及び、酸化銅(CuO)を所定の比率で秤量したそれぞれの材料を原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を800℃で1時間仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、2μmの粒径のフェライトセラミック粉末を得る。
このフェライトセラミック粉末に対して結合剤(酢酸ビニル、水溶性アクリル等)と可塑剤、湿潤材、分散剤を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行う。得られたセラミックスラリーをドクターブレード法により、シート状に形成して乾燥させ、所望の膜厚(例えば、50μm)のセラミックグリーンシートを作製する。
次に、磁性体層4d,4e、非磁性体層6及び磁性体層4f,5a,5bとなるべきセラミックグリーンシートのそれぞれに、ビア導体8a〜8fを形成する。具体的には、磁性体層4d,4e、非磁性体層6及び磁性体層4f,5a,5bとなるべきセラミックグリーンシートにレーザビームを照射してビアホールを形成する。次に、このビアホールに対して、Ag,Pd,Cu,Auやこれらの合金などの導電性ペーストを印刷塗布などの方法により充填する。
次に、磁性体層4d,4e、非磁性体層6及び磁性体層4f,5a,5b,5cとなるべきセラミックグリーンシート上には、Ag,Pd,Cu,Auやこれらの合金などを主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷法やフォトリソグラフィ法などの方法で塗布することにより、内部電極7a〜7gを形成する。なお、内部電極7a〜7gを形成する工程とビアホールに対して導電性ペーストを充填する工程とは、同じ工程において行われてもよい。
次に、各セラミックグリーンシートを積層する。具体的には、磁性体層5fとなるべきセラミックグリーンシートを配置する。次に、磁性体層5fとなるべきセラミックグリーンシート上に、磁性体層5eとなるべきセラミックグリーンシートの配置及び仮圧着を行う。この後、磁性体層5d,5c,5b,5a,4f、非磁性体層6及び磁性体層4e,4d,4c,4b,4aとなるべきセラミックグリーンシートについても同様にこの順番に積層及び仮圧着する。これにより、マザー積層体が形成される。このマザー積層体には、静水圧プレスなどにより本圧着が施される。
次に、マザー積層体をギロチンカットにより2.0mm×1.25mmの寸法の積層体2にカットする。これにより未焼成の積層体2が得られる。この未焼成の積層体2には、脱バインダー処理及び焼成がなされる。脱バインダー処理は、例えば、低酸素雰囲気中で500℃で2時間の条件で行う。焼成は、例えば、890℃で2.5時間の条件で行う。これにより、焼成された積層体2が得られる。積層体2の表面には、例えば、浸漬法等の方法により主成分が銀である電極ペーストが塗布及び焼き付けされることにより、外部電極3a,3bが形成される。外部電極3a,3bの乾燥は、120℃で10分間行われ、外部電極3a,3bの焼き付けは、800℃で1時間行われる。
最後に、外部電極3a,3bの表面に、Niめっき/Snめっきを施す。以上の工程を経て、図1に示すような電子部品1が完成する。
(効果)
電子部品1では、前記の通り、非磁性体層6は、積層体2a内に設けられている。故に、積層体2aにおいて任意の位置に非磁性体層6を配置することができる。一方、特許文献1に示した積層インダクタでは、非磁性体層の位置は、第1強磁性体層と第2強磁性体層との間に限られている。そのため、電子部品1では、特許文献1に示した積層インダクタに比べて、非磁性体層6の位置の自由度が高い。そのため、電子部品1は、特許文献1に示した積層インダクタに比べて、より多くのパターンの直流重畳特性を設定することができる。その結果、電子部品1を種々の用途に用いることが可能となる。
また、電子部品1によれば、積層体2aと積層体2bとが積層されて構成されているので、電子部品1の直流重畳特性は、積層体2a内のコイルの直流重畳特性と積層体2b内のコイルの直流重畳特性とを重ね合わせたものとなる。その結果、コイルに対して相対的に大きな直流電流を流した場合には、電子部品1のインダクタンスが相対的に小さくなり、コイルに対して相対的に小さな直流電流を流した場合には、電子部品1のインダクタンスが相対的に大きくなるような直流重畳特性を得ることができる。以下に、図面を参照しながら説明する。
図4は、第1の比較例に係る電子部品100の断面構造図及び直流重畳特性を示したグラフである。図5は、第2の比較例に係る電子部品200の断面構造図及び直流重畳特性を示したグラフである。図6は、第3の比較例に係る電子部品300の断面構造図及び直流重畳特性を示したグラフである。図7は、電子部品1の直流重畳特性を示したグラフである。直流重畳特性のグラフにおいて、縦軸は、インダクタンスを示し、横軸は、電流値を示している。
図4に示す第1の比較例に係る電子部品100は、図2及び図3に示す電子部品1の積層体2aの部分を全て磁性体層4とした電子部品である。より詳細には、非磁性体層6の代わりに磁性体層4gを設け、積層体2aのz軸方向の最も下に設けられた磁性体層4fの下に磁性体層4h,4i,4jを設けると共に、外部電極3a,3bを形成した。
図4(a)に示す電子部品100では、電流値が大きくなると急激にインダクタンスが低下している。これは、磁性体層4の透磁率が比較的大きいので、内部電極7に大電流が流れると、磁気飽和が発生するためである。
そこで、図5(a)に示す第2の比較例に係る電子部品200では、電子部品100において、磁性体層4gの代わりに非磁性体層6が設けられている。該電子部品200は、図2及び図3に示す電子部品1の積層体2aからなる電子部品である。該電子部品200では、非磁性体層6が設けられているので、開磁路が形成されるようになる。その結果、電子部品200内において磁束密度が高くなりすぎて磁気飽和が発生することが抑制される。すなわち、電子部品200では、図5(b)に示すように、電流値が大きくなってもインダクタンスが急激に低下しない。
一方、図6(a)に示す第3の比較例に係る電子部品300は、図2及び図3に示す電子部品1の積層体2bの部分からなる電子部品である。より詳細には、積層体2bのz軸方向の最も上に設けられた磁性体層5aの上に磁性体層5g,5h,5iを設けると共に、外部電極3a,3bを形成した。
図6(a)に示す電子部品300では、磁性体層5の透磁率が磁性体層4の透磁率よりも低い。そのため、電子部品300のインダクタンスは、電子部品200のインダクタンスよりも低い。ただし、磁性体層5の透磁率が磁性体層4の透磁率よりも低いので、電子部品300では、コイルに電流が流れても、電子部品200のように磁気飽和が発生しにくい。そのため、図6(b)に示すように、電流値が大きくなってもインダクタンスが急激に低下しない。
そこで、本実施形態では、図5に示す電子部品200と図6に示す電子部品300と組み合わせて、図3に示す電子部品1を作製した。これにより、図7に示すように、電子部品1は、電子部品200の直流重畳特性と電子部品300の直流重畳特性とを重ね合わせた直流重畳特性を持つようになる。より詳細には、電子部品1は、コイルに流れる電流値が相対的に小さい場合には、相対的に大きなインダクタンスを有し、コイルに流れる電流値が相対的に大きい場合には、相対的に小さなインダクタンスを有する。すなわち、電子部品1は、図7に示すように、階段状の直流重畳特性を有するようになる。
特に、電子部品1では、非磁性体層6は、図2に示すように、積層体2aに設けられていることが好ましい。これは、積層体2aでは、積層体2bよりも磁気飽和が発生し易いからである。これにより、電子部品1において、相対的に小さな電流値がコイルに流れた場合において磁気飽和が発生することが抑制され、大きなインダクタンスを得ることができる。
以上のような直流重畳特性を有する電子部品1は、以下に図面を参照しながら説明するように、電源回路に用いられるDCDCコンバータに有用である。図8は、DCDCコンバータの回路図である。
図8に示すDCDCコンバータは、直流電源400、コンデンサ410、スイッチ420、ダイオード430、コイル440、コンデンサ450及び負荷460を備える。電子部品1は、コイル440として用いられる。該DCDCコンバータは、直流電源400の電圧Viを電圧Voに変換して負荷460に出力する回路である。該DCDCコンバータでは、スイッチ420が周期的にONとOFFとに切り替えられ、これにより、コイル440が充放電されて、負荷460に電圧Voが供給される。更に、スイッチ420のON期間とOFF期間とのデューティー比を調整することにより、電圧Voの大きさを調整できる。
DCDCコンバータにおいて、負荷460側の使用環境の変化等により、コイル440に流れる電流を一時的に急増させる場合がある。このような場合には、遅延なく電流を増加させるために、DCDCコンバータの時定数を小さくする必要がある。そのため、コイル440のインダクタンスは小さい方が好ましい。一方、DCDCコンバータにおいて、電圧の変換効率を向上させるためには、コイル440のインダクタンスは大きい方が好ましい。
そこで、電子部品1では、図7のグラフに示すように、通常使用される範囲である小さな電流値の範囲では、インダクタンスは相対的に大きくなり、通常使用される電流値よりも大きな電流値では、インダクタンスは相対的に小さくなっている。したがって、電子部品1を含んだDCDCコンバータは、通常の使用状態では、電圧の変換効率に優れた大きなインダクタンスで動作すると共に、電流が大きくなった状態では、時定数が低い小さなインダクタンスで動作するようになる。すなわち、電子部品1をDCDCコンバータに適用することにより、電圧の変換効率の向上と電流増加時の遅延抑制とを両立させることができる。
また、図7に示す直流重畳特性を有する電子部品1をDCDCコンバータに適用した場合には、DCDCコンバータが供給する電流の増加時における過渡応答性を向上させることができる。より詳細には、DCDCコンバータの供給電流増加時には、コイル440にはできるだけ大きな電流が流れることが好ましい。この場合には、コイル440に発生する逆起電力は小さい方が好ましいので、コイル440のインダクタンスは小さい方が好ましい。ここで、電子部品1は、電流値が大きくなるとインダクタンスが小さくなる直流重畳特性を有する。そのため、電子部品1がDCDCコンバータに適用されることにより、該DCDCコンバータの供給電流増加時における過渡応答性が向上する。
更に、電子部品1は、電流値が大きくなればインダクタンスが小さくなる直流重畳特性を有するので、DCDCコンバータは、負荷460に対して大きな電流を供給することが可能となる。その結果、コンデンサ450に流れ込む電流値も大きくなり、負荷460に出力される電圧Voが安定するようになる。
(その他の実施形態)
以上のように構成された電子部品1は、前記実施形態に限られず種々の変更が可能である。例えば、図9に示すその他の実施形態に係る電子部品1aのように、非磁性体層6は、積層体2bにおいて磁性体層5に挟まれていてもよい。この場合、図10に示す電子部品1aの直流重畳特性のグラフのように、電流の増加に対して急激にインダクタンスが低下した後、略一定のインダクタンス値を維持する直流重畳特性を得ることができる。
なお、非磁性体層6は、図3又は図9に示すように、コイルLを横切るように配置されていることが好ましい。これにより、電子部品1において磁気飽和が発生することを効果的に抑制できるからである。
また、非磁性体層6は、積層体2a,2bの両方に設けられていてもよい。
また、電子部品1の直流重畳特性は、非磁性体層6の位置や枚数によって調整してもよいし、磁性体層4,5の枚数や内部電極7の枚数などによって調整してもよい。
本発明の一実施形態に係る電子部品の外観斜視図である。 前記電子部品の積層体の分解図である。 前記電子部品のxz平面における断面構造図である。 第1の比較例に係る電子部品の断面構造図及び直流重畳特性を示したグラフである。 第2の比較例に係る電子部品の断面構造図及び直流重畳特性を示したグラフである。 第3の比較例に係る電子部品の断面構造図及び直流重畳特性を示したグラフである。 電子部品の直流重畳特性を示したグラフである。 DCDCコンバータの回路図である。 その他の実施形態に係る電子部品の断面構造図である。 前記電子部品の直流重畳特性のグラフである。
符号の説明
1,1a 電子部品
2,2a,2b 積層体
3a,3b 外部電極
4a,4b,4c,4d,4e,4f,4g,4h,4i,4j,5a,5b,5c,5d,5e,5f,5g,5h,5i 磁性体層
6 非磁性体層
7a,7b,7c,7d,7e,7f,7g 内部電極
8a,8b,8c,8d,8e,8f ビア導体
L コイル

Claims (3)

  1. 第1の絶縁層からなる第1の積層体と、
    前記第1の絶縁層と異なる透磁率を有する第2の絶縁層からなる第2の積層体と、
    前記第1の積層体及び前記第2の積層体に内蔵されているコイルと、
    を備え、
    前記第1の積層体は、
    前記第1の絶縁層及び前記第2の絶縁層よりも低い透磁率を有する絶縁層であって、該第1の絶縁層に挟まれている第3の絶縁層を、
    更に含んでいること、
    を特徴とする電子部品。
  2. 前記第1の絶縁層の透磁率は、前記第2の絶縁層の透磁率よりも大きいこと、
    を特徴とする請求項1に記載の電子部品。
  3. 前記コイルは、前記第1の絶縁層、前記第2の絶縁層及び前記第3の絶縁層に形成されている複数の内部電極が電気的に接続されることにより構成されていること、
    を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の電子部品。
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