JP2008288370A - 面実装インダクタおよびその製造方法 - Google Patents

面実装インダクタおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008288370A
JP2008288370A JP2007131602A JP2007131602A JP2008288370A JP 2008288370 A JP2008288370 A JP 2008288370A JP 2007131602 A JP2007131602 A JP 2007131602A JP 2007131602 A JP2007131602 A JP 2007131602A JP 2008288370 A JP2008288370 A JP 2008288370A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soft magnetic
mount inductor
coil
magnetic
surface mount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007131602A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Igarashi
利行 五十嵐
Tadakuni Sato
忠邦 佐藤
Kenichi Chatani
健一 茶谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokin Corp
Original Assignee
NEC Tokin Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Tokin Corp filed Critical NEC Tokin Corp
Priority to JP2007131602A priority Critical patent/JP2008288370A/ja
Publication of JP2008288370A publication Critical patent/JP2008288370A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Soft Magnetic Materials (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Abstract


【課題】 特に厚み1mm以下の低背インダクタにおいて、従来品と同等のインダクタンスと製造コストを実現し、かつ、従来品よりも直流電気抵抗を低減し、より大電流に対応するインダクタとその製造方法を提供するものである。
【解決手段】 比透磁率の異なる軟磁性材料からなる低透磁率層1と高透磁率層2をコイル3の周囲の所定の位置に配置することにより、低背インダクタとして好適な、磁気飽和を回避できるコイル構成の面実装インダクタと、その構成を従来構成と同等のコストで実現できる製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、小型電子機器の電源供給回路に使用される小型インダクタの構成とその製造方法に関する。
携帯電話やノートパソコン、小型ゲーム機等の携帯型電子機器において、機能の増加に加えて電源持続時間の維持・改善が求められる結果、電源回路素子の一つであるインダクタに対して小型化、大電流対応、低損失化の要求が近年益々高まっている。インダクタの小型化と低損失化には、コイルのコアにおいて磁気飽和の起こりにくい構成とすること、コイル巻線の直流電気抵抗を小さくすること、コアロスの小さなコア材を用いること、がきわめて重要である。
このような目的を達成するため、携帯型電子機器の電源回路に用いられるインダクタとしては、巻芯の両側に鍔を有する軟磁性フェライトのドラムに巻線を施し、このドラムの周囲に、軟磁性フェライトのリングを配置した構成が用いられてきた。しかしながら、この構成においては、小型・低背化するほど、インダクタンスの調整のために、フェライトのドラムコアとフェライトのリングの間に設けるギャップ幅を高精度に管理する必要があり、部材点数が多いことと相まって、低コスト化が困難であるという欠点がある。
また、巻芯の両側に鍔を有する軟磁性フェライトのドラムに巻線を施し、このドラムの周囲に、軟磁性体と樹脂の混合物を配置した構成も用いられている。しかしながら、この構成においては、磁気飽和回避と抗折強度保持の両観点から、鍔部のフェライトは片側で少なくとも0.2mmの厚みが必要であり、また、1A以上の直流バイアス電流を許容するためには、直径0.1mm以上を有する銅線を用いて150mΩ以下の直流電気抵抗とする必要があるため、およそ1mmよりも薄いインダクタでは、1A以上の大電流対応を実現することは困難となっている(特許文献1)。
また近年、インダクタの低背化要求に対応するため、巻芯の片側のみに鍔を有する軟磁性フェライトコアに巻線を施し、該巻線部の周囲を軟磁性体と樹脂の混合物で被覆した構成も提案されている。しかしながら、この構成においては、鍔がない側に配置する軟磁性体の比透磁率が低いため、十分に大きなインダクタンスを有するインダクタを実現できず、また、漏洩磁束が大きくなるという欠点がある(特許文献2)。
また、小型化と大電流化の相反する要求に対応する手段として、巻線として平角線を用いることにより、巻線部における体積の無駄を省く提案もなされているが、平角線を用いると、部材費の増加・製造工程の複雑化が伴う欠点がある(特許文献3)。
さらに、低背化実現のため、平板状のフェライト焼結体、もしくは平板状の軟磁性粉末混合樹脂でコイルパターンを挟み込む構成も提案されているが、巻線を比透磁率の高い巻線部に巻回した構成ではないため、およそ2.2μH以上のインダクタンスを得て、かつ、1A以上の大電流に対応することができない欠点がある(特許文献4)。
特開2005−210055号公報 特開2005−150470号公報 特開2006−165429号公報 特開2004−14837号公報
従来、およそ1mm以下の厚みを有する携帯型電子機器用インダクタにおいて1A以上の大電流対応を実現し、かつ、従来品と同等程度の製造コストを実現することは困難であった。本発明は、特に厚み1mm以下の低背インダクタにおいて、従来品と同等のインダクタンスと製造コストを実現し、かつ、従来品よりも直流電気抵抗を低減し、より大電流に対応するインダクタとその製造方法を提供するものである。
本発明は、上記課題を達成するために、比透磁率の異なる軟磁性材料を導電体コイルの周囲に配置することにより、低背インダクタとして好適な、磁気飽和を回避できるコイル構成の面実装インダクタと、そのコイル構成を従来構成と同等のコストで実現できる製造方法提案するものである。
本発明は、少なくとも3層以上の軟磁性体層からなり、導電体を巻回したコイルの中心軸にほぼ垂直に、かつ、前記コイルを挟みこむように、前記軟磁性体層が配置された面実装インダクタであって、3以上40未満の比透磁率を有する第1の軟磁性体層が、50以上の比透磁率を有する第2の軟磁性体層の間に配置されたことを特徴とする面実装インダクタである。
また、本発明は、前記コイルの内部空間に、比透磁率50以上を有する軟磁性体を配置したことを特徴とする面実装インダクタである。
また、本発明は、前記第2の軟磁性体層のうち少なくとも1層が、扁平形状を有する軟磁性体粉末と結合材の混合物層からなり、かつ、面内に磁化容易方向を有することを特徴とする面実装インダクタである。
また、本発明は、前記第2の軟磁性体層のうち少なくとも1層が、軟磁性フェライトからなることを特徴とする面実装インダクタである。
また、本発明は、前記第2の軟磁性体層のうち少なくとも1層が、前記コイル内側空間に連続するコイルの中心軸を含む断面がT字形状を有するフェライト焼結体であることを特徴とする面実装インダクタである。
また、本発明は、前記第2の軟磁性体層のうち少なくとも1層が、前記コイル内側空間に連続するコイルの中心軸を含む断面がT字形状を有する軟磁性金属粉末の圧粉磁芯であることを特徴とする面実装インダクタである。
また、本発明は、前記混合物層のうち少なくとも1層が、可撓性を有するシート状であることを特徴とする面実装インダクタである。
また、本発明は、前記混合物層のうち少なくとも1層が、可撓性を有するシート状混合物の硬化によりなることを特徴とする面実装インダクタである。
また、本発明は、前記扁平形状を有する軟磁性体粉末の少なくとも一部が、長軸方向の長さをa、短軸方向の長さをbとするとき、a/bの値が3以上となる針状の軟磁性体粉末であることを特徴とする面実装インダクタである。
また、本発明は、前記軟磁性体粉末の少なくとも一部が、扁平形状を有するFe−Si−Al系合金であって、前記軟磁性体粉末と結合材からなる混合物がなす層の面内方向の比透磁率が50以上であることを特徴とする面実装インダクタである。
また、本発明は、前記軟磁性体粉末の少なくとも一部が、印加磁場100Oeにおける磁束密度として7000G以上を有するFe−Si合金であることを特徴とする面実装インダクタである。
また、本発明は、前記軟磁性体粉末の少なくとも一部が、印加磁場100Oeにおける磁束密度として7000G以上を有するFe−Si−Cr合金であることを特徴とする面実装インダクタである。
また、本発明は、前記軟磁性体粉末の少なくとも一部が、印加磁場100Oeにおける磁束密度として7000G以上を有する金属ガラスであることを特徴とする面実装インダクタである。
また、本発明は、前記混合物層の少なくとも1層が、可撓性を有するシート状であり、少なくとも1個の導電体コイルを含む構造物に前記混合物層を積層した後、切断分離により、1個の導電体コイルを含むインダクタを得ることを特徴とする面実装インダクタの製造方法である。
また、本発明は、前記混合物層の少なくとも1層が、可撓性を有するシート状であり、少なくとも1個の導電体コイルを含む構造物に前記混合物層を積層し、硬化させた後、切断分離により、1個の導電体コイルを含むインダクタを得ることを特徴とする面実装インダクタの製造方法である。
詳述すれば、まず、より少ないコイルターン数で大きなインダクタンスを実現するためには、導電体コイル周囲に配置された軟磁性体が構成する磁路のうち、可能な限り大部分を、比透磁率50以上を有する軟磁性体で構成することが望ましいが、磁路全体の比透磁率が高い場合には、磁気飽和が起こりやすくなるため、その一部を、比透磁率がより低い軟磁性体とすることが有効である。このように異材種を組み合わせたコイル構成を容易に実現するためには、高透磁率材料で導電体コイル、並びに低透磁率層(比透磁率3以上40未満である軟磁性体からなる層を以降このように呼ぶ)をはさむように配置すればよい。
低透磁率層を形成するには、軟磁性体粉末と結合材との混合物を厚膜形成の手法で導電体コイルを覆うように塗布するか、もしくは軟磁性体粉末と結合材との混合物を可撓性のあるシート状に形成しておき、これを導電体コイルを覆うように圧着して配置すればよい。軟磁性体粉末と結合材との混合物における軟磁性体粉末の体積充填率は、容易に60%程度とすることができるが、可撓性のあるシートを用いる場合、あらかじめシートの加圧成型を行うことにより、さらに軟磁性粉末の体積充填率が向上し、該低透磁率層の飽和磁束密度を増大することができる。
また、軟磁性体粉末と結合材との混合物に用いられる軟磁性体粉末は、フェライト粉末、軟磁性金属粉末のいずれでも良いが、外部磁場100Oeにおける飽和磁束密度として7000G以上を有するFe−Si−Al系合金(センダスト)、Fe−Si系合金、Fe−Si−Cr系合金、並びにFe−Si−B−Nb−Al−C系合金(金属ガラス)などの軟磁性金属粉末を用いることがより望ましい。外部磁場100Oeにおける飽和磁束密度として7000G以上を有する軟磁性粉末を用いれば、軟磁性体粉末と結合材との混合物における軟磁性粉末の体積充填率を60%としても、外部磁場100Oeにおける飽和磁束密度として4000G以上を有する層を形成することができる。フェライト焼結体における飽和磁束密度が4000G程度であるから、外部磁場100Oeにおける飽和磁束密度として7000G以上を有する軟磁性粉末を用いれば、フェライトのみを用いた従来のインダクタと比較して、より大きな直流バイアス電流のもとも磁気飽和を回避することができる。
高透磁率層(比透磁率50以上の軟磁性体からなる層を以降このように呼ぶ)も低透磁率層と同様の手法で形成できるが、軟磁性粉末の体積充填率を増大せしめるだけでは、50以上の比透磁率を実現することは困難である。飽和磁束密度が大きく、かつ、比透磁率が高い層を得るには、扁平形状、もしくは針状形状を有する軟磁性粉末と結合材からなる、面内に磁化容易方向を有する層とすることが望ましい。軟磁性体と結合材の混合物からなる低透磁率層または高透磁率層を得る厚膜形成方法は、電磁ノイズ吸収体の形成方法として工業的に確立されており、比透磁率50以上を有する高透磁率層を容易に形成することができる。
また、高透磁率層はフェライト焼結体の平板であってもよい。
前述した方法で低透磁率層と高透磁率層を形成し、これを導電体コイルを覆うように圧着することにより、複雑な工程を要することなく、導電体コイルと軟磁性体が一体化したインダクタを形成することができる。さらに、配列した多数の導電体コイルを前述した方法で軟磁性体で覆うように圧着し、次に切断分離する事により一度に多数のインダクタを得ることができ、生産効率の向上に寄与すところは大きい。
本発明による構成を有するインダクタにおいては、巻芯の両側に鍔を有するフェライト磁芯に導電体コイルを巻回した従来の構成と比較して、許容バイアス電流を減少させることなく、インダクタをより低背化することができる。
また、本発明による構成においては、巻線が完了した後に軟磁性層でコイル周囲を被覆するので、巻線の太さに対する制約が緩和され、同じインダクタの厚みでもより太い銅線を使用でき、直流抵抗を低減できる。
また、本発明によるインダクタの構成においては、巻芯の両側に鍔を有する磁芯を用いないため、磁芯の成形工程を簡略化でき、インダクタの低背化に伴う歩留まり悪化を回避することができる。
また、本発明によるインダクタの構成においては、導電体コイル、高透磁率層、低透磁率層、巻芯部の磁芯等が一体化された構成であるため、衝撃に強いという利点がある。
また、本発明による構成においては、低透磁率層、高透磁率層の両方に可撓性を付与した場合、巻芯部に可撓性の無い磁性体を用いても、インダクタ全体としては若干の屈曲が可能となる。本発明による構成のインダクタは、フィルム基板上に配置した場合、フィルム基板の屈曲に追従して変形するので、インダクタの破断や端子のはがれを防止することができる。
軟磁性金属粉末と結合材からなる平板上の混合物、もしくはフェライトを用いた片側のみに鍔を有する磁芯上に、導電体コイルを配置する。導電体の周囲全体を被覆するように、軟磁性金属粉末と結合材からなる混合物を接着し、比透磁率3以上40未満の低透磁率層を形成する。さらに、該混合物を被覆するように、扁平金属粉末と結合材からなる混合物、もしくは平板状のフェライト焼結体を配置して、面内方向の比透磁率が50以上の高透磁率層を形成し、インダクタとなす。この際、高透磁率層同士が直接接触しないようにする。
本発明においては、少なくとも2層配置する高透磁率層のいずれも、面内方向の比透磁率として50以上を有する軟磁性体を用いることが望ましい。これは、これよりも低い比透磁率では、異なる比透磁率層を形成することによる、インダクタンスと重畳特性の同時向上の効果が得られなくなるからである。また、低透磁率層の比透磁率としては、3以上40未満を有する混合物を用いることが望ましい。これは、これよりも低い比透磁率では、インダクタンス向上のために低比透磁率層の厚さを20ミクロン程度と薄くしなければならず、かつ、低比透磁率層の厚さ変動によるインダクタンスのばらつきが顕著となるためである。
次に、具体的な実施例を挙げ、本発明について更に詳しく説明する。第一の実施例は、高透磁率層として、軟磁性体粉末をFe−Si−Al系合金(センダスト)、結合剤をポリアミド系樹脂、低透磁率層として、軟磁性体粉末をFe−Si−B−Nb−Al−C系合金(金属ガラス)の水アトマイズ球状粉、結合剤をポリアミドイミド系樹脂、軟磁性磁芯として、NiZnフェライトを用いた例を説明する。参照図面は、図4(e)である。
まず、高透磁率層22を形成するため、軟磁性体粉末としてFe−Si−Al系合金(センダスト)を準備した。粉末形状を扁平化するために、アトライタを用いて、粗粉砕粉末に遠心および粉砕加工を施した。引き続き、扁平化工程で生じる歪みを除くために、窒素雰囲気中、650℃で2時間、焼鈍処理を行った。次に、キシレンを溶媒として、前記軟磁性体粉末と結合材であるポリアミドイミド系樹脂を所定の比で混合してスラリーを作製し、ドクターブレード法によりシートを成形し、60℃で2h乾燥して溶媒を除去した。
次に、低透磁率層11を形成するため、軟磁性体粉末としてFe−Si−B−Nb−Al−C系合金(金属ガラス)の水アトマイズ球状粉を準備した。キシレンを溶媒として、前記軟磁性粉末と結合材であるポリアミドイミド系樹脂を所定の比で混合してスラリーを作製し、ドクターブレード法によりシートを成形し、60℃で2h乾燥して溶媒を除去した。
次に、片側のみに鍔を有する軟磁性磁芯4を得るため、NiZnフェライトの粉末にポリビニルアルコール9%水溶液を10wt%混合し、この粉末を2000kg/cm2の圧力で加圧成形ののち、脱バインダー処理の上、大気雰囲気中1200℃で焼結した。片側のみに鍔を有する軟磁性磁芯4は1辺3mm、巻芯直径1.2mmの形状であり、比透磁率500を有する。
引き続き、得られた軟磁性磁芯4の巻芯に、直径0.12mmの被膜導線を8ターン巻回してコイル3とし、巻芯を有しない面上のメタライズ部位に巻線両端をはんだにより接合した。このコイルと巻芯部を被覆するように、3mm角に切断した金属ガラス球状粉を含む低透磁率層11(比透磁率12)を第1シートとして配置し、さらに、低透磁率層11を被覆するように、3mm角に切断したセンダストの扁平粉を含む高透磁率層22(比透磁率100)を第2シートとして配置し、500g/cm2、180℃の条件で、巻線部と共に軟磁性磁芯4(フェライト磁芯)に圧着し、インダクタを作製した(図4(a)〜図4(e))。比較例として、表1に示した構成のインダクタ比較品1〜3を作製した。表1は、本発明品と比較品のインダクタ構成とインダクタ特性を示したものである。
Figure 2008288370
表1に示すように、比透磁率が12の低透磁率層が、比透磁率100の高透磁率層と片側のみに鍔を有するフェライトコアの間に配置された場合には、巻芯の両側に鍔を有するNiZnフェライトドラムコア6と比較して、より大きなバイアス電流のもとでも磁気飽和が生じず、大きなインダクタンスを保持している。すなわち、本発明による構成を持つインダクタの直流重畳特性が良好であることが分かる。
第二の実施例は、高透磁率層として、フェライト平板、低透磁率層として、軟磁性体粉末をFe−Si−Cr系合金の水アトマイズ球状粉、結合剤をエポキシ樹脂、軟磁性磁芯として、NiZnフェライトを用いた例を説明する。参照図面は、図4(e)である。
まず、塗布による低透磁率層11を形成するため、磁性体粉末としてFe―Si―Cr系合金の水アトマイズ球状粉を準備し、結合材であるエポキシ樹脂を混合し、乾燥後の比透磁率が3未満になるように調整して塗布用のペーストを作製した。次に、片側のみに鍔を有する軟磁性磁芯4(フェライト磁芯)、ならびに、高透磁率層22として用いるフェライト平板を得るため、NiZnフェライトの粉末にポリビニルアルコール9%水溶液を10wt%混合し、この粉末を2000kg/cm2の圧力で加圧成形ののち、脱バインダー処理の上、大気雰囲気中1200℃で焼結した。片側のみに鍔を有する磁芯は1辺3mm、巻芯直径1.2mm、鍔厚木 正孝0.25mmの形状であり、また、フェライト平板は一辺3mm、厚さ0.3mmであり、各々比透磁率500を有する。
この軟磁性磁芯4の巻芯に、直径0.12mmの被膜導線を7ターン巻回してコイル3とし、巻芯を有しない面上のメタライズ部位に巻線両端をはんだにより接合した。この磁芯を、ペースト塗布用の型枠内に設置し、このコイル3と巻芯部を被覆するように、Fe−Si−Cr合金を含むペーストを塗布した。巻芯部におけるペーストの塗布厚さを表2に示すごとく調整したのち、塗布したペーストの上に3mm角、厚さ0.3mmのNiZnフェライト平板を配置し、150℃、30minの条件でエポキシ樹脂を硬化させ、NiZnフェライト平板を接着し、本発明品2と本発明品3を得た。得られた本発明品2と本発明品3のインダクタンス特性を低透磁率層の比透磁率を3未満とした比較品5及び比較品6のインダクタンス特性と共に表2に示す。
Figure 2008288370
表2に示すように、低透磁率層をなす磁性ペーストの比透磁率が3未満の場合、巻線を施したフェライト磁芯とフェライト平板の間隔が±5μm変動した場合に、インダクタンスの絶対値が±15%以上変動する。一般的に、製品のインダクタンスは仕様値から±20%以内の値であることが要求される。一方、歩留まり向上の観点から、高透磁率層間の距離については±5μmの変動は許容されることが望ましい。表2より、低透磁率層の比透磁率を3以上40未満とすれば、高透磁率層間の距離が最大で±5μm変動しても、インダクタンスの変動幅を±20%未満とすることができ、歩留まり向上が可能となる。
本発明に係わる面実装インダクタの構造を模式的に示す図、図1(a)は斜視図、図1(b)は断面図。 本発明に係わる面実装インダクタの構造を模式的に示す図、図2(a)は斜視図、図2(b)は断面図。 本発明に係わる面実装インダクタの構造を模式的に示す断面図。 本発明に係わる面実装インダクタの実施例と比較例についてその構造を模式的に示す断面図。図4(a)〜図4(d)は比較例の断面図、図4(e)は本発明に係わる実施例の断面図。 巻芯部の両側に鍔を持つ、従来のインダクタを示す断面図。 巻芯部の片側のみに鍔を持ち、単一種類の軟磁性樹脂でコイル部を被覆した、従来のインダクタを示す断面図。 本発明に係わる面実装インダクタの製造方法の概念図。
符号の説明
1 低透磁率層(第1の軟磁性体層)
2 高透磁率層(第2の軟磁性体層)
3 コイル
4 軟磁性磁芯
5 軟磁性樹脂
6 NiZnフェライトドラムコア
11 (第1シートの)低透磁率層
12 (第1シートの)高透磁率層
13 (第1シートの)低透磁率層
21 (第2シートの)低透磁率層
22 (第2シートの)高透磁率層

Claims (15)

  1. 少なくとも3層以上の軟磁性体層からなり、導電体を巻回したコイルの中心軸にほぼ垂直に、かつ、前記コイルを挟みこむように、前記軟磁性体層が配置された面実装インダクタであって、3以上40未満の比透磁率を有する第1の軟磁性体層が、50以上の比透磁率を有する第2の軟磁性体層の間に配置されたことを特徴とする面実装インダクタ。
  2. 前記コイルの内部空間に、比透磁率50以上を有する軟磁性体を配置したことを特徴とする請求項1に記載の面実装インダクタ。
  3. 前記第2の軟磁性体層のうち少なくとも1層が、扁平形状を有する軟磁性体粉末と結合材の混合物層からなり、かつ、面内に磁化容易方向を有することを特徴とする請求項1または2に記載の面実装インダクタ。
  4. 前記第2の軟磁性体層のうち少なくとも1層が、軟磁性フェライトからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の面実装インダクタ。
  5. 前記第2の軟磁性体層のうち少なくとも1層が、前記コイル内側空間に連続するコイルの中心軸を含む断面がT字形状を有するフェライト焼結体であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の面実装インダクタ。
  6. 前記第2の軟磁性体層のうち少なくとも1層が、前記コイル内側空間に連続するコイルの中心軸を含む断面がT字形状を有する軟磁性金属粉末の圧粉磁芯であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の面実装インダクタ。
  7. 前記混合物層のうち少なくとも1層が、可撓性を有するシート状であることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の面実装インダクタ。
  8. 前記混合物層のうち少なくとも1層が、可撓性を有するシート状混合物の硬化によりなることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の面実装インダクタ。
  9. 前記扁平形状を有する軟磁性体粉末の少なくとも一部が、長軸方向の長さをa、短軸方向の長さをbとするとき、a/bの値が3以上となる針状の軟磁性体粉末であることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の面実装インダクタ。
  10. 前記軟磁性体粉末の少なくとも一部が、扁平形状を有するFe−Si−Al系合金であって、前記軟磁性体粉末と結合材からなる混合物層の面内方向の比透磁率が50以上であることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の面実装インダクタ。
  11. 前記軟磁性体粉末の少なくとも一部が、印加磁場100Oeにおける磁束密度として7000G以上を有するFe−Si合金であることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の面実装インダクタ。
  12. 前記軟磁性体粉末の少なくとも一部が、印加磁場100Oeにおける磁束密度として7000G以上を有するFe−Si−Cr合金であることを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の面実装インダクタ。
  13. 前記軟磁性体粉末の少なくとも一部が、印加磁場100Oeにおける磁束密度として7000G以上を有する金属ガラスであることを特徴とする請求項3乃至6いずれかに記載の面実装インダクタ。
  14. 前記混合物層の少なくとも1層が、可撓性を有するシート状であり、少なくとも1個の導電体コイルを含む構造物に前記混合物層を積層した後、切断分離により、1個の導電体コイルを含むインダクタを得ることを特徴とする請求項3乃至13のいずれかに記載の面実装インダクタの製造方法。
  15. 前記混合物層の少なくとも1層が、可撓性を有するシート状であり、少なくとも1個の導電体コイルを含む構造物に前記混合物層を積層し、硬化させた後、切断分離により、1個の導電体コイルを含むインダクタを得ることを特徴とする請求項3乃至13のいずれかに記載の面実装インダクタの製造方法。
JP2007131602A 2007-05-17 2007-05-17 面実装インダクタおよびその製造方法 Pending JP2008288370A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007131602A JP2008288370A (ja) 2007-05-17 2007-05-17 面実装インダクタおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007131602A JP2008288370A (ja) 2007-05-17 2007-05-17 面実装インダクタおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008288370A true JP2008288370A (ja) 2008-11-27

Family

ID=40147813

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007131602A Pending JP2008288370A (ja) 2007-05-17 2007-05-17 面実装インダクタおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008288370A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20100277267A1 (en) * 2009-05-04 2010-11-04 Robert James Bogert Magnetic components and methods of manufacturing the same
JP2012526386A (ja) * 2009-05-04 2012-10-25 クーパー テクノロジーズ カンパニー 磁気部品とその製造方法
JP2012526390A (ja) * 2009-05-04 2012-10-25 クーパー テクノロジーズ カンパニー 小型シールド磁性部品及び製造方法
CN102985985A (zh) * 2010-04-23 2013-03-20 库柏技术公司 层压的磁性组件以及用软磁粉末聚合物复合片材的制造
JP2013526036A (ja) * 2010-04-23 2013-06-20 クーパー テクノロジーズ カンパニー 小型のパワーインダクタ及び製造方法
JP2013157538A (ja) * 2012-01-31 2013-08-15 Denso Corp リアクトル
WO2014208914A1 (ko) * 2013-06-27 2014-12-31 엘지이노텍 주식회사 수신 안테나 및 이를 포함하는 무선 전력 수신 장치
JP2016207992A (ja) * 2015-04-17 2016-12-08 Necトーキン株式会社 コイル部品
JP2018065206A (ja) * 2016-10-18 2018-04-26 株式会社ディスコ 切削ブレード
JP2019140202A (ja) * 2018-02-08 2019-08-22 Tdk株式会社 コイル部品及びその製造方法
WO2021029141A1 (ja) * 2019-08-09 2021-02-18 日東電工株式会社 インダクタ
WO2021029142A1 (ja) * 2019-08-09 2021-02-18 日東電工株式会社 インダクタ
CN113948262A (zh) * 2021-09-23 2022-01-18 深圳市岑科实业有限公司 一种磁性浆料、共模电感及共模电感盖板的制备方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05140703A (ja) * 1991-07-30 1993-06-08 Nippon Steel Corp 磁束密度の大きなトランス鉄心用非晶質合金薄帯
JPH0971847A (ja) * 1995-09-05 1997-03-18 Furukawa Electric Co Ltd:The 高透磁率合金
JP2000243615A (ja) * 1998-12-17 2000-09-08 Tokin Corp 複合磁性体と、その製造方法
JP2001185421A (ja) * 1998-12-28 2001-07-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd 磁性素子およびその製造方法
JP2002206150A (ja) * 2001-01-09 2002-07-26 Nec Tokin Corp 軟磁性合金粉末及びその製造方法
JP2003203813A (ja) * 2001-08-29 2003-07-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 磁性素子およびその製造方法、並びにそれを備えた電源モジュール
JP2005109290A (ja) * 2003-10-01 2005-04-21 Hitachi Ferrite Electronics Ltd 低背型インダクタ
JP2006303405A (ja) * 2005-03-23 2006-11-02 Sumida Corporation インダクタ

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05140703A (ja) * 1991-07-30 1993-06-08 Nippon Steel Corp 磁束密度の大きなトランス鉄心用非晶質合金薄帯
JPH0971847A (ja) * 1995-09-05 1997-03-18 Furukawa Electric Co Ltd:The 高透磁率合金
JP2000243615A (ja) * 1998-12-17 2000-09-08 Tokin Corp 複合磁性体と、その製造方法
JP2001185421A (ja) * 1998-12-28 2001-07-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd 磁性素子およびその製造方法
JP2002206150A (ja) * 2001-01-09 2002-07-26 Nec Tokin Corp 軟磁性合金粉末及びその製造方法
JP2003203813A (ja) * 2001-08-29 2003-07-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 磁性素子およびその製造方法、並びにそれを備えた電源モジュール
JP2005109290A (ja) * 2003-10-01 2005-04-21 Hitachi Ferrite Electronics Ltd 低背型インダクタ
JP2006303405A (ja) * 2005-03-23 2006-11-02 Sumida Corporation インダクタ

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9589716B2 (en) 2006-09-12 2017-03-07 Cooper Technologies Company Laminated magnetic component and manufacture with soft magnetic powder polymer composite sheets
TWI553674B (zh) * 2009-05-04 2016-10-11 古柏科技公司 磁性元件總成
JP2012526384A (ja) * 2009-05-04 2012-10-25 クーパー テクノロジーズ カンパニー 磁気構成要素及び前記磁気構成要素の製造方法
JP2012526386A (ja) * 2009-05-04 2012-10-25 クーパー テクノロジーズ カンパニー 磁気部品とその製造方法
JP2012526390A (ja) * 2009-05-04 2012-10-25 クーパー テクノロジーズ カンパニー 小型シールド磁性部品及び製造方法
TWI588849B (zh) * 2009-05-04 2017-06-21 古柏科技公司 層壓磁性元件總成
US20100277267A1 (en) * 2009-05-04 2010-11-04 Robert James Bogert Magnetic components and methods of manufacturing the same
JP2016197764A (ja) * 2009-05-04 2016-11-24 クーパー テクノロジーズ カンパニー 磁気構成要素組立体の製造方法及び磁気構成要素組立体
JP2013526036A (ja) * 2010-04-23 2013-06-20 クーパー テクノロジーズ カンパニー 小型のパワーインダクタ及び製造方法
TWI575541B (zh) * 2010-04-23 2017-03-21 古柏科技公司 疊層磁性元件、使用軟磁性粉末聚合物複合材料片之製造及由該製造方法形成之產品
CN102985985A (zh) * 2010-04-23 2013-03-20 库柏技术公司 层压的磁性组件以及用软磁粉末聚合物复合片材的制造
JP2013526035A (ja) * 2010-04-23 2013-06-20 クーパー テクノロジーズ カンパニー 積層磁性部品と軟質磁性粉末ポリマー複合シートによる製造
JP2013157538A (ja) * 2012-01-31 2013-08-15 Denso Corp リアクトル
US10468918B2 (en) 2013-06-27 2019-11-05 Lg Innotek Co., Ltd. Receiving antenna and wireless power receiving device including the same
US9997962B2 (en) 2013-06-27 2018-06-12 Lg Innotek Co., Ltd. Receiving antenna and wireless power receiving device including the same
WO2014208914A1 (ko) * 2013-06-27 2014-12-31 엘지이노텍 주식회사 수신 안테나 및 이를 포함하는 무선 전력 수신 장치
JP2016207992A (ja) * 2015-04-17 2016-12-08 Necトーキン株式会社 コイル部品
JP2018065206A (ja) * 2016-10-18 2018-04-26 株式会社ディスコ 切削ブレード
JP2019140202A (ja) * 2018-02-08 2019-08-22 Tdk株式会社 コイル部品及びその製造方法
WO2021029141A1 (ja) * 2019-08-09 2021-02-18 日東電工株式会社 インダクタ
WO2021029142A1 (ja) * 2019-08-09 2021-02-18 日東電工株式会社 インダクタ
JP2021028928A (ja) * 2019-08-09 2021-02-25 日東電工株式会社 インダクタ
JP7485505B2 (ja) 2019-08-09 2024-05-16 日東電工株式会社 インダクタ
CN113948262A (zh) * 2021-09-23 2022-01-18 深圳市岑科实业有限公司 一种磁性浆料、共模电感及共模电感盖板的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008288370A (ja) 面実装インダクタおよびその製造方法
US9825482B2 (en) Electromagnetic booster for wireless charging and method of manufacturing the same
JP5054445B2 (ja) コイル部品
CN106469603B (zh) 线圈电子组件
JP2003203813A (ja) 磁性素子およびその製造方法、並びにそれを備えた電源モジュール
US20090322458A1 (en) Magnetic component
KR102052770B1 (ko) 파워인덕터 및 그 제조방법
US20170025218A1 (en) Module substrate
CN110337701B (zh) 磁芯、包括该磁芯的电感器及emi滤波器
KR101983140B1 (ko) 금속 자성체 분말 및 그 형성 방법, 그리고 상기 금속 자성체 분말을 이용하여 제조된 인덕터
JP2009302386A (ja) 面実装インダクタ
JP5965617B2 (ja) インダクタ
JP2008270368A (ja) 圧粉磁心およびその製造方法
US20140292460A1 (en) Inductor and method for manufacturing the same
JP2015144166A (ja) 電子部品
JP2007214425A (ja) 圧粉磁心およびそれを用いたインダクタ
JP2002313632A (ja) 磁性素子およびその製造方法
JP2020123598A (ja) インダクタンス素子および電子・電気機器
JP4694860B2 (ja) 積層型ビーズの製造方法
KR100653429B1 (ko) 적층형 칩 타입 파워 인덕터 및 그 제조 방법
JP2003257744A (ja) 磁性素子及びその製造方法並びにそれを用いた電源モジュール
JP2010141191A (ja) インダクタおよびその製造方法
JP2006344683A (ja) ドラムコア及びインダクタ
US11387032B2 (en) Coil component manufacturing method, coil component, and DC-to-DC converter
KR20140121809A (ko) 인덕터 및 그 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091110

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110518

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110714

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120118