JP2006049796A - 熱電変換素子及び熱電変換モジュール - Google Patents

熱電変換素子及び熱電変換モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】熱電発電を実現するために必要な高い変換効率を有し、且つ熱的安定性、化学的耐久性等に優れた熱電変換素子及び熱電変換モジュールを提供する。
【解決手段】導電性基板と、該基板上に導電性熱的緩衝材を介して形成された特定のp型熱電変換材料と、該基板上に導電性熱的緩衝材を介して形成された特定のn型熱電変換材料とを含み、該導電性熱的緩衝材が、接合対象の熱電変換材料と基板との間の熱膨張率を有する導電性材料からなるものである、熱電変換素子。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱電変換素子、熱電変換モジュール及び熱電変換方法に関する。
我が国では、一次供給エネルギーからの有効なエネルギーの得率は30%程度であり、約70%ものエネルギーを熱として大気中に廃棄している。また、工場、ごみ焼却場などにおいて燃焼により生ずる熱も、他のエネルギーに変換されることなく大気中に廃棄されている。このように、我々人類は非常に多くの熱エネルギーを無駄に廃棄しており、化石エネルギーの燃焼等の行為から僅かなエネルギーしか獲得していない。
エネルギーの得率を向上させるためには、大気中に廃棄されている熱エネルギーを利用することが効果的である。そのためには熱エネルギーを直接電気エネルギーに変換する熱電変換は有効な手段と考えられる。熱電変換とはゼーベック効果を利用したものであり、熱電変換材料の両端に温度差をつけることで電位差を生じさせ、発電を行うエネルギー変換法である。
このような熱電変換を利用する発電、即ち、熱電発電では、熱電変換材料の一端を廃熱により生じた高温部に配置し、もう一端を大気中に配置して、両端に外部抵抗を接続するだけで電気が得られ、一般の発電に必要なモーターやタービン等の可動装置は全く必要ない。このためコストも安く、燃焼等によるガスの排出も無く、熱電変換材料が劣化するまで継続的に発電を行うことができる。また熱電発電は高出力密度での発電が可能であるため、発電器(モジュール)そのものが小型、軽量化でき携帯電話やノート型パソコン等の移動用電源としても用いることが可能である。
この様に、熱電発電は今後心配されるエネルギー問題の解決の一端を担うと期待されている。熱電発電を実現するためには、高い変換効率を有し、耐熱性、化学的耐久性等に優れた熱電変換材料により構成される熱電変換モジュールが必要となる。
これまでに高温・空気中で優れた熱電性能を示す物質として、Ca3Co49等のCo
2系層状酸化物が報告されており、熱電変換材料についての開発は、進行しつつある(
例えば、下記非特許文献1参照)。
しかしながら、熱電変換材料を用いて効率の良い熱電発電を実現するために必要となる熱電変換モジュール、すなわち発電器の開発が遅れているのが現状である。特に、高温熱を利用する発電においては、熱電変換モジュール内に大きな温度差が生じるために、複数の異種の部材から構成されるモジュールでは、部材間に大きな熱応力が発生して、モジュールの破損の原因となる。
R. Funahashiら、Jpn. J. Appl. Phys. 39, L1127 (2000).
本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、熱電発電を実現するために必要な高い変換効率を有し、且つ熱的安定性、化学的耐久性等に優れた熱電変換素子及び熱電変換モジュールを提供することである。
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、特定の複合
酸化物からなるp型熱電変換材料とn型熱電変換材料の各材料を、各熱電変換材料と基板との間の熱膨張率を有する導電性材料を介して導電性基板に接続して得られる熱電変換素子は、高い変換効率と良好な導電性を有し、且つ熱的安定性、化学的耐久性等が非常に良好であり、熱電変換素子として優れた性能を発揮し得るものであることを見出した。そして、この様な熱電変換素子を複数個用い、基板上で直列に接合することによって、小型で高い出力密度を有し、耐久性にも優れた熱電変換モジュールが得られることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の熱電変換素子、熱電変換モジュール及び熱電変換方法を提供するものである。
1. 導電性基板と、該基板上に導電性熱的緩衝材を介して形成されたp型熱電変換材料と、該基板上に導電性熱的緩衝材を介して形成されたn型熱電変換材料とを含み、下記(i)〜(iii)の条件を満足することを特徴とする熱電変換素子:
(i)p型熱電変換材料が、一般式:Caa1 bCoc2 de (式中、A1は、 Na、K、Li、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Pb、Sr、Ba、Al、Bi、Yおよびランタノイドからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、A2は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Mo、W、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、2.2≦a
≦3.6;0≦b≦0.8;2.0≦c≦4.5;0≦d≦2.0;8≦e≦10である。)で表される複合酸化物、及び一般式:BifPbg1 hCoi2 jk(式中、M1は、Na、K、Li、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Pb、Ca、Sr、Ba、Al、Yおよびランタノイドからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、M2は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Mo、W、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、1
.8≦f≦2.2;0≦g≦0.4;1.8≦h≦2.2;1.6≦i≦2.2;0≦j≦0.5;8≦k≦10である。)で表される複合酸化物からなる群から選ばれた少なくとも一種の複合酸化物からなるものであり、
(ii)n型熱電変換材料が、一般式:Lnm1 nNip2 qr(式中、Lnはランタノイ
ドから選択される一種又は二種以上の元素であり、R1は、Na、K、Sr、Ca及びBiからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、R2は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Mo、W、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、0.5≦m
≦1.7;0≦n≦0.5;0.5≦p≦1.2;0≦q≦0.5;2.7≦r≦3.3である。)で表される複合酸化物、及び一般式:(Lns3 t2Niu4 vw(式中、Lnはランタノイドから選択される一種又は二種以上の元素であり、R3は、Na、K、Sr、Ca及びBiからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、R4は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Mo、W、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であ
り、0.5≦s≦1.2;0≦t≦0.5;0.5≦u≦1.2;0≦v≦0.5;3.6≦w≦4.4である。)で表される複合酸化物からなる群から選ばれた少なくとも一種の複合酸化物からなるものであり、
(iii)導電性熱的緩衝材が、接合対象の熱電変換材料と基板との間の熱膨張率を有する
導電性材料からなるものである。
2. 導電性熱的緩衝材が、酸化物及び金属を有効成分として含むものである上記項1に記載の熱電変換素子。
3. 導電性熱的緩衝材に含まれる酸化物が、接合対象の熱電変換材料の構成元素の一部又は全部を構成元素とするものである上記項2に記載の熱電変換素子。
4. 熱電変換材料が、酸化物及び金属を有効成分として含み、両者の混合割合が変動する傾斜組成を有するものである上記項2又は3に記載の熱電変換素子。
5. 導電性基板と熱電変換材料との接合部に、更に、網状材料又は繊維状材料を配置してなる上記項1〜4のいずれかに記載の熱電変換素子。
6. 293〜1073K(絶対温度)の温度範囲において、熱起電力が60μV/K以上である上記項1〜5のいずれかに記載の熱電変換素子。
7. 293〜1073Kの温度範囲において、電気抵抗が200mΩ以下である上記項
1〜6のいずれかに記載の熱電変換材料。
8. 上記項1〜7のいずれか一項に記載された熱電変換素子を複数個用い、一つの熱電変換素子のP型熱電変換材料の未接合の端部を、他の熱電変換素子のn型熱電変換材料の未接合の端部に接続する方法で複数の熱電変換素子を直列に接続してなる熱電変換モジュール。
9. 熱電変換素子の未接合の端部を基板上において接続してなる上記項8に記載の熱電変換モジュール。
10. 熱電変換素子の未接合の端部を、酸化物及び金属を含む導電性を有する接合剤を用いて接続してなる上記項8又は9に記載の熱電変換モジュール。
11.上記項8〜10のいずれかに記載の熱電変換モジュールの一端を高温部に配置し、他端を低温部に配置することを特徴とする熱電変換方法。
本発明の熱電変換素子は、p型熱電変換材料とn型熱電変換材料として、特定の複合酸化物を用い、各熱電変換材料を導電性を有する熱的緩衝材を介して導電性基板に接合したものである。以下、本発明の熱電変換素子について具体的に説明する。
p型熱電変換材料
p型熱電変換材料としては、一般式:Caa1 bCoc2 de (式中、A1は、 Na、K、Li、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Pb、Sr、Ba、Al、Bi、Yおよびランタノイドからな
る群から選択される一種又は二種以上の元素であり、A2は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Mo、W、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、2.2≦
a≦3.6;0≦b≦0.8;2.0≦c≦4.5;0≦d≦2.0;8≦e≦10である。)で表される複合酸化物、及び一般式:BifPbg1 hCoi2 jk(式中、M1
、Na、K、Li、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Pb、Ca、Sr、Ba、Al、Yおよびランタノ
イドからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、M2は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Mo、W、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり
、1.8≦f≦2.2;0≦g≦0.4;1.8≦h≦2.2;1.6≦i≦2.2;0≦j≦0.5;8≦k≦10である。)で表される複合酸化物からなる群から選ばれた少なくとも一種の酸化物を用いる。上記各一般式においてランタノイド元素としては、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Lu等を例示できる。
この様な一般式で表される複合酸化物は、Ca、Co及び0により構成されるCa2Co03という組成比、又はBi、M1及び0により構成されるBi2M1 24という組成比の岩塩型構造を有
する層と、六つの0が一つのCoに八面体配位し、その八面体がお互いに辺を共有するように二次元的に配列したCo02層が交互に積層した構造を有するものであり、前者の場合、Ca2Co03のCaの一部がA1で置換され、さらにこの層のCoの一部及びCo02層のCoの一部がA2によって置換されており、後者ではBiの一部がPb又はM1の一部で置換され、Coの一部がM2によって置換されている。
これらの複合酸化物はp型熱電変換材料として高いゼーベック係数を有し、且つ電気伝導性も良好である。例えば、100K以上の温度で100μV/K程度以上のゼーベック係数と、30mΩcm程度以下の電気抵抗率を有し、温度の上昇とともにゼーベック係数が増加し、電気抵抗率が減少する傾向を示すものを得ることができる。
上記一般式で表される複合酸化物は、単結晶体或いは多結晶焼結体の何れでも良い。
これらの複合酸化物の製造方法については、特に限定はなく、上記した組成を有する単結晶体又は多結晶体を製造できる方法であればよい。
例えば、フラックス法、ゾーンメルト法、引き上げ法、ガラス前駆体を経由するガラス
アニール法等の単結晶製造法、固相反応法、ゾルゲル法等の粉末製造法、スパッタリング法、レーザーアブレーション法、ケミカル・ベーパー・デポジション法等の薄膜製造法等の公知の方法によって上記組成を有する結晶構造の複合酸化物を製造すればよい。
これらの方法の例として、以下、固相反応法による本発明の複合酸化物の製造方法について説明する。
本発明の複合酸化物は、例えば、目的とする複合酸化物の元素成分比率と同様の元素成分比率となるように原料物質を混合し、焼成することによって製造することができる。
焼成温度及び焼成時間については、目的とする複合酸化物が形成される条件とすれば良く、特に限定されないが、例えば、1073〜1373K(絶対温度)程度の温度範囲において、20〜40時間程度焼成すれば良い。尚、原料物質として炭酸塩や有機化合物等を用いる場合には、焼成する前に予め仮焼きして原料物質を分解させた後、焼成して目的の複合酸化物を形成することが好ましい。例えば、原料物質として炭酸塩を用いる場合には、1073〜1173K(絶対温度)程度で10時間程度仮焼きした後、上記した条件で焼成すれば良い。焼成手段は特に限定されず、電気加熱炉、ガス加熱炉等任意の手段を採用できる。焼成雰囲気は、通常、酸素気流中、空気中等の酸化性雰囲気中とすればよいが、原料物質が十分量の酸素を含む場合には、例えば、不活性雰囲気中で焼成することも可能である。生成する複合酸化物中の酸素量は、焼成時の酸素分圧、焼成温度、焼成時間等により制御することができ、酸素分圧が高い程、上記一般式における酸素比率を高くすることができる。
また、ガラス前駆体を経由するガラスアニール法では、まず、原料物質を溶融し、急冷して固化させる。この際の溶融条件は、原料物質を均一に溶融できる条件であれば良いが、溶融容器からの汚染や原料成分の蒸発を防止するためには、例えば、アルミナ製ルツボを用いる場合には、1473〜1673K(絶対温度)程度に加熱して溶融することが好ましい。加熱時間については特に限定はなく、原料物質が均一に溶融するまで加熱すればよく、通常、30分〜1時間程度の加熱時間とすれば良い。加熱手段については、特に限定されず、電気加熱炉、ガス加熱炉等の任意の手段を採用することができる。溶融の際の雰囲気は、例えば空気中や300ml/l程度以下の酸素気流中等の酸素含有雰囲気とすればよいが、原料物質が十分量の酸素を含む場合には、不活性雰囲気で溶融しても良い。
急冷条件については特に限定的ではないが、形成される固化物の少なくとも表面部分がガラス状の非晶質層となる条件で急冷すればよい。例えば、溶融物を金属板上に流し出し、上方から圧縮する等の手段により急冷すればよい。冷却速度は、通常、773K(絶対温度)/秒程度以上とすればよく、103℃/秒以上とすることが好ましい。
次いで、急冷により形成された固化物を酸素含有雰囲気中で熱処理することによって、該固化物の表面から、目的とする複合酸化物が繊維状の単結晶として成長する。
熱処理温度は、1153〜1203K(絶対温度)程度とすればよく、空気中や酸素気流中等の酸素含有雰囲気中で加熱すればよい。酸素気流中で加熱する場合には、例えば、300ml/分程度以下の流量の酸素気流中で加熱すればよい。熱処理時間については、特に限定はなく、目的とする単結晶の成長の程度に応じて決めればよいが、通常、60〜1000時間程度の加熱時間とすればよい。
原料物質の混合割合は、目的とする複合酸化物の組成に応じて決めることができる。具体的には、上記固化物の表面の非晶質層部分から繊維状の複合酸化物単結晶が形成される際に、該非晶質部分の溶融物の組成を液相組成として、これと相平衡にある固相の組成の
酸化物単結晶が成長するので、互いに平衡状態にある融液相と固相(単結晶)の組成の関係によって、出発原料の組成を決めることができる。
この様な方法で得られる複合酸化物単結晶の大きさは、原料物質の種類、組成比、熱処理条件等により変わり得るが、例えば、長さ10〜1000μm程度、幅20〜200μm程度、厚さ1〜5μm程度の繊維状の形状を有するものとなる。
上記したガラス前駆体を経由するガラスアニール法及び固相反応法の何れの方法においても、焼成時の酸素流量により得られる物質の含有酸素量を制御することができ、流量が多いほど含有酸素量も多くなるが、含有酸素量の変化は、複合酸化物の電気的特性に大きな影響を及ばさない。
原料物質は焼成により酸化物を形成し得るものであれば特に限定されず、金属単体、酸化物、各種化合物(炭酸塩等)等が使用できる。Ca源としては、酸化カルシウム(CaO)、塩化カルシウム(CaCl2)、炭酸カルシウム(CaCO3)、硝酸カルシウム(Ca(NO32)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、ジメトキシカルシウム(Ca
(OCH32)、ジエトキシカルシウム(Ca(OC252)、ジプロポキシカルシウ
ム(Ca(OC372)等のアルコキシド化合物等を用いることができ、Co源として
は酸化コバルト(CoO、Co23、Co34)、塩化コバルト(CoCl2)、炭酸コ
バルト(CoCO3)、硝酸コバルト(Co(NO32)、水酸化コバルト(Co(OH
2)、ジプロポキシコバルト(Co(OC372)等のアルコキシド化合物等を用いることができる。その他の元素についても同様に元素単体、酸化物、塩化物、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、アルコキシド化合物等を用いることができる。また、上記複合酸化物の構成元素を二種以上含む化合物を使用してもよい。
n型熱電変換材料
n型熱電変換材料としては、一般式:Lnm1 nNip2 qr(式中、Lnはランタノイ
ドから選択される一種又は二種以上の元素であり、R1は、Na、K、Sr、Ca及びBiからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、R2は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Mo、W、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、0.5≦m
≦1.7;0≦n≦0.5;0.5≦p≦1.2;0≦q≦0.5;2.7≦r≦3.3である。)で表される複合酸化物、及び一般式:(Lns3 t2Niu4 vw(式中、Lnはランタノイドから選択される一種又は二種以上の元素であり、R3は、Na、K、Sr、Ca及びBiからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、R4は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Mo、W、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であ
り、0.5≦s≦1.2;0≦t≦0.5;0.5≦u≦1.2;0≦v≦0.5;3.6≦w≦4.4である。)で表される複合酸化物からなる群から選ばれた少なくとも一種の酸化物を用いる。上記各一般式においてランタノイド元素としては、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Lu等を例示できる。また、m値は、0.5≦m≦1.7であり、好ましくは0.5≦m≦1.2である。
上記各一般式で表される複合酸化物は、負のゼーベック係数を有するものであり、該酸化物からなる材料の両端に温度差を生じさせた場合に、熱起電力により生じる電位は、高温側の方が低温側に比べて高くなり、n型熱電変換材料としての特性を示す。具体的には、上記複合酸化物は、373K以上の温度において負のゼーベック係数を有し、例えば、373K以上の温度で−1〜−20μV/K程度のゼーベック係数を有するものとなる。
更に、上記複合酸化物は、電気伝導性がよく、低い電気抵抗率を示し、例えば、373K以上の温度において、20mΩcm程度以下の電気抵抗率を有するものとすることができる。
上記した複合酸化物は、前者がペロブスカイト型の結晶構造、後者が一般に層状ペロブスカイトと呼ばれる結晶構造を有するものであり、一般に前者がABO3構造、後者がA2BO4
構造とも呼ばれる。どちらの複合酸化物もLnの一部がR1又はR3で置換され、Niの一
部がR2又はR4で置換されいる。
上記複合酸化物の多結晶焼結体は、目的とする複合酸化物の金属成分比率と同様の金属成分比率となるように原料物質を混合し、焼成することによって製造することができる。即ち、上記一般式におけるLn、R1、R2、R3、R4及びNiの金属成分比率となるよう
に原料物質を混合し、焼成することにより、目的とする複合酸化物の多結晶焼結体を得ることができる。
原料物質としては、焼成により酸化物を形成し得るものであれば特に限定されず、金属単体、酸化物、各種化合物(炭酸塩等)等を使用できる。例えば、La源としては、酸化ランタン(La23)、炭酸ランタン(La2(CO33)、硝酸ランタン(La(NO33)、塩化ランタン(LaCl3)、水酸化ランタン(La(OH)3)、アルコキシド
化合物(ジメトキシランタン(La(OCH33)、ジエトキシランタン(La(OC2
53)、ジプロポキシランタン(La(OC373)等)等を使用でき、Ni源とし
ては、酸化ニッケル(NiO)、硝酸ニッケル(Ni(NO32)、塩化ニッケル(NiCl2)、水酸化ニッケル(Ni(OH)2)、アルコキシド化合物(ジメトキシニッケル(Ni(OCH32)、ジエトキシニッケル(Ni(OC252)、ジプロポキシニッ
ケル(Ni(OC372)等)等を使用できる。その他の元素についても同様に酸化物
、塩化物、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、アルコキシド化合物を用いることができる。また本発明の複合酸化物の構成元素を二種以上含む化合物を使用してもよい。
焼成温度及び焼成時間については、目的とする複合酸化物が形成される条件とすればよく、特に限定されないが、例えば、1123〜1273K(絶対温度)程度の温度範囲において、20時間〜40時間程度焼成すればよい。尚、原料物質として炭酸塩や有機化合物等を用いる場合には、焼成する前に予め仮焼して原料物質を分解させた後、焼成して目的の複合酸化物を形成することが好ましい。例えば、原料物質として、炭酸塩を用いる場合には、873〜1073K(絶対温度)程度で10時間程度仮焼した後、上記した条件で焼成すればよい。
焼成手段は特に限定されず、電気加熱炉、ガス加熱炉等任意の手段を採用できる。焼成雰囲気は、通常、酸素気流中、空気中等の酸化性雰囲気中とすればよいが、原料物質が十分量の酸素を含む場合には、例えば、不活性雰囲気中で焼成することも可能である。
生成する複合酸化物中の酸素量は、焼成時の酸素分圧、焼成温度、焼成時間等により制御することができ、酸素分圧が高い程、上記一般式における酸素比率を高くすることができるが、熱電特性には大きな影響を与えない。
また、上記したp型熱電変換材料として用いる複合酸化物と同様に、例えば、フラックス法などの方法によって単結晶体として製造することも可能である。
導電性熱的緩衝材
導電性熱的緩衝材としては、接合対象となる熱電変換材料と導電性基板との間の熱膨張率を有する材料であって、良好な導電性を有するものであれば、特に限定なく使用できる。該熱電変換材料は、熱電変換素子全体の抵抗に占める該熱的緩衝材層の抵抗の割合が50%程度以下となる程度の導電性を有することが好ましく、10%程度以下となる程度の導電性を有することがより好ましく、5%程度以下となる程度の導電性を有することが更に
好ましい。
該導電性熱的緩衝材は、酸化物と金属の混合物を有効成分として含むものであることが好ましい。この様な混合物における酸化物としては、導電性酸化物を用いることができるが、その他、形成される熱的緩衝材層の抵抗の割合が熱電変換素子全体の抵抗の50%程度以下となる限り、酸化物の一部又は全部として、アルミナ、マグネシア等の絶縁性酸化物を用いてもよい。
酸化物を構成する元素の種類についても、特に限定はないが、熱電変換素子を高温で使用する際に、熱的緩衝材と熱電変換材料との反応による特性の変化を防止するために、接合対象となる熱電変換材料の構成元素のみからなる酸化物を用いることが好ましい。この場合、熱的緩衝材として、必ずしも熱電変換材料を構成する酸化物の全ての構成元素を含む酸化物を用いる必要はなく、熱電変換材料を構成する元素の一部又は全部を構成元素とする酸化物を用いればよい。特に、熱電変換材料と同一の元素からなる複合酸化物を用いることが好ましく、熱電変換材料と同一の組成の複合酸化物を用いることがより好ましい。この様な複合酸化物は、良好な導電性を有する点においても、好適な酸化物である。
金属としては、導電性の良好な金属であればよいが、高温における変質が生じ難い点で、銀、金、白金等の貴金属、これらの貴金属を含む合金などを用いることが好ましい。貴金属を含む合金は、貴金属の含有量が30重量%程度以上であることが好ましく、70重量%程度以上であることがより好ましい。
酸化物と金属の混合割合は、使用する酸化物及び金属の種類によって異なり、特に限定されないが、接合対象となる熱電変換材料と導電性基板との間の熱膨張率を有し、且つ良好な導電性を有するものとなるように混合割合を決めればよい。特に、形成される熱的緩衝材の電気抵抗率が、熱電変換材料の電気抵抗と同程度又はそれより低い値となる割合で混合することが好ましい。通常、酸化物:金属(重量比)=1:9〜9:1程度の広い範囲の混合割合で用いることができる。
更に、熱電変換材料と導電性基板との接合強度を向上させ、熱的応力の緩和作用を大きくするために、酸化物と金属の混合割合を徐々に変化させた傾斜組成とすることができる。具体的には、熱電変換材料との接合部分については酸化物の配合割合を多くし、導電性基板との接合部分については金属の配合割合を多くして、両者の混合割合を徐々に変化させた二層又はそれ以上の多層構造とすればよい。このような多層構造の熱的緩衝材の一例として、熱電変換材料側から順に、酸化物:金属(重量比)を9:1、8:2、6:4、4:6、2:8、1:9と変化させた傾斜構造の熱的緩衝材を挙げることができる。
熱的緩衝材層の形成方法については後述するが、これらの方法の内で、酸化物粉末及び金属粉末を用いる方法では、酸化物粉末と金属粉末の粒径については特に限定はないが、通常、酸化物粉末については、80%程度以上の個数の粒子が粒径50μm程度以下であることが好ましく、1〜10μm程度であることがより好ましい。金属粉末については、80%程度以上の個数の粒子が粒径0.1〜30μm程度の範囲内にあることが好ましい。
更に、酸化物及び金属の一部又は全部として、繊維状の材料を用いても良い。この様な繊維状材料を配合することによって、熱的応力の緩和作用をより大きくすることができる。
繊維状物の形状は特に限定されず、例えば、断面が、一辺が0.1〜300μm程度の四角形又は直径が0.1〜300μm程度の円形であって、長さが0.01〜5mm程度
の繊維状物を用いることができる。
導電性基板
導電性基板としては、上記したp型熱電変換材料とn型熱電変換材料を接続可能な導電性を有する材料であればよい。例えば、シート状等の導電性金属からなる基板、絶縁性セラミックスに導電層を設けた基板などを用いることができる。
導電性金属からなる基板としては、高温での安定性を考慮すれば、例えば、銀、金、白金などの貴金属、これらの貴金属を30重量%程度以上、好ましくは70重量%程度以上含む貴金属合金などからなる厚さ10μm〜3mm程度の金属シートを用いることができる。
絶縁性セラミックスとしては、1073K程度の高温の空気中においても酸化されない材料を用いることが好ましい。例えば、アルミナなどの酸化物セラミックスからなる基板を用いることができる。
絶縁性セラミックス上に形成する導電層としては、高温の空気中で酸化されることがなく、低い電気抵抗を有するものであればよく、例えば、銀、金、白金などの貴金属、これらの貴金属を30重量%程度以上、好ましくは70重量%程度以上含む合金等によって形成すればよい。導電層は、絶縁性セラミックス上に導電性皮膜を形成する方法、絶縁性セラミックス上に金属シートを接着する方法などによって形成することができる。これらの内で、導電性皮膜は、例えば、蒸着法、金属成分を含むペーストを塗布し焼き付ける方法等によって形成することができる。金属シートとしては、例えば、厚さ10μm〜3mm程度のシートを用いることができる。金属シートを絶縁性セラミックス上に接着するには、高温の空気中においても絶縁性セラミックスに金属シートを安定性して接着できる接着剤を用いればよく、例えば、上記した貴金属ペーストを用いることができる。
導電性基板の長さ、幅、厚さなどは、モジュールの大きさ、電気抵抗等に合わせて適宜設定すればよい。熱電変換素子あるいは熱電発電モジュールが被る熱履歴を考慮すると、導電性基板の熱膨張率は、熱電変換材料の熱膨張率に近いことが好ましい。また、熱電変換素子の高温部に熱源からの熱を効率よく伝え、更に、低温部から熱を効率よく放散するためには、熱伝導度が大きい材質の基板を選択するか、基板を薄くすることが望ましい。
熱電変換素子
本発明の熱電変換素子は、導電性基板上に、p型熱電変換材料とn型熱電変換材料を、それぞれ導電性熱的緩衝材を介して接続したものである。
この場合、p型熱電変換材料とn型熱電変換材料の熱起電力の絶対値の和が、例えば、293〜1073K(絶対温度)の範囲の全ての温度において60μV/K程度以上、好ましくは100μV/K程度以上となるように熱電変換材料を組合せて用いることが好ましい。また、両材料とも、293〜1073K(絶対温度)の範囲の全ての温度において電気抵抗率が100mΩcm程度以下、好ましくは50mΩcm程度以下、さらに好ましくは10mΩcm程度以下であることが好ましい。
使用するp型熱電変換材料及びn型熱電変換材料の形状、大きさ等については、特に限定されるものではなく、目的とする熱電変換モジュールの大きさ、形状等に応じて、必要な熱電性能を発揮できるように適宜決めればよい。例えば、一辺が1μm〜10cm程度の断面と100μm〜20cm程度の長さを有する直方体状の材料や、断面の直径が1μm〜10cmであって、長さが100μm〜20cm程度の円柱状の材料として用いることができる。
導電性基板上に導電性熱的緩衝材を介して熱電変換材料を接続する方法については特に限定はなく、これらの各材料を十分な強度で接続できる方法であればよい。
例えば、p型熱電材変換材料及びn型熱電変換材料のそれぞれと、導電性基板との接合部に熱的緩衝材の層を形成し、熱電材変換材料、熱的緩衝材及び導電性基板を同時に焼結させることによって、p型熱電変換材料とn型熱電変換材料がそれぞれ熱的緩衝材を介して導電性基板に接続された熱電変換素子を得ることができる。
導電性基板と熱電変換材料との接合部に熱的緩衝材の層を形成する方法としては、例えば、酸化物粉末と金属粉末の混合物を加圧成形し、この加圧成形体を熱電変換材料と導電性基板の間に配置する方法;酸化物粉末と金属粉末に更に樹脂成分と溶媒成分を加えてペースト状とし、このペーストから溶媒成分を蒸発させて酸化物粉末と金属粉末を含むフィルムを形成し、得られたフィルムを熱電変換材料と導電性基板の間に配置する方法;レーザーアブラーション法、真空蒸着法等の気相堆積法によって熱電変換材料又は導電性基板の接合面に熱的緩衝材の層を形成する方法;酸化物粉末及び金属粉末を含む溶液を、刷毛塗り、スピンコート、吹き付けなどの方法で熱電変換材料又は導電性基板の接合面に塗布する方法等の各種方法を適用できる。
酸化物と金属の混合割合を徐々に変化させた傾斜組成の熱的緩衝材層を形成する場合にも、上記した方法を適宜適用すればよい。例えば、酸化物と金属の混合割合の異なる複数のフィルムを形成し、これらのフィルムを積層することによって、傾斜組成の熱的緩衝材層を形成することができる。
この様な方法で導電性基板と熱電変換材料の接合面に熱的緩衝材層を形成し、導電性基板と熱電変換材料を所定の位置に配置した後、加熱して焼結させることによって目的とする熱電変換素子を得ることができる。加熱条件については、特に限定的ではなく、導電性基板、熱的緩衝材及び熱電変換材料が焼結して十分な接合強度となる条件であればよい。例えば、773〜1273K程度の加熱温度とすることができる。この際、接合強度を高くするために、接合面に垂直方向に加圧しながら加熱しても良い。
加熱雰囲気については、特に限定はなく、各材料が変質しない雰囲気であれば良く、例えば空気中、酸素気流中などの酸化性雰囲気、真空中、窒素ガス中などの非酸化性雰囲気などを適用できる。
尚、熱的緩衝材の層を形成する原料として、炭酸塩、塩化物、硝酸塩、水酸化物、アルコキシド化合物等の熱処理によって目的の酸化物を形成できる材料を用い、上記した各種方法で熱的緩衝材の層を形成した後、熱処理によって目的の酸化物を形成しても良い。反応温度としては、例えば、673〜1273K(絶対温度)程度とすればよい。この場合、各材料を焼結させるための熱処理を行うことによって、一回の熱処理によって、酸化物の形成と焼結による接合を同時に行うことが可能である。
熱的緩衝材層の厚さについては特に限定的ではなく、使用する熱電変換材料の種類、大きさなどに応じて、良好な熱的緩衝効果を発揮でき、十分な導電性を維持できるように適宜決めればよい。通常熱電変換材料の厚さに対して、0.01〜20%程度の厚さとすることが好ましく、0.1〜5%程度の厚さとすることがより好ましい。
特に、熱電変換素子全体の抵抗に占める接合部の抵抗の割合が50%程度以下となるように、接合条件を設定することが好ましく、10%程度以下となるように設定することがより好ましく、5%程度以下となるように設定することが更に好ましい。また、接合した
際に、293〜1073K(絶対温度)の全ての範囲において素子の熱起電力が60μV/K以上、電気抵抗が200mΩ以下の特性を維持できる方法が好ましい。
傾斜組成の熱的緩衝材層を形成する場合には、合計の厚さが上記した条件を満足すれば良く、各層の厚さは、傾斜組成の層数に応じて適宜決めればよい。
更に、導電性基板と熱電変換材料の接合部には、熱的緩衝材の他に、網状材料又は繊維状材料を配置しても良い。網状材料又は繊維状材料を配置することによって、高い接合強度を発揮でき、熱的応力の緩和作用もより向上する。
網状材料としては、高い接合強度を発揮でき、且つ良好な導電性を有する材料であればよい。特に、高温において変質が生じ難い点で、熱的緩衝材で用いる金属と同様に、銀、金、白金等の貴金属、これらの貴金属を含む合金などからなる金属製網を用いることが好ましく、特に、熱的緩衝材中に配合した金属成分又は導電性基板の表面の金属成分と同一の金属を用いることが好ましい。また、酸化アルミニウム(Al23)や酸化マグネシウム(MgO)等のセラミックス製網などを用いることもできる。
網状材料としては、例えば、線径が10〜300μm程度で10〜200メッシュ/イ
ンチ程度のものを用いることができる。網状材料の形状については特に限定はないが、例えば、接合部の形状と同一の形状又は接合部より小さい形状とすればよい。
繊維状材料としては、上記した熱的緩衝材中に配合できる繊維状物と同様の材料を使用できる。
網状材料又は繊維状材料を配置する位置については特に限定はなく、導電性基板と熱的緩衝材の間、熱的緩衝材と熱電変換材料の間などに設置できる。更に、熱的緩衝材の層を複数形成する場合には、熱的緩衝材の層間に網状材料又は繊維状材料を配置しても良い。この様な方法で網状材料又は繊維状材料を設置することによって、熱的応力の緩和効果をより向上させることができる。特に、金属製の網状材料又は繊維状材料を用いる場合には、導線性基板と熱的緩衝材との間に設置し、セラミックス製の網状材料又は繊維状材料を用いる場合には、熱的緩衝材と熱電変換材料との間に設置することによって、接合強度を更に向上させる効果も奏される。
網状材料又は繊維状材料を含む熱電変換素子は、上記した各種方法で、焼結によって熱電変換素子を作製する際に、所定の設置位置に網状材料又は繊維状材料を配置して同時に焼結させればよい。
以下、図面を参照して本発明の熱電変換素子の具体例を示す。
図1は、導電性基板と熱電変換材料との間に熱的緩衝材層を形成した熱電変換素子の一例を模式的に示す断面図である。図1の(I)は、絶縁性基板1上に導電層2を形成した導電性基板を用い、この上にp型熱電変換材料用熱的緩衝材3を介してp型熱電変換材料5を接合し、n型熱電変換材料用熱的緩衝材4を介してn型熱電変換材料6を接合してなる熱電変換素子を示すものである。図1の(II)は、金属シート7を導電性基板として用い、この上に、p型熱電変換材料用熱的緩衝材3を介してp型熱電変換材料5を接合し、n型熱電変換材料用熱的緩衝材4を介してn型熱電変換材料6を接合してなる熱電変換素子を示すものである。
図2は、導電性基板と熱電変換材料との間に、熱的緩衝材層と、網状材料又は繊維状を配置した熱電変換素子の一例を模式的に示す断面図である。図2(I)は、絶縁性基板1
上に導電層2を形成した導電性基板を用い、p型熱電変換材料5の接合部には、p型熱電変換材料用熱的緩衝材3と網状材料又は繊維状材料8をこの順序で積層し、n型熱電変換材料の接合部には、n型熱電変換材料用熱的緩衝材4と網状材料又は繊維状材料8をこの順序で積層し、これらを介してp型熱電変換材料5とn型熱電変換材料6をそれぞれ接合した熱電変換素子を示すものである。図2(II)は、絶縁性基板1上に導電層2を形成した導電性基板を用い、p型熱電変換材料5の接合部には、網状材料又は繊維状材料8とp型熱電変換材料用熱的緩衝材3をこの順序で積層し、n型熱電変換材料の接合部には網状材料又は繊維状材料8とn型熱電変換材料用熱的緩衝材4をこの順序で積層し、これらを介してp型熱電変換材料5とn型熱電変換材料6をそれぞれ接合した熱電変換素子を示すものである。図2(III)は、絶縁性基板1上に導電層2を形成した導電性基板を用い、
2層のp型熱電変換材料用熱的緩衝材3の層間に網状材料又は繊維状材料8を配置し、2層のn型熱電変換材料用熱的緩衝材4の層間に網状材料又は繊維状材料8を配置し、これらを介してp型熱電変換材料5とn型熱電変換材料6をそれぞれ接合した熱電変換素子を示すものである。
上記した図1及び図2に示す熱的緩衝材層は、酸化物と金属の混合割合が一定でもよく、或いは、熱電変換材料との接合部分では酸化物の配合割合が多く、導電性基板との接合部分では金属の配合割合が多い、傾斜組成の層であっても良い。
熱電変換モジュール
本発明の熱電変換モジュールは、上記した熱電変換素子を複数個用い、一つの熱電変換素子のp型熱電変換材料の未接合の端部を、他の熱電変換素子のn型熱電変換材料の未接合の端部に接続する方法で複数の熱電変換素子を直列に接続したものである。
通常は、導電性を有する接合剤を用いて、一つの熱電変換素子のp型熱電変換材料の端部と、他の熱電変換素子のn型熱電変換材料の端部を基板上において電気的に接続すればよい。
図3に、一例として、接合剤用いて基板上に複数の熱電変換素子を接続した熱電変換モジュールの概略図を示す。この熱電変換モジュールは、絶縁性基板上の熱電変換素子の接合部に部分的に導電性を有する皮膜を形成し、この皮膜にp型熱電変換材料の端部と他の熱電変換素子のn型熱電変換材料の端部を、それぞれ導電性を有する接合剤を用いて接合することにより、p型熱電変換材料とn型熱電変換材料を電気的に接続したものである。
図3の熱電変換モジュールで用いる各熱電変換素子は、金属シートからなる導電性基板上にp型熱電変換材料の一端とn型熱電変換材料の一端を、それぞれ網状材料と熱的緩衝材を介して接合した熱電変換素子であり、図2(II)に示した形状の熱電変換素子において、導電性基板として金属シートを用いたものである。
熱電変換モジュールに用いる絶縁性基板は、主として、均熱性や機械強度の向上、電気的絶縁性の保持等の目的で用いられるものである。基板の材質は特に限定されないが、675K程度以上の高温において、溶融、破損等を生じることが無く、化学的に安定であり、しかも熱電変換材料、接合剤等と反応しない、絶縁体であって熱伝導性がよい材料を用いることが好ましい。熱伝導性が高い基板を用いることによって、素子の高温部分の温度を高温熱源の温度に近づけることができ、発生電圧値を高くすることが可能となる。また、本発明で用いる熱電変換材料が酸化物であることから、熱膨張率などを考慮すると、基板材料としては、アルミナ等の酸化物セラミックスを用いることが好ましい。
該絶縁性基板上のp型熱電変換材料とn型熱電変換材料の接合部分に部分的に形成する導電性を有する皮膜は、例えば、銀、金、白金などの貴金属、これらの貴金属を30重量
%程度以上、好ましくは70重量%程度以上含む合金等を用いて形成すればよい。この様な皮膜は、例えば、これらの金属をペーストを塗布し焼き付ける方法、蒸着法などによって形成することができる。
導電性を有する接合剤としては、高温においても溶融することなく、化学的に安定であり、低抵抗を維持できるものを用いればよい。例えば、金、銀、白金、これらの合金等の貴金属を含むペースト、ハンダ等を用いることができるが、特に、上記した熱電変換素子を作製するために用いる熱的緩衝材と同様に、酸化物と金属を含む接合剤を用いることによって、高温での使用時に発生する熱応力を緩和することができる。特に、熱電モジュールの使用時に、絶縁性基板を高温側に配置する場合には、酸化物と金属を含む接合剤を用いることが好ましい。この場合、酸化物としては、熱的緩衝材と同様に、導電性酸化物及び絶縁性酸化物の何れを用いても良いが、特に、接合対象の熱電変換材料を構成する元素の一部又は全部の元素から構成される導電性酸化物を用いることが好ましい。金属としても、熱的緩衝材と同様に、高温における変質が生じ難い点で、銀、金、白金等の貴金属、これらの貴金属を含む合金などを用いることが好ましい。酸化物と金属の混合比も熱的緩衝材と同様でよく、熱的緩衝材と同様に傾斜組成とすることによって、熱的応力の緩和作用をより大きくすることができる。導電性を有する接合剤の導電性の程度についても、熱的緩衝材と同様とすればよい。
従って、導電性を有する結合剤として、前述した熱的緩衝材と同様の材料を用いることができり、これにより、熱電変換素子と絶縁性基板との接合部分に発生する熱的応力を効果的に緩和することができる。
酸化物と金属を含む接合剤は、熱的緩衝材層の形成方法と同様にして、酸化物粉末と金属粉末の混合物を加圧成形し、この加圧成形体を熱電変換素子の未接合の端部と基板上の導電性皮膜と間に配置する方法;酸化物粉末と金属粉末に更に樹脂成分と溶媒成分を加えてペースト状とし、このペーストから溶媒成分を蒸発させて酸化物粉末と金属粉末を含むフィルムを形成し、得られたフィルムを熱電変換素子の未接合の端部と基板上の導電性皮膜と間に配置する方法;レーザーアブレーション法、真空蒸着法等の気相堆積法によって熱電変換素子の未接合の端部又は基板上の導電性皮膜面に接合剤層を形成する方法;酸化物粉末及び金属粉末を含む溶液を、刷毛塗り、スピンコート、吹き付けなどの方法で熱電変換素子の未接合の端部又は基板上の導電性皮膜面に塗布する方法等の各種方法で、熱電変換素子の未接合の端部の接続部分に配置することができる。
更に、熱的緩衝材と同様に、酸化物と金属の混合物中には、金属繊維、酸化物繊維などを配合することによって、熱応力の緩和作用をより大きくすることができる。
また、熱電変換材料と基板の導電性皮膜との接合部分には、網状材料又は繊維状材料を配置することによって、熱応力をより緩和することができる。
各熱電変換素子を絶縁性基板に接合する方法としては、例えば、各材料を所定の位置に配置した後、熱電変換素子を作製する場合と同様にして加熱して焼結させればよい。
一つのモジュールに用いる熱電変換素子の数は限定されず、必要とする電力により任意に選択することができる。図4は、84個の熱電変換素子を用いたモジュールの概略の構造を示すものである。モジュールの出力は、熱電変換素子の出力に熱電変換素子の使用数を乗じたものとほぼ等しい値となる。
また、本発明の熱電変換モジュールでは、絶縁性基板上に設置した複数の熱電変換素子の間に生じる隙間部分や、各熱電変換素子におけるp型熱電変換材料とn型熱電変換材料
との間の隙間部分等に断熱材を配置しても良い。この様な断熱材を配置することによって、熱電変換モジュールの使用時に高温側の基板から生じる輻射熱による低温部の温度上昇を抑制して、熱電変換効率を向上させることができる。断熱材の配置方法については、特に限定はなく、各熱電変換素子を接合した後、隙間部分に断熱材を充填しても良いが、予め隙間部分の形状に一致する断熱材を成形して絶縁性基板上に配置し、その後各熱電変換素子を所定の位置に配置して、焼結により接合する方法によれば、各熱電変換素子における熱電変換材料間にも断熱材を効率よく配置することができ、更に、焼結による各素子の接合操作も容易になる。断熱材としては、焼結時の高温にも変質が生じることのない、ケイ酸カルシウム、多孔質アルミナ等の高温耐久性の高い材料を用いることが好ましい。
本発明の熱電変換モジュールは、その一端を高温部に配置し、他端を低温部に配置することによって電圧を発生することができ、外部負荷を接続することで電気エネルギーを発生させることができる。例えば、図3のモジュールでは、セラミック基板面を高温部に配置し、他端を低温部に配置すればよい。尚、本発明の熱電変換モジュールは、この様な設置方法に限定されず、いずれか一端を高温側に配置し、他端を低温部側に配置すればよく、例えば、図3のモジュールについては、高温部側と低温部側を反対にして設置しても良い。
高温部の熱源としては、例えば、自動車エンジン、工場、火力乃至原子力発電所、溶融炭酸塩型(MCFC)、水素膜分離型(HMFC)、固体酸化物型(SOFC)等の各種燃料電池やガスエンジン型あるいはガスタービン型等の各種コジェネレーションシステムから出る200℃程度以上の高温熱や、太陽熱、熱湯、体温等20〜200℃程度の低温熱等を用いることができる。
本発明によれば、高い熱電変換効率を有し且つ熱的安定性、化学的耐久性等に優れた熱電変換素子を得ることができる。また、本発明によって各種構造の熱電変換素子が提供されることから、熱電変換モジュールの使用目的やコストなどに応じて、最適な熱電変換素子を容易に得ることができる。
また、この様な熱電変換素子を用いた本発明の熱電変換モジュールは、熱耐久性に優れたものであり、高温部を700℃程度の高温から室温まで急冷しても、破損することがなく、発電特性も劣化し難いものである。
この様に、本発明の熱電変換モジュールは、熱衝撃にも強いことから、工場やゴミ焼却炉、火力・原子力発電所、各種燃料電池やコジェネレーションシステム等の廃熱利用だけではなく、温度変化が激しいため従来のモジュールでは接合部が破損することの多い自動車エンジンの熱を利用した熱電発電への応用も可能である。
さらには200℃程度以下の熱エネルギーからも発電が可能であることから、熱源を装着することにより、携帯電話やノートパソコンなど移動機器用の充電が不要な電源としても利用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
(1)p型熱電変換材料の作製
原料として、炭酸カルシウム、酸化ビスマスおよび酸化コバルトを用い、化学式:Ca 2.7Bi0.3Co4O9.3で表される複合酸化物と同様の元素比となるように原料物質を混合し、大気
圧中において、1073Kで10時間仮焼きした。次いで、得られた焼成物を粉砕し、加圧成型して、300ml/分の酸素ガス気流中で1153Kで20時間焼成した。その後
、得られた焼成物を粉砕、加圧成形し、空気中で10MPaの一軸加圧下に、1123K
で20時間のホットプレス焼結を行い、p型熱電変換材料用の複合酸化物を作製した。
得られたp型熱電変換材料用の複合酸化物について、ホットプレス時の加圧軸に平行な面を4mm×4mm、加圧面内に長さ5mmで直方体状に切り出し成形して、p型熱電変換材料を作製した。
(2)n型熱電変換材料の作製
原料として、La, Bi及びNiの各硝酸塩を用い、化学式:La0.9Bi0.1NiO3.0で表される複合酸化物と同様の元素比となるように原料物質を秤量し、アルミナるつぼ中で蒸留水に溶解し攪拌混合した後、得られた水溶液を加熱して水を蒸発させて、乾固した。乾固物を大気中、873Kで20時間加熱し、得られた焼成物を粉砕、混合した後、加圧成形し、300ml/分の酸素ガス気流中で1123Kで20時間焼成した。次いで、焼成物を粉
砕し混合して、加圧成形後、再度、300ml/分の酸素ガス気流中で1273Kで20
時間焼成した。次いで、得られた焼成物を粉砕して、加圧成形した後、空気中で10MPaの一軸下に、1173Kで20時間のホットプレス焼結を行って、n型熱電変換材料用
の複合酸化物を作製した。
得られたn型熱電変換材料用の複合酸化物について、ホットプレス時の加圧軸に平行な面を4mm×4mm、加圧面内に長さ5mmで直方体状に切り出し成形して、n型熱電変換材料を作製した。
(3)p型熱電変換材料用熱的緩衝材の作製
上記したp型熱電変換材料用複合酸化物の作製方法において、ホットプレス焼結前の酸化物をボールミル粉砕して、最も長い辺が1〜20μmの結晶粒が、全結晶粒数の90%以上を占める酸化物粉末を作製した。
この酸化物粉末と平均粒径が45μm程度の銀粉末を、酸化物:銀(重量比)=5:5となるように混合し、めのう乳鉢と乳棒を用いて十分に混合した。これに、6.67g/リットルの水酸化メチルセルロース水溶液を酸化物と銀の総重量2gに対して約60ml加え、混合した。この水溶液中には水酸化メチルセルロースを容易に溶解するために1リットル当たり10〜50ミリリットルのエタノール及びアセトンが混合されている。
得られた水溶液6ミリリットルを12cm×8.5cmで深さ1cmのプラスチック製容器に流し込み、均一な厚さになるように拡げた。これを容器ごと60℃で2〜3時間加熱し、溶媒を蒸発させて、厚さ約10μmのフィルムを作製した。さらに容器内のフィルム上に同じ水溶液を6ミリリットル流し込み均一の厚さになるように拡げ、同様に乾燥した。この操作を計4回繰り返し、厚さ約40μmの銀と酸化物が均一に分散したフィルムを作製した。このフィルムを5mm角に切断して、p型熱電変換材料用熱的緩衝材層の形成用フィルムを得た。
(4)n型熱電変換材料用熱的緩衝材の作製
上記したn型熱電変換材料用複合酸化物の作製方法において、ホットプレス焼結前の酸化物をボールミル粉砕して、最も長い辺が1〜20μmの結晶粒が全結晶粒数の90%以上を占める酸化物粉末を作製した。
この酸化物粉末を用いること以外は、上記したp型熱電変換材料用熱的緩衝材の作製方法と同様にして、厚さ約40μmの銀と酸化物が均一に分散したフィルムを作製した。こ
のフィルムを5mm角に切断して、n型熱電変換材料用熱的緩衝材層の形成用フィルムを得た。
(5)熱電変換素子の作製
長さ10mm、幅5mm、厚さ1mmのアルミナ基板の片側の表面に銀ペーストを塗布し、100℃で有機溶媒を1時間かけ蒸発させた。その後800℃で15分間加熱し、アルミナ基板に銀薄膜からなる導電性皮膜を形成することにより、導電性基板を得た。
この導電性基板の導電性皮膜上に、p型熱電変換材料用熱的緩衝材層の形成用フィルムとn型熱電変換材料用熱的緩衝材層の形成用フィルムを、それぞれ一枚ずつ重ならないように載せ、更に、各フィルム上にp型熱電変換材料とn型熱電変換材料を載せた。
次いで、アルミナ基板面に垂直に圧力がかかるように0.1トンの圧力で加圧しながら、800℃、空気中で10時間熱処理を行って、熱電変換素子を得た。得られた素子は、図1の(I)に示す形状を有するものである。
加熱急冷試験結果
得られた熱電変換素子について、電気炉内で1073K(絶対温度)で1時間加熱した後、高温のまま炉外に取り出し、急冷を行う試験を5回繰り返して、加熱急冷試験を行った。
加熱急冷試験後のp型熱電変換材料の接合部分の断面の走査型電子顕微鏡写真を図4に示す。
また、比較例として、熱的緩衝材を用いること無く、その他は実施例1と同様の方法で得られた熱電変換素子について、上記した加熱急冷試験後のp型熱電変換材料の接合部分の断面の走査型電子顕微鏡写真も図4に示す。
これらの顕微鏡写真から明らかなように、比較例の熱電変換素子では、銀皮膜と熱電変換材料の界面において剥離が観察されるのに対して、接合部に熱的緩衝材を配置した実施例1の熱電変換素子では、銀皮膜と緩衝材の界面及び緩衝材と熱電変換材料の界面のどちらの界面も隙間無く密着しており、熱応力に対する優れた耐久性が認められた。この様な良好な密着性は、後述する全ての実施例においても認められた。
更に、上記した加熱急冷試験後の実施例1と比較例の各熱電変換素子について、温度と内部抵抗との関係を図5のグラフに示す。このグラフから、実施例1の素子では、加熱急冷試験後に抵抗増加がほとんど認められないことが判る。後述するすべての実施例においても同様の結果であった。
以上の結果より、本発明の熱電変換素子は、熱電変換材料と導電性基板の接合部の熱的応力に対する耐久性が高く、良好な電気的特性を長時間維持できることが判る。従って、本発明の熱電変換素子を用いた熱電変換モジュールは、高い発電性能を有するものと判断できる。
実施例2〜5
熱電変換材料、熱的緩衝材及びアルミナ基板上に形成する導電性皮膜として下記表1に示す材料を用いること以外は、実施例1と同様にして熱電変換素子を作製した。得られた熱電変換素子は、図1の(I)に示す形状を有するものである。
Figure 2006049796
実施例6
長さ10mm、幅5mm、厚さ100μmの銀シートを導電性基板として用いること以外は、実施例1と同様にして熱電変換素子を作製した。
得られた熱電変換素子は、図1の(II)に示す形状を有するものである。
実施例7〜9
熱電変換材料、熱的緩衝材及び導電性基板として下記表2に示す材料を用いること以外は、実施例6と同様にして熱電変換素子を作製した。
得られた熱電変換素子は、図1の(II)に示す形状を有するものである。
Figure 2006049796
実施例10
導電性基板、熱電変換材料及び熱的緩衝材として実施例1と同一の材料を用いて、下記の方法で熱電変換材料と導電性基板の接合部に、熱的緩衝材と網状又は繊維状材料を有する熱電変換材料を作製した。
まず、アルミナ基板の導電性皮膜上に、p型熱電変換材料用熱的緩衝材層の形成用フィルムとn型熱電変換材料用熱的緩衝材層の形成用フィルムを一枚ずつ重ならないように載せ、各フィルム上に、線径が100μmで、40メッシュ/インチの銀網を載せ、更に、各銀網の上に、それぞれp型熱電変換材料とn型熱電変換材料を載せた。
次いで、アルミナ基板面に垂直に圧力がかかるように0.1トンの圧力で加圧しながら、800℃、空気中で10時間熱処理を行って、熱電変換素子を得た。得られた素子は、図2の(I)に示す形状を有するものである。
実施例11〜14
熱電変換材料、熱的緩衝材及びアルミナ基板上に形成する導電性皮膜として下記表3に示す材料を用いた。
また、網状材料又は繊維状材料として下記表3に示す材料を用い、その挿入位置は、実施例10と同様に熱電変換材料と熱的緩衝材の間とした。
以上の条件を満足すること以外は、実施例10と同様にして熱電変換素子を得た。得られた素子は、図2の(I)に示す形状を有するものである。
尚、実施例11と実施例13で用いた酸化物ウィスカーは以下の方法で作製した。
まず、Bi:Ca:Sr:Coの原子比が1:1:1:2又は1:1:1:1となるようBi2O3,CaCO3,SrCO3,及びCo3O4粉末を混合し、アルミナるつぼを用い、1300℃の空気中で30分間融解させた。この融液を2枚の銅板間に挟み込み急冷、凝固させ、ガラス状前駆体を得た。このガラス状前
駆体をアルミボードにのせ、1:1:1:2前駆体は930℃、1:1:1:1前駆体は900℃で、酸素気流中で100時間熱処理をした。室温まで冷却後前駆体表面から生えたウィスカーをピンセッ
トを用いて刈り取り、1:1:1:1の前駆体からはBi1.82.5Sr1.12.5Ca00.8Co2O8.5
10の組成を有するBi2Sr2Co2O9相、1:1:1:2の前駆体からCa2.23.2Sr0~0.2Bi0.10.5Co4O8.5~10の組成を有するCa3Co4O9相のウィスカーが得られた。このようにして得られたウィスカーの使用量は、p型熱電変換材料の接合部とn型熱電変換材料の接合部にそれぞれ5mgとした。
Figure 2006049796
実施例15
長さ10mm、幅5mm、厚さ100μmの銀シートを導電性基板として用いること以外は、実施例10と同様にして熱電変換素子を作製した。得られた素子は、図2の(I)に示す形状の熱電変換素子において、導電性基板として銀シートを用いたものである。
実施例16〜19
熱電変換材料、熱的緩衝材及び導電性基板として下記表4に示す材料を用いた。
また、網状材料又は繊維状材料として下記表4に示す材料を用い、その挿入位置は、実施例15と同様に熱電変換材料と熱的緩衝材の間とした。
以上の条件を満足すること以外は、実施例15と同様にして熱電変換素子を得た。得られた素子は、図2の(I)に示す形状の熱電変換素子において、導電性基板として金属シートを用いたものである。
Figure 2006049796
実施例20
p型熱電変換材料及びn型熱電変換材料として、実施例1と同様のものを作製した。
p型熱電変換材料用熱的緩衝材層の形成用フィルム及びn型熱電変換材料用熱的緩衝材層の形成用フィルムとしては、厚さが20μmであること以外は、それぞれ実施例1と同様のフィルムを作製した。
実施例1と同様の銀薄膜を形成したアルミナ基板を導電性基板として用い、この基板上に、厚さ20μmのp型熱電変換材料用熱的緩衝材層の形成用フィルムと厚さ20μmのn型熱電変換材料用熱的緩衝材層の形成用フィルムをそれぞれ一枚ずつ重ならないように載せた。次いで、それぞれのフィルム上に、線径が100μmで、40メッシュ/インチ、5mm角の銀網を載せ、さらに、その上に熱的緩衝材層の形成用フィルムと熱電変換材料をこの順に載せた。
次いで、アルミナ基板面に垂直に圧力がかかるように0.1トンの圧力で加圧しながら、800℃、空気中で10時間熱処理を行って、熱電変換素子を得た。得られた素子は、図2の(III)に示す形状を有するものである。
実施例21〜24
熱電変換材料、熱的緩衝材及びアルミナ基板上に形成する導電性皮膜として下記表5に示す材料を用いた。
また、網状材料又は繊維状材料として下記表5に示す材料を用い、その挿入位置は、実施例20と同様に、熱的緩衝材層の層間とした。
以上の条件を満足すること以外は、実施例20と同様にして熱電変換素子を得た。得られた素子は、図2の(III)に示す形状を有するものである。
Figure 2006049796
実施例25
長さ10mm、幅5mm、厚さ100μmの銀シートを導電性基板として用いること以外は、実施例20と同様にして熱電変換素子を作製した。得られた素子は、図2の(III)
に示す形状の熱電変換素子において、導電性基板として銀シートを用いたものである。
実施例26〜29
熱電変換材料、熱的緩衝材及び導電性基板として下記表6に示す材料を用いた。
また、網状材料又は繊維状材料として下記表6に示す材料を用い、その挿入位置は、実施例25と同様に熱的緩衝材層の層間とした。
以上の条件を満足すること以外は、実施例25と同様にして熱電変換素子を得た。得られた素子は、図2の(III)に示す形状の熱電変換素子において、導電性基板として金属
シートを用いたものである。
Figure 2006049796
実施例30
熱電変換材料、熱的緩衝材、導電性基板及び網状材料として実施例10と同様の材料を用い、網状材料の挿入位置を導電性基板の導電性皮膜と熱的緩衝材の間とすること以外は、実施例10と同様にして熱電変換素子を作製した。得られた熱電変換素子は、図2の(II)に示す形状を有するものである。
実施例31〜34
熱電変換材料、熱的緩衝材及びアルミナ基板上に形成する導電性皮膜として下記表7に示す材料を用いた。
また、網状材料又は繊維状材料として下記表7に示す材料を用い、その挿入位置は、実施例30と同様に、導電性基板の導電性皮膜と熱電変換材料の間とした。
以上の条件を満足すること以外は、実施例30と同様にして熱電変換素子を得た。得られた素子は、図2の(II)に示す形状を有するものである。
Figure 2006049796
実施例35
長さ10mm、幅5mm、厚さ100μmの銀シートを導電性基板として用いること以外は、実施例30と同様にして熱電変換素子を作製した。得られた素子は、図2の(II)に示す形状の熱電変換素子において、導電性基板として銀シートを用いたものである。
実施例36〜39
熱電変換材料、熱的緩衝材及び導電性基板として下記表8に示す材料を用いた。
また、網状材料又は繊維状材料として下記表8に示す材料を用い、その挿入位置は、実施例35と同様に熱電変換材料と導電性基板の間とした。
以上の条件を満足すること以外は、実施例35と同様にして熱電変換素子を得た。得られた素子は、図2の(II)に示す形状の熱電変換素子において、導電性基板として銀シートを用いたものである。
Figure 2006049796
実施例40
実施例1に記載したp型熱電変換材料用熱的緩衝材層の形成用フィルムの作製方法と同様にして、酸化物粉末と銀粉末の混合割合が、酸化物:銀(重量比)=8:2、6:4、4:6及び2:8のとなる4種類の水溶液を作製した。
これらの水溶液を用いて、まず、酸化物:銀が8:2の水溶液を12cm×8.5cmで深さ1cmのプラスチック製容器に6ミリリットル流し込み均一の厚さになるように拡げた。これを容器ごと60℃で2〜3時間加熱し、溶媒を蒸発させ、約10μmのフィルムを作製した。次いで、容器内のフィルム上へ、酸化物:銀が6:4の水溶液を6ミリリットル流し込み均一の厚さになるように拡げ、同様に乾燥した。さらに、この上に、酸化物:銀が4:6の水溶液と2:8の水溶液を同じ方法で堆積させ、合計厚さ約40μmのp型熱電変換材料用の熱的緩衝材層作成用フィルムを作製した。
一方、実施例1に記載したn型熱電変換材料用熱的緩衝材層の形成用フィルムの作製方法と同様にして、酸化物粉末と銀粉末の混合割合が、酸化物:銀(重量比)=8:2、6:4、4:6及び2:8のとなる4種類の水溶液を作製した。次いで、上記した方法と同様にして、酸化物:銀の割合が、8:2〜2:8の範囲で厚さ10μm毎に変化する合計厚さ約40μmのn型熱電変換材料用の熱的緩衝材層作成用フィルムを作製した。
この様にして得られた熱的緩衝材層の形成用フィルムを用いること以外は、実施例1と同様の方法で熱電変換素子を作製した。尚、熱的緩衝材層作成用フィルムは、いずれも、酸化物の比率が多い面が熱電変換材料に接するように配置した。得られた熱電変換素子は、図1の(I)に示す形状の熱電変換材料において、傾斜組成を有する熱的緩衝材層を形成したものである。
実施例41〜44
熱電変換材料、熱的緩衝材及びアルミナ基板上に形成する導電性皮膜として下記表9に示す材料を用いること以外は、実施例40と同様にして熱電変換素子を作製した。得られた熱電変換素子は、図1の(I)に示す形状の熱電変換材料において、傾斜組成を有する熱的緩衝材層を形成したものである。
尚、熱的緩衝材層は、酸化物と金属の混合割合が表9に示す比率で変化する合計厚さ40μmのフィルムを用いて形成した。
Figure 2006049796
実施例45
長さ10mm、幅5mm、厚さ100μmの銀シートを導電性基板として用いること以外は、実施例40と同様にして熱電変換素子を作製した。
得られた熱電変換素子は、図1の(II)に示す形状の熱電変換材料において、傾斜組成を有する熱的緩衝材層を形成したものである。
実施例46〜48
熱電変換材料、熱的緩衝材及び導電性基板として下記表10に示す材料を用いること以外は、実施例45と同様にして熱電変換素子を作製した。
得られた熱電変換素子は、図1の(II)に示す形状の熱電変換材料において、傾斜組成を有する熱的緩衝材層を形成したものである。
Figure 2006049796
実施例49
導電性基板、熱電変換材料及び熱的緩衝材として、実施例40と同一の材料を用いて、下記の方法で熱電変換材料と導電性基板の接合部に熱的緩衝材と網状材料を挿入した熱電変換材料を作製した。
まず、アルミナ基板の導電性皮膜上に、p型熱電変換材料用熱的緩衝材層の形成用フィルムとn型熱電変換材料用熱的緩衝材層の形成用フィルムを一枚ずつ重ならないように載せ、各フィルム上に、線径が100μmで、40メッシュ/インチの銀網を載せ、更に、各銀網の上に、それぞれp型熱電変換材料とn型熱電変換材料を載せた。
次いで、アルミナ基板面に垂直に圧力がかかるように0.1トンの圧力で加圧しながら、800℃、空気中で10時間熱処理を行って、熱電変換素子を得た。得られた素子は、図2の(I)に示す形状の熱電変換材料において、傾斜組成を有する熱的緩衝材層を形成したものである。
実施例50〜53
熱電変換材料、熱的緩衝材及びアルミナ基板上に形成する導電性皮膜として下記表11に示す材料を用いた。
また、網状材料又は繊維状材料として下記表11に示す材料を用い、その挿入位置は、実施例49と同様に熱電変換材料と熱的緩衝材の間とした。
以上の条件を満足すること以外は、実施例49と同様にして熱電変換素子を得た。得られた素子は、図2の(I)に示す形状の熱電変換材料において、傾斜組成を有する熱的緩衝材層を形成したものである。
Figure 2006049796
実施例54
長さ10mm、幅5mm、厚さ100μmの銀シートを導電性基板として用いること以外は、実施例49と同様にして熱電変換素子を作製した。得られた素子は、図2の(I)に示す形状の熱電変換素子において、導電性基板として銀シートを用い、傾斜組成を有する熱的緩衝材層を形成したものである。
実施例55〜58
熱電変換材料、熱的緩衝材及び導電性基板として下記12に示す材料を用いた。
また、網状材料又は繊維状材料として下記表12に示す材料を用い、その挿入位置は、実施例54と同様に熱電変換材料と熱的緩衝材の間とした。
以上の条件を満足すること以外は、実施例54と同様にして熱電変換素子を得た。得られた素子は、図2の(I)に示す形状の熱電変換素子において、導電性基板として金属シートを用い、傾斜組成を有する熱的緩衝材層を形成したものである。
Figure 2006049796
実施例59
実施例40と同様にして、酸化物粉末と銀粉末の混合割合が、酸化物:銀(重量比)=8:2、6:4、4:6及び2:8のとなる4種類の水溶液を作製した。
これらの水溶液を用いて、まず、酸化物:銀が8:2の水溶液を12cm×8.5cmで深さ1cmのプラスチック製容器に6ミリリットル流し込み均一の厚さになるように拡げた。これを容器ごと60℃で2〜3時間加熱し、溶媒を蒸発させ、約10μmのフィルムを作製した。次いで、容器内のフィルム上へ、酸化物:銀が6:4の水溶液を6ミリリットル流し込み均一の厚さになるように拡げ、同様に乾燥した。このようにして、厚さ約20μmのp型熱電変換材料用の熱的緩衝材層形成用フィルムを作製した。
更に、酸化物:銀が4:6の水溶液と2:8の水溶液を用いて、上記した方法と同様にして、厚さ約20μmのp型熱電変換材料用の熱的緩衝材層形成用フィルムを作製した。
一方、上記した方法と同様にして、n型熱電変換材料用の熱的緩衝材層形成用フィルムとして、酸化物:銀(重量比)=8:2と6:4の二種類の水溶液を用いた厚さ約20μmのフィルムと、酸化物:銀(重量比)=4:6と2:8の二種類の水溶液を用いた厚さ約20μmのフィルムを作製した。
実施例1と同様の銀薄膜を形成したアルミナ基板を導電性基板として用い、この基板上に、酸化物:銀が4:6と2:8の二層からなる厚さ20μmのp型熱電変換材料用熱的緩衝材層の形成用フィルムとn型熱電変換材料用熱的緩衝材層の形成用フィルムを、それぞれ銀含有量が多い面が銀薄膜に接するように一枚ずつ重ならないように載せた。次いで、それぞれのフィルム上に、線径が100μmで、40メッシュ/インチ、5mm角の銀網を載せ、さらに、各銀網上に、酸化物:銀が8:2と6:4の二層からなる厚さ20μmのp型熱電変換材料用熱的緩衝材層の形成用フィルムとn型熱電変換材料用熱的緩衝材層の形成用フィルムを、酸化物含有量が多い面が熱電変換材料に接するように載せた。
次いで、各熱的緩衝材層の上に、熱電変換材料を載せ、アルミナ基板面に垂直に圧力がかかるように0.1トンの圧力で加圧しながら、800℃、空気中で10時間熱処理を行って、熱電変換素子を得た。得られた素子は、図2の(III)に示す形状の熱電変換材料
において、傾斜組成を有する熱的緩衝材層を形成したものである。
実施例60〜63
熱電変換材料、熱的緩衝材及びアルミナ基板上に形成する導電性皮膜として下記表13に示す材料を用いること以外は、実施例59と同様にして熱電変換素子を作製した。得られた熱電変換素子は、図2の(III)に示す形状の熱電変換材料において、傾斜組成を有す
る熱的緩衝材層を形成したものである。
尚、熱的緩衝材層は、酸化物と金属の混合割合が表13に示す比率で変化する厚さ20μmのフィルムを2枚用いて形成した。
Figure 2006049796
実施例64
長さ10mm、幅5mm、厚さ100μmの銀シートを導電性基板として用いること以外は、実施例59と同様にして熱電変換素子を作製した。得られた素子は、図2の(III
)に示す形状の熱電変換素子において、導電性基板として銀シートを用い、傾斜組成を有する熱的緩衝材層を形成したものである。
実施例65〜68
熱電変換材料、熱的緩衝材及び導電性基板として下記表14に示す材料を用いた。
また、網状材料又は繊維状材料として下記表14に示す材料を用い、その挿入位置は、実施例64と同様に熱的緩衝材層の層間とした。
以上の条件を満足すること以外は、実施例64と同様にして熱電変換素子を得た。得られた素子は、図2の(III)に示す形状の熱電変換素子において、導電性基板として金属
シートを用い、傾斜組成を有する熱的緩衝材層を形成したものである。
Figure 2006049796
実施例69
アルミナ基板上に形成する導電性皮膜、熱電変換材料、熱的緩衝材及び網状材料乃至繊維状材料として実施例49と同一の材料を用い、網状材料乃至繊維状材料の挿入位置を導電性基板の導電性皮膜と熱的緩衝材層との間とすること以外は、実施例49と同様にして熱電変換素子を作製した。
得られた熱電変換素子は、図2の(II)に示す形状の熱電変換素子において、傾斜組成を有する熱的緩衝材層を形成したものである。
実施例70〜73
熱電変換材料、熱的緩衝材及びアルミナ基板上に形成する導電性基板として下記表15に示す材料を用いた。
また、網状材料又は繊維状材料として下記表15に示す材料を用い、その挿入位置は、実施例69と同様に導電性基板の導電性皮膜と熱的緩衝材層の間とした。
以上の条件を満足すること以外は、実施例69と同様にして熱電変換素子を得た。得られた素子は、図2の(II)に示す形状の熱電変換素子において、導電性基板として金属シートを用い、傾斜組成を有する熱的緩衝材層を形成したものである。
Figure 2006049796
実施例74
長さ10mm、幅5mm、厚さ100μmの銀シートを導電性基板として用いること以外は、実施例69と同様にして熱電変換素子を作製した。得られた素子は、図2の(II)に示す形状の熱電変換素子において、導電性基板として銀シートを用い、傾斜組成を有する熱的緩衝材層を形成したものである。
実施例75〜78
熱電変換材料、熱的緩衝材及び導電性基板として下記表16に示す材料を用いた。
また、網状材料又は繊維状材料として下記表16に示す材料を用い、その挿入位置は、実施例74と同様に導電性基板と熱的緩衝材層の間とした。
以上の条件を満足すること以外は、実施例74と同様にして熱電変換素子を得た。得られた素子は、図2の(II)に示す形状の熱電変換素子において、導電性基板として金属シートを用い、傾斜組成を有する熱的緩衝材層を形成したものである。
Figure 2006049796
実施例79
長さ10mm、幅5mm、厚さ1mmのアルミナ基板の片側の表面に、銀ペーストを塗布し、100℃で有機溶媒を1時間かけ蒸発させた。その後800℃で15分間加熱して、アルミナ基板上に銀皮膜を形成した。次いで、この上に長さ10mm、幅5mm、厚さ50μmの銀シートを載せ、銀シート上に実施例1で製造した5mm角のp型熱電変換材料用熱的緩衝材層の形成用フィルムとn型熱電変換材料用熱的緩衝材層の形成用フィルムを重ならないよう載せた。更に、各フィルム上に、実施例1で作製したp型熱電変換材料とn型熱電変換材料を載せ、アルミナ基板面に垂直に圧力がかかるように0.1トンの圧力で加圧しながら、800℃、空気中で10時間熱処理を行って、熱電変換素子を得た。
この熱電変換素子は、厚さ50μmの銀シートが接合されたアルミナ基板上に、熱的緩衝材層を介してp型熱電変換材料とn型熱電変換材料がそれぞれ接合されたものである。この素子は、図1の(II)に示す形状の熱電変換素子において、銀シートからなる導電層を接着したアルミナ基板を導電性基板として用いたものである。
Figure 2006049796
本発明の熱電変換素子の一例を模式的に示す図面。 本発明の熱電変換素子の他の例を模式的に示す図面。 本発明の熱電変換素子を用いた熱電変換モジュールを模式的に示す図面。 実施例1の熱電変換素子と比較例の熱電変換素子について、加熱急冷試験後のp型熱電変換材料の接合部分の走査型電子顕微鏡写真。 実施例1の熱電変換素子と比較例の熱電変換素子について、加熱急冷試験後の素子の内部抵抗の温度依存性を示すグラフ。
符号の説明
1 絶縁性基板、2 導電層、3 p型用熱的緩衝材、4 n型用熱的緩衝材、
5 p型熱電変換材料、6 n型熱電変換材料、7 金属シート、
8 網状又は繊維状材料

Claims (11)

  1. 導電性基板と、該基板上に導電性熱的緩衝材を介して形成されたp型熱電変換材料と、該基板上に導電性熱的緩衝材を介して形成されたn型熱電変換材料とを含み、下記(i)〜(iii)の条件を満足することを特徴とする熱電変換素子:
    (i)p型熱電変換材料が、一般式:Caa1 bCoc2 de (式中、A1は、 Na、K、Li、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Pb、Sr、Ba、Al、Bi、Yおよびランタノイドからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、A2は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Mo、W、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、2.2≦a
    ≦3.6;0≦b≦0.8;2.0≦c≦4.5;0≦d≦2.0;8≦e≦10である。)で表される複合酸化物、及び一般式:BifPbg1 hCoi2 jk(式中、M1は、Na、K、Li、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Pb、Ca、Sr、Ba、Al、Yおよびランタノイドからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、M2は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Mo、W、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、1
    .8≦f≦2.2;0≦g≦0.4;1.8≦h≦2.2;1.6≦i≦2.2;0≦j≦0.5;8≦k≦10である。)で表される複合酸化物からなる群から選ばれた少なくとも一種の複合酸化物からなるものであり、
    (ii)n型熱電変換材料が、一般式:Lnm1 nNip2 qr(式中、Lnはランタノイ
    ドから選択される一種又は二種以上の元素であり、R1は、Na、K、Sr、Ca及びBiからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、R2は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Mo、W、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、0.5≦m
    ≦1.7;0≦n≦0.5;0.5≦p≦1.2;0≦q≦0.5;2.7≦r≦3.3である。)で表される複合酸化物、及び一般式:(Lns3 t2Niu4 vw(式中、Lnはランタノイドから選択される一種又は二種以上の元素であり、R3は、Na、K、Sr、Ca及びBiからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であり、R4は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Mo、W、Nb及びTaからなる群から選択される一種又は二種以上の元素であ
    り、0.5≦s≦1.2;0≦t≦0.5;0.5≦u≦1.2;0≦v≦0.5;3.6≦w≦4.4である。)で表される複合酸化物からなる群から選ばれた少なくとも一種の複合酸化物からなるものであり、
    (iii)導電性熱的緩衝材が、接合対象の熱電変換材料と基板との間の熱膨張率を有する
    導電性材料からなるものである。
  2. 導電性熱的緩衝材が、酸化物及び金属を有効成分として含むものである請求項1に記載の熱電変換素子。
  3. 導電性熱的緩衝材に含まれる酸化物が、接合対象の熱電変換材料の構成元素の一部又は全部を構成元素とするものである請求項2に記載の熱電変換素子。
  4. 導電性熱的緩衝材が、酸化物及び金属を有効成分として含み、両者の混合割合が変動する傾斜組成を有するものである請求項2又は3に記載の熱電変換素子。
  5. 導電性基板と熱電変換材料との接合部に、更に、網状材料又は繊維状材料を配置してなる請求項1〜4のいずれかに記載の熱電変換素子。
  6. 293〜1073K(絶対温度)の温度範囲において、熱起電力が60μV/K以上である請求項1〜5のいずれかに記載の熱電変換素子。
  7. 293〜1073Kの温度範囲において、電気抵抗が200mΩ以下である請求項1〜6のいずれかに記載の熱電変換材料。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載された熱電変換素子を複数個用い、一つの熱電変換素子のP型熱電変換材料の未接合の端部を、他の熱電変換素子のn型熱電変換材料の未接合の端部に接続する方法で複数の熱電変換素子を直列に接続してなる熱電変換モジュール。
  9. 熱電変換素子の未接合の端部を基板上において接続してなる請求項8に記載の熱電変換モジュール。
  10. 熱電変換素子の未接合の端部を、酸化物及び金属を含む導電性を有する接合剤を用いて接続してなる請求項8又は9に記載の熱電変換モジュール。
  11. 請求項8〜10のいずれかに記載の熱電変換モジュールの一端を高温部に配置し、他端を低温部に配置することを特徴とする熱電変換方法。


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