JP2011134745A - 熱電粉体とこれを用いた熱電変換素子並びに熱電変換モジュール - Google Patents

熱電粉体とこれを用いた熱電変換素子並びに熱電変換モジュール Download PDF

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【課題】高い性能指数ZTを有する熱電変換素子と熱電変換モジュールを提供しかつ熱電変換素子に用いられる熱電粉体を提供すること。
【解決手段】熱電粉体は、電気的絶縁材料から成る略球形状の粒子体と粒子体の外表面を被覆する熱電材料から成る被膜とで構成されることを特徴とし、熱電変換素子は、上記熱電粉体をバインダーと混合し、柱状に形成しかつ圧着した後、熱処理して得られることを特徴とする。上記熱電粉体の被膜同士が電気的に接続された本発明の熱電変換素子によれば、熱電材料から成る被膜中を移動する伝導キャリアにとって上記被膜はトポロジー的に2次元的であり、更に熱電粉体が熱処理されて全体の熱伝導度が低くなっているため、従来構造の熱電変換素子と較べ高い性能指数ZTを得ることが可能となる。従って、熱電変換モジュールに組み込んでその発電量を増加、改善させることが可能となる。
【選択図】図7

Description

本発明は、温度差を利用して熱を電気に変換する熱電変換素子に係り、特に、熱電変換素子に用いられる熱電粉体とこれを用いた熱電変換素子並びに熱電変換モジュールの改良に関するものである。
地球温暖化が深刻になり、CO2削減等が人類共通の課題となってきた。一方で、人類のエネルギー源であった化石燃料自体の枯渇もさほど遠いものではないというのも実感として迫ってきている。これ等を背景事象として、人類は、化石燃料の消費そのものの削減と代替エネルギーの活用を図らねばならない。そのためには、化石燃料の消費を減らし、再生可能エネルギーの活用や、排熱利用が重要となる。実際、再生可能エネルギーの活用等が計られてきている。
ところで、エネルギー消費全体の約1/3は、発電に際して使用されている。そして、最終的に家庭や事業所に電気となって届くのはその内の35%と言われている。つまり、化石燃料から得られるエネルギーの内、65%のエネルギーは、発電時の熱エネルギーとなったり、途中の送電ロスの形で熱となって失われている。また、自動車の燃料消費量は、全エネルギー消費の約10%を占める。そして、その70%が排熱となって大気や地面へ捨てられている。この様に、エネルギーの過半数が熱となって利用されずに廃棄されている。もしも、この排熱の5%でも10%でも電気エネルギーとして再利用できるなら、無視できないエネルギーの有効利用となる。
熱を利用して、再度エネルギー化する方法の一つに、そこで生じた温度差を利用し、半導体のゼーベック効果を利用して発電する方法がある。ゼーベック効果の利用は、温度計としての熱電対や、発電に利用されてきた。温度差を与えれば半永久的に発電でき、かつ、機械的な振動等稼動部が不要なため、宇宙船内で、原子核の崩壊熱を利用して発電した例もある。また、体温と大気温の温度差で発電した腕時計もあった。
他方、ゼーベック効果の逆現象であるペルチェ効果を利用した例はもっと多い。ペルチェ効果とは、電流を流すことで、素子の両端に温度差を作る現象を言う。これは、光通信用の半導体レーザーの温度調節に利用されたり、最近では、音が出ないということからワインクーラーやホテルの冷蔵庫等に利用されたりしている。
通常、熱電変換素子では、p型材料、n型材料の両方を用い、それらを直列に接続して電圧を稼ぐ方式で利用されている。
S=ゼーベック係数[V/K]、ΔT=高温部と低温部の温度差[1/K]、
σ=電気伝導度[1/Ωm]、κ=熱伝導度[W/mK]とするとき、
1)生成される電圧は、
V=S・ΔT (式1)
2)発電パワーは、以下の式で表される(ここで、fは0.2程度の現実素子の調整用の係数)。
P=f・(Sσ)・ΔT (式2)
3)発電の能力を表すため、以下のようにZ=性能指数[1/K]を使用する。
Z=Sσ/κ (式3)
4)あるいは、性能をより直感的に表し得るということで、以下の無次元の性能指数=ZTを使用することが多く、本発明でもこの無次元数を採用する。
ZT=T・Sσ/κ (式4)
熱電変換素子を発電として使用するには、ZTが1以上、出来たら2以上が望まれる。ところが、今までの代表的な材料のZTの値は、図1(a)(b)に示すように、ほとんどが1以下である。特に、室温(〜300K)から200℃(〜500K)の範囲では、BiTe系、BiSb系しか見つかっていない。
温度差からエネルギーを取り出すには、カルノーサイクル以上の効率は不可能である。性能指数ZTと変換効率の間には明確な関係があり、それを図2のグラフ図で示す(非特許文献3参照)。図2の横軸は、低温部温度を300Kとしたときの高温部の温度、縦軸がそれに対応する変換効率である。ΔT=100℃のとき、ZT=0.7では、変換効率が4%程度、ZT=2では10%程度である。
ΔT=100℃のとき、熱流Qは、10W/cm程度である。ZT=2の場合、変換効率は10%であるから、電気になるのは、0.1×10W/cm=1W/cm程度である。自然発電器として代表的な太陽電池の場合、降り注ぐ太陽エネルギーは、0.1W/cmである。太陽電池の変換効率は、10%程度であるから、素子単位面積当たりの発電量は、0.01W/cm程度となる。つまり、単位面積当たりの発電量は、熱電変換素子の方が高くなり得るのである。但し、温度差の確保と、ZTの実現が前提である。このように、ZT=2程度となると、いろいろ応用が広がる。非特許文献2には、実現されたZTの大きさとその期待できる市場が上げられている。原理的にはZT=無限大となることもありえるが、現在、報告されている最大値は、ZT=4程度である。
表1に示すように(非特許文献2参照)、ZT=2程度となれば、自動車排熱、家庭用コジェネ等に使用できる。実際、市販されている熱電変換素子(KEK製)において、ΔT=250℃で7.2%の変換効率が実現されている。発電量は、0.8W/cmが実現されている。
Figure 2011134745
ゼーベック効果を利用した発電利用を考えた場合は、ZT約1.5以上が欲しい。単独の粉体では、BiTe系でのみZTが約1程度であったが、使用温度範囲が100℃程度であるため、温度差は数十度が限界である。従って、低い効率しか役立たない。
ところが、非特許文献1を最初の論文として、ゼーベック効果を利用した発電について、以後、活発に研究されている。例えば、非特許文献2等において、ZT=3近くの値が実現されている(図3参照)。
同じ温度差に対して、発電量を大きくするには、つまりZを大きくするには、上述した(式3)から3つのアプローチがあり得る。その一つは、ゼーベック係数(S)を大きくすること。2つ目は、電気伝導度(σ)を大きくすること。3つ目は、熱伝導度(κ)を小さくすることである。しかし、一般に、電気伝導に寄与する電子が同時に熱を運ぶため、電気伝導度と熱伝導度は密接に関連しあっており、単独に制御することは難しいと思われてきた。
このような技術的背景の下、非特許文献1において、低次元構造にすると量子サイズ効果が出てきて、バンド端での単位体積当たりの状態密度が大きくなり、上記ゼーベック係数(S)が大きくなることが初めて指摘された。また同時に、フォノンの平均自由行程が2次元性の特徴的な長さ(例えば、積層構造では熱電材料層の膜厚)で制限されるため、フォノン散乱されてフォノンの走行が邪魔され、その結果、熱伝導度(κ)が小さくなる。つまり、上記2つの効果(ゼーベック係数が大きく、熱伝導度が小さくなる効果)によって、大きなZが実現される可能性があるわけである。
そして、積層構造にしてZTを大きくした例が非特許文献2に開示されている。このように、材料の検討だけでなく、構造の工夫によってもZTは大きくでき、むしろ構造を工夫した方が大きな効果が得られるといえる。しかし、現実的につけ易い温度差の方向と構造がなかなか一致しないという問題が存在する。
現実的に大きなパワーを得るためには大きな温度差が必要である。発電量は温度差の2乗に比例する。通常の単純な積層構造では、積層の膜方向に温度差をつけなければ、期待される2次元性は実現できない。例えば、図4に示すように、熱電材料層と絶縁材料層を積層した熱電変換素子が高温部と低温部との間に配置された場合を考えると、膜の面内方向への温度差は付け難いし、仮に膜の面内方向の温度差を利用して発電する場合、単位膜厚当たりの発電量は大きくなっても、膜厚が薄いため、総合の発電量を大きくすることは難しい。図4においては、膜厚を厚くした方が発電量を大きくすることができる。
現実的な熱電変換素子を考える場合、素子の上下(表と裏)方向に温度差をつけたい。その場合、例えば図5のように、熱電材料層と絶縁材料層を積層して熱電変換素子とし、かつ、その積層膜端面部を高温部と低温部との間に配置した場合、高温部、低温部と接触する積層膜端面部の面積は広い方がよく、また、積層膜端面部の厚さは適切な厚さが必要である。上記厚さがあまりに薄いと、大きな温度差がつき難くなるため発電量は大きくならない。逆に、厚さが厚過ぎると、温度差は大きくなるが、電気抵抗も大きくなるため発電量は大きくならず、最適な厚さが存在する。最適な膜厚は、材料の熱伝導度に依存するが、大体、0.1mmから数mmの範囲となる。
上記積層膜端面部の面積、言い換えると積層方向の高さ(積層高さ)は、従来の気相積層法等の手法により1mmという積層高さは難しい範囲となる。一方、通常の粉体を利用して1mm級の積層高さを実現することは難しくないが、各熱電材料層の膜厚についてはnm級を実現することが望まれる。
これ等条件を満たすには、気相法等の成膜法により1mm級の積層高さを実現することは難しく、コスト的にも厳しく、現実的に利用することは難しいと考えられ、コスト的にも安価に作れる方法が要望される。
また、上記積層構造について、ナノレベルで行う積層構造や、ナノワイヤー、ナノドット等を用いて実現しようとすると、真空装置や精巧な成膜装置等が必要となり、また、極めて高コストの材料を使用する必要があり、工業製品として利用することには中々なり難いのが現実である。
Hicks & Dresselhaus:Phys。Rev. B47、12727−12731(1993) Venkatasubramanian:Nature 413,597-602(2001) Cronin B. Vining:Nature Materials 8(2009)83 M. R. Dirmyer, I. Martin, G. S. Nolas, I. Martin, G. S. Nolas, A. Sen, J. V. Badding:Samll, 23 Feb (2009)
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、上述した積層構造や類似の構造を利用した熱電変換素子において、従来困難とされていた積層構造や類似の構造を利用するときの問題点を克服し、従来構造の熱電変換素子よりも高い性能指数ZTを得ることができる新たな構造の熱電変換素子等を提供することにある。
そこで、上記課題について本発明者が鋭意検討を重ねた結果、以下のような技術的知見を得るに至った。
まず、電気的絶縁材料から成る略球形状の粒子外表面を熱電材料で被覆することにより熱電粉体が得られること、かつ、この熱電粉体を柱状に積層圧着した後、熱処理することにより従来構造の熱電変換素子よりも高い性能指数ZTを有する熱電変換素子が得られることを発見するに至った。更に、得られた熱電変換素子を用いて発電効率に優れた新規な熱電変換モジュールの構造体を完成するに至った。
すなわち、請求項1に係る発明は、
熱電粉体において、
電気的絶縁材料から成る略球形状の粒子体と、粒子体の外表面を被覆する熱電材料から成る被膜とで構成されることを特徴とするものである。
次に、請求項2に係る発明は、
請求項1に記載の発明に係る熱電粉体において、
上記熱電材料から成る被膜の膜厚が10nm以下2nm以上であることを特徴とし、
請求項3に係る発明は、
請求項1または2に記載の発明に係る熱電粉体において、
熱電材料から成る被膜の膜厚に対する、上記粒子体における直径の比が1倍以上であることを特徴とし、
請求項4に係る発明は、
請求項1〜3のいずれかに記載の発明に係る熱電粉体において、
上記粒子体を構成する電気的絶縁材料の熱伝導度が、0.1W/mK以下であることを特徴とし、
また、請求項5に係る発明は、
請求項1〜4のいずれかに記載の発明に係る熱電粉体において、
上記熱電材料が、n型熱電材料若しくはp型熱電材料で構成されていることを特徴とするものである。
更に、請求項6に係る発明は、
熱電変換素子において、
請求項1〜5のいずれかに記載の熱電粉体をバインダーと混合し、柱状に形成しかつ圧着した後、熱処理して得られることを特徴とし、
また、請求項7に係る発明は、
熱電変換モジュールにおいて、
発泡体から成る基板と、基板上面側に設けられると共に互いに電気的に接続されていない複数の上側板状電極と、基板下面側に設けられると共に互いに電気的に接続されていない複数の下側板状電極と、上記基板の上側板状電極と下側板状電極が重なり合う領域若しくは近傍領域に開設された複数の貫通孔と、各板状電極内若しくは近傍に設けられた一方の貫通孔に埋め込まれかつ熱電粉体の熱電材料がn型熱電材料で構成される請求項6に記載のn型熱電変換素子と、各板状電極内若しくは近傍に設けられた他方の貫通孔に埋め込まれかつ熱電粉体の熱電材料がp型熱電材料で構成される請求項6に記載のp型熱電変換素子を備え、各板状電極内若しくは近傍に設けられた一組のn型熱電変換素子とp型熱電変換素子の各端部側が対応する上側板状電極と下側板状電極にそれぞれ電気的に接続されてこれ等板状電極を介し複数組のp型熱電変換素子とn型熱電変換素子が直列に配列されていると共に、上側板状電極若しくは下側板状電極側が高温側に配置されかつ他方の電極側が低温側に配置されることを特徴とするものである。
本発明に係る熱電粉体は、電気的絶縁材料から成る略球形状の粒子体と粒子体の外表面を被覆する熱電材料から成る被膜とで構成されることを特徴とし、この熱電粉体を用いた本発明に係る熱電変換素子は、上記熱電粉体をバインダーと混合し、柱状に形成しかつ圧着した後、熱処理して得られることを特徴とする。
そして、上記熱電粉体の被膜同士が電気的に接続された本発明に係る熱電変換素子によれば、熱電材料から成る被膜中を移動する伝導キャリアにとって上記被膜はトポロジー的に2次元的で、かつ、熱電粉体が熱処理されて全体の熱伝導度が低くなっているため、従来構造の熱電変換素子と較べ高い性能指数ZTを得ることが可能となる。
また、本発明に係る熱電変換モジュールは、発泡体から成る基板と、基板上面側に設けられると共に互いに電気的に接続されていない複数の上側板状電極と、基板下面側に設けられると共に互いに電気的に接続されていない複数の下側板状電極と、上記基板の上側板状電極と下側板状電極が重なり合う領域若しくは近傍領域に開設された複数の貫通孔と、各板状電極内若しくは近傍に設けられた一方の貫通孔に埋め込まれかつ熱電粉体の熱電材料がn型熱電材料で構成される本発明のn型熱電変換素子と、各板状電極内若しくは近傍に設けられた他方の貫通孔に埋め込まれかつ熱電粉体の熱電材料がp型熱電材料で構成される本発明のp型熱電変換素子を備え、各板状電極内若しくは近傍に設けられた一組のn型熱電変換素子とp型熱電変換素子の各端部側が対応する上側板状電極と下側板状電極にそれぞれ電気的に接続されてこれ等板状電極を介し複数組のp型熱電変換素子とn型熱電変換素子が直列に配列されていると共に、上側板状電極若しくは下側板状電極側が高温側に配置されかつ他方の電極側が低温側に配置される構造を有している。
そして、本発明に係る熱電変換モジュールによれば、各貫通孔に埋め込まれた熱電変換素子が従来構造の熱電変換素子と較べて高い性能指数ZTを有しており、更に、熱電変換素子が存在しない非熱電素子空間が発泡体で構成され、上記空間が空気で構成される従来構造の熱電変換モジュールと比較して熱伝導度が小さくなり、これにより熱電変換モジュール内に大きな温度差が実現されることになるため、発電量を増加、改善させることが可能となる。
図1(a)は従来の代表的なp型熱電材料の性能指数ZTにおける温度依存性を示すグラフ図、図1(b)は従来の代表的なn型熱電材料の性能指数ZTにおける温度依存性を示すグラフ図。 従来の代表的な熱電材料の性能指数ZTと変換効率との関係を示すグラフ図。 最近研究されている熱電材料の使用温度領域と性能指数ZTとの関係を示すグラフ図。 熱電材料層と絶縁材料層を積層して構成された熱電変換素子の面内方向に温度勾配がある場合を示す模式図。 熱電材料層と絶縁材料層を積層して構成された熱電変換素子の積層高さ方向に温度勾配がある場合を示す模式図。 電気的に接続された熱電材料から成る被膜中を移動する伝導キャリアの通路を示す模式図。 本発明に係る熱電粉体の熱電材料から成る被膜同士が電気的に接続された熱電変換素子を示す説明図。 本発明に係る熱電変換モジュールの概略構造を示す模式図。 本発明の変形例に係る熱電変換モジュールの概略構造を示す模式図。 図10(a)〜(e)は本発明に係る熱電変換モジュールの製造工程の一例を示す製造工程図。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明に係る熱電粉体は、電気的絶縁材料から成る略球形状の粒子体と粒子体の外表面を被覆する熱電材料から成る被膜とで構成されることを特徴とし、本発明に係る熱電変換素子は、上記熱電粉体をバインダーと混合し、柱状に形成しかつ圧着した後、熱処理して得られることを特徴とする。また、本発明に係る熱電変換モジュールは、発泡体から成る基板と、基板上面側に設けられると共に互いに電気的に接続されていない複数の上側板状電極と、基板下面側に設けられると共に互いに電気的に接続されていない複数の下側板状電極と、上記基板の上側板状電極と下側板状電極が重なり合う領域若しくは近傍領域に開設された複数の貫通孔と、各板状電極内若しくは近傍に設けられた一方の貫通孔に埋め込まれかつ熱電粉体の熱電材料がn型熱電材料で構成される上記n型熱電変換素子と、各板状電極内若しくは近傍に設けられた他方の貫通孔に埋め込まれかつ熱電粉体の熱電材料がp型熱電材料で構成される上記p型熱電変換素子を備え、各板状電極内若しくは近傍に設けられた一組のn型熱電変換素子とp型熱電変換素子の各端部側が対応する上側板状電極と下側板状電極にそれぞれ電気的に接続されてこれ等板状電極を介し複数組のp型熱電変換素子とn型熱電変換素子が直列に配列されていると共に、上側板状電極若しくは下側板状電極側が高温側に配置されかつ他方の電極側が低温側に配置されることを特徴とするものである。
(1)熱電材料
熱電材料としては、高性能を有するIrSb、BiTe、PbTe等のカルコゲン系化合物の他、熱電特性は低いが資源的に豊富なFeSi、SiGe等の珪化物が挙げられる。また、Si半導体中のキャリア濃度が1024(1/m)程度になるようにP、B、Al等種々の添加元素の単独または複合添加を行い、その添加量を調整することにより、ゼーベック係数が極めて大きく、熱電変換効率を著しく高めたSi基熱電変換材料も利用することができる。その他、公知のいずれの材質も採用可能である。Siに、Ge、C、Snの内少なくとも1種を5〜10原子%、Siをp型半導体またはn型半導体となすための添加元素の内少なくとも1種を0.001原子%〜20原子%含有し、多結晶Siの粒界部に上記Ge、C、Snの1種以上あるいは更に添加元素の1種以上が析出した結晶組織を有するSi基熱電変換材料等のSi基熱電変換材料は熱電変換効率が著しく高いため好ましい。
Siをp型半導体となすためのドーパント元素としては、pグループ群(Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Hg、B、Al、Ga、In、Tl)、および、遷移金属元素群(Y、Mo、Zr)の各群から選択する1種または2種以上が望ましい。特に好ましい元素は、B、Ga、Alである。
また、Si基熱電変換材料をn型半導体となすためのドーパント元素は、nグループ群(N、P、As、Sb、Bi、O、S、Se、Te)、遷移金属元素群(Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Pt、Au。但し、Feは10原子%以下)、および、希土類元素群(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Yb、Lu)の各群から選択する1種または2種以上が望ましい。特に好ましい元素は、P、Cu、Asである。
そして、本発明に係る熱電粉体に用いられる熱電材料として、室温から200℃付近の温度領域で使用する場合は、BiTe系、BiSb系が特性的に優れており好ましい。但し、これ等熱電材料に限定されるものではなく、適宜他の熱電材料から選定される。また、最も大きな発電量が期待される300℃〜400℃付近の温度領域で使用する場合は、MgSi系等も使用することができる。
次に、本発明に係る熱電粉体の熱電材料から成る被膜の膜厚については、10nm以下2nm以上であることが好ましい。電気的絶縁材料から成る略球形状の粒子体外表面を被覆する上記被膜の膜厚が10nmを超えると、上記粒子体で構成される図6に示すコア部との厚さの差がなくなり、2次元性が失われてZTの増強が難しくなり好ましくない。上記被膜の膜厚が10nm以下であることは、熱電材料部の2次元性の維持という要請から望まれる厚みである。他方、上記被膜の膜厚が2nm未満であると、図6に示すコア部と被膜との体積比が問題となり、熱電粉体の集合体から成る熱電変換素子全体の空間では変換素子として機能しない上記コア部が大半を占めてしまい、熱電変換素子全体での発電量が小さくなってしまうからである。
(2)電気的絶縁材料
本発明に係る熱電粉体において略球形状の粒子体を構成する電気的絶縁材料については、その熱伝導度が0.1W/mK以下である材料が好ましい。上記熱電粉体を用いて構成される本発明の熱電変換素子における両電極間の熱伝導は低い方が大きな温度差が出るからである。一方、熱電材料は半導体のため、極端に小さな熱伝導度を有しているものを選択することは難しい。熱伝導のかなり小さなBiTe系で、約1W/mK程度であるから、熱電粉体を用いて構成される熱電変換素子の熱伝導度はこれより小さな熱伝導度としなければならない。上記粒子体で構成されるコア部は、被膜を構成する熱電材料の10倍近い体積比があるから、熱伝導度が1/10以下であれば、コア部の熱伝導度が、熱電粉体を用いて構成される熱電変換素子の熱伝導度の主体となる。その意味から、上記粒子体で構成されるコア部の熱伝導度は0.1W/mK以下が望ましい。具体的には、上記粒子体を構成する電気的絶縁材料として、SrTiO、SiO、TiO等の酸化物が望ましいが、これ等に限定されるわけではなく、適宜他の電気的絶縁材料も選定される。これ等の材料を用いて、直径が10nm程度の略球形状の粒子体を製造することが好ましい。
そして、直径が10nm程度の電気的絶縁材料から成る粒子体の製造方法として各種の方法があり、その製法は任意に選択される。昨今、ナノサイズの粒子を製造する方法は種々報告されており、既に工業的にも種々の方法が実用化されている。例えば、ホットソープ法(別名ポリオール法)、ゾルゲル法、液相還元法、アルコキシド法、噴霧熱分解法、共沈法、ソルボサーマル法、水熱合成法等々ある。上記ホットソープ法(ポリオール法)では、有機金属化合物等を、配位性有機化合物の融液中で熱分解して粒子生成する方法である。また、ゾルゲル法では、有機金属(アルコキシド)の加水分解でナノサイズの粒子を作製する方法である。
(3)熱電粉体
本発明に係る熱電粉体は、上述したように電気的絶縁材料から成る略球形状の粒子体と粒子体の外表面を被覆する熱電材料から成る被膜とで構成されることを特徴とする。
そして、直径が10nm程度の電気的絶縁材料から成る粒子体の外表面を、熱電材料で被覆することにより本発明の熱電粉体を得ることができる。尚、熱電材料から成る被膜の膜厚については、上述したように10nm以下2nm以上であることが好ましい。また、熱電材料から成る被膜の膜厚に対する、上記粒子体における直径の比が1倍以上であることが好ましい。上記被膜の膜厚に対する、電気的絶縁材料から成る粒子体における直径の比が1倍未満であると、熱電変換素子の2次元性が壊れて3次元的になるため好ましくない。
直径が10nm程度の電気的絶縁材料から成る粒子体の外表面を熱電材料で被覆する方法としては特に限定されないが、例えば、湿式法、ソルボサーマル法(溶液法)、電子蒸着法、スパッタリング法、レーザーアブレーション法等々が挙げられる。
この中で、特に、電子蒸着法やスパッタリング法で熱電材料の薄膜を作ることは、研究だけでなく工業的にも実用化されている。レーザーアブレーション法も研究レベルで広く利用されている製法である。これ等の方法を用いて、電気的絶縁材料から成るナノサイズの粒子体をチャンバー内でかき回し、宙に浮いた状態で成膜する方法で、粒子体表面に皮一枚の成膜を行なうという方法も工業的に広く使われている製法である。湿式法では、液相還元法、アルコキシド法、逆ミセル法、コロイド法、等々がある。また、上記ソルボサーマル法(溶液法)としては、例えば、非特許文献4等に記載された方法があり、非特許文献4では、溶液法で、直径17nmから98nmの粉を作製している。
(4)熱電変換素子
本発明に係る熱電変換素子は、上記熱電粉体をバインダーと混合し、柱状に形成しかつ圧着した後、熱処理して熱電粉体の熱電材料から成る被膜同士を電気的に接合させて得られる。電気的接合を得る上記熱処理は、窒素雰囲気中、300℃程度の条件で、6時間程度行えばよい。
そして、図6および図7に示すように、熱電材料から成る被膜同士の電気的接合がなされた熱電変換素子においては、伝導キャリア(電子)は、熱電粉体の熱電材料から成る被膜中を移動し、被膜の膜厚は上述したように薄いため、伝導キャリアにとってはトポロジー的に十分に2次元的であると考えられ、一方、熱電粉体が焼結(熱処理)されているため、全体の熱伝導度はかなり低くなっている。
(5)熱電変換モジュール
図7に示すように、熱電粉体の焼結体で構成された本発明に係る熱電変換素子の上下を電極に接合する。実用的に使用するには、n型熱電変換素子、p型熱電変換素子を同様に作製し、これ等を直列につなぎ、上下に温度差をつけて熱電変換モジュールとして発電を行うことが可能となる。
そして、本発明に係る熱電変換モジュールは、例えば図8に示すように、発泡体から成る基板1と、基板1上面側に設けられると共に互いに電気的に接続されていない複数の上側板状電極2と、基板1下面側に設けられると共に互いに電気的に接続されていない複数の下側板状電極3と、上記基板1を介し上側板状電極2と下側板状電極3が重なり合う領域を貫通しかつ上側板状電極2と下側板状電極3毎にそれぞれ2個ずつ設けられた貫通孔4と、各板状電極2、3の一方の貫通孔4に埋め込まれたn型材料から成るn型熱電変換素子5と、各板状電極2、3の他方の貫通孔4に埋め込まれたp型材料から成るp型熱電変換素子6を備え、各板状電極2、3のn型熱電変換素子5とp型熱電変換素子6の各端部側が対応する上側板状電極2と下側板状電極3にそれぞれ電気的に接続されてこれ等板状電極2、3を介して複数組のn型熱電変換素子5とp型熱電変換素子6が直列に配列されていると共に、上側板状電極2若しくは下側板状電極3側が高温側に配置されかつ他方の電極側が低温側に配置される構造を有している。
また、本発明の変形例に係る熱電変換モジュールは、図9に示すように発泡体から成る基板(図示せず)と、基板上面側に設けられると共に互いに電気的に接続されていない複数の上側板状電極12と、基板下面側に設けられると共に互いに電気的に接続されていない複数の下側板状電極13と、上記基板の上側板状電極12と下側板状電極13の近傍領域に開設された複数の貫通孔(図示せず)と、各板状電極12、13近傍に設けられた一方の貫通孔に埋め込まれたn型材料から成るn型熱電変換素子15と、各板状電極12、13近傍に設けられた他方の貫通孔に埋め込まれたp型材料から成るp型熱電変換素子16とを備え、各板状電極12、13近傍に設けられた一組のn型熱電変換素子15とp型熱電変換素子16の各端部側が対応する上側板状電極12と下側板状電極13にそれぞれ電気的に接続されてこれ等板状電極12、13を介し複数組のn型熱電変換素子15とp型熱電変換素子16とが直列に配列されていると共に、上側板状電極12側が高温側に配置されかつ他方の下側板状電極13側が低温側に配置される構造を有している。
図8および図9に示す熱電変換モジュールによれば、各貫通孔に埋め込まれた熱電変換素子が従来構造の熱電変換素子と較べて高い性能指数ZTを有しており、更に、熱電変換素子の支配しない空間(熱電変換素子が存在しない非熱電素子空間)が発泡ポリスチレン、ポリスチレンフォーム等の発泡体から成る基板で構成され、上記空間が空気で構成される従来の熱電変換モジュールと比較して熱伝導度が小さくなり、これにより熱電変換モジュール内に大きな温度差が実現されることになるため、発電量を増加、改善させることが可能となる。
そして、図8に示す熱電変換モジュールは、例えば、図10(a)〜(e)の製造工程図に示すような工程を経て製造することができる。
すなわち、発泡スチロール等の発泡性樹脂板(図10a参照)の両面に銅等の金属箔を貼り合わせ(図10b参照)、かつ、図示外のマスクを用いたエッチング処理により、発泡性樹脂板の両面に複数の上側板状電極と下側板状電極を形成する(図10c参照)。
次に、発泡性樹脂板を介し上側板状電極と下側板状電極が重なり合う領域に打ち抜き法により断面矩形状の貫通孔を複数設けると共に、これ等貫通孔に上述した本発明に係るn型熱電変換素子とp型熱電変換素子をそれぞれ埋め込みかつ半田付けして構造体とし(図10d参照)、更に、必要に応じて上側板状電極と下側板状電極側を樹脂シートで覆って(図10e参照)、熱電変換モジュールを得ることができる。
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。
[熱電粉体の製造]
250mLのフラスコに50mLのジフェニルエーテルを入れ、窒素雰囲気で50℃に温めた後、ビスマス−ネオデカノイル(1.0mM)を加えた。次に、チオールを1.0mM加えた後、Teを1.5mM加えた。
次いで、シリカのナノ球(直径20nm)を加え、遠心分離機にかけ、かつ、真空乾燥させて、シリカナノ粒子の表面に平均膜厚10nmのBiTeが被覆された熱電粉体すなわち、シリカナノ粒子から成る粒子体とこの表面を被覆するBiTeから成る被膜とで構成される熱電粉体を得た。
尚、熱電材料(BiTe)から成る被膜の膜厚は透過電子顕微鏡観察で測定した。
[実施例1]
上記熱電粉体の製造方法において、加えるシリカナノ粒子の量を1gとし、同様の工程により熱電粉体を得た。
得られた熱電粉体を電子顕微鏡(日立製作所社製 走査電子顕微鏡 S−3700N)で確認したところ、各シリカナノ粒子上に厚さ約5nmのBiTe膜で被覆された実施例1に係る熱電粉体が得られた。
次に、白金基板上に導電ペースト(大研化学工業社製 NAG−38B)を塗布し、実施例1に係る熱電粉体を5mm×5mm角の形状で、厚さ1mm程積層した後、圧着し、300℃で10時間、熱処理を行った。その後、金を蒸着して電極とし、図7に示したような実施例1に係るn型熱電変換素子とした。
このn型熱電変換素子の性能を見るため、n型のみで計測した。すなわち、上記n型熱電変換素子の上下に20℃の温度差をつけ、発電量を計測し、そこからZTを計算したところ、ZT=2.3となった。
通常のBiTe系ではZTが約1.0程度なので、実施例1に係るn型熱電変換素子は熱電変換素子として優れており、熱電変換素子を構成する実施例1に係る熱電粉体の2次元性を反映していることが確認された。
[実施例2]
投入するシリカナノ粒子の量を変えることで、熱電材料(BiTe)から成る被膜の膜厚を変えた以外は実施例1と同一の条件で熱電変換素子を作製した。
そして、得られた熱電変換素子のZTを求め、熱電材料から成る被膜の膜厚との関係を確認した。この結果を表2に示す。
Figure 2011134745
[比較例1]
投入するシリカナノ粒子の量を変えることで、熱電材料(BiTe)から成る被膜の膜厚を変えた以外は実施例1と同一の条件で熱電変換素子を作製した。
そして、得られた熱電変換素子のZTを求め、熱電材料から成る被膜の膜厚との関係を確認した。この結果を表3に示す。
Figure 2011134745
「確 認」
(1)表2に示されたデータから確認されるように、熱電材料(BiTe)から成る被膜の膜厚が10nm以下2nm以上の場合、n型熱電変換素子の性能指数ZTが1.5以上となることが分かった。
(2)他方、表2と表3に示されたデータから確認されるように、BiTeから成る被膜の膜厚が10nmを超える場合、n型熱電変換素子の性能指数ZTが目的とする1.5以上にならないことが分かった。
[実施例3]
コア部(粒子体)の材料として、上記シリカナノ粒子に代えて平均粒径約10nm多孔質シリカを用いた以外は実施例1〜2と同様に行い、実施例3に係る熱電粉体とn型熱電変換素子を製造した。
上記多孔質シリカの熱伝導度は0.03W/mK程度であった。また、実施例1で用いたシリカナノ粒子の熱伝導度は0.6W/mK程度であった。
そして、シリカナノ粒子に代えて多孔質シリカを使用したことで、いずれの場合においてもZTが約20%向上したことが確認された。
[実施例4]
実施例2中における投入するシリカナノ粒子の量を0.5gとし、実施例2と同様の条件で熱電材料(BiTe)から成る被膜の膜厚が10nmの熱電粉体を製造した。
次に、得られた熱電粉体をバインダーと混合し、かつ、3mm×3mm×5mmの型に詰め、圧縮した後、400℃で熱処理して焼結させ、ロッド状のn型熱電変換素子を製造した。
次に、実施例1においてTeに代えてSbを適用した以外は実施例1と同様にして熱電材料(BiSb)から成る被膜の膜厚が10nmの熱電粉体を製造し、かつ、得られた熱電粉体をバインダーと混合し、3mm×3mm×5mmの型に詰め、圧縮した後、400℃で熱処理して焼結させ、ロッド状のp型熱電変換素子を製造した。
そして、図9に示すように、ロッド状のp型熱電変換素子とn型熱電変換素子を互いに1mmの間隔が開くように平行に配置し、かつ、電気的には直列に接続した。
そして、従来の熱電変換素子と同じように、高温側を100℃に維持した金属板に固着し、低温側を同様に30℃の金属板に固着して、実施例4に係る熱電変換モジュールを製造し、温度差発電を試みたところ、従来の材料では達成困難であったZT=1.5の性能を得ることができた。
本発明に係る熱電粉体の被膜同士が電気的に接続された本発明の熱電変換素子によれば、熱電材料から成る被膜中を移動する伝導キャリアにとって上記被膜はトポロジー的に2次元的であり、更に、熱電粉体が熱処理されて全体の熱伝導度が低くなっているため、従来構造の熱電変換素子と較べ高い性能指数ZTを得ることが可能となる。従って、発電量を増加、改善させる熱電変換モジュールに組み込まれて利用される産業上の利用可能性を有している。
1 発泡体から成る基板
2 上側板状電極
3 下側板状電極
4 貫通孔
5 n型熱電変換素子
6 p型熱電変換素子
12 上側板状電極
13 下側板状電極
15 n型熱電変換素子
16 p型熱電変換素子

Claims (7)

  1. 電気的絶縁材料から成る略球形状の粒子体と、粒子体の外表面を被覆する熱電材料から成る被膜とで構成されることを特徴とする熱電粉体。
  2. 上記熱電材料から成る被膜の膜厚が10nm以下2nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱電粉体。
  3. 熱電材料から成る被膜の膜厚に対する、上記粒子体における直径の比が1倍以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱電粉体。
  4. 上記粒子体を構成する電気的絶縁材料の熱伝導度が、0.1W/mK以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱電粉体。
  5. 上記熱電材料が、n型熱電材料若しくはp型熱電材料で構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱電粉体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の熱電粉体をバインダーと混合し、柱状に形成しかつ圧着した後、熱処理して得られることを特徴とする熱電変換素子。
  7. 発泡体から成る基板と、基板上面側に設けられると共に互いに電気的に接続されていない複数の上側板状電極と、基板下面側に設けられると共に互いに電気的に接続されていない複数の下側板状電極と、上記基板の上側板状電極と下側板状電極が重なり合う領域若しくは近傍領域に開設された複数の貫通孔と、各板状電極内若しくは近傍に設けられた一方の貫通孔に埋め込まれかつ熱電粉体の熱電材料がn型熱電材料で構成される請求項6に記載のn型熱電変換素子と、各板状電極内若しくは近傍に設けられた他方の貫通孔に埋め込まれかつ熱電粉体の熱電材料がp型熱電材料で構成される請求項6に記載のp型熱電変換素子を備え、各板状電極内若しくは近傍に設けられた一組のn型熱電変換素子とp型熱電変換素子の各端部側が対応する上側板状電極と下側板状電極にそれぞれ電気的に接続されてこれ等板状電極を介し複数組のp型熱電変換素子とn型熱電変換素子が直列に配列されていると共に、上側板状電極若しくは下側板状電極側が高温側に配置されかつ他方の電極側が低温側に配置されることを特徴とする熱電変換モジュール。
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