JP2016157843A - 熱電変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱サイクルの繰り返し特性が良好な、耐用寿命の長い熱電変換装置を提供する。【解決手段】熱電変換材料と電極材料とを有する熱電変換装置において、前記熱電変換材料からなる熱電変換体と前記電極材料からなる電極との間に中間層が具備され、前記中間層が、少なくとも前記熱電変換材料の構成元素と前記電極材料の構成元素の両方を含有する組成であるようにする。【選択図】図2
Description
本発明は、熱電変換装置に関する。
現在、世界のエネルギーは、その多くを化石燃料の燃焼エネルギーに依存しているが、熱サイクルを使用する発電システムの場合、そのエネルギーの多くを廃熱として未利用のまま廃棄しているのが現状である。一方、地球環境の保全が世界的規模で議論されるようになり、エネルギーの未利用分の有効利用技術開発が精力的に進められている。
この中で、熱電変換を用いた発電は、比較的低品質の熱においても直接電気に変換することが可能であるため、現状の未利用の廃熱を回収できる技術であり、最近のエネルギー問題や環境問題の深刻化に伴い、熱電変換に対する期待度はますます大きくなっている。
この熱電変換とは、異なる2種の金属やp型半導体とn型半導体等の熱電変換材料に温度差を与えると、両端に熱起電力が発生するゼーベック効果を利用して、熱エネルギーを直接電力に変換する技術であり、モーターやタービン等の可動部がまったくなく、また、老廃物もないという優れた特徴を有している。
図1は、従来の熱電変換装置の一例の概略断面図である。図中、101はセラミック製の高温側基板、102はセラミック製の低温側基板、103は高温側電極、104は低温側電極、105はn型熱電変換材料からなるn型熱電変換体、106はp型熱電変換材料からなるp型熱電変換体である。
熱電変換装置はn型熱電変換体105とp型熱電変換体106が半田等のろう材を介して、それぞれ高温側電極103と低温側電極104に接合されている。
このように、熱電変換材料と電極材料を使用して熱電変換装置を作製する場合、p型、n型の各熱電変換材料と電極材料とを高温部と低温部で接合する必要がある。
これらの接合は、熱電変換装置を比較的低温で使用する場合は特に問題ないが、比較的高温で使用する場合は、熱電変換材料、電極材料およびその接合に用いる材料との間の熱膨張係数の整合性が重要であり、熱膨張係数の差が大きい場合は、大きな熱応力が発生し、それに起因して接合部分の劣化、故障等が生じる等の問題が生じていた。
これらの問題点を解決するため、以下のような提案がなされていた。
これらの問題点を解決するため、以下のような提案がなされていた。
例えば、特許文献1(特開平10−209509号公報)には、p型熱電半導体およびn型熱電半導体の接合端部と電極層との間に中間層が形成された熱電変換装置が提案されている。
また、特許文献2(特許第3920403号公報には、吸熱側電極と、放熱側電極と、前記吸熱側電極と放熱側電極の間に並列に配置されてその吸熱側電極と放熱側電極により電気的に直列に接続されたP型半導体層とN型半導体層を有する熱電変換装置において、前記吸熱側電極と放熱側電極のうちの少なくとも一方の電極が、両端部付近に前記P型半導体層ならびにN型半導体層と接合する半導体接合領域をそれぞれ有し、その2つの半導体接合領域の間に、当該電極の一方の側端縁から他方の側端縁に向けて当該電極の中心点0付近を通過するように切り込まれた第1の切欠部と、当該電極の他方の側端縁から一方の側端縁に向けて当該電極の中心点0付近を通過するように切り込まれた第2の切欠部とを設けて、平面上において前記電極の一方の側転縁上における第1の切欠部の中心と前記電極の他方の側端縁上における第2の切欠部の中心とが互いにずれており、その第1の切欠部と第2の切欠部の間に幅狭の通電部が形成されている熱電変換装置が提案されている。
さらに、特許文献3(特許第5405993号公報)には、充填スクッテルダイト構造のSb系の熱電変換部材と、電極部材と、を有する熱電変換モジュールであって、前記熱電変換部材と前記電極部材とが接合部材で接合されており、前記接合部材は、Fe−M(Mは、Cr、Mo、W、V、Nb、Ta、からなる群から選択される少なくとも一種の元素)合金、Co−M合金、および、Ni−M合金、からなる群より選択される少なくとも一種の合金からなる熱電変換モジュールが提案されている。
しかしながら、上記特許文献1に提案された熱電変換装置によると、熱電半導体の接合端部では凹部が観察され、この凹部に、接合層(材)や中間層(材)や電極層(材)が入り込んだ構造となっていることによって、熱膨張(係数)差に起因する応力を緩和することができているが、中間層が、熱電材料と電極材料の構成元素と同じ構成元素を含む構造となっていないために、応力の緩和はまだ不十分であるという不具合が生じている。
また、上記特許文献2に提案された熱電変換装置によると、半導体層と電極の熱膨張係数の違いを有効に吸収し、接合強度を保持することにより、熱サイクルを繰り返しても性能劣化が少ない、動作信頼性に優れ、耐用寿命の長い熱電変換装置を提供することができるが、電極形状が複雑なため、生産性が悪く、電極製造の歩留まりも非常に小さくなってしまうという不具合が生じている。
また、上記特許文献3に提案された熱電変換モジュールによると、熱電変換モジュールの温度が作動などにより大幅に変化しても、熱電変換部材と電極部材との接合を良好に維持することができる熱電変換モジュールを提供することができるが、中間層が、熱電材料と電極材料の構成元素と同じ構成元素を含む構造となっていないために、接合を良好に維持することはまだ不十分であるという不具合が生じている。
そこで、本発明の目的は、熱電変換材料と電極材料との接合が良好に維持され、熱サイクルの繰り返し特性が良好な、耐用寿命の長い熱電変換装置を提供することにある。
本発明は、熱電変換材料と電極材料とを有する熱電変換装置において、前記熱電変換材料からなる熱電変換体と前記電極材料からなる電極との間に中間層が具備され、前記中間層が、少なくとも前記熱電変換材料の構成元素と前記電極材料の構成元素の両方を含有する組成からなることを特徴とする熱電変換装置である。
本発明によれば、熱電変換材料と電極材料との接合が良好に維持され、熱サイクルの繰り返し特性が良好な、耐用寿命の長い熱電変換装置を提供することができた。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図2は、本発明の熱電変換装置の一例の概要を示したものである。熱電変換体をp型とn型一対として簡略化して示している。
図2は、本発明の熱電変換装置の一例の概要を示したものである。熱電変換体をp型とn型一対として簡略化して示している。
図2に示すように本実施の形態の熱電変換装置は、少なくともp型の熱電変換材料からなるp型熱電変換体201、n型の熱電変換材料からなるn型熱電変換体202、中間層203、高温側電極204および低温側電極205を具備している。
p型の熱電変換材料からなるp型熱電変換体201、n型の熱電変換材料からなるn型熱電変換体202は、中間層203を介して高温側電極204および低温側電極205の電極材料に接合されている。
ここで、p型熱電変換体201およびn型熱電変換体202を構成する熱電変換材料としては、例えばBi−Te系材料、Pb−Te系材料、Ag−Sb−Te系材料、Si−Ge系材料、Fe−Si系あるいはMn−Si系あるいはCr−Si系あるいはMg−Si系のシリサイド系材料、スクッテルダイト系材料、酸化物系材料、有機物系材料をはじめとした種々の熱電材料を用いることができ、特に制限されない。
高温側電極204および低温側電極205を構成する電極材料としては、例えばFeおよびその合金、Coおよびその合金、Niおよびその合金、Auおよびその合金、Agおよびその合金、Cuおよびその合金、Crおよびその合金、Tiおよびその合金、Alおよびその合金をはじめとした金属系材料の他、セラミック材料等の非金属材料および導電性高分子等をはじめとした有機材料を用いることができるが、特に制限することはなく、導電性の材料を用いることができる。
ここで、熱電変換材料と電極材料とが直接接合していると、熱電変換材料と電極材料の熱膨張係数の差が大きいとそこで大きな熱応力が生じるため、使用を繰り返しているうちに密着性が低下し、接合部分の一部が破断してしまうという不具合が生じる。
そこで、本発明では、熱電変換体201、202と電極204、205の間に中間層203を具備しており、熱電変換体(以下、熱電変換材料と称することがある。)201、202は、中間層203を介して電極(以下、電極材料と称することがある。)204、205に接合されている。
中間層203としては、種々の材料を使用することができるが、繰り返し使用した場合にも接合部分が破断しないように、材料を選択することが必要である。そのために、中間層203が、直接接している前記熱電変換材料201,202の構成元素と前記電極材料204,205の構成元素の両方を含有することが重要となる。中間層の構成元素は、熱電変換材料および電極材料の各構成元素以外の元素を含むものであっても良いが、熱電変換材料および電極材料の両方の構成元素を含むことが必要である。
この時、中間層203の熱膨張率は、熱電変換材料201、202と電極材料204、205の熱膨張率の間の値にすることが好ましい。
ここで、中間層203の組成は、前記熱電変換材料の構成元素が前記電極側よりも前記熱電変換体側の方で多く、前記電極材料の構成元素が前記熱電変換体側よりも前記電極側の方で多くなるような組成とすることが好ましい。特に、前記中間層の組成は、前記熱電変換体側から前記電極側になるにつれて、徐々に前記熱電変換材料の構成元素が多い組成から前記電極材料の構成元素が多い組成へと組成変化する構成にすると、熱電変換材料201、202との界面、および電極材料204、205との界面が同じ組成とすることが可能となるため、熱膨張係数の差がなく、使用を繰り返しても接合部分の密着性が低下することがないため、繰り返し耐久性の大きい熱電変換装置を提供することができる。
このような中間層の形成方法としては、熱電変換材料の構成元素と電極材料の構成元素との組成割合を変化させた層を順に熱電変換体側あるいは電極側から積層し、次いで加圧成型及び一体焼結することによって、組成が変化した中間層を作製することができる。
なお熱電変換材料201、202と中間層203との間、および中間層203と電極材料204、205との間に、新たに接合層を設けても問題ない。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1
p型の熱電変換材料としてCa3Co4O9を用い、n型の熱電変換材料としてCaMnO3を用いて切削加工により、各材料を5mm×5mm×7mmの角柱状に加工した。
p型の熱電変換材料としてCa3Co4O9を用い、n型の熱電変換材料としてCaMnO3を用いて切削加工により、各材料を5mm×5mm×7mmの角柱状に加工した。
p型の熱電変換材料;Ca3Co4O9の両端面には、中間層としてAgペースト中にCa3Co4O9粉末とNi粉末を混合したものを塗布し、n型の熱電変換材料;CaMnO3の両端面には中間層としてAgペーストにCaMnO3粉末とNi粉末を混合したものを塗布した。この中間層の概念図を図3に示した。図3中、301はAgペースト、302はn型(又はp型)熱電変換材料、303は電極材料のNi粉末である。
この両端に中間層を塗布したp型熱電変換材料とn型熱電変換材料を18対並べ、上下に電極材料としてNiを、p型熱電変換材料とn型熱電変換材料が直列に接続されるように貼付けした。さらに、電極材料上にアルミナ基板をセラミックスボンドで貼付けして乾燥し、熱電変換装置を作製した。
高温側にブロックヒーターを使用し、低温側には水冷ブロックを使用し、ヒートサイクル試験を実施した。ヒートサイクル試験は高温側の温度を200℃から600℃の間を毎分20℃の速度で昇降温し、600℃で1時間保持するように制御して実施した。
ヒートサイクルを100サイクルまで実施したが、サイクル毎に測定した熱電変換装置の内部抵抗は増加せず、熱サイクルの繰り返し特性が良好である熱電変換装置が作製できた。
実施例2
p型の熱電変換材料としてMnSi1.73を用い、n型の熱電変換材料としてMg2Si0.4Sn0.6を用いて切削加工により、各材料を5mm×5mm×7mmの角柱状に加工した。
p型の熱電変換材料としてMnSi1.73を用い、n型の熱電変換材料としてMg2Si0.4Sn0.6を用いて切削加工により、各材料を5mm×5mm×7mmの角柱状に加工した。
p型の熱電変換材料;MnSi1.73の両端面には、中間層としてAgペースト中にMnSi1.73粉末とNi粉末を混合したものを塗布し、n型の熱電変換材料;Mg2Si0.4Sn0.6の両端面には中間層としてAgペーストにMg2Si0.4Sn0.6粉末とNi粉末を混合したものを塗布した。
この両端に中間層を塗布したp型熱電変換材料とn型熱電変換材料を18対並べ、上下に電極材料としてNiを、p型熱電変換材料とn型熱電変換材料が直列に接続されるように貼付けした。さらに、電極材料上にアルミナ基板をセラミックスボンドで貼付けして乾燥し、熱電変換装置を作製した。
高温側にブロックヒーターを使用し、低温側には水冷ブロックを使用し、ヒートサイクル試験を実施した。ヒートサイクル試験は高温側の温度を200℃から600℃の間を毎分20℃の速度で昇降温し、600℃で1時間保持するように制御して実施した。
ヒートサイクルを100サイクルまで実施したが、サイクル毎に測定した熱電変換装置の内部抵抗は増加せず、熱サイクルの繰り返し特性が良好である熱電変換装置が作製できた。
実施例3
p型の熱電変換材料としてCa3Co4O9を用い、Ca3Co4O9上にNiの含有量を20%、40%、60%、80%(重量基準)と変化させたCa3Co4O9/Ni混合粉末を積層し、加圧成型した。これを一体焼結することにより、Ca3Co4O9からNiまで徐々に組成が変化する電極一体型p型熱電変換材料を作製した。この電極一体型p型熱電変換材料の概念図を図4に示した。図4中、401はp型の熱電変換材料であるCa3Co4O9からなる層、402はCa3Co4O9/20%Niからなる層、403はCa3Co4O9/40%Niからなる層、404はCa3Co4O9/60%Niからなる層、405はCa3Co4O9/80%Niからなる層、406はNi電極である。
p型の熱電変換材料としてCa3Co4O9を用い、Ca3Co4O9上にNiの含有量を20%、40%、60%、80%(重量基準)と変化させたCa3Co4O9/Ni混合粉末を積層し、加圧成型した。これを一体焼結することにより、Ca3Co4O9からNiまで徐々に組成が変化する電極一体型p型熱電変換材料を作製した。この電極一体型p型熱電変換材料の概念図を図4に示した。図4中、401はp型の熱電変換材料であるCa3Co4O9からなる層、402はCa3Co4O9/20%Niからなる層、403はCa3Co4O9/40%Niからなる層、404はCa3Co4O9/60%Niからなる層、405はCa3Co4O9/80%Niからなる層、406はNi電極である。
同様にn型の熱電変換材料としてCaMnO3を用い、CaMnO3上にNiの含有量を20%、40%、60%、80%(重量基準)と変化させたCaMnO3/Ni混合粉末を積層し、加圧成型した。これを一体焼結することにより、CaMnO3からNiまで徐々に組成が変化する電極一体型n型熱電変換材料を作製した。
これらの電極一体型のp型熱電変換材料とn型熱電変換材料を切削加工により、各々を5mm×5mm×7mmの角柱状に加工した。
この電極一体型のp型熱電変換材料とn型熱電変換材料を18対並べ、これをさらにNiで、p型熱電変換材料とn型熱電変換材料が直列になるように接続した。さらに、電極材料上にアルミナ基板をセラミックスボンドで貼付けして乾燥し、熱電変換装置を作製した。
高温側にブロックヒーターを使用し、低温側には水冷ブロックを使用し、ヒートサイクル試験を実施した。ヒートサイクル試験は高温側の温度を200℃から600℃の間を毎分20℃の速度で昇降温し、600℃で1時間保持するように制御して実施した。
ヒートサイクルを100サイクルまで実施したが、サイクル毎に測定した熱電変換装置の内部抵抗は増加せず、熱サイクルの繰り返し特性が良好である熱電変換装置が作製できた。
実施例4
p型の熱電変換材料としてMnSi1.73を用い、MnSi1.73上にNiの含有量を20%、40%、60%、80%(重量基準)と変化させたMnSi1.73/Ni混合粉末を積層し、加圧成型した。これを一体焼結することにより、MnSi1.73からNiまで徐々に組成が変化する電極一体型p型熱電変換材料を作製した。この電極一体型p型熱電変換材料の電極とp型熱電変換材料を除いた部分の平均の熱膨張率は、NiとMnSi1.73の間に設定することができた。
p型の熱電変換材料としてMnSi1.73を用い、MnSi1.73上にNiの含有量を20%、40%、60%、80%(重量基準)と変化させたMnSi1.73/Ni混合粉末を積層し、加圧成型した。これを一体焼結することにより、MnSi1.73からNiまで徐々に組成が変化する電極一体型p型熱電変換材料を作製した。この電極一体型p型熱電変換材料の電極とp型熱電変換材料を除いた部分の平均の熱膨張率は、NiとMnSi1.73の間に設定することができた。
同様にn型の熱電変換材料としてMg2Si0.4Sn0.6を用い、Mg2Si0.4Sn0.6上にNiの含有量を20%、40%、60%、80%(重量基準)と変化させたMg2Si0.4Sn0.6/Ni混合粉末を積層し、加圧成型した。これを一体焼結することにより、Mg2Si0.4Sn0.63からNiまで徐々に組成が変化する電極一体型n型熱電変換材料を作製した。この電極一体型n型熱電変換材料の電極とn型熱電変換材料を除いた部分の平均の熱膨張率は、NiとMg2Si0.4Sn0.63の間に設定することができた。
これらの電極一体型のp型熱電材料とn型熱電材料を切削加工により、各々を5mm×5mm×7mmの角柱状に加工した。
この電極一体型のp型熱電材料とn型熱電材料を18対並べ、これをさらにNiで、p型熱電材料とn型熱電材料が直列になるように接続した。さらに、電極材料上にアルミナ基板をセラミックスボンドで貼付けして乾燥し、熱電変換装置を作製した。
高温側にブロックヒーターを使用し、低温側には水冷ブロックを使用し、ヒートサイクル試験を実施した。ヒートサイクル試験は高温側の温度を200℃から600℃の間を毎分20℃の速度で昇降温し、600℃で1時間保持するように制御して実施した。
ヒートサイクルを100サイクルまで実施したが、サイクル毎に測定した熱電変換装置の内部抵抗は増加せず、熱サイクルの繰り返し特性が良好である熱電変換装置が作製できた。
なお、実施例3,4においては、中間層におけるNiの含有量を20%、40%、60%、80%と変化させたが、0%、20%、40%、60%、80%、100%と変化させれば、各熱電変換体との界面、および電極との界面が同じ組成となる。また、Niの含有量をさらに細かく変化させた層構成とすることにより、焼結後の組成変化をほぼ連続的にすることができる。その結果、熱膨張係数の差がなく、使用を繰り返しても接合部分の密着性が低下することがない熱電変換装置が得られる。
以上、実施例で示したように、本発明により、熱電変換材料と電極材料との間に中間層が具備され、前記中間層が、少なくとも前記熱電変換材料の構成元素と前記電極材料の構成元素を含有することにより、熱電変換材料と電極材料の熱膨張係数の違いから生じる応力を有効に吸収することにより、熱サイクルの繰り返し特性が良好な熱電変換装置を提供することが可能になった。
101 高温側基板
102 低温側基板
103、204 高温側電極
104、205 低温側電極
105、202 n型熱電変換体
106、201 p型熱電変換体
203 中間層
301 Agペースト
302 n型(又はp型)熱電変換材料
303 Ni粉末
401 Ca3Co4O9からなる層
402 Ca3Co4O9/20%Niからなる層
403 Ca3Co4O9/40%Niからなる層
404 Ca3Co4O9/60%Niからなる層
405 Ca3Co4O9/80%Niからなる層
406 Ni電極
102 低温側基板
103、204 高温側電極
104、205 低温側電極
105、202 n型熱電変換体
106、201 p型熱電変換体
203 中間層
301 Agペースト
302 n型(又はp型)熱電変換材料
303 Ni粉末
401 Ca3Co4O9からなる層
402 Ca3Co4O9/20%Niからなる層
403 Ca3Co4O9/40%Niからなる層
404 Ca3Co4O9/60%Niからなる層
405 Ca3Co4O9/80%Niからなる層
406 Ni電極
Claims (4)
- 熱電変換材料と電極材料とを有する熱電変換装置において、
前記熱電変換材料からなる熱電変換体と前記電極材料からなる電極との間に中間層が具備され、
前記中間層が、少なくとも前記熱電変換材料の構成元素と前記電極材料の構成元素の両方を含有する組成であることを特徴とする熱電変換装置。 - 前記中間層の組成は、前記熱電変換材料の構成元素が前記電極側よりも前記熱電変換体側の方で多く、前記電極材料の構成元素が前記熱電変換体側よりも前記電極側の方で多くなるような組成であることを特徴とする請求項1に記載の熱電変換装置。
- 前記中間層の組成は、前記熱電変換体側から前記電極側になるにつれて、徐々に前記熱電変換材料の構成元素が多い組成から前記電極材料の構成元素が多い組成へと組成変化することを特徴とする請求項2に記載の熱電変換装置。
- 前記中間層の全体としての熱膨張率は、前記熱電変換体の熱膨張率と前記電極の熱膨張率との間の値を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱電変換装置。
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