JP2004196162A - サイドエアバッグ - Google Patents

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Abstract

【課題】下室が上室よりも早期に且つ高圧に膨張するサイドエアバッグを提供することを目的とする。
【解決手段】サイドエアバッグ１内の下部にサブバッグ２が配置され、このサブバッグ２内にガス発生器３が配置されている。このサブバッグ２の上面部には、サブバッグ２からサイドエアバッグ１の上部に向けてガスを流出させる流出部として開口４が設けられている。ガス発生器３が作動すると、まずサブバッグ２が高圧に膨張し、その後開口４を通ってサブバッグ２から流出したガスによってサイドエアバッグ１の上部が膨張する。乗員がサイドエアバッグ１に押し当ったときには、ベントホール５からガスが徐々に流出する。
【選択図】 図２

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両とくに好ましくは自動車の座席の乗員を保護するためのサイドエアバッグに係り、詳しくは座席の側方において膨張するタイプのサイドエアバッグに関する。
【０００２】
【従来の技術】
サイドエアバッグとして、自動車の座席の側方に配置され、インフレータ（ガス発生器）が作動することにより乗員の側方に膨張するタイプのものがある。
【０００３】
特開２０００−１７７５２７号には、このサブバッグ内をシーム（縫目）によって上下２室に分割し、インフレータからのガスを上下２室に別々に、且つ下室の方が高圧となるように供給するよう構成したサイドエアバッグが記載されている。下室を上室より高圧とするのは、胸郭部をソフトに受け止めるためである。
【０００４】
【特許文献１】
特開２０００−１７７５２７号公報
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開２０００−１７７５２７号では、サイドエアバッグの上室及び下室はほぼ同時に膨張する。
【０００６】
本発明は、下室が上室よりも早期に且つ高圧に膨張するサイドエアバッグを提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明のサイドエアバッグは、車両の座席の側方に配置され、ガス発生器からのガスによって膨張するサイドエアバッグにおいて、該サイドエアバッグ内の下部にサブバッグが配置されており、該サブバッグが該ガス発生器からのガスにより膨張し、該サブバッグから流出したガスにより該サイドエアバッグの上部が膨張することを特徴とするものである。
【０００８】
かかるサイドエアバッグにあっては、ガス発生器が作動するとまずサブバッグが高圧にて膨張し、該サブバッグを包蔵したサイドエアバッグ下部も該サブバッグと共に膨張する。このように高圧にて膨張したサイドエアバッグの下部により、乗員の腰部は車両中央方向に押圧され、それに伴い乗員がドアから遠ざけられる。その後、このサブバッグから流出したガスによってサイドエアバッグの上部が比較的低圧にて膨張する。このようにサイドエアバッグの下部を先に高圧にて膨張させ、乗員をドアから遠ざけることにより、サイドエアバッグの上部を余裕を持って膨張させることができる。
【０００９】
本発明では、サブバッグ内から該サイドエアバッグ内へガスを流出させる流出部が該サブバッグに設けられている構成とすることにより、サイドエアバッグ上部にサブバッグからガスを送り込むことができる。
【００１０】
この場合、該流出部は、サブバッグ内のガス圧が所定圧になるとこの閉鎖を解除してガスの流出を許容する閉鎖手段によって閉鎖されてもよい。このように構成した場合には、サブバッグがさらに早期に且つ十分に高圧に膨張する。
【００１１】
【発明の実施の形態】
図１は実施の形態に係るサイドエアバッグの膨張図、図２はこのサイドエアバッグの構成図である。
【００１２】
このサイドエアバッグ１は、２枚のパネルを重ね合わせ、それらの周縁部を縫合、接着、溶着などにより結合して袋形状としたものである。
【００１３】
このサイドエアバッグ１内の下部にサブバッグ２が配置され、このサブバッグ２内にガス発生器３が配置されている。このサブバッグ２の上面部には、サブバッグ２からサイドエアバッグ１の上部に向けてガスを流出させる流出部として開口４が設けられている。
【００１４】
このサブバッグ２も２枚のパネルを重ね合わせ、それらの周縁部を縫合、接着、溶着などにより結合して小袋状としたものである。サイドエアバッグ１の上部のドア側（乗員と反対側）のパネルにはベントホール５が設けられている。なお、２枚のパネルを重ね合わせてその周縁部を縫合する場合、平面縫いとなるため、縫合が容易である。また、ベントホール５は省略することもできる。
【００１５】
図示はしないが、ガス発生器３からは複数本のボルトが図２（ａ）の紙面と垂直方向に突設されており、このボルトがサブバッグ２及びサイドエアバッグ１を貫通してサイドエアバッグ装置のケーシング（図示略）に連結される。そして、サブバッグ２を内包したサイドエアバッグ１が折り畳まれてこのケーシング内に納め込まれる。このケーシングは、好ましくはシートバッグの側面部分に設けられるが、ドアの内面やシートクッションなどに設けられても良い。
【００１６】
図１において、自動車内の座席１０は、シートクッション１１とシートバック１２と、ヘッドレスト１３とからなる。
【００１７】
このように構成されたサイドエアバッグを備えた自動車が側面衝突したり横転すると、ガス発生器３が作動してガスが発生し、サイドエアバッグ１が膨張する。
【００１８】
この場合、まずサブバッグ２が高圧に膨張し、その後開口４を通ってサブバッグ２から流出したガスによってサイドエアバッグ１の上部が膨張する。特に本発明を限定するものではないが、乗員がぶつからない状態において、サブバッグ２内の最高ガス圧が３００ｋＰａ程度となるように膨張し、サイドエアバッグ１の上部は最高ガス圧が１００ｋＰａ程度となるように膨張する。
【００１９】
このようにサブバッグ２が早期に且つ高圧にて膨張し、まず乗員の腰部を受け止めつつ、車両中央方向に押圧し乗員をドアから遠ざけ、その間にサイドエアバッグ１の上部が膨張し、乗員の胸部をソフトに受け止める。なお、乗員がサイドエアバッグ１に押し当ったときには、ベントホール５からガスが徐々に流出する。
【００２０】
上記の開口４は、例えばサブバッグ２を構成する２枚のパネルの周縁部に部分的に未結合部（例えば縫合しない部分）を設けることにより形成することができる。この場合、開口４の近傍において、パネル同士を強固に結合するように結合補強部を設けてもよい。
【００２１】
なお、サブバッグ用パネルの全周縁を結合し、パネルの周縁以外の部分に流出部としての開口やスリットを設けてもよい。
【００２２】
上記実施の形態では開口４は常時開放したものとなっているが、テアシームや接着剤によって開口を閉鎖しておき、サブバッグ２内のガス圧が所定圧に達するとテアシームが切れたり接着が剥れたりすることにより開口が開放するよう構成してもよい。このようにすれば、サブバッグ２が著しく早期に且つ高圧に膨張するようになる。なお、テアシームの強度や接着剤の接着強度を選定することにより、サブバッグ２内のガス圧を調整することも可能である。
【００２３】
上記実施の形態では、ガス発生器３の全体をサブバッグ２内に配置しているが、サイドエアバッグ外にガス発生器の大部分を配置し、ガス発生器のガス噴出口部分のみをサブバッグ２内に配置してもよい。また、サイドエアバッグ外にガス発生器を配置し、ダクト部材によってガスをサブバッグ２内に導入するようにしてもよい。
【００２４】
【発明の効果】
以上の通り、本発明のサイドエアバッグによると、下室を上室よりも早期に且つ高圧に膨張させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施の形態に係るサイドエアバッグを備えた自動車内部の斜視図である。
【図２】（ａ）図は図１のII−II線に沿う断面図、（ｂ）図は（ａ）図のＢ−Ｂ線に沿う断面図である。
【符号の説明】
１ サイドエアバッグ
２ サブバッグ
３ ガス発生器
４ 開口
１０ 座席

Claims (3)

  1. 車両の座席の側方に配置され、ガス発生器からのガスによって膨張するサイドエアバッグにおいて、
    該サイドエアバッグ内の下部にサブバッグが配置されており、
    該サブバッグが該ガス発生器からのガスにより膨張し、
    該サブバッグから流出したガスにより該サイドエアバッグの上部が膨張することを特徴とするサイドエアバッグ。
  2. 請求項１において、該サブバッグ内から該サイドエアバッグ内へガスを流出させる流出部が該サブバッグに設けられていることを特徴とするサイドエアバッグ。
  3. 請求項２において、該流出部を閉鎖しており、該サブバッグ内のガス圧が所定圧になるとこの閉鎖を解除してガスの流出を許容する閉鎖手段が設けられていることを特徴とするサイドエアバッグ。
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