JP5915481B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シートに着座している乗員に接近した箇所でエアバッグを膨張展開させて乗員を保護するエアバッグ装置に関するものである。
エアバッグ装置は、袋状に形成されたエアバッグと同エアバッグを膨張させるための膨張用ガスを発生させるインフレータとを備えている。近年、エアバッグの内部を複数の部屋(膨張部)に仕切るとともに、それら膨張部の内圧を各別に調整することが提案されている。
例えば特許文献1に記載の装置では、エアバッグの内部が区画部材によって上流膨張部と下流膨張部とに区画されている。上流膨張部にはインフレータの発生ガスが直接供給され、下流膨張部には上流膨張部を経由して膨張用ガスが供給される。また区画部材には、上流膨張部から下流膨張部への膨張用ガスの流入量を調節する調圧弁が設けられている。この調圧弁は、エアバッグの膨張に際して乗員を拘束したときに、エアバッグに加わる外力によって区画部材が撓んでその張力が低下することを利用して、開弁する構造になっている。そして特許文献1の装置では、上記調圧弁の確実な開弁を実現するために、上記外力が最も大きくなる部分(具体的には、区画部材の中央部分)に同調圧弁が配設されている。
特開2012−30614号公報
エアバッグ内部が複数の膨張部に区画されている装置では、各膨張部の形成位置や大きさなどといった設定態様に応じて、各膨張部の展開態様(展開タイミングや展開速度など)についての要求が異なる。
特許文献1に記載の装置は、調圧弁を適正に開弁させることが可能になるものの、調圧弁の開弁態様(開弁タイミングや開弁速度など)の設定についての自由度が低く、各膨張部の展開態様の設定についての自由度も低い。そのため場合によっては、エアバッグの各膨張部の展開態様の要求に十分に応えられない可能性がある。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の膨張室の展開態様を高い自由度で設定することのできるエアバッグ装置を提供することにある。
請求項1に記載のエアバッグ装置は、膨張用ガスの供給によって膨張する上流膨張部と同上流膨張部からの膨張用ガスの流入によって膨張する下流膨張部とがエアバッグの内部に区画形成されてなり、前記エアバッグの膨張時に前記上流膨張部から前記下流膨張部に前記膨張用ガスを流入させるものであり、且つ前記エアバッグによる乗員拘束時に、その拘束に伴い同エアバッグに加わる外力によって、前記上流膨張部から前記下流膨張部への前記膨張用ガスの流入量を前記エアバッグによる乗員拘束前と比較して増加させる構造のガス流入部を備えてなるエアバッグ装置において、前記エアバッグは、前記上流膨張部と前記下流膨張部との間を仕切る区画部材を有してなり、前記ガス流入部は、前記区画部材において車幅方向の長さが最も長い部分以外の部分に設けられ、前記ガス流入部は、前記区画部材に形成されるスリットである
請求項2に記載のエアバッグ装置は、膨張用ガスの供給によって膨張する上流膨張部と同上流膨張部からの膨張用ガスの流入によって膨張する下流膨張部とがエアバッグの内部に区画形成されてなり、前記エアバッグの膨張時に前記上流膨張部から前記下流膨張部に前記膨張用ガスを流入させるものであり、且つ前記エアバッグによる乗員拘束時に、その拘束に伴い同エアバッグに加わる外力によって、前記上流膨張部から前記下流膨張部への前記膨張用ガスの流入量を前記エアバッグによる乗員拘束前と比較して増加させる構造のガス流入部を備えてなるエアバッグ装置において、前記エアバッグは、前記上流膨張部と前記下流膨張部との間を仕切る区画部材を有してなり、前記ガス流入部は、前記区画部材において車幅方向の長さが最も長い部分以外の部分に設けられ、前記エアバッグは、前記区画部材として、前記上流膨張部側に配設された第1区画部材と前記下流膨張部側に配設された第2区画部材とを有してなり、且つそれら前記第1区画部材および前記第2区画部材それぞれにスリットが形成されてなり、且つ前記第2区画部材のスリットが、前記第1区画部材のスリットを介して流出する前記膨張用ガスの流れが指向する部分以外の部分に形成されてなり、且つ前記第1区画部材に形成されたスリットおよび前記第2区画部材に形成されたスリットのうちの少なくとも一方が前記ガス流入部である。
請求項3に記載のエアバッグ装置は、膨張用ガスの供給によって膨張する上流膨張部と同上流膨張部からの膨張用ガスの流入によって膨張する下流膨張部とがエアバッグの内部に区画形成されてなり、前記エアバッグの膨張時に前記上流膨張部から前記下流膨張部に前記膨張用ガスを流入させるものであり、且つ前記エアバッグによる乗員拘束時に、その拘束に伴い同エアバッグに加わる外力によって、前記上流膨張部から前記下流膨張部への前記膨張用ガスの流入量を前記エアバッグによる乗員拘束前と比較して増加させる構造のガス流入部を備えてなるエアバッグ装置において、前記エアバッグは、前記上流膨張部と前記下流膨張部との間を仕切る区画部材を有してなり、前記ガス流入部は、前記区画部材において車幅方向の長さが最も長い部分以外の部分に設けられ、前記区画部材は、その端縁が前記エアバッグの外壁に沿って前記上流膨張部側に向けて延びる態様で同外壁に結合されてなり、前記ガス流入部は、前記区画部材と前記エアバッグの外壁との間が部分的に非結合にされた部分である。
上記装置によれば、乗員拘束に伴ってエアバッグに加わる外力が最も大きい部分にガス流入部が形成される装置と比較して、ガス流入部に作用する外力が小さくなるため、例えば膨張用ガスの流入量の増加タイミングを遅延させたり流入量の増加分を減少させたりするなど、上流膨張部から下流膨張部への膨張用ガスの流入量の増加幅を小さくすることが可能になる。しかも、上記外力を考慮しつつガス流入部の配設位置を設定することにより、同外力を適当な大きさになるように調節することが可能になる。したがって、上流膨張部から下流膨張部への膨張用ガスの流入量を高い自由度で設定することができ、各膨張室の展開態様を高い自由度で設定することができる。
請求項1に記載の装置によれば、エアバッグによる乗員拘束前には、区画部材に作用する張力によってスリットをほぼ閉じられた状態にして、上流膨張部から下流膨張部への膨張用ガスの流入量をごく少なくすることが可能になる。しかも、エアバッグによる乗員拘束時には、その拘束に伴いエアバッグに作用する外力によって区画部材の張力を低下させて同区画部材を撓ませることができるため、このとき上流膨張部の内部圧力によってスリットを押し広げることが可能になる。そして、これにより上流膨張部から下流膨張部への膨張用ガスの流入量を増加させることができる。上記装置によれば、このようにしてエアバッグによる乗員拘束時に、上記外力によって、上流膨張部から下流膨張部への膨張用ガスの流入量を乗員拘束前と比較して増加させることができる。
請求項2に記載の装置では、上流膨張部から下流膨張部への膨張用ガスの流入に際して同膨張用ガスが、先ず第1区画部材に形成されたスリットを通過し、その後において第2区画部材に形成されたスリットを通過する。上記装置では、第2区画部材のスリットが、第1区画部材のスリットを介して流出する膨張用ガスの流れが指向する部分以外の部分に形成されている。そのため、膨張用ガスの流れが第1区画部材と第2区画部材との間において大きく偏向されて、同膨張用ガスの流速が低下するようになる。
上記装置によれば、エアバッグによる乗員拘束時に上流膨張部から下流膨張部に流入する膨張用ガスの量の調整のために、上流膨張部から下流膨張部への膨張用ガスの流入速度を遅くすることができる。
請求項3に記載の装置では、区画部材の端縁がエアバッグの外壁に沿って上流膨張部側に向けて延びる態様で同区画部材が配設されるため、上流膨張部の膨張に際して同上流膨張部の内部圧力が区画部材の端縁をエアバッグの外壁に押し付けるように作用する。
そのため、エアバッグによる乗員拘束前においては、区画部材とエアバッグの外壁との間が部分的に非結合にされた部分(非結合部分)における区画部材の端縁もエアバッグの外壁に押し付けられた状態になり、それら区画部材とエアバッグとの隙間が塞がれて上流膨張部と下流膨張部との連通が遮断される。
一方、エアバッグによる乗員拘束時においては、その拘束に伴い加わる外力によってエアバッグの外壁や区画部材が撓む。このとき非結合部においてエアバッグの外壁が外方に変形したり区画部材がエアバッグの内方に変形したりすると、上流膨張部の内部圧力が区画部材の端縁を区画部材とエアバッグの外壁との間隙に押し込むように作用するようになるため、区画部材の端縁が上流膨張部の内部圧力によって下流膨張部に押し込まれた状態になる。これにより上流膨張部から下流膨張部への膨張用ガスの流入が許容された状態になる。
このように上記装置によれば、区画部材とエアバッグ外壁と間を部分的に非結合にするといった構成により、上流膨張部と下流膨張部との連通をエアバッグによる乗員拘束前において遮断する一方で乗員拘束時において許容するといった構造を実現することができる。
本発明によれば、複数の膨張室の展開態様を高い自由度で設定することができる。
第1の実施形態のエアバッグ装置が適用された車両の座席を乗員及びエアバッグとともに示す側面図。 同座席の背もたれに組み込まれたエアバッグ及びインフレータをボディサイド部とともに示す部分平断面図。 図2の状態からエアバッグが背もたれから飛び出して膨張展開した状態を示す部分平断面図。 車両の座席及びボディサイド部の位置関係を乗員及びエアバッグとともに示す正断面図。 車両の座席及びボディサイド部の位置関係を乗員及びエアバッグとともに示す平断面図。 非膨張状態のエアバッグの側面構造を示す側面図。 非膨張状態のエアバッグの車幅方向中央における断面構造を示す断面図。 区画部材の平面構造を示す平面図。 (a)乗員拘束前のスリットを拡大して示す平面図、(b)乗員拘束時のスリットを拡大して示す平面図。 第2の実施形態のエアバッグの非膨張状態での側面構造を示す側面図。 同エアバッグの図10のA−A線に沿った断面構造を示す断面図。 (a)第1区画部材の平面構造を示す平面図、(b)第2区画部材の平面構造を示す平面図。 下流膨張部の膨張時のエアバッグの内部構造と膨張用ガスの流れを模式的に示す略図。 第3の実施形態のエアバッグの非膨張状態での側面構造を示す側面図。 同エアバッグの(a)図14のB−B線に沿った断面構造を示す断面図、(b)図14のC−C線に沿った断面構造を示す断面図。 区画部材が面状に緊張した状態でのエアバッグの非結合部分の断面構造を示す断面図。 乗員拘束時におけるエアバッグの非結合部分の断面構造を示す断面図。 他の実施形態の調圧弁の斜視構造を拡大して示す斜視図。 同調圧弁の(a)図18のE−E線に沿った断面構造を示す断面図、(b)図18のF−F線に沿った断面構造を示す断面図。 (a)〜(c)同調圧弁の動作態様を模式的に示す略図。 調圧弁の変形例の平面構造を示す平面図。 調圧弁の変形例の平面構造を示す平面図。 調圧弁の変形例の平面構造を示す平面図。 調圧弁の変形例の平面構造を示す平面図。 調圧弁の変形例の平面構造を示す平面図。 調圧弁の変形例の平面構造を示す平面図。 調圧弁の変形例の平面構造を示す平面図。 調圧弁の変形例の平面構造を示す平面図。 調圧弁の変形例の平面構造を示す平面図。 調圧弁の変形例の平面構造を示す平面図。 調圧弁の変形例の平面構造を示す平面図。 他の実施形態の区画部材の平面構造を示す平面図。 他の実施形態のエアバッグの(a)基布と区画部材とが結合された部分の断面構造を拡大して示す断面図、(b)非結合部分の断面構造を拡大して示す断面図。 同区画部材が面状に緊張した状態でのエアバッグの非結合部分の断面構造を示す断面図。 乗員拘束時におけるエアバッグの非結合部分の断面構造を示す断面図。
(第1の実施形態)
以下、エアバッグ装置の第1の実施形態について説明する。
図1に示すように、エアバッグ装置1は、車両において乗員Pが着座する座席2の背もたれ2Aに折り畳まれた状態で設けられるエアバッグ10と、そのエアバッグ10に膨張用ガスを供給するためのインフレータ3と、そのインフレータ3によるエアバッグ10へのガスの供給を制御する制御装置4とを備えている。この制御装置4には車両のボディサイド部等に設けられた加速度センサ等からなる衝撃センサ5が接続されており、同衝撃センサ5は車両のボディサイド部に加えられた衝撃を検出する。そして、制御装置4は、衝撃センサ5からの検出信号に基づきインフレータ3を作動させてエアバッグ10にガスを供給する。なお図1において、破線で示すエアバッグ10は折り畳まれた状態を示し、二点鎖線で示すエアバッグ10は展開膨張した状態を示す。
図2に示すように、背もたれ2Aの内部における車両のボディサイド部6に近い部分には、上記エアバッグ10が折り畳まれた状態で収納されるとともに、そのエアバッグ10に膨張用ガスを供給するための上記インフレータ3が収納されている。このインフレータ3は、背もたれ2Aの骨格をなすフレーム7に対し、上記折り畳まれた状態のエアバッグ10とともに固定されている。そして、こうしたエアバッグ10にインフレータ3から膨張用ガスが供給されると、折り畳まれた状態のエアバッグ10が膨張展開を開始する。これにより図3に示すように、エアバッグ10は、インフレータ3付近の部分を背もたれ2A内に残しつつ同背もたれ2Aから飛び出した状態となる。このようにエアバッグ10は、インフレータ3からの膨張用ガスの供給を通じて膨張する。
そして、図4及び図5に示すように、エアバッグ10は、上記座席2に着座した乗員Pの側方であって同乗員Pと車両のボディサイド部6との間に展開膨張するようになる。図4及び図5から明らかなように、上記エアバッグ10は、座席2に着座した乗員Pの側方における肩部PSや胸部PT、腰部PPといった部位に対応する位置で展開膨張する。
次に、上記エアバッグ10の構造について説明する。
図6に非膨張状態のエアバッグ10の側面構造を示し、図7に非膨張状態のエアバッグ10の車幅方向中央における断面構造を示す。
図6及び図7に示すように、エアバッグ10は、一枚の基布11を折り目11Aにおいて二つに折って同基布11の外縁部同士を厚さ方向に重ねた状態にするとともに、それら外縁部を縫い目11Bに沿って互いに縫い合わせて結合することによって袋形状に形成されている。なお本実施形態では、上記基布11として、強度が高く可撓性を有する素材(例えばポリエステル糸やポリアミド糸)により形成された織布が用いられる。なお図6及び図7では、2つの線種によって縫製部分を表現している。一方の線種は、一定長さの太線を断続的に並べて表現した線(破線の一種)であり、これは縫合の対象となる基布11の外面における縫糸の状態を示している。他方の線種は、点を一定間隔おきに並べて表現した線(破線の一種)であり、これは縫合の対象となる基布11の内面(合わせ面)における縫糸の状態を示している。
上記エアバッグ10には、その内部を車両後方側の部分(上流膨張部12)と車両前方側の部分(下流膨張部13)とに仕切る区画部材14が取り付けられている。区画部材14は、上記基布11と同一素材の織布により形成されて、その外縁部が縫い目14Bに沿って基布11に縫い合わされて結合(縫合)されている。この区画部材14は、一般的にテザーと呼ばれるものと同様の構造のものである。区画部材14は、エアバッグ10が非膨張状態であるときには、外縁部が厚さ方向に重なるように折り目14Aにおいて二つに折られた状態でエアバッグ10の内部に取り付けられている。そして、膨張用ガスが供給されてエアバッグ10が展開膨張すると、区画部材14は、上流膨張部12と下流膨張部13との間を仕切るように面状に緊張した状態になる。本実施形態の装置では、前記インフレータ3が上流膨張部12の内部に配設されている。また図1及び図7に示すように、上記上流膨張部12は乗員Pの肩部PSから腰部PPまでの部分における後部側方で展開膨張し、下流膨張部13は乗員Pの上半身の上部における前方側方で展開膨張するようになっている。
図8に、区画部材14の平面構造を示す。なお図8における破線は、区画部材14が上記基布11に縫合される縫い目の位置を示している。
図8に示すように、区画部材14には、四本のスリット15(直線状に切断された切れ目)が形成されている。各スリット15は、区画部材14の展開時に車幅方向において直線状に延びる形状に形成されている。各スリット15のうちの二つは、区画部材14における上記上流膨張部12と下流膨張部13とを実際に仕切る部分において車幅方向の長さが最も長い部分(図8中に斜線で示す特定部分)よりも車両上方側の位置に形成され、各スリット15のうちの残りの二つは上記特定部分よりも車両下方側の位置に形成される。各スリット15のうち、上記特定部分より車両上方側に形成される二つのスリット15と上記特定部分より車両下方側に形成される二つのスリット15とはそれぞれ、車幅方向に並ぶ位置に形成される。本実施形態では、これらスリット15がガス流入部として機能する。
(作用)
以下、上記スリット15が形成された区画部材14を設けることによる作用について説明する。
本実施形態の装置では、エアバッグ10(図6)における上流膨張部12の内部にインフレータ3が配設されている。そのため、インフレータ3が作動して膨張用ガスが発生すると、先ず上流膨張部12が展開膨張するようになる。そして、上流膨張部12の内部圧力の上昇に伴って、区画部材14が展開して面状に緊張した状態になる。
ここで図8に示すように、区画部材14は上流膨張部12と下流膨張部13とを実際に仕切る部分の縦方向(上下方向)の長さと比較して横方向(車幅方向)の長さが短い形状に形成されている(L1>L2)。そのため区画部材14では、面状に緊張した状態において、縦方向(上下方向)に作用する張力(テンション)に対して、横方向(車幅方向)に作用するテンションが強くなり易い。上記区画部材14では、各スリット15が横方向に延びる形状で形成されているため、縦方向のテンションが各スリット15を開くように作用するのに対して、横方向のテンションは各スリット15を閉じるように作用する。
本実施形態では、各スリット15が、強いテンションの掛かりやすい横方向に延びる形状に形成されている。そのため、エアバッグ10の展開膨張に際して、その初期における上流膨張部12の展開膨張に際しては、各スリット15が横方向のテンションによってほぼ閉じられた状態(図9(a)に示す状態)になる。このとき上流膨張部12内の膨張用ガスがスリット15を介して下流膨張部13に流入するとはいえ、その流入量はごく少ないため、上流膨張部12に膨張用ガスが溜まるようになる。これにより、先ずは上流膨張部12の内部圧力が上昇して同上流膨張部12が展開膨張するようになる。
その後においてエアバッグ10(図5参照)が展開膨張して同エアバッグ10によって乗員Pが拘束されると、その拘束によって作用する外力(乗員Pによる押圧力やボディサイド部6による押圧力)によって、エアバッグ10の基布11が車幅方向における幅が狭くなるように撓むようになる。このとき区画部材14(図8)も車幅方向(横方向)において撓むために、同区画部材14の横方向のテンションが低下する。そして、このようにして横方向のテンションが低下する分だけ各スリット15を閉じる力が小さくなり、縦方向のテンションによって各スリット15を開くように作用する力が相対的に強くなるため、各スリット15が押し広げられた状態(図9(b)に示す状態)になる。これにより各スリット15を介して上流膨張部12から下流膨張部13に流入する膨張用ガスの量が急速に増加するため、その後において下流膨張部13が速やかに展開膨張するようになる。
このように本実施形態では、エアバッグ10による乗員拘束時に、その拘束に伴い同エアバッグ10に加わる外力によって各スリット15が開かれるため、上流膨張部12から下流膨張部13への膨張用ガスの流入量がエアバッグ10による乗員拘束前と比較して増加するようになる。
本実施形態では、各スリット15が、区画部材14における前記上流膨張部12と下流膨張部13とを実際に仕切る部分において車幅方向の長さが最も長い部分(図8中に斜線で示す特定部分)以外の部分に形成されている。
ここで上記特定部分は、エアバッグ10(図5)の展開膨張に際して乗員Pに最も近づく部分であり、エアバッグ10によって乗員が拘束されたときに同エアバッグ10(詳しくは、基布11や区画部材14)の変形量が最も大きくなる部分である。そのため、この特定部分において、乗員拘束に伴ってエアバッグ10に作用する外力が最も大きくなると云える。この特定部分では、エアバッグ10による乗員拘束に伴う車幅方向(横方向)のテンションの低下分が大きい。そのため、そうした特定部分にスリットを設けることにより、スリットの開き代を大きくしたり同スリットを確実に開かせたりすることが可能になる。
その反面、特定部分にスリットを設けると、スリットの開き代を小さく抑えることが難しくなる。これは各膨張部12,13の展開膨張態様(具体的には、上流膨張部12の展開膨張速度、下流膨張部13の展開開始タイミングや展開膨張速度など)の設定についての自由度を低くする一因になるため、エアバッグ10の各膨張部12,13の展開態様の要求に十分に応えられなくなるおそれがある。
この点、本実施形態では、各スリット15が上記特定部分(図8中に斜線で示す部分)以外の部分に形成される。そのため、乗員拘束に伴ってエアバッグ10に加わる外力が最も大きい上記特定部分にスリットが形成される装置と比較して、スリット15に作用する外力が小さくなるため、例えば下流膨張部13への膨張用ガスの流入量の増加タイミングを遅くしたり同流入量の増加分を少量にしたりするなど、上流膨張部12から下流膨張部13への膨張用ガスの流入量の増加幅を小さくすることが可能になる。
しかも、上記外力を考慮しつつ各スリット15の形成位置を設定することにより、区画部材14のスリット15周辺に作用する上記外力を適当な大きさになるように調節することができる。例えば同一形状のスリットを区画部材14に形成する場合であっても、同スリットを介して上流膨張部12から下流膨張部13に流入する膨張用ガスの量を、上記外力が大きい部分にスリットを形成することによって多くすることが可能であり、上記外力が小さい部分にスリットを形成することによって少量に抑えることができる。
このように本実施形態によれば、上流膨張部12から下流膨張部13への膨張用ガスの流入量を高い自由度で設定することができるようになり、各膨張部12,13の展開膨張態様を高い自由度で設定することができるようになる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)区画部材14において乗員拘束に伴って加わる外力が最も大きい特定部分以外の部分にスリット15を形成するようにしたために、上流膨張部12から下流膨張部13への膨張用ガスの流入量を高い自由度で設定することができ、各膨張部12,13の展開膨張態様を高い自由度で設定することができる。
(2)区画部材14にスリット15を形成するようにした。そのため、エアバッグ10による乗員拘束前には上流膨張部12から下流膨張部13への膨張用ガスの流入量をごく少なくすることが可能になり、エアバッグ10による乗員拘束時には上流膨張部12から下流膨張部13への膨張用ガスの流入量を増加させることができる。したがって、エアバッグ10による乗員拘束時に、上流膨張部12から下流膨張部13への膨張用ガスの流入量を乗員拘束前と比較して増加させることができる。
(第2の実施形態)
以下、エアバッグ装置の第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお以下では、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、同構成についての詳細な説明は省略する。
本実施形態と第1の実施形態とは、上流膨張部12と下流膨張部13との間を仕切る区画部材の配設態様が異なる。
以下、本実施形態の区画部材について詳しく説明する。
図10に本実施形態のエアバッグ20の非膨張状態での側面構造を示し、図11に同エアバッグ20の図10のA−A線に沿った断面構造を示す。なお図10において、一定長さの太線を断続的に並べて表現した線(破線の一種)は、縫合の対象となる基布11の外面における縫糸の状態を示している。
図10又は図11に示すように、エアバッグ20には、その内部を車両後方側の部分(上流膨張部22)と車両前方側の部分(下流膨張部23)とに仕切る二つの区画部材(第1区画部材24、第2区画部材25)が取り付けられている。エアバッグ20の内部において、第1区画部材24は上流膨張部22側に配設されており、第2区画部材25は下流膨張部23側に配設されている。これら区画部材24,25はいずれも、上記基布11と同一素材の織布により形成されて、その外縁部が基布11に縫い合わされて結合(縫合)されている。各区画部材24,25は、一般的にテザーと呼ばれるものと同様の構造のものである。
各区画部材24,25は、エアバッグ20内部で展開して面状に緊張したときに、互いにほぼ一定の間隔を置いて延びる態様で基布11に縫合されて結合されている。具体的には、基布11における第1区画部材24の縫い目24Bと第2区画部材25の縫い目25Bとがほぼ一定の間隔をおいて延びる形状になっている。
図11に示すように、各区画部材24,25は、エアバッグ20が非膨張状態であるときには、折り目24A,25Aにおいて二つに折られた状態でエアバッグ10の内部に取り付けられている。そして、インフレータ3の作動によって膨張用ガスが供給されてエアバッグ20が展開膨張すると、各区画部材24,25はそれぞれ、上流膨張部22と下流膨張部23との間を仕切るように面状に緊張した状態になる。
図12(a)に第1区画部材24の平面構造を示し、図12(b)に第2区画部材25の平面構造を示す。なお図12(a)及び図12(b)における破線は、各区画部材24,25が上記基布11の外壁に縫合される縫い目の位置を示している。
図12(a)に示すように、第1区画部材24には、一本のスリット26(直線状に切断された切れ目)が形成されている。このスリット26は、第1区画部材24の展開時に車幅方向において直線状に延びる形状に形成されている。スリット26は、第1区画部材24における上記上流膨張部22と下流膨張部23とを実際に仕切る部分において車幅方向の長さが最も長い部分(図12(a)中に斜線で示す特定部分)よりも車両下方側の位置に形成される。
図12(b)に示すように、第2区画部材25には、一本のスリット27(直線状に切断された切れ目)が形成されている。このスリット27は、第2区画部材25の展開時に車幅方向において直線状に延びる形状に形成されている。スリット27は、第2区画部材25における上記上流膨張部22と下流膨張部23とを実際に仕切る部分において車幅方向の長さが最も長い部分(図12(b)中に斜線で示す特定部分)よりも車両下方側の位置に形成される。本実施形態では、各スリット26,27がガス流入部として機能する。
(作用)
以下、エアバッグ20の内部に上記第1区画部材24と第2区画部材25とを配設することによる作用について説明する。
本実施形態の装置では、インフレータ3が作動して膨張用ガスが発生すると、先ず上流膨張部22が展開膨張するようになる。そして、上流膨張部22の内部圧力の上昇に伴って、第1区画部材24が展開して面状に緊張した状態になる。
ここで図12(a)に示すように、第1区画部材24は、上記上流膨張部22と下流膨張部23とを実際に仕切る部分の縦方向(上下方向)の長さと比較して横方向(車幅方向)の長さが短い形状に形成されている(L3>L4)。そのため第1区画部材24では、面状に緊張した状態において、縦方向(上下方向)に作用する張力(テンション)に対して、横方向(車幅方向)に作用するテンションが強くなり易い。第1区画部材24では、スリット26が横方向に延びる形状で形成されているため、縦方向のテンションがスリット26を開くように作用するのに対して、横方向のテンションはスリット26を閉じるように作用する。
本実施形態では、第1区画部材24のスリット26が、強いテンションの掛かりやすい横方向に延びる形状に形成されている。そのため、エアバッグ20の展開膨張に際して、その初期における上流膨張部22の展開膨張に際しては、スリット26が横方向のテンションによってほぼ閉じられた状態になる。このとき上流膨張部22内の膨張用ガスがスリット26を介して第1区画部材24と第2区画部材25との間の空間(中間連通部28[図11参照])に流入するとはいえ、その流入量はごく少ないため、上流膨張部12に膨張用ガスが溜まるようになる。これにより、先ずは上流膨張部22の内部圧力が上昇して同上流膨張部12が展開膨張するようになる。
その後においてエアバッグ20が展開膨張して同エアバッグ20によって乗員が拘束されると、その拘束によって作用する外力(乗員Pによる押圧力やボディサイド部6による押圧力)によって、エアバッグ20の基布11が車幅方向における幅が狭くなるように撓むようになる。このとき第1区画部材24(図12(a)参照)も車幅方向(横方向)において撓むために、同第1区画部材24の横方向のテンションが低下する。そして、このようにして横方向のテンションが低下する分だけスリット26を閉じる力が小さくなり、縦方向のテンションによってスリット26を開くように作用する力が相対的に強くなるため、スリット26が押し広げられた状態になる。これによりスリット26を介して上流膨張部22から前記中間連通部28に流入する膨張用ガスの量が急速に増加する。
図12(b)に示すように、第2区画部材25についても、第1区画部材24と同様に、上記上流膨張部22と下流膨張部23とを実際に仕切る部分における縦方向(上下方向)の長さと比較して横方向(車幅方向)の長さが短い形状に形成されている(L5>L6)。そのため第2区画部材25では、面状に緊張した状態において、縦方向(上下方向)に作用するテンションに対して、横方向に作用するテンションが強くなり易い。また、第2区画部材25のスリット27が、強いテンションの掛かりやすい方向であり、且つ同テンションがスリット26を閉じるように作用する横方向に延びる形状に形成されている。
ただし、このときエアバッグ20によって乗員が拘束されており、同エアバッグ20に乗員拘束に伴う上記外力が作用しているため、この外力により第1区画部材24ともども第2区画部材25が撓んだ状態になり、第2区画部材25の横方向のテンションが低くなっている。そのため、第2区画部材25のスリット27が同第2区画部材25に作用する上下方向のテンションによって押し広げられた状態になっている。したがって、このとき第1区画部材24のスリット26を介して中間連通部28に流入した膨張用ガスは、第2区画部材25のスリット27を介して下流膨張部23に流入するようになる。これにより下流膨張部23に流入する膨張用ガスの量が急速に増加するため、その後において同下流膨張部23が速やかに膨張するようになる。
図13に、下流膨張部23の膨張時のエアバッグ20の内部構造と膨張用ガスの流れを模式的に示す。
図13に示すように、エアバッグ20の展開膨張に際して、上流膨張部22から下流膨張部23に膨張用ガスが流入するときには、同膨張用ガスが、先ず第1区画部材24に形成されたスリット26を通過し、その後において第2区画部材25に形成されたスリット27を通過する。本実施形態の装置では、図13から明らかなように、第2区画部材25のスリット27(図12(b)参照)が、第1区画部材24のスリット26(図12(a)参照)を介して中間連通部28の内部に流出する膨張用ガスの流れが指向する部分以外の部分に形成されている。そのため、膨張用ガスの流れが第1区画部材24と第2区画部材25との間、すなわち中間連通部28の内部において大きく偏向されて、同膨張用ガスの流速が低下するようになる。したがって、本実施形態の装置によれば、エアバッグ20による乗員拘束時に上流膨張部22から下流膨張部23に流入する膨張用ガスの量の調整のために、上流膨張部22から下流膨張部23への膨張用ガスの流入速度を遅くすることができる。
このように本実施形態では、エアバッグ20による乗員拘束時に、その拘束に伴い同エアバッグ20に加わる外力によって第1区画部材24のスリット26と第2区画部材25のスリット27とが共に開かれるため、上流膨張部22から下流膨張部23への膨張用ガスの流入量がエアバッグ20による乗員拘束前と比較して増加するようになる。
また本実施形態では、第1区画部材24のスリット26と第2区画部材25のスリット27とが、各区画部材24,25における前記上流膨張部22と下流膨張部23とを実際に仕切る部分において車幅方向の長さが最も長い部分(図12(a)または図12(b)中に斜線で示す特定部分)以外の部分に形成されている。
ここで上記特定部分は、エアバッグ20の展開膨張に際して乗員に最も近づく部分であり、エアバッグ20によって乗員が拘束されたときに同エアバッグ20(詳しくは、基布11や各区画部材24,25)の変形量が最も大きくなる部分である。そのため、この特定部分において、乗員拘束に伴ってエアバッグ20に作用する外力が最も大きくなると云える。この特定部分では、エアバッグ20による乗員拘束に伴う車幅方向(横方向)のテンションの低下分が大きい。そのため、そうした特定部分にスリットを設けることにより、スリットの開き代を大きくしたり同スリットを確実に開かせたりすることが可能になる。
その反面、特定部分にスリットを設けると、スリットの開き代を小さく抑えることが難しくなる。これは各膨張部22,23の展開膨張態様(具体的には、上流膨張部22の展開膨張速度、下流膨張部23の展開開始タイミングや展開膨張速度など)の設定についての自由度を低くする一因になるため、エアバッグ20の各膨張部22,23の展開態様の要求に十分に応えられなくなるおそれがある。
この点、本実施形態では、第1区画部材24のスリット26と第2区画部材25のスリット27とがそれぞれ上記特定部分以外の部分に形成される。
そのため、乗員拘束に伴ってエアバッグ20に加わる外力が最も大きい上記特定部分にスリットが形成される装置と比較して、第1区画部材24のスリット26や第2区画部材25のスリット27に作用する外力が小さくなるため、例えば下流膨張部23への膨張用ガスの流入量の増加タイミングを遅くしたり同流入量の増加分を少量にしたりするなど、上流膨張部22から下流膨張部23への膨張用ガスの流入量の増加幅を小さくすることが可能になる。
しかも、上記外力を考慮しつつ第1区画部材24のスリット26や第2区画部材25のスリット27の形成位置を設定することにより、第1区画部材24のスリット26周辺、あるいは第2区画部材25のスリット27周辺に作用する上記外力を適当な大きさになるように調節することができる。例えば同一形状のスリットを各区画部材24,25に形成する場合であっても、同スリットを介して上流膨張部22から下流膨張部23に流入する膨張用ガスの量を、上記外力が大きい部分にスリットを形成することによって多くすることが可能であり、上記外力が小さい部分にスリットを形成することによって少量に抑えることができる。
このように本実施形態によれば、上流膨張部22から下流膨張部23への膨張用ガスの流入量を高い自由度で設定することができるようになり、各膨張部22,23の展開膨張態様を高い自由度で設定することができるようになる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(3)第1区画部材24において乗員拘束に伴って加わる外力が最も大きい特定部分以外の部分にスリット26を形成し、第2区画部材25において乗員拘束に伴って加わる外力が最も大きい特定部分以外の部分にスリット27を形成した。そのため、上流膨張部22から下流膨張部23への膨張用ガスの流入量を高い自由度で設定することができ、各膨張部22,23の展開膨張態様を高い自由度で設定することができる。
(4)第2区画部材25のスリット27を、第1区画部材24のスリット26を介して中間連通部28内に流出する膨張用ガスの流れが指向する部分以外の部分に形成するようにした。そのため、膨張用ガスの流れを中間連通部28内において大きく偏向させて同膨張用ガスの流速を低下させることができる。したがって、エアバッグ20による乗員拘束時に上流膨張部22から下流膨張部23に流入する膨張用ガスの量の調整のために、上流膨張部22から下流膨張部23への膨張用ガスの流入速度を遅くすることができる。
(第3の実施形態)
以下、エアバッグ装置の第3の実施形態について、先の第1及び第2の実施形態との相違点を中心に説明する。なお以下では、第1及び第2の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、同構成についての詳細な説明は省略する。
本実施形態と第1及び第2の実施形態とは、上流膨張部と下流膨張部との間を仕切る区画部材の配設態様が異なる。
以下、本実施形態の区画部材について詳しく説明する。
図14に、本実施形態のエアバッグ30の非膨張状態での側面構造を示す。なお図14において、一定長さの太線を断続的に並べて表現した線(破線の一種)は、縫合の対象となる基布11の外面における縫糸の状態を示している。
図14に示すように、エアバッグ30には、その内部を車両後方側の部分(上流膨張部12)と車両前方側の部分(下流膨張部13)とに仕切る区画部材34が取り付けられている。この区画部材34は上記基布11と同一素材の織布により形成されて、その外縁部が縫い目34Bに沿って基布11に縫い合わされて結合(縫合)されている。区画部材34は、一般的にテザーと呼ばれるものと同様の構造のものである。
図15(a)に図14のB−B線に沿ったエアバッグ30の断面構造を示し、図15(b)に図14のC−C線に沿ったエアバッグ30の断面構造を示す。
図14及び図15(a)に示すように、区画部材34は、エアバッグ30が非膨張状態であるときに、折り目34Aにおいて二つに折られた状態でエアバッグ10の内部に配設される。具体的には、折り目34Aが車両後方側になるとともに外縁部が車両前方側になる状態で区画部材34は配設される。また、区画部材34の外縁部の端部が折り目34Cに沿って車両後方側に折り返された状態になっており、その折り返された部分が縫い目34Bに沿って基布11に縫合されて結合されている。本実施形態では、区画部材34の端縁(外縁部の端部)がエアバッグ30の外壁(具体的には、基布11)の内面に沿って上流膨張部12側(車両後方側)に向けて延びる態様で、区画部材34が基布11に結合されている。
ただし、図14及び図15(b)に示すように、区画部材34の外縁部の全てが基布11に結合されている訳ではなく、同外縁部の一部が基布11に結合されていない。本実施形態では、そうした区画部材34と基布11とが部分的に非結合にされた部分(非結合部分35)が、区画部材34における前記上流膨張部12と下流膨張部13とを実際に仕切る部分において車幅方向の長さが最も長くなる部分(図14中にDで示す特定部分)より下方側の位置に形成されている。この非結合部分35は、乗員P側で展開する基布11においては同乗員Pの脇腹に対向する位置に形成され、ボディサイド部6側で展開する基布11においては同基布11がボディサイド部6から若干離れる位置に形成される。すなわち本実施形態では、非結合部分35が乗員Pやボディサイド部6によって直接押圧される状況になり難い位置に形成される。本実施形態では、非結合部分35がガス流入部として機能する。
(作用)
以下、エアバッグ30に非結合部分35を設けることによる作用について説明する。
本実施形態の装置では、インフレータ3が作動して膨張用ガスが発生すると、先ず上流膨張部12が展開膨張するようになる。そして、上流膨張部12の内部圧力の上昇に伴って区画部材34が展開して、同区画部材34が上流膨張部12と下流膨張部13との間を仕切るように面状に緊張した状態になる。
図16に、区画部材34が面状に緊張した状態のエアバッグ30の断面構造を示す。なお図16は、図14のC−C線に沿った断面に対応するエアバッグ30の断面構造を示している。
図16に示すように、本実施形態の装置では、区画部材34の端縁が基布11の内面に沿って上流膨張部12側に向けて延びる態様で同区画部材34が配設されている。そのため、図16中に矢印で示すように、上流膨張部12の膨張に際して同上流膨張部12の内部圧力が区画部材34の端縁を基布11の内面に押し付けるように作用する。したがって、このとき区画部材34と基布11とが部分的に非結合にされた部分(非結合部分35)における区画部材34の端縁も基布11の内面に押し付けられた状態になり、それら区画部材34と基布11との隙間が塞がれて上流膨張部12と下流膨張部13との連通が遮断される。したがって、先ずは上流膨張部12の内部圧力が上昇して同上流膨張部12が展開膨張するようになる。
その後においてエアバッグ30が展開膨張して同エアバッグ30によって乗員が拘束されると、その拘束によって作用する外力(乗員Pによる押圧力やボディサイド部6による押圧力)によって、エアバッグ30の基布11や区画部材34が撓む。このとき上記非結合部分35において基布11がエアバッグ30の外方に変形したり区画部材34がエアバッグ30の内方に変形したりすると、非結合部分35における区画部材34と基布11との間隙が拡大される。この場合、上流膨張部12の内部圧力が区画部材34の端縁を上記間隙に押し込むように作用するようになる。
その結果、図17に示すように、非結合部分35における上記区画部材34の端縁が上流膨張部12の内部圧力によって下流膨張部13に押し込まれた状態になる。これにより、区画部材34の端縁と基布11との間に定常的に間隙が形成されて上流膨張部12から下流膨張部13への膨張用ガスの流入が許容された状態になり、図17中に白抜きの矢印で示すように、実際に上流膨張部12から下流膨張部13に膨張用ガスが流入するようになるため、その後において下流膨張部13が展開膨張するようになる。
このように本実施形態の装置では、エアバッグ30の基布11と区画部材34との間を部分的に非結合にすることにより、上流膨張部12と下流膨張部13との連通がエアバッグ30による乗員拘束前においてほぼ遮断される一方で乗員拘束時において許容されるようになっている。
本実施形態では、上記非結合部分35が、区画部材14における前記上流膨張部12と下流膨張部13とを実際に仕切る部分において車幅方向の長さが最も長い部分(図15中にDで示す特定部分)以外の部分に形成されている。
ここで上記特定部分は、エアバッグ30の展開膨張に際して乗員に最も近づく部分であり、エアバッグ30によって乗員が拘束されたときに同エアバッグ30(詳しくは、基布11や区画部材34)の変形量が最も大きくなる部分である。そのため、この特定部分において、乗員拘束に伴ってエアバッグ10に作用する外力が最も大きくなると云える。
そうした特定部分に上記非結合部分35を設けると、同非結合部分35において区画部材34の端縁が上流膨張部12から下流膨張部13に確実に押し込まれるようにしたり、その押し込まれるタイミングを早くしたりすることが可能になる。
その反面、特定部分に上記非結合部分35を設けると、区画部材34の端縁が上流膨張部12から下流膨張部13に押し込まれるタイミングを遅くすることが難しくなる。また、上記特定部分は乗員Pやボディサイド部6によって直接押圧され易い部分であるため、特定部分に上記非結合部分35を設けた場合には、その押圧力が基布11を区画部材34に押し付けるように作用するおそれがある。この場合、区画部材34の端縁が上流膨張部12から下流膨張部13に押し込まれるタイミングが不安定になり易くなるばかりか、区画部材34の端縁が下流膨張部13に押し込まれなくなるおそれもある。
これは各膨張部12,13の展開膨張態様(具体的には、上流膨張部12の展開膨張速度、下流膨張部13の展開開始タイミングや展開膨張速度など)の設定についての自由度を低くする一因になるため、エアバッグ30の各膨張部12,13の展開態様の要求に十分に応えられなくなるおそれがある。
この点、本実施形態では、非結合部分35が上記特定部分(図15中にDで示す部分)以外の部分に形成される。そのため、乗員拘束に伴ってエアバッグ10に加わる外力が最も大きい上記特定部分に非結合部分35が形成される装置と比較して、非結合部分35に作用する外力が小さくなる。これにより、区画部材34の端縁が上流膨張部12から下流膨張部13に押し込まれるタイミングを遅くして下流膨張部13への膨張用ガスの流入開始タイミングを遅くしたり、区画部材34の端縁が下流膨張部13に押し込まれる速度を遅くして上記膨張用ガスの流入量の増加速度を遅くしたりすることができる。しかも、上記外力を考慮しつつ非結合部分35の形成位置を設定することにより、同非結合部分35に作用する上記外力を適当な大きさになるように調節することができる。そのため本実施形態によれば、上流膨張部12から下流膨張部13への膨張用ガスの流入量を高い自由度で設定することができるようになり、各膨張部12,13の展開膨張態様を高い自由度で設定することができるようになる。
また本実施形態では、非結合部分35が、上記特定部分以外の部分の中でも乗員Pやボディサイド部6によって直接押圧される状況になり難い位置に形成される。そのため、乗員Pやボディサイド部6によって直接押圧されて上記非結合部分35における基布11が区画部材34に押し付けられた状態になることが抑えられる。したがって、上記外力によって区画部材34の端縁を上流膨張部12から下流膨張部13に押し込ませるといった動作を安定して行わせることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(5)区画部材34の端縁が基布11の内面に沿って上流膨張部12側に向けて延びる態様で同区画部材34を基布11に結合し、区画部材34と基布11との間を部分的に非結合にした。また、区画部材34と基布11との間を部分的に非結合にした非結合部分35を、乗員拘束に伴ってエアバッグ30に加わる外力が最も大きい特定部分以外の部分に形成するようにした。そのため、上流膨張部12から下流膨張部13への膨張用ガスの流入量を高い自由度で設定することができ、各膨張部12,13の展開膨張態様を高い自由度で設定することができる。
(6)エアバッグ30の基布11と区画部材34との間を部分的に非結合にしたために、上流膨張部12と下流膨張部13との連通をエアバッグ30による乗員拘束前においてほぼ遮断することができ、乗員拘束時において許容することができる。
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・第1の実施形態または第2の実施形態において、区画部材にスリットに設けることに代えて、調圧弁を設けるようにしてもよい。この調圧弁としては、エアバッグによる乗員拘束前には区画部材にその横方向(車幅方向)に作用する張力によって閉弁する一方、エアバッグによる乗員拘束時にはその拘束に伴い加わる外力によって区画部材が撓むことによる上記張力の減少によって開弁するものを採用することができる。
そうした調圧弁の一例を、図18及び図19を参照して説明する。なお、図18は調圧弁周辺におけるエアバッグの斜視構造を示し、図19(a)は図18におけるE−E線に沿った区画部材の断面構造を示し、図19(b)は図18におけるF−F線に沿った区画部材の断面構造を示している。
図18及び図19に示すように、区画部材41は、車両上方側に配設される上方部材42と下方側に配設される下方部材43とによって構成されている。上方部材42の車両下方側の先端と下方部材43の上方側の先端とが合致する態様でそれら部材42,43の端部が厚さ方向において重ね合わされるとともに、その重ね合わされた部分(重合部分44)が縫い目44Bに沿って縫合されて結合されている。この縫い目44Bは、区画部材41の横方向における一端から他端までの間において直線状に延びる形状であり、且つその中間部分が途切れた形状に設定されている。また、重合部分44は下方部材43の上流膨張部12側の面に沿って延びる態様で全体が下方に折り曲げられた状態になっている。そして、この重合部分44が調圧弁として機能する。なお図18及び図19に示す例では、区画部材41と基布11とを縫い合わせる縫い目11Bよりも車幅方向における外方側の位置を始点に重合部分44を縫い合わせる縫い目44Bが設定されているが、これに限らず、区画部材41と基布11とを縫い合わせる縫い目11Bを始点に重合部分を縫い合わせる縫い目44Bを設定するようにしてもよい。
以下、こうした調圧弁の動作について説明する。
図20(a)に示すように、エアバッグ40による乗員拘束前には、区画部材41に作用する横方向のテンションが上方部材42と下方部材43との重合部分44を閉じさせるように作用し、上流膨張部12の内部圧力(同図中の矢印参照)が重合部分44において上方部材42を下方部材43に押し付けて密着させるように作用する。そのため、このとき重合部分44(詳しくは、上方部材42と下方部材43との間)に隙間が生じず、上流膨張部12から下流膨張部13への膨張用ガスの流入が抑えられる。
その後、図20(b)に示すように、エアバッグ40によって乗員が拘束されると、区画部材41に作用する横方向のテンションが低下するため、区画部材41に作用する縦方向のテンション(同図中の矢印参照)によって、上方部材42と下方部材43とがその重合部分44において離間するようになる。そして、このとき上流膨張部12の内部圧力によって、重合部分44が裏返された状態になるとともに上流膨張部12内から下流膨張部13内に押し込まれた状態になる。
図20(c)に示すように、このとき上流膨張部12内の膨張用ガスの流れが裏返し状態になった重合部分44を押し開くように作用するため、これにより押し開かれた上方部材42と下方部材43との間隙を介して、上流膨張部12から下流膨張部13内に膨張用ガスが流入する。これにより、下流膨張部13が展開膨張するようになる。
・一つの区画部材に複数の調圧弁を設けるようにしてもよい。この装置においては、それら調圧弁のうちの少なくとも一つを特定部分(例えば図8に斜線で示す部分参照)以外の部分に配設するようにすればよい。図21に示す例は、一つの区画部材51に二つの調圧弁52が設けられたものを示している。こうした装置によれば、各調圧弁52の開弁態様や配設位置の設定を通じて、上流膨張部から下流膨張部への膨張用ガスの流入量を調節することができるため、調圧弁が一つのみ設けられる装置と比較して、上記膨張用ガスの流入量を格段に高い自由度で調節することができる。
・区画部材に配設する調圧弁としては、図18及び図19に示す構造のものに限らず、例えば図22〜図31のいずれかに示す構造のものなど、任意の構造のものを配設することができる。要は、エアバッグによる乗員拘束前に上流膨張部から下流膨張部への膨張用ガスの流入を規制することができ、且つエアバッグによる乗員拘束時にその規制を解除することができる構造のものであれば、調圧弁として採用することができる。
図22に示す例では、区画部材61の上方部材62と下方部材63との重合部分64を縫い合わせる縫い目65が、区画部材61の横方向(車幅方向)における両端部からそれぞれ中央部分に向けて延びる部分65Aと、同部分65Aの先端を始点に重合部分64の先端に向けて湾曲する部分65Bと、同部分65Bの先端を始点に互いに間隔を置いて平行に延びる部分65Cとを有する形状に設定されている。また、この例では、重合部分64の端部が上記縫い目65に沿って延びる形状に形成されている。
図23に示す例では、区画部材71の上方部材72と下方部材73との重合部分74を縫い合わせる縫い目75が図22に示す例の縫い目と同一の形状に設定される一方で、重合部分74の先端が横方向において直線状に延びる形成に形成されている。
図24に示す例では、区画部材81の上方部材82と下方部材83との重合部分84を縫い合わせる縫い目85が、区画部材81の横方向における一端から他端までの間において直線状に延びる形状であり、且つその中間部分が途切れた形状に設定されている。また、上方部材82と下方部材83との重合部分84の先端形状が、区画部材81の横方向における両端部からそれぞれ中央部分に向けて延びる部分86Aと、同部分86Aの先端を始点に下方に向けて湾曲する部分86Bと、同部分86Bの先端を始点に下方に向けて互いに間隔を置いて平行に延びる部分86Cとを有する形状に設定されている。この重合部分84の先端は各部分86A,86B,86Cに沿って(図中に縫い目87で示す部分において)縫い合わされている。
重合部分を平行に延びる二本の縫い目において縫い合わせることに限らず、図25〜図27に示すように、一本の縫い目において縫い合わせるようにしてもよい。
図25に示す例では、区画部材91の上方部材92と下方部材93との重合部分94を縫い合わせる縫い目95が、区画部材91の横方向における一端から他端までの間において直線状に延びる形状であり、且つその中間部分が途切れた形状に設定されている。
図26に示す例では、上方部材92と下方部材93との重合部分94を縫い合わせる縫い目として、図25に示す例と同一形状の縫い目95に加えて、同縫い目95の中央部分側の端部の周囲全周にわたって円形状で延びる縫い目106が形成されている。
図27に示す例では、区画部材111の上方部材112と下方部材113との重合部分114を縫い合わせる縫い目115が、区画部材111の横方向における両端部からそれぞれ中央部分に向けて延びる部分115Aと、同部分115Aの先端を始点に重合部分114の先端に向けて湾曲する部分115Bと、同部分115Bの先端を始点に互いに間隔を置いて平行に延びる部分115Cとを有する形状に設定されている。
図28に示す例では、区画部材121の上方部材122と下方部材123との重合部分124が互いに間隔を置いた二箇所(結合部125,126)において点状に縫い合わされている。
図29に示す例では、上方部材122と下方部材123との重合部分124が、互いに間隔を置いた二箇所において、円形状で延びる縫い目135,136に沿ってそれぞれ縫い合わされている。
図30に示す例では、上方部材122と下方部材123との重合部分124が、互いに間隔を置いた二箇所において、楕円形状で延びる縫い目145,146に沿ってそれぞれ縫い合わされている。
図31に示す例では、上方部材122と下方部材123との重合部分124を縫い合わせる縫い目155が、区画部材121の横方向における一端から他端までの間において直線状に延びる形状であり、且つその中間部分が二箇所で途切れた形状に設定されている。
・第1の実施形態において、乗員拘束に伴ってエアバッグ10に作用する外力が最も大きくなる特定部分以外の部分のみにスリット15を形成することに限らず、図32に区画部材161の一例を示すように、特定部分(図32に斜線で示す部分)にもスリット162を形成してもよい。こうした装置によれば、上流膨張部12から下流膨張部13に流入する膨張用ガスの量をより高い自由度で調整することができるようになる。
・第2の実施形態において、第1区画部材24のスリット26及び第2区画部材25のスリット27のいずれか一方のみを前記特定部分に形成するようにしてもよい。
・第3の実施形態において、エアバッグ30の基布11を一枚の布で構成することに代えて、車両前方側の前方部材と車両後方側の後方部材とによって構成するようにしてもよい。
そうしたエアバッグの一例について、その基布と区画部材とが結合された部分の断面構造を図33(a)に示し、基布と区画部材とが結合されない部分の断面構造を図33(b)に示す。
図33(a)及び図33(b)に示すように、エアバッグ170の基布171は車両前方側の前方部材172と車両後方側の後方部材173とによって構成されており、後方部材173の端部を前方部材172の端部に厚さ方向に重ねた状態で前方部材172と後方部材173とが縫い合わされて結合されている。これにより、前方部材172の車両後方側の端縁が後方部材173の内面に沿って車両後方に向けて延びた状態になっている。上流膨張部12と下流膨張部13との間を仕切る区画部材174は、エアバッグ170が非膨張状態であるときに、折り目174Aにおいて二つに折られた状態でエアバッグ170の内部に配設される。具体的には、折り目174Aが車両後方側になるとともに外縁部が車両前方側になる状態で区画部材174は配設される。また、区画部材174の外縁部の端部が折り目174Bに沿って車両後方側に折り返された状態になっている。そして、この区画部材174の折り返された部分の先端と前方部材172の車両後方側の先端とが合致する態様で区画部材174と前方部材172とが厚さ方向に重ね合わされ、その重ね合わされた部分(重合部分175)が縫い合わされて結合されている。上記装置では、上記重合部分175が後方部材173の内面に沿って上流膨張部12側(車両後方側)に向けて延びる態様で、区画部材174が基布171に結合されている。ただし、図33(b)に示すように、区画部材174の外縁部の全てが前方部材172に結合されている訳ではなく、同外縁部の一部が前方部材172に結合されていない。
以下、エアバッグ170に上記区画部材174を設けることによる作用について説明する。図34に、区画部材174が面状に緊張した状態のエアバッグ170の断面構造を示す。なお図34は、重合部分175において区画部材174と前方部材172とが部分的に非結合にされた部分(非結合部分)におけるエアバッグ170の断面構造を示している。
図34に示すように、本実施形態の装置では、区画部材174の端縁と前方部材172の先端との重合部分175が後方部材173の内面に沿って上流膨張部12側に向けて延びる態様で、同区画部材174が配設されている。そのため、図34中に矢印で示すように、上流膨張部12の膨張に際して同上流膨張部12の内部圧力が上記重合部分175を後方部材173の内面に押し付けるように作用する。したがって、このとき重合部分175における非結合部分についても後方部材173の内面に押し付けられた状態になり、区画部材174と前方部材172との隙間が塞がれて上流膨張部12と下流膨張部13との連通がほぼ遮断される。
その後においてエアバッグ170が展開膨張して同エアバッグ170によって乗員が拘束されると、その拘束によって作用する外力(乗員Pによる押圧力やボディサイド部6による押圧力)によって、エアバッグ170の基布171(詳しくは、前方部材172、後方部材173)や区画部材174が撓む。このとき上記非結合部分において基布171がエアバッグ170の外方に変形したり区画部材174がエアバッグ170の内方に変形したりすると、非結合部分における区画部材174と基布171との間隙が拡大される。この場合、上流膨張部12の内部圧力が上記重合部分175を上記間隙に押し込むように作用するようになる。その結果、図35に示すように、重合部分175における非結合部分が上流膨張部12の内部圧力によって下流膨張部13に押し込まれた状態になる。これにより、上流膨張部12から下流膨張部13への膨張用ガスの流入が許容された状態になり、図35中に白抜きの矢印で示すように、実際に上流膨張部12から下流膨張部13に膨張用ガスが流入するようになる。このように上記装置によれば、上流膨張部12と下流膨張部13との連通がエアバッグ170による乗員拘束前において遮断される一方で乗員拘束時において許容されるようになる。
・各実施形態において、エアバッグは、その略全体が上記各実施形態のように膨張部からなるものであってもよいが、膨張用ガスが供給されず膨張することのない非膨張部を一部に有するものであってもよい。
・各実施形態において、インフレータ3はエアバッグの外部に設けられてもよい。この場合には、インフレータ3と上流膨張部とが管によって繋がれ、この管を介してインフレータ3からの膨張用ガスが上方膨張部に供給されてもよい。
・各実施形態において、エアバッグの基布や区画部材を、互いに縫い合わせることによって結合することに限らず、接着等の他の手法を用いて互いに結合するようにしてもよい。
・本発明は、上述した肩部PSから胸部PT及び腰部PPにかけての部位を保護するエアバッグ装置に限らず、肩部PSから胸部PTにかけての部位や、頭部から胸部PTにかけての部位、或いは腰部PPよりも上側の部位(腰部PPを除く)を衝撃から保護するエアバッグ装置にも適用することができる。
・本発明は、エアバッグの内部に三つ以上の膨張部が区画形成されたエアバッグ装置にも適用することができる。
・本発明は、乗員の側方においてエアバッグを展開膨張させるエアバッグ装置に限らず、乗員の膝部を保護するべく同乗員の下肢の前下方でエアバッグを膨張させるエアバッグ装置等にも適用することができる。
・本発明のエアバッグ装置が適用可能な車両には、自家用車に限らず各種産業車両も含まれる。
1…エアバッグ装置、2…座席、2A…背もたれ、3…インフレータ、4…制御装置、5…衝撃センサ、6…ボディサイド部、7…フレーム、10,20,30,40,170…エアバッグ、11,171…基布、11A,14A,24A,25A,34A,174A,174B…折り目、11B,14B,34B,24B,25B,44B,65,75,85,87,95,106,115,135,136,145,146,155…縫い目、12,22…上流膨張部、13,23…下流膨張部、14,34,41,51,61,71,81,91,111,121,161,174…区画部材、15,26,27,162…スリット、24…第1区画部材、25…第2区画部材、28…中間連通部、35…非結合部分、42,62,72,82,92,112,122…上方部材、43,63,73,83,93,113,123…下方部材、44,64,74,84,94,114,124,175…重合部分、52…調圧弁、65A,65B,65C,86A,86B,86C,115A,115B,115C…部分、125,126…結合部、172…前方部材、173…後方部材。

Claims (3)

  1. 膨張用ガスの供給によって膨張する上流膨張部と同上流膨張部からの膨張用ガスの流入によって膨張する下流膨張部とがエアバッグの内部に区画形成されてなり、
    前記エアバッグの膨張時に前記上流膨張部から前記下流膨張部に前記膨張用ガスを流入させるものであり、且つ前記エアバッグによる乗員拘束時に、その拘束に伴い同エアバッグに加わる外力によって、前記上流膨張部から前記下流膨張部への前記膨張用ガスの流入量を前記エアバッグによる乗員拘束前と比較して増加させる構造のガス流入部を備えてなるエアバッグ装置において、
    前記エアバッグは、前記上流膨張部と前記下流膨張部との間を仕切る区画部材を有してなり、
    前記ガス流入部は、前記区画部材において車幅方向の長さが最も長い部分以外の部分に設けられ、
    前記ガス流入部は、前記区画部材に形成されるスリットである
    ことを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 膨張用ガスの供給によって膨張する上流膨張部と同上流膨張部からの膨張用ガスの流入によって膨張する下流膨張部とがエアバッグの内部に区画形成されてなり、
    前記エアバッグの膨張時に前記上流膨張部から前記下流膨張部に前記膨張用ガスを流入させるものであり、且つ前記エアバッグによる乗員拘束時に、その拘束に伴い同エアバッグに加わる外力によって、前記上流膨張部から前記下流膨張部への前記膨張用ガスの流入量を前記エアバッグによる乗員拘束前と比較して増加させる構造のガス流入部を備えてなるエアバッグ装置において、
    前記エアバッグは、前記上流膨張部と前記下流膨張部との間を仕切る区画部材を有してなり、
    前記ガス流入部は、前記区画部材において車幅方向の長さが最も長い部分以外の部分に設けられ、
    前記エアバッグは、
    記区画部材として、前記上流膨張部側に配設された第1区画部材と前記下流膨張部側に配設された第2区画部材とを有してなり、且つ
    それら前記第1区画部材および前記第2区画部材それぞれにスリットが形成されてなり、且つ
    前記第2区画部材のスリットが、前記第1区画部材のスリットを介して流出する前記膨張用ガスの流れが指向する部分以外の部分に形成されてなり、且つ
    前記第1区画部材に形成されたスリットおよび前記第2区画部材に形成されたスリットのうちの少なくとも一方が前記ガス流入部である
    ことを特徴とするエアバッグ装置。
  3. 膨張用ガスの供給によって膨張する上流膨張部と同上流膨張部からの膨張用ガスの流入によって膨張する下流膨張部とがエアバッグの内部に区画形成されてなり、
    前記エアバッグの膨張時に前記上流膨張部から前記下流膨張部に前記膨張用ガスを流入させるものであり、且つ前記エアバッグによる乗員拘束時に、その拘束に伴い同エアバッグに加わる外力によって、前記上流膨張部から前記下流膨張部への前記膨張用ガスの流入量を前記エアバッグによる乗員拘束前と比較して増加させる構造のガス流入部を備えてなるエアバッグ装置において、
    前記エアバッグは、前記上流膨張部と前記下流膨張部との間を仕切る区画部材を有してなり、
    前記ガス流入部は、前記区画部材において車幅方向の長さが最も長い部分以外の部分に設けられ、
    前記区画部材は、その端縁が前記エアバッグの外壁に沿って前記上流膨張部側に向けて延びる態様で同外壁に結合されてなり、
    前記ガス流入部は、前記区画部材と前記エアバッグの外壁との間が部分的に非結合にされた部分である
    ことを特徴とするエアバッグ装置。
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