JP2001163162A

JP2001163162A - エアバッグ

Info

Publication number: JP2001163162A
Application number: JP34896599A
Authority: JP
Inventors: Aki Yokoyama; 亜紀横山
Original assignee: Nihon Plast Co Ltd
Current assignee: Nihon Plast Co Ltd
Priority date: 1999-12-08
Filing date: 1999-12-08
Publication date: 2001-06-19

Abstract

(57)【要約】【課題】車両の側面衝突用のエアバッグを小型化す
る。【解決手段】車両のシートバック３にエアバッグ装置
21を内蔵する。エアバッグ装置21のエアバッグ26は、２
枚の基布31，32を所定の線33で縫合し、ガスが流入して
膨張展開する袋部35を形成する。袋部35は、乗員Ａを効
果的に保護できる位置に配置する。袋部35がシートバッ
ク３に連結される取付部36は、袋部35よりも上下方向の
寸法を小さくする。インフレータを小型化でき、製造コ
ストを低減できる。袋部35の下側を延設して形成した支
持部38をシートバック３に連結する。エアバッグ26の展
開位置が容易に安定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、自動車の
乗員とドアとの間に展開して側面衝突時に乗員を保護す
るエアバッグに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば、側面衝突時に乗員を保護
するために、自動車の乗員と車両のドアとの間にエアバ
ッグを展開するエアバッグ装置であるサイドエアバッグ
（側面衝突用エアバッグ）が知られている。そして、こ
の種のサイドエアバッグとしては、例えば、特開平９−
３２３６０７号公報に記載されるように、シートバック
の側部に、インフレータ（ガス発生器）と、折り畳んだ
袋状のエアバッグとを収納した構成が知られている。そ
して、この構成では、衝突時には、インフレータからエ
アバッグ内にガスを急速に供給し、エアバッグを前方の
乗員とドアとの間に向かって車室内で展開させ、側面衝
突時に乗員が受ける衝撃を吸収するようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のようなエアバッ
グ装置において、種々検討した結果、側面衝突時に、乗
員と車両のドアとの間のいかなる位置（範囲）にエアバ
ッグを展開させることが効果的であるかが判明してお
り、所望の位置のみにエアバッグを展開させることによ
り、エアバッグ装置の小型化や製造コストの低減が図ら
れる。

【０００４】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、衝撃吸収特性を向上しつつ、エアバッグを小型化
し、製造コストを低減できるエアバッグを提供すること
を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１記載のエアバッ
グは、シートバックに収納されインフレータの供給する
ガスにより膨張展開するエアバッグであって、ガスによ
り膨張展開する袋部と、前記インフレータ側と袋部とを
ガスが挿通可能に連結する取付部と、前記袋部と前記シ
ートバックの前記取付部から離間した位置とを連結する
支持部とを具備したものである。

【０００６】そして、この構成では、支持部を設けたた
め、エアバッグの袋部を所望の位置に安定して展開させ
ることが可能になる。そこで、取付部を袋部に対して相
対的に小さくすることが可能になり、エアバッグ装置の
小型化や、製造コストの削減が可能になる。

【０００７】請求項２記載のエアバッグは、請求項１記
載のエアバッグにおいて、取付部は、袋部から縮径して
設けられたものである。

【０００８】そして、この構成では、取付部を袋部に対
して相対的に小さくし、エアバッグ装置の小型化や、製
造コストの削減が可能になる。

【０００９】請求項３記載のエアバッグは、請求項１ま
たは２記載のエアバッグにおいて、支持部は、袋部を構
成する基布と一体に設けられたものである。

【００１０】そして、この構成では、部品点数が削減さ
れ、製造コストが削減される。

【００１１】請求項４記載のエアバッグは、請求項１な
いし３いずれか記載のエアバッグにおいて、袋部は、車
両のドアと乗員との間に膨張展開し、支持部は、前記ド
アから前記乗員側に突出する突出部に対向して配置され
たものである。

【００１２】そして、この構成では、ドアに突出部が存
する場合にも、エアバッグの袋部が所望の位置に容易に
展開する。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明のエアバッグの一実
施の形態を図面を参照して説明する。

【００１４】図１ないし図４において、１は車両のシー
トで、このシート１は、例えば運転席あるいは助手席の
乗員Ａ用のシートであり、略水平なシートクッション２
と、このシートクッション２の後端部に連結され後上方
に延びるシートバック３とを備えている。そして、シー
トバック３は、金属製などのシートバックフレーム４
と、このシートバックフレーム４の前側（図２に示す矢
印Ｆ方向）を覆うシートウレタン層５と、このシートウ
レタン層５を覆うシート表皮６とを備えている。また、
７はシートベルトである。

【００１５】また、図２において、11はセンタピラー、
12はドアで、このドア12は、図４に示すように、ドアパ
ネル14と、ドアガラス15とを備えている。そして、ドア
パネル14には、乗員Ａ側に向かい、アームレストなどの
突出部16が突設されている。

【００１６】さらに、シートバック３の両側部には、そ
れぞれ前後に膨出するサポート用の膨出部20が設けら
れ、これら膨出部20のうち、ドア12側に位置する膨出部
20に、エアバッグ装置21が収納されている。そして、こ
のエアバッグ装置21は、いわゆるサイドエアバッグで、
図２に示すように、シートバック３内に収納されたエア
バッグケース体23と、このエアバッグケース体23に収納
されたインフレータ24、リテーナ25、及びエアバッグ26
となどを備えている。

【００１７】そして、インフレータ24は、略円筒状の本
体部を有し、この本体部の内側に充填した推進薬を反応
させて、一端部の周面に設けたガス噴射口からガスを噴
射する。また、リテーナ25は、端部の挿入口から挿入し
たインフレータ24を収納する筒状をなすリテーナ本体部
24a を有し、このリテーナ本体部24a の前側などの所定
の位置にガス挿通口が形成されているとともに、側部に
は一対のスタッドボルト24b が溶接などして固定されて
いる。

【００１８】また、エアバッグ26は、図１ないし図５に
示すように、折り畳まれた状態でエアバッグケース体23
に収納され、エアバッグ装置21の作動時に、乗員Ａとド
ア12との間に膨張展開するようになっている。そして、
このエアバッグ26は、図５などに示すように、略同形状
の２枚の基布31，32を重ねたうえ、所定の線33に沿って
縫合などして接合して構成されている。そして、この線
33に囲まれた部分の先端側が袋部35となり、基端側が取
付部36となっている。また、この取付部36には、２枚の
基布31，32を貫通する上下一対の取付孔36a と、これら
取付孔36a の先端側に位置して、一方の基布32のみを貫
通する上下一対の取付孔とが形成されている。そして、
この取付部36の上下方向の長さ寸法Ｌ₁は、ガスが充た
される袋部35の上下方向の最大部分の長さ寸法Ｌ₂よ
り、相対的に小さく形成されている。また、２枚の基布
31，32を縫合する線33は、基布31，32の上側から先端側
にかけては、基布31，32の縁部近傍に沿って配置され、
すなわち、縫い代は必要最小限に設定されているが、基
布31，32の下側部では、縫い代の部分が基端側に向かう
に従い下方に延設され、抑止部である支持部38が形成さ
れている。さらに、この支持部38の基端部の下端部近傍
には、支持部取付部としての円孔状の係止孔39が形成さ
れている。

【００１９】そして、このエアバッグ装置21の組み立て
は、インフレータ24を収納して固定したリテーナ25を、
取付部36側の開口からエアバッグ26の内側に挿入し、図
５に示すように取付部36を折り返し、この取付部36に形
成した取付孔36a にスタッドボルト24b を挿入して外側
に引き出す。さらに、エアバッグ26を所定の形状に折り
畳むとともに、これらエアバッグ26及びインフレータ24
を収納したリテーナ25をエアバッグケース体23に収納
し、さらに、スタッドボルト24b をエアバッグケース体
23から外側に引き出した状態とする。そして、このエア
バッグ装置21は、シートバック３の内側の所定位置に配
置され、スタッドボルト24b をナット24cでシートバッ
クフレーム４に締め付けて、シート１に固定される。す
なわち、エアバッグケース体23、インフレータ24、リテ
ーナ25、及びエアバッグ26の取付部36は、スタッドボル
ト24b により、シートバックフレーム４に固定される。
さらに、エアバッグ26の支持部38の係止孔39は、シート
バックフレーム４の下端部近傍に設けたＬ字状などをな
す被固定部である係止突起に引っ掛けるなどして係止し
て固定する。

【００２０】また、インフレータ24は、図示しない配線
により、シート１内あるいはシート１外に設けた制御装
置に接続される。さらに、このエアバッグ装置21を覆う
シートバック３のシートウレタン層５及びシート表皮６
には、前方に向かい、それぞれ他の部分より容易に破断
する開裂部5a，6aが形成されている。

【００２１】次に、エアバッグ装置21の展開動作を説明
する。

【００２２】まず、車両が側面衝突などの衝撃を受ける
と、図示しない制御装置により、インフレータ24が起動
し、ガス噴射口からガスを噴射する、このガスは、イン
フレータ24とリテーナ25との間に沿って流れ、リテーナ
25のガス挿通口からエアバッグ26の内側に供給される。
そして、このガスは、エアバッグ26の取付部36を介して
袋部35を膨張展開させる。すると、この膨張の圧力によ
り、エアバッグケース体23が変形などして開くととも
に、シートウレタン層５の開裂部5a及びシート表皮６の
開裂部6aを開裂させ、乗員Ａの胴部Ａ₁とドア12との間
の空間Ｂ内の所望の位置、すなわち、最も効果的に乗員
Ａを保護し得る位置に、エアバッグ26の袋部35が膨張展
開する。

【００２３】また、このようにエアバッグ26の袋部35が
膨張展開した状態で、ドア12の突出部16には支持部38が
対向するようになっている。

【００２４】このように、本実施の形態によれば、シー
トバック３に折り畳んで収納したエアバッグ26をインフ
レータ24のガスで膨張展開させるサイドエアバッグであ
るエアバッグ装置21について、エアバッグ26の袋部35の
基端部側に設けた取付部36の寸法を相対的に小さくし、
乗員Ａの保護に効果的な部分に配置した袋部35にガスを
供給して膨張展開させるようにしたため、側面衝突時の
衝撃吸収特性を向上しつつ、エアバッグ26を小型化で
き、また、エアバッグ26の容量の低下、及び取付部36の
寸法の小型化に伴い、インフレータ24及びその他のエア
バッグケース体23などの部材を小型化でき、エアバッグ
装置21を小型化できるとともに、製造コストを低減でき
る。

【００２５】また、上記の構成では、エアバッグ26の先
端側に位置する袋部35よりも、基端側に位置する取付部
36の寸法が小さくなるが、本実施の形態では、取付部36
から離間する下方の位置に袋部35を連結して支持する支
持部38を設けたため、エアバッグ26の展開時にも、エア
バッグ26の揺動を抑止して容易に安定して所望の位置に
配置させることができる。

【００２６】さらに、支持部38は、いわば縫い代を延設
し、縫合する線33の位置を適切に設定するのみで形成で
き、袋部35を構成する基布31，32で一体に構成したた
め、部品点数の増加もなく、製造工程も簡略で、取付部
を別体の部材で形成する構成などに比べて、製造コスト
の低減が可能になる。

【００２７】また、本実施の形態では、エアバッグ26の
袋部35が膨張展開した状態で、袋部35はアームレストや
小物入れなどの突出部16よりも上方に配置され、ドア12
の突出部16に支持部38を対向するようにしたため、車両
のドア12にアームレストや小物入れなどの突出部16が設
けられている場合にも、突出部16が膨張展開した袋部35
に干渉してエアバッグ26の位置を移動させることを抑制
し、エアバッグ26の袋部35を所望の位置に確実に膨張展
開させることができる。

【００２８】なお、エアバッグ26は、２枚の基布31，32
を縫合して形成するほか、１枚の基布を折り返して袋状
に縫合したものでも良い。また、必要に応じて、インフ
レータ近傍の取付部に、防炎布などの補強布を設けるこ
ともできる。

【００２９】また、エアバッグの袋部及び支持部の位置
は、基布の形状及び縫合する線の位置の設定で容易に変
更できるため、アームレストや小物入れなどの突出部が
設けられている種々の造形の車両のドアなどに容易に対
応でき、エアバッグの袋部を所望の位置に配置できる。

【００３０】さらに、エアバッグの支持部は、袋部と一
体に形成するほか、別部材を袋部に接合などして構成す
ることもできる。

【００３１】例えば、図６に示すように、エアバッグ26
の袋部35は、図１に示す実施の形態と同様に、２枚の基
布31，32を重ねて所定の線33で縫合して袋状に形成し、
基端部に位置する取付部36の上下方向の寸法は、他の部
分に対して相対的に小さくする。また、引っ張り部とな
る支持部51は、別体の帯状の基布でいわゆるテザー状に
構成し、先端部をエアバッグ26の袋部35の下側の縫い代
部分に縫合などして連結し、基端部には、シートバック
フレーム４の被固定部である係止突起に係止などして固
定される支持部取付部としての円孔状の係止孔52を形成
する。なお、支持部51を袋部35に連結する位置は、エア
バッグ26展開方向の長さを１としたとき、基端側から２
／５〜４／５の位置とすることが好ましい。

【００３２】

【発明の効果】請求項１記載のエアバッグによれば、支
持部を設けたため、エアバッグの袋部を所望の位置に安
定して展開でき、取付部を袋部に対して相対的に小さく
することができ、エアバッグ装置を小型化し、製造コス
トを削減できる。

【００３３】請求項２記載のエアバッグによれば、請求
項１記載の効果に加え、取付部を袋部から縮径して設け
たため、取付部を袋部に対して相対的に小さくし、エア
バッグ装置を小型化し、製造コストを削減できる。

【００３４】請求項３記載のエアバッグによれば、請求
項１または２記載の効果に加え、支持部は、袋部を構成
する基布と一体に設けたため、部品点数を削減し、製造
コストを削減できる。

【００３５】請求項４記載のエアバッグによれば、請求
項１ないし３いずれか記載の効果に加え、袋部は、車両
のドアと乗員との間に膨張展開し、支持部は、ドアから
乗員側に突出する突出部に対向して配置したため、ドア
に突出部が存する場合にも、エアバッグの袋部を所望の
位置に容易に展開できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態のエアバッグを備えたエ
アバッグ装置の展開状態の側面図である。

【図２】同上エアバッグ装置を示す図３のＩ−Ｉ断面図
である。

【図３】同上エアバッグ装置を示す一部を切り欠いた側
面図である。

【図４】同上エアバッグ装置を示す展開状態の正面図で
ある。

【図５】同上エアバッグを示す製造工程の説明図であ
る。

【図６】本発明の他の実施の形態のエアバッグを備えた
エアバッグ装置の展開状態の側面図である。

【符号の説明】

３シートバック 16 突出部 24 インフレータ 26 エアバッグ 31，32 基布 35 袋部 36 取付部 38 支持部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】シートバックに収納されインフレータの
供給するガスにより膨張展開するエアバッグであって、ガスにより膨張展開する袋部と、前記インフレータ側と袋部とをガスが挿通可能に連結す
る取付部と、前記袋部と前記シートバックの前記取付部から離間した
位置とを連結する支持部とを具備したことを特徴とする
エアバッグ。
【請求項２】取付部は、袋部から縮径して設けられた
ことを特徴とする請求項１記載のエアバッグ。
【請求項３】支持部は、袋部を構成する基布と一体に
設けられたことを特徴とする請求項１または２記載のエ
アバッグ。
【請求項４】袋部は、車両のドアと乗員との間に膨張
展開し、支持部は、前記ドアから前記乗員側に突出する
突出部に対向して配置されたことを特徴とする請求項１
ないし３いずれか記載のエアバッグ。