JP2002121166A - 不飽和ケトンの製造方法 - Google Patents
不飽和ケトンの製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】副生成物の生成を抑え、簡便かつ収率良く不飽
和ケトンを製造し得る工業的に有利な方法を提供するこ
と。 【解決手段】アリルおよび/またはプロパルギルアセト
酢酸エステルの全仕込量に対して0.1〜1.0モル%
のアルミニウム触媒が存在する系に、130〜250℃
の温度でアリルおよび/またはプロパルギルアセト酢酸
エステルを滴下することを特徴とする不飽和ケトンの製
造方法。
和ケトンを製造し得る工業的に有利な方法を提供するこ
と。 【解決手段】アリルおよび/またはプロパルギルアセト
酢酸エステルの全仕込量に対して0.1〜1.0モル%
のアルミニウム触媒が存在する系に、130〜250℃
の温度でアリルおよび/またはプロパルギルアセト酢酸
エステルを滴下することを特徴とする不飽和ケトンの製
造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般式(1)
【0002】
【化5】
【0003】(式中、破線が付されている炭素−炭素結
合部分は単結合または二重結合であることを表し、R1
はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アル
キニル基またはアリール基を表し、R2は水素原子また
はアルキル基を表す。)で示される不飽和ケトン〔以
下、これを不飽和ケトン(1)と称する〕の製造方法に
関する。本発明で得られる不飽和ケトン(1)は、香
料、ビタミンA、ビタミンE、医薬などの製造原料とし
て有用である。
合部分は単結合または二重結合であることを表し、R1
はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アル
キニル基またはアリール基を表し、R2は水素原子また
はアルキル基を表す。)で示される不飽和ケトン〔以
下、これを不飽和ケトン(1)と称する〕の製造方法に
関する。本発明で得られる不飽和ケトン(1)は、香
料、ビタミンA、ビタミンE、医薬などの製造原料とし
て有用である。
【0004】
【従来の技術】アリルおよび/またはプロパルギルアセ
ト酢酸エステルを加熱することにより不飽和ケトンを製
造する方法は古くから知られている〔ジャーナル・オブ
・ケミカル・ソサイアティ(J.Chem.So
c.)、507頁(1941年)参照〕。この改良方法
として、アルミニウム触媒を用いる方法が知られてお
り、例えば、アリルアセト酢酸エステルにアルミニウ
ム触媒を加えて加熱する方法(米国特許第2,795,
617号明細書参照)、プロパルギルアセト酢酸エス
テルにアルミニウム触媒および低級脂肪酸を加えて加熱
する方法(米国特許第2,839,579号明細書参
照)、アリルアセト酢酸エステルの熱転位反応をアル
ミニウム触媒の存在下に環式カルボナートまたはγ−ラ
クトン中で行う方法(特開平10−147548号公報
参照)などが挙げられる。
ト酢酸エステルを加熱することにより不飽和ケトンを製
造する方法は古くから知られている〔ジャーナル・オブ
・ケミカル・ソサイアティ(J.Chem.So
c.)、507頁(1941年)参照〕。この改良方法
として、アルミニウム触媒を用いる方法が知られてお
り、例えば、アリルアセト酢酸エステルにアルミニウ
ム触媒を加えて加熱する方法(米国特許第2,795,
617号明細書参照)、プロパルギルアセト酢酸エス
テルにアルミニウム触媒および低級脂肪酸を加えて加熱
する方法(米国特許第2,839,579号明細書参
照)、アリルアセト酢酸エステルの熱転位反応をアル
ミニウム触媒の存在下に環式カルボナートまたはγ−ラ
クトン中で行う方法(特開平10−147548号公報
参照)などが挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のおよびの方
法では、目的とする不飽和ケトンの収率は決して満足す
べきものとは言えず、しかも、工業的に分離、回収する
ことが難しい副生成物が有意量で生成する。の方法で
は、反応溶剤を必要とするため生産性が低く、反応終了
後に溶剤の分離や回収などの煩雑な操作を必要とする。
また、この方法の実施例によれば、アルミニウム触媒を
アリルアセト酢酸エステルに対して2モル%程度用いて
いるため、経済的であるとは言い難い。
法では、目的とする不飽和ケトンの収率は決して満足す
べきものとは言えず、しかも、工業的に分離、回収する
ことが難しい副生成物が有意量で生成する。の方法で
は、反応溶剤を必要とするため生産性が低く、反応終了
後に溶剤の分離や回収などの煩雑な操作を必要とする。
また、この方法の実施例によれば、アルミニウム触媒を
アリルアセト酢酸エステルに対して2モル%程度用いて
いるため、経済的であるとは言い難い。
【0006】しかして、本発明の目的は、副生成物の生
成を抑え、簡便かつ収率良く不飽和ケトンを製造し得る
工業的に有利な方法を提供することにある。
成を抑え、簡便かつ収率良く不飽和ケトンを製造し得る
工業的に有利な方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的は、一般式(2)
目的は、一般式(2)
【0008】
【化6】
【0009】(式中、破線が付されている炭素−炭素結
合部分は二重結合または三重結合であることを表し、R
1はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基またはアリール基を表し、R2は水素原子ま
たはアルキル基を表す。)で示されるアセト酢酸エステ
ル〔以下、これをアセト酢酸エステル(2)と称する〕
を一般式(3)
合部分は二重結合または三重結合であることを表し、R
1はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基またはアリール基を表し、R2は水素原子ま
たはアルキル基を表す。)で示されるアセト酢酸エステ
ル〔以下、これをアセト酢酸エステル(2)と称する〕
を一般式(3)
【0010】
【化7】
【0011】(式中、R3、R4およびR5はそれぞれ独
立にアルコキシル基または一般式
立にアルコキシル基または一般式
【0012】
【化8】
【0013】(式中、R6はアルキル基を表す。)で示
される基を表す。)で示されるアルミニウム触媒〔以
下、これをアルミニウム触媒(3)と称する〕の存在下
に反応させて不飽和ケトン(1)を製造するに際して、
アセト酢酸エステル(2)の全仕込量に対して0.1〜
1.0モル%のアルミニウム触媒(3)が存在する系
に、130〜250℃の温度でアセト酢酸エステル
(2)を滴下することを特徴とする不飽和ケトン(1)
の製造方法を提供することにより達成される。
される基を表す。)で示されるアルミニウム触媒〔以
下、これをアルミニウム触媒(3)と称する〕の存在下
に反応させて不飽和ケトン(1)を製造するに際して、
アセト酢酸エステル(2)の全仕込量に対して0.1〜
1.0モル%のアルミニウム触媒(3)が存在する系
に、130〜250℃の温度でアセト酢酸エステル
(2)を滴下することを特徴とする不飽和ケトン(1)
の製造方法を提供することにより達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】上記の式中、R1、R2およびR6
がそれぞれ表すアルキル基としては、例えばメチル基、
エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチ
ル基、i−ブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。
R1が表すシクロアルキル基としては、例えばシクロプ
ロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが
挙げられ、アルケニル基としては、例えば4−メチル−
3−ペンテニル基、4,8−ジメチル−3,7−ノナジ
エニル基、4,8,12−トリメチル−3,7,11−
トリデカトリエニル基、4,8,12,16−テトラメ
チル−3,7,11,15−ヘプタデカテトラエニル基
などが挙げられ、アルキニル基としては、例えば2−プ
ロピニル基、3−ブチニル基、2−ブチニル基、4−ペ
ンチニル基、5−ヘキチニル基などが挙げられ、またア
リール基としては、例えばフェニル基、トリル基などが
挙げられる。
がそれぞれ表すアルキル基としては、例えばメチル基、
エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチ
ル基、i−ブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。
R1が表すシクロアルキル基としては、例えばシクロプ
ロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが
挙げられ、アルケニル基としては、例えば4−メチル−
3−ペンテニル基、4,8−ジメチル−3,7−ノナジ
エニル基、4,8,12−トリメチル−3,7,11−
トリデカトリエニル基、4,8,12,16−テトラメ
チル−3,7,11,15−ヘプタデカテトラエニル基
などが挙げられ、アルキニル基としては、例えば2−プ
ロピニル基、3−ブチニル基、2−ブチニル基、4−ペ
ンチニル基、5−ヘキチニル基などが挙げられ、またア
リール基としては、例えばフェニル基、トリル基などが
挙げられる。
【0015】本発明は、不飽和ケトン(1)のうち、特
にR1が4−メチル−3−ペンテニル基であり、かつR2
がメチル基であるもの(ゲラニルアセトン)、R1が
4,8−ジメチル−3,7−ノナジエニル基であり、か
つR2がメチル基であるもの(ファルネシルアセトン)
およびR1が4,8,12−トリメチル−3,7,11
−トリデカトリエニル基であり、かつR2がメチル基で
あるもの(ゲラニルゲラニルアセトン)を製造する場合
に好ましく適用される。
にR1が4−メチル−3−ペンテニル基であり、かつR2
がメチル基であるもの(ゲラニルアセトン)、R1が
4,8−ジメチル−3,7−ノナジエニル基であり、か
つR2がメチル基であるもの(ファルネシルアセトン)
およびR1が4,8,12−トリメチル−3,7,11
−トリデカトリエニル基であり、かつR2がメチル基で
あるもの(ゲラニルゲラニルアセトン)を製造する場合
に好ましく適用される。
【0016】R3、R4およびR5がそれぞれ表すアルコ
キシル基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n
−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、
i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などが挙げられる。
キシル基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n
−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、
i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などが挙げられる。
【0017】上記のアセト酢酸エステル(2)は、例え
ば、対応するアリルおよび/またはプロパギルアルコー
ルに、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブ
チルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジ
ンなどのアミンの存在下でジケテンを反応させることに
より製造することができる。かかる方法により得られた
アセト酢酸エステル(2)には未反応のアリルおよび/
またはプロパギルアルコールが少量含まれる場合がある
が、本発明の反応になんら影響を与えないためそのまま
使用することができる。
ば、対応するアリルおよび/またはプロパギルアルコー
ルに、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブ
チルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジ
ンなどのアミンの存在下でジケテンを反応させることに
より製造することができる。かかる方法により得られた
アセト酢酸エステル(2)には未反応のアリルおよび/
またはプロパギルアルコールが少量含まれる場合がある
が、本発明の反応になんら影響を与えないためそのまま
使用することができる。
【0018】アルミニウム触媒(3)としては、例えば
アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキ
シド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウ
ムトリイソブトキシド、アルミニウムトリ−t−ブトキ
シド、モノイソブトキシアルミニウムジイソプロポキシ
ド、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、
アルミニウムトリス(メチルアセトアセテート)、アル
ミニウム(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシ
ド、アルミニウム(メチルアセトアセテート)ジイソプ
ロポキシド、アルミニウムビス(メチルアセトアセテー
ト)モノイソプロポキシド、アルミニウムビス(エチル
アセトアセテート)モノイソプロポキシドなどが挙げら
れる。これらのアルミニウム触媒は市販されているもの
をそのまま使用してもよい。
アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキ
シド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウ
ムトリイソブトキシド、アルミニウムトリ−t−ブトキ
シド、モノイソブトキシアルミニウムジイソプロポキシ
ド、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、
アルミニウムトリス(メチルアセトアセテート)、アル
ミニウム(エチルアセトアセテート)ジイソプロポキシ
ド、アルミニウム(メチルアセトアセテート)ジイソプ
ロポキシド、アルミニウムビス(メチルアセトアセテー
ト)モノイソプロポキシド、アルミニウムビス(エチル
アセトアセテート)モノイソプロポキシドなどが挙げら
れる。これらのアルミニウム触媒は市販されているもの
をそのまま使用してもよい。
【0019】アルミニウム触媒(3)の使用量は、アセ
ト酢酸エステル(2)の全仕込量に対して0.1〜1.
0モル%の範囲に設定する必要がある。その使用量が
0.1モル%未満の場合、副反応が進行し、不飽和ケト
ン(1)の収率が低下する。また、使用量が1.0モル
%を超える場合、生成物を蒸留する際に残渣中に残るア
ルミニウム触媒(3)が固化するなどの操作上の問題が
生じるうえ、経済的な観点からも好ましくない。
ト酢酸エステル(2)の全仕込量に対して0.1〜1.
0モル%の範囲に設定する必要がある。その使用量が
0.1モル%未満の場合、副反応が進行し、不飽和ケト
ン(1)の収率が低下する。また、使用量が1.0モル
%を超える場合、生成物を蒸留する際に残渣中に残るア
ルミニウム触媒(3)が固化するなどの操作上の問題が
生じるうえ、経済的な観点からも好ましくない。
【0020】本発明の反応は、反応系中におけるアセト
酢酸エステル(2)に対するアルミニウム触媒(3)の
濃度を高く維持するため、アルミニウム触媒(3)にア
セト酢酸エステル(2)を滴下することにより行う。そ
の際、アルミニウム触媒(3)をそのまま空の反応器に
仕込み、所定の反応温度まで昇温した後、アセト酢酸エ
ステル(2)を滴下してもよいが、初期の反応温度を適
切に維持するためには、アセト酢酸エステル(2)の一
部およびアルミニウム触媒(3)を反応器に仕込み、所
定の反応温度まで昇温した後、残りのアセト酢酸エステ
ル(2)を滴下してもよい。この初期仕込に用いるアセ
ト酢酸エステル(2)の量は全仕込量の5〜50%程度
の範囲が好ましいが、滴下による効果を最大限に発揮さ
せるには、上記の範囲内でもできるだけ少ない方がより
好ましい。また、反応の途中で副生成物として二酸化炭
素が発生するが、これは速やかに反応系から除去するの
が好ましい。
酢酸エステル(2)に対するアルミニウム触媒(3)の
濃度を高く維持するため、アルミニウム触媒(3)にア
セト酢酸エステル(2)を滴下することにより行う。そ
の際、アルミニウム触媒(3)をそのまま空の反応器に
仕込み、所定の反応温度まで昇温した後、アセト酢酸エ
ステル(2)を滴下してもよいが、初期の反応温度を適
切に維持するためには、アセト酢酸エステル(2)の一
部およびアルミニウム触媒(3)を反応器に仕込み、所
定の反応温度まで昇温した後、残りのアセト酢酸エステ
ル(2)を滴下してもよい。この初期仕込に用いるアセ
ト酢酸エステル(2)の量は全仕込量の5〜50%程度
の範囲が好ましいが、滴下による効果を最大限に発揮さ
せるには、上記の範囲内でもできるだけ少ない方がより
好ましい。また、反応の途中で副生成物として二酸化炭
素が発生するが、これは速やかに反応系から除去するの
が好ましい。
【0021】反応温度は130〜250℃の範囲に設定
する必要があり、150〜200℃の範囲が好ましい。
130℃未満の温度では反応速度が極端に遅くなるた
め、アセト酢酸エステル(2)の滴下による効果が薄
れ、また、250℃を超える温度では生成した不飽和ケ
トン(1)が熱で劣化するため収量低下の原因となる。
する必要があり、150〜200℃の範囲が好ましい。
130℃未満の温度では反応速度が極端に遅くなるた
め、アセト酢酸エステル(2)の滴下による効果が薄
れ、また、250℃を超える温度では生成した不飽和ケ
トン(1)が熱で劣化するため収量低下の原因となる。
【0022】アセト酢酸エステル(2)を滴下する時間
は、20分間〜20時間程度が好ましく、1〜10時間
程度がより好ましい。滴下は連続的に行うことが好まし
いが、任意の割合で2回以上に分けて断続的に行っても
よい。滴下終了後、必要に応じて、反応温度を維持しな
がら、さらに10分〜3時間程度、副生する二酸化炭素
の発生が完全に終了するまで攪拌を続ける。
は、20分間〜20時間程度が好ましく、1〜10時間
程度がより好ましい。滴下は連続的に行うことが好まし
いが、任意の割合で2回以上に分けて断続的に行っても
よい。滴下終了後、必要に応じて、反応温度を維持しな
がら、さらに10分〜3時間程度、副生する二酸化炭素
の発生が完全に終了するまで攪拌を続ける。
【0023】上記の反応により得られた生成物は、蒸
留、晶析などの方法により容易に高い純度に精製するこ
とができるが、場合によっては、精製することなくその
まま香料、ビタミンA、ビタミンE、医薬などの製造原
料として用いることができる。
留、晶析などの方法により容易に高い純度に精製するこ
とができるが、場合によっては、精製することなくその
まま香料、ビタミンA、ビタミンE、医薬などの製造原
料として用いることができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はかかる実施例によりなんら限定されるも
のではない。
るが、本発明はかかる実施例によりなんら限定されるも
のではない。
【0025】実施例1 ゲラニルアセトンの製造 (1)リナロールからリナリルアセトアセテートの製造 リナロール124.4g(99%純度、800ミリモ
ル)およびトリエチルアミン0.64g(6.3ミリモ
ル)に、80℃でジケテン60.4g(719ミリモ
ル)を1時間かけて滴下し、さらに同温度で1時間攪拌
した後、放冷した。得られた反応液184.0gにはリ
ナリルアセトアセテート88%(net:161.9
g、680ミリモル)およびリナロール9.0%(ne
t:16.6g、107ミリモル)が含まれていた。
ル)およびトリエチルアミン0.64g(6.3ミリモ
ル)に、80℃でジケテン60.4g(719ミリモ
ル)を1時間かけて滴下し、さらに同温度で1時間攪拌
した後、放冷した。得られた反応液184.0gにはリ
ナリルアセトアセテート88%(net:161.9
g、680ミリモル)およびリナロール9.0%(ne
t:16.6g、107ミリモル)が含まれていた。
【0026】(2)リナリルアセトアセテートからゲラ
ニルアセトンの製造 上記の反応で得られたリナリルアセトアセテート6.9
5g(net:6.12g、25.7ミリモル、リナリ
ルアセトアセテートの全仕込量に対して15.1%)に
アルミニウムトリイソプロポキシド0.3g(1.45
ミリモル、リナリルアセトアセテートの全仕込量に対し
て0.85モル%)を加えて170℃で1時間加熱し
た。その後、170℃を維持しながら、上記の反応で得
られたリナリルアセトアセテート39.0g(net:
34.32g、144ミリモル、リナリルアセトアセテ
ートの全仕込量に対して84.9%)を3時間かけて滴
下し、さらに1時間、反応混合液を同温度で加熱した
後、放冷した。得られた反応液36.6gを分析したと
ころ、ゲラニルアセトン77%(net:28.18
g、144ミリモル、リナリルアセトアセテートからの
収率84.7%)が含まれていた。また、この反応液に
はリナロール8.1%(net:2.97g、19.3
ミリモル)、副生成物であるゲラニオールおよびネロー
ル0.2%(net:0.07g、0.3ミリモル)が
含まれていた。
ニルアセトンの製造 上記の反応で得られたリナリルアセトアセテート6.9
5g(net:6.12g、25.7ミリモル、リナリ
ルアセトアセテートの全仕込量に対して15.1%)に
アルミニウムトリイソプロポキシド0.3g(1.45
ミリモル、リナリルアセトアセテートの全仕込量に対し
て0.85モル%)を加えて170℃で1時間加熱し
た。その後、170℃を維持しながら、上記の反応で得
られたリナリルアセトアセテート39.0g(net:
34.32g、144ミリモル、リナリルアセトアセテ
ートの全仕込量に対して84.9%)を3時間かけて滴
下し、さらに1時間、反応混合液を同温度で加熱した
後、放冷した。得られた反応液36.6gを分析したと
ころ、ゲラニルアセトン77%(net:28.18
g、144ミリモル、リナリルアセトアセテートからの
収率84.7%)が含まれていた。また、この反応液に
はリナロール8.1%(net:2.97g、19.3
ミリモル)、副生成物であるゲラニオールおよびネロー
ル0.2%(net:0.07g、0.3ミリモル)が
含まれていた。
【0027】実施例2 ファルネシルアセトンの製造 (1)ネロリドールからネロリディルアセトアセテート
の製造 ネロリドール45.3g(98%純度、200ミリモ
ル)およびトリエチルアミン0.16g(1.6ミリモ
ル)に、80℃でジケテン15.1g(180ミリモ
ル)を1時間かけて滴下し、さらに同温度で1時間攪拌
した後、放冷した。得られた反応液60.2gにはネロ
リディルアセトアセテート85.6%(net:51.
5g、168ミリモル)およびネロリドール10.2%
(net:6.14g、27.7ミリモル)が含まれて
いた。
の製造 ネロリドール45.3g(98%純度、200ミリモ
ル)およびトリエチルアミン0.16g(1.6ミリモ
ル)に、80℃でジケテン15.1g(180ミリモ
ル)を1時間かけて滴下し、さらに同温度で1時間攪拌
した後、放冷した。得られた反応液60.2gにはネロ
リディルアセトアセテート85.6%(net:51.
5g、168ミリモル)およびネロリドール10.2%
(net:6.14g、27.7ミリモル)が含まれて
いた。
【0028】(2)ネロリディルアセトアセテートから
ファルネシルアセトンの製造 上記の反応で得られたネロリディルアセトアセテート1
0.5g(net:8.99g、29.4ミリモル、ネ
ロリディルアセトアセテートの全仕込量に対して17.
5%)にアルミニウムトリイソプロポキシド0.27g
(1.3ミリモル、ネロリディルアセトアセテートの全
仕込量に対して0.8モル%)を加えて170℃で1時
間加熱した。その後、上記温度を維持しながら、上記の
反応で得られたネロリディルアセトアセテート49.5
g(net:42.37g、138ミリモル、ネロリデ
ィルアセトアセテートの全仕込量に対して82.5%)
を3時間かけて滴下し、さらに1時間、反応混合液を同
温度で加熱した後、放冷した。得られた反応液48.8
gを分析したところ、ファルネシルアセトン79.5%
(net:38.8g、148ミリモル、ネロリディル
アセトアセテートからの収率88.4%)が含まれてい
た。また、この反応液にはネロール9.2%(net:
4.49g、20.2ミリモル)および副生成物である
ファルネソール0.3%(net:0.15g、0.7
ミリモル)が含まれていた。
ファルネシルアセトンの製造 上記の反応で得られたネロリディルアセトアセテート1
0.5g(net:8.99g、29.4ミリモル、ネ
ロリディルアセトアセテートの全仕込量に対して17.
5%)にアルミニウムトリイソプロポキシド0.27g
(1.3ミリモル、ネロリディルアセトアセテートの全
仕込量に対して0.8モル%)を加えて170℃で1時
間加熱した。その後、上記温度を維持しながら、上記の
反応で得られたネロリディルアセトアセテート49.5
g(net:42.37g、138ミリモル、ネロリデ
ィルアセトアセテートの全仕込量に対して82.5%)
を3時間かけて滴下し、さらに1時間、反応混合液を同
温度で加熱した後、放冷した。得られた反応液48.8
gを分析したところ、ファルネシルアセトン79.5%
(net:38.8g、148ミリモル、ネロリディル
アセトアセテートからの収率88.4%)が含まれてい
た。また、この反応液にはネロール9.2%(net:
4.49g、20.2ミリモル)および副生成物である
ファルネソール0.3%(net:0.15g、0.7
ミリモル)が含まれていた。
【0029】比較例1 原料一括仕込によるゲラニルア
セトンの製造 実施例1(1)で製造したリナリルアセトアセテート4
6.0g(net:40.5g、170ミリモル)にア
ルミニウムトリイソプロポキシド0.3g(1.4ミリ
モル、リナリルアセトアセテートの全仕込量に対して
0.85モル%)を加えて170℃で4時間加熱した
後、放冷した。得られた反応液37.2gを分析したと
ころ、ゲラニルアセトン70.1%(net:26.1
g、133ミリモル、リナリルアセトアセテートからの
収率78.2%)が含まれていた。また、この反応液に
はリナロール7.8%(net:2.9g、18.8ミ
リモル)、副生成物であるゲラニオールおよびネロール
1.5%(net:0.56g、3.6ミリモル)、ゲ
ラニルアセトアセテートおよびネリルアセトアセテート
0.7%(net:0.26g、1.1ミリモル)が含
まれていた。
セトンの製造 実施例1(1)で製造したリナリルアセトアセテート4
6.0g(net:40.5g、170ミリモル)にア
ルミニウムトリイソプロポキシド0.3g(1.4ミリ
モル、リナリルアセトアセテートの全仕込量に対して
0.85モル%)を加えて170℃で4時間加熱した
後、放冷した。得られた反応液37.2gを分析したと
ころ、ゲラニルアセトン70.1%(net:26.1
g、133ミリモル、リナリルアセトアセテートからの
収率78.2%)が含まれていた。また、この反応液に
はリナロール7.8%(net:2.9g、18.8ミ
リモル)、副生成物であるゲラニオールおよびネロール
1.5%(net:0.56g、3.6ミリモル)、ゲ
ラニルアセトアセテートおよびネリルアセトアセテート
0.7%(net:0.26g、1.1ミリモル)が含
まれていた。
【0030】上記の副生成物であるゲラニオールおよび
ネロールは、工業的規模での分離、回収が困難であり、
再利用することはできない。
ネロールは、工業的規模での分離、回収が困難であり、
再利用することはできない。
【0031】比較例2 原料一括仕込によるゲラニルア
セトンの製造 実施例1(1)で製造したリナリルアセトアセテート4
6.0g(net:40.5g、170ミリモル)にア
ルミニウムトリイソプロポキシド0.53g(2.47
ミリモル、リナリルアセトアセテートの全仕込量に対し
て1.5モル%)を加えて170℃で4時間加熱した
後、放冷した。得られた反応液37.9gを分析したと
ころ、ゲラニルアセトン70.7%(net:26.8
g、136.8ミリモル、リナリルアセトアセテートか
らの収率80.5%)が含まれていた。また、この反応
液にはリナロール9.5%(net:3.6g、23.
4ミリモル)、副生成物であるゲラニオールおよびネロ
ール0.77%(net:0.29g、1.9ミリモ
ル)、ゲラニルアセトアセテートおよびネリルアセトア
セテート0.5%(net:0.19g、1.0ミリモ
ル)が含まれていた。
セトンの製造 実施例1(1)で製造したリナリルアセトアセテート4
6.0g(net:40.5g、170ミリモル)にア
ルミニウムトリイソプロポキシド0.53g(2.47
ミリモル、リナリルアセトアセテートの全仕込量に対し
て1.5モル%)を加えて170℃で4時間加熱した
後、放冷した。得られた反応液37.9gを分析したと
ころ、ゲラニルアセトン70.7%(net:26.8
g、136.8ミリモル、リナリルアセトアセテートか
らの収率80.5%)が含まれていた。また、この反応
液にはリナロール9.5%(net:3.6g、23.
4ミリモル)、副生成物であるゲラニオールおよびネロ
ール0.77%(net:0.29g、1.9ミリモ
ル)、ゲラニルアセトアセテートおよびネリルアセトア
セテート0.5%(net:0.19g、1.0ミリモ
ル)が含まれていた。
【0032】上記の副生成物であるゲラニオールおよび
ネロールは、工業的規模での分離、回収が困難であり、
再利用することはできない。
ネロールは、工業的規模での分離、回収が困難であり、
再利用することはできない。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、副生成物の生成を抑
え、不飽和ケトン(1)を簡便かつ収率良く、工業的に
有利に製造することができる。
え、不飽和ケトン(1)を簡便かつ収率良く、工業的に
有利に製造することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】一般式(2) 【化1】 (式中、破線が付されている炭素−炭素結合部分は二重
結合または三重結合であることを表し、R1はアルキル
基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基ま
たはアリール基を表し、R2は水素原子またはアルキル
基を表す。)で示されるアセト酢酸エステルを一般式
(3) 【化2】 (式中、R3、R4およびR5はそれぞれ独立にアルコキ
シル基または一般式 【化3】 (式中、R6はアルキル基を表す。)で示される基を表
す。)で示されるアルミニウム触媒の存在下に反応させ
て一般式(1) 【化4】 (式中、破線が付されている炭素−炭素結合部分は単結
合または二重結合であることを表し、R1およびR2は上
記定義のとおりである。)で示される不飽和ケトンを製
造するに際して、前記アセト酢酸エステルの全仕込量に
対して0.1〜1.0モル%の前記アルミニウム触媒が
存在する系に、130〜250℃の温度で該アセト酢酸
エステルを滴下することを特徴とする前記不飽和ケトン
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000315315A JP2002121166A (ja) | 2000-10-16 | 2000-10-16 | 不飽和ケトンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000315315A JP2002121166A (ja) | 2000-10-16 | 2000-10-16 | 不飽和ケトンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002121166A true JP2002121166A (ja) | 2002-04-23 |
Family
ID=18794441
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000315315A Pending JP2002121166A (ja) | 2000-10-16 | 2000-10-16 | 不飽和ケトンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002121166A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010535730A (ja) * | 2007-08-08 | 2010-11-25 | ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. | (e,e)−ファルネシルアセトンの調製方法 |
CN102115437A (zh) * | 2010-04-12 | 2011-07-06 | 上海迪赛诺医药发展有限公司 | 制备γ,δ-不饱和酮的方法 |
Citations (9)
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-
2000
- 2000-10-16 JP JP2000315315A patent/JP2002121166A/ja active Pending
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CN102115437B (zh) * | 2010-04-12 | 2014-05-07 | 上海海嘉诺医药发展股份有限公司 | 制备γ,δ-不饱和酮的方法 |
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