JPS6062Y2 - オ−バ−ロツクミシンの布案内 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はオーバロックミシンの布案内に関し、特に縫
合部手前に設けて布端縁を案内する布案内を、布送り方
向に直交する方向の一方位置と他方位置とに移動調節可
能に取付け、布案内を一方位置に固定したときには布案
内面が布縁をメスにより切断せずに布縁に縁かがり縫目
を形成する位置となり、布案内を他方の位置に固定した
ときには布案内面が、二つ折りした布の折りかえし端を
その案内面に沿って送り、縁かがりした後に布の折りか
えし部を開いたとき、布の縁部より内方に縁かがり縫目
による飾り縫目が形成できる位置となるようにしたオー
バロックミシンの布案内に関するものである。

以下この考案の実施例を図面により説明すると、１は針
板であってミシン機枠（図示しない）に固定すると共に
、針落孔２とその一側方に布送り方向に解放する開放端
をもつかがり爪３とを形成スる。

４は周知のオーバーロックミシンのメスホルダーであり
、機枠に対して布送り方向に直交する水平方向に移動調
節可能に取付けられていると共に、縫合部手前の一側方
に固定メス５を固定片６とねじ７により固定する。

８は主軸に連動して上下動する周知の可動メスであり、
固定メス５の側面に弾性力によって圧接し、その上下動
により固定メス５と共同して布端縁を切断する。

９は支持体であり、その一部を下方に折曲して布送り方
向に開口する取付孔１０を形成し、その孔１０を介して
メスホルダー４の端面にねじ１１により着脱自在に支持
すると共に、その支持部１２は縫合部手前の布カバー１
３上面と前面とに沿うよう形成する。

１４は布案内であり、その平担部１５を支持体９の平担
部に載置すると共に、−側方を逆Ｕ字状に折曲成形して
布送り方向線に沿い直立した布案内面１６を形成し、支
持体９の前面に沿い下方へ折曲した取付部１７には布送
り方向に直交する水平方向の長孔１８を形成し、それを
貫通して支持体９の支持部１２前面にねじこんだねじ１
９を介して、布案内１４を支持体９に固定する。

２０，２１は支持体の支持部１２上面に設けた位置決め
手段としての刻線であり、布案内１４の側縁に対向して
布送り方向に直交する水平方向に互いに離して設ける。

そしてこの刻線２０に布案内１４の側縁を合わせて布案
内１４を一方位置に固定すると、その布案内面１６は第
２図に示すように固定メス５の刃部を通り布送り方向に
平行する線Ａ線上又はわずかに左方に位置腰刻線２１に
布案内１４の側縁を合わせて布案内１４を他方位置に固
定すると、その布案内面１６は、布送り方向に平行し固
定メス５の刃部を通る線Ａと、布送り方向に平行し針落
孔２を通る線Ｂとのほぼ中間の線Ｃ上に位置するように
構成する。

この考案は以上の構成であり、つぎに作用について説明
する。

ます、第２図に示すように布案内１４を、その側縁を刻
線２０に合わせ布案内面１６を線Ａに一致させた一方位
置に固定し、布を布案内面１６に沿って案内しつつ縫合
すると、布はその布縁が固定メス５の刃部を避けて通過
し、布縁は固定メス５の刃部に接触せずに縫合部に案内
されてメスによって切断されない布縁に縁かがり縫目が
形成される。

また、布案内１４を一方位置とした状態のまま、メスホ
ルダー４を機枠に対して布送り方向に直交する水平方向
に移動すると、メスホルダー４と共に布案内１４を支持
した支持体９も移動するから、固定メス５の刃部に対す
る布案内面１６の位置を別箇に調整する必要がない。

さらにねじ１９をゆるめて布案内を移動し、その側縁を
刻線２１に合わせ布案内面１６を線Ｃに一致させ、布案
内１４を他方位置としてねじ１９を締めて固定すると共
に、針糸には縫合する布に適した針糸張力を与え、ルー
パー糸には飾糸を使用しその張力を弱とする。

この状態から第４図イのように布２２を二つ折りとし、
その折りかえし縁２３を他方位置とした布案内面１６に
沿って案内しつつ縫合すると、ルーパー糸のループは口
のようにかがり爪３により布２２の折りかえし縁２３か
ら突出した状態で形成され、縫合完了後にハのように二
つ折りした折りかえし縁２３を中心に布２２を開くと、
布の表側には飾り糸としてのルーパー糸が折りかえし縁
を中心にして左右の針糸に対し交互にジグザグ状にわた
り、布の裏面には針糸が折りかえし縁に直交して互いに
平行し、布２２の縁より内方の布２２表面に飾り糸によ
る縫目が形成される。

なお、図示実施例においては、支持体９の支持部１２に
設けた二本の刻線と布案内１４の側縁とで布案内１４の
位置決め手段を形成したが、この位置決め手段は布案内
１４と布カバー１３等の他の固定部材との間に設置した
り、又は布案内１４に二つの刻線やマークを設けそれを
支持体９又は固定部材に設けた指標に合わせるようにし
たり、さらに布案内１４に設けた長孔１８の左右端をス
トッパーとしその左又は右端をねじ１９に当接させる機
械的な位置決め手段とすることもできる。

従来、第４図の口に示すような布縁の内方に飾り縫いす
る場合、布案内の他方位置における位置決め手段がなか
ったために、複数回試鋳いを繰りかえして適正位置を決
める必要があったために、準備作業に時間を要腰一般の
家庭においてはほとんど行なわなかった。

以上のようにこの考案は、布案内１４を一方位置とする
ことにより、布縁を切断せずに縁かがり縫いできるので
、平担な布の布縁はもとより二つ折りした布の布縁を切
断せずに二つ折りのまま縁かがりすることができる効果
に加え、布案内を他方位置とすることにより、二つ折り
した布の折りかえし縁を縁かがり縫いした後に折りかえ
し縁を中心に開くことによって、布縁より内方の布表面
にルーパー糸により飾り縫目を形成できるので、縫製品
の手芸的用途が拡大される等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はオーバロックミシンの縫合部手前側の斜視図、
第２図は第１図の平面図、第３図は第２図■〜■部分の
拡大断面図、第４図は本考案を使用して得られる縫いの
順序を説明するための解説図である。 図中１は針落孔２とかがり爪３とをもつ針板、４は固定
メスを支持したメスホルダー、８は可動メス、９は支持
体、１４は布案内、２０・２１は位置決め手段の一実施
例としての刻線である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 主軸に連動して上下動する針糸をもつ針と、針落孔及び
   針落孔の一側方に位置し布送り方向に解放する開放端を
   もつ糸かがり爪とを形成し機枠に固定した針板と、 主軸に連動し針と共同して布縁に縁かがり縫目を形成す
   るルーパー糸をもつルーパーと、 機枠に対し布送り方向に直交する水平方向に移動調節可
   能に取付は縫合部手前の一側方に固定メス５を支持した
   メスホルタ−４と、 主軸に連動して上下動し固定メスと共同して布端縁を切
   断する可動メス８とを備えたミシンにおいて、 基部をメスホルダーに着脱自在に支持し機枠外方に支持
   部１２を形成した支持体９と、 基部を支持体の支持部１２に対し布送り方向に直交する
   水平方向の一方位置と他方位置とに移動調節可能に取付
   けると共にミシン縫合部より布送り方向線に沿う直立し
   た布案内面を形成した布案内１４と、 布案内の一方位置と他方位置とを位置決めする布案内と
   機枠との間に設けた位置決め手段とを備え、位置決め手
   段により布案内を支持体に対し一方位置に固定したとき
   には布案内面が固定メスの刃部を通り布送り方向に平行
   する線上に位置し、他方位置に固定したときには布案内
   面が布送り方向に平行して固定メスを通る線と針落孔を
   通る線とのほぼ中間に位置するように形成したことを特
   徴とするオーバロックミシンの布案内。