JPH09289849A - 釣糸ガイド - Google Patents

釣糸ガイド

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JPH09289849A
JPH09289849A JP8107670A JP10767096A JPH09289849A JP H09289849 A JPH09289849 A JP H09289849A JP 8107670 A JP8107670 A JP 8107670A JP 10767096 A JP10767096 A JP 10767096A JP H09289849 A JPH09289849 A JP H09289849A
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JP
Japan
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liquid crystalline
fishing line
line guide
filler
guide according
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JP8107670A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Umetsu
秀之 梅津
Seiichi Nakamura
清一 中村
Shunei Inoue
俊英 井上
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量で、強度が高く、かつ腐食のない釣糸ガ
イドを提供する。 【解決手段】 液晶性樹脂に対し、充填剤を添加した組
成物を母材とした釣糸ガイド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は釣竿に固定され、釣
糸を導く釣糸ガイドに関し、例えば、投釣用、磯釣用、
船釣用等に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】リールを用いる釣竿には環状部を有する
釣糸ガイドを幾つか釣竿に固定して、釣糸(道糸)を誘
導する構造となっており、この釣糸ガイドは、従来全部
品を金属で構成するか又は枠体を金属で構成し、釣糸と
接触する環状部をプラスチックスまたはセラミックスで
形成してこれを枠体に嵌合したものが用いられていた。
【0003】図2は釣竿の概略斜視図であり、釣竿1の
各継ぎ竿先端部には各ガイド2に固定されており、リー
ル固定部3で固定されたリール(図示せず)から延出さ
れる道糸(図示せず)が挿通される。図3は従来のガイ
ドの斜視図であり、金属枠4に樹脂製の環状部5が嵌入
されている。
【0004】図4は従来の他のガイドを継ぎ竿の先端に
取り付けた状態を示す斜視図であり、継ぎ竿1a先端に
固定された樹脂製の環状キャップ6の周縁にガイドの金
属枠4の環状脚部7が嵌合している。図5は図4のガイ
ドの部分断面図であり、樹脂製の環状部5は2層になっ
ており、金属枠4が嵌入した少し柔軟な樹脂で構成され
る外管5aと道糸と接触する硬質プラスチックで構成さ
れた内管5bが一体的に成形されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】釣糸ガイドは、仕掛け
を投げたとき、道糸が猛烈なスピードで擦過し、かつ重
りによる力が掛かるため、次のような性能が要求され
る。まず、道糸との擦過による摩擦熱を速やかに逃がす
ことができるように熱伝導性が高く、また耐摩耗性に優
れていることが要求される。また、竿を振って投げると
きあるいは大きな獲物が掛かったとき、また根掛かりな
どで強引に竿を立てて引っ張ったときなどにはガイドに
相当な力がかかるため、変形又は破損しないだけの強度
が要求される。さらに、潮風に長時間さらされ、場合に
よっては塩分が付着したまま保管されるため、防錆性、
耐候性が要求される。その他、竿全体を軽くするためガ
イド自身が軽いこと、釣糸との接触面が滑らかであるこ
と、また、製造、商業面では、製造コストが小さく、種
々の形状に形成しやすく、見栄えが良い等の性質が要求
される。
【0006】従来の金属ガイドは熱伝導性、強度、加工
性は良好であるが、防錆性、耐候性、軽量性に劣ってお
り、特に、錆が出ると表面状態が悪化してやすり状とな
るため道糸が切れやすくなる欠点があった。これらの欠
点を補うために道糸が通る環状部を別体にし、プラスチ
ック又はセラミックスの環状物を金属製の枠体に嵌合し
たものも知られているが、通常のプラスチックでは擦過
による発熱や蓄熱を押さえることはできず、セラミック
スはプラスチックや金属に比較し、耐衝撃性が劣り衝撃
が加わったときに破損しやすく、金属枠体が変形したと
き嵌合が外れて飛び出して破損したり、また重量がかさ
むなどの欠点があった。さらに、金属素材として、チタ
ンを用いて軽量化したり、道糸との接触面を腐食しにく
い金属でメッキすることも行われているが、製造コスト
が高くなり、実用性に乏しいものであった。本発明は、
かかる従来技術の欠点を解消し、軽量で、強度が高く、
かつ腐食のない釣糸ガイドを提供することを課題とする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、液晶性
樹脂に対し、充填剤を添加した組成物を母材とした釣糸
ガイドを提供するものである。
【0008】
【発明の実施形態】図1は本発明の釣糸ガイドを示す斜
視図であり、形状は図4に示した従来品とほぼ同じであ
るが、この釣糸ガイド12は、枠体14、環状部15及
び竿に取り付けるための環状脚部17が、すべて一体成
形により成形された樹脂成形品であり、その素材は液晶
性樹脂に対して充填剤を添加した組成物を母材としたも
のである。
【0009】以下、本発明の素材について、詳述する。
本発明における液晶性樹脂は、溶融時に異方性溶融相を
形成し得る樹脂であり、ポリエステルおよび/またはポ
リエステルアミドが好ましく、さらに全芳香族の液晶性
ポリエステル、全芳香族の液晶性ポリエステルアミド、
エチレンジオキシ単位を有する液晶性ポリエステルおよ
びエチレンオキシ単位を有する液晶性ポリエステルアミ
ドから選ばれたものであることが好ましい。
【0010】液晶性ポリエステルの好ましい例としては
下記の(I), (III)及び(IV)の構造単位からなる液
晶性ポリエステル、(I), (II)及び(IV)の構造単位
からなる液晶性ポリエステル、または、(I),(II),
(III)及び(IV)の構造単位からなる液晶性ポリエス
テルを挙げることができる。
【0011】
【化4】 (ただし式中のR1 は、
【0012】
【化5】 から選ばれた1種以上の基を示し、R2 は、
【0013】
【化6】
【0014】から選ばれた1種以上の基を示す。また、
式中Xは水素原子または塩素原子を示し、構造単位(I
I)及び(III)の合計と構造単位(IV)は実質的に等モ
ルである。) 上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息香酸から生成
したポリエステルの構造単位であり、(II) は4, 4′
−ジヒドロキシビフェニル、3,3′, 5,5′−テト
ラメチル−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、ハイド
ロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイド
ロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキ
シナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび
4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれ
た芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、
構造単位(III)はエチレングリコールから生成した構造
単位を、構造単位(IV) はテレフタル酸、イソフタル
酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジ
カルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,
4′−ジカルボン酸および1,2−ビス(2−クロルフ
ェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボン酸から選ばれ
た芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位を示す。こ
れらのうちR1
【0015】
【化7】 であり、R2
【0016】
【化8】
【0017】であるものが特に好ましい。また、液晶性
ポリエステルアミドとしては上記構造単位(I)〜(I
V)以外にp−アミノフェノールから生成したp−イミ
ノフェノキシ単位を含有した異方性溶融相を形成するポ
リエステルアミドが好ましい。本発明に好ましく使用で
きる液晶性ポリエステルは上記構造単位 (I), (II)お
よび (IV) 、または(I), (II), (III)および(IV) か
らなる共重合体であり、上記構造単位(I), (II), (II
I)および(IV) の共重合量は任意である。しかし、流動
性の点から次の共重合量であることが好ましい。
【0018】すなわち、上記構造単位(III) を含む場
合は、耐熱性、難燃性および機械的特性の点から上記構
造単位(I) 及び(II) の合計は、(I),(II)及び
(III)の合計に対して60〜95モル%が好ましく、
75〜93モル%がより好ましい。また、構造単位(II
I)は、(I),(II)及び(III) の合計に対して40
〜5モル%が好ましく、25〜7モル%がより好まし
い。また、構造単位(I)と(II)のモル比〔(I)/
(II)〕は耐熱性と流動性のバランスの点から好ましく
は75/25〜95/5であり、より好ましくは78/
22〜93/7である。また、構造単位(IV)は構造単
位(II)及び(III)の合計と実質的に等モルである。
【0019】一方、上記構造単位(III)を含まない場合
は流動性の点から上記構造単位(I)は、(I)及び
(II)]の合計の40〜90モル%であることが好まし
く、60〜88モル%であることが特に好ましく、構造
単位(IV)は構造単位(II)と実質的に等モルである。
なお、本発明で好ましく使用できる上記液晶性ポリエス
テルを重縮合する際には上記構造単位(I)〜(IV)を
構成する成分以外に3,3′−ジフェニルジカルボン
酸、2,2′−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジ
カルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒ
ドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハ
イドロキノン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスル
ホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン等の芳香族ジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサ
ンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の
脂肪族、脂環式ジオールおよびm−ヒドロキシ安息香
酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロ
キシカルボン酸およびp−アミノフェノール、p−アミ
ノ安息香酸などを小割合の範囲でさらに共重合させるこ
とができる。
【0020】例えば上記の好ましく用いられる液晶性ポ
リエステルの製造において、上記構造単位(III)を含ま
ない場合は下記(1)および(2)、構造単位(III)を
含む場合は(3)の製造方法が好ましく挙げられる。 (1)p−アセトキシ安息香酸および4,4′−ジアセ
トキシビフェニル、4,4′−ジアセトキシベンゼンな
どの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物とテレフ
タル酸などの芳香族ジカルボン酸から脱酢酸重縮合反応
によって製造する方法。
【0021】(2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,
4′−ヒドロキシビフェニルハイドロキノンなどの芳香
族ジヒドロキシ化合物、テレフタル酸などの芳香族ジカ
ルボン酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基
をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって製造する
方法。 (3)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル
のポリマ、オリゴマまたはビス(β−ヒドロキシエチ
ル)テレフタレートなどの芳香族ジカルボン酸のビス
(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で(1)ま
たは(2)の方法により製造する方法。
【0022】これらの重縮合反応は無触媒でも進行する
が、酢酸第一錫、テトラブチルチタンネート、酢酸カリ
ウムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、金属マ
グネシウムなどの金属化合物を添加した方が好ましいと
きもある。本発明における液晶性樹脂は、ペンタフルオ
ロフェノール中で対数粘度を測定することが可能なもの
もあり、その際には0.1g/dlの濃度で60℃で測定
した値で0.3dl/g以上が好ましく、特に上記構造単
位(III)を含む場合は0.5〜3.0dl/gが好まし
く、上記構造単位(III)を含まない場合は1.0〜1
5.0dl/gが好ましい。
【0023】また、本発明における液晶性樹脂の溶融粘
度は1〜2,000Pa・sが好ましく、特に2〜1,
000Pa・sがより好ましい。ここで、溶融粘度は、
融点+10℃の条件で剪断速度1000/秒の条件下で
直径1mm、長さ(l)≧5mmの毛細管を用いた高圧
式毛細管粘度計により測定した値である。また、融点と
は、示差熱量測定において、樹脂を室温から20℃/分
の昇温条件で測定した際に観察される吸熱ピーク温度
(Tml)の観測後、Tml+20℃の温度で5分間保
持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却し
た後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観察さ
れる吸熱ピーク温度(Tml)を指す。
【0024】本発明液晶性樹脂に添加する充填剤の配合
量は液晶性樹脂100重量部に対して、充填剤5〜40
0重量部が好ましく、さらに好ましくは10〜200重
量部である。充填剤としては特に限定されないが、例え
ば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カ
リウム繊維、石膏繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、黄銅
繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、セラミック繊
維、ボロンウィスカー繊維、アスベスト繊維、グラファ
イト、シリカ、タルク、クレー、マイカ、ガラスビー
ズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、ベント
ナイト、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化チタ
ン、酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、二硫化モリブデン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、
ハイドロタルサイト等の繊維状、粉状、粒状あるいは板
状の無機フィラーがあげられ、中でも熱伝導率が300
°Kで10W/m・K以上の粉末が好ましく、特に酸化
アルミニウム及び酸化マグネシウム(但し、いずれも水
和物を除く)が好ましい。
【0025】そして、充填剤を配合したとき、組成物の
熱伝導率が300°Kで1.0W/m・K以上になるこ
とが好ましく、このような組成物を選ぶことにより、釣
糸との擦過により発生した摩擦熱を素早く放熱すること
が可能となる。本発明の釣糸ガイドは成形したそのまま
の成形品を用いることもできるが、釣り糸との接触部を
金属又はセラミックスでコーティングすることも好まし
い。このコーティングとは、塗布、蒸着、スパッタリン
グ、イオンプレーティング、メッキ等を含むものであ
る。このようなコーティングを施すことにより、釣糸と
の接触面を滑らかにすることができ、従来の別体を組み
合わせるものでないので、強制的な力により、分解や破
損が起こる心配がない。
【0026】本発明においては、さらに、カーボンブラ
ックを配合することができ、用い得るカーボンブラック
としては特に限定されるものではないが、得られる組成
物の機械的性質の点からpHが3〜11のものが好まし
く、pHが4〜10のものが特に好ましく使用できる。
カーボンブラックの配合量は、液晶性樹脂100重量部
に対して0.01〜10重量部が好ましく、さらに好ま
しくは0.1〜5重量部である。
【0027】本発明においては、さらに、オレフィン系
重合体を配合することができる。オレフィン系重合体と
してはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンと炭素
数が3以上のα−オレフィンからなる共重合体、プロピ
レンおよび炭素数が4以上のα−オレフィンからなる共
重合体、エチレンと炭素数が3以上のα−オレフィンお
よび非共役ジエンからなる共重合体から選ばれた1種以
上のものである。
【0028】炭素数が3以上のα−オレフィンとして
は、好ましくはプロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、3−メチルペンテン−1、オクタセン−1などであ
り、プロピレンおよびブテン−1がさらに好ましく、こ
れらは2種以上併用して使用できる。炭素数が4以上の
α−オレフィンとしては上記炭素数が3以上のα−オレ
フィンのうちプロピレンを除いたものが挙げられ、これ
らは2種以上併用して使用できる。
【0029】非共役ジエンとしては、好ましくは5−エ
チリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、
1,4−ヘキサジエン等が使用できる。エチレンと炭素
数が3以上のα−オレフィンからなる共重合体における
エチレンと炭素数が3以上のα−オレフィンの共重合比
は通常、40/60〜99/1(モル比)、好ましくは
70/30〜95/5(モル比)である。
【0030】エチレンと炭素数が3以上のα−オレフィ
ンおよび非共役ジエンからなる共重合体におけるエチレ
ンの共重合量は、通常、5〜96.9モル%、好ましく
は30〜84.5モル%であり、炭素数が3以上のα−
オレフィンの共重合量は、通常、3〜80モル%、好ま
しくは15〜60モル%であり、非共役ジエンの共重合
量は、通常、0.1〜15モル%、好ましくは0.5〜
10モル%である。また、プロピレンと炭素数が4以上
のα−オレフィンおよび非共役ジエンからなる共重合体
におけるプロピレンの共重合量は、通常5〜96.9モ
ル%、好ましくは30〜84.5モル%であり、炭素数
が3以上のα−オレフィンの共重合量は、通常、3〜8
0モル%、好ましくは15〜60モル%であり、非共役
ジエンの共重合量は、通常、0.1〜15モル%、好ま
しくは0.5〜10モル%である。
【0031】これらの共重合体の具体例としてはエチレ
ン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合
体、エチレン/ペンテン−1共重合体、エチレン/プロ
ピレン/ブテン−1共重合体、プロピレン/ペンテン−
1共重合体、プロピレン/ブテン−1共重合体、エチレ
ン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共
重合体、エチレン/プロピレン/1,4−ヘキサジエン
共重合体、プロピレン/ブテン−1/1,4−ヘキサジ
エン共重合体、エチレン/プロピレン/ジシクロペンタ
ジエン共重合体などであり、なかでもエチレン/プロピ
レン共重合体およびエチレン/ブテン−1共重合体が耐
熱性に優れより好ましい。
【0032】上記オレフィン系重合体は2種以上併用す
ることもできる。上記オレフィン系重合体の重量平均分
子量は10,000〜600,000、好ましくは3
0,000〜500,000、さらに好ましくは10
0,000〜450,000の範囲にあることが望まし
い。ここで、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラ
フ(GPC)方により測定することができる。代表的な
溶媒としてo−ジクロロベンゼンを使用し、分子量既知
の単分散ポリスチレンを基礎にして分子量を測定でき
る。
【0033】上記オレフィン系重合体の添加量は、液晶
性樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部が好
ましく、0.1〜5重量部が特に好ましい。本発明で用
いる樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の目的を損
なわない程度の量の酸化防止剤および熱安定剤(たとえ
ばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト
類およびこれらの置換体など)、紫外線吸収剤(たとえ
ばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾー
ル、ベンゾイミダゾール、ベンゾフェノンなど)、滑剤
およびオレフィン系重合体以外の離型剤(モンタン酸お
よびステアリン酸、またその金属塩そのエステル、その
ハーフエステル、ステアリンアルコール、ステアラミ
ド、ステアリン封鎖アミドオリゴマなど)、染料(たと
えばニトロシンなど)およびカーボンブラック以外の顔
料(たとえば硫化カドミウム、フタロシアニンなど)を
含む着色剤、可塑剤、帯電防止剤などの通常の添加剤や
その他の熱可塑性樹脂を添加して、所定の特性を付与す
ることができる。これらを添加する方法は特に限定され
ないが、溶融混練によって調整することが好ましく用い
られる。たとえば、バンバリーミキサー、ミキシングロ
ール、ニーダー、単軸あるいは2軸の押出機などを使用
して溶融混練可能であるが、特に2軸の押出機を用い、
200〜360℃の温度で溶融混練することが好まし
い。
【0034】本発明の釣糸ガイドは射出成形で成形され
ることが好ましく、好ましい射出成形法としては、例え
ば液晶性樹脂の融点から融点+50℃の範囲に設定され
たインライン型射出成形機に樹脂組成物を供給し、金型
温度を約70℃から150℃の温度条件に設定した成形
品の金型に射出成形する方法が推奨される。
【0035】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。 参考例1 次の処方により、液晶性ポリエステルA−1〜A−3を
製造した。p−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,
4′−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタ
ル酸118重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエ
チレンテレフタレート216重量部及び無水酢酸960
重量部を攪拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、次
の条件で脱酢酸重合を行い、液晶性ポリエステル樹脂
(A−1)を得た。
【0036】この樹脂の融点は314℃、溶融粘度は3
24℃、ずり速度1000(1/秒)で33Pa・sで
あった。 参考例2 参考例1と同一装置を用い、次の条件で脱酢酸重合を行
った。p−アセトキシ安息香酸28.83kgおよび固有
粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート
7.69kgを仕込み、窒素ガス雰囲気下に240℃で3
時間攪拌を行った。その後2時間かけて缶内温度を24
0〜300℃にし、重合缶を90分かけて1Torrまで減
圧した。その後1時間攪拌を続け重縮合を完結させたと
ころ、ほぼ理論量の酢酸が留出し、液晶ポリエステル樹
脂(A−2)を得た。
【0037】この樹脂の融点は284℃、溶融粘度は2
94℃、ずり速度1000(1/秒)で50Pa・sで
あった。 参考例3 参考例1と同一装置を用い、次の条件で脱酢酸重合を行
った。p−ヒドロキシ安息香酸20.17kg、2−ヒド
ロキシ−6−ナフトエ酸10.16kgおよび無水酢酸2
2.44kgを仕込み、窒素ガス雰囲気下に100〜25
0℃で5時間、250〜310℃で1.5時間反応させ
た後、310℃、1時間で1Torrまで減圧し、その後
1.25時間反応させ、重縮合を完結させたところ、ほ
ぼ理論量の酢酸が留出し、液晶性ポリエステル樹脂(A
−3)を得た。
【0038】この樹脂の融点は283℃、溶融粘度は2
93℃、ずり速度1000(1/秒)で54Pa・sで
あった。各評価については、次に述べる方法に従って測
定した。 (1)熱伝導率 ASTM D177に従って測定した。 (2)耐摩耗性 図6,7に示した試験装置を用いて50×20mmφの液
晶性樹脂製ラインローラーを射出成形し、そのローラー
に200gの荷重をかけ、釣り糸(東レ製“銀リン”
1.5号)を15mm/sec の速度で走らせどのくらいで
釣り糸が切れるか測定した。 実施例1〜3 材料A−1〜A〜3に酸化アルミニウムをリボンブレン
ダーで混合後、直径30mmの2軸押出機を用いて、31
0℃で溶融混練後ペレット化した。ついで射出成形し、
試験片とラインローラーを得た。結果を表1に示す。
【0039】表1から明らかなように熱伝導率、摩耗性
ともに優れた材料が得られた。 比較例1〜3 実施例と同様にポリアミド、低密度ポリエチレンに酸化
アルミニウムを混練後、射出成形し試験片とラインロー
ラーを得た。比較として酸化アルミもそのまま試験片に
成形して、同様の評価を行った。ポリアミド(比較例
1)と低密度ポリエチレン(比較例2)は熱伝導率がや
や悪く、そのため高速で釣り糸を回転させると発熱し、
釣り糸が溶けて耐摩耗性も十分とは言えなかった。酸化
アルミ(比較例3)は熱伝導率はプラスチックに比べ、
かなり良好であるが、摩耗試験で表面が摩耗し、ライン
ローラー表面が荒れて釣り糸が切れやすく摩耗性が十分
とは言えなかった。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明は次のような効果を発揮する。 (1)樹脂が液晶性樹脂であるため、溶融粘度が低く、
細い部分にも溶融樹脂が流れ込み、複雑な構造のガイド
が容易に成形できる。そして、液晶性樹脂の特性であ
る、樹脂の流れ方向の強度が他のプラスチックに比べ、
極めて大きいため、強靱なガイドを得ることができる。 (2)充填剤を選んで組成物の熱伝導率を高くすること
により、摩擦熱を速やかに放熱し、糸切れを防止でき
る。 (3)樹脂組成物を母体としているため、計量かつ防錆
性が良く、潮風に腐食されることがない。 (4)射出成形により簡単に量産可能であり、また、釣
糸との接触面を金属又はセラミックコーティングするこ
とにより滑らかにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の釣糸ガイドの斜視図である。
【図2】リール用釣竿の斜視図である。
【図3】従来の釣糸ガイドの斜視図である。
【図4】従来の他の釣糸ガイドを釣竿に装着した斜視図
である。
【図5】図4の釣糸ガイドの部分断面図である。
【図6】摩耗試験機の概略図である。
【図7】図6のA−A′矢視図である。
【符号の説明】
1 釣竿 2,12 ガイド 3 リール固定部 4 金属枠 5,15 環状部 14 枠部 17 環状脚部 18 プーリー 19 モーター 20 カウンター 21 釣糸 22 ラインロー
ラー 23 荷重
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 19/38 C09K 19/38

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶性樹脂に対し、充填剤を添加した組
    成物を母材とした釣糸ガイド。
  2. 【請求項2】 組成物の熱伝導率が300°Kで1.0
    W/m・K以上である請求項1に記載の釣糸ガイド。
  3. 【請求項3】 充填剤の熱伝導率が300°Kで10W
    /m・K以上である請求項1に記載の釣糸ガイド。
  4. 【請求項4】 充填剤が水和物を除く酸化アルミニウム
    又は酸化マグネシウムである請求項1に記載の釣糸ガイ
    ド。
  5. 【請求項5】 充填剤の添加量が液晶性樹脂100重量
    部に対して5〜400重量部である請求項1に記載の釣
    糸ガイド。
  6. 【請求項6】 液晶性樹脂が全芳香族のポリエステル、
    全芳香族の液晶性ポリエステルアミド、エチレンジオキ
    シ単位を有する液晶性ポリエステル、エチレンジオキシ
    単位を有する液晶性ポリエステルアミドから選ばれた1
    種以上の液晶性樹脂である請求項1に記載の釣糸ガイ
    ド。
  7. 【請求項7】 液晶性樹脂が下記(I), (III)及び(I
    V)の構造単位からなる液晶性ポリエステル、又は
    (I), (II)及び(IV)の構造単位からなる液晶性ポリ
    エステルおよび(I),(II),(III) 及び(IV) の構造
    単位からなる液晶性ポリエステルからである請求項1に
    記載の釣糸ガイド。 【化1】 (ただし式中のR1 は、 【化2】 から選ばれた1種以上の基を示し、R2 は、 【化3】 から選ばれた1種以上の基を示す。また、式中Xは水素
    原子または塩素原子を示し、構造単位(II)及び(III)
    の合計と構造単位(IV)は実質的に等モルである。)
  8. 【請求項8】 少なくとも釣糸との接触面が金属又はセ
    ラミックスでコーティングされている請求項1に記載の
    釣糸ガイド。
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