JPH06198669A - 電子部品の樹脂封止方法 - Google Patents

電子部品の樹脂封止方法

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JPH06198669A
JPH06198669A JP35860892A JP35860892A JPH06198669A JP H06198669 A JPH06198669 A JP H06198669A JP 35860892 A JP35860892 A JP 35860892A JP 35860892 A JP35860892 A JP 35860892A JP H06198669 A JPH06198669 A JP H06198669A
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JP
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resin
electronic component
temperature
injection molding
acid
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JP35860892A
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Inventor
Masaaki Sedo
正昭 背戸
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気素子それ自身あるいは電気素子を構成す
る接着等の接合部材または係止部材等の構成部材が、樹
脂封止の際に悪影響を受けることが少ない電子部品の樹
脂封止方法を提供する。 【構成】 サーモトロピック液晶ポリマーを用いた射出
成形方法により電子部品を樹脂封止するに際し、該射出
成形における金型温度よりも少なくとも5℃該電子部品
の耐熱性が高いことを特徴とする電子部品の樹脂封止方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーモトロピック液晶
ポリマーによる電子部品の樹脂封止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、IC、トランジスター、ダイオ
ード、バリスター、インダクター等のコイル、コンデン
サー、抵抗器、LSI等の電子部品、特にチップ電子部
品においては、電気絶縁性の保持、外力に対する保護、
外部雰囲気による特性変化の防止等の目的で、これらの
電子部品を熱可塑性合成樹脂により樹脂封止することが
行われている。この樹脂封止は、射出成形、例えばイン
サート成形により該熱可塑性樹脂を射出成形することに
より行われる。
【0003】電子部品の表面実装化が進められている点
から半田耐性に対する要求が高まり、実際上は不十分な
がらある程度の半田耐性を有する耐熱性樹脂であるポリ
フェニレンスルフィッド樹脂が、樹脂封止用の樹脂とし
て検討されている。ポリフェニレンスルフィッド樹脂の
射出成形により樹脂封止する場合、その射出成形条件
は、溶融樹脂温度290〜350℃、金型温度135〜
160℃であるのが一般的である。特に金型温度は、結
晶性ポリマーであるポリフェニレンスルフィッド樹脂の
強度を向上させるために、比較的高く設定されるのが通
常である。
【0004】ところで、このような樹脂封止の対象とし
ての電子部品、特にチップ電子部品には、前述のように
各種の電子部品が例示されるところ、無定形樹脂を接着
等の接合部材または係止部材等の構成部材として含む電
子部品、例えば熱硬化性接着剤により端子または台座等
の係止部材に素子が固定化された、例えば接着された構
成の電子部品がある。かかる素子には、トランジスタ
ー、ダイオード、コイル、バリスター、コンデンサー、
抵抗器等の電気素子が例示される。
【0005】ここで、従来、射出成形により樹脂封止す
る場合、成形時の熱が電気素子に伝熱して電気素子やそ
れを構成する部材を加熱し、悪影響を及ぼすことが懸念
されていた。すなわち、射出される溶融樹脂の温度は極
めて高く、この様な高温にまで加熱されてもそれに耐
え、悪影響を受けない電子部品は少ないからである。
【0006】またコイル、ダイオード、バリスター、抵
抗器等の電気素子の場合は、それ自身比較的耐熱性が高
いので、この様な電気素子を使用すれば、それ自身は加
熱による悪影響を受けることが少なくなるとしても、そ
れを構成する構成部材、例えば接着部材として熱硬化性
樹脂等が使用されている場合には、加熱によりその温度
は該熱硬化性樹脂の熱変形温度を越えることになる。熱
変形温度を越えると該樹脂は極端にその機械的強度が低
下する。従って、この様な接着剤では接着不良の原因と
なり、例えば係止部材としての台座に素子が接着された
構造の電子部品では、樹脂封止されることにより接着剤
の剥離あるいは素子位置のずれ等が生じることがある。
【0007】しかるに、本発明者は、射出成形、例えば
インサート成形により電子部品を樹脂封止する場合にお
ける電子部品の伝熱状態を検討した結果、封止されるべ
き電気素子は通常は成形時インサート成形用金型に密着
していること、また封止用樹脂としてのサーモトロピッ
ク液晶ポリマーは固化速度が早いこと等から、電子部品
への伝熱は、溶融樹脂から伝熱するのではなくむしろ金
型から伝熱することを見い出した。
【0008】一方、従来検討されているポリフェニレン
スルフィッド樹脂により電子部品を樹脂封止する場合、
前述のように金型温度が高いこと、また固化速度がサー
モトロピック液晶ポリマーよりは遅いこと等から該電子
部品の温度は、該インサート成形の際の溶融樹脂から伝
熱し、その結果該電子部品は金型の温度、あるいは場合
によりそれ以上の温度にまで加熱される可能性がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電気素子そ
れ自身あるいは電気素子を構成する接着等の接合部材ま
たは係止部材等の構成部材が、樹脂封止の際に悪影響を
受けることが少ない電子部品の樹脂封止方法を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
【0011】本発明の第1は、サーモトロピック液晶ポ
リマーを用いた射出成形方法により電子部品を樹脂封止
するに際し、該射出成形における金型温度よりも少なく
とも5℃該電子部品の耐熱性が高いことを特徴とする電
子部品の樹脂封止方法を提供する。
【0012】また、本発明の第2は、サーモトロピック
液晶ポリマーを用いた射出成形方法により電子部品を樹
脂封止するに際し、電子部品が、該電子部品の構成部材
として射出成形における金型温度よりも少なくとも5℃
高い熱変形温度を有する熱硬化性樹脂を使用することを
特徴とする電子部品の樹脂封止方法を提供する。
【0013】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明においては、サーモトロピック液晶ポリマーを射出
成形することにより樹脂を封止する。本発明で用いるサ
ーモトロピック液晶ポリマーは、溶融状態で光学的異方
性を示す樹脂であって熱可塑性溶融可能なポリマーであ
る。このような溶融時に光学的異方性を示すポリマー
は、溶融状態でポリマー分子鎖が規則的な並行配列を採
る性質を有している。光学的異方性溶融相の性質は、直
交偏光子を利用した通常の偏光検査法により確認でき
る。
【0014】上記液晶ポリマーとしては、例えば、液晶
性ポリエステル、液晶性ポリカーボネート、液晶性ポリ
エステルイミド等、具体的には、(全)芳香族ポリエス
テル、ポリエステルアミド、ポリアミドイミド、ポリエ
ステルカーボネート、ポリアゾメチン等が挙げられる。
好ましくは液晶性ポリエステルである。
【0015】サーモトロピック液晶ポリマーは、一般に
細長く、偏平で、分子の長鎖に沿って剛性が高く同軸ま
たは並行のいずれかの関係にある複数の連鎖伸長結合を
有しているようなモノマーから製造される。
【0016】本発明において用いるサーモトロピック液
晶ポリマーには、一つの高分子鎖の一部が異方性溶融相
を形成するポリマーのセグメントで構成され、残りの部
分が異方性溶融相を形成しないポリマーのセグメントか
ら構成されるポリマーも含まれる。また、複数のサーモ
トロピック液晶ポリマーを複合したものも含まれる。ま
た、複数のサーモトロピック液晶ポリマーを複合したも
のも含まれる。
【0017】サーモトロピック液晶ポリマーを構成する
モノマーの代表例としては、(a)芳香族ジカルボン酸
の少なくとも1種、(b)芳香族ヒドロキシカルボン酸
系化合物の少なくとも1種、(c)芳香族ジオール系化
合物の少なくとも1種、(d)(d1)芳香族ジチオー
ル、(d2)芳香族チオフェノ−ル、(d3)芳香族チオ
−ルカルボン酸化合物の少なくとも1種、(e)芳香族
ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン系化合物の少なくと
も1種、等が挙げられる。
【0018】これらは単独で構成される場合もあるが、
多くは(a)と(c)、(a)と(d)、(a),
(b)と(c)、(a),(b)と(e)、あるいは
(a),(b),(c)と(e)等の様に組合せて構成
される。
【0019】上記(a)芳香族ジカルボン酸系化合物と
しては、テレフタル酸、4,4′−ジフェニルジカルボ
ン酸、4,4′−トリフェニルジカルボン酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエ
ーテル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン
−4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキシブタン−4,
4′−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−4,4′−ジ
カルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルエ−テル−3,
3′−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−3,3′−
ジカルボン酸、ジフェニルエタン−3,3′−ジカルボ
ン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸のごとき芳香族
ジカルボン酸またはクロロテレフタル酸、ジクロロテレ
フタル酸、ブロモテレフタル酸、メチルテレフタル酸、
ジメチルテレフタル酸、エチルテレフタル酸、メトキシ
テレフタル酸、エトキシテレフタル酸等、上記芳香族ジ
カルボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換
体が挙げられる。
【0020】(b)芳香族ヒドロキシカルボン酸系化合
物としては、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ
安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒド
ロキシ−1−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン
酸または3−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ジメチ
ル−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メトキシ−4−ヒド
ロキシ安息香酸、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ
安息香酸、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−ナフトエ
酸、6−ヒドロキシ−5−メトキシ−2−ナフトエ酸、
2−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−クロロ−4
−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジクロロ−4−ヒドロ
キシ安息香酸、3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息
香酸、2,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3
−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−
5−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−7−ク
ロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5,7−ジク
ロロ−2−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸
のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体が挙げら
れる。
【0021】(c)芳香族ジオールとしては、4,4′
−ジヒドロキシジフェニル、3,3′−ジヒドロキシジ
フェニル、4,4′−ジヒドロキシトリフェニル、ハイ
ドロキノン、レゾルシン、2,6−ナフタレンジオー
ル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス
(4−ヒドロキシフェノキシ)エタン、3,3′−ジヒ
ドロキシジフェニルエ−テル、1,6−ナフタレンジオ
−ル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン等の芳香族
ジオ−ルまたはクロロハイドロキノン、メチルハイドロ
キノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロ
キノン、メトキシハイドロキノン、フェノキシハイドロ
キノン、4−クロロレゾルシン、4−メチルレゾルシン
等の芳香族ジオ−ルのアルキル、アルコキシまたはハロ
ゲン置換体が挙げられる。
【0022】(d1)芳香族ジチオールとしては、ベン
ゼン−1,4−ジチオ−ル、ベンゼン−1,3−ジチオ
−ル、2,6−ナフタレン−ジチオ−ル、2,7−ナフ
タレン−ジチオ−ル等が挙げられる。
【0023】(d2)芳香族チオフェノールとしては、
4−メルカプトフエノ−ル、3−メルカプトフェノ−
ル、6−メルカプトフェノ−ル等が挙げられる。
【0024】(d3)芳香族チオールカルボン酸として
は、4−メルカプト安息香酸、3−メルカプト安息香
酸、6−メルカプト−2−ナフトエ酸、7−メルカプト
−2−ナフトエ酸等が挙げられる。
【0025】(e)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジ
アミン系化合物としては、4−アミノフェノ−ル、N−
メチル−4−アミノフェノール、1,4−フェニレンジ
アミン、N−メチル−1,4−フェニレンジアミン、
N,N′−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、3
−アミノフェノ−ル、3−メチル−4−アミノフェノ−
ル、2−クロロ−4−アミノフェノ−ル、4−アミノ−
1−ナフト−ル、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェ
ニル、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニルエ−テ
ル、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニルメタン、
4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニルスルフィド、
4、4′−ジアミノフェニルスルフィド(チオジアニリ
ン)、4,4′ジアミノジフェニルスルホン、2,5−
ジアミノトルエン、4,4′−エチレンジアニリン、
4,4′−ジアミノジフェノキシエタン、4,4′−ジ
アミノジフェニルメタン(メチレンジアニリン)、4,
4′−ジアミノジフェニルエ−テル(オキシジアニリ
ン)等が挙げられる。
【0026】本発明で用いるサーモトロピック液晶ポリ
マーは、上記モノマーから溶融アシドリシス法やスラリ
ー重合法等の多様なエステル形成法等により製造するこ
とができる。
【0027】分子量としては、本発明に用いるに好適な
サーモトロピック液晶ポリマーのそれは、約2000〜
200000、好ましくは約4000〜100000で
ある。かかる分子量の測定は、例えば圧縮フィルムにつ
いて赤外分光法により末端基を測定して求めることがで
きる。また溶液形成を伴う一般的な測定法であるGPC
によることもできる。
【0028】これらのモノマーから得られるサーモトロ
ピック液晶ポリマーのうち下記一般式(1)で表わされ
るモノマー単位を必須成分として含む(共)重合体であ
る芳香族ポリエステルが好ましい。該モノマー単位は約
50モル%以上含むものが好ましい。
【0029】
【化1】
【0030】本発明の特に好ましい芳香族ポリエステル
は、p−ヒドロキシ安息香酸、フタル酸およびビフェノ
ールの3種の化合物からそれぞれ誘導される構造の繰返
し単位を有する下記式(2)で表わされるポリエステル
である。この下記式(2)で表されるポリエステルのビ
フェノールから誘導される構造の繰り返し単位は、その
一部または全部をジヒドロキシベンゼンから誘導される
繰り返し単位で置換されたポリエステルであることもで
きる。p−ヒドロキシ安息香酸およびヒドロキシナフタ
リンカルボン酸の2種の化合物からそれぞれ誘導される
構造の繰返し単位を有する下記式(3)で表わされるポ
リエステルである。
【0031】
【化2】
【0032】
【化3】
【0033】本発明で用いるサーモトロピック液晶ポリ
マーは単独でもかまわないが、それら2種以上を混合し
て使用することができる。
【0034】封止材料としては、無機粉末、例えば金属
またはケイ素の酸化物、窒化物、炭化物等を配合して使
用される。これらは、具体的には、酸化ベリリウム、酸
化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化トリウム、酸
化亜鉛、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素
等、好ましくはシリカ、さらに好ましくは溶融シリカ、
ガラスファイバー、ミルドガラスファイバー、ガラスビ
ーズ等を例示することができる。これらは1種または2
種以上併用することができる。これらの中でも酸化ケイ
素が好ましく、特に溶融シリカが好ましい。
【0035】無機粉末は粉末状であることが好ましく、
その好ましい平均粒径は1〜100μm、さらに好まし
くは10〜70μmである。また適宜の粒径分布のもの
が使用でき、例えば10μm未満の粒径のものに10μ
m以上の粒径のものを混合使用することもできる。
【0036】無機粉末は、適宜にカップリング剤、例え
ばエポキシ系またはメルカプト系のシランカップリング
剤またはチタン系カップリング剤によりその表面処理が
された無機粉末を使用することができる。
【0037】また、無機粉末の配合量は、全組成物に対
して80重量%以下、好ましくは20〜75重量%、特
に40〜75重量%が好ましい。
【0038】本発明におけるサーモトロピック液晶ポリ
マーには、さらに従来使用される前記無機粉末以外の無
機充填剤、染料、顔料、離型剤、酸化防止剤、熱安定
剤、強化剤、加水分解安定剤等の添加剤を配合し得る。
【0039】本発明における電子部品は、例えばIC、
トランジスター、ダイオード、バリスター、コイル等の
インダクター、コンデンサー、抵抗器、トランス、LS
I等の電子部品、特にコイル等のインダクター、ダイオ
ード、バリスター、コンデンサー、抵抗器、トランス等
のチップ電子部品等が例示される。その中でも特に電気
素子自体は比較的耐熱性が高く、そして熱硬化性樹脂を
接着等の接合部材または係止部材等の構成部材として含
む電子部品である。この様な電気素子としては、前述の
ようなコイル、コンデンサー、抵抗器、トランス等の素
子が例示される。
【0040】熱硬化性樹脂は、素子の端子または台座等
の係止部材への接合部材あるいは係合部材等として使用
されているものである。例えば、端子としての台座上に
コイル、コンデンサー、抵抗、トランス等の素子が、熱
硬化性接着剤により接着されてなる構成の電子部品が例
示される。
【0041】電子部品の構成部材としての熱硬化性樹脂
の熱変形温度は、サーモトロピック液晶ポリマーを射出
成形する際の金型温度よりも少なくとも5℃高いことが
必要である。
【0042】前述のようにサーモトロピック液晶ポリマ
ーによる封止の射出成形は通常インサート成形によるた
めに、封止対象としての電子部品の温度は、射出成形の
際、金型内へ射出される溶融樹脂の温度ほどには上昇せ
ず、上昇しても該金型の金型温度程度であることが判っ
た。従って、構成部材としての熱硬化性樹脂の熱変形温
度を、該金型温度より少なくとも5℃以上とするなら
ば、加熱による影響を避けることができる。
【0043】ここで、射出成形の金型温度よりも高い耐
熱性を有する電子部品を用いて封止し、その温度差は5
℃以上あればよい。具体的には電子部品の耐熱性より低
い温度に金型温度を設定して樹脂封止するか、あるいは
一定の金型温度より高い耐熱性を有する電子部品を使用
すればよい。もちろんこの両方の方法を採用することも
できる。
【0044】より具体的には、構成部材としての熱硬化
性樹脂の熱変形温度が、金型温度以上であれば良いので
あるから、構成部材としての熱硬化性樹脂の熱変形温度
よりも金型温度を低く設定する、あるいは一定の金型温
度よりも高い熱変形温度を有する熱硬化性樹脂を選択す
る等の方法を採用することができる。もちろんこの両方
の方法を採用することもできる。通常は、金型温度を可
能な限り低めに設定すると共に、この設定された金型温
度よりも高い耐熱性を有する部材を選択する。
【0045】後記するように、通常サーモトロピック液
晶ポリマーの射出成形では、通常金型温度は、60〜1
70℃、好ましくは60〜130℃の範囲にある。従っ
て、構成部材としての熱硬化性樹脂の熱変形温度は、こ
の温度以上の樹脂を用いる。
【0046】電気素子の接合部材あるいは係止部材等と
して使用されている熱硬化性樹脂には、例えばエポキシ
樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、イミド樹脂等の熱硬
化性樹脂等がある。特にエポキシ樹脂が適当である。
【0047】エポキシ樹脂はエポキシ基を有し、このエ
ポキシ基の熱開環反応により最終的にエポキシ樹脂を生
成するものであり、ビスフェノールA−エピクロロヒド
リン樹脂、脂環式エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、
ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキ
シ樹脂等がある。エポキシ当量では、170〜1000
g/eqの範囲にあるようなエポキシ樹脂である。
【0048】エポキシ樹脂は、硬化剤との反応により硬
化するが、硬化剤も得られたエポキシ樹脂の性能に影響
を及ぼす。硬化剤としては、ジエチレントリアミン、ト
リエチレントリアミン等の脂肪族アミン、メタフェニレ
ンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフ
ェニルスルフォン等の芳香族アミン、脂環族アミン、ポ
リアミド等のアミン系硬化剤;メチルナジック酸無水
物、メチルテトラフィドロ酸無水物等の酸無水物、フェ
ノールノボラック樹脂等の硬化剤が例示される。これら
の中でも、高温硬化型硬化剤、特にいわゆる潜伏性硬化
剤が適当であり、ジシアンジアミド、ジフェニルジアミ
ノメタン、ジフェニルジアミノスルフォン、イミダゾー
ル類、メタフェニレンジアミン、BF3ーアミン錯化合
物、酸無水物、例えばクロレンディック酸無水物等が例
示され、特にジシアンジアミドが好ましい。
【0049】硬化剤の配合量は、特に限定されないが、
通常はエポキシ樹脂100重量部当たり0.1〜100
重量部の範囲から選択される。
【0050】そのほか、適宜に公知の硬化促進剤、例え
ばベンジルジメチルアミン、イミダゾール等を適宜の量
併用することもできる。
【0051】本発明の方法による樹脂封止は、電子部品
をインサート部材とする射出成形による。射出成形条件
としては、樹脂温度200〜420℃、金型温度60〜
170℃、より好ましくは60〜130℃、射出圧力1
〜200kg/cm2、射出速度5〜500mm/se
cの範囲から適宜に選択できる。いずれにしろ該射出成
形における金型温度よりも少なくとも5℃該電子部品の
耐熱性が高い条件下で行う。また、保圧をする場合は通
常0.5〜60secの範囲から適宜に選択できる。
【0052】該インサート成形は、金型内に適宜に電子
部品を保持するためのインサート金具としてのインサー
トピンを設けてこれを保持し、金型内へサーモトロピッ
ク液晶ポリマーを射出成形することにより電子部品全体
をサーモトロピック液晶ポリマーにより実質的に覆うあ
るいは包むことにより封止を行うものである。従来の樹
脂封止は、樹脂封止とはいえ実際にはケースまたはハウ
ジング内に設けられた電子部品を該ケースまたはハウジ
ング内に樹脂を注型または射出することにより封止する
ことが多かった。ケースまたはハウジングにより離隔さ
れている場合には溶融樹脂からの伝熱により加熱され易
く、一般に溶融温度の高いサーモトロピック液晶ポリマ
ーによる封止では不利である。
【0053】
【実施例】以下、実施例等により本発明を詳述する。
【0054】実施例1 図1に示すように素子としてのコンデンサー1を、ビス
フェノールAーエピクロロヒドリン樹脂/ジシアンジア
ミド(硬化剤)系の一液性エポキシ樹脂接着剤2によ
り、端子としての台座3に加熱硬化することにより接着
させ、コンデンサー素子が端子の一部としての台座に接
着された構成の電子部品を製造した。
【0055】別に測定した硬化後のエポキシ樹脂接着剤
の熱変形温度(ASTM D−648)は、120℃で
あった。
【0056】次に、上記部品をインサート部材として金
型内に設置し、射出成形によりサーモトロピック液晶ポ
リエステルを、樹脂温350℃、金型温度100℃の条
件で射出成形することにより樹脂封止を行った。図1に
おいて、4は封止樹脂であって、これはp−ヒドロキシ
安息香酸/テレフタル酸/ビフェノール/イソフタル酸
からそれぞれ誘導される繰返構成単位を有するサーモト
ロピック液晶性4元コポリエステルであり、DSCによ
る融点は350℃で溶融時に光学的異方性を示す樹脂で
ある。また、溶融シリカ(平均粒径20μm)を全組成
物に対して50重量%含むものである。
【0057】封止後の電子部品20個に、軟エックス線
透過装置により軟エックス線を透過させることにより該
部品の内部を観察した。その結果、樹脂封止前と比較し
ていずれも部品の内部構造には特に異常は認められなか
った。
【0058】比較例1 封止樹脂として、ポリフェニレンサルファイド(実施例
1と同様な溶融シリカを50重量%含む。)を使用し、
樹脂温300℃、金型温度155℃としたほかは、実施
例1と同様にして電子部品の樹脂封止を行った。
【0059】封止後の電子部品20個に、軟エックス線
透過装置により軟エックス線を透過させることにより該
部品の内部を観察した。その結果、樹脂封止前と比較し
ていずれもコンデンサー素子の接着位置がずれているこ
とが認められた。
【0060】比較例2 一液性エポキシ樹脂接着剤として、硬化後の熱変形温度
が80℃であるエポキシ樹脂接着剤を用いてコンデンサ
ー素子を台座に接着させたほかは、実施例1と同様にし
て電子部品の樹脂封止を行った。
【0061】封止後の電子部品20個に、軟エックス線
透過装置により軟エックス線を透過させることにより該
部品の内部を観察した。その結果、樹脂封止前と比較し
ていずれもコンデンサー素子の接着位置がずれているこ
とが認められた。
【0062】
【発明の効果】本発明の方法によれば、樹脂封止する際
に、その金型温度を目安にして、電子部品あるいはその
構成部材の耐熱性を検討すればよく、その結果、容易に
加熱による熱の影響を少なくすることができる。また、
封止樹脂としてのサーモトロピック液晶ポリマーは溶融
時低粘度であることもあいまって、本発明の封止法方法
は優れた方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の樹脂封止方法を説明する概略図。
【符号の説明】
1:コンデンサー素子、2:接着剤、3:台座、4:封
止樹脂。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/31 // B29L 31:34 4F

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーモトロピック液晶ポリマーを用いた
    射出成形方法により電子部品を樹脂封止するに際し、該
    射出成形における金型温度よりも少なくとも5℃該電子
    部品の耐熱性が高いことを特徴とする電子部品の樹脂封
    止方法。
  2. 【請求項2】 前記電子部品が、該電子部品の構成部材
    として射出成形における金型温度よりも少なくとも5℃
    高い熱変形温度を有する熱硬化性樹脂を使用しているこ
    とを特徴とする電子部品の樹脂封止方法。
  3. 【請求項3】 前記電子部品が、構成部材としての熱硬
    化性樹脂により素子が係止部材に固定化されてなる電子
    部品である請求項2に記載の電子部品の樹脂封止方法。
  4. 【請求項4】 前記サーモトロピック液晶ポリマーが、
    p−ヒドロキシ安息香酸から誘導される繰返単位を有す
    るコポリエステルである請求項1に記載の電子部品の樹
    脂封止方法。
  5. 【請求項5】 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂であ
    る請求項2に記載の電子部品の樹脂封止方法。
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