JPH058528Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は、プリント基板自動検査機用治具に関
する。

［考案の技術的背景］ 従来から、プリント基板の製造現場では、プリ
ント基板の基本機能である導体パターンの接続状
態を電気的に検査するために自動検査機が広く用
いられている。

一般にプリント基板自動検査機は、プリント基
板の導体パターンの各ランド（以下、単にランド
と称する）にスプリング付きのコンタクトプロー
ブ（以下、ピンと称する）を接触させ、各ピン間
すなわちランド間の導通状況を検出して基準デー
タあるいは設計データと比較し、不同な点があれ
ばエラーと判断して、断線（OP）、シヨート
（SH）の区別とその関連するランドの位置あるい
はピン番号を表示あるいは印字する機能を有して
いる。

ところで従来のプリント基板自動検査機は、多
数のピンが格子状に植設された箱状の治具を装着
し、検査すべきプリント基板が多数のピンの上方
から被せるように固定し、ランド間の導通検査を
行なうようにされているため、１回の検査ではプ
リント基板の片面に存在するランド間の導通状態
しか検査することができず、たとえば一方の面に
存在するランドと他方の面に存在するランドとの
導通状態の検査は不可能かあるいは非常に困難で
あり、両面の検査を要す場合には裏返して他方の
面に存在するランド間などの導通状態を検査せざ
るを得なかつた。

またプリント基板には、たとえば第４図に示し
たように、その縁部に接栓部１ａが設けられ、接
栓部の両面に導体部２が設けられ、専用のコネク
タを接続するようにされたタイプがあるが、この
ようなプリント基板１を前記プリント基板自動検
査機により検査する場合には、同一面上に存在す
る、各ランドと接栓部の導体部（以下、接栓導体
部と称する）間の導通状態は容易に検査できるも
のの、一方の面のランドとその裏面の接栓導体部
との間の接続状態は検査することができない。

この解決策としては、プリント基板の両面側か
らピンを接触させる方式ないし手段が考えられ
る。しかし、この場合は治具が極めてコストアツ
プとなり、また必然的にランドに対するピンの接
触個所が多くなるため、ランドの損傷確率が高く
なるという問題がある。

さらに接栓部にコネクタを挿入して両面の接栓
導体部から検査用のラインを得る方式の治具も存
在するが、これによると検査のたびにコネクタを
挿入しなければならないので、作業が非常に煩雑
になる。

［考案の目的］ 本考案は、上述したような事情によりなされた
もので、接栓部を有しその両面に導体部が設けら
れたプリント基板を検査するにあたり、検査の作
業が容易で、プリント基板のランドを損傷させる
確率も低く、しかも製造コストの低いプリント基
板自動検査機用治具の提供を目的としている。

［考案の概要］ すなわち本考案のプリント基板自動検査機用治
具は、プリント基板自動検査機に装着されるべき
基台と、接栓部分の両面に導体部が形成された検
査すべきプリント基板の一方の面の導体パターン
および両面の接栓部分の導体部に同時に当接する
よう前記基台に植設された第１のコンタクトプロ
ーブ群と、前記プリント基板の接栓部分から若干
外れた位置で露出するよう前記基台に植設された
第２のコンタクトプローブ群と、この第２のコン
タクトプローブ群と前記プリント基板の他方の面
の接栓部分の導体部とに同時に当接する導体部が
形成された導体シートとを有してなることを特徴
としている。

［考案の実施例］ 以下、本考案の実施例の詳細を図面に基づいて
説明する。

第１図は本考案の一実施例装置の構成を示す側
面図、第２図は同平面図である。

本実施例装置は、プリント基板自動検査機に装
着されるべき基台３と、両面に接栓導体部４ｂが
形成された検査すべきプリント基板４の一方の面
の各ランドに当接するよう基台３に植設されたコ
ンタクトプローブ群５ａと、プリント基板４の一
方の面の接栓導体部４ｂに当接するよう基台４に
植設されたコンタクトプローブ５ｂと、プリント
基板４の接栓部４ａから若干外れた位置で露出
し、かつ基板４の厚み分だけコンタクトプローブ
５ｂよりも突出するよう基台４に植設されたコン
タクトプローブ５ｃと、このコンタクトプローブ
５ｃとプリント基板４の、コンタクトプローブ５
ａに接触していない側の接栓導体部４ｂとに同時
に当接する導体部６ａが形成された導体シート６
とから構成されている。なお導体シート６は基台
３に設けられた台座３ａに擺動可能に固着されて
いる。

そして本実施例装置によりプリント基板４の検
査を行なう場合には、検査すべきプリント基板４
を、第一のコンタクトプローブ群を成すコンタク
トプローブ５ａおよび５ｂの上方から圧着し、各
ランドにコンタクトプローブ５ａを当着させ、下
側の接栓導体部４ｂにはコンタクトプローブ５ｂ
を当着させて、第３図に示したように、導体シー
ト６を閉じた状態にする。すると導体シート６の
導体部６ａが基板４上面の接栓導体部４ｂと第二
のコンタクトプローブ群を成すコンタクトプロー
ブ５ｃの先端とに同時に接触し、導体シート６の
導体部６ａおよびコンタクトプローブ５ｃを通じ
てプリント基板４の上面の接栓導体部４ｂから検
査用のラインを導出させることができる。なお上
記において、基台３がプリント基板自動検査機に
装着されると、コンタクトプローブ５ａ，５ｂ，
５ｃが自動検査機の入出力ラインに電気的に接続
されることは言うまでもない。

以上説明したように本実施例装置によれば、両
面に接栓導体部４ｂが形成されているプリント基
板４を一方の両側からのみコンタクトプローブ群
に接触させる場合でも上面の接栓導体部４ｂから
検査用のラインを極めて容易に導出させることが
でき、一方の面（下面）の各ランドと他方の面
（上面）の接栓導体部４ｂとの間の断線および短
絡の有無をプリント基板自動検査機により検出す
ることができる。また基板上面の接栓導体部４ｂ
と導体シート６の導体部６ａとは面接触になるた
め、接栓導体部の損傷は少ない。

なお本実施例装置では、導体シート６が基台３
の側に固着されているが、導体シート６はガイド
ピン等を使用して検査すべきプリント基板４側に
固定し、基台３の側に検査用のラインに接続され
た導体部を設け、両者を接触させるような構成に
してもよい。

また本実施例装置では、基板４の接栓部４ａか
ら若干外れた位置で露出するコンタクトプローブ
５ｃが、接栓導体部４ｂに当接するコンタクトプ
ローブ５ｂよりも基板４の厚みの分だけ突出する
ようにしているが、コンタクトプローブはその先
端部分がスプリングにより変位するようにされて
いるため、コンタクトプローブ５ｃと５ｂの高さ
は等しくても導体シート６の接触には支障はな
い。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案のプリント基板自動
検査機用治具は、プリント基板自動検査機に装着
されるべき基台と、接栓部分の両面に導体部が形
成された検査すべきプリント基板の一方の面の導
体パターンおよび同面の接栓部分の導体部に同時
に当接するよう前記基台に植設された第１のコン
タクトプローブ群と、前記プリント基板の接栓部
分から若干外れた位置で露出するよう前記基台に
植設された第２のコンタクトプローブ群と、この
第２のコンタクトプローブ群と前記プリント基板
の他方の面の接栓部分の導体部とに同時に当接す
る導体部が形成された導体シートとを有してなる
ので、接栓部を有しその両面に導体部が設けられ
たプリント基板を検査するにあたり、検査の作業
が容易で、プリント基板のランドを損傷させる確
率も低く、しかも製造コストが低い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例装置の構成を示す側
面図、第２図は同平面図、第３図は同実施例装置
によりプリント基板の検査を実施する際の状態を
示す側面図、第４図は接栓部が設けられたプリン
ト基板の形状を示す平面図である。 １，４……プリント基板、１ａ，４ａ……接栓
部、２，４ｂ……導体部、３……基台、５ａ，５
ｂ，５ｃ……コンタクトプローブ、６……導体シ
ート。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) プリント基板自動検査機に装着されるべき基
   台と、接栓部分の両面に導体部が形成された検
   査すべきプリント基板の一方の面の導体パター
   ンおよび同面の接栓部分の導体部に同時に当接
   するよう前記基台に植設された第１のコンタク
   トブロープ群と、前記プリント基板の接栓部分
   から若干外れた位置で露出するよう前記基台に
   植設された第２のコンタクトブロープ群と、こ
   の第２のコンタクトブロープ群と前記プリント
   基板の他方の面の接栓部分の導体部とに同時に
   当接する導体部が形成された導体シートとを具
   備し、かつ前記第１のコンタクトブロープ群お
   よび第２のコンタクトブロープ群の各コンタク
   トブロープ先端位置がスプリングにより変位可
   能に構成されていることを特徴とするプリント
   基板自動検査機用治具。 (2) 導体シートが、前記基台に擺動可能に固着さ
   れている実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   プリント基板自動検査機用治具。 (3) 導体シートが、検査すべきプリント基板に擺
   動可能に固着されている実用新案登録請求の範
   囲第１項記載のプリント基板自動検査機用治
   具。