JP7316007B1 - 粒状米粉加工物の製造方法、及び粒状米粉加工物 - Google Patents

粒状米粉加工物の製造方法、及び粒状米粉加工物 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた食感を有する粒状米粉加工物の製造方法を提供する。【解決手段】原料米粉と水とを含む混合物を造粒して造粒物を得る造粒工程と、得られた造粒物を加熱する加熱工程と、加熱工程後の造粒物を油脂でコーティングするコーティング工程と、油脂でコーティングされた造粒物を乾燥する乾燥工程と、を有する粒状米粉加工物の製造方法。原料米粉として、平均粒度(D50)450μm以上650μm以下の米粉を使用すると、造粒時のダマの発生を抑えることができる。また、製造される粒状米粉加工物は、様々な優れた食感(モチモチ食感やプチプチ食感)を発現できる。粒状米粉加工物の粒径を0.5mm以上3mm以下とすると、クスクスのようなプチプチとした食感となる。【選択図】 図1

Description

本発明は、優れた食感を有する粒状米粉加工物の製造方法に関する。
近年、小麦粉による食物アレルギー対策や、米の消費を拡大させることを目的に、小麦粉の代わりに米粉を使用した加工食品(麺類、パン類や菓子類等)が注目されている。
しかしながら、米粉を使用した加工食品は、米に含まれる粘り成分、アミロペクチンの作用により、もちもちとした食感になることが特徴である。
また、米粉は、小麦粉とは異なり、グルテンを含有していないため、水を加えて混練しても、米粉間の結合が期待できず、生地がつながりにくいため、加工食品を製造する際には、米粉自体に処理をしたり、混練時の加水量を多くする必要があった。米粉を使った加工食品として、例えば、米粉を糊状にしてつなぎとして使用し製造されたパスタ(特許文献1)、グルテン及び増粘剤を含まずに製造された米粉パン(特許文献2)等が報告されている。
特開2017-23043号公報 特開2007-244220号公報
上述したように、特許文献1や特許文献2の方法では、米粉自体への処理や混合時の水分量等により、製造効率や製造された加工食品の食感等の点で問題があった。
かかる状況下、本発明の目的は、優れた食感を有する粒状米粉加工物の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 原料米粉と水とを含む混合物を造粒して造粒物を得る造粒工程
得られた造粒物を加熱する加熱工程と、
加熱後の造粒物を乾燥する乾燥工程と、を有する粒状米粉加工物の製造方法。
<2> 前記加熱工程における加熱方法が、蒸煮による加熱である<1>に記載の粒状米粉加工物の製造方法。
<3> 前記原料米粉が、平均粒度(D50)450μm以上650μm以下の米粉を含有する<1>又は<2>に記載の粒状米粉加工物の製造方法。
<4> 前記原料米粉が、白米粉である<1>から<3>のいずれかに記載の粒状米粉加工物の製造方法。
<5> 前記加熱工程後に、油脂で造粒物をコーティングする工程を、さらに有する<1>から<4>のいずれかに記載の粒状米粉加工物の製造方法。
<6> 前記油脂が、米油である<1>から<5>のいずれかに記載の粒状米粉加工物の製造方法。
<7> <1>から<6>のいずれかに記載の製造方法で得られた粒状米粉加工物。
<8> 粒状米粉加工物の粒径が、0.5mm以上3mm以下である<7>に記載の粒状米粉加工物。
<1a> <7>又は<8>に記載の粒状米粉加工物を含んでなる介護食。
<2a> <7>又は<8>に記載の粒状米粉加工物を含んでなる離乳食。
<3a> <7>又は<8>に記載の粒状米粉加工物を含んでなる非常食。
本発明によれば、優れた食感を有する粒状米粉加工物の製造方法が提供される。
本発明の粒状米粉加工物の製造工程を示すフローチャートである。 本発明の粒状米粉加工物の他の製造工程を示すフローチャートである。 本発明に係る粒状米粉加工物の一例を示す写真である。 官能試験のアンケートまとめである。
以下、本発明について例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下の例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。なお、本明細書において、「~」とはその前後の数値又は物理量を含む表現として用いるものとする。
[1.本発明の粒状米粉加工物の製造方法]
本発明は、原料米粉と水とを含む混合物を造粒して造粒物を得る造粒工程と、得られた造粒物を加熱する加熱工程と、加熱後の造粒物を乾燥する乾燥工程と、を有する粒状米粉加工物の製造方法(以下、「本発明の粒状米粉加工物の製造方法」、又は、単に「本発明の製造方法」と称す。)に関する。
本発明の粒状米粉加工物の製造方法は、原料米粉と水とを含む混合物を造粒し造粒物を得て、その造粒物を加熱する。次いで、加熱後の造粒物を乾燥する方法である。
本発明の製造方法によれば、優れた食感を有する粒状米粉加工物を得ることができる。
以下、本発明の粒状米粉加工物の製造方法について詳細に説明する。
なお、本発明の粒状米粉加工物の製造方法の各工程について、図1に示すフローチャートを参照して説明する。
図1に示すように、本発明の製造方法は、例えば、造粒工程、加熱工程及び乾燥工程の順で行う。また、必要に応じて、油脂でコーティングする工程、その他の材料等を混合する工程、味付け工程、ふるい分け工程等、その他の工程を追加して行うことができる。
以下の説明において、造粒工程を「工程(1)」、加熱工程を「工程(2)」、乾燥工程を「工程(3)」と記載する場合がある。
<工程(1)>
工程(1)は、原料米粉と水とを含む混合物を造粒して造粒物を得る工程である。
(原料米粉)
原料米粉は、本発明の粒状米粉加工物の製造に用いられる米粉であり、原料となる米を粉砕、粉末化したものである。
原料となる米は、通常、うるち米が用いられるが、本発明の効果を損なわない限り古代米やもち米等を用いてもよい。
うるち米の種類としてはジャポニカ米やインディカ米、ジャバニカ米等がある。
原料となる米は、発芽の有無、産地や品種も特に限定されず、国内産、外国産等の産地は問わない。
原料米粉の原料となる米の種類は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、原料となる米は、精米の程度も特に限定されず、白米、分づき米、玄米等が挙げられる。
本発明における原料米粉として、典型的には、白米粉が用いられるが、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、他の米粉を用いてもよい。例えば、栄養価を高めるために、玄米粉を用いてもよい。
原料米粉は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。2種以上を組み合わせて使用する場合は、それぞれを任意の割合で混合して使用することができる。
原料米粉の製造方法は任意であるが、原料米粉は、典型的には、原料となる米を粉砕することによって得ることができる。粉砕処理には、ハンマーミルやジェットミル等の公知の食品用粉砕機が用いられる。また、粉砕後に必要に応じて他の処理を行ってもよい。
得られた原料米粉は、通常、ふるい等により目的とする粒度に分級される。
原料米粉は、粉砕機の種類や粉砕時間によって、目的とする粒度に調製することができる。
また、原料米粉の粒度は、水と混合し、造粒できるものであればよく、様々な粒度の原料米粉を含有することができる。原料米粉は、1種類の粒度の米粉を単独で使用してもよく、2種類以上の異なる粒度の米粉を組み合わせて使用してもよい。
また、粒度の異なる米粉を組み合わせて混合する場合、それぞれの米粉(異なる粒度の原料米粉)の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜調整することができる。
原料米粉の粒度は、粒状米粉加工物の目的とする食感や造粒性を考慮して適宜選択すればよい。例えば、平均粒度(D50)140μm以上450μm未満の米粉を使用すると、粒状米粉加工物は、モチモチとした食感となる。
ここで、平均粒度(D50)は、累積体積分布が50%になる粒径を表し、メジアン径とも呼ばれる。
また、プチプチとした食感を得るためには、平均粒度(D50)450μm以上650μm以下の米粉を使用することが好ましい。このような粒度の米粉を含有して製造される粒状米粉加工物は、後述する実施例の通り、プチプチとした食感(デュラム小麦で製造されたクスクスと同等の食感)となる。
また、造粒時のダマの発生を抑える観点から、平均粒度(D50)450μm以上650μm以下の米粉を使用することが好ましく、この場合、得られる粒状米粉加工物の歩留まり率を向上させることができる。
原料米粉が、平均粒度(D50)650μm超だと、原料米粉と水との混合時にダマが発生しやすく、造粒しにくい場合がある。
原料米粉が、平均粒度(D50)450μm未満だと、原料米粉と水とを混合しにくく、十分に混合するためには多くの水分を必要とし、造粒しにくい場合がある。
(配合割合)
工程(1)に用いる水の含有量は、本発明の効果を奏す範囲で、原料米粉の種類等に応じて、造粒物を造粒することができる範囲で適宜調整することができる。
本発明の製造方法で用いる原料米粉の種類は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されない。以下、原料米粉として、白米粉や玄米粉を使用した場合の配合割合について説明する。
白米粉のみを使用する場合は、白米粉の合計を100重量部としたときに、水の含有量は、例えば、20~50重量部が挙げられる。
玄米粉のみを使用する場合は、玄米粉の合計を100重量部としたときに、水の含有量は、例えば、30~45重量部が挙げられる。
白米粉と玄米粉の両方を使用する場合は、白米粉及び玄米粉の合計を100重量部としたときに、水の含有量は、例えば、20~50重量部挙げられる。この場合、白米粉と玄米粉との配合割合(重量比)は、例えば、1:0.01~1:100とすることができる。
原料米粉と混合する水の量は、混合する原料米粉の量や種類、外部環境の温度や湿度に応じて適宜設定される。
原料米粉に対して、水分量が多すぎると、ドウ状(生地状)になり、少なすぎると原料米粉がまとまらず、造粒するのが難しくなる可能性がある。
原料米粉と混合される水は、本発明の効果を損なわない限り、様々な温度域の水を用いてもよい。混合される水の温度域としては、例えば、0℃~100℃の範囲が挙げられる。
造粒工程において、原料米粉と水が十分に混合されるのであれば、どのような混合方法を用いてもよく、混合順序は特に限定されない。一方を他方に加えて混合してもよく、両者を同時に加えて混合してもよい。
また、原料米粉と水の混合条件は任意であり、原料米粉と水とが十分に混合できればよく、混合される材料(原料米粉や水)の種類、量、配合割合等に応じて適宜決定される。また、混合には、公知の混合器具又は混合装置を用いることができる。
また、造粒物の造粒方法は、公知の造粒方法により粒状に造粒することができる。例えば、混合する過程で自然に造粒させる方法や撹拌造粒機等の公知の造粒機を用いて造粒する方法が挙げられる。
本発明における造粒物とは、粉末状の原料が、結着・凝集して粒状化している状態をいう。
造粒物の大きさは、本発明の目的を損なわない限り特に限定されないが、造粒物の大きさとしては、例えば、0.5mm~10mm程度であることが挙げられる。
<工程(2)>
工程(2)は、工程(1)で得られた造粒物を加熱する工程である。
本発明の製造方法において、加熱工程における加熱方法としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、例えば、直火や蒸煮等による加熱が挙げられる。
直火による加熱は、造粒物の表面の水分が飛びすぎる場合があるが、蒸煮による加熱では、水蒸気の共存下で造粒物を加熱することができる。そのため、加熱方法として、蒸煮による加熱を行うことが好ましい。
工程(2)において、加熱条件は、造粒物に混合される原料米粉を少なくとも一部を糊化できる加熱条件であればよい。
ここで、糊化とは、デンプンを水と加熱することにより、デンプン分子が規則性を失い、糊状になることである。糊化されたデンプンは、酵素により分解されやすくなり、体内での消化性を向上させることができる。
また、加熱条件としては、造粒物に混合される原料米粉が完全に糊化できる加熱条件であることが好ましい。
造粒物に混合される原料米粉が完全に糊化されることによって、そのままで摂食するのに適した状態となる。
加熱条件は、混合される原料米粉が糊化され、かつ、造粒物の形状を維持できる範囲内で適宜設定され、造粒物の量や種類等に応じて適宜決定される。
例えば、蒸煮による加熱を行う場合、加熱温度は、80℃~120℃の範囲である。
加熱時間は、造粒物の量や種類、加熱温度等に応じて適宜決定される。例えば、100℃で蒸煮する場合は、5分~15分である。
<工程(3)>
工程(3)は、加熱後の造粒物を乾燥する工程である。
工程(3)では、加熱工程後の造粒物を乾燥することにより、水分含有率を低下させることができる。
工程(3)の条件は任意であり、工程(2)の後の造粒物の水分含有率を低下させることができれば特に限定されない。乾燥方法としては、例えば、熱風乾燥法、冷風乾燥法、真空乾燥法、凍結乾燥法、減圧乾燥法等が挙げられる。
乾燥温度は、造粒物の水分含有率が低下する範囲内で適宜設定され、例えば、50~80℃の範囲である。
乾燥時間は、造粒物の水分含有率が低下されればよく、乾燥される造粒物の量、温度等を勘案して決定される。
(その他の工程)
また、本発明の製造方法では、本発明の目的を損なわない限り、上述する工程(工程(1)~工程(3))以外に、必要に応じてその他の工程を含んでいてもよい。その他の工程としては、例えば、造粒物の大きさを揃えるふるい分け工程やその他の材料等を混合する工程、造粒物への味付け工程等が挙げられる。
例えば、その他の工程として、ふるい分け工程を行い、造粒物の大きさを揃えることができる。ふるい分け工程を行うことにより、篩上部に残留した造粒物(いわゆる、ダマ)と、篩下部に通過した造粒物とに分けることができる。
ふるい分け工程を行う場合は、工程(1)の後や工程(3)の後に行うことができる。ふるい分け工程は、両方の工程の後に行ってもよく、一方の工程の後に行ってもよいが、工程(3)の後に行うことが好ましい。
ふるい分け工程において、篩の目開きの大きさは、製造される粒状米粉加工物の大きさに応じて適宜選択される。
また、本発明の効果を損なわなければ、その他の材料を混合する工程を行うことができる。その他の材料の混合のタイミングは特に限定されず、粒状米粉加工物の製造途中で混合してもよく、製造された粒状米粉加工物に混合してもよい。
その他の材料としては、通常、加工食品の製造に使用される原料であれば、特に制限されないが、例えば、野菜類、その他の食品成分、任意の添加物成分等を含んでもよい。任意の添加物成分としては、乳化剤、防腐剤、酸化防止剤、増粘剤、着色料、調味料、香料等が挙げられる。
その他の材料は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらの材料の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、特に制限されず、使用する材料の種類等に応じて適宜設定される。
図2に示すように、粒状米粉加工物の他の製造方法として、上述した造粒工程(工程(1))、加熱工程(工程(2))、乾燥工程(工程(3))に加えて、コーティング工程をさらに含むことができる。本発明の製造方法に、コーティング工程を含む場合、加熱工程(工程(2))の後に行うことが好適である。
なお、本発明の粒状米粉加工物の他の製造方法において、工程(1)~工程(3)及びその他の工程に関する内容は、上述した通りであるため、説明を省略する。
コーティング工程は、加熱後の造粒物を油脂でコーティングする工程である。
工程(2)の後の造粒物は、混合される米粉が糊化されているため、そのままの状態で乾燥を行うと、造粒物同士が接着し、大きなダマが形成される場合がある。コーティング工程を行うことにより、造粒物同士が接着することを防止することができる。
使用される油脂は、一般に食用に用いられる油脂であればよく、常温で液体、あるいは固体のいずれも使用することができる。油脂が常温で液体状の場合にはそのまま使用してよく、常温で固体状の場合は加熱して液体状とした後に使用してもよい。
植物油脂としては、例えば、米油、オリーブオイル、ゴマ油、亜麻仁油、大豆油、トウモロコシ油等が挙げられ、動物油脂としては、例えば、牛脂、豚脂、ラ-ド、バター、マ-ガリン、魚油等が挙げられる。
本発明において、原料米粉と原料が同じである米油が好適に用いられる。
[2.粒状米粉加工物]
本発明の粒状米粉加工物は、上述した本発明の製造方法によって製造される粒状米粉加工物である。
製造された粒状米粉加工物は、優れた食感(モチモチ食感やプチプチ食感等)を有する。
上述した製造方法によって得られた粒状米粉加工物の大きさ(粒径)は、特に限定されず、目的とする加工食品に応じて適宜調整することができ、粒状米粉加工物の粒径は、ふるい分けにより適宜調整することができる。粒状米粉加工物の粒径は、例えば、0.5mm~10mm程度である。
なお、本発明の粒状米粉加工物の粒径は、ふるい分け法により測定し、ふるいの目開きで表したものである。
特に、優れた食感を得るために、粒状米粉加工物の粒径は、好適には、0.5mm以上3mm以下であり、1mm以上2mm以下である。このような粒径であれば、プチプチとした食感(デュラム小麦で製造されたクスクスと同等の食感)を有することができ、本発明の粒状米粉加工物をクスクス様食品とすることができる。
以下、本発明の粒状米粉加工物の好適な一例であるクスクス様食品について説明する。
通常、クスクスは、デュラム小麦セモリナ粉を粒状に成形したものを蒸して乾燥して製造される。クスクスは、プチプチとした特有の食感が特徴であるため、通常の米粉を用いて製造しても、特有の食感を発現させにくい傾向があった。
特に、製造に用いられる原料米粉として、平均粒度(D50)450μm以上650μm以下の米粉を含有することにより、米粉を使用したとしてもプチプチとしたクスクス特有の食感を発現させることができる。
粒状米粉加工物を食する際は、食する前に、様々な温度帯(例えば、0℃~100℃)の液体で戻すことが好ましい。戻す際の液体としては、水を使用してもよく、お茶、牛乳、豆乳や味が付与されたスープ等を使用してもよい。
粒状米粉加工物の戻し方は、目的に応じて、様々な量の液体で行うことができる。
粒状米粉加工物と同量や少ない量の液体を含ませると、クスクス特有のプチプチとした食感を楽しむことができ、戻した粒状米粉加工物をサラダなどにかけて楽しむことができる。また、粒状米粉加工物より多い量の液体を含ませると、粒状米粉加工物が柔らかくなり、トロトロとした食感になるため、病者向け食品(病院食、病人食、介護食等)や離乳食等に利用可能となる。
なお、病院食とは病院に入院した際に供される食事であり、病人食は病人用の食事であり、介護食とは被介護者用の食事である。
上述するように、本発明の粒状米粉加工物は、液体(例えば、水、お湯、清涼飲料水、牛乳等)で戻してから喫食することができ、入院や自宅療養等されている者、あるいは介護を受けている者用の病院食、病人食又は介護食、離乳期の乳児用の離乳食等として好ましく用いることができる。
また、上述したように、本発明の粒状米粉加工物は液体で戻すだけで喫食可能であるため、日常食のみならず、携帯食や非常食にも適用可能である。
以上、クスクス様食品について説明したが、本発明はこれに限定されない。
本発明の粒状米粉加工物は、優れた食感(例えば、モチモチ食感等)を有するため、上述したクスクス様食品以外に、フライ食品用の衣材やその他の加工食品等へ適用することができる。加工食品の具体例としては、パンや焼き菓子、バー成形食品(シリアルバーやグラノーラバー等)等が挙げられる。
さらに、本発明の粒状米粉加工物が、そのままでは加工食品等へ適用しにくい大きさ(ふるい分け工程により発生するダマを含む)である場合は、他の材料と混ぜて、グラノーラやシリアル等の具材として使用することもできる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、クスクス様食品を想定して、以下の粒状米粉加工物を製造した。
<1-1.原料米粉の製造方法>
原料米粉(白米粉、玄米粉)を以下の方法で製造した。
(白米粉の製造)
原料となる米(白米)を製粉機(株式会社サタケ,SRG05C)を用いて粉砕し、この製粉機に付属されるスクリーン(A2,A4~A7)に通すことによって、平均粒度(D50)が異なる原料米粉(白米粉)を製造した。製造された白米粉は以下の通りである。
白米粉A:スクリーンA2(平均粒度(D50)140μm)
白米粉B:スクリーンA4(平均粒度(D50)270μm)
白米粉C:スクリーンA5(平均粒度(D50)450μm)
白米粉D:スクリーンA6(平均粒度(D50)500μm)
白米粉E:スクリーンA7(平均粒度(D50)650μm)
(玄米粉の製造)
原料となる米として、玄米を使用した以外は、上記(白米粉の製造)の方法と同様にして、玄米粉Aを製造した。
なお、玄米粉は、製粉機に付属されるスクリーンA6を用いて製造した。
<1-2.粒状米粉加工物の製造方法>
上記<1-1.原料米粉の製造方法>で製造された白米粉(白米粉A~E)を使用し、粒状米粉加工物を以下の方法で製造した。
平均粒度(D50)が異なる白米粉(白米粉A~E)及び水の配合量は表1に示す配合量に従った。
(造粒工程)
白米粉と水(水道水)を均一になるまで混合し、1粒が1~3mm程度の粒状の造粒物になるように造粒した。
(加熱工程)
造粒された造粒物を、スチームコンベクションオーブン(タニコー株式会社製)を用いて100℃で10分間蒸した。
(味付け工程)
蒸煮工程後の造粒物100重量部に対して、塩0.3重量部を加えて、全体になじませるように混合した。
(コーティング工程)
次に、造粒物100重量部に対して、米油6重量部を加えて、全体になじませるように混合し、造粒物をコーティングした。
(乾燥工程)
その後、得られた造粒物を、乾燥機を用いて75℃で5時間乾燥させた。
(ふるい分け工程)
乾燥工程後の造粒物がパラパラな状態であることを確認し、得られた造粒物を、目開きが2mmの篩でふるい分けを行うことにより、造粒物の大きさを整え、粒状米粉加工物を得た。
図3に上記<1-2.粒状米粉加工物の製造方法>で得られた粒状米粉加工物(製造例4)を示す。粒状米粉加工物1粒当たりの大きさは、1~2mmであった。
(評価1:歩留まり率の評価試験)
上記(乾燥工程)後の造粒物に対してふるい分けを行い、歩留まり率を評価した。
上記(ふるい分け工程)の通り、得られたそれぞれの粒状米粉加工物を目開きが2mmの篩に通した。篩上部に残ったダマの重量(g)と篩下部の重量(g)を測定して、歩留まり率ついて評価した。歩留まり率は、全体重量(篩上部+篩下部)に対する、篩下部の重量を百分率(%)により算出した。表2にふるい分けの結果を示す。
表2の通り、製造例1~2及び製造例6の粒状米粉加工物の歩留まり率が、54%~77%であったのに対して、製造例3~5の粒状米粉加工物の歩留まり率は、92%~100%と高い値であった。
(評価2:官能試験)
パネラー(30代~60代の女5名)を対象に、上記の方法で製造された製造例1~6の粒状米粉加工物を食し、食感、におい及び味についての官能試験を行った。
なお、製造例1~6の粒状米粉加工物のうち、ふるい分け工程により、目開き2mmの篩を通過したサイズ(篩下部)を製造例1~6のクスクス様食品とし、官能試験に用いた。
また、官能試験には、製造例1~6のクスクス様食品を、お湯で戻したものを用いた。クスクス様食品の官能試験(食感、におい、味)を以下の評価基準の通り、評価した。また、表3の基になった評価試験のアンケートまとめを図4に示す。なお、参考例として市販のクスクス(デュラム小麦を用いて製造されたクスクス)を用いた。
(評価基準:食感)
3点:参考例のクスクスの食感と同等である。
2点:参考例のクスクスの食感よりわずかに劣るが、気にならない程度である。
1点:参考例のクスクスの食感よりかなり劣る。
(評価基準:におい)
3点:穀物臭をほとんど感じない。
2点:穀物臭をわずかに感じるが、気にならない程度である。
1点:穀物臭を感じる。
(評価基準:味)
3点:米粉由来のほのかな甘味を感じる。
2点:米粉由来のほのかな甘味をわずかに感じる。
1点:米粉由来のほのかな甘味をほとんど感じない。
表3にパネラーの平均点により示した評価結果を示す。
表3の通り、製造例3~6のクスクス様食品は、評価点(食感)が製造例1及び2のクスクス様食品より高かった。特に、製造例3及び4のクスクス様食品は、評価点がより高く、参考例のクスクスと同程度の食感を有することが認められた。
また、米粉で製造されたクスクス様食品(製造例1~6)は、米粉を含有しているため、米粉由来のほのかな甘みを感じた。さらに、米粉で製造されたクスクス様食品(製造例1~6)は、穀物臭をほとんど感じなかったため、さまざまな料理に合うと考えられる。
<1-3.玄米粉配合の粒状米粉加工物の製造方法>
以下、原料米粉として、上記<1-1.原料米粉の製造方法>で製造された玄米粉Aを配合した粒状米粉加工物の製造効率の評価及び官能試験について示す。なお、玄米粉配合の粒状米粉加工物は、以下の方法で製造した。
(混合工程)
玄米粉A100重量部に対して、水(水道水)29重量部を入れ、均一になるまで混合した。
(造粒工程)
混合後、1粒が1~2mm程度の粒状の造粒物になるように造粒した。
(加熱工程)
造粒された造粒物をスチームコンベクションオーブン(タニコー株式会社製)を用いて100℃で10分間蒸した。
(味付け工程)
蒸煮工程後の造粒物100重量部に対して、塩0.3重量部を加えて、全体になじませるように混合した。
(コーティング工程)
次に、造粒物100重量部に対して、米油2.3重量部を加えて、全体になじませるように混合し、造粒物をコーティングした。
(乾燥工程)
その後、得られた造粒物を、乾燥機を用いて75℃で5時間乾燥させた。
(ふるい分け工程)
乾燥工程後の造粒物がパラパラな状態であることを確認し、得られた造粒物を、目開きが2mmの篩でふるい分けを行うことにより、造粒物の大きさを整え、製造例Aの粒状米粉加工物を得た。
上記(乾燥工程)後の造粒物について、上記(評価1:歩留まり率の評価試験)と同様に歩留まり率を評価したところ、篩上部にダマが残らず、歩留まり率は100%であった。
また、ふるい分け工程により、目開き2mmの篩を通過したサイズ(篩下部)を製造例Aのクスクス様食品とし、上記(評価2:官能試験)と同様に官能試験を行った。
製造例Aのクスクス様食品を食したところ、白米粉で製造されたクスクス(製造例4のクスクス様食品)と同様の食感を有することが確認された。
さらに、製造例Aのクスクス様食品も、米粉由来のほのかな甘みを感じた。また、製造例Aのクスクス様食品は、玄米を配合しているにもかかわらず、穀物臭をほとんど感じなかった。
本発明によれば、造粒時のダマの発生を抑え、優れた食感を有する粒状米粉加工物の製造方法を提供することができる。

Claims (7)

  1. 原料米粉と水とを含む混合物を造粒して造粒物を得る造粒工程と、
    得られた造粒物を、当該造粒物に含まれる前記原料米粉が完全に糊化するまで加熱する加熱工程と、
    加熱された造粒物を乾燥する乾燥工程と、を有し、
    粒径が0.5mm以上3mm以下である粒状米粉加工物の製造方法。
  2. 前記加熱工程における加熱方法が、蒸煮による加熱である請求項1に記載の粒状米粉加工物の製造方法。
  3. 前記原料米粉が、平均粒度(D50)450μm以上650μm以下の米粉を含有する請求項1に記載の粒状米粉加工物の製造方法。
  4. 前記原料米粉が、白米粉である請求項1に記載の粒状米粉加工物の製造方法。
  5. 前記乾燥工程において、前記加熱された造粒物を油脂でコーティングした後に乾燥するする請求項1に記載の粒状米粉加工物の製造方法。
  6. 前記油脂が、米油である請求項5に記載の粒状米粉加工物の製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の製造方法で得られ、粒径が0.5mm以上3mm以下である粒状米粉加工物。
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