JP4953452B2 - 人造米およびその製造方法 - Google Patents

人造米およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、大豆を主な原材料としながら、米飯と同様に食することができる新しい人造米、およびその製造方法に関する。
米は長きにわたり日本食の中心として食されてきたが、米のみでは低タンパクであるなど栄養素が不足する。
一方、大豆は必須アミノ酸のバランスに優れており、米に不足しているリジンも比較的多く含有するため、大豆の摂取は、米を主体とした食事の必須アミノ酸バランスを向上させることができ、また不飽和脂肪酸やイソフラボンなど、米には少ない栄養素を補填することができる。
大豆を主原料とし、米粒状の形状に加工され、米と同様な調理条件で調理でき、米飯と同様に食することが可能な人造米が開発されれば、簡便に大豆の豊富な栄養素を毎日継続的に摂取することが期待でき、従来の米飯の欠点を補うことができる。
従来から、食用を目的とした大豆を主原材料として含有する人造米に関する発明が提案されている。
例えば、脱皮し、かつ小割りした大豆をα化して水分16%以下に乾燥したことを特徴とするα化した小割大豆破砕物が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、この大豆破砕物は、破砕物のうち、米粒と同等の大きさのものを選別しただけであり、米粒とは形状を異にしており、大きさも不揃いであるなど、外観上も米粒とするには抵抗があり、さらに、炊飯等の調理によって大豆蛋白の変性が起こるために食感においても、違和感なく食することが出来るとは言いがたいものであった。
また、生大豆の脱皮・半割物を研削し、研削処理大豆を該大豆重量の等重量倍以上の加水下に加熱処理および/または加熱加圧処理して得られ、炊飯米様形態を有することを特徴とする大豆由来食品が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、このものは、大豆を米粒の形状に近い形まで削ったものであり、形状としては米粒状であるが、製造工程中に高温処理があり、この処理によって大豆中の蛋白質の変性やメイラード反応を起こし着色するため、色や形状の外観上も米飯とするには抵抗感のあるものであった。加えて、炊飯等の調理によって大豆蛋白の変性が起こるために、食感も米飯とするには違和感があった。
上記の外観上の異物感や調理後の食感の違和感を解決する方法として、エクストルーダーを使用する成形方法が期待される。
エクストルーダーは、加熱、混練、加圧等の一連の操作を行なった上で押し出し成形するため、形状や製造物の食味は均一とすることができ、かつ、大豆蛋白の組織的改変が可能であるため、食感の点でも優れた製造方法となる可能性をもっている。
エクストルーダーを使用して製造した人造米の例として、さやを取り、加熱した大豆を原料とした大豆粉を用いた人造米が開示されている(特許文献3参照)。
このものは粉末化した大豆原料を使用し、エクストルーダーによる押出成形しているため、形状や食味の点では従来よりも優れていると言え、低温でエクストルーダーで処理をしていることから大豆成分の劣化が少ないものと言える。
しかし、特許文献3の実施例に示されるのとほぼ同様な方法で調製した人造米について食味を検討したところ、均一性の面では良好であったが、炊飯調理後、食器に盛り付けると、時間経過とともに離水や着色が起こり、食事時間を想定した15分程度の喫食時間のうちでも、急激に食感が硬くなり、色もくすんでしまうため、外観の劣化も起こり、実用的ではなかった。
また、大豆粉を主要成分とし、副原料としてグルテンを使用して製造した人造米が開示されている(特許文献4参照)。このものは、炊飯調理直後の食感や外観形状が改良されたものであった。
しかしながら、特許文献4の実施例に記載された方法で製造した人造米においても、炊飯調理後、時間が経過すると、離水して、硬くなり、米飯として食するには違和感があった。
以上のように、これまでに大豆を主成分とした人造米を製造する技術はあったものの、食器へ盛り付けて喫食している間や、業務用のように調理後長時間放置される場合などのように、調理後、食するまでの時間がある場合には、食味や外観の低下が起こり、米飯の代替、或いは、精白米と混合して炊飯調理し、米飯と同様に食することは到底できるものではなかった。
即ち、大豆の栄養成分を豊富に含みながら、調理後も、食感や外観の劣化が少なく、違和感なく米飯の代替として食することができる人造米およびその製造方法を開発する必要があった。
特開昭62−215357号公報 特開2005−341962号公報 WO2006/041683号公報 特開2007−129946号公報
本発明の目的は、大豆の栄養素を豊富に含み、調理直後だけでなく、喫食時、さらには調理後に長期放置された場合にも劣化が少なく、すぐれた食味や外観を有しており、米飯の代替として或いは精白米に混ぜても、抵抗感なく食することができる人造米およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、大豆を主な原材料とした人造米の製造方法において、物性や形状を均一にできる点で、エクストルーダーを使用して形成する方法が好適であるとの考えのもとに、エクストルーダーを使用して人造米を製造する条件を広範囲に検討した。
まず、本発明者らは、炊飯等の調理後、食味や外観が劣化するのは、大豆蛋白のネットワーク形成が不十分なために離水したり、原料が十分に均一化されていないために、局所的に原料成分間での反応が生じ、そのため部分的な変性が起こり、このことが原因で外観がくすんで見えると推定した。そして、製造中に大豆蛋白の適度なネットワークを形成させることによって保水力が高められ、かつ、原料成分の乳化が均一になされれば、結果として、調理後の離水現象や調理後に新たに起こる原料成分間の反応を低減することができ、調理後の食感や外観の劣化を抑制できると考えた。
エクストルーダーを用いた混練工程において、大豆蛋白の適度なネットワークを形成させ、かつ、原料成分を均一に混合し乳化状態を改善させるためには、十分に加熱混練することが必要である。しかし、過度に加熱混練すると、大豆蛋白等の変性度合いが大きく、かえってネットワーク形成などが低下してしまい、逆に、加熱混練が弱いと、変性度合は抑制されるが、米粒状形状への成形性や調理後の保形性が低下し、加えて、大豆特有の青臭い香りが残存するために、香味の点で好ましい人造米を製造することは困難であった。
本発明者らはさらに検討を重ねたが、単に加熱混練条件を最適化するという考え方だけでは、適度なネットワークを形成させ、同時に原料成分を均一に混練でき、結果として、大豆を主原料として、炊飯等の調理後も米飯としても違和感のない食感や外観を呈する人造米を製造することは困難であった。
そこで、本発明者らは、加熱混練条件だけでなく、使用原料や原料処理方法を含めた製造プロセス全般にわたって検討する必要があると考え、種々の観点から検討した。
そして、特定の混練処理条件で調製した大豆粉混練物をまず調製して、この主原料である大豆粉混練物と他の副原料とを、エクストルーダーを用いて混練処理し、米粒状に押出し成形処理し、さらに乾燥させることで、調理直後だけでなく、喫食時にもすぐれた食感および外観を有する人造米を製造できることを見出した。
さらに、大豆以外の原料の影響にも着目し、副原料として化工澱粉類、特に湿熱処理澱粉を使用することによって、喫食時の食感や外観が向上させられることを見出した。
即ち、上記の特定の大豆原料を用い、エクストルーダーにて特定の条件にて混練成形し、特定の温度条件で乾燥させることによってはじめて、調理直後だけでなく、喫食時にもすぐれた食感および外観を有する人造米を製造できることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
本発明は以下の(1)〜(8)に関する。
(1)大豆粉および水をエクストルーダーに投入して混練し、調製された大豆粉混練物を主原料とし、化工澱粉類を副原料として用いて製造された人造米。
(2)前記大豆粉混練物が、大豆粉および水をエクストルーダーに投入して75〜155℃に保持された中間バレル部で混練し調製されたものである、請求項1に記載の人造米。
(3)前記調製された大豆粉混練物を前記エクストルーダーから取り出した後、主原料である該大豆粉混練物および副原料である化工澱粉類をエクストルーダーに投入して混練し、得られた混練物を用いて製造された請求項1又は2に記載の人造米。
(4)前記化工澱粉類が、湿熱処理澱粉である請求項1乃至3のいずれかに記載の人造米。
(5)副原料としてさらにカルシウム塩を用いる、請求項1乃至4のいずれかに記載の人造米。
(6)大豆粉および水をエクストルーダーに投入して、中間バレル部の温度を75〜155℃に保持して混練して主原料である大豆粉混練物を調製し、該大豆粉混練物を該エクストルーダーから取り出した後、主原料である該大豆粉混練物および副原料である化工澱粉類をエクストルーダーに投入して、中間バレル部の温度を0〜95℃に保持してさらに混練し、得られた混練物を押出し成形して米粒状の形状に成形し、乾燥させることを特徴とする、人造米の製造方法。
(7)前記化工澱粉類が、湿熱処理澱粉である請求項6に記載の人造米の製造方法。
(8)副原料としてさらにカルシウム塩を用いる、請求項6又は7に記載の人造米の製造方法。
本発明の人造米は、大豆が主原材料であるので、豊富な植物性蛋白をはじめ、大豆由来の食物繊維、不飽和脂肪酸、カルシウム、大豆イソフラボンなどを摂取することができる。また、本発明の人造米は、調理直後だけでなく、喫食時、さらには調理後に長期放置された場合にも、すぐれた食味や外観を保持しており、米飯と同様に食することができる。
本発明の人造米は、米飯の代替として、或いは精白米に混ぜて炊飯調理しても、抵抗感なく食することができるため、大豆の豊富な栄養素を無理なく継続的に摂取することが期待される。また、喫食状態で長時間放置される業務用米飯や米飯加工食品への利用が可能である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の人造米は、大豆粉および水をエクストルーダーに投入して混練し、調整された大豆粉混練物を主原料として用いて製造された人造米である。
まず、主原料である大豆粉混練物について説明する。
本発明における大豆粉混練物の調製に使用する原材料の大豆粉には、特に限定はないが、低脂大豆粉や脱脂大豆粉よりは、全粒大豆を粉砕して調製した全粒大豆粉、あるいは脱皮大豆粉などの粉砕処理に供する以前に加熱処理や蛋白変性処理が行われていない大豆を用いて製造された大豆粉を使用することが好ましい。
また、原材料の大豆粉の製造方法としては、衝突式の粉砕機などの摩擦熱が生じにくいものを用い、かつ、粉砕処理中の温度を50℃以下の温度を保持しながら粉砕処理することが好ましい。
本発明における主原料である大豆粉混練物は、エクストルーダーを用いて調製する。使用するエクストルーダーとしては、加水、混練、加熱、冷却、米粒形状の押出し成形までの各処理をひとつのユニットで瞬時に行なうことができるものが好ましく、1軸、2軸いずれであっても使用することができる。具体的には、例えば2軸エクストルーダー(株式会社スエヒロEPM:EA−100)を使用することができる。
当該大豆粉および水を混練処理する操作においては、通常は、まず原材料である大豆粉をエクストルーダーに投入した後、水を加水する。原材料である大豆粉を、エクストルーダーを用いて混練処理する際の加水量は、5〜50重量%が好ましく、さらには10〜40重量%がより好ましい。加水量が5重量%より低いと、水分が少なすぎて大豆蛋白が十分に機能化できず好ましくない。一方、加水量が50重量%を超えると、調製した大豆粉混練物の表面にべたつきが生じ、その後、副原料と混錬する際の操作性が悪くなり、好ましくない。
当該大豆粉および水を混練処理する際のバレル部の温度は、75℃〜155℃に設定し保持することが好ましく、80〜140℃、特に80℃〜100℃がより好ましい。バレル部の温度が75℃より低いと、大豆蛋白のネットワーク化等が不十分であり、人造米とした時の物性が非常に脆く、調理後の食感が好ましくない。また、大豆特有の青臭みを生じる大豆リポキシゲナーゼが十分に失活しないため、香りも好ましくない。一方、バレル部の温度が155℃、特に160℃より高いと、大豆蛋白の変性度合が大きく、ネットワークが形成できなくなるため、人造米とした時の物性が脆く、食感が好ましくない。
当該大豆粉および水の混練処理におけるスクリュー回転数は、50〜500rpm、例えば250rpm程度で運転することが望ましい。
本発明において、上記工程で調製された主原料である大豆粉混練物は、次いでその他の原料である副原料と共に、さらには必要に応じて加水して、エクストルーダーを用いて混練、押出し成形し、米粒状の形状に成形される。
この工程において、使用される大豆粉混練物の量は、大豆粉に換算して、主原料および副原料を合わせた全原料に対して、乾燥重量あたり、少なくとも50重量%以上の割合で使用することが好ましい。
全原料中における大豆粉の含量が、乾燥重量あたり50重量%を下回ると、米と混合し炊飯して米飯と一緒に摂取する場合には、十分に大豆の栄養素が摂取出来なくなってしまうためである。
本発明において副原料として使用できる原料としては、最終的に製造される人造米の食感や外観に悪影響を与えるものでなければ特に限定はない。具体的には例えば、高度分岐環状デキストリン、エーテル架橋澱粉,湿熱処理澱粉,ヒドロキシプロピル澱粉,酢酸澱粉,ヒドロキシアルキル澱粉,リン酸架橋澱粉などの化工澱粉類、もち粉,コーンスターチ,ワキシーコーンスターチ,小麦粉,馬鈴薯澱粉などの粉末穀類、活性小麦グルテンなどの植物性タンパク質、カルボキシメチルセルロース(CMC)などの加工多糖類、ラフィノース,スタキオース,トレハロースなどの少糖類、米粉、塩化カルシウム,硫酸カルシウム,乳酸カルシウム、水酸化カルシウム,クエン酸カルシウム,塩化マグネシウムなどのミネラル類、レシチンなどの乳化剤、酢酸,クエン酸,酒石酸,リンゴ酸,コハク酸,リン酸,フェルラ酸などの果実酸、コエンザイムQ10,大豆イソフラボン,α‐リポ酸などの健康素材、黒米,発芽玄米,あわ,ひえ,アマランサスなどの雑穀類、胡麻などの野菜、種子など食品の粉末、食塩、調味料、香料などが挙げられる。
本発明に用いる副原料としては、上記副原料のいずれか1のものを、もしくは1以上の複数のものを用いることができる。
このうち、エーテル架橋澱粉や湿熱処理澱粉などの化工澱粉類を副原料として用いることが好ましい。
化工澱粉類は、大豆粉や他の原料成分との反応性が強すぎないため、大豆蛋白のネットワーク形成に大きな影響を及ぼさずに、混練工程における原料成分の均一化を高めることができ、かつ、エクストルーダーを用いた混練処理や押出し成形工程においても糊化しにくいために、米粒状に成形された人造米中にそのままの形で残存して、原料成分の均一化等の機能を発揮できる。このため、副原料として使用すると、調理後の食感や外観保持の面で向上することができる。
また、化工澱粉類の中でも、特に、コーンスターチや米澱粉、馬鈴薯澱粉などの澱粉を湿熱処理して調製された湿熱処理澱粉の使用が好ましい。
湿熱処理澱粉は、他の化工澱粉と異なり、澱粉分子が化学的な修飾がされておらず、他の原料成分との反応性が比較的弱いために、均一化能力が高いためと推定されるが、米粒状に成形された人造米とした時の食感や外観が優れているだけでなく、調理後の喫食時における食感や外観が特に優れている。
副原料として使用する化工澱粉類の量は、主原料および副原料を合わせた全原料あたり5〜45重量%(乾燥重量あたり)が好ましく、特に10〜40重量%が好ましい。5重量%より少ないと、化工澱粉の使用による水分保持効果が十分に発揮されず、食感が米飯としては違和感のあるものとなる。また、45重量%を越えると、大豆粉の栄養素の摂取量が少なくなる。
また、さらに、副原料として塩化カルシウム、硫酸カルシウム、乳酸カルシウム、クエン酸カルシウムなどのカルシウム塩を使用すると、大豆蛋白分子を架橋してネットワークの形成を促進するためと推定されるが、喫食時の食感や外観が向上する。
カルシウム塩の主原料および副原料を合わせた全原料に対する使用割合は、0.2〜7重量%(乾燥重量あたり)、好ましくは0.5〜5重量%(乾燥重量あたり)である。0.2重量%を下回ると食感や外観向上の効果が見られず、7重量%を越えるとカルシウム由来の雑味が感じられるようになる。
本発明では、上記工程においてエクストルーダーで大豆粉混練物を調製した後、当該エクストルーダーに副原料を直接投入して、主原料である大豆粉混練物と副原料を混練することもできるが、大豆粉混練物と副原料が十分に混練できない場合がある。
そこで、上記工程において調製された主原料である大豆粉混練物は、当該調製に使用したエクストルーダーからいったん取り出し、副原料と共に、当該または別のエクストルーダーに投入して混練することが好ましい。
なお、当該主原料および副原料の混練処理において、混練時の水分含量は、30〜60重量%が好ましく、さらに好ましくは35〜55重量%で、この範囲になるようにバレル部に水を供給する。
また、当該混練処理での中間バレル部の温度は、通常は0〜95℃、特に10〜80℃に設定し保持することが好ましい。
なお、副原料として、化工澱粉を用いる場合にも、エクストルーダーの中間バレル部の温度は、0℃〜95℃に設定すればよいが、特に10℃〜80℃に設定し保持することが好ましい。当該混練処理での中間バレル部の温度が95℃を超えると、炊飯調理直後では食感や外観は良好なものの、喫食までの間に急激に食感や外観が低下してしまう。これは、混練工程中に化工澱粉の糊化が起こり、いったん糊化してしまうと、炊飯調理時の加水加熱によって澱粉粒子が崩壊してしまい、その機能が失われてしまうために、調理後、急速に食感や外観の劣化が起こるためと推定される。また、0℃では原料由来の塩等により凍結は起こらないが、0℃より低く設定すると、局所的な凍結が起こり、米粒形状に成形することが困難となる。
また、当該大豆粉および水の混練処理におけるスクリュー回転数は、50〜500rpm、例えば100rpm程度で運転することが望ましい。
混練後、ダイ部に移動する直前の圧力は1〜10kg/cmとなるように調整して、ダイ部で押出しカッティング成形をする。形状は、乾燥後、米粒と認識される形状になるサイズであればよい。
上記方法により得られる米粒状成形物(人造米)は、通常、25〜55重量%程度の水分を含有する含水形態のものとなり、更にこれを乾燥することによって、乾燥形態(低含水物)にする。
乾燥は、90℃以下で行うことが必要であり、通常、5〜90℃の範囲で行なう。90℃を超える温度で乾燥した場合には、糖とアミノ酸のメイラード反応が生じやすくなり、さらには大豆に含まれる油脂分の分解が始まり、褐変反応を促進させるため好ましくない。一方、5℃より低い温度で乾燥した場合には、乾燥効率が悪く、乾燥に時間がかかることや、部分的に水分の凍結がおこりやすく、蛋白変性が起こって物性が劣化してしまうので好ましくない。
使用する乾燥機は特に限定されるものではなく、例えば熱風バンド乾燥、熱風流動乾燥、真空乾燥などにより行なうことができる。
乾燥は、通常、水分含量が10重量%以下、好ましくは7重量%以下であり、より好ましくは7重量%以下であり、かつ、2重量%以上となる程度まで行う。
乾燥後の水分が10重量%を超えると、自由水が少なからず残存し、微生物汚染の危険性や保存中に徐々に褐変反応が進行して、長期間保存すると色が赤みを増してしまうため、好ましくない。
このようにして、目的とする人造米を製造することができる。
得られた人造米は、保存中の酸化による変化を抑えるために、窒素充填或いは脱酸素剤などにより脱酸素化した状態で保管することが好ましい。
上記で製造した米粒の大きさは任意に調整することができるが、通常は6mm×1mm程度である。
本発明の人造米は、単体で、或いは精白米や玄米、胚芽米などに混ぜて適当な量の水を加えた後、たとえば、炊飯などの加圧加熱調理を行なって米飯と同様に食することができる。なお、精白米や玄米、胚芽米などに混ぜて炊飯などの加圧加熱調理を行なう場合の人造米の配合割合としては、5〜50重量%(乾燥重量あたり)、好ましくは10〜40重量%(乾燥重量あたり)とするのが望ましい。
加圧加熱調理時における、本発明の人造米に対する加水量は、該人造米の含水量に応じて適宜決定すればよいが、通常は、本発明の人造米の乾燥重量に対して、1〜10倍重量程度の水量を加えるのが適当である。加圧加熱調理は、例えば通常使用される炊飯器を用いて米と同様に行なうことができる。
本発明の人造米を調理した後の形状は、米飯と同様なものであり、外観上、異物として認識されることがなく、また、食味も米飯と同様であり、違和感なく、食することができる。即ち、米飯と同様の食味や外観を有しており、米飯の代替として或いは精白米に混ぜても抵抗感なく食することができる。
上記した如く、本発明の人造米は、原材料の大豆粉および水をエクストルーダーに投入して上記所定の条件にて混練し、調製された大豆粉混練物を主原料として使用することを特徴とする。
大豆粉をエクストルーダーにより加水し混練処理することにより、大豆中の蛋白質ネットワークが適度に形成され、保水力や、その後の工程における他の原料成分との反応性が向上する。そのため、大豆粉混練物を主原料として使用した大豆米は、米と同様な調理条件で調理することができ、調理直後だけでなく、喫食時においても米飯と同様な食感や外観を実現できる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1及び比較例1,2
実施例1として、以下のようにして人造米を製造した。
乾燥した大豆(品種スズユタカ)を衝突式の脱皮機にて脱皮処理後、40℃に維持しながら衝突式の粉砕機にて粉砕した大豆粉を製造した。
上記で製造した大豆粉を2軸エクストルーダー(株式会社スエヒロEPM:EA−100)に投入し、上記大豆粉75に対して25の割合(重量比)で水を加え、中間バレル部の温度を80℃に設定して加熱保持し、スクリュー回転数は250rpmで混練して、調製した混練物を該2軸エクストルーダーから一旦取り出し、主原料である大豆粉混練物を得た。
次に、上記2軸エクストルーダー内へ、上記で調製した主原料である大豆粉混練物70重量部(このうち乾燥重量部は大豆粉換算で52.5重量部(全原料の乾燥重量あたり63.64重量%))、および、該大豆粉混練物に対して、副原料であるコーンスターチ湿熱処理澱粉(三和澱粉工業株式会社:デリカスター)27重量部(全原料の乾燥重量あたり32.73重量%)、副原料である塩化カルシウム(株式会社富田製薬株式会社:塩化カルシウム)3重量部(全原料の乾燥重量あたり3.64重量%)を投入した。上記全原料の乾燥重量65に対して35の割合(重量比)で水を加え、中間バレル部の温度を70℃に設定して加熱保持し、スクリュー回転数は100rpmで混練した。
そして、得られた混練物を先端バレル及びダイ部で冷却しながら6mm×1mmの長方形の穴から押出し、カッティング成形を行なった。得られた押出物を棚式乾燥機にて80℃で120分間乾燥し、人造米を得た。
一方、比較例1として、全原料を一時に投入して混練した混練物を用いて人造米を製造した。
まず、実施例1と同様にして調製した大豆粉70重量部(全原料の乾燥重量あたり70重量%)を2軸エクストルーダー(株式会社スエヒロEPM:EA−100)に投入し、さらに、コーンスターチ湿熱処理澱粉(三和澱粉工業株式会社:デリカスター)27重量(全原料の乾燥重量あたり27重量%)、及び塩化カルシウム粉末(冨田製薬株式会社:塩化カルシウム)3重量部(全原料の乾燥重量あたり3重量%)を投入した。
上記全原料の乾燥重量65に対して35の割合(重量比)で水を加え、中間バレル部の温度を70℃に設定して加熱保持し、スクリュー回転数は100rpmで混練した。
そして、得られた混練物を先端バレル部及びダイ部で冷却しながら6mm×1mmの長方形の穴から押出し、カッティング成形を行なった。得られた押出物を棚式乾燥機にて80℃で120分間乾燥し、人造米を得た。
また、比較例2として、大豆粉および化工澱粉類を投入して混練した混練物を調製し、その後さらにカルシウム塩を投入して混練した混練物を用いて人造米を製造した。
まず、実施例1と同様にして製造した大豆粉70重量部(全原料の乾燥重量あたり70重量%)、コーンスターチ湿熱処理澱粉(三和澱粉工業株式会社:デリカスター)27重量部(全原料の乾燥重量あたり27重量%)、上記全原料75に対して25の割合(重量比)で水を加え、2軸エクストルーダー(株式会社スエヒロEPM:EA−100)に投入し、中間バレル部の温度を80℃に設定して加熱保持し、スクリュー回転数は100rpmで混練して、大豆粉と澱粉からなる混練物を得た。
次に、この混練物に塩化カルシウム粉末(株式会社富田製薬株式会社:塩化カルシウム)3重量部(全原料の乾燥重量あたり3重量%)を投入し、中間バレル部の温度を70℃に設定して加熱保持し、スクリュー回転数は250rpmで混練した。
そして、ここで得られた混練物を先端バレル部及びダイ部で冷却しながら6mm×1mmの長方形の穴から押出し、カッティング成形を行なった。得られた押出物を棚式乾燥機にて80℃で120分間乾燥し、人造米を得た。
人造米の官能評価は、以下に記載する方法で精白米と混合して炊飯調理し、得られた炊飯調理物について行った。
炊飯調理方法は、人造米24gを精白米150gと混合し(人造米の配合率13.79重量%)、水を315g添加してジャー炊飯器(SR−AF10V−N型、松下電器社製)にて常法通りに炊飯を行ない、しゃもじで、十分にかき混ぜた後、約5分間ジャー炊飯器内で蒸らした。
炊飯調理直後の官能評価として、5分間蒸らした後に食器に移し、直ちに、食感と外観の官能評価を行った。また、喫食時の官能評価として、食器に移してから、室温(20℃)で15分間放置した後に、食感と外観の官能評価を行った。
官能評価は、精白米と人造米が混ざった状態の炊飯物について行い、食感は、食した時に、人造米に対して食感の違和感を感じるかどうかについて、外観は、見た時に人造米を異物として感じるかどうか(異物感)について評価した。
評価は、訓練された官能検査員20名で行い、◎(人造米に対して食感の違和感がない、または、人造米に対して外観の異物感がない)、○(人造米に対して食感の違和感をあまり感じない、または、人造米に対して外観の異物感をあまり感じない)、△(人造米に対して少し食感の違和感を感じる、または、人造米に対して少し外観の異物感を感じる)、×(人造米に対して食感の違和感を強く感じる、または、人造米に対して外観の異物感を強く感じる)の4段階で評価した。
官能評価結果を表1に示した。
Figure 0004953452
表1に示す如く、比較例1のように大豆粉を含む全原料を一時にエクストルーダーに投入して混練、成形する製造方法では炊飯調理直後の時点で既に官能的に低い評価だったが、実施例1のように、大豆粉を混練して主原料である大豆粉混練物を調製し、これと他の副原料とを混合して混練、成形した場合には、炊飯調理直後の官能評価は非常に良好であり、しかも、喫食時の官能評価も炊飯調理直後と同等であった。
比較例2に示す如く、大豆混練物を調製するにあたり、大豆粉以外の原料を加えて混練物を調製し、得られた混練物に残りの副原料を添加して、混練・成形して人造米を調製した場合にも、炊飯調理直後の時点で既に官能的に低い評価であった。また、大豆粉混練物を調製する場合には、大豆粉のみを使用する必要があった。
実施例2〜4及び比較例3,4
実施例2として、以下のようにして人造米を製造した。
乾燥した大豆(品種スズユタカ)を衝突式の脱皮機にて脱皮処理後、40℃に維持しながら衝突式の粉砕機にて粉砕して大豆粉を製造した。
上記で製造した大豆粉を2軸エクストルーダー(株式会社スエヒロEPM:EA−100)に投入し、上記大豆粉75に対して25の割合(重量比)で水を加え、中間バレル部の温度を80℃に設定して加熱保持し、スクリュー回転数は250rpmで混練して、調製した混練物を該2軸エクストルーダーから取り出し、主原料である大豆粉混練物を得た。
次に、上記2軸エクストルーダー内へ、上記で調製した主原料である大豆粉混練物70重量部(このうち乾燥重量部は大豆粉換算で52.5重量部(全原料の乾燥重量あたり63.64重量%))、および、該大豆粉混練物に対して、副原料であるコーンスターチ湿熱処理澱粉(三和澱粉工業株式会社:デリカスター)27重量部(全原料の乾燥重量あたり32.73重量%)、塩化カルシウム粉末(株式会社富田製薬株式会社:塩化カルシウム)3重量部(全原料の乾燥重量あたり3.64重量%)を投入した。上記全原料の乾燥重量65に対して35の割合(重量比)で水を加え、中間バレル部の温度を70℃に設定して加熱保持し、スクリュー回転数は100rpmで混練し、得られた混練物を先端バレル及びダイ部で冷却しながら6mm×1mmの長方形の穴から押出し、カッティング成形を行なった。得られた押出物を棚式乾燥機にて80℃で120分間乾燥し、人造米を得た。
次に、実施例3として、大豆粉混練物を調製する時のエクストルーダーの中間バレル部の加熱保持温度を80℃から100℃に変更した以外は、実施例2と同様にして人造米を製造した。
また、実施例4として、大豆粉混練物を調製する時のエクストルーダーの中間バレル部の加熱保持温度を80℃から140℃に変更した以外は、実施例2と同様にして人造米を製造した。
一方、比較例3として、大豆粉混練物を調製する時のエクストルーダーの中間バレル部の加熱保持温度を80℃から70℃に変更した以外は、実施例2と同様にして人造米を製造した。
また、比較例4として、大豆粉混練物を調製する時のエクストルーダーの中間バレル部の加熱保持温度を80℃から160℃に変更した以外は、実施例2と同様にして人造米を製造した。
このようにして得られた各人造米の官能評価を実施例1と同様にして行った。
各人造米の製造条件、及び官能評価結果を表2に示した。
Figure 0004953452
表2に示す如く、大豆粉混練物調製時の中間バレル部の温度は、80℃から140℃の範囲では、炊飯調理直後だけでなく、喫食時においても、良好な食感や外観を示していた。
これに対して、大豆粉混練物調製時の中間バレル部の温度が70℃であると、外観は、炊飯直後は良好であったが、喫食時には低下し、食感は炊飯調理直後から強い違和感が感じられた。また、大豆粉混練物調製時の中間バレル部の温度が160℃であると、炊飯調理直後から、食感、外観とも低い評価であったが、喫食時にはさらに低下し、食するに適さないものとなった。
これらのことから、喫食時の中間バレル部の温度を、75〜155℃の範囲の温度、特に80〜140℃の範囲の温度に設定することが必要であることが分かった。
実施例5〜7及び比較例5
実施例5として、以下のようにして人造米を製造した。
乾燥した大豆(品種スズユタカ)を衝突式の脱皮機にて脱皮処理後、40℃に維持しながら衝突式の粉砕機にて粉砕した大豆粉を製造した。
上記で製造した大豆粉を2軸エクストルーダー(株式会社スエヒロEPM:EA−100)に投入し、上記大豆粉75に対して25の割合(重量比)で水を加え、中間バレル部の温度を100℃に設定して加熱保持し、スクリュー回転数は250rpmで混練して、調製した混練物を該2軸エクストルーダーから取り出し、主原料である大豆粉混練物を得た。
次に、上記2軸エクストルーダー内へ、上記で調製した主原料である大豆粉混練物70重量部(このうち乾燥重量部は大豆粉換算で52.5重量部(全原料の乾燥重量あたり63.64重量%))、および、該大豆粉混練物に対して、コーンスターチ湿熱処理澱粉(三和澱粉工業株式会社:デリカスター)27重量部(全原料の乾燥重量あたり32.73重量%)、塩化カルシウム粉末(株式会社富田製薬株式会社:塩化カルシウム)3重量部(全原料の乾燥重量あたり3.64重量%)を投入し、上記全原料の乾燥重量65に対して35の割合(重量比)で水を加え、中間バレル部の温度を70℃に設定して加熱保持し、スクリュー回転数は100rpmで混練し、得られた混練物を先端バレル及びダイ部で冷却しながら6mm×1mmの長方形の穴から押出し、カッティング成形を行なった。得られた押出物を棚式乾燥機にて80℃で120分間乾燥し、人造米を得た。
次に、実施例6として、主原料である大豆粉混練物および副原料であるコーンスターチ湿熱処理澱粉と塩化カルシウムを混練する時のエクストルーダーの中間バレル部の加熱保持温度を70℃から0℃に変更した以外は、実施例5と同様にして人造米を製造した。
また、実施例7として、主原料である大豆粉混練物および副原料であるコーンスターチ湿熱処理澱粉と塩化カルシウムを混練する時のエクストルーダーの中間バレル部の加熱保持温度を70℃から90℃に変更した以外は、実施例5と同様にして人造米を製造した。
一方、比較例5として、主原料である大豆粉混練物および副原料であるコーンスターチ湿熱処理澱粉と塩化カルシウムを混練する時のエクストルーダーの中間バレル部の加熱保持温度を70℃から100℃に変更した以外は、実施例5と同様にして人造米を製造した。
このようにして得られた各人造米の官能評価は実施例1と同様に行った。
各人造米の製造条件、及び官能評価結果を表3に示した。
Figure 0004953452
表3に示す如く、主原料である大豆混練物と副原料を混合して、混練成形する時の中間バレル部の設定温度は、実施例6の0℃から実施例7の90℃の程度の範囲に設定することが必要であり、この範囲内であれば、炊飯調理直後の食感や外観が、ほぼ維持することができることが分かる。
一方、混練成形する時の中間バレル部の設定温度を100℃にした場合では、炊飯調理直後の食感や外観は良好であったが、喫食時には、評価は大きく低下しており、中間バレル部の設定温度が高いと喫食時間までに食感や外観が急激に劣化することが分かった。
実施例8〜11
実施例8として、以下のようにして人造米を製造した。
乾燥した大豆(品種スズユタカ)を衝突式の脱皮機にて脱皮処理後、40℃に維持しながら衝突式の粉砕機にて粉砕した大豆粉を製造した。
上記で製造した大豆粉を2軸エクストルーダー(株式会社スエヒロEPM:EA−100)に投入し、上記大豆粉75に対して25の割合(重量比)で水を加え、中間バレル部の温度を100℃に設定して加熱保持し、スクリュー回転数は250rpmで混練して、調製した混練物を該2軸エクストルーダーから取り出し、主原料である大豆粉混練物を得た。
次に、上記2軸エクストルーダー内へ、上記で調製した主原料である大豆粉混練物70重量部(このうち乾燥重量部は大豆粉換算で52.5重量部(全原料の乾燥重量あたり63.64重量%))、および、該大豆粉混練物に対して、コーンスターチ湿熱処理澱粉(三和澱粉工業株式会社:デリカスター)27重量部(全原料の乾燥重量あたり32.73重量%)、塩化カルシウム粉末(株式会社富田製薬株式会社:塩化カルシウム)3重量部(全原料の乾燥重量あたり3.64重量%)を投入し、上記全原料の乾燥重量65に対して35の割合(重量比)で水を加え、中間バレル部の温度を70℃に設定して加熱保持し、スクリュー回転数は100rpmで混練し、得られた混練物を先端バレル及びダイ部で冷却しながら6mm×1mmの長方形の穴から押出し、カッティング成形を行なった。得られた押出物を棚式乾燥機にて80℃で120分間乾燥し、人造米を得た。
次に、実施例9として、コーンスターチ湿熱処理澱粉(27重量部)を、馬鈴薯澱粉エーテル架橋澱粉(松谷化学工業株式会社:ファリネックスVA70)27重量部に変更した以外は、実施例8と同様にして人造米を製造した。
また、実施例10として、コーンスターチ湿熱処理澱粉(27重量部)を、馬鈴薯澱粉湿熱処理澱粉(三和澱粉工業株式会社:HP−50)27重量部に変更した以外は、実施例8と同様にして人造米を製造した。
さらに、実施例11として、コーンスターチ湿熱処理澱粉(27重量部)を、コーンスターチ湿熱処理澱粉(三和澱粉工業株式会社:デリカスター)15重量部と馬鈴薯澱粉湿熱処理澱粉(三和澱粉工業株式会社:HP−50)12重量部の混合物に変更した以外は、実施例8と同様にして人造米を製造した。
このようにして得られた各人造米の官能評価は実施例1と同様に行った。
各人造米の製造条件、及び官能評価結果を表4に示した。
Figure 0004953452
表4に示す如く、副原料として化工澱粉類を使用すると、炊飯調理直後の官能評価はいずれも良好であり、喫食時においても大きく評価は低下しなかった。特に、湿熱処理澱粉では炊飯調理直後の官能評価と喫食時の官能評価が同じであり、喫食時間中の品質の低下が見られず、副原料として特に好ましいことが分かった。
本発明の人造米は、米飯の代替として、或いは精白米に混ぜて炊飯調理しても、抵抗感なく食することができるため、大豆の豊富な栄養素を無理なく継続的に摂取することが期待される。また、喫食状態で長時間放置される業務用米飯や米飯加工食品への利用が可能である。

Claims (8)

  1. 大豆粉および水をエクストルーダーに投入して混練し、調製された大豆粉混練物を主原料とし、化工澱粉類を副原料として用いて製造された人造米。
  2. 前記大豆粉混練物が、大豆粉および水をエクストルーダーに投入して75〜155℃に保持された中間バレル部で混練し調製されたものである、請求項1に記載の人造米。
  3. 前記調製された大豆粉混練物を前記エクストルーダーから取り出した後、主原料である該大豆粉混練物および副原料である化工澱粉類をエクストルーダーに投入して混練し、得られた混練物を用いて製造された請求項1又は2に記載の人造米。
  4. 前記化工澱粉類が、湿熱処理澱粉である請求項1乃至3のいずれかに記載の人造米。
  5. 副原料としてさらにカルシウム塩を用いる、請求項1乃至4のいずれかに記載の人造米。
  6. 大豆粉および水をエクストルーダーに投入して、中間バレル部の温度を75〜155℃に保持して混練して主原料である大豆粉混練物を調製し、該大豆粉混練物を該エクストルーダーから取り出した後、主原料である該大豆粉混練物および副原料である化工澱粉類をエクストルーダーに投入して、中間バレル部の温度を0〜95℃に保持してさらに混練し、得られた混練物を押出し成形して米粒状の形状に成形し、乾燥させることを特徴とする、人造米の製造方法。
  7. 前記化工澱粉類が、湿熱処理澱粉である請求項6に記載の人造米の製造方法。
  8. 副原料としてさらにカルシウム塩を用いる、請求項6又は7に記載の人造米の製造方法。
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