JP7298328B2 - インテークマニホールド - Google Patents

Description

本発明は、インテークマニホールドに関し、さらに詳しくは、サージタンクを取り巻くように複数の吸気管が並設されるインテークマニホールドに関する。

従来のインテークマニホールドとして、吸気導入口と、吸気導入口から吸気が導入されるサージタンクと、サージタンクから分岐して該サージタンクを取り巻くように並設される複数の吸気管と、を備え、サージタンクの複数の吸気管の並び方向の一端側に吸気導入口が接続されているものが一般に知られている（例えば、特許文献１及び２等参照）。

特許文献１には、各吸気管への吸気の分配性を高めるために、サージタンクの内壁に突起を設ける技術が開示されている。また、特許文献２には、各吸気管への吸気の分配性を高めるために、サージタンクの吸気の流れの奥行き領域側に制御壁を設けて小さな断面積の空間を形成する技術が開示されている。

特開２００９－２０３９６６号公報 特開２０１３－０５３５８２号公報

しかし、上記特許文献１及び２に記載された技術では、サージタンクの表面に各吸気管が単純に接続されているため、サージタンク内を流れる吸気が各吸気管に導入される際に、吸気の進路が急激に変わり、圧力損失が高くなる。特に、特許文献１に記載された技術では、サージタンクの内壁に突起を設けているため、サージタンク内での圧力損失が高くなる。さらに、特許文献２に記載された技術では、サージタンクの吸気の流れの奥行き領域側に制御壁を設けて小さな断面積の空間を形成しているので、吸気導入口の形状等によっては、吸気導入口に最も近い吸気管に吸気が流れ易くなる。

本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、圧力損失を低減しつつ各吸気管への吸気の分配性を高めることができるインテークマニホールドを提供することを目的とする。

上記問題を解決するために、請求項１に記載の発明は、吸気導入口と、前記吸気導入口から吸気が導入されるサージタンクと、前記サージタンクから分岐して該サージタンクを取り巻くように並設される複数の吸気管と、を備え、前記サージタンクの前記吸気管の並び方向の一端側に前記吸気導入口が接続されているインテークマニホールドであって、前記サージタンクには、前記吸気管の並び方向にわたって段差部が設けられており、前記段差部は、前記サージタンクの表面から立ち上がり且つ前記複数の吸気管が接続された立壁と、前記立壁の先端側と前記サージタンクの表面とを連絡する湾曲壁と、を有し、前記サージタンクには、前記吸気管の並び方向の中間部に前記段差部に向かって凹む凹部が設けられていることを要旨とする。
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の発明において、前記凹部は、前記サージタンクに対する前記吸気導入口の接続口に対向する壁面を有することを要旨とする。
請求項３に記載の発明は、請求項１又は２に記載の発明において、前記複数の吸気管は、前記吸気導入口に近い順に並べられる第１吸気管、第２吸気管及び第３吸気管を少なくとも備え、前記凹部の最深部は、前記吸気管の並び方向において、前記立壁に対する前記第２吸気管の接続口と対応する位置に配置されていることを要旨とする。

本発明のインテークマニホールドによると、サージタンクには、吸気管の並び方向にわたって段差部が設けられており、段差部は、サージタンクの表面から立ち上がり且つ複数の吸気管が接続された立壁と、立壁の先端側とサージタンクの表面とを連絡する湾曲壁と、を有し、サージタンクには、吸気管の並び方向の中間部に段差部に向かって凹む凹部が設けられている。これにより、吸気導入口からサージタンク内に導入される吸気は、凹部の壁面や段差部の湾曲壁で進路が緩やかに変更されて各吸気管へ導入される。その結果、圧力損失を低減しつつ各吸気管への吸気の分配性を高めることができる。
また、前記凹部が、前記サージタンクに対する前記吸気導入口の接続口に対向する壁面を有する場合は、圧力損失を更に低減しつつ各吸気管への吸気の分配性を更に高めることができる。
さらに、前記複数の吸気管が、第１吸気管、第２吸気管及び第３吸気管を少なくとも備え、前記凹部の最深部が、前記吸気管の並び方向において、前記立壁に対する前記第２吸気管の接続口と対応する位置に配置されている場合は、圧力損失を更に低減しつつ各吸気管への吸気の分配性を更に高めることができる。

本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
実施例に係るインテークマニホールドの斜視図である。 図１のＩＩ矢視図である。 図２のＩＩＩ矢視図である。 図２のＩＶ矢視図である。 図２のＶ矢視図である。 図２のＶＩ矢視図である。 図２の要部断面図であり、（ａ）はａ－ａ線断面を示し、（ｂ）はｂ－ｂ線断面を示し、（ｃ）はｃ－ｃ線断面を示し、（ｄ）はｄ－ｄ線断面を示す。 図２の要部断面図であり、（ｅ）はｅ－ｅ線断面を示し、（ｆ）はｆ－ｆ線断面を示し、（ｇ）はｇ－ｇ線断面を示す。

ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。

本実施形態に係るインテークマニホールド（１）は、例えば、図１及び図２等に示すように、吸気導入口（２）と、吸気導入口（２）から吸気が導入されるサージタンク（３）と、サージタンク（３）から分岐して該サージタンク（３）を取り巻くように並設される複数の吸気管（１１～１４）と、を備え、サージタンク（３）の吸気管の並び方向（Ｐ）の一端側に吸気導入口（２）が接続されている。そして、例えば、図４、図５及び図７等に示すように、サージタンク（３）には、吸気管の並び方向（Ｐ）にわたって段差部（５）が設けられており、段差部（５）は、サージタンク（３）の表面から立ち上がり且つ複数の吸気管（１１～１４）が接続された立壁（６）と、立壁（６）の先端側とサージタンク（３）の表面とを連絡する湾曲壁（７）と、を有する。さらに、例えば、図１及び図２等に示すように、サージタンク（３）には、吸気管の並び方向（Ｐ）の中間部に段差部（５）に向かって凹む凹部（８）が設けられている。

本実施形態に係るインテークマニホールド（１）としては、例えば、図８等に示すように、上記凹部（８）は、サージタンク（３）に対する吸気導入口（２）の接続口（２ａ）に対向する壁面（９）を有する形態が挙げられる。

本実施形態に係るインテークマニホールド（１）としては、例えば、図７及び図８等に示すように、上記複数の吸気管は、吸気導入口（２）に近い順に並べられる第１吸気管（１１）、第２吸気管（１２）及び第３吸気管（１３）を少なくとも備え、凹部（８）の最深部（８ａ）は、吸気管の並び方向（Ｐ）において、立壁（６）に対する第２吸気管（１２）の接続口（１２ａ）と対応する位置に配置されている形態が挙げられる。

なお、上記実施形態で記載した各構成の括弧内の符号は、後述する実施例に記載の具体的構成との対応関係を示すものである。

以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。

（１）インテークマニホールドの構成
本実施例に係るインテークマニホールド１は、図１～図６に示すように、吸気が導入される吸気導入口２と、吸気導入口２から吸気が導入されるサージタンク３と、サージタンク３から分岐して該サージタンク３を取り巻くように並設される４本の第１吸気管１１、第２吸気管１２、第３吸気管１３及び第４吸気管１４と、を備えている。このインテークマニホールド１は、複数の樹脂部品を溶着等で接合して構成されている。

上記吸気導入口２は、サージタンク３の吸気管の並び方向Ｐの一端側に接続されている。この吸気導入口２は、その軸心が吸気管の並び方向Ｐに対して傾斜する筒状に形成されている。また、吸気導入口２は、後述の凹部８の底側に向かってサージタンク３内に吸気を導入するように設けられている（図２参照）。

上記サージタンク３は、吸気管の並び方向Ｐに長尺となる容器状に形成されている。このサージタンク３には、吸気管の並び方向Ｐにわたって段差部５が外方に膨出して設けられている。この段差部５は、サージタンク３の表面から立ち上がり且つ各吸気管１１～１４の一端側が接続された立壁６と、立壁６の先端側とサージタンク３の表面とを連絡する湾曲壁７と、を有している（図４、図５及び図７参照）。この湾曲壁７は、各吸気管１１～１４と反対側に延びている。

上記サージタンク３には、吸気管の並び方向Ｐの中間部に段差部５に向かって椀状に凹む凹部８が設けられている。この凹部８の最深部８ａは、吸気管の並び方向Ｐにおいて、立壁６に対する第２吸気管１２の接続口１２ａと対応する位置に配置されている（図７及び図８参照）。また、凹部８は、サージタンク３に対する吸気導入口２の接続口２ａと対向する壁面９を有している（図８（ｆ）参照）。

（２）インテークマニホールドの作用
次に、上記構成のインテークマニホールド１の作用について説明する。このインテークマニホールド１では、エンジン稼働時に吸気導入口２からサージタンク３内に吸気が導入される。その導入された吸気は、凹部８の壁面９や段差部５の湾曲壁７で進路が緩やかに変更され、各吸気管１１～１４へ分配されてエンジンの各吸気ポートへ送られる。

具体的に、図７及び図８中に仮想線で示すように、吸気導入口２からサージタンク３内に導入された吸気のうちで、凹部８の壁面９及び段差部５の湾曲壁７により案内される吸気が主に第１吸気管１１に分配される。また、凹部８の最深部８ａの下側を流れる吸気が主に第２吸気管１２に分配される。さらに、凹部８の浅い部分の下側や凹部８を回避して流れる吸気が主に第３及び第４吸気管１３、１４に分配される。

（３）実施例の効果
本実施例のインテークマニホールド１によると、サージタンク３には、吸気管の並び方向Ｐにわたって段差部５が設けられており、段差部５は、サージタンク３の表面から立ち上がり且つ複数の吸気管１１～１４が接続された立壁６と、立壁６の先端側とサージタンク３の表面とを連絡する湾曲壁７と、を有し、サージタンク３には、吸気管の並び方向Ｐの中間部に段差部５に向かって凹む凹部８が設けられている。これにより、吸気導入口２からサージタンク３内に導入される吸気は、凹部８の壁面９や段差部５の湾曲壁７で進路が緩やかに変更されて各吸気管１１～１４へ導入される。その結果、圧力損失を低減しつつ各吸気管１１～１４への吸気の分配性を高めることができる。

さらに、本実施例では、凹部８は、サージタンク３に対する吸気導入口２の接続口２ａに対向する壁面９を有する。これにより、圧力損失を更に低減しつつ各吸気管１１～１４への吸気の分配性を更に高めることができる。

さらに、本実施例では、凹部８の最深部８ａは、吸気管の並び方向Ｐにおいて、立壁６に対する第２吸気管１２の接続口１２ａと対応する位置に配置されている。これにより、圧力損失を更に低減しつつ各吸気管１１～１４への吸気の分配性を更に高めることができる。

尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。すなわち、上記実施例では、４本の吸気管１１～１４を備えるインテークマニホールド１を例示したが、これに限定されず、例えば、３本又は５本以上の吸気管を備えるインテークマニホールド１としてもよい。

さらに、上記実施例では、樹脂製のインテークマニホールド１を例示したが、これに限定されず、例えば、金属製のインテークマニホールド１としてもよい。

前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。

本発明は上記で詳述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形または変更が可能である。

本発明は、乗用車、バス、トラック等の車両などで使用されるエンジンの各吸気ポートに吸気を供給するインテークマニホールドに関する技術として広く利用される。

１；インテークマニホールド、２；吸気導入口、２ａ；吸気導入管の接続口、３；サージタンク、５；段差部、６；立壁、７；湾曲壁、８；凹部、８ａ；凹部の最深部、９；壁面、１１、第１吸気管、１２、第２吸気管、１２ａ；第２吸気管の接続口、１３、第３吸気管、１４、第４吸気管、Ｐ；吸気管の並び方向。

Claims (3)

1. 吸気導入口と、前記吸気導入口から吸気が導入されるサージタンクと、前記サージタンクから分岐して該サージタンクを取り巻くように並設される複数の吸気管と、を備え、前記サージタンクの前記吸気管の並び方向の一端側に前記吸気導入口が接続されており、前記サージタンクの前記吸気管の並び方向の一端側から導入される吸気が他端側に向かって流れるインテークマニホールドであって、
   前記サージタンクには、前記吸気管の並び方向にわたって、前記サージタンクの表面から立ち上がり且つ前記複数の吸気管が接続された立壁と、前記立壁の先端側と前記サージタンクの表面とを連絡する湾曲壁と、が設けられており、
   前記サージタンクには、前記吸気管の並び方向の中間部における前記立壁と異なる部位に前記立壁及び前記湾曲壁に向かって凹む凹部が設けられており、
   前記凹部は、複数の前記吸気管への吸気の分配性を高めるために、前記サージタンクにおいて前記吸気管で覆われる側の表面部に配置されていることを特徴とするインテークマニホールド。
2. 前記凹部は、前記サージタンクに対する前記吸気導入口の接続口に対向する壁面を有する請求項１に記載のインテークマニホールド。
3. 前記複数の吸気管は、前記吸気導入口に近い順に並べられる第１吸気管、第２吸気管及び第３吸気管を少なくとも備え、
   前記凹部の最深部は、前記吸気管の並び方向において、前記立壁に対する前記第２吸気管の接続口と対応する位置に配置されている請求項１又は２に記載のインテークマニホールド。

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