JP7125971B2 - 車体前部構造、及び、車体前部の製造方法 - Google Patents

車体前部構造、及び、車体前部の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、車体前部構造、及び、車体前部の製造方法に関するものである。
車両の車体前部構造として、略矩形断面のアッパメンバが左右のフロントピラーから車両前方に向かって延び、アッパメンバの付根部に、車幅方向に沿って延びるダッシュアッパパネルが連結されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の車体前部構造は、ダッシュアッパパネルの車幅方向外側の端部がアッパメンバの車幅方向内側の側壁を貫通し、ダッシュアッパパネルの端部に設けられた屈曲フランジがアッパメンバの車幅方向外側の側壁に突き当てられ、その側壁に溶接によって固定されている。アッパメンバの車幅方向外側の側壁には、溶接ガンを挿入するための作業孔が形成されている。ダッシュアッパパネルの屈曲フランジとアッパメンバの車幅方向外側の側壁との溶接は作業孔を通して行われる。また、ダッシュアッパパネルの後部にはフロントウインドシールガラスの下端を支持するカウルトップパネルが連結され、カウルトップパネルの車幅方向外側にはカウルサイドパネルが結合されている。カウルサイドパネルの下縁部は、アッパメンバの車幅方向内側の側壁に溶接等によって固定されている。
特許第4547610号公報
上記の車体前部構造は、ダッシュアッパパネルの車幅方向外側の端部がアッパメンバの断面を横切って外側の側壁に溶接固定されているため、ダッシュアッパパネルの端部をアッパメンバの付根部に高い剛性をもって連結することができる。しかし、上記の車体前部構造の場合、ダッシュアッパパネルの端部をアッパメンバの車幅方向外側の側壁に溶接するために、アッパメンバの側壁に溶接用の作業孔を形成しなけれずならず、作業孔によってアッパメンバの強度が低下することが懸念される。また、上記の車体前部構造は、ダッシュアッパパネルの端部とアッパメンバの側壁を接合するための溶接作業を、作業孔を通して行う必要があるため、接合作業の効率が悪く、この点の改善が望まれている。
そこで本発明は、不要な溶接用の作業孔を設けることなく、ダッシュアッパパネルをカウルサイドパネルとともにアッパメンバに効率良く接合することができる車体前部構造、及び、車体前部の製造方法を提供しようとするものである。
本発明に係る車体前部構造は、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
即ち、本発明に係る車体前部構造は、車幅方向外側に開口する断面略コ字状のアッパメンバ本体(例えば、実施形態のアッパメンバ本体11)と、前記アッパメンバ本体の開口を閉塞するように前記アッパメンバ本体に結合されたアッパメンバ蓋部材(例えば、実施形態のアッパメンバ蓋部材12)と、を有するアッパメンバ(例えば、実施形態のアッパメンバ10)と、下縁部(例えば、実施形態の下縁部16e)が前記アッパメンバ本体の車幅方向内側の側壁に結合されるカウルサイドパネル(例えば、実施形態のカウルサイドパネル16)と、車幅方向外側の端部が前記アッパメンバ本体の車幅方向内側の側壁に結合されるダッシュアッパパネル(例えば、実施形態のダッシュアッパパネル13)と、を備え、前記アッパメンバ本体は、上壁と車幅方向内側の側壁の一部が連続的に切り欠かれた切欠き部(例えば、実施形態の切欠き部18)を有するアッパメンバベース部(例えば、実施形態のアッパメンバベース部19)と、前記切欠き部をほぼ閉塞するように前記アッパメンバベース部に結合される上部分割片(例えば、実施形態の上部分割片20)と、を備え、前記カウルサイドパネルと前記上部分割片は、前記カウルサイドパネルの前記下縁部と前記上部分割片の分割片側壁(例えば、実施形態の分割片側壁20s)とが第1接合部(例えば、実施形態の第1接合部W1)で接合されて、上部構造体(例えば、実施形態の上部構造体24)を構成し、前記ダッシュアッパパネルと前記アッパメンバベース部は、前記ダッシュアッパパネルの端部に上方に屈曲して設けられた折り曲げフランジ(例えば、実施形態の折り曲げフランジ13f)と前記アッパメンバベース部のベース部側壁(例えば、実施形態のベース部側壁19s)とが第2接合部(例えば、実施形態の第2接合部W2)で接合されて、ベース部構造体(例えば、実施形態のベース部構造体26)を構成し、前記上部構造体と前記ベース部構造体は、前記カウルサイドパネルの前記下縁部と前記ベース部側壁の前記切欠き部の縁部とが第3接合部(例えば、実施形態の第3接合部W3)で接合されて、骨格構造体(例えば、実施形態の骨格構造体27)を構成し、前記骨格構造体と前記アッパメンバ蓋部材とは、前記アッパメンバ蓋部材の上下の各端部から車幅方向外側に延びる各フランジ部(例えば、実施形態のフランジ部12fu,12fl)が前記上部分割片の分割片上壁(例えば、実施形態の分割片上壁20u)と前記アッパメンバベース部のベース部下壁(例えば、実施形態のベース部下壁19l)に第4接合部(例えば、実施形態の第4接合部W4)と第5接合部(例えば、実施形態の第5接合部W5)によって夫々接合されていることを特徴とする。
上記の構成により、上部構造体は、カウルサイドパネルの下縁部と上部分割片の分割片側壁が第1接合部で接合されて構成される。上部分割片はアッパメンバ本体の大型のアッパメンバベース部と別体部材であるため、第1接合部において、カウルサイドパネルの下縁部に対して挟み込みスポット溶接によって容易に接合することができる。
ベース部構造体は、ダッシュアッパパネルの端部の折り曲げフランジとアッパメンバベース部のベース部側壁が第2接合部で接合されて構成される。アッパメンバベース部には、上壁と側壁の一部が連続して切り欠かれた切欠き部が設けられているため、ダッシュアッパパネルの端部の折り曲げフランジとベース部側壁とは、第2溶接部において、挟み込みスポット溶接によって容易に接合することができる。
骨格構造体は、カウルサイドパネルの下縁部とベース部側壁の切欠き部の縁部とが第3接合部で接合されて構成される。カウルサイドパネルの下縁部とベース部側壁の周域は袋構造ではないため、カウルサイドパネルの下縁部とベース部側壁とは、第3溶接部において、挟み込みスポット溶接によって容易に接合することができる。
上記のように構成された骨格構造体とアッパメンバ蓋部材とは、アッパメンバ蓋部材の上側のフランジ部が上部分割片の分割片上壁に第4接合部で接合されるとともに、アッパメンバ蓋部材の下側のフランジ部がアッパメンバベース部のベース部下壁に第5接合部で接合される。第4接合部と第5接続部の各周囲はいずれも袋構造ではないため、アッパメンバ蓋部材は、第4接合部と第5接合部において、分割片上壁とベース部下壁に挟み込みスポット溶接によって容易に接合することができる。
前記カウルサイドパネルの前記下縁部は、前記アッパメンバベース部の前記ベース部側壁の車幅方向内側面に重ねられて前記第3接合部によって接合され、前記カウルサイドパネルの前記下縁部のうちの、前記第3接合部よりも下方には、下方に向かって車幅方向外側に傾斜するガイド壁(例えば、実施形態のガイド壁25)が設けられるようにしても良い。
この場合、上部構造体をベース部構造体に対して上方から組み付ける際に、アッパメンバベース部の切欠き部の縁部がカウルサイドパネルのガイド壁に当接することにより、カウルサイドパネルの下縁部をベース部側壁の車幅方向内側面に重なる位置に案内することができる。したがって、本構成を採用した場合には、ベース部構造体に対する上部構造体の組付けを効率良く行うことができる。
前記上部構造体の前記上部分割片の後部は、前記ダッシュアッパパネルの後部に下方から支持され、前記上部構造体の前記上部分割片の前部は、前記アッパメンバベース部のベース部上壁(例えば、実施形態のベース部上壁19u)に下方から支持されるようにしても良い。
この場合、上部構造体をベース部構造体に対して上方から組み付ける際に、上部分割片の前後がベース部上壁とダッシュアッパパネルの後部に下方から支持されるため、上部構造体をアッパメンバベース部に対して上下方向に精度良く位置決めすることができる。したがって、本構成を採用した場合には、ベース部構造体に対する上部構造体の組付けをさらに効率良く行うことができる。
前記分割片側壁と、その下方に位置される前記ベース部側壁の間には、前記ダッシュアッパパネルの上面から前記アッパメンバの断面内に水滴を排水するための排水口(例えば、実施形態の排水口22f,22r)が設けられ、前記排水口の近傍に前記第3接合部が設けられるようにしても良い。
この場合、アッパメンバベース部のベース部側壁のうちの排水口が形成されることによって強度が低下する部分の近傍を第3接合部によって補強することができる。
前記アッパメンバベース部の前記切欠き部の下方には、縦方向の断面が略L字状で、前記アッパメンバベース部の前記ベース部側壁の車外側面とベース部下壁の上面とに接合されるスティフナ(例えば、実施形態のスティフナ28)が配置され、前記スティフナは、前記排水口の下方で前記ベース部側壁との溶接点(例えば、実施形態の溶接点P)が上下方向に複数並ぶ補強接合部(例えば、実施形態の補強接合部30)を有する構成としても良い。
この場合、アッパメンバベース部のベース部側壁のうちの排水口が形成される部分の下方を、スティフナの補強接合部によって補強することができる。
前記補強接合部を構成する複数の前記溶接点のうちの、少なくとも一つは、サスペンションのダンパの上部を支持するダンパベース(例えば、実施形態のダンパベース17)と接合される接合部であることが望ましい。
この場合、衝撃荷重を受けても変形しにくい強固な部品であるダンパベースが、補強接合部の少なくとも1つの溶接点に接合されるため、アッパメンバベース部のベース部側壁のうちの排水口が形成される部分の近傍の強度をさらに高めることができる。
前記カウルサイドパネルは、フロントウインドシールガラスの下端を支持するカウルトップパネル(例えば、実施形態のカウルトップパネル15)の車幅方向外側の端部に一体に結合され、前記ダッシュアッパパネルは、前記カウルトップパネルと前記カウルサイドパネルとともにボックス形状を成し、前記アッパメンバの車幅方向内側には、サスペンションのダンパの上部を支持するダンパベース(例えば、実施形態のダンパベース17)が配置され、前記ダンパベースは、前記アッパメンバと前記ダッシュアッパパネルの下面とに結合されるようにしても良い。
この場合、ダンパベースが、カウルトップパネル及びカウルサイドパネルとともにボックス形状を成すダッシュアッパパネルの下面と、閉断面形状のアッパメンバとに結合されることになる。このため、サスペンションの上部を、ダンパベースを通して車体に高い剛性をもって支持させることができる。
前記アッパメンバ蓋部材の後部は、フロントピラー(例えば、実施形態のフロントピラー3)の車幅方向外側面に機械結合されているようにしても良い。
この場合、アッパメンバの後部がフロントピラーに高い剛性をもって支持されることになるため、ダンパベースを通したサスペンションの上部の支持剛性をより高めることができる。
前記ダッシュアッパパネルは、車幅方向と交差する断面が上向きに開口するハット形の断面形状に形成されるとともに、後縁部が、フロントウインドシールガラスの下端を支持するカウルトップパネル(例えば、実施形態のカウルトップパネル15)とダッシュロアパネル(例えば、実施形態のダッシュロアパネル14)とに結合されるようにしても良い。
この場合、ダッシュアッパパネルが上向きに開口するハット形の断面形状があることから、ダッシュアッパパネルの剛性を高めることができるとともに、ダッシュアッパパネルの断面内に流れ込む水滴の排水性を高めることができる。
本発明に係る車体前部の製造方法は、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
車幅方向外側に開口する断面略コ字状のアッパメンバ本体(例えば、実施形態のアッパメンバ本体11)と、前記アッパメンバ本体の開口を閉塞するように前記アッパメンバ本体に結合されたアッパメンバ蓋部材(例えば、実施形態のアッパメンバ蓋部材12)と、を有するアッパメンバ(例えば、実施形態のアッパメンバ10)と、下縁部(例えば、実施形態の下縁部16e)が前記アッパメンバ本体の車幅方向内側の側壁に結合されるカウルサイドパネル(例えば、実施形態のカウルサイドパネル16)と、車幅方向外側の端部が前記アッパメンバ本体の車幅方向内側の側壁に結合されるダッシュアッパパネル(例えば、実施形態のダッシュアッパパネル13)と、を備え、前記アッパメンバ本体は、上壁と車幅方向内側の側壁の一部が連続的に切り欠かれた切欠き部(例えば、実施形態の切欠き部18)を有するアッパメンバベース部(例えば、実施形態のアッパメンバベース部19)と、前記切欠き部をほぼ閉塞するように前記アッパメンバベース部に結合される上部分割片(例えば、実施形態の上部分割片20)と、を備えている車体前部の製造方法において、前記カウルサイドパネルの前記下縁部と前記上部分割片の分割片側壁(例えば、実施形態の分割片側壁20s)とを接合して上部構造体(例えば、実施形態の上部構造体24)を形成する工程と、前記ダッシュアッパパネルの端部の折り曲げフランジ(例えば、実施形態の折り曲げフランジ13f)と前記アッパメンバベース部のベース部側壁(例えば、実施形態のベース部側壁19s)とを接合してベース部構造体(例えば、実施形態のベース部構造体26)を形成する工程と、前記上部構造体の前記カウルサイドパネルの前記下縁部と前記ベース部構造体の前記ベース部側壁の前記切欠き部の縁部とを接合して骨格構造体を形成する工程と、前記アッパメンバ蓋部材の上下の各端部から車幅方向外側に延びる各フランジ部(例えば、実施形態のフランジ部12fu,12fl)を、前記骨格構造体の前記上部分割片の分割片上壁(例えば、実施形態の分割片上壁20u)と前記アッパメンバベース部のベース部下壁(例えば、実施形態のベース部下壁19l)に接合する工程と、を有することを特徴とする。
本発明に係る車体前部構造は、以下の方法によって車体前部を製造することができる。
最初に、カウルサイドパネルの下縁部と上部分割片の分割片側壁を第1接合部で接合して上部構造体を形成するとともに、ダッシュアッパパネルの折り曲げフランジとアッパメンバベース部のベース部側壁を第2接合部で接合してベース部構造体を形成し、その後にカウルサイドパネルの下縁部とベース部側壁の切欠き部の縁部とを第3接合部で接合して骨格構造体を形成する。この後に、アッパメンバ蓋部材の上側のフランジ部を上部分割片の分割片上壁に第4接合部で接合し、アッパメンバ蓋部材の下側のフランジ部をアッパメンバベース部のベース部下壁に第5接合部で接合する。
したがって、本発明に係る車体前部構造を採用した場合には、不要な溶接用の作業孔を設けることなく、ダッシュアッパパネルをカウルサイドパネルとともにアッパメンバに効率良く接合することができる。
実施形態の車両の前部の骨格部の斜視図。 実施形態の車両の前部の骨格部を、一部の部品を取り去って示した斜視図。 実施形態の車両の前部の骨格部を、一部の部品を取り去って示した側面図。 実施形態の車両の前部の骨格部の斜視図。 図1のV-V線に沿う断面図。 図2のVI-VI線に沿う断面図。 実施形態の車両の前部の骨格部を図2のVII-VII線部分で断面にした部分断面斜視図。 実施形態の車体前部の組付け工程を示す図5に対応する断面図。 実施形態の車体前部の組付け工程を示す図5に対応する断面図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図面の適所には、車両1の前方を指す矢印FRと、車両1の上方を指す矢印UPと、車両1の左側方を指す矢印LHが記されている。また、車両1の車体前部の骨格部は左右略対称に形成されている。このため、以下では車両の左側の構造について説明し、右側部分の構造の説明を省略する。
図1は、実施形態の車両1の車体前部を車両1の左側前部上方から見た斜視図である。
車両1は、乗員室の側部下方に、車体前後方向に沿って延びる骨格部材であるサイドシル2が配置されている。乗員室の側部前方には、サイドシル2の前端部から鉛直上方に立ち上がる骨格部材であるフロントピラー3が配置されている。サイドシル2の前端部には、車幅方向内側に延びる図示しない連結フレームを介してフロントサイドフレーム4が連結されている。フロントサイドフレーム4は、サイドシル2に対して車幅方向内側にオフセットした位置において車両前方側に延び、エンジンやモータ等を含む駆動ユニットを主に支持する。
また、フロントピラー3の上部領域には、フロントピラー3から緩やかに下方に湾曲傾斜しつつ車両前方に向かって延びるアッパメンバ10が連結されている。アッパメンバ10は、フロントサイドフレーム4よりも車幅方向外側において、車両前方側に向かって延びる骨格部材である。アッパメンバ10の前端部は、フロントサイドフレーム4の前端部と略同一高さとされている。アッパメンバ10の前端部と、その内側のフロントサイドフレーム4の前端部とはガセット5によって連結されている。
アッパメンバ10は、車幅方向外側に開口する断面略コ字状のアッパメンバ本体11と、アッパメンバ本体11の開口を閉塞するようにアッパメンバ本体11に結合されたアッパメンバ蓋部材12と、を備えている。アッパメンバ10は、上下方向の寸法が左右方向の寸法より長い縦長の略矩形状の断面形状に形成されている。
アッパメンバ10の付根部(乗員室寄りの端部)には、車幅方向に沿って延びるダッシュアッパパネル13の端部が連結されている。ダッシュアッパパネル13は、車幅方向と交差する断面が上向きに開口するハット形の断面形状に形成されている。ダッシュアッパパネル13の後縁部は、乗員室とエンジンルームの間を仕切るダッシュロアパネル14の上端部に連結されている。ダッシュアッパパネル13の後縁部には、図示しないフロントウインドシールドガラスの下端を支持するカウルトップパネル15が連結されている。カウルトップパネル15は、ダッシュアッパパネル13の上方において車幅方向に沿って延びている。カウルトップパネル15の車幅方向の中央領域は、ダッシュアッパパネル13の前縁部に接合され、ダッシュアッパパネル13とともにボックス形状を成している。
カウルトップパネル15の車幅方向外側の端部には、側面視が略三角形状のカウルサイドパネル16が連結されている。カウルサイドパネル16の下縁部は、アッパメンバ10の付根部側の車幅方向内側の側壁に連結されている。
また、アッパメンバ10の付根部側の車幅方向内側の側壁のうちの、ダッシュアッパパネル13との連結部よりも下方側部分には、フロント側のサスペンションの図示しないダンパの上部を支持するダンパベース17が連結されている。ダンパベース17の上面は、ダッシュアッパパネル13の車幅方向外側領域の下面に連結されている。ダンパベース17は、厚肉の金属プレートによって形成されている。
図2は、アッパメンバ10からアッパメンバ蓋部材12を取り外し、車体前部を車両1の左側前部上方から見た斜視図である。図3は、アッパメンバ10からアッパメンバ蓋部材12を取り外し、車体前部を車両1の左側方から見た側面図である。また、図4は、車体の左側前部を車両1のエンジンルーム側の前部上方から見た斜視図である。
これらの図に示すように、アッパメンバ本体11は、付根部側の上壁と車幅方向内側の側壁の一部が連続的に切り欠かれたアッパメンバベース部19と、アッパメンバベース部19の切欠き部18をほぼ閉塞するようにアッパメンバベース部19に結合された上部分割片20と、を備えている。
以下では、鉛直方向に垂立するアッパメンバベース部19の側壁をベース部側壁19sと称し、ベース部側壁19sの上端部から車幅方向外側に延びる上壁をベース部上壁19u、ベース部側壁19sの下端部から車幅方向外側に延びる下壁をベース部下壁19lと称する。また、鉛直方向に垂立する上部分割片20の側壁を分割片側壁20sと称し、分割片側壁20sの上端部から車幅方向外側に延びる上壁を分割片上壁20uと称する。
アッパメンバベース部19の切欠き部18は、図3に示すように、ベース部上壁19uの一部を車幅方向の全域に亘って切除し、かつ、ベース部側壁19sの一部を上端部から所定高さ範囲に亘って切除した形状とされている。ただし、ベース部側壁19sの切欠き部18の下端は、全域が車体前後方向に直線状に延びているのではなく、中央領域の直線部の前後に下方に凹状に窪む窪み部21f,21rが形成されている。切欠き部18の前後の窪み部21f,21rは、上部分割片20がアッパメンバベース部19に取り付けられたときに、上部分割片20の分割片側壁20sの下端との間に排水口22f,22rを形成する。排水口22f,22rは、ダッシュアッパパネル13の上面に流れ込んだ水滴をアッパメンバ10の断面内に排水するための孔であり、後述するダッシュアッパパネル13の前後の樋溝部23f,23rの端部が挿入される。
図5は、図1のV-V線に沿う断面図であり、図6は、図2のVI-VI線に沿う断面図である。また、図7は、図2のVII-VII線部分で断面にした車体前部の部分断面斜視図である。
カウルサイドパネル16の下縁部16eは、上部分割片20の分割片側壁20sの車幅方向内側の面に重ねられ、その状態で分割片側壁20sにスポット溶接によって接合されている。この接合部(図5参照。)を第1接合部W1と称する。こうして第1接合部W1で接合されたカウルサイドパネル16と上部分割片20は、本実施形態における上部構造体24を構成する(図8参照)。
なお、カウルサイドパネル16の下縁部16eのうちの、第1接合部W1よりも下方(後述する第3接合部W3よりも下方)には、下方に向かって車幅方向外側に傾斜するガイド壁25が設けられている。
また、ダッシュアッパパネル13の車幅方向外側領域には、前述した一対の樋溝部23f,21rが形成されている。一方の樋溝部23fは、ダッシュアッパパネル13の前部側寄りに形成され、他方の樋溝部21rは、ダッシュアッパパネル13の後部側寄りに形成されている。一対の樋溝部23fはいずれも下方に凹状に窪み、車幅方向外側の端部が排水口22f,22r内に突出している。ダッシュアッパパネル13の車幅方向外側の端部のうちの、前後の樋溝部23f,21rに挟まれた部分には、上方側に略L字状に曲げられた折り曲げフランジ13fが設けられている。
折り曲げフランジ13fは、アッパメンバベース部19のベース部側壁19sの車幅方向内側の面に突き当てられ、その状態でベース部側壁19sにスポット溶接によって接合されている。この接合部を第2接合部W2と称する。こうして第2接合部W2で接合されたダッシュアッパパネル13とアッパメンバベース部19は、本実施形態におけるベース部構造体26を構成する(図8参照)。
上部構造体24は、カウルサイドパネル16の下縁部16eが、ベース部構造体26のベース部側壁19sの切欠き部18の縁部の車幅方向内側の面に重ねられ、その状態でベース部側壁19sにスポット溶接によって接合されている。この接合部を第3接合部W3と称する。こうして第3接合部W3で接合された上部構造体24とベース部構造体26は、本実施形態における骨格構造体27を構成する(図9参照)。
ベース部側壁19s上における第3接合部W3の位置は、切欠き部18の縁部のうちの前後の窪み部21f,21r(排水口22f,22r)の間の領域に設定されている。したがって、第3接合部W3は、排水口22f,22rの近傍に設けられている。
上部構造体24をベース部構造体26に第3接合部W3で接合するときには、ベース部構造体26の上方から上部構造体24を降ろして、上部構造体24のカウルサイドパネル16の下縁部16eをベース部構造体26のベース部側壁19sの車外側面に重ね合わせる。このとき、カウルサイドパネル16の下縁部16eには傾斜したガイド壁25が設けられているため、ガイド壁25による案内機能によってカウルサイドパネル16の下縁部16eとベース部側壁19sとを、正規の位置で容易に重ね合わせることができる。
また、上部構造体24の上部分割片20は、このとき分割片上壁20uの前縁部20ufと後縁部20urが夫々ベース部上壁19uのうちの、切欠き部18の前側と後側の各縁部19uf,19urの上面に重ねられる。本実施形態では、ベース部上壁19uのうちの、切欠き部18の後側の縁部19urは、アッパメンバベース部19の他の部分とは別体部材によって形成されている。この後側の縁部19urは、フロントピラー3とダッシュアッパパネル13の後部にも接合されている。したがって、上部分割片20の後部は、ダッシュアッパパネル13の後部に下方から支持されており、上部分割片20の前部は、アッパメンバベース部19のベース部上壁19uの前側の縁部19ufに下方から支持されている。
アッパメンバ蓋部材12は、鉛直上方に垂立する側壁12sと、側壁12sの上下の端部から車幅方向外側に延びるフランジ部12fu,12flと、を有する。アッパメンバ蓋部材12は、上述した骨格構造体27に組付けられる。アッパメンバ蓋部材12は、骨格構造体27のアッパメンバ本体11の上壁と下壁の間に配置される。具体的には、切欠き部18の存在しない領域では、アッパメンバベース部19のベース部上壁19uとベース部下壁19lの間に配置され、切欠き部18の存在する領域では、上部分割片20の分割片上壁20uとアッパメンバベース部19のベース部下壁19lの間に配置される。
骨格構造体27とアッパメンバ蓋部材12とは、アッパメンバ蓋部材12の上側のフランジ部12fuがベース部上壁19uと分割片上壁20uとにスポット溶接によって接合され、アッパメンバ蓋部材12の下側のフランジ部12flがベース部下壁19lにスポット溶接によって接合される。アッパメンバ蓋部材12の上側のフランジ部12fuと分割片上壁20uとの接合部を第4接合部W4と称し、アッパメンバ蓋部材12の下側のフランジ部12flとベース部下壁19lの接合部を第5接合部W5と称する。
また、アッパメンバ蓋部材12の側壁12sの後縁部12srは、図1に示すように、アッパメンバ本体11の後端部よりも車両後方側に延びている。アッパメンバ蓋部材12の後縁部12srは、フロントピラー3の車幅方向外側面に重ねられ、フロントピラー3に対して複数のボルト32によって締結固定されている。すなわち、アッパメンバ蓋部材12の後部は、フロントピラー3の車幅方向外側面に機械結合されている。
ところで、アッパメンバベース部19のうちの切欠き部18の下方には、図2,図3と図7,図8に示すように、縦方向の断面が略L字状で、ベース部側壁19sの車外側面とベース部下壁19lの上面とに接合されるスティフナ28が配置されている。スティフナ28は、切欠き部18の前側の窪み部21f(前側の排水口22f)の下方位置を中心として、車両前後方向に延在している。スティフナ28は、その側壁28sと下壁28lの複数個所がベース部側壁19sとベース部下壁19lにスポット溶接によって接合されている。
スティフナ28の側壁28sの前後方向の略中央には、上方に向かって延びる舌片部29が設けられている。この舌片部29の前縁部分と側壁28sのその下方部分とは、ベース部側壁19sとの溶接点Pが上下方向に複数(本実施形態では三つ)並ぶ補強接合部30とされている。補強接合部30の複数の溶接点Pは前方側の排水口22fの下方位置に配置されている。
また、前述したダンパベース17は、図6,図7に示すように、車幅方向外側の端部に下方に屈曲する接合フランジ17fが設けられている。この接合フランジ17fは、スティフナ28とベース部側壁19sの重ね合わせ部に、ベース部側壁19sの車幅方向内側から重ねられ、三枚重ねの状態で最上部の溶接点Pにおいてベース部側壁19sとスティフナ28とに溶接固定されている。
なお、本実施形態では、ダンパベース17とアッパメンバベース部19とスティフナ28とが最上部の溶接点Pのみにおいて接合されているが、他の溶接点Pでも溶接されるようにしても良い。
(車体前部の製造方法)
つづいて、図8,図9を参照して、上述した車体前部の主要部の主な製造方法について説明する。図8,図9は、車体前部の組付け工程を示す図5に対応する断面図である。
最初に、図8の上部側で示すように、カウルサイドパネル16の下縁部16eを上部分割片20の分割片側壁20sの車幅方向内側面に突き合わせ、その状態において、第1接合部W1でカウルサイドパネル16の下縁部16eを分割片側壁20sにスポット溶接する。これにより上部構造体24を形成する。
一方で、図8の下部側で示すように、ダッシュアッパパネル13の端部の折り曲げフランジ13fをアッパメンバベース部19のベース部側壁19sの車幅方向内側面に突き合わせ、その状態において、第2接合部W2でダッシュアッパパネル13の折り曲げフランジ13fをベース部側壁19sにスポット溶接する。これにより、ベース部構造体26を形成する。
この後、上部構造体24のカウルサイドパネル16の下縁部16eを、切欠き部18のある位置において、ベース部側壁19sの車幅方向外側面に重ね合わせる(図8中の矢印参照)。この状態において、図9に示すように、カウルサイドパネル16の下縁部16eを第3接合部W3でベース部側壁19sにスポット溶接する。これにより、骨格構造体27を形成する。
この後、骨格構造体27のアッパメンバベース部19と上部分割片20とによる外向きの開口内に、図9中の矢印で示すように、アッパメンバ蓋部材12を挿入し、アッパメンバ蓋部材12の上下のフランジ部12fu,12flを分割片上壁20uとベース部下壁19lに重ね合わせる。なお、アッパメンバベース部19の切欠き部18の無い位置では、アッパメンバ蓋部材12の上側のフランジ部12fuをベース部上壁19uに重ね合わせる。次に、この状態において、各重ね合わせ部をスポット溶接する。アッパメンバ蓋部材12の上側のフランジ部12fuは上部分割片20の分割片上壁20uに第4接合部W4でスポット溶接し、アッパメンバ蓋部材12の下側のフランジ部12flはアッパメンバベース部19のベース部下壁19lに第5接合部W5でスポット溶接する。
(実施形態の効果)
以上のように、本実施形態では、上部構造体24は、カウルサイドパネル16の下縁部16eと上部分割片20の分割片側壁20sが第1接合部W1で接合されて構成される。上部分割片は20は、アッパメンバベース部19と分離した別体部材であるため、第1接合部W1において、カウルサイドパネル16と挟み込みスポット溶接によって容易に接合することができる。
また、ベース部構造体26は、ダッシュアッパパネル13の折り曲げフランジ13fとアッパメンバベース部19のベース部側壁19sが第2接合部W2で接合されて構成される。そして、アッパメンバベース部19には、上壁と側壁の一部が連続して切り欠かれた切欠き部18が設けられている。このため、ダッシュアッパパネル13の折り曲げフランジ13fとベース部側壁19sとは、切欠き部18を利用して、第2接合部W2において、挟み込みスポット溶接によって容易に接合することができる。
また、骨格構造体27は、カウルサイドパネル16の下縁部16eとベース部側壁19sの切欠き部18の縁部とが第3接合部W3で接合されて構成される。カウルサイドパネル16の下縁部16eとベース部側壁19sの周域は袋構造ではないため、カウルサイドパネル16の下縁部16eとベース部側壁19sとは、第3接合部W3において、挟み込みスポット溶接によって容易に接合することができる。
さらに、骨格構造体27とアッパメンバ蓋部材12とは、アッパメンバ蓋部材12の上側のフランジ部14fuが分割片上壁20uに第4接合部W4で接合されるとともに、アッパメンバ蓋部材12の下側のフランジ部14flがベース部下壁19lに第5接合部W5で接合される。第4接合部W4と第5接合部W5の各周囲はいずれも袋構造ではないため、アッパメンバ蓋部材12は、第4接合部W4と第5接合部W5において、分割片上壁20uとベース部下壁19lに挟み込みスポット溶接によって容易に接合することができる。
したがって、本実施形態の車体前部構造を採用した場合には、不要な溶接用の作業孔を設けることなく、ダッシュアッパパネル13をカウルサイドパネル16とともにアッパメンバ10に効率良く接合することができる。
また、本実施形態の車体前部構造では、カウルサイドパネル16の下縁部のうちの第3接合部W3よりも下方位置に、下方に向かって車幅方向外側に傾斜するガイド壁25が設けられている。このため、上部構造体24をベース部構造体26に対して上方から組み付ける際に、アッパメンバベース部19の切欠き部18の縁部がカウルサイドパネル16のガイド壁25に当接することにより、カウルサイドパネル16の下縁部16eをベース部側壁19sの車幅方向内側面に重なる位置に案内することができる。したがって、本実施形態の車体前部構造を採用した場合には、ベース部構造体26に対する上部構造体24の組付けを効率良く行うことができる。
また、本実施形態の車体前部構造では、上部構造体24の上部分割片20の後縁部20urがダッシュアッパパネル13の後部に下方から支持されるとともに、上部構造体24の上部分割片20の前縁部20ufがアッパメンバベース部19のベース部上壁19uに下方から支持されている。このため、上部構造体24をベース部構造体26に対して上方から組み付ける際に、上部分割片20の前後がベース部上壁19uとダッシュアッパパネル13の後部に下方から支持される。したがって、本構成を採用した場合には、上部構造体24をアッパメンバベース部19に上下方向に精度良く位置決めすることができるため、ベース部構造体26に対する上部構造体24の組付けをさらに効率良く行うことができる。
また、本実施形態の車体前部構造は、ベース部側壁19sの排水口22f(切欠き部18の窪み部21f)の近傍に、ベース部側壁19sとカウルサイドパネル16を接合する第3接合部W3が設けられている。このため、ベース部側壁19sのうちの排水口22f(切欠き部18の窪み部21f)が形成されることによって強度が低下する部分の近傍を第3接合部W3によって効率良く補強することができる。
さらに、本実施形態の車体前部構造では、アッパメンバベース部19の切欠き部18の下方に断面略L字状のスティフナ28が配置され、スティフナ28の補強接合部30が、排水口22fの下方において、上下方向に複数並ぶ溶接点Pでベース部側壁19sに接合されている。このため、ベース部側壁19sのうちの排水口22f(切欠き部18の窪み部21f)が形成される部分の下方を、スティフナ28の補強接合部30によって補強することができる。
また、本実施形態の車体前部構造は、補強接合部30の少なくとも一つの溶接点Pがダンパベース17と接合される接合部とされている。このため、ベース部側壁19sのうちの排水口22f(切欠き部18の窪み部21f)が形成される部分の近傍の強度をさらに高めることができる。つまり、ダンパベース17は、衝撃荷重を受けても変形しにくい厚肉の強固な部品であるため、ダンパベース17の剛性を利用して排水口22fの近傍の強度をより高めることができる。
また、本実施形態の車体前部構造は、カウルサイドパネル16がカウルトップパネル15の車幅方向外側の端部に一体に結合され、ダッシュアッパパネル13がカウルトップパネル15とカウルサイドパネル16とともにボックス形状を成している。そして、サスペンションのダンパの上部を支持するダンパベース17が、アッパメンバ10の車幅方向内側位置においてアッパメンバ10とダッシュアッパパネル13の下面とに結合されている。したがって、本構成を採用した場合には、ダンパベース17が、ボックス形状を成すダッシュアッパパネル13の下面と、閉断面形状のアッパメンバ10とに結合されることになるため、サスペンションの上部を、ダンパベース17を通して車体に高い剛性をもって支持させることができる。
また、本実施形態の車体前部構造は、アッパメンバ蓋部材12の後縁部12srがフロントピラー3の車幅方向外側面に機械結合されている。このため、ダンパベース17を通したサスペンションの上部の支持剛性をより高めることができる。
さらに、本実施形態の車体前部構造は、ダッシュアッパパネル13が、車幅方向と交差する断面が上向きに開口するハット形の断面形状に形成され、その後縁部がカウルトップパネル15とダッシュロアパネル14とに結合されている。このため、ダッシュアッパパネル13の剛性を高めることができるとともに、ダッシュアッパパネル13の断面内に流れ込む水滴の排水性を高めることができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
3…フロントピラー
10…アッパメンバ
11…アッパメンバ本体
12…アッパメンバ蓋部材
12fu,12fl…フランジ部
13…ダッシュアッパパネル
13f…折り曲げフランジ
15…カウルトップパネル
16…カウルサイドパネル
16e…下縁部
17…ダンパベース
18…切欠き部
19…アッパメンバベース部
19s…ベース部側壁
19u…ベース部上壁
19l…ベース部下壁
20…上部分割片
20s…分割片側壁
20u…分割片上壁
22f,22r…排水口
24…上部構造体
25…ガイド壁
26…ベース部構造体
27…骨格構造体
28…スティフナ
30…補強接合部
P…接合点
W1…第1接合部
W2…第2接合部
W3…第3接合部
W4…第4接合部
W5…第5接合部

Claims (10)

  1. 車幅方向外側に開口する断面略コ字状のアッパメンバ本体と、前記アッパメンバ本体の開口を閉塞するように前記アッパメンバ本体に結合されたアッパメンバ蓋部材と、を有するアッパメンバと、
    下縁部が前記アッパメンバ本体の車幅方向内側の側壁に結合されるカウルサイドパネルと、
    車幅方向外側の端部が前記アッパメンバ本体の車幅方向内側の側壁に結合されるダッシュアッパパネルと、を備え、
    前記アッパメンバ本体は、
    上壁と車幅方向内側の側壁の一部が連続的に切り欠かれた切欠き部を有するアッパメンバベース部と、
    前記切欠き部をほぼ閉塞するように前記アッパメンバベース部に結合される上部分割片と、を備え、
    前記カウルサイドパネルと前記上部分割片は、前記カウルサイドパネルの前記下縁部と前記上部分割片の分割片側壁とが第1接合部で接合されて、上部構造体を構成し、
    前記ダッシュアッパパネルと前記アッパメンバベース部は、前記ダッシュアッパパネルの端部に上方に屈曲して設けられた折り曲げフランジと前記アッパメンバベース部のベース部側壁とが第2接合部で接合されて、ベース部構造体を構成し、
    前記上部構造体と前記ベース部構造体は、前記カウルサイドパネルの前記下縁部と前記ベース部側壁の前記切欠き部の縁部とが第3接合部で接合されて、骨格構造体を構成し、
    前記骨格構造体と前記アッパメンバ蓋部材とは、前記アッパメンバ蓋部材の上下の各端部から車幅方向外側に延びる各フランジ部が前記上部分割片の分割片上壁と前記アッパメンバベース部のベース部下壁に第4接合部と第5接合部によって夫々接合されていることを特徴とする車体前部構造。
  2. 前記カウルサイドパネルの前記下縁部は、前記アッパメンバベース部の前記ベース部側壁の車幅方向内側面に重ねられて前記第3接合部によって接合され、
    前記カウルサイドパネルの前記下縁部のうちの、前記第3接合部よりも下方には、下方に向かって車幅方向外側に傾斜するガイド壁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
  3. 前記上部構造体の前記上部分割片の後部は、前記ダッシュアッパパネルの後部に下方から支持され、
    前記上部構造体の前記上部分割片の前部は、前記アッパメンバベース部のベース部上壁に下方から支持されていることを特徴とする請求項2に記載の車体前部構造。
  4. 前記分割片側壁と、その下方に位置される前記ベース部側壁の間には、前記ダッシュアッパパネルの上面から前記アッパメンバの断面内に水滴を排水するための排水口が設けられ、前記排水口の近傍に前記第3接合部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
  5. 前記アッパメンバベース部の前記切欠き部の下方には、縦方向の断面が略L字状で、前記アッパメンバベース部の前記ベース部側壁の車外側面とベース部下壁の上面とに接合されるスティフナが配置され、
    前記スティフナは、前記排水口の下方で前記ベース部側壁との溶接点が上下方向に複数並ぶ補強接合部を有することを特徴とする請求項4に記載の車体前部構造。
  6. 前記補強接合部を構成する複数の前記溶接点のうちの、少なくとも一つは、サスペンションのダンパの上部を支持するダンパベースと接合される接合部であることを特徴とする請求項5に記載の車体前部構造。
  7. 前記カウルサイドパネルは、フロントウインドシールガラスの下端を支持するカウルトップパネルの車幅方向外側の端部に一体に結合され、
    前記ダッシュアッパパネルは、前記カウルトップパネルと前記カウルサイドパネルとともにボックス形状を成し、
    前記アッパメンバの車幅方向内側には、サスペンションのダンパの上部を支持するダンパベースが配置され、
    前記ダンパベースは、前記アッパメンバと前記ダッシュアッパパネルの下面とに結合されていることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
  8. 前記アッパメンバ蓋部材の後部は、フロントピラーの車幅方向外側面に機械結合されていることを特徴とする請求項7に記載の車体前部構造。
  9. 前記ダッシュアッパパネルは、車幅方向と交差する断面が上向きに開口するハット形の断面形状に形成されるとともに、後縁部が、フロントウインドシールガラスの下端を支持するカウルトップパネルとダッシュロアパネルとに結合されていることを特徴とする請求項4に記載の車体前部構造。
  10. 車幅方向外側に開口する断面略コ字状のアッパメンバ本体と、前記アッパメンバ本体の開口を閉塞するように前記アッパメンバ本体に結合されたアッパメンバ蓋部材と、を有するアッパメンバと、
    下縁部が前記アッパメンバ本体の車幅方向内側の側壁に結合されるカウルサイドパネルと、
    車幅方向外側の端部が前記アッパメンバ本体の車幅方向内側の側壁に結合されるダッシュアッパパネルと、を備え、
    前記アッパメンバ本体は、
    上壁と車幅方向内側の側壁の一部が連続的に切り欠かれた切欠き部を有するアッパメンバベース部と、
    前記切欠き部をほぼ閉塞するように前記アッパメンバベース部に結合される上部分割片と、を備えている車体前部の製造方法において、
    前記カウルサイドパネルの前記下縁部と前記上部分割片の分割片側壁とを接合して上部構造体を形成する工程と、
    前記ダッシュアッパパネルの端部の折り曲げフランジと前記アッパメンバベース部のベース部側壁とを接合してベース部構造体を形成する工程と、
    前記上部構造体の前記カウルサイドパネルの前記下縁部と前記ベース部構造体の前記ベース部側壁の前記切欠き部の縁部とを接合して骨格構造体を形成する工程と、
    前記アッパメンバ蓋部材の上下の各端部から車幅方向外側に延びる各フランジ部を、前記骨格構造体の前記上部分割片の分割片上壁と前記アッパメンバベース部のベース部下壁に接合する工程と、
    を有することを特徴とする車体前部の製造方法。
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