JP2010167978A - 車体構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車体構造10は、左ルーフサイドレール13の車体外側部を形成するルーフサイドレールアウタ41が、車室50側に向けて開口するように形成されるとともに略水平な上壁44を有し、ルーフサイドレールアウタ41の車体外側にピラースチフナ21が設けられ、ピラースチフナ21の連結ブラケット25に、上壁44に対して略平行に配置可能な水平フラップ38を有し、水平フラップ38が上壁44に重ねられた状態で接合され、接合された水平フラップ38および上壁44が閉断面部18の略中央に配置されている。
【選択図】図2
Description
この車体構造は、左右のルーフサイドレール間にルーフクロスメンバーが車幅方向に向けて設けられ、このルーフクロスメンバーの左右の端部がブレース(連結部材)を介して左右のルーフサイドレールにそれぞれ連結されている。さらに、左右のルーフサイドレールの外側部に左右のピラーの上端部がそれぞれ連結されている。
よって、ピラーに車体側方から荷重が作用した場合に、この荷重はルーフサイドレールの外側壁に直交する方向に局所的に作用する。荷重が外側壁に直交する方向に作用することで、外側壁が曲げ変形し、ピラーが車室側に入り込んでしまう虞がある。
ピラーが車室側に入り込むことを防ぐためには、ピラーの剛性を高める必要があり、そのことが軽量化を図る妨げになっていた。
しかし、ルーフアーチおよびルーフサイドレール間に連結部材を介在させると、連結部材がルーフアーチに重ね合わせられる。よって、ルーフアーチのうち、重ね合わされた部位と他の部位との板厚寸法が異なり、板厚寸法が異なる境界に応力が集中する。
そこで、請求項3において、ルーフアーチをルーフサイドレールに直接連結して、ルーフアーチの板厚寸法を均等に保つようにした。
これにより、ピラーに作用した荷重をフランジおよび上壁からルーフアーチに効率よく伝えることができる。
このように、ピラーに作用した荷重をルーフアーチに効率よく伝え、伝えられた荷重をルーフアーチで良好に支えることで、ピラーが車室内に入り込むことを防止できる。
加えて、ピラーに作用した荷重をルーフアーチで良好に支えることで、ピラーの剛性を必要以上に高める必要がない。これにより、ピラー(すなわち、車体構造)の軽量化を図ることができる。
このように、ルーフアーチ端部の上下方向への振れを抑えることで、ルーフアーチに伝えられた荷重をルーフアーチで一層良好に支えることができる。
よって、ルーフアーチから段差(すなわち、板厚寸法が異なることで生じる段差)を除去できるので、ルーフアーチに応力が集中することを防ぐことができる。
これにより、ルーフアーチが応力集中で折れ曲がることを防いで、ルーフアーチに伝えられた荷重をルーフアーチで良好に支えることができる。
ここで、車体構造の理解を容易にするために、図2においてルーフパネルを設けた状態を示す。
図1に示すように、車体構造10は、サイドシルの略中央からルーフ11に向けて立設された左右のセンターピラー12と、左右のセンターピラー12にそれぞれ連結された左右のルーフサイドレール13(左ルーフサイドレール13のみ図示する)と、左右のルーフサイドレール13に架け渡されたルーフアーチ14と、左ルーフサイドレール13および左センターピラー12を車体外側から覆う左アウタパネル15と、右ルーフサイドレール13および右センターピラー12を車体外側から覆う右アウタパネル15と、左右のアウタパネル15およびルーフアーチ14に設けられた(載置された)ルーフパネル16とを備えている。
ピラースチフナ21は、サイドシルの略中央から立設されたスチフナ本体24と、スチフナ本体24の上端部24aに設けられた連結ブラケット(ピラースチフナの上端部)25とを備えている。
後フランジ35は、上端部(後上フランジ)35aが後側壁33の上縁に沿って車体外側で、かつ上方に向けて折り曲げられている。
連結ブラケット25は、左ルーフサイドレール13の車体外側に設けられている。
この連結ブラケット25は、外壁31および前後の上フランジ34a,35aの各上端から略鉛直に立ち上げられた鉛直フラップ37と、鉛直フラップ37の上端から車体内側に向けて略水平に折り曲げられた水平フラップ(フランジ)38とを備えている。
水平フラップ38は、左ルーフサイドレール13の上壁44(後で詳説する)の上側で、かつ上壁44に対して略平行に設けられている。
よって、左センターピラー12に車体側方から荷重が作用した場合に、荷重が上壁44に対して平行に(すなわち、上壁44に沿った方向に)作用する。
これにより、左センターピラー12に作用した荷重を水平フラップ38および上壁44からルーフアーチ14に効率よく伝えることができる。
これにより、ルーフアーチ14に伝えられた荷重を、ルーフアーチ14(閉断面部18)で良好に支えることができる。
加えて、左センターピラー12に作用した荷重を閉断面部18で良好に支えることで、左センターピラー12の剛性を必要以上に高める必要がない。
スチフナ本体24の前フランジ34および後フランジ35にピラーインナ22を溶接(接合)することで、左センターピラー12がピラースチフナ21およびピラーインナ22で閉断面に形成されている。
図2に示すように、ピラーインナ22の上端部22aに、左ルーフサイドレール13のインナ下フラップ54(後で詳説する)が溶接(接合)されている。
この左ルーフサイドレール13は、車体外側に設けられて車体外側部を形成するルーフサイドレールアウタ41と、車体内側に設けられて車体内側部を形成するルーフサイドレールインナ42とを備えている
すなわち、ルーフサイドレールアウタ41は、上壁44、外側壁45および下傾斜壁46で車室50側に向けて開口するように断面略コ字状に形成されている。
また、インナ下フラップ54は、ピラーインナ22の上端部22aに溶接(接合)されている。
ここで、ルーフアーチ14は、車体前後方向の中心を軸にして左右対称に形成された部材であり、以下左端部について説明して右端部の説明を省略する。
このアーチ本体61は、図6に示すように、略水平に配置された底壁64と、底壁64の前辺から上方に向けて折り曲げられた前壁65と、底壁64の後辺から上方に向けて折り曲げられた後壁66とを備えている。
また、後壁66の左上端部に段部が形成されることで、後上フランジ71の左端部に後上段部71aが形成されている。
前上段部67aおよび後上段部71aにインナ上フラップ53が載置された状態で溶接で接合されている。
また、後左フランジ72は、後壁66の左端部に一体に形成され、ルーフサイドレールインナ42の上内側壁56(具体的には、接合支持部位56a)に溶接で接合されている。
さらに、左アーチフラップ73は、底壁64の左端部に一体に形成され、ルーフサイドレールインナ42の中央内側傾斜壁57に溶接で接合されている。
よって、ルーフアーチ14の左端部(端部)61aおよび左ルーフサイドレール13間に連結部材(ブレース)を介在させることなく、ルーフアーチ14の左端部61aが左ルーフサイドレール13に直接連結されている。
よって、ルーフアーチ14から段差(すなわち、板厚寸法が異なることで生じる段差)を除去してルーフアーチ14に応力が集中しないようにできる。
これにより、ルーフアーチ14が応力集中で折れ曲がることを防いで、ルーフアーチ14に伝えられた荷重をルーフアーチ14で一層良好に支えることができる。
この前補強リブ75は、一例として、上下方向に延びる複数のビード75aが所定間隔をおいて形成されている。
この後補強リブ76は、一例として、上下方向に延びる複数のビード76aが所定間隔をおいて形成されている。
よって、左センターピラー12に作用した荷重を、水平フラップ38および上壁44を経てルーフアーチ14に効率よく伝えることができる。
これにより、ルーフアーチ14に伝えられた荷重をルーフアーチ14(閉断面部18)で一層良好に支えることができる。
この左アウタパネル15は、左ルーフサイドレール13に沿って車体前後方向に延出されたルーフサイドアウタパネル81と、ルーフサイドアウタパネル81の略中央からサイドシルに向けて下方に延出されたピラーアウタパネル82とを備えている。
段部81aは、ルーフサイドレールアウタ41の上壁44(具体的には、上壁44の内側辺44a)に上方から載置された状態で溶接で接合されている。
このピラーアウタパネル82は、図5に示すように、外壁84と、外壁84の前辺から車体内側に向けて折り曲げられた前側壁85と、外壁84の後辺から車体内側に向けて折り曲げられた後側壁86と、前側壁85から車体前方に向けて折り曲げられた前フランジ87と、後側壁86から車体後方に向けて折り曲げられた後フランジ88とを備えている。
ピラーアウタパネル82の前フランジ87は、スチフナ本体24の前フランジ34に車体外側から当接させた状態で溶接で接合されている。
また、ピラーアウタパネル82の後フランジ88は、スチフナ本体24の後フランジ35に車体外側から当接させた状態で溶接で接合されている。
ここで、ルーフパネル16は、車体前後方向の中心を軸にして左右対称に形成された部材であり、以下左端部について説明して右端部の説明を省略する。
パネル本体91の中央部91aを前上フランジ67および後上フランジ71に溶接(接合)することで、ルーフアーチ14およびルーフパネル16で閉断面部18が形成されている。
まず、左ルーフサイドレール13の上壁44にピラースチフナ21の水平フラップ38を溶接(接合)する。
同時に、ルーフアーチ14の前左フランジ68および後左フランジ72をルーフサイドレールインナ42の上内側壁56(具体的には、接合支持部位56a)に溶接で接合する。
つぎに、ルーフアーチ14の前上段部67aおよび後上段部71aをルーフサイドレールインナ42のインナ上フラップ53に溶接で接合する。
このように、ルーフアーチ14の左端部61aを左ルーフサイドレール13に直接連結することで、ルーフアーチ14の板厚寸法を均等に保つことができる。
ルーフアーチ14の板厚寸法を均等に保つ理由については図8で詳しく説明する。
さらに、段部81aにルーフパネル16の左段部92を載置する。
これにより、左センターピラー12、左ルーフサイドレール13、ルーフアーチ14およびルーフパネル16が溶接で接合される。
左アウタパネル15のピラーアウタパネル82に車体側方から荷重F1が作用する。ピラーアウタパネル82が変形して、左センターピラー12に当接する。
よって、ピラーアウタパネル82に作用した荷重F1が左センターピラー12に伝わる。
これにより、上壁44に作用した荷重F2を、上壁44を経てルーフアーチ14に荷重F3として効率よく伝えることができる。
また、左センターピラー12に作用した荷重を閉断面部18で良好に支えることで、左センターピラー12の剛性を必要以上に高める必要がない。これにより、左センターピラー12(すなわち、車体構造)の軽量化を図ることができる。
これにより、ルーフアーチ14(閉断面部18)に作用した荷重F3を、ルーフアーチ14(閉断面部18)で一層効率よく支えることができる。
例えば、前記実施例では、左補強部材62としてアーチ本体61に前後の補強リブ75,76を備えた例について説明したが、これに限らないで、前後の補強リブ75,76のいずれか一方を備えてもよい。
よって、アーチ本体61の左端部61aや右端部が上下方向に振れることを前壁65および後壁66で抑えることができる。
これにより、前壁65および後壁66は、左補強部材62(前後の補強リブ75,76)の役割を果たすことができる。
Claims (3)
- ピラースチフナの上端部がルーフサイドレールに連結され、前記ルーフサイドレールが車体の左右側にそれぞれ設けられ、左右のルーフサイドレールのうち前記ピラースチフナの上端部に対向する部位にルーフアーチが架け渡され、前記ルーフアーチにルーフパネルが載置され、前記ルーフアーチおよび前記ルーフパネルで閉断面部が形成された車体構造において、
前記ルーフサイドレールの車体外側部を形成するルーフサイドレールアウタが、車室側に向けて開口するように形成されるとともに略水平な上壁を有し、
前記ルーフサイドレールアウタの車体外側に前記ピラースチフナが設けられ、
前記ピラースチフナの上端部に、前記上壁に対して略平行に配置可能なフランジを有し、
前記フランジが前記上壁に重ねられた状態で接合され、接合された前記フランジおよび前記上壁が前記閉断面部の略中央に配置されたことを特徴とする車体構造。 - 前記ルーフアーチの端部に、前記端部の上下方向の振れを抑える補強部材を備えたことを特徴とする請求項1記載の車体構造。
- 前記ルーフアーチに、前記ルーフサイドレールに接合する接合部位が一体形成され、
前記接合部位を前記ルーフサイドレールに接合することで、前記ルーフアーチが前記ルーフサイドレールに直接連結されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車体構造。
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