JP6236329B2 - 紙製バリア包装材料 - Google Patents

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Description

本発明は、各種製品の包装材または容器やカップなど用いられる紙製バリア材料に関する。
紙製の包装材料にガスバリア性(特に、酸素バリア性)を付与することは、包装される各種製品をガスによる劣化、例えば酸素による酸化などから守るために重要である。
従来から、紙基材に金属箔やフィルムを積層してガスバリア性を付与した紙製の包装材料が提供されている。バリア層を形成する材料として、アルミニウム等の金属からなる金属箔や金属蒸着フィルム、ポリビニルアルコールやエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等の樹脂フィルム、あるいはこれらの樹脂をコーティングしたフィルム、更に酸化珪素や酸化アルミニウム等の無機酸化物を蒸着したセラミック蒸着フィルム等がある。
上記以外に、ガスバリア性を付与した紙製の包装材料としては、水溶性高分子と無機層状化合物からなるガスバリア層を有する紙製のガスバリア材料が特許文献1、特許文献2に開示されている。また、前記特許文献2には、被覆層上に特定のビニルアルコール系重合体からなるバリア層を設けた紙製のガスバリア材料が開示されている。
また、紙製の包装材料に耐水性(特に、水蒸気バリア性)を付与することも、包装される各種製品を水蒸気による劣化から守るために重要である。
紙基材上に水蒸気バリア性に優れる樹脂フィルム、あるいはこれらの水蒸気バリア性に優れる樹脂をコーティングしたフィルム等を紙基材に押し出しラミネート、または、貼合する方法によって、水蒸気バリア性を付与した紙製包装材が提案されている。合成樹脂ラテックス、ワックス及び無機微粒子からなる防湿層を有する包装用紙が特許文献3に開示されている。
さらに、紙製の包装材料にガスバリア性と水蒸気バリア性の両方を付与した包装材料としては、紙基材にガスバリア性を有する樹脂と水蒸気バリア性を有する樹脂をラミネートした包装材料が提案されている。
特開2009−184138号公報 特開2003−094574号公報 特開2005−162213号公報
紙基材(原紙)にガスバリア性を有する樹脂と水蒸気バリア性を有する樹脂を押し出しラミネートして両バリア層を形成した包装材料は、押し出しラミネート可能な樹脂の種類などに制限があるため、要求品質に対応できないといった問題があった。また、ガスバリア性と水蒸気バリア性を両立させるため、紙基材に多層ラミネートした包装材料は、紙やラミネート層をリサイクルすることが困難である。多層ラミネートした包装材料は、その製造におけるCO排出量が多くなるといった問題もある。さらに、多層ラミネートの包装材料では、各ラミネート層間に特定の接着樹脂を使用することが必要な場合もあり、その製造は煩雑であるといった問題もある。
一方、ガスバリア性を有する樹脂、水蒸気バリア性を有する樹脂を紙基材にコーティングした包装材料は、使用できる樹脂の種類などの制限が少なく、様々な要求品質への対応は可能になる。しかしながら、ガスバリア性、水蒸気バリア性の両方を付与した包装材料、例えば、特許文献1あるいは特許文献2のガスバリア性を有する包装材料の上に特許文献3の防湿層を設けた場合、良好な水蒸気バリア性は得られるもののガスバリア性が得られなくなる問題があった。また、特許文献3の防湿層を有する防湿紙の上に特許文献1あるいは特許文献2のガスバリア層を設ける場合、防湿層の表面張力が低く、はじきによりガスバリア層が均一に形成されないため、十分なガスバリア性を得ることができなかった。
そこで、本発明は、優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持つ紙製バリア包装材料を提供することを目的とする。
本発明は、下記[1]〜[9]を提供する。
[1]少なくとも紙基材上に形成された顔料及びバインダー樹脂を含有する水蒸気バリア層、及び水蒸気バリア層上に形成されたバインダー樹脂を含有するガスバリア層を有する紙製バリア包装材料において、
該水蒸気バリア層に含有する顔料とバインダー樹脂の配合比率が、顔料100重量部に対してバインダー樹脂30〜200重量部であり、
該ガスバリア層に含有するバインダー樹脂が、ポリビニルアルコールであることを特徴とする紙製バリア包装材料。
[2]前記水蒸気バリア層のバインダー樹脂が、スチレン・ブタジエン系合成樹脂であることを特徴とする[1]に記載の紙製バリア包装材料。
[3]前記水蒸気バリア層の顔料が、平均粒子径5μm以上、アスペクト比10以上のカオリンであることを特徴とする[1]または[2]に記載の紙製バリア包装材料。
[4]前記平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンの配合比率が、水蒸気バリア層中の全顔料に対して50重量%以上含有されていることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
[5]前記水蒸気バリア層は平均粒子径5μm以下の顔料が含まれていることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
[6]前記水蒸気バリア層を形成する塗工料が、架橋剤を含有していることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
[7]前記ガスバリア層が、平均粒子径5μm以上、アスペクト比10以上のカオリンを含有していることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
[8]前記ガスバリア層を形成する塗工料が、架橋剤を含有していることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
[9]前記水蒸気バリア層の塗工量が乾燥重量で4〜30g/m、ガスバリア層の塗工量が乾燥重量で0.2〜10g/mであることを特徴とする[1]〜[8]のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
[10]前記水蒸気バリア層が、水溶性ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする[1]〜[9]のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
本発明によれば、優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持つ、紙基材上に複数の塗工層が設けられた紙製バリア包装材料を提供することができる。本発明の紙製バリア包装材料は、水蒸気バリア層とガスバリア層とを、コーティングにより形成しており、多様な樹脂を用いることができるので、様々な要求品質への対応が可能である。具体的には、食品、ウェットティッシュ、化粧品、医薬品、農薬等だけでなく、水分や酸化による劣化が懸念される半導体、電子ペーパー、有機エレクトロルミネッセンスデバイス素子、太陽電池素子等の電子材料等の包装材料として好適に利用することができる。本発明の紙製バリア包装材料はそのままリサイクル処理が可能であり、ラミネート層と紙基材とを分離してリサイクル処理する必要があるラミネート紙と比較して、リサイクル処理が容易である。また、本発明の紙製バリア包装材料はコーティングにより形成されており接着樹脂層が必要ないので、製造工程を簡略化できる。
本発明は、紙基材上(以下、「原紙」ということがある。)に水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に設けた紙製バリア包装材料(以下、「包装材料」ということがある。)である。水蒸気バリア層は顔料及びバインダー樹脂を含有する水性の塗工料を塗布して形成され、ガスバリア層はポリビニルアルコールを含有する水性の塗工料を塗布して形成される。
紙基材の上に水蒸気バリア層、更にその上にガスバリア層を形成した本発明の紙製バリア包装材料が優れた水蒸気バリア性およびガスバリア性を併せ持つ理由は、次のように推測される。
ガスバリア層の形成には、水溶性高分子樹脂が用いられている例が多い。紙基材上にガスバリア層、水蒸気バリア層をこの順に設けた場合、紙基材を経由して浸透する空気中の水分などが作用して、水溶性高分子を含有するガスバリア層が劣化する。一方、紙基材上に、耐水性の良好な樹脂を含有する水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に設けた場合、紙基材を経由した水分は水蒸気バリア層にブロックされるのでガスバリア層への影響(劣化)を防止することができる。このため、本発明の紙製バリア包装材料は良好な水蒸気バリア性およびガスバリア性を有する。
本発明の紙製バリア材料は、ガスバリア層側が内容物(被包装材)側で紙基材側が外気側(外表面)として通常使用される。外気の水分が内部へ浸透することを防止できるので、被包装物が乾燥性の物質であれば、本発明の構造が有効である。湿った物を包装する場合は、内容物側となるガスバリア層上に、樹脂の押し出しラミネート層やフィルムのラミネート層を付加形成してもよい。
<紙基材について>
本発明において紙基材とは、パルプ、填料、各種助剤からなるシートである。パルプとしては、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、サルファイトパルプなどの化学パルプ、ストーングラインドパルプ、サーモメカニカルパルプなどの機械パルプ、ケナフ、竹、麻などから得られた非木材繊維などがある。これらの素材を適宜配合して用いることが可能である。これらの中でも、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)などの化学パルプが好ましい。化学パルプは、原紙中への異物混入が発生し難いこと、使用後の紙容器を古紙原料に供してリサイクル使用する際に経時変色が発生し難いこと、高い白色度を有するため印刷時の面感が良好であり包装材料として使用価値が高くなること、などの理由から適している。
填料としては、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、ゼオライト、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。また、硫酸バンドや各種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性あるいは、両性の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて使用することができる。更に、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等も必要に応じて添加することができる。
紙基材の製造(抄紙)方法は特に限定されるものではなく、公知の長網フォーマー、オントップハイブリッドフォーマー、ギャップフォーマーマシンを用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ抄紙方式で抄紙して紙基材を製造することができる。また、紙基材としては、一般の塗工紙に用いられる坪量が25〜400g/m程度の紙基材が好ましい。
さらに、紙基材の表面を各種薬剤で処理することが可能である。使用される薬剤としては、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酸素変性澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、表面サイズ剤、耐水化剤、保水剤、増粘剤、滑剤などを例示することができ、これらを単独あるいは2種類以上を混合して用いることができる。
紙基材の表面処理の方法は特に限定されるものではないが、ロッドメタリング式サイズプレス、ポンド式サイズプレス、ゲートロースコーター、スプレーコーター、ブレードコーター、カーテンコーターなど公知の塗工装置を用いることができる。
<水蒸気バリア層について>
本発明において、紙基材上に形成された顔料及びバインダー樹脂を含有する水蒸気バリア層のバインダー樹脂の配合比率を顔料100重量部に対してバインダー樹脂30〜200重量部、より好ましくは35〜150重量部にすることが重要である。バインダー樹脂の配合量が30重量部未満であると、バインダー樹脂が顔料と顔料の間に生じる空隙を十分に埋設することができないためバリア性が低下する。また、200重量部を越えると、顔料の有する水蒸気バリア効果を十分に活用できなくなるため、バリア性が低下する。
(バインダー樹脂)
水蒸気バリア層に含有させるバインダー樹脂としては、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、ポリオレフィン・無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等を例示することができる。これらを単独あるいは2種類以上混合して使用することができる。特に、スチレン・ブタジエン系共重合体が水蒸気バリア性の点から好ましい。
本発明においてスチレン・ブタジエン系共重合体とは、スチレンとブタジエンを主構成モノマーとし、これに変性を目的とする各種のコモノマーを組み合わせ、乳化重合したものである。コモノマーの例として、メチルメタクリレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレートや、イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸などの不飽和カルボン酸などが挙げられる。
本発明において、水蒸気バリア層にバインダー樹脂として、上記したバインダー樹脂とは別に、水溶性ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。
上記バインダー樹脂は界面活性剤あるいは界面活性効果のある化合物により水中に樹脂が安定的に分散された水分散性樹脂である。一方、水溶性ポリエステル樹脂はポリエステル樹脂にカルボキシル基などの親水基を導入した樹脂であり、水中で電離することにより、安定的に存在しているものである。
水分散性樹脂、水溶性ポリエステル樹脂は上記のような違いがあるため、水分散性樹脂と水溶性ポリエステル樹脂が含有されたバリア層はその形成過程(乾燥過程)において、まず、水分散性樹脂を取り囲んでいる水が蒸発することによって、水分散性樹脂の粒子同士が接合してフィルム化するとともに、蒸発した水が存在していた部分に空隙が生じる。次に、水溶性ポリエステル樹脂が水溶液の状態で前記の空隙に浸透し、水が蒸発することによって前記空隙を埋める。この結果、水蒸気バリア層が緻密な構造となり、さらに高い水蒸気バリア性を発現すると推測される。
なお、水溶性ポリエステル樹脂の配合部数は水蒸気バリア層の顔料100重量部に対して1〜50重量部であることが好ましい。
また、水蒸気バリア層に含有させる樹脂は、乳化剤により水中に分散したエマルジョンタイプの樹脂を使用することが水蒸気バリア性の点から好ましい。乳化剤としては、限定されるものではないが、オレイン酸ナトリウム、ロジン酸石鹸、アルキルアリルスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤を例示することができ、これらを単独、またはノニオン性界面活性剤と組み合わせて用いることができる。さらに、必要に応じて両性またはカチオン性界面活性剤を用いても良い。
本発明では、水蒸気バリア層を形成する塗工料は、炭化水素、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、脂肪酸及び脂肪酸とアルコールのエステルなどの撥水成分を含有していないことが好ましい。なお、従来の水蒸気バリア性を有する包装材料は、撥水成分を含有した樹脂を設けてあることが一般的である。撥水成分を含有すると、水蒸気バリア層とガスバリア層との親和性が低下することとなり、一方の層から浸透した水分やガスが界面剥離を促すこととなり、好ましくない。
(顔料)
本発明において、水蒸気バリア層に顔料を含有させることは、水蒸気バリア性を向上させる点、水蒸気バリア層とガスバリア層の密着性を向上させる点から重要である。
顔料として、無機顔料、有機顔料がある。
無機顔料は、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどである。
有機顔料は、密実型、中空型、またはコアーシェル型などである。
これらの顔料を単独または2種類以上混合して使用することができる。顔料は、大きく扁平の形状が適している。更に、大粒径と小粒径を併用することにより水蒸気バリア性が向上する。
これらの顔料の中でも、形状が扁平なカオリンなどの無機顔料は、水蒸気のバリア性を向上させる。特に、平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンがより好ましい。扁平な顔料が塗工層に平行に分布すると、水蒸気バリア層内に浸透した水蒸気は、扁平な顔料によって厚さ方向に移動することが遮られ、迂回して移動することとなり、水蒸気が水蒸気バリア層を移動する距離が長くなり、バリア性が向上する。添加する顔料のアスペクト比が小さいと塗工層中を水蒸気が迂回する回数が減少し、移動する距離があまり長くならないため、結果として水蒸気バリア性は、扁平で大粒径の顔料よりも劣ることとなる。
扁平な顔料は、ガスバリア層中でも同様の作用が期待できる。
扁平な顔料として、カオリンの他、マイカやモンモリロナイトを使用することも可能である。しかしながら、マイカ、モンモリロナイトの分散液はカオリンの分散液より固形分濃度が低く、マイカ、モンモリロナイトを用いた水蒸気バリア層用の塗工液は低濃度となる。低濃度な塗工液から形成される水蒸気バリア層中では、顔料が塗工層に平行に配向しにくいため、塗工液の濃度を高くすることができるカオリンの方が適している。
水蒸気バリア層に上記した扁平な顔料に加えて、平均粒子径が5μm以下の顔料を更に添加することにより、水蒸気バリア性を更に向上させることができる。
本発明において、水蒸気バリア性の向上、及びガスバリア層との密着性の点から、平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンを含有する水蒸気バリア層に、更に平均粒子径5μm以下の顔料を含有させることが好ましい。重層的に存在する平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンの間に平均粒子径5μm以下の顔料が入り込む構造となって、扁平なカオリンの面に沿って移動を余儀なくされる水蒸気は、この小さな顔料粒子により移動が阻止されることとなる。つまり、水蒸気バリア層に扁平な顔料と、平均粒子径の小さい顔料を含有させた場合、水蒸気バリア層中で、扁平で大きな粒子径の顔料により形成される空隙に、小さな粒子径の顔料が充填された状態となり、水蒸気が顔料を迂回して移動するため、小さな粒子径の顔料を混入していない水蒸気バリア層と比較して、高い水蒸気バリア性を発揮する。
本発明において、平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンと平均粒子径5μm以下、より好ましくは3μm以下の顔料の配合比率が、乾燥重量で50/50〜99/1であることが好ましい。平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンの比率が上記範囲より少ないと水蒸気が塗工層中を迂回する距離があまり長くならないため、十分な水蒸気バリア性を得ることができない。一方、上記範囲より多いと、塗工層中の大粒径顔料が形成する空隙を平均粒子径5μm以下の顔料で十分に埋めることができないため、水蒸気バリア性の向上は見られない。
本発明において、平均粒子径5μm以下の顔料としてはカオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料、および密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料などを単独または2種類以上混合して使用することができる。これらの顔料の中では、重質炭酸カルシウムが好ましい。
(その他)
水蒸気バリア層に顔料を含有させる場合、バインダー樹脂と顔料の配合量は、顔料(乾燥重量)100重量部に対して、バインダー樹脂(乾燥重量)30〜200重量部の範囲で使用されることが好ましく、より好ましくはバインダー樹脂35〜150重量部である。
本発明において、水蒸気バリア層には、バインダー樹脂、顔料の他、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。
(架橋剤)
本発明において、水蒸気バリア層に多価金属塩などに代表される架橋剤を添加することが好ましい。架橋剤は水蒸気バリア層に含有されるバインダー樹脂と架橋反応を起こすため、水蒸気バリア層内の結合の数(架橋点)が増加する。つまり、水蒸気バリア層が緻密な構造となり、良好な水蒸気バリア性を発現する。
本発明において、架橋剤の種類としては特に限定されるものではなく、水蒸気バリア層に含有されるバインダー樹脂の種類に合わせて、多価金属塩(銅、亜鉛、銀、鉄、カリウム、ナトリウム、ジルコニウム、アルミニウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、チタンなどの多価金属と、炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、珪酸イオン、窒素酸化物、ホウ素酸化物などのイオン性物質が結合した化合物)、アミン化合物、アミド化合物、アルデヒド化合物、ヒドロキシ酸などから適宜選択して使用することができる。架橋剤の配合部数は、塗工可能な塗料濃度や塗料粘度の範囲内であれば特に限定されることなく配合することができる。なお、水蒸気バリア性に優れた効果を発現するスチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系などのスチレン系のバインダー樹脂を用いた場合、架橋効果発現の観点から、多価金属塩を使用することが好ましい。更に、カリウムミョウバン(AlK(SO・12HO)がより好ましい。
架橋剤の添加量は、水蒸気バリア層に使用されるバインダー樹脂100重量部に対して、1〜10重量部である。より好ましくは3〜5重量部である。1重量部より少ないと、十分な効果が得られず、10重量部より多いと、塗工液の粘度が著しく増加するため、塗工困難になる。
本発明において、水蒸気バリア層を形成させる塗工液に架橋剤を添加する場合、アンモニア水溶液などの極性溶媒に架橋剤を溶解させてから塗工液へ添加することが好ましい。架橋剤を極性溶媒に溶解することにより、架橋剤が極性溶媒と水素結合を形成する。そのため、架橋剤の溶液を塗工液へ配合しても直ちにラテックスとの架橋反応が起こらず、塗料の増粘を抑制することができる。その場合、紙基材に塗工して極性溶媒が揮発した後に、架橋剤とバインダーとの架橋反応が起こり、緻密な水蒸気バリア層が形成されると推測される。
(水蒸気バリア層表面の接触角)
本発明において、紙基材上に設ける水蒸気バリア層表面の水との接触角は、90°未満が好ましく、より好ましくは85°未満、更に好ましくは80°未満である。水との接触角が90°以上であると、水蒸気バリア層上に均一なガスバリア層を設けることが困難となり、高いガスバリア性を発現することが困難となる。90°未満であると、水蒸気バリア層とガスバリア層の反発性を抑えて両層間の剥離を抑制することできる。この接触角は水蒸気バリア層とガスバリア層の親和性を推測する目安となる。
なお、水蒸気バリア層表面の水との接触角を調整する方法としては、限定されるものではないが、水との接触角の低い水蒸気バリア層用の樹脂の使用、顔料の添加などを挙げることができる。
本発明の水蒸気バリア層の水蒸気バリア性としては、温度40±0.5℃、相対湿度90±2%の条件下で、水蒸気透過量が500g/m・day以下であることが好ましく、300g/m・day以下であることがより好ましい。
本発明の実施例では、150〜380g/m・dayの水蒸気透過量が達成されており、本発明の水蒸気バリア層を備えた紙製バリア包装材料を使用することで、包装物を水蒸気による劣化から保護することができる。
<ガスバリア層について>
(バインダー樹脂)
本発明において、ガスバリア層を形成する塗工料のバインダー樹脂としては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、エチレン共重合ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコールを使用することが重要である。ポリビニルアルコールをガスバリア層のバインダー樹脂として含有させることで良好なガスバリア性を得ることができる。
また、所望の効果を阻害しない範囲で、エチレン共重合ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどの水溶性高分子を併用することができるが、ガスバリア層中のポリビニルアルコールの含有量を、ガスバリア層中の全バインダー樹脂量に対して、20重量%以上含有させることが好ましい。
(顔料)
本発明において、ガスバリア層に顔料を含有させることにより、ガスバリア性を向上させることができる。ガスバリア層に使用される顔料としてはカオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト、マイカなどの無機顔料、および密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料がある。これらを単独または2種類以上混合して使用することができる。これらの中では、ガスバリア性の点から無機顔料を使用することが好ましい。
平均粒子径5μm以上、且つアスペクト比が10以上の無機顔料(特にカオリン)を使用することが更に好ましく、平均粒子径5μm以上、且つアスペクト比が50以上の無機顔料(特にカオリン)を使用することが特に好ましい。ガスバリア層に顔料を含有させた場合、酸素などのガスは顔料を迂回して移動する。このため、顔料を含有していないバインダー樹脂からなるガスバリア層と比較して、高湿度雰囲気下における優れたガスバリア性を有する。
本発明において、ガスバリア層に含有する顔料とバインダー樹脂(ポリビニルアルコールを含む全てのバインダー樹脂)の配合比率(乾燥重量)は顔料/バインダー樹脂=1/100〜1000/100であることが好ましい。顔料の比率が上記範囲外であると十分なガスバリア性が発現しない。
(架橋剤)
本発明において、ガスバリア層に多価金属塩などに代表される架橋剤を添加することが好ましい。架橋剤はポリビニルアルコールの水酸基どうしを架橋構造にて結合させるため、高湿度となった場合に結合が緩む(または切れる)水酸基量が減少し、層全体の耐水性が向上する。そのため、高湿度下でのガスバリア性の低下を抑制することができる。
本発明において、架橋剤の種類としては特に限定されるものではなく、多価金属塩(銅、亜鉛、銀、鉄、カリウム、ナトリウム、ジルコニウム、アルミニウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、チタンなどの多価金属と、炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、珪酸イオン、窒素酸化物、ホウ素酸化物などのイオン性物質が結合した化合物)、アミン化合物、アミド化合物、アルデヒド化合物、ヒドロキシ酸など適宜選択して使用することができる。架橋剤の配合部数は、塗工可能な塗料濃度や塗料粘度の範囲内であれば特に限定されることなく配合することができる。なお、カルボキシメチルセルロースに対する架橋効果発現の観点から、多価金属塩を使用することが好ましく、カリウムミョウバンを使用することがより好ましい。
架橋剤の添加量は、ガスバリア層に使用されるバインダー樹脂(ポリビニルアルコールを含む全てのバインダー樹脂)100重量部に対して、1〜10重量部であり、より好ましくは3〜5重量部である。1重量部より少ないと、十分な効果が得られず、10重量部より多いと、塗工液の粘度が著しく増加するため、塗工困難になる。
(添加剤)
本発明において、顔料をバインダー樹脂中に配合する際に、顔料を水分散してスラリー化したものを添加し混合することが好ましい。
本発明において、ガスバリア層には、バインダー樹脂、顔料の他、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。
<塗工について>
本発明において、水蒸気バリア層、ガスバリア層の塗工方法については特に限定されるものではなく、公知の塗工装置を用いることができる。例えば、ブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーターなどが挙げられる。また、塗工層を乾燥させる手法としては、例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒーター、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の方法が用いられる。
本発明において、水蒸気バリア層の塗工量は、乾燥重量で4〜30g/mとすることが好ましく、より好ましくは6〜25g/mであり、更に好ましくは10〜20g/mである。塗工量が4g/m未満であると原紙を塗工液が完全に被覆することが困難となり、十分な水蒸気バリア性が得られない、ガスバリア層が紙基材に浸透するため、均一なガスバリア性が得られないという問題がある。一方、30g/mより多いと、塗工時の乾燥負荷が大きくなり、操業面、コスト面の両方の観点より好ましくない。
本発明において、ガスバリア層の塗工量は、乾燥重量で0.2〜10g/mとすることが好ましい。塗工量が0.2/m未満であると均一なガスバリア層を形成することができないため、十分なガスバリア性が得られないという問題がある。一方、10g/mより多いと、塗工時の乾燥負荷が大きくなり、操業面、コスト面の両方の観点より好ましくない。
本発明のガスバリア層のガスバリア性としては、23℃−0%RHである乾燥条件下での酸素透過量が10ml/m・day以下、かつ、23℃−85%RHである高湿度条件下での酸素透過量が500ml/m・day以下であることが好ましい。乾燥条件下での酸素透過量が5ml/m・day以下、かつ、高湿度条件下での酸素透過量が350・ml/m・day以下であることがより好ましい。
本発明の実施例では、23℃−0%RHである乾燥条件下で酸素透過量が0.5〜2.0ml/m・day、23℃−85%RHである高湿度条件下での酸素透過量が50〜320ml/m・dayが達成されており、本発明のガスバリア層を備えた紙製バリア包装材料を使用することで、包装物を酸化などのガスによる劣化から保護することができる。
本発明において、紙基材上に水蒸気バリア層、ガスバリア層を設けた紙製バリア包装材料に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル重合体などのシーラント層を設けることができる。シーラント層の積層方法については特に制限されるものではないが、従来の溶融押し出しラミネート法やフィルムを用いたドライラミネート法、直接溶融コート法など公知の方法を用いることができる。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、もちろんこれらの例に限定される物ではない。なお、特に断らない限り、例中の部および%は、それぞれ重量部、重量%を示す。なお、塗工液及び得られた包装材料について以下に示す様な評価法に基づいて試験を行った。試験結果を表に示す。
(評価方法)
(1)水蒸気透過度:温度40±0.5℃、相対湿度90±2%の条件下で、透湿度測定器(Dr.Lyssy社製、L80−4000)を用いて測定した。
(2)酸素透過度:MOCON社製OX−TRAN2/21を使用し、23℃−0%RH条件および23℃−85%RH条件にて測定した。
(3)接触角度:23℃、50%RH雰囲気下で、動的表面接触角測定装置(Fibro社製、ダイナミックアブソープションテスタ DAT1100)を用い、水滴を滴下後0.1秒後の表面接触角を測定した。
(4)体積平均粒子径:試料スラリーを、分散剤としてヘキサメタリン酸ソーダ0.2重量%を添加した純水中で滴下混合して均一分散体とし、レーザー法粒度測定機(使用機器:マルバーン社製マスターサイザーS型)を使用して、体積平均粒子系を測定した。
(5)アスペクト比:顔料の平面方向および断面方向をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて撮影し、顔料配向面の直径と厚さを測定して、[アスペクト比=顔料配向面の直径/厚さ]により算出した。
[実施例1]
(紙基材の作製)
カナダ式標準ろ水度(CSF)500mlの広葉樹クラフトパルプ(LBKP)とCSF530mlの針葉樹クラフトパルプ(NBKP)を80/20の重量比で配合して、原料パルプとした。原料パルプスラリーに、乾燥紙力増強剤として分子量250万のポリアクリルアミド(PAM)を対絶乾パルプ重量あたり0.1%、サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を対絶乾パルプ重量あたり0.35%、湿潤紙力増強剤としてポリアミドエピクロロヒドリン(PAEH)系樹脂を対絶乾パルプ重量あたり0.15%、さらに歩留剤として分子量1000万のポリアクリルアミド(PAM)を対絶乾パルプ重量あたり0.08%添加した後、デュオフォーマーFM型抄紙機にて300m/minの速度で抄紙し、坪量59g/mの紙を得た。次いで、得られた紙に固形分濃度2%に調製したポリビニルアルコール(クラレ社製PVA117)をロッドメタリングサイズプレスで、両面に1.0g/m塗工、乾燥し、坪量60g/mの原紙を得た。得られた原紙をチルドカレンダーを用いて、速度300min/m、線圧50kgf/cm 1パスにて平滑処理を行った。
(水蒸気バリア層用塗工液の調製)
顔料である大粒径エンジニアードカオリン(イメリス社製バリサーフHX、粒子径:9.0μm、アスペクト比:80〜100)に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダを、前記顔料100重量部に対して0.2部添加し、セリエミキサーで分散して固形分濃度55%のスラリーを調製した。得られたスラリー中にスチレン・ブタジエン系ラテックス(日本ゼオン社製PNT7868)を前記顔料100重量部に対して100重量部(固形分)となるように配合し、固形分濃度50%に調整し、塗工液Aを得た。
(ガスバリア層用塗工液の調製)
ポリビニルアルコール(クラレ社製PVA117)を固形分濃度10%となるよう調製し、塗工液Bを得た。
(紙製バリア包装材料の作製)
得られた原紙上に塗工液Aを塗工量(乾燥)12g/mとなるよう塗工速度300m/minでブレードコーターを用いて片面塗工、乾燥した後、その上に塗工液Bを塗工量(乾燥)2.0g/mとなるよう塗工速度300m/minでロールコーターを用いて片面塗工し、紙製バリア包装材料を得た。
[実施例2]
顔料である大粒径エンジニアードカオリン(イメリス社製バリサーフHX)に、分散剤としてポリアクリル酸ソーダを、前記顔料100重量部に対して0.2部添加し、セリエミキサーで分散して固形分濃度55%のスラリーを調製した。得られたスラリーと、固形分濃度10%のポリビニルアルコール溶液である塗工液Bとを、固形分で顔料:ポリビニルアルコール=100:100として固形分濃度が10%となるよう混合した塗工液を、ガスバリア層用塗工液とした以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例3]
カリウムミョウバンの5%(w/v)水溶液を、ポリビニルアルコールに対して固形分で3部となるよう配合して固形分濃度が10%となるように調製した分散液を、ガスバリア層用塗工液とした以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例4]
実施例2にて調製したカオリンスラリーを、10%ポリビニルアルコール溶液である塗工液Bに、固形分で顔料:ポリビニルアルコール=100:100となるよう混合し、更に5%(w/v)のカリウムミョウバン水溶液をポリビニルアルコールに対して固形分で3部となるよう配合して固形分濃度が10%になるように調製した分散液を、ガスバリア層用塗工液とした以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例5]
水蒸気バリア層用塗工液を、塗工液Aの顔料中に重質炭酸カルシウムスラリー(ファイマテック社製FMT−90、平均粒子径:1.2μm、アスペクト比:1)を、顔料の重量比(固形分)が、大粒径エンジニアードカオリン:重質炭酸カルシウム=75:25となるように混合、撹拌した塗工液に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例6]
水蒸気バリア層用塗工液を、実施例5で得られた塗工液中に5%(w/v)のカリウムミョウバン水溶液を顔料に対して3部となるよう配合して、固形分濃度50%の塗工液に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例7]
ガスバリア層用塗工液を実施例4で得られた塗工液、水蒸気バリア層用塗工液を実施例5で得られた塗工液に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例8]
ガスバリア層用塗工液を実施例4で得られた塗工液、水蒸気バリア層用塗工液を実施例6で得られた塗工液に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例9]
ガスバリア層用塗工液中の大粒径エンジニアードカオリンをマイカ(松尾産業株式会社製B−82、粒子径:180μm)に変更した以外は実施例2と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例10]
ガスバリア層用塗工液中の大粒径エンジニアードカオリンをモンモリロナイト(東新化成株式会社製ニッカナイト A−36、粒子径:400μm)に変更した以外は実施例2と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例11]
水蒸気バリア層用塗工液中の大粒径エンジニアードカオリンをマイカ(松尾産業株式会社製B−82、粒子径:180μm)に変更し、スラリー中の顔料分散濃度を20%、塗工液濃度を30%に変更し、塗工量を9g/mに変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例12]
水蒸気バリア層用塗工液中の大粒径エンジニアードカオリンをモンモリロナイト(東新化成株式会社製ニッカナイト A−36、粒子径:400μm)に変更し、スラリー中の顔料分散濃度を20%、塗工液濃度を30%に変更し、塗工量を9g/mに変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例13]
水蒸気バリア層用塗工液中のスチレン・ブタジエン系ラテックスをアクリルスチレン共重合体エマルジョン(サイデン化学社製X−511−374E)に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例14]
水蒸気バリア層用塗工液中のスチレン・ブタジエン系ラテックス(日本ゼオン社製PNT7868)をスチレン・ブタジエン系ラテックス(旭化成ケミカルズ社製L7360)に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例15]
水蒸気バリア層用塗工液中の大粒径エンジニアードカオリン(イメリス社製バリサーフHX)を大粒径エンジニアードカオリン(イメリス社製Capim CC、粒子径:8.0μm、アスペクト比:10〜15)に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例16]
水蒸気バリア層用塗工液中の大粒径エンジニアードカオリン(イメリス社製バリサーフHX)を微粒カオリン(KaMin社製Hydragloss、平均粒子径:0.3μm、アスペクト比:10〜15)に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例17]
水蒸気バリア層用塗工液中の大粒径エンジニアードカオリン(イメリス社製バリサーフHX)を2級カオリン(イメリス社製KCS、平均粒子径:3.6μm、アスペクト比:10〜15)に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例18]
水蒸気バリア層用塗工液中のスチレン・ブタジエン系ラテックス(日本ゼオン社製PNT7868)をスチレン・ブタジエン系ラテックス(日本ゼオン社製PNT7889)に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例19]
水蒸気バリア層用塗工液中のスチレン・ブタジエン系ラテックスをアクリル系共重合体ラテックス(旭化成ケミカルズ社製E316)に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例20]
水蒸気バリア層用塗工液中のスチレン・ブタジエン系ラテックスをアクリル共重合体水系エマルジョン(サイデン化学社製EK−61)に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例21]
塗工液Aの塗工量を、乾燥重量で12g/mから6g/mに変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例22]
塗工液Aの塗工量を、乾燥重量で12g/mから15g/mに変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例23]
塗工液Bの塗工量を、乾燥重量で2g/mから1g/mに変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例24]
塗工液Bの塗工量を、乾燥重量で2g/mから3g/mに変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例25]
水蒸気バリア層用塗工液中のスチレン・ブタジエン系ラテックス(日本ゼオン社製PNT7868)の配合量を顔料100重量部(固形分)に対して50部(固形分)に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例26]
水蒸気バリア層用塗工液中のスチレン・ブタジエン系ラテックス(日本ゼオン社製PNT7868)の配合量を顔料100重量部(固形分)に対して150部(固形分)に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例27]
ガスバリア層用塗工液中のカオリンスラリーの配合量を固形分で顔料:ポリビニルアルコール=100:100から150:100となるよう変更した以外は実施例2と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例28]
ガスバリア層用塗工液中のカオリンスラリーの配合量を固形分で顔料:ポリビニルアルコール=100:100から50:100となるよう変更した以外は実施例2と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例29]
水蒸気バリア層用塗工液中のスチレン・ブタジエン系ラテックス(日本ゼオン社製PNT7868)の配合量を顔料100重量部(固形分)に対して35部(固形分)に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例30]
水蒸気バリア層用塗工液中を、塗工液Aの顔料中に重質炭酸カルシウムスラリー(ファイマテック社製FMT−90、平均粒子径:1.2μm、アスペクト比:1)を顔料の重量比(固形分)で大粒径エンジニアードカオリン:重質炭酸カルシウム=50:50となるように混合、撹拌した塗工液に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例31]
水蒸気バリア層用塗工液中を、塗工液Aの顔料中に重質炭酸カルシウムスラリー(ファイマテック社製FMT−90)を顔料の重量比(固形分)で大粒径エンジニアードカオリン:重質炭酸カルシウム=90:10となるように混合、撹拌した塗工液に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例32]
水蒸気バリア層用塗工液を、塗工液Aの顔料中に重質炭酸カルシウムスラリー(ファイマテック社製FMT−65、平均粒子径:1.9μm、アスペクト比:1)を顔料の重量比(固形分)で大粒径エンジニアードカオリン:重質炭酸カルシウム=50:50となるように混合、撹拌した塗工液に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例33]
水蒸気バリア層用塗工液に水溶性ポリエステル樹脂(互応化学工業株式会社製Z−687)を顔料100重量部(固形分)に対して20重量部(固形分)となるよう配合して、固形分濃度40%にした以外は実施例2と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例34]
水蒸気バリア層塗工液中の水溶性ポリエステル樹脂を20重量部から10重量部(固形分)に変更した以外は実施例33と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例35]
水蒸気バリア層用塗工液中のスチレン・ブタジエン系ラテックスの配合量を50重量部に変更した以外は実施例33と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[比較例1]
紙基材にガスバリア層、水蒸気バリア層をこの順に設けた以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[比較例2]
水蒸気バリア層を設けなかった以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[比較例3]
ガスバリア層を設けなかった以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[比較例4]
水蒸気バリア層用塗工液の調製において、スチレン・ブタジエン系ラテックス(日本ゼオン社製PNT7868)の配合量を顔料100重量部に対して25重量部(固形分)に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。

Claims (10)

  1. 少なくとも紙基材上に形成された顔料及びバインダー樹脂を含有する水蒸気バリア層、及び水蒸気バリア層上に形成されたバインダー樹脂を含有するガスバリア層を有する紙製バリア包装材料において、
    該水蒸気バリア層に含有する顔料とバインダー樹脂の配合比率が、顔料100重量部に対してバインダー樹脂30〜200重量部であり、
    該ガスバリア層に含有するバインダー樹脂が、ポリビニルアルコールであり、
    前記水蒸気バリア層が、水溶性ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする紙製バリア包装材料。
  2. 前記水蒸気バリア層のバインダー樹脂が、スチレン・ブタジエン系合成樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の紙製バリア包装材料。
  3. 前記水蒸気バリア層の顔料が、平均粒子径5μm以上、アスペクト比10以上のカオリンであることを特徴とする請求項1または2に記載の紙製バリア包装材料。
  4. 前記平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンの配合比率が、水蒸気バリア層中の全顔料に対して50重量%以上含有されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
  5. 前記水蒸気バリア層は平均粒子径5μm以下の顔料が含まれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
  6. 前記水蒸気バリア層を形成する塗工料が、架橋剤を含有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
  7. 前記ガスバリア層が、平均粒子径5μm以上、アスペクト比10以上のカオリンを含有していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
  8. 前記ガスバリア層を形成する塗工料が、架橋剤を含有していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
  9. 前記水蒸気バリア層の塗工量が乾燥重量で4〜30g/m、ガスバリア層の塗工量が乾燥重量で0.2〜10g/mであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
  10. 前記水溶性ポリエステル樹脂の配合部数が、前記水蒸気バリア層の顔料100重量部に対して1〜50重量部であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の紙製バリア包装材料。
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