JP2013176950A - 紙製バリア包装材料 - Google Patents

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武史 中山
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Abstract

【課題】 本発明は、水系塗料の塗工によって設けられた水蒸気バリア層およびガスバリア層を有する、優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持つ紙製バリア包装材料を提供すること目的とする。
【解決手段】 紙基材上に顔料及び水蒸気バリア性樹脂を含有する水蒸気バリア層、水溶性高分子を含有するガスバリア層をこの順に設けた紙製バリア包装材料において、前記水蒸気バリア性樹脂が、アクリル系合成樹脂を含有することを特徴とする紙製バリア包装材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は食品などの包装材または容器やカップなど用いられる紙製バリア材料に関する。
紙製の包装材料にガスバリア性(特に、酸素バリア性)を付与することは、包装される各種製品をガスによる劣化、例えば酸素による酸化などから保護するために重要である。
従来から、紙製の包装材料へのガスバリア性の付与には、紙基材(原紙)上にガスバリア層として、アルミニウム等の金属からなる金属箔や金属蒸着フィルム、ポリビニルアルコールやエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等の樹脂フィルム、あるいはこれらの樹脂をコーティングしたフィルム、更に酸化珪素や酸化アルミニウム等の無機酸化物を蒸着したセラミック蒸着フィルム等を紙基材(原紙)に押し出しラミネート、または、貼合する方法が主に用いられてきた。
上記以外のガスバリア性を付与した紙製の包装材料としては、水溶性高分子と無機層状化合物からなるガスバリア性を用いた紙製のガスバリア材料(特許文献1、特許文献2)、被覆層上に特定のビニルアルコール系重合体からなるバリア層を設けた紙製のガスバリア材料(特許文献2)などが開示されている。
また、紙製の包装材料に耐水性(特に、水蒸気バリア性)を付与することも、包装される各種製品を水蒸気による劣化から保護するために重要である。
紙製の包装材料への水蒸気バリア性の付与として、紙基材上に水蒸気バリア性に優れる樹脂フィルム、あるいはこれらの水蒸気バリア性に優れる樹脂をコーティングしたフィルム等を紙基材に押し出しラミネート、または、貼合する方法が主に用いられてきた。
これらの方法以外の水蒸気バリア性を付与した紙製の包装材料としては、合成樹脂ラテックス、ワックス及び無機微粒子からなる防湿層を有する包装用紙(特許文献3)が開示されている。
さらに、紙製の包装材料にガスバリア性と水蒸気バリア性の両方を付与した包装材料としては、紙基材にガスバリア性を有する樹脂と水蒸気バリア性を有する樹脂をラミネートした包装材料が知られている。
特開2009−184138号公報 特開2003−094574号公報 特開2005−162213号公報
しかしながら、紙基材(原紙)にガスバリア性を有する樹脂と水蒸気バリア性を有する樹脂をラミネートした包装材料は、ラミネート可能な樹脂の種類などに制限があるため、様々な要求品質に対応できないといった問題があった。
一方、紙基材(原紙)にガスバリア性を有する樹脂、水蒸気バリア性を有する樹脂をコーティングすることによって付与した包装材料は、使用できる樹脂の種類などの制限が少ないため、様々な要求品質への対応は可能になる。しかしながら、ガスバリア性、水蒸気バリア性の両方を付与した包装材料、例えば、特許文献1あるいは特許文献2のガスバリア性を有する包装材料の上に特許文献3の防湿層を設けた場合、良好な水蒸気バリア性は得られるもののガスバリア性が得られなくなる問題があった。また、特許文献3の防湿層を有する防湿紙の上に特許文献1あるいは特許文献2のガスバリア層を設ける場合、防湿層の表面張力が低くく、はじきによりガスバリア層が均一に形成されないため、十分なガスバリア性を得ることができなかった。
そこで、本発明は、水系塗料の塗工によって設けられた水蒸気バリア層およびガスバリア層を備え、優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持つ紙製バリア包装材料を提供すること目的とする。
本発明は、以下の〔1〕〜〔2〕を提供するものである。
〔1〕紙基材上に顔料及び水蒸気バリア性樹脂を含有する水蒸気バリア層、水溶性高分子を含有するガスバリア層をこの順に設けた紙製バリア包装材料において、該水蒸気バリア性樹脂がアクリル系合成樹脂であることを特徴とする紙製バリア包装材料。
〔2〕前記顔料が平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンであることを特徴とする〔1〕に記載の紙製バリア包装材料。
本発明によれば、水系塗料の塗工によって設けられた水蒸気バリア層およびガスバリア層を有する、優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持つ紙製バリア包装材料を提供することができる。
本発明は、紙基材上(以下、「原紙」ということがある。)に水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に設けることを特徴とする紙製バリア包装材料に関するものである。
本発明の包装材料が優れた水蒸気バリア性およびガスバリア性を併せ持つ理由は次のように推測される。
ガスバリア層に用いられるガスバリア性を有する樹脂としては下記に例示するように水溶性高分子が一般的であり、紙基材上にガスバリア層、水蒸気バリア層をこの順に設けた場合、紙基材中の水分や紙基材を経由して浸透する空気中の水分などにより、水溶性高分子を含有するガスバリア層が劣化する。一方、紙基材上に、耐水性の良好な樹脂を含有する水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に設けた場合、水蒸気バリア層が紙基材中の水分などのガスバリア層への影響(劣化)を防止することができる。
また、水蒸気バリア層に用いられる水蒸気バリア性樹脂(以下、樹脂ということがある。)しては下記に示すように防湿性を有する合成樹脂が用いられる。一般に防湿性を有する合成樹脂の層は表面張力が低く、合成樹脂層の上にガスバリア層を形成する水系の塗料を塗工するとはじきが発生してしまい、均一な層を形成することは困難である。しかし、水蒸気バリア層に含有される樹脂をアクリル系合成樹脂とし、さらに水蒸気バリア層に顔料を配合することによって、水蒸気バリア層上にガスバリア層を形成する塗料を均一(はじきが発生しない状態)に塗工することが可能となる。このため、本発明の紙製バリア包装材料は良好な水蒸気バリア性およびガスバリア性を有する。
本発明において紙基材とは、パルプ、填料、各種助剤からなるシートである。パルプとしては、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、サルファイトパルプなどの化学パルプ、ストーングラインドパルプ、サーモメカニカルパルプなどの機械パルプ、ケナフ、竹、麻などから得られた非木材繊維など用いることができ適宜配合して用いることが可能であるが、これらの中でも、原紙中への異物混入が発生し難い、使用後の紙容器を古紙原料に供してリサイクル使用する際に経時変色が発生し難い、高い白色度を有するため印刷時の面感が良好となり包装材料として使用した場合の使用価値が高くなるなどの理由から化学パルプを用いることが好ましく、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)を用いることがより好ましい。
填料としてはホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、ゼオライト、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。また、硫酸バンドや各種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性あるいは、両性の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて使用することができる。更に、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等も必要に応じて添加することができる。
紙基材の製造(抄紙)方法は特に限定されるものではなく、公知の長網フォーマー、オントップハイブリッドフォーマー、ギャップフォーマーマシンを用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ抄紙方式で抄紙して紙基材を製造することができる。また、紙基材の般の塗工紙に用いられる坪量が25〜400g/m2程度のものが好ましい。さらに、紙基材の表面を各種薬剤で処理することが可能である。使用される薬剤としては、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酸素変性澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、表面サイズ剤、耐水化剤、保水剤、増粘剤、滑剤などを例示することができ、これらを単独あるいは2種類以上を混合して用いることができる。紙基材の表面処理の方法は特に限定されるものではないが、ロッドメタリング式サイズプレス、ポンド式サイズプレス、ゲートロースコーター、スプレーコーター、ブレードコーター、カーテンコーターなど公知の塗工装置を用いることができる。
本発明において、水蒸気バリア層に含有させる水蒸気バリア性樹脂(以下、樹脂ということがある。)として、アクリル系合成樹脂を使用することが重要である。なお、ガスバリア層を形成させる際にはじきなどの問題が発生しない程度であれば、スチレン・ブタジエン系合成樹脂、スチレン・アクリル系合成樹脂、エチレン・酢酸ビニル系合成樹脂、ブタジエン・メチルメタクリレート系合成樹脂、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系合成樹脂等の各種共重合体、無水マレイン酸共重合体の合成接着剤、を単独あるいは2種類以上混合して使用することができる。また、水蒸気バリア性に問題がない程度であれば、ポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、カゼイン、大豆タンパク、合成タンパクなどのタンパク質類、酸化澱粉、カチオン化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などの澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体などの水溶性高分子をスチレン・ブタジエン系合成樹脂と併用することも可能である。
本発明においてアクリル系樹脂とは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸オクチルなどのアクリル酸アルキル樹脂及びエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、スチレン又はその誘導体によって変性された上記アクリル酸アルキル樹脂などの変性アクリル酸アルキル樹脂、(メタ)アクリロニトリル、アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキルアクリル酸エステルを共重合させて例示できる。
本発明の水蒸気バリア層に含有するアクリル系樹脂としては、水溶性もしくは水性エマルジョンであることが好ましい。また、アクリル系樹脂の平均粒子径は、50〜500nmであることが好ましく、100〜250nmであることがより好ましい。平均粒子径が50nmより小さい場合には、樹脂(エマルジョンあるいは水溶液)の粘度が高くなるため、ハンドリング等の問題が発生する。一方、平均粒子径が500nmより大きい場合は十分な水蒸気バリア性が得られない場合がある。さらに、アクリル系樹脂のガラス転移点(Tg)は、−20℃〜100℃の範囲であることが好ましい。ガラス転移点が−20℃ 未満であると、樹脂の粘着性が高いため、べたつきなどの問題が発生する。一方、ガラス転移点が100℃ を超えると、水蒸気バリア層が硬くなるため、例えば、容器成形時に折れ目部分の水蒸気バリア性が大きく低下する問題が発生する。
本発明において、水蒸気バリア層に顔料を含有させることは、水蒸気バリア層とガスバリア層の密着性の点から重要である。顔料としてはカオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料などを単独または2種類以上混合して使用することができる。これらの顔料の中でも、水蒸気バリア性向上、酸素バリア層の浸透抑制の両方の観点から、形状が扁平なカオリンなどの無機顔料が好ましく、平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンがより好ましい。
水蒸気バリア層の樹脂と顔料の配合量は、顔料(乾燥重量)100重量部に対して、樹脂(乾燥重量)5〜200重量部の範囲で使用されることが好ましく、より好ましくは樹脂20〜150重量部である。また、水蒸気バリア層には、樹脂、顔料の他、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。
本発明において、水蒸気バリア層の塗工量は、乾燥重量で5〜30g/m2とすることが好ましく、8〜25g/m2、10〜20g/m2であることがさらに好ましい。塗工量が5g/m2以下であると原紙を塗工液が完全に被覆することが困難となり、十分な水蒸気バリア性が得られない、ガスバリア層が紙基材に浸透するため、均一なガスバリア性が得られない問題がある。一方、30g/m2以上であると、塗工時の乾燥負荷が大きくなり、操業面、コスト面の両方の観点より好ましくない。
本発明において、ガスバリア層に使用される水溶性高分子としては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、エチレン共重合ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどを例示することができる。これらの中では、ガスバリア性の点から、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースが好ましい。また、ガスバリア層に使用される顔料としてはカオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト、マイカなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料などを単独または2種類以上混合して使用することができる。これらの中では、高湿度雰囲気下おけるガスバリア性の点から無機顔料を使用することが好ましく、平均粒子径3μm以上、且つアスペクト比が10以上の無機顔料(特にカオリン)を使用することが更に好ましく、平均粒子径5μm以上、且つアスペクト比が50以上の無機顔料(特にカオリン)を使用することが特に好ましい。さらに、ガスバリア層には、水溶性高分子、顔料の他、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。
本発明において、ガスバリア層の塗工量は、乾燥重量で0.2〜10g/m2とすることが好ましい。塗工量が0.2g/m2未満であると均一なガスバリア層を形成することができないため、十分なガスバリア性が得られない問題がある。一方、10g/m2以上であると、塗工時の乾燥負荷が大きくなり、操業面、コスト面の両方の観点より好ましくない。
本発明において、水蒸気バリア層、ガスバリア層の塗工方法については特に限定されるものではなく、公知の塗工装置を用いることができる。例えば、ブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーターなどが挙げられる。また、塗工層を乾燥させる手法としては、例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒーター、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の方法が用いられる。
本発明において、水蒸気バリア層、ガスバリア層を設けた面の反対面は、実際に包装材料として用いられた場合、包装物の外面となる。この為、印刷される事が多いと考えられる。より、印刷物の外観を高めるために、一般的に印刷用塗工紙に使用される技術にて塗工層を設けることも可能である。
本発明において、紙基材上に水蒸気バリア層、ガスバリア層を設けた紙製バリア包装材料に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル重合体などのシーラント層を設けることができる。シーラント層の積層方法については特に制限されるものではないが、従来の溶融押し出しラミ法やフィルムを用いたドライラミ法、直接溶融コート法など公知の方法を用いることができる。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、もちろんこれらの例に限定される物ではない。なお、特に断らない限り、例中の部および%は、それぞれ重量部、重量%を示す。なお、塗工液及び得られた機能性紙について以下に示す様な評価法に基づいて試験を行った。
(評価方法)
(1)水蒸気透過度:温度40±0.5℃、相対湿度90±2%の条件下で、透湿度測定器(Dr.Lyssy社製、L80−4000)を用いて測定した。
(2)酸素バリア層のはじき:酸素バリア層塗工直後に、はじきの状況を目視により評価した。評価は○(はじき発生なし)、△(部分的にはじき発生)、×(完全にはじき発生)の3段階とした。
(3)酸素透過度:MOCON社製OX−TRAN2/21を使用し、23℃-0%RH条件にて測定した。
(4)平均粒子径:試料スラリーを分散剤ヘキサメタリン酸ソーダ0.2重量%を添加した純水中で滴下混合して均一分散体とし、レーザー法粒度測定機(使用機器:マルバーン社製マスターサイザーS型)を使用して粒度測定する。
(5)アスペクト比:顔料の平面方向および断面方向をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて撮影し、顔料配向面の直系と長さを測定して、[アスペクト比=顔料配向面の直径/厚さ]により算出した。
[実施例1]
(紙基材の作製)
カナダ式標準ろ水度(CSF)500mlの広葉樹クラフトパルプ(LBKP)とCSF530mlの針葉樹クラフトパルプ(NBKP)を80/20の重量比で配合して、原料パルプとした。原料パルプスラリーに、乾燥紙力増強剤として分子量250万のポリアクリルアミド(PAM)を対絶乾パルプ重量あたり0.1%、サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を対絶乾パルプ重量あたり0.35%、湿潤紙力増強剤としてポリアミドエピクロロヒドリン(PAEH)系樹脂を対絶乾パルプ重量あたり0.15%、さらに歩留剤として分子量1000万のポリアクリルアミド(PAM)を対絶乾パルプ重量あたり0.08%添加した後、デュオフォーマーFM型抄紙機にて300m/minの速度で抄紙し、坪量59g/m2の紙を得た。次いで、得られた紙に固形分濃度2%に調製したポリビニルアルコール(クラレ社製PVA117)をロッドメタリングサイズプレスで、両面に1.0g/m2塗工、乾燥し、坪量60g/m2の原紙を得た。得られた原紙をチルドカレンダーを用いて、速度300min/m、線圧50kgf/cm、1パスにて平滑処理を行った。
(水蒸気バリア層用塗工液の調製)
大粒径エンジニアードカオリン(イメリス社製、バリサーフHX 粒子径9.0μm アスペクト比80−100)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対無機顔料0.2部)、セリエミキサーで分散して固形分濃度55%の大粒径カオリンスラリーを調製した。得られたカオリンスラリー中に合成樹脂として、アクリル・スチレン系共重合体(サイデン化学社製サイビノールEK61 粒子径 120nm、Tg 24℃)を対顔料100部(固形分)となるように配合し、固形分濃度50%の塗工液Aを得た。
(酸素バリア層用塗工液の調製)
ポリビニルアルコール(クラレ社製PVA117)を固形分濃度10%となるよう調製した。また大粒径エンジニアードカオリン(イメリス社製バリサーフHX)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対無機顔料0.2部)、セリエミキサーで分散して固形分濃度55%の大粒径カオリンスラリーを調製した。得られた2つの液体を固形分で水溶性高分子:顔料=100:100として固形分濃度が15%となるよう混合し、塗工液Bを得た。
(紙製バリア包装材料の作製)
得られた原紙上に塗工液Aを塗工量(乾燥)15g/m2となるよう塗工速度300m/minでブレードコーターを用いて片面塗工、乾燥した。その後、その上に塗工液Bを塗工量(乾燥)2.0g/m2となるようメイヤーバーを用いて片面塗工し、紙製バリア包装材料を得た。
[比較例1]
紙基材に水蒸気バリア層、ガスバリア層の両層を設けない以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[比較例2]
ガスバリア層を設けなかった以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[比較例3]
水蒸気バリア層を設けなかった以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[比較例4]
水蒸気バリア層用の塗工液に顔料を配合しなかった以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
Figure 2013176950

Claims (2)

  1. 紙基材上に顔料及び水蒸気バリア性樹脂を含有する水蒸気バリア層、水溶性高分子を含有するガスバリア層をこの順に設けた紙製バリア包装材料において、該水蒸気バリア性樹脂がアクリル系合成樹脂であることを特徴とする紙製バリア包装材料。
  2. 前記顔料が平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンであることを特徴とする請求項1に記載の紙製バリア包装材料。
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