JP2014180758A - 紙製バリア包装材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、水系塗料の塗工によって設けられた水蒸気バリア層およびガスバリア層を有する、優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持つ紙製バリア包装材料及びその製造方法を提供すること目的とする。
【解決手段】 紙基材上に、顔料及びバインダーを含有する水蒸気バリア層、水溶性高分子を含有するガスバリア層をこの順に設けた紙製バリア包装材料において、該水蒸気バリア層のバインダーとして、スチレン・ブタジエン系樹脂及び変性ポリエチレン樹脂を含有することを特徴とする紙製バリア包装材料。
【選択図】 なし
【解決手段】 紙基材上に、顔料及びバインダーを含有する水蒸気バリア層、水溶性高分子を含有するガスバリア層をこの順に設けた紙製バリア包装材料において、該水蒸気バリア層のバインダーとして、スチレン・ブタジエン系樹脂及び変性ポリエチレン樹脂を含有することを特徴とする紙製バリア包装材料。
【選択図】 なし
Description
本発明は食品の包装材または容器やカップなど用いられる紙製バリア材料に関する。
紙製の包装材料にガスバリア性(特に、酸素バリア性)を付与することは、包装される各種製品をガスによる劣化、例えば酸素による酸化などから守るために重要である。
従来から、紙製の包装材料へのガスバリア性の付与には、紙基材(原紙)上にガスバリア層として、アルミニウム等の金属からなる金属箔や金属蒸着フィルム、ポリビニルアルコールやエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等の樹脂フィルム、あるいはこれらの樹脂をコーティングしたフィルム、更に酸化珪素や酸化アルミニウム等の無機酸化物を蒸着したセラミック蒸着フィルム等を紙基材(原紙)に押し出しラミネート、または、貼合する方法が主に用いられてきた。
上記以外のガスバリア性を付与した紙製の包装材料としては、水溶性高分子と無機層状化合物からなるガスバリア性を用いた紙製のガスバリア材料(特許文献1、特許文献2)、被覆層上に特定のビニルアルコール系重合体からなるバリア層を設けた紙製のガスバリア材料(特許文献2)などが開示されている。
また、紙製の包装材料に耐水性(特に、水蒸気バリア性)を付与することも、包装される各種製品を水蒸気による劣化から守るために重要である。
紙製の包装材料への水蒸気バリア性の付与として、紙基材上に水蒸気バリア性に優れる樹脂フィルム、あるいはこれらの水蒸気バリア性に優れる樹脂をコーティングしたフィルム等を紙基材に押し出しラミネート、または、貼合する方法が主に用いられてきた。
これらの方法以外の水蒸気バリア性を付与した紙製の包装材料としては、合成樹脂ラテックス、ワックス及び無機微粒子からなる防湿層を有する包装用紙(特許文献3)が開示されている。
さらに、紙製の包装材料にガスバリア性と水蒸気バリア性の両方を付与した包装材料としては、紙基材にガスバリア性を有する樹脂と水蒸気バリア性を有する樹脂をラミネートした包装材料が知られている。
しかしながら、紙基材(原紙)にガスバリア性を有する樹脂と水蒸気バリア性を有する樹脂をラミネートした包装材料は、ラミネート可能な樹脂の種類などに制限があるため、様々な要求品質に対応できないといった問題があった。
一方、紙基材(原紙)にガスバリア性を有する樹脂、水蒸気バリア性を有する樹脂をコーティングすることによって付与した包装材料は、使用できる樹脂の種類などの制限が少ないため、様々な要求品質への対応は可能になる。しかしながら、ガスバリア性、水蒸気バリア性の両方を付与した包装材料、例えば、特許文献1あるいは特許文献2のガスバリア性を有す包装材料の上に特許文献3の防湿層を設けた場合、良好な水蒸気バリア性は得られるもののガスバリア性が得られなくなる問題があった。また、特許文献3の防湿層を有する防湿紙の上に特許文献1あるいは特許文献2のガスバリア層を設ける場合、防湿層の表面張力が低くく、はじきによりガスバリア層が均一に形成されないため、十分なガスバリア性を得ることができなかった。
そこで、本発明は、水系塗料の塗工によって設けられた水蒸気バリア層およびガスバリア層を有する、優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持つ紙製バリア包装材料を提供すること目的とする。
本発明は、以下の〔1〕〜〔2〕を提供するものである。
〔1〕紙基材上に、顔料及びバインダーを含有する水蒸気バリア層、水溶性高分子を含有するガスバリア層をこの順に設けた紙製バリア包装材料において、該水蒸気バリア層のバインダーとして、スチレン・ブタジエン系樹脂及び変性ポリエチレン樹脂を含有することを特徴とする紙製バリア包装材料。
〔2〕前記水蒸気バリア層のバインダーの配合部数が、水蒸気バリア層の顔料100重量部に対して5〜200重量部であることを特徴とする〔1〕に記載の紙製バリア包装材料。
〔3〕前記変性ポリエチレン樹脂の配合部数が水蒸気バリア層の顔料100重量部に対して1〜50重量部であることを特徴とする〔1〕〜〔2〕に記載の紙製バリア包装材料。
〔1〕紙基材上に、顔料及びバインダーを含有する水蒸気バリア層、水溶性高分子を含有するガスバリア層をこの順に設けた紙製バリア包装材料において、該水蒸気バリア層のバインダーとして、スチレン・ブタジエン系樹脂及び変性ポリエチレン樹脂を含有することを特徴とする紙製バリア包装材料。
〔2〕前記水蒸気バリア層のバインダーの配合部数が、水蒸気バリア層の顔料100重量部に対して5〜200重量部であることを特徴とする〔1〕に記載の紙製バリア包装材料。
〔3〕前記変性ポリエチレン樹脂の配合部数が水蒸気バリア層の顔料100重量部に対して1〜50重量部であることを特徴とする〔1〕〜〔2〕に記載の紙製バリア包装材料。
本発明によれば、水系塗料の塗工によって設けられた水蒸気バリア層およびガスバリア層を有する、優れたガスバリア性と水蒸気バリア性を併せ持つ紙製バリア包装材料を提供することができる。
本発明は、紙基材上(以下、「原紙」ということがある。)に水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に設けることを特徴とする紙製バリア包装材料に関するものである。
本発明の包装材料が優れた水蒸気バリア性およびガスバリア性を併せ持つ理由は次のように推測される。
ガスバリア層に用いられるガスバリア性を有する樹脂としては下記に例示するように水溶性高分子が一般的であり、紙基材上にガスバリア層、水蒸気バリア層をこの順に設けた場合、紙基材中の水分や紙基材を経由して浸透する空気中の水分などにより、水溶性高分子を含有するガスバリア層が劣化する。一方、紙基材上に、耐水性の良好な樹脂を含有する水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に設けた場合、水蒸気バリア層が紙基材中の水分などのガスバリア層への影響(劣化)を防止することができる。
本発明において、水蒸気バリア層にバインダーとして、スチレン・ブタジエン系樹脂と変性ポリエチレン樹脂を含有することが重要であり、優れた効果が発現する理由は次のように推測される。
スチレン・ブタジエン系樹脂と変性ポリエチレン樹脂は水蒸気バリア性に優れるとともに、相溶性が高い2種類の樹脂である。また、スチレン・ブタジエン系樹脂と変性ポリエチレン樹脂は造膜性(特に造膜温度)に違いがある。このため、スチレン・ブタジエン系樹脂と変性ポリエチレン樹脂が含有されたバリア層は、その形成過程(乾燥過程)において、まず、造膜温度の低い樹脂がフィルム化するが、紙基材中からの水分の蒸発などの影響により、微小な欠陥が発生する。このため、この時点では十分な水蒸気バリア性を得ることができないが、造膜温度の高いもう一方の樹脂がフィルム化する際に微小な欠陥を埋めるため最終的に得られる水蒸気バリア層は欠陥がないため優れた水蒸気バリア性が発現する。
本発明において、スチレン・ブタジエン系樹脂はスチレンとブタジエンのモル比率がスチレン/ブタジエン=10/90〜90/10で共重合された樹脂あれば特に限定されるものではなく、必要に応じて他のモノマー、ポリマーを導入することもできる。また、変性ポリエチレン樹脂は、ポリエチレンを主成分とするポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸成分、アクリル酸エステル成分、その他の成分をランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合された樹脂であれば特に限定されるものではなく、不飽和カルボン酸成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミドなど、アクリル酸エステル成分としては(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリルなど、その他の成分としては、1−オクテン、ノルボルネン類等の炭素数6を超えるアルケン類やジエン類;マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類;(メタ)アクリル酸アミド類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類;ぎ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類ならびにビニルエステル類を塩基性化合物等でケン化して得られるビニルアルコール;2−ヒドロキシエチルアクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロニトリル;スチレン;置換スチレン:一酸化炭素;二酸化硫黄などを例示することができる。、などを例示することができ、必要に応じて他のモノマー、ポリマーを導入することもできる。
但し、上記理由から、スチレン・ブタジエン系樹脂と変性ポリエチレン樹脂の造膜性(特に造膜温度)に差があることが好ましい。造膜温度の差は特に限定されるものではないが、5℃以上あることが好ましい。
本発明において、所望の効果を阻害しない範囲で、水蒸気バリア層に、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の樹脂を単独あるいは2種類以上添加することができる。
本発明において、顔料の種類としては、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料などを使用することができる。これらの顔料の中でも、水蒸気バリア性向上、酸素バリア層の浸透抑制の両方の観点から、平均粒子径3μm以上且つアスペクト比10以上の顔料(特にカオリン)、より好ましくは平均粒子径5μm以上且つアスペクト比50以上の顔料(特にカオリン)を用いることが好ましい。さらに、平均粒子径3μm以上且つアスペクト比10以上の顔料と平均粒子径5μm以下の顔料を併用することが好ましい。なお、平均粒子径3μm以上且つアスペクト比10以上の顔料と平均粒子径5μm以下の顔料の配合比率が乾燥重量で、50/50〜99/1であることが好ましい。
水蒸気バリア層に、平均粒子径3μm以上且つアスペクト比10以上の顔料と平均粒子径5μm以下の顔料を含有させることで、層状に存在する均粒子径3μm以上且つアスペクト比10以上の顔料の間に平均粒子径5μm以下の顔料が入り込む構造となって、扁平な顔料の面に沿って移動を余儀なくされる水蒸気は、この小さな顔料粒子により移動が阻止されることとなる。つまり、水蒸気バリア層に扁平性と平均粒子径の異なる顔料を含有させた場合、水蒸気バリア層中で、扁平で大きな粒子径の顔料により形成される空隙に小さな粒子径の顔料が充填された状態となり、水蒸気は顔料を迂回して通過するため、小さな粒子径の顔料を混入していない水蒸気バリア層と比較して、高い水蒸気バリア性を発揮する。
水蒸気バリア層の顔料とバインダー(樹脂)の配合量は、顔料(乾燥重量)100重量部に対して、樹脂(乾燥重量)5〜200重量部の範囲で使用されることが好ましく、より好ましくは樹脂20〜150重量部であり、変性ポリエチレン樹脂の配合量は、顔料(乾燥重量)100重量部に対して、樹脂(乾燥重量)1〜50重量部の範囲で使用されることが好ましい。また、水蒸気バリア層には、樹脂、顔料の他、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。
本発明において紙基材とは、パルプ、填料、各種助剤からなるシートである。パルプとしては、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、サルファイトパルプなどの化学パルプ、ストーングラインドパルプ、サーモメカニカルパルプなどの機械パルプ、ケナフ、竹、麻などから得られた非木材繊維など用いることができ適宜配合して用いることが可能であるが、これらの中でも、原紙中への異物混入が発生し難い、使用後の紙容器を古紙原料に供してリサイクル使用する際に経時変色が発生し難い、高い白色度を有するため印刷時の面感が良好となり包装材料として使用した場合の使用価値が高くなるなどの理由から化学パルプを用いることが好ましく、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)を用いることがより好ましい。
填料としてはホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、ゼオライト、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。また、硫酸バンドや各種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性あるいは、両性の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて使用することができる。更に、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等も必要に応じて添加することができる。
紙基材の製造(抄紙)方法は特に限定されるものではなく、公知の長網フォーマー、オントップハイブリッドフォーマー、ギャップフォーマーマシンを用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ抄紙方式で抄紙して紙基材を製造することができる。また、紙基材は一般の塗工紙に用いられる坪量が25〜400g/m2程度のものが好ましい。さらに、紙基材の表面を各種薬剤で処理することが可能である。使用される薬剤としては、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酸素変性澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、表面サイズ剤、耐水化剤、保水剤、増粘剤、滑剤などを例示することができ、これらを単独あるいは2種類以上を混合して用いることができる。紙基材の表面処理の方法は特に限定されるものではないが、ロッドメタリング式サイズプレス、ポンド式サイズプレス、ゲートロースコーター、スプレーコーター、ブレードコーター、カーテンコーターなど公知の塗工装置を用いることができる。
本発明において、顔料の種類としては、上記範囲内の粒子径およびアスペクト比の条件を満たしていればカオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料などを使用することができる。これらの顔料の中でも、上記大粒径顔料としては水蒸気バリア性向上、酸素バリア層の浸透抑制の両方の観点から、カオリンを用いることが好ましい。
水蒸気バリア層に顔料を含有させる場合、樹脂と顔料の配合量は、顔料(乾燥重量)100重量部に対して、樹脂(乾燥重量)5〜200重量部の範囲で使用されることが好ましく、より好ましくは樹脂20〜150重量部である。また、水蒸気バリア層には、樹脂、顔料の他、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。
本発明において、水蒸気バリア層の塗工量は、乾燥重量で5〜30g/m2とすることが好ましく、8〜25g/m2、10〜20g/m2であることがさらに好ましい。塗工量が5g/m2以下であると原紙を塗工液が完全に被覆することが困難となり、十分な水蒸気バリア性が得られない、ガスバリア層が紙基材に浸透するため、均一なガスバリア性が得られない問題がある。一方、30g/m2以上であると、塗工時の乾燥負荷が大きくなり、操業面、コスト面の両方の観点より好ましくない。
本発明において、ガスバリア層に使用される水溶性高分子としては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、エチレン共重合ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどを例示することができる。これらの中では、ガスバリア性の点から、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースが好ましい。
また、ガスバリア層に使用される顔料としてはカオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト、マイカなどの無機顔料および密実型、中空型、またはコアーシェル型などの有機顔料などを単独または2種類以上混合して使用することができる。これらの中では、高湿度雰囲気下おけるガスバリア性の点から無機顔料を使用することが好ましく、平均粒子径3μm以上、且つアスペクト比が10以上の無機顔料(特にカオリン)を使用することが更に好ましく、平均粒子径5μm以上、且つアスペクト比が50以上の無機顔料(特にカオリン)を使用することが特に好ましい。
本発明において、ガスバリア層に含有する顔料と水溶性高分子の配合比率(乾燥重量)は顔料/水溶性高分子1/100〜1000/100であることが好ましい。顔料の比率が上記範囲外であると充分なガスバリア性が発現しない。さらに、ガスバリア層には、水溶性高分子、顔料の他、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。
本発明において、ガスバリア層の塗工量は、乾燥重量で0.2〜10g/m2とすることが好ましい。塗工量が0.2/m2未満であると均一なガスバリア層を形成することができないため、十分なガスバリア性が得られない問題がある。一方、0.2〜10g/m2以上であると、塗工時の乾燥負荷が大きくなり、操業面、コスト面の両方の観点より好ましくない。
本発明において、顔料を水溶性高分子中に配合する際に、顔料を水分散してスラリー化したものを添加し混合することが好ましい。
本発明において、ガスバリア層の塗工量は、乾燥重量で0.1〜10g/m2とすることが好ましい。塗工量が0.1/m2未満であると均一なガスバリア層を形成することができないため、十分なガスバリア性が得られない問題がある。一方、10g/m2以上であると、塗工時の乾燥負荷が大きくなり、操業面、コスト面の両方の観点より好ましくない。
本発明において、水蒸気バリア層、ガスバリア層の塗工方法については特に限定されるものではなく、公知の塗工装置を用いることができる。例えば、ブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーターなどが挙げられる。また、塗工層を乾燥させる手法としては、例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒーター、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の方法が用いられる。
本発明において、紙基材上に水蒸気バリア層、ガスバリア層を設けた紙製バリア包装材料に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル重合体などのシーラント層を設けることができる。シーラント層の積層方法については特に制限されるものではないが、従来の溶融押し出しラミ法やフィルムを用いたドライラミ法、直接溶融コート法など公知の方法を用いることができる。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、もちろんこれらの例に限定される物ではない。なお、特に断らない限り、例中の部および%は、それぞれ重量部、重量%を示す。なお、塗工液及び得られた機能性紙について以下に示す様な評価法に基づいて試験を行った。
(評価方法)
(1)水蒸気透過度:温度40±0.5℃、相対湿度90±2%の条件下で、透湿度測定器(Dr.Lyssy社製、L80−4000)を用いて測定した。
(2)酸素透過度:MOCON社製OX−TRAN2/21を使用し、23℃-0%RH条件で測定した。
(1)水蒸気透過度:温度40±0.5℃、相対湿度90±2%の条件下で、透湿度測定器(Dr.Lyssy社製、L80−4000)を用いて測定した。
(2)酸素透過度:MOCON社製OX−TRAN2/21を使用し、23℃-0%RH条件で測定した。
(紙基材の作製)
カナダ式標準ろ水度(CSF)500mlの広葉樹クラフトパルプ(LBKP)とCSF530mlの針葉樹クラフトパルプ(NBKP)を80/20の重量比で配合して、原料パルプとした。原料パルプスラリーに、乾燥紙力増強剤として分子量250万のポリアクリルアミド(PAM)を対絶乾パルプ重量あたり0.1%、サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を対絶乾パルプ重量あたり0.35%、湿潤紙力増強剤としてポリアミドエピクロロヒドリン(PAEH)系樹脂を対絶乾パルプ重量あたり0.15%、さらに歩留剤として分子量1000万のポリアクリルアミド(PAM)を対絶乾パルプ重量あたり0.08%添加した後、デュオフォーマーFM型抄紙機にて300m/minの速度で抄紙し、坪量60g/m2の紙を得た。得られた原紙をチルドカレンダーを用いて、速度300min/m、線圧50kgf/cm 1パスにて平滑処理を行った。
カナダ式標準ろ水度(CSF)500mlの広葉樹クラフトパルプ(LBKP)とCSF530mlの針葉樹クラフトパルプ(NBKP)を80/20の重量比で配合して、原料パルプとした。原料パルプスラリーに、乾燥紙力増強剤として分子量250万のポリアクリルアミド(PAM)を対絶乾パルプ重量あたり0.1%、サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を対絶乾パルプ重量あたり0.35%、湿潤紙力増強剤としてポリアミドエピクロロヒドリン(PAEH)系樹脂を対絶乾パルプ重量あたり0.15%、さらに歩留剤として分子量1000万のポリアクリルアミド(PAM)を対絶乾パルプ重量あたり0.08%添加した後、デュオフォーマーFM型抄紙機にて300m/minの速度で抄紙し、坪量60g/m2の紙を得た。得られた原紙をチルドカレンダーを用いて、速度300min/m、線圧50kgf/cm 1パスにて平滑処理を行った。
(水蒸気バリア層用塗工液の調製)
大粒径エンジニアードカオリン(イメリス社製バリサーフHX 粒子径9.0μm アスペクト比80−100)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対無機顔料0.2部)、セリエミキサーで分散して固形分濃度55%の大粒径カオリンスラリーを調製した。得られたカオリンスラリー中に重質炭酸カルシウムスラリー(ファイマテック社、FMT−75、平均粒子径:1.6μm、アスペクト比:1)を顔料配合比で75:25となるように混合、撹拌し、更にスチレン・ブタジエン系樹脂(日本ゼオン社製、PNT7868)を対顔料100部(固形分)となるように配合し、その後、変性ポリエチレン樹脂(ユニチカ株式会社製、アローベースSB−1010)を対顔料20部(固形分)となるよう配合して、固形分濃度40%の塗工液Aを得た。
大粒径エンジニアードカオリン(イメリス社製バリサーフHX 粒子径9.0μm アスペクト比80−100)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対無機顔料0.2部)、セリエミキサーで分散して固形分濃度55%の大粒径カオリンスラリーを調製した。得られたカオリンスラリー中に重質炭酸カルシウムスラリー(ファイマテック社、FMT−75、平均粒子径:1.6μm、アスペクト比:1)を顔料配合比で75:25となるように混合、撹拌し、更にスチレン・ブタジエン系樹脂(日本ゼオン社製、PNT7868)を対顔料100部(固形分)となるように配合し、その後、変性ポリエチレン樹脂(ユニチカ株式会社製、アローベースSB−1010)を対顔料20部(固形分)となるよう配合して、固形分濃度40%の塗工液Aを得た。
(ガスバリア層用塗工液の調製)
ポリビニルアルコール(クラレ社製PVA117)を固形分濃度10%となるよう調製した。また大粒径エンジニアードカオリン(イメリス社製バリサーフHX)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対顔料0.2部)、セリエミキサーで分散して固形分濃度55%の大粒径カオリンスラリーを調製した。得られた2つの液体を固形分で水溶性高分子:顔料=100:100として固形分濃度が15%となるよう混合し、塗工液Bを得た。
ポリビニルアルコール(クラレ社製PVA117)を固形分濃度10%となるよう調製した。また大粒径エンジニアードカオリン(イメリス社製バリサーフHX)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対顔料0.2部)、セリエミキサーで分散して固形分濃度55%の大粒径カオリンスラリーを調製した。得られた2つの液体を固形分で水溶性高分子:顔料=100:100として固形分濃度が15%となるよう混合し、塗工液Bを得た。
(紙製バリア包装材料の作製)
得られた原紙上に塗工液Aを塗工量(乾燥重量)12g/m2となるよう塗工速度300m/minでブレードコーターを用いて片面塗工、乾燥した後、その上に塗工液Bを塗工量(乾燥)2.0g/m2となるよう塗工速度300m/minでロールコーターを用いて片面塗工し、紙製バリア包装材料を得た。
得られた原紙上に塗工液Aを塗工量(乾燥重量)12g/m2となるよう塗工速度300m/minでブレードコーターを用いて片面塗工、乾燥した後、その上に塗工液Bを塗工量(乾燥)2.0g/m2となるよう塗工速度300m/minでロールコーターを用いて片面塗工し、紙製バリア包装材料を得た。
[実施例2]
水蒸気バリア層中の塗料配合において、スチレン・ブタジエン系樹脂の配合部数を対顔料100部から50部に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
水蒸気バリア層中の塗料配合において、スチレン・ブタジエン系樹脂の配合部数を対顔料100部から50部に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[実施例3]
水蒸気バリア層中の塗料配合において、変性ポリエチレン樹脂の配合部数を20部から10部に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
水蒸気バリア層中の塗料配合において、変性ポリエチレン樹脂の配合部数を20部から10部に変更した以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[比較例1]
水蒸気バリア層中の塗料配合において、変性ポリエチレン樹脂を配合せず、スチレン・ブタジエン系樹脂の配合部数を70部とした以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
水蒸気バリア層中の塗料配合において、変性ポリエチレン樹脂を配合せず、スチレン・ブタジエン系樹脂の配合部数を70部とした以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
[比較例2]
水蒸気バリア層中の塗料配合において、スチレン・ブタジエン系樹脂を配合せず、変性ポリエチレン樹脂の配合部数を70部とした以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
水蒸気バリア層中の塗料配合において、スチレン・ブタジエン系樹脂を配合せず、変性ポリエチレン樹脂の配合部数を70部とした以外は実施例1と同様にして紙製バリア包装材料を得た。
Claims (3)
- 紙基材上に、顔料及びバインダーを含有する水蒸気バリア層、水溶性高分子を含有するガスバリア層をこの順に設けた紙製バリア包装材料において、該水蒸気バリア層のバインダーとして、スチレン・ブタジエン系樹脂及び変性ポリエチレン樹脂を含有することを特徴とする紙製バリア包装材料。
- 前記水蒸気バリア層のバインダーの配合部数が、水蒸気バリア層の顔料100重量部に対して5〜200重量部であることを特徴とする請求項1に記載の紙製バリア包装材料。
- 前記変性ポリエチレン樹脂の配合部数が水蒸気バリア層の顔料100重量部に対して1〜50重量部であることを特徴とする請求項1〜2に記載の紙製バリア包装材料。
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JP2013054513A JP2014180758A (ja) | 2013-03-18 | 2013-03-18 | 紙製バリア包装材料 |
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Cited By (3)
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JP2021147708A (ja) * | 2020-03-16 | 2021-09-27 | 日本製紙株式会社 | 塗工層を有する紙の製造方法 |
EP3733406B1 (en) | 2017-10-04 | 2022-04-06 | Nippon Paper Industries Co., Ltd | Barrier material |
CN114934406A (zh) * | 2022-06-16 | 2022-08-23 | 佛山南海力豪包装有限公司 | 纸制阻隔材料的制备工艺 |
-
2013
- 2013-03-18 JP JP2013054513A patent/JP2014180758A/ja active Pending
Cited By (4)
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EP3733406B1 (en) | 2017-10-04 | 2022-04-06 | Nippon Paper Industries Co., Ltd | Barrier material |
JP2021147708A (ja) * | 2020-03-16 | 2021-09-27 | 日本製紙株式会社 | 塗工層を有する紙の製造方法 |
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