JP2016068363A - 煙草用包装材料 - Google Patents

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治城 山下
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Abstract

【課題】本発明は、煙草の匂いを外部へ流出させない、フィルム包装が不要な紙製の煙草用包装材料を提供することを目的とする。【解決手段】紙基材上に水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順で積層されている煙草用包装材料であって、該水蒸気バリア層が顔料及び樹脂を含有していることを特徴とする、煙草用包装材料。本発明の煙草用包装材料を用いて包装された煙草は、従来のフィルムを用いて包装された煙草と同程度の匂い流出防止性を有する。【選択図】 なし

Description

本発明は、煙草用包装材料に関する。具体的には、紙製の煙草用包装材料に関する。
従来の煙草包装は、紙製包装材料および包装フィルムから構成されている。この紙製包装材料は、遮光性を有するアルミ蒸着紙、加飾性を付与するとともに包装の形状を維持するための紙基材から構成されている。また、フィルム包装は、空気中の水蒸気あるいは酸素などによるたばこの喫味の低下を防止するとともに、煙草の匂いを外部へ流出させないために、紙製包装材料の外側の包装材料として使用されている(特許文献1)。
特開2002-193356号
近年の環境問題の高まりから、フィルム包装のない煙草包装が要望されるようになってきている。しかしながら、上記したような従来の煙草包装から、単に包装フィルムを除いた場合には、空気中の水蒸気あるいは酸素などによる煙草の喫味の低下、煙草の匂いが傍にある他のものに移ってしまうといった問題がある。
そこで、本発明は、煙草の匂いを外部へ流出させない、フィルム包装が不要な紙製の煙草用包装材料を提供することを目的とする。
本発明は以下の〔1〕〜〔4〕を提供する。
〔1〕 紙基材上に水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順で積層されている煙草用包装材料であって、該水蒸気バリア層が顔料及び樹脂を含有していることを特徴とする、煙草用包装材料。
〔2〕 前記水蒸気バリア層に含有する顔料が、平均粒子径5μm以上、アスペクト比10以上のカオリンを全顔料に対して50-100重量%含有していることを特徴とする、〔1〕に記載の煙草用包装材料。
〔3〕 前記ガスバリア層に含有される水溶性高分子が、ポリビニルアルコール樹脂であることを特徴とする、〔1〕〜〔2〕に記載の煙草用包装材料。
〔4〕 前記ガスバリア層が、顔料を含有していることを特徴とする、〔1〕〜〔3〕に記載の煙草用包装材料。
本発明によれば、煙草の匂いを外部へ流出させない、フィルム包装が不要な紙製の煙草用包装材料を提供することができる。
本発明は、紙基材上(以下、「原紙」ということがある。)に水蒸気バリア層、ガスバ
リア層をこの順に設けたたばこ用包装材料(以下、「包装材料」ということがある。)
である。二種類のバリア層は水性の塗工液を塗工して形成されている。
紙基材の上に水蒸気バリア層、更にその上にガスバリア層を形成した本発明のたばこ用包装材料が優れた水蒸気バリア性及びガスバリア性を併せ持つ理由は次のように推測される。
ガスバリア層の形成に水溶性高分子樹脂が用いられている例が多い。紙基材上にガスバ
リア層、水蒸気バリア層をこの順に設けた場合、紙基材を経由して浸透する空気中の水分
等が作用して、水溶性高分子を含有するガスバリア層が劣化する。一方、紙基材上に、耐
水性の良好な樹脂を含有する水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順に設けた場合、紙基
材を経由した水分は水蒸気バリア層にブロックされるのでガスバリア層への影響(劣化)
を防止することができる。このため、本発明のたばこ用包装材料は良好な水蒸気バリア性及びガスバリア性を有する。
本発明の煙草用包装材料は、ガスバリア層側が内容物(被包装材)側で紙層側が外気側(外表面)として通常使用される。外気の水分が内部へ浸透することを防止できる。また高度なガスバリア性の要求がある場合には、更に、内側となるガスバリア層上に樹脂の押し出しラミネート層やフィルムのラミネート層を付加形成することで対応できる。
<紙基材について>
本発明において紙基材とは、パルプ、填料、各種助剤からなるシートである。パルプとしては、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、サルファイトパルプ等の化学パルプ、ストーングラインドパルプ、サーモメカニカルパルプ等の機械パルプ、ケナフ、竹、麻等から得られた非木材繊維等である。これらの素材を適宜配合して用いることが可能である。これらの中でも、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)等の化学パルプが好ましい。化学パルプは、原紙中への異物混入が発生し難いこと、使用後の紙容器を古紙原料に供してリサイクル使用する際に経時変色が発生し難いこと、高い白色度を有するため印刷時の面感が良好であり包装材料として使用価値が高くなること、等の理由から適している。
填料としては、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、ゼオライト、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。また、硫酸バンドや各種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性あるいは、両性の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、紙力増強剤や内添サイズ剤等の抄紙用内添助剤を必要に応じて使用することができる。更に、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等も必要に応じて添加することができる。
紙基材の製造(抄紙)方法は特に限定されるものではなく、公知の長網フォーマー、オントップハイブリッドフォーマー、ギャップフォーマーマシンを用いて、酸性抄紙、中性抄紙、アルカリ抄紙方式で抄紙して紙基材を製造することができる。また、紙基材は一般に塗工紙に用いられる坪量25〜400g/m2程度のものが好ましい。更に、紙基材の表面を各種薬剤で処理することが可能である。使用される薬剤としては、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酸素変性澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、表面サイズ剤、耐水化剤、保水剤、増粘剤、滑剤等を例示することができ、これらを単独あるいは2種類以上を混合して用いることができる。紙基材の表面処理の方法は特に限定されるものではないが、ロッドメタリング式サイズプレス、ポンド式サイズプレス、ゲートロースコーター、スプレーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター等公知の塗工装置を用いることができる。
<水蒸気バリア層について>
(樹脂について)
水蒸気バリア層に含有させる樹脂としては、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アク
リル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・
ブチルアクリレート系等の各種共重合体、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチル
メタクリレート系共重合体等を単独あるいは2種類以上混合して使用することができる。
これらの中ではスチレン・ブタジエン系樹脂が水蒸気バリア性の点から好ましい。また、水蒸気バリア層に使用される樹脂は、水に分散していることが好ましい。なお、界面活性剤を用いたエマルジョンタイプの樹脂も水に分散している樹脂である。
本発明においてスチレン・ブタジエン系合成樹脂とは、スチレンとブタジエンを主構成モノマーとし、これに変性を目的とする各種のコモノマーを組み合わせ、乳化重合したものである。コモノマーの例として、メチルメタクリルレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレートや、イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸等の不飽和カルボン酸等が挙げられる。樹脂は、水を分散剤とし、乳化したエマルジョンタイプの塗工料として使用する。乳化剤としては、オレイン酸ナトリウム、ロジン酸石鹸、アルキルアリルスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤である。これらを単独、又はノニオン性界面活性剤と組み合わせて用いることができる。更に、必要に応じて両性又はカチオン性界面活性剤を用いても良い。
本発明では、水蒸気バリア層を形成する塗工料には炭化水素、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、脂肪酸及び脂肪酸とアルコールのエステル等の撥水成分を含有していないことが好ましい。なお、従来の水蒸気バリア性を有する包装材料は、撥水成分を含有した樹脂を設けてあることが一般的である。撥水成分は水蒸気バリア層とガスバリア層との親和性を低下することとなり、一方の層から浸透した水分やガスが界面剥離を促すこととなり、好ましくない。
(顔料について)
本発明において、水蒸気バリア層に顔料を含有させることは、水蒸気バリア性を向上させる。また、水蒸気バリア層とガスバリア層の密着性が向上する。
顔料としては、無機顔料、有機顔料がある。無機顔料は、カオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト等である。有機顔料は、密実型、中空型、又はコアーシェル型等である。これらの顔料を単独又は2種類以上混合して使用することができる。
顔料は、扁平形状で大きなものが適している。更に、大粒径と小粒径を併用することにより水蒸気バリア性が向上する。
これらの顔料の中でも、形状が扁平なカオリン等の無機顔料は、水蒸気のバリア性を向上させる。特に、平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンがより好ましい。扁平な顔料は塗工層に平行に分布し、水蒸気バリア層内に浸透した水蒸気は、扁平な顔料によって厚さ方向に移動することが遮られ、迂回して移動することとなり、水蒸気が水蒸気バリア層を通過する経路が長くなり、バリア性が向上する。添加する顔料のアスペクト比が小さいと塗工層中を水蒸気が迂回する回数が減少し、移動する距離が短くなるため、結果として水蒸気バリア性は、扁平で大粒径の顔料よりも劣ることとなる。
扁平な顔料は、ガスバリア層でも同様の作用が期待できる。
扁平な顔料として、カオリンの他、マイカやモンモリロナイトを使用することも可能である。しかしながら、マイカ、モンモリロナイトの分散液はカオリンの分散液より低濃度であり、マイカ、モンモリロナイトを用いた水蒸気バリア層用の塗工液は低濃度となるため、形成される水蒸気バリア層中でおいて、顔料が配向しにくくなるため、カオリンの方が適している。
水蒸気バリア層に上記した扁平な顔料添加に加えて平均粒子径が5μm以下の顔料を更に添加することにより、水蒸気バリア性を更に向上させることができる。この小粒径の顔料は扁平である必要はない。
本発明において、水蒸気バリア性の向上、及びガスバリア層との密着性の点から、平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンを含有する水蒸気バリア層に、更に平均粒子径5μm以下の顔料を含有させることが好ましい。重層的に存在する均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンの間に平均粒子径5μm以下の顔料が入り込む構造となって、扁平なカオリンの面に沿って移動を余儀なくされる水蒸気は、この小さな顔料粒子により移動が阻止されることとなる。つまり、水蒸気バリア層に扁平性と平均粒子径の異なる顔料を含有させた場合、水蒸気バリア層中で、隣接する扁平で大きな粒子径の顔料の間に形成される空隙に小さな粒子径の顔料が充填された状態となり、水蒸気は顔料を迂回して通過するため、小さな粒子径の顔料を混入していない水蒸気バリア層と比較して、高い水蒸気バリア性を発揮する。
本発明において、平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンと平均粒子径5μm以下の顔料の配合比率が乾燥重量で、50/50〜99/1であることが好ましい。平均粒子径5μm以上且つアスペクト比10以上のカオリンの比率が上記範囲より少ないと水蒸気が塗工層中を迂回する距離が短くなるため、十分な水蒸気バリア性を得ることができない。一方、上記範囲より多いと、塗工層中の大粒径顔料が形成する空隙を平均粒子径5μm以下の顔料で十分に埋めることができないため、水蒸気バリア性の向上は見られない。
本発明において、平均粒子径5μm以下の顔料としてはカオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト等の無機顔料及び密実型、中空型、又はコアーシェル型等の有機顔料等を単独又は2種類以上混合して使用することができる。これらの顔料の中では、重質炭酸カルシウムが好ましい。
水蒸気バリア層に顔料を含有させる場合、樹脂と顔料の配合量は、顔料(乾燥重量)100重量部に対して、樹脂(乾燥重量)5〜200重量部の範囲で使用されることが好ましく、より好ましくは樹脂20〜150重量部である。また、水蒸気バリア層には、樹脂、顔料の他、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。
(架橋剤)
本発明において、水蒸気バリア層に多価金属塩等に代表される架橋剤を添加することが好ましい。架橋剤は水蒸気バリア層に含有されるバインダーと架橋反応を起こすため、水蒸気バリア層内の結合の数(架橋点)が増加する。つまり、水蒸気バリア層が緻密な構造となり、良好な水蒸気バリア性を発揮する。
本発明において、架橋剤の種類としては特に限定されるものではなく、水蒸気バリア層に含有されるバインダーの種類に合わせて、多価金属塩(銅、亜鉛、銀、鉄、カリウム、ナトリウム、ジルコニウム、アルミニウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、チタン等の多価金属と、炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、珪酸イオン、窒素酸化物、ホウ素酸化物等のイオン性物質が結合した化合物)、アミン化合物、アミド化合物、アルデヒド化合物、ヒドロキシ酸等から適宜選択して使用することができる。架橋剤の配合部数は、塗工可能な塗料濃度や塗料粘度の範囲内であれば特に限定されることなく配合することができる。なお、水蒸気バリア性に優れた効果を発揮するスチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系等のスチレン系の水蒸気バリア性樹脂を用いた場合、架橋効果発現の観点から、多価金属塩を使用することが好ましい。更に、カリウムミョウバンがより好ましい。
架橋剤の添加量は、水蒸気バリア層に使用されるバインダー樹脂100重量部に対して、1〜10重量部である。より好ましくは3〜5重量部である。1重量部より少ないと、十分な効果が得られず、10重量部より多いと、塗工液の粘度が著しく増加するため、塗工困難になる。
本発明において、水蒸気バリア層を形成させる塗工液に架橋剤を添加する場合、水酸化アンモニウム溶液等の極性溶媒に架橋剤を溶解させてから塗工液へ添加することが好ましい。架橋剤を極性溶媒に溶解することにより、架橋剤と極性溶媒で結合を作るため塗工液へ配合しても直ちにラテックスとの架橋反応は起こらず、塗料の増粘を抑制することができる。その場合、紙への塗工後に乾燥することにより極性溶媒成分が揮発し、バインダーとの架橋反応が起こり、緻密な水蒸気バリア層が形成されると推測される。
(接触角)
本発明において、紙基材上に設ける水蒸気バリア層表面の水との接触角は、90°未満が好ましく、より好ましくは85°未満、更に好ましくは80°未満である。水との接触角が90°以上であると、水蒸気バリア層上に均一なガスバリア層を設けることが困難となり、高いガスバリア性を発揮することが困難となる。90°未満の場合には、水蒸気バリア層とガスバリア層の反発性を抑えて両層間の剥離を抑制することできる。この接触角は水蒸気バリア層とガスバリア層の親和性を推測する目安となる。
なお、水蒸気バリア層表面の水との接触角を調整する方法としては、限定されるものではないが、水との接触角の低い水蒸気バリア層用の樹脂の使用、顔料の添加等を挙げることができる。
<ガスバリア層について>
(水溶性高分子について)
本発明において、ガスバリア層を形成する塗工料のバインダー樹脂として使用される水溶性高分子としては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、エチレン共重合ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等を例示することができる。これらの中では、ガスバリア性の点から、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースが好ましく、ポリビニルアルコールが更に好ましい。
(顔料について)
本発明において、ガスバリア層に使用される顔料としてはカオリン、クレー、エンジニアードカオリン、デラミネーテッドクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、珪酸、珪酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイト、マイカ等の無機顔料及び密実型、中空型、又はコアーシェル型等の有機顔料がある。これらを単独又は2種類以上混合して使用することができる。これらの中では、ガスバリア性の点から無機顔料を使用することが好ましい。
平均粒子径3μm以上、且つアスペクト比が10以上の無機顔料(特にカオリン)を使用することが更に好ましく、平均粒子径5μm以上、且つアスペクト比が50以上の無機顔料(特にカオリン)を使用することが特に好ましい。ガスバリア層に顔料を含有させた場合、酸素等のガスは顔料を迂回して通過する。このため、顔料を含有していない水溶性高分子からなるガスバリア層と比較して、良好な水蒸気バリア性及び高湿度雰囲気下における優れたガスバリア性を有する。
本発明において、ガスバリア層に含有する顔料と水溶性高分子の配合比率(乾燥重量)は顔料/水溶性高分子が1/100〜1000/100であることが好ましい。顔料の比率が上記範囲外であると充分なガスバリア性が発揮しない。
(架橋剤について)
本発明において、ガスバリア層に多価金属塩等に代表される架橋剤を添加することが好ましい。架橋剤は水溶性高分子の水酸基どうしを架橋構造にて結合させるため、高湿度となった場合に結合が緩む(又は切れる)水酸基量が減少し、層全体の耐水性が向上するため、高湿度下での酸素バリア性の低下を抑制することができる。
本発明において、架橋剤の種類としては特に限定されるものではなく、水蒸気バリア層に含有されるバインダーの種類に合わせて、多価金属塩(銅、亜鉛、銀、鉄、カリウム、ナトリウム、ジルコニウム、アルミニウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、チタン等の多価金属と、炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、珪酸イオン、窒素酸化物、ホウ素酸化物等のイオン性物質が結合した化合物)、アミン化合物、アミド化合物、アルデヒド化合物、ヒドロキシ酸等を適宜選択して使用することができる。架橋剤の配合部数においても塗工可能な塗料濃度や塗料粘度の範囲内であれば特に限定されることなく配合することができる。なお、水蒸気バリア性に優れた効果を発現するスチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系等のスチレン系の水蒸気バリア性樹脂を用いた場合、架橋効果発現の観点から、多価金属塩を使用することが好ましく、カリウムミョウバンを使用することがより好ましい。
架橋剤の添加量は、ガスバリア層に使用される樹脂100重量部に対して、1〜10重量部であり、より好ましくは3〜5重量部である。1重量部より少ないと、十分な効果が得られず、10重量部より多いと、塗工液の粘度が著しく増加するため、塗工困難になる。
(添加剤)
本発明において、顔料を水溶性高分子中に配合する際に、顔料を水分散してスラリー化したものを添加し混合することが好ましい。
本発明において、ガスバリア層には、水溶性高分子、顔料の他、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、染料、蛍光染料等の通常使用される各種助剤を使用することができる。
<塗工について>
本発明において、水蒸気バリア層、ガスバリア層の塗工方法については特に限定されるものではなく、公知の塗工装置を用いることができる。例えば、ブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーター等が挙げられる。また、塗工層を乾燥させる手法としては、例えば、蒸気加熱ヒーター、ガスヒーター、赤外線ヒーター、電気ヒーター、熱風加熱ヒーター、マイクロウェーブ、シリンダードライヤー等の通常の方法が用いられる。
本発明において、水蒸気バリア層の塗工量は、乾燥重量で4〜30g/m2とすることが好ましく、より好ましくは6〜25g/m2であり、更に好ましくは10〜20g/m2であることが好ましい。塗工量が3g/m2以下であると原紙を塗工液が完全に被覆することが困難となり、十分な水蒸気バリア性が得られない、ガスバリア層が紙基材に浸透するため、均一なガスバリア性が得られない問題がある。一方、30g/m2以上であると、塗工時の乾燥負荷が大きくなり、操業面、コスト面の両方の観点より好ましくない。
本発明において、ガスバリア層の塗工量は、乾燥重量で0.2〜10g/m2とすることが好ましい。塗工量が0.2/m2未満であると均一なガスバリア層を形成することができないため、十分なガスバリア性が得られない問題がある。一方、10g/m2以上であると、塗工時の乾燥負荷が大きくなり、操業面、コスト面の両方の観点より好ましくない。
本発明において、紙基材上に水蒸気バリア層、ガスバリア層を設けた、たばこ用包装材料に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル重合体等のシーラント層を設けることができる。シーラント層の積層方法については特に制限されるものではないが、従来の溶融押し出しラミ法やフィルムを用いたドライラミ法、直接溶融コート法等公知の方法を用いることができる。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、もちろんこれらの例に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、例中の部及び%は、それぞれ重量部、重量%を示す。なお、塗工液及び得られた機能性紙について以下に示す様な評価法に基づいて試験を行った。試験結果を表1に示す。
(1) 平均粒子径:試料スラリーを分散剤ヘキサメタリン酸ソーダ0.2重量%を添加した純水中で滴下混合して均一分散体とし、レーザー法粒度測定機(使用機器:マルバーン社製マスターサイザーS型)を使用して粒度測定する。
(2) アスペクト比:顔料の平面方向及び断面方向をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて撮影し、顔料配向面の直系と長さを測定して、[アスペクト比=顔料配向面の直径/厚さ]により算出した。
[実施例1]
(紙基材の作製)
カナダ式標準ろ水度(CSF)500mlの広葉樹クラフトパルプ(LBKP)とCSF530mlの針葉樹クラフトパルプ(NBKP)を80/20の重量比で配合して、原料パルプとした。原料パルプスラリーに、乾燥紙力増強剤として分子量250万のポリアクリルアミド(PAM)を対絶乾パルプ重量あたり0.1%、サイズ剤としてアルキルケテンダイマー(AKD)を対絶乾パルプ重量あたり0.35%、湿潤紙力増強剤としてポリアミドエピクロロヒドリン(PAEH)系樹脂を対絶乾パルプ重量あたり0.15%、更に歩留剤として分子量1000万のポリアクリルアミド(PAM)を対絶乾パルプ重量あたり0.08%添加した後、デュオフォーマーFM型抄紙機にて300m/minの速度で抄紙し、坪量59g/m2の紙を得た。次いで、得られた紙に固形分濃度2%に調製したポリビニルアルコール(クラレ社製PVA117)をロッドメタリングサイズプレスで、両面に1.0g/m2塗工、乾燥し、坪両60g/m2の原紙を得た。得られた原紙をチルドカレンダーを用いて、速度300min/m、線圧50kgf/cm、1パスにて平滑処理を行った。
(水蒸気バリア層用塗工液の調製)
大粒径エンジニアードカオリン(イメリス社製バリサーフHX 粒子径9.0μm アスペクト比80−100)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対無機顔料0.2部)、セリエミキサーで分散して固形分濃度55%の大粒径カオリンスラリーを調製した。得られたカオリンスラリー中にスチレン・ブタジエン系ラテックス (日本ゼオン社製PNT7868)を対顔料100部(固形分)となるように配合し、固形分濃度50%の塗工液Aを得た。
(ガスバリア層用塗工液の調製)
ポリビニルアルコール(クラレ社製PVA117)を固形分濃度10%となるよう調製し、塗工液Bを得た。
(たばこ用包装材料の作製)
得られた原紙上に塗工液Aを塗工量(乾燥)12g/m2となるよう塗工速度300m/minでブレードコーターを用いて片面塗工、乾燥した後、その上に塗工液Bを塗工量(乾燥)2.0g/m2となるよう塗工速度300m/minでロールコーターを用いて片面塗工し、煙草用包装材料を得た。
(煙草の包装)
アルミ蒸着紙、紙、フィルム(10μmのポリエチレンフィルム)の3種類の材料で包装されている市販のたばこ(銘柄メビウス6mg)の紙、フィルムの包装材料を除いた、アルミ蒸着紙のみで包装された煙草を用意し、このアルミ蒸着紙のみで包装された煙草を上記で得られた煙草用包装材料で包装した。
なお、煙草用包装材料で包装は、2枚の煙草用包装材料のガスバリア層面の端部同士をアクリル系接着剤で接着した。
[実施例2]
ガスバリア層用塗工液において大粒径エンジニアードカオリン(イメリス社製バリサーフHX)に分散剤としてポリアクリル酸ソーダを添加し(対無機顔料0.2部)、セリエミキサーで分散して固形分濃度55%の大粒径カオリンスラリーを調製した。得られたカオリンスラリーと塗工液Bを固形分で顔料:塗工液B=100:100として固形分濃度が10%となるよう混合した塗工液を使用した以外は実施例1と同様にしてたばこ用紙製包装材料を得た。
[実施例3]
水蒸気バリア層用塗工液において塗工液Aの顔料中に重質炭酸カルシウムスラリー(フ
ァイマテック社製、FMT−75、平均粒子径:1.6μm、アスペクト比:1)を顔料
配合比で75:25となるように混合、撹拌した塗工液を用いた以外は実施例1と同様に
してたばこ用紙製包装材料を得た。
[参考例1]
市販のたばこ(銘柄メビウス6mg)を用いて、匂いの評価を行った。なお、この市販のたばこの包装材料は、銀紙、印刷紙、フィルム(10μmのポリエチレンフィルム)の3種類の材料から構成されていた。
[比較例1]
参考例1で用いた市販のたばこの包装材料を構成するフィルムを除いて、匂いの評価を行った。
<匂いの評価>
常温で1か月放置した後に、煙草の匂いを以下の基準で評価した。
○:参考例1の市販の煙草と匂いが同等のもの
×:参考例1の市販の煙草と匂いが大きく変化したもの

Figure 2016068363

Claims (4)

  1. 紙基材上に水蒸気バリア層、ガスバリア層をこの順で積層されている煙草用包装材料であって、該水蒸気バリア層が顔料及び樹脂を含有していることを特徴とする、煙草用包装材料。
  2. 前記水蒸気バリア層に含有する顔料が、平均粒子径5μm以上、アスペクト比10以上のカオリンを全顔料に対して50-100重量%含有していることを特徴とする、請求項1に記載の煙草用包装材料。
  3. 前記ガスバリア層に含有される水溶性高分子が、ポリビニルアルコール樹脂であることを特徴とする、請求項1〜2に記載の煙草用包装材料。
  4. 前記ガスバリア層が、顔料を含有していることを特徴とする、請求項1〜3に記載の煙草用包装材料。
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