JP5745952B2 - タイヤ性能シミュレーション方法、タイヤ性能シミュレーション装置、及びタイヤ性能シミュレーションプログラム - Google Patents

タイヤ性能シミュレーション方法、タイヤ性能シミュレーション装置、及びタイヤ性能シミュレーションプログラム Download PDF

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Description

本発明は、タイヤ性能シミュレーション方法、タイヤ性能シミュレーション装置、及びタイヤ性能シミュレーションプログラムに係り、より詳しくは、有限要素法等の数値解析法によりタイヤの性能を解析するためのタイヤ性能シミュレーション方法、タイヤ性能シミュレーション装置、及びタイヤ性能シミュレーションプログラムに関する。
タイヤ挙動についての解析は、実際に設計・製造したタイヤを計測したり自動車に装着して得た性能試験結果を用いたりしたものから、計算機(コンピュータ)環境の発達に伴って、計算機上でシミュレーションによって実現できるようになってきている。このタイヤ挙動をシミュレーションによって解析する主要な方法としては、有限要素法(FEM)等の数値解析手法が主に用いられている(例えば特許文献1参照)。FEMは、構造体を有限個の要素でモデル化して、コンピュータを用いて構造体の挙動を解析する手法であり、その特徴から構造体を有限個の要素に分割する(以下、メッシュ分割、または要素分割という。)ことが必要である。予測精度の高いタイヤ挙動をシミュレーションするためには、有限個の要素で構成されるシミュレーション用のタイヤモデル(数値データから構成されている)を如何に実際のタイヤ形状と同じように製作するかが重要である。
ところで、タイヤは、ゴム材料はもとより、タイヤコードを数多く含んで構成されている。このタイヤコードは、複数の芯(フィラメント)が複雑に撚られて束ねられて形成されて用いられる。そこで、タイヤをFEMによりシミュレーションするときにタイヤコードの部分もモデル化する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−293432号公報 特開2009−196598号公報
しかしながら、上記特許文献2に記載された技術では、タイヤコードをモデル化する際にタイヤコード周囲のゴムの影響については考慮されていない。また、タイヤモデルにおいては、タイヤコード一本ずつの影響も考慮されていない。このため、タイヤコード内部やタイヤコード周囲のゴムの変形による転がり抵抗や、ベルトやサイドウォール等のプライ端部での歪みによる耐久性が精度よく評価することができない、という問題があった。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたものであり、タイヤコード周囲の変形を精度良くシミュレーションすることができるタイヤ性能シミュレーション方法、タイヤ性能シミュレーション装置、及びタイヤ性能シミュレーションプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明のタイヤ性能シミュレーション方法は、タイヤの全体を複数の要素に要素分割したタイヤ全体モデルを作成するステップと、前記タイヤを構成する構成部材のうちタイヤコードを含む構成部材について、複数のフィラメントを含む前記タイヤコードを複数のソリッド要素で要素分割したタイヤコードモデル及び前記タイヤコードの周囲のゴムを数のソリッド要素で要素分割したゴムモデルを含むコード周囲モデルを作成するステップと、前記タイヤ全体モデルの変形計算を実行するステップと、前記タイヤ全体モデルの変形計算の結果に基づいて、前記タイヤ全体モデルの前記コード周囲モデルに相当する位置における物理量を、前記コード周囲モデルに境界条件として付与するステップと、前記境界条件に基づいて前記コード周囲モデルの変形計算を実行するステップと、を含むことを特徴とする。
この発明によれば、タイヤを構成する構成部材のうちタイヤコードを含む構成部材について、タイヤコード及び当該タイヤコードの周囲のゴムを含めて複数のソリッド要素で要素分割したコード周囲モデルを作成し、タイヤ全体モデルの変形計算の結果に基づいて、タイヤ全体モデルのコード周囲モデルに相当する位置における物理量を、コード周囲モデルに境界条件として付与し、この境界条件に基づいてコード周囲モデルの変形計算を実行する。これにより、タイヤコード周囲の変形を精度良くシミュレーションすることができる。
なお、請求項2に記載したように、前記タイヤコードモデルは、前記フィラメントの撚りに応じて要素分割したモデルとしてもよい。
また、請求項3に記載したように、前記タイヤコードモデルの外周の要素の節点の各々について、前記ゴムモデルの前記タイヤコードモデルと接触する内周の要素の節点のうち最寄りの節点を検索し、前記タイヤコードモデルの外周のメッシュの節点の各々と、当該節点の各々について検索した前記最寄りの節点との相対位置関係が、前記コード周囲モデルの変形計算中に変化しないように、対応する節点同士を拘束するように各々定義するようにしてもよい。
また、請求項4に記載したように、前記タイヤコードモデルの外周の要素の節点の各々について、前記ゴムモデルの前記タイヤコードモデルと接触する内周の要素のうち最寄りの要素を検索し、前記タイヤコードモデルの外周のメッシュの節点の各々と、当該節点の各々について検索した前記最寄りの要素との相対位置関係が、前記コード周囲モデルの変形計算中に変化しないように、各々定義するようにしてもよい。
また、請求項5に記載したように、前記タイヤコードモデルは、前記複数のフィラメント間に充填材が充填された前記タイヤコードを要素分割したモデルとしてもよい。
また、請求項6に記載したように、前記タイヤ全体モデル及び前記コード周囲モデルを構成するゴム材料として粘弾性材料を用いて前記変形計算を実行するようにしてもよい。
また、請求項に記載したように、前記コード周囲モデルの変形計算において、前記タイヤの転がり抵抗に関するタイヤ性能を計算するようにしてもよい。
また、請求項に記載したように、前記転がり抵抗に関するタイヤ性能は、せん断歪及び歪エネルギーロスの少なくとも一方を含むようにしてもよい。
また、請求項に記載したように、前記物理量は、変位、速度、及び加速度の何れかであるものとすることができる。
請求項10記載の発明のタイヤ性能シミュレーション装置は、タイヤの全体を複数の要素に要素分割したタイヤ全体モデルを作成するタイヤ全体モデル作成手段と、前記タイヤを構成する構成部材のうちタイヤコードを含む構成部材について、複数のフィラメントを含む前記タイヤコードを複数のソリッド要素で要素分割したタイヤコードモデル及び前記タイヤコードの周囲のゴムを数のソリッド要素で要素分割したゴムモデルを含むコード周囲モデルを作成するコード周囲モデル作成手段と、前記タイヤ全体モデルの変形計算を実行する第1の実行手段と、前記タイヤ全体モデルの変形計算の結果に基づいて、前記タイヤ全体モデルの前記コード周囲モデルに相当する位置における物理量を、前記コード周囲モデルに境界条件として付与する付与手段と、前記境界条件に基づいて前記コード周囲モデルの変形計算を実行する第2の実行手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項11記載の発明のタイヤ性能シミュレーションプログラムは、タイヤの全体を複数の要素に要素分割したタイヤ全体モデルを作成するステップと、前記タイヤを構成する構成部材のうちタイヤコードを含む構成部材について、複数のフィラメントを含む前記タイヤコードを複数のソリッド要素で要素分割したタイヤコードモデル及び前記タイヤコードの周囲のゴムを数のソリッド要素で要素分割したゴムモデルを含むコード周囲モデルを作成するステップと、前記タイヤ全体モデルの変形計算を実行するステップと、前記タイヤ全体モデルの変形計算の結果に基づいて、前記タイヤ全体モデルの前記コード周囲モデルに相当する位置における物理量を、前記コード周囲モデルに境界条件として付与するステップと、前記境界条件に基づいて前記コード周囲モデルの変形計算を実行するステップと、を含む処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明によれば、タイヤコード周囲の変形を精度良くシミュレーションすることができる、という効果を有する。
タイヤの性能予測を実施するためのパーソナルコンピュータの概略図である。 コンピュータの概略ブロック図である。 タイヤ性能シミュレーションプログラムのフローチャートである。 タイヤ全体モデルの一例を示す斜視図である。 (A)はタイヤコードモデルの一例を示す斜視図、(B)はタイヤコードモデル及びその周囲のゴムを含むコード周囲モデルの一例を示す斜視図である。 (A)はタイヤ全体モデルの断面図、(B)は(A)の一部拡大図である。 タイヤ全体モデルのベルト付近の一部拡大図である。 タイヤ全体モデルのベルト付近の一部拡大図である。 タイヤ全体モデルの断面図である。 タイヤ全体モデルの一部拡大図である。 コード周囲モデルの配置について説明するための図である。 コード周囲モデルの一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1には一例として空気入りタイヤのタイヤモデルの作成や性能予測を実施するためのタイヤ性能シミュレーション装置としてのパーソナルコンピュータの概略が示されている。このパーソナルコンピュータは、データ等を入力するためのキーボード10、予め記憶された処理プログラムに従ってタイヤの3次元モデルを作成したり性能を予測したりするコンピュータ12、コンピュータ12による演算結果や各種画面等を表示するディスプレイ14、及びディスプレイ14に表示されたカーソルを所望の位置に移動させたり、カーソル位置のメニュー項目やオブジェクト等を選択したり選択解除したりドラッグしたりする操作を行うためのマウス16を含んで構成されている。
コンピュータ12は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)12A、ROM(Read Only Memory)12B、RAM(Random Access Memory)12C、不揮発性メモリ12D、及び入出力インターフェース(I/O)12Eがバス12Fを介して各々接続された構成となっている。
I/O12Eには、キーボード10、ディスプレイ14、マウス16、ハードディスク18、及び記録媒体としてのCD−ROM20が挿抜可能なCD−ROMドライブ22が接続されている。
ハードディスク18には、後述するタイヤ性能シミュレーションプログラムや、これらの実行に必要な各種パラメータやデータ等が記憶されている。CPU12Aは、ハードディスク18に記憶されたタイヤ性能シミュレーションプログラムを読み込んで実行する。
なお、後述するタイヤ性能シミュレーションプログラム等は、例えばCD−ROMドライブ22を用いてCD−ROM20に対して読み書き可能とすることもできるので、後述するタイヤ性能シミュレーションプログラムは、予めCD−ROM22に記録しておき、CD−ROMドライブ22を介してCD−ROM22に記録されたタイヤ性能シミュレーションプログラムを読み込んで実行してもよい。また、記録媒体としては、CD−ROMに限らず、DVD−ROM等の光ディスクや、MD,MO等の光磁気ディスクがあり、これらを用いるときには、上記CD−ROMドライブ22に代えて、またはさらにDVD−ROMドライブ、MDドライブ、MOドライブ等を用いればよい。
次に、本実施の形態の作用として、コンピュータ12で実行されるタイヤ性能シミュレーションプログラムの処理ルーチンについて図3に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップ100では、挙動解析の対象となるタイヤの設計案(タイヤ形状、構造、材料など)を定める。例えば、コンピュータ12のハードディスクに、予め複数種類のタイヤのCADデータ(タイヤ形状、構造、材料等の設計データ)等の設計データを記憶しておき、挙動解析の対象となるタイヤの設計データを選択して読み込むことにより、挙動解析の対象となるタイヤを設定することができる。
次のステップ102では、タイヤ設計案を数値解析上のモデルに落とし込むためのタイヤ全体のタイヤ全体モデルを作成する。このタイヤ全体モデルの作成は、用いる数値解析手法により若干異なる。本実施の形態では数値解析手法として有限要素法(FEM)を用いるものとする。
従って、上記ステップ102で作成するタイヤ全体モデルは、有限要素法(FEM)に対応した要素分割、例えば、メッシュ分割によって複数の要素に分割され、タイヤを数値的・解析的手法に基づいて作成されたコンピュータプログラムヘのインプットデータ形式に数値化したものをいう。この要素分割とはタイヤ及び路面等の対象物を小さな幾つかの(有限の)小部分、すなわち要素に分割することをいう。この要素ごとに計算を行い全ての要素について計算した後、全部の要素を足し合わせることにより全体の応答を得ることができる。図4には、タイヤ全体モデル30の一例を示した。
タイヤ全体モデルは、例えばゴムはソリッド要素で定義し、ベルトやカーカス等の補強材は膜要素やシェル要素若しくはこれらに相当するrebar要素やソリッド要素で定義する。
ステップ104では、タイヤコード及びその周囲のゴムを含むコード周囲モデルを作成する。コード周囲モデルは、各要素はソリッド要素で定義する。図5(A)にはタイヤコードのみをモデル化したタイヤコードモデル32の一例を示し、同図(B)には、タイヤコードモデル32及びタイヤコードモデル32の周囲のゴムを含むコード周囲モデル34の一例を示した。
タイヤコードモデル32は、図5(A)では、一例としてフィラメント36を3本有し、それらが同一の撚り方向に撚られると共に、各フィラメント36間に充填材が充填された構成のスチールコードの3次元モデルである。
コード周囲モデル34は、タイヤコードモデル32及びその周囲のゴムをモデル化したゴムモデル38を含むモデルである。タイヤコードモデル32は、図5(A)に示すように、フィラメント36の撚りに応じてメッシュ分割されるため、ゴムモデル38と整合させるのは困難である。このため、ゴムモデル38は、タイヤコードモデル32とは独立してメッシュ分割する。
そして、タイヤコードモデル32の外周のメッシュの節点の各々について、ゴムモデル38のタイヤコードモデル32と接触する内周のメッシュの節点のうち最寄りの節点を検索する。そして、タイヤコードモデル32の外周のメッシュの節点の各々と、これら節点の各々について検索した前記最寄りの節点との相対位置関係が、コード周囲モデル34の挙動解析中に変化しないように、すなわち対応する節点同士を拘束するように各々定義する。
なお、節点同士を拘束させるのではなく、タイヤコードモデル32の外周のメッシュの節点の各々について、ゴムモデル38のタイヤコードモデル32と接触する内周のメッシュのうち最寄りのメッシュを検索し、タイヤコードモデル32の外周のメッシュの節点の各々と、これら節点の各々について検索した前記最寄りのメッシュとの相対位置関係が、コード周囲モデル34の挙動解析中に変化しないように各々定義するようにしてもよい。
ステップ106では、タイヤ全体モデル30の挙動解析を行う。具体的には、まず境界条件の設定がなされる。この境界条件とは、タイヤ全体モデル30の解析上すなわちタイヤの挙動をシミュレートする上で必要なものであり、タイヤ全体モデル30に付与する各種条件である。この境界条件の設定では、例えばタイヤ全体モデル30に内圧や負荷荷重等を付与する。そして、タイヤ全体モデル30に付与した境界条件に基づいて、タイヤ接地面における挙動を有限要素法により計算する。すなわち、タイヤ全体モデル30の変形計算を有限要素法に基づいて行う。この変形計算では、例えば公知の転動解析手法を用いて解析することができる。また、転動解析では、タイヤのスリップ角やキャンバー角を設定した解析や、タイヤが取り付けられる車両の車両モデルと組み合わせた解析、路面を要素分割してモデル化した路面モデルと組み合わせた解析を行うことができる。路面モデルでは、路面状態を設定できる。例えば乾燥(DRY)、濡れ(WET)、氷上、雪上、非舗装等に対応する路面の摩擦係数μを必要に応じて設定することで路面状態を設定できる。
ステップ108では、ステップ106のタイヤ全体モデルの変形計算の結果に基づいて、詳細な解析を行う部位、例えばタイヤ全体モデル30のうちタイヤコードが含まれるベルトやカーカス等の補強材とその周囲に相当する部分の変位を抽出する。
例えば、図6(A)に示すように、タイヤのベルト40に相当する部分の変位を抽出する場合について説明する。この場合、同図(B)に示すように、タイヤ全体モデル30では、ベルト40は1枚の膜要素42で定義される。
ベルト40は、実際には図7に示すように、厚みを有し、タイヤコード44及びその周囲のゴム46を含んでいる。このため、図7の例では、ベルト40を含むメッシュの各節点の変位を抽出する。
ステップ110では、抽出した変位を、ステップ104で作成したコード周囲モデル34の外部境界に強制変位境界条件として付与する。例えば、ベルト40の端部の解析を行う場合は、図8に示すように、ベルト40の端部を含むメッシュ50A、50Bの節点52の変位を、コード周囲モデル34の外部境界(図8における太線部分)上の節点に付与する。
このとき、タイヤ全体モデル30の節点とコード周囲モデル34の節点の位置は異なるので、例えば図8の例では、ベルト40の端部を含むメッシュ50A、50Bの節点52A〜52Fの変位に基づいて、コード周囲モデル34の外部境界に付与する変位を補間する。補間方法としては、例えば線形補間や多項式補間、有限要素法の形状関数を用いる方法がある。例えば有限要素法の形状関数を用いた補間では、次式に従ってコード周囲モデル34の外部境界に付与する変位を算出する。
Figure 0005745952
ここで、U(ベクトル)は補間される変位、すなわちコード周囲モデル34の外部境界に付与する変位である。また、Nは形状関数、U(ベクトル)はコード周囲モデル34の外部境界を含むタイヤ全体モデル34のメッシュの節点の変位、nnは当該メッシュの節点の数である。例えば、図8のコード周囲モデル34の上半分の外部境界上の節点の変位は、この外部境界上の節点を含むタイヤ全体モデル30のメッシュ50Bの節点52A〜52Dの変位に基づいて上記(1)式により求められ、コード周囲モデル34の下半分の外部境界上の節点の変位は、この外部境界上の節点を含むタイヤ全体モデル30のメッシュ50Aの4個の節点52C〜52Fの変位に基づいて上記(1)式により求められる。
ステップ112では、ステップ110で付与した境界条件に基づいて、コード周囲モデル34の挙動解析を有限要素法に基づいて行う。すなわち、コード周囲モデル34の変形計算を行う。具体的には、例えばタイヤの転がり抵抗に関する性能、例えばベルトを2層にした場合の層間せん断歪や歪みエネルギーロス等である。
ステップ114では、上記の計算結果、例えば、ステップ112で算出したコード周囲モデル34の形状等をディスプレイ14等に出力する。なお、図9に示すカーカスプライの端部領域54についても上記と同様に解析できる。
なお、タイヤ全体モデル及びコード周囲モデルのゴム材料については、弾性材料で定義してもよいが、粘弾性材料で定義することが好ましい。粘弾性材料で定義することにより、より精度よくタイヤ性能をシミュレーションすることができる。
このように、本実施形態では、タイヤコードの周囲のゴムも考慮して変形計算を行うため、タイヤコード周囲の変形を精度良くシミュレーションすることができる。
なお、本実施形態では、タイヤ全体モデルの変形計算の結果に基づいて、タイヤ全体モデルのコード周囲モデルに相当する位置における物理量として変位を求め、これをコード周囲モデルに境界条件として付与する場合について説明したが、前記物理量として速度又は加速度を求め、これをコード周囲モデルに境界条件として付与するようにしてもよい。
(実施例)
次に、本発明の実施例について説明する。
まず、タイヤサイズが195/65R15のタイヤ全体モデルを作成した。図9には作成したタイヤ全体モデル50の断面図を示した。
そして、タイヤ全体モデルに対して、内圧210kPa、荷重4.0kNを境界条件として付与し、速度60km/hで平坦剛体路面上を転動解析させるシミュレーションを行った。図9のベルトの端部領域52を拡大した図10に示すように、ベルトは、ベルト40A、40Bの2層構造であり、これら2つのベルトの端部の層間で発生するタイヤ半径方向及び周方向でのせん断歪、全歪成分による歪エネルギーロスを求めた。また、ゴム材料として粘弾性を考慮した材料モデルである一般化マクスウェルモデルを用い、同じ位置での歪エネルギーロスも求めた。
なお、タイヤコードモデル32は、例えば図11(A)に示すように、直径aが0.25mmのフィラメント60を3本撚った構造であり、このタイヤコードモデル32の周囲に厚みbが0.4mmのゴムを設け、全体として断面の1辺の長さcが1.4mm、長手方向の長さが1mmのコード周囲モデル34を作成した。そして、二つのベルト40A、40Bの交差角度を66度として、この角度に対応してコード周囲モデル34A、34Bを配置し、このコード周囲モデル34A、34Bの外部境界、すなわち外表面に、タイヤ全体モデル50のベルト端部周辺の各節点の変位の時刻歴から前述した補間方法により求めた変位を付与して解析した。
なお、以下の表のコード周囲モデルAは、図11(A)に示すように、ベルト40Aの端部に対応したコード周囲モデル34Aとベルト40Bの端部に対応したコード周囲モデル34Bをタイヤの幅方向において同一の位置にタイヤの幅方向と直交する方向に重ねて配置したモデルであり、コード周囲モデルBは、同図(B)に示すように、ベルト40Aの端部に対応する二つのコード周囲モデル34Aをタイヤの幅方向に沿って並べて配置し、その中央にベルト40Bの端部に対応するコード周囲モデル34Bを重ねて配置したモデルである。
以下に、層間せん断歪、歪エネルギーロスの解析結果を示す。ここで、歪みエネルギーロスとは、要素毎の応力、歪に材料のロス(tanδ)と体積を掛け合わせたものである。なお、ゴム材料を粘弾性を考慮した材料モデルである一般化マクスウェルモデルを用いてエネルギーロスを求めた結果も示した。また、タイヤ全体モデルにおける解析結果を100としている。
Figure 0005745952
上記の結果より、コード周囲モデルA、Bについては、タイヤ全体モデルより詳細にモデル化しているため、全ての歪が大きくなっていること、コード周囲モデルの配置の違いによって解析結果が異なることが判り、本発明のようにタイヤコードの周囲のゴムも考慮して解析することにより精度よくタイヤコード周辺の変形計算を精度よく行うことができることが判った。
次に、図12に示すようなコード周囲モデル70を作成した。なお、タイヤコード72の直径は0.5mm、周囲に0.2mmのゴムを配置した。ラジアルプライの方向に合わせてコード周囲モデル70の外表面にタイヤ全体モデル50での変位を上記と同様に有限要素法の形状関数を用いた補間により補間した変位を境界条件として付与して解析した。その結果、タイヤ全体モデルでは解析できないプライコード間に発生する歪みを解析することができた。
10 キーボード
12 コンピュータ
14 ディスプレイ
16 マウス
18 ハードディスク
22 CD−ROMドライブ

Claims (11)

  1. タイヤの全体を複数の要素に要素分割したタイヤ全体モデルを作成するステップと、
    前記タイヤを構成する構成部材のうちタイヤコードを含む構成部材について、複数のフィラメントを含む前記タイヤコードを複数のソリッド要素で要素分割したタイヤコードモデル及び前記タイヤコードの周囲のゴムを数のソリッド要素で要素分割したゴムモデルを含むコード周囲モデルを作成するステップと、
    前記タイヤ全体モデルの変形計算を実行するステップと、
    前記タイヤ全体モデルの変形計算の結果に基づいて、前記タイヤ全体モデルの前記コード周囲モデルに相当する位置における物理量を、前記コード周囲モデルに境界条件として付与するステップと、
    前記境界条件に基づいて前記コード周囲モデルの変形計算を実行するステップと、
    を含むタイヤ性能シミュレーション方法。
  2. 前記タイヤコードモデルは、前記フィラメントの撚りに応じて要素分割したモデルである
    請求項1記載のタイヤ性能シミュレーション方法。
  3. 前記タイヤコードモデルの外周の要素の節点の各々について、前記ゴムモデルの前記タイヤコードモデルと接触する内周の要素の節点のうち最寄りの節点を検索し、前記タイヤコードモデルの外周のメッシュの節点の各々と、当該節点の各々について検索した前記最寄りの節点との相対位置関係が、前記コード周囲モデルの変形計算中に変化しないように、対応する節点同士を拘束するように各々定義する
    請求項1又は請求項2記載のタイヤ性能シミュレーション方法。
  4. 前記タイヤコードモデルの外周の要素の節点の各々について、前記ゴムモデルの前記タイヤコードモデルと接触する内周の要素のうち最寄りの要素を検索し、前記タイヤコードモデルの外周のメッシュの節点の各々と、当該節点の各々について検索した前記最寄りの要素との相対位置関係が、前記コード周囲モデルの変形計算中に変化しないように、各々定義する
    請求項1又は請求項2記載のタイヤ性能シミュレーション方法。
  5. 前記タイヤコードモデルは、前記複数のフィラメント間に充填材が充填された前記タイヤコードを要素分割したモデルである
    請求項1〜4の何れか1項に記載のタイヤ性能シミュレーション方法。
  6. 前記タイヤ全体モデル及び前記コード周囲モデルを構成するゴム材料として粘弾性材料を用いて前記変形計算を実行する
    請求項1〜5の何れか1項に記載のタイヤ性能シミュレーション方法。
  7. 前記コード周囲モデルの変形計算において、前記タイヤの転がり抵抗に関するタイヤ性能を計算する
    請求項1〜6の何れか1項に記載のタイヤ性能シミュレーション方法。
  8. 前記転がり抵抗に関するタイヤ性能は、せん断歪及び歪エネルギーロスの少なくとも一方を含む
    請求項記載のタイヤ性能シミュレーション方法。
  9. 前記物理量は、変位、速度、及び加速度の何れかである
    請求項1〜の何れか1項に記載のタイヤ性能シミュレーション方法。
  10. タイヤの全体を複数の要素に要素分割したタイヤ全体モデルを作成するタイヤ全体モデル作成手段と、
    前記タイヤを構成する構成部材のうちタイヤコードを含む構成部材について、複数のフィラメントを含む前記タイヤコードを複数のソリッド要素で要素分割したタイヤコードモデル及び前記タイヤコードの周囲のゴムを数のソリッド要素で要素分割したゴムモデルを含むコード周囲モデルを作成するコード周囲モデル作成手段と、
    前記タイヤ全体モデルの変形計算を実行する第1の実行手段と、
    前記タイヤ全体モデルの変形計算の結果に基づいて、前記タイヤ全体モデルの前記コード周囲モデルに相当する位置における物理量を、前記コード周囲モデルに境界条件として付与する付与手段と、
    前記境界条件に基づいて前記コード周囲モデルの変形計算を実行する第2の実行手段と、
    を備えたタイヤ性能シミュレーション装置。
  11. タイヤの全体を複数の要素に要素分割したタイヤ全体モデルを作成するステップと、
    前記タイヤを構成する構成部材のうちタイヤコードを含む構成部材について、複数のフィラメントを含む前記タイヤコードを複数のソリッド要素で要素分割したタイヤコードモデル及び前記タイヤコードの周囲のゴムを数のソリッド要素で要素分割したゴムモデルを含むコード周囲モデルを作成するステップと、
    前記タイヤ全体モデルの変形計算を実行するステップと、
    前記タイヤ全体モデルの変形計算の結果に基づいて、前記タイヤ全体モデルの前記コード周囲モデルに相当する位置における物理量を、前記コード周囲モデルに境界条件として付与するステップと、
    前記境界条件に基づいて前記コード周囲モデルの変形計算を実行するステップと、
    を含む処理をコンピュータに実行させるためのタイヤ性能シミュレーションプログラム。
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