JP4933924B2 - タイヤコードの解析モデル作成方法、装置、及びプログラム - Google Patents

タイヤコードの解析モデル作成方法、装置、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、自動車等に使用されるタイヤを数値解析するときに用いられるタイヤコードに係るタイヤコードの解析モデル作成方法、装置、及びプログラムに関する。
タイヤ挙動についての解析は、実際に設計・製造したタイヤを計測したり自動車に装着して得た性能試験結果を用いたりしたものから、計算機(コンピュータ)環境の発達に伴って、計算機上でシミュレーションによって実現できるようになってきている。このタイヤ挙動をシミュレーションによって解析する主要な方法としては、有限要素法(FEM)等の数値解析手法が主に用いられている。FEMは、構造体を有限個の要素でモデル化して、コンピュータを用いて構造体の挙動を解析する手法であり、その特徴から構造体を有限個の要素に分割する(以下、メッシュ分割、または要素分割という。)ことが必要である。予測精度の高いタイヤ挙動をシミュレーションするためには、有限個の要素で構成されるシミュレーション用のタイヤモデル(数値データから構成されている)を如何に実際のタイヤ形状と同じように製作するかが重要である。
ところで、タイヤは、ゴム材料はもとより、タイヤコードを数多く含んで構成されている。このタイヤコードは、複数の芯(フィラメント)が複雑に撚られて束ねられて形成されて用いられる。そこで、タイヤをFEMによりシミュレーションするときにはタイヤコードの部分もモデル化することが好ましい。タイヤコードのモデル化を可能とする技術には、タイヤコードを等価な剛性を有するように簡素化してモデル化する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−102424号公報
しかしながら、タイヤコードを等価な剛性を有するように簡素化したモデルに置き換えることでは、高精度の解析が困難である。すなわち、タイヤをモデル化する場合、タイヤ断面の要素を3次元展開してモデル化することが多い。ところが、タイヤコードは、数本の針金や繊維等のフィラメントが複数撚られながら束なって構成されていることが普通であり、この1本1本のフィラメントの撚り方向は様々であり、これを考慮しつつタイヤコードの断面からそのまま丁寧に有限要素モデル化することは複雑かつ要素数の増大を招き、事実上は不可能である。
本発明は、上記事実を考慮して、有限要素法(FEM)等の数値解析手法によるタイヤの解析等において、計算上でタイヤコードの解析を高精度で実施することを可能とするタイヤコードの解析モデル作成方法、装置、及びプログラムを得ることが目的である。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、タイヤを数値計算モデルに対応させて計算するために用いられるタイヤモデルの一部を構成するタイヤコードの解析モデル作成方法であって、前記タイヤコードが複数のフィラメント要素を所定方向に撚りつつ束ねて形成されかつ前記フィラメント要素の撚り方向に対応して中心から外側に向かい複数の分類層で構成されるときに、該分類層のうち内側の第1層について、長手方向と交差する方向のフィラメント要素断面形状を少なくとも含む第1の2次元領域を定義する工程と、前記第1の2次元領域の外周に拘束要素を設定する工程と、前記第1の2次元領域を、対応する撚り方向に撚りながら長手方向に3次元展開しつつ数値計算可能な所定分割要素に分割した第1層を形成する工程と、前記第1層に隣接する外側の第2層について、長手方向と交差する方向のフィラメント要素断面形状を少なくとも含む第2の2次元領域を定義する工程と、前記第2の2次元領域の少なくとも内周に拘束要素を設定する工程と、前記第2の2次元領域を、対応する撚り方向に撚りながら長手方向に3次元展開しつつ数値計算可能な所定分割要素で分割した第2層を形成する工程と、前記第1層の外周の拘束要素及び該拘束要素に対応する位置の前記第2層の内周の要素と、前記第2層の内周の拘束要素及び該拘束要素に対応する位置の前記第1層の外周の要素とについて、各々相対的に移動しないように拘束する拘束条件を設定して関連付ける工程と、を含むことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のタイヤコードの解析モデル作成方法であって、前記拘束要素は周面の少なくとも一部の面で設定され、前記関連付けは前記少なくとも一部の面に対応する周面の少なくとも一部の面であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のタイヤコードの解析モデル作成方法であって、前記第2の2次元領域の外周に拘束要素を設定する工程と、前記第2層に隣接する外側の第3層について、長手方向と交差する方向のフィラメント要素断面形状を少なくとも含む第3の2次元領域を設定する工程と、前記第3の2次元領域の少なくとも内周に拘束要素を設定する工程と、前記第3の2次元領域を、対応する撚り方向に撚りながら長手方向に3次元展開しつつ数値計算可能な所定分割要素で分割した第3層を形成する工程と、前記第2層の外周の拘束要素及び該拘束要素に対応する位置の前記第3層の内周の要素と、前記第3層の内周の拘束要素及び該拘束要素に対応する位置の前記第2層の外周の要素とについて、各々相対的に移動しないように拘束する拘束条件を設定して関連付ける工程と、をさらに含むことを特徴とする。
なお、本発明は、中心から外側に向かい3層を超える複数の分類層で構成されるタイヤコードに適用することができる。すなわち、請求項3を4層から最外層の分類層まで繰り返し適用する、もしくは、複数の分類層の最外層または途中の層に適用すればよい。例えば、n(nは4以上の自然数)個の分類層で構成されるタイヤコードは、第1層から第n層まで順次隣接して構成される。そこで、第4層以降の各層(第k層:3<k<n)について、第(k−1)層を第3層としかつ第(k−2)層を第2層と置き換えることで、各層について本発明を適用することができる。この場合、第1層から第n層までの全ての層の各々に本発明を適用することに限定されない。すなわち、第1層から第n層までの途中の第k番目(3<k<n)の分類層にのみ本発明を適用することができる。
また、本発明は、複数の分類層で構成されるタイヤコードを複数束ねて構成したタイヤコード群または複数撚りつつ構成したタイヤコード群に適用することができる。すなわち、複数の分類層で構成されるタイヤコードを、単一層と定義することにより、本発明を、複数の分類層で構成されるタイヤコードを複数撚りつつ構成したタイヤコード群に適用することができる。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のタイヤコードの解析モデル作成方法であって、前記2次元領域は、フィラメント要素と充填材との各領域から構成されることを特徴とする。
請求項5の発明は、タイヤを数値計算モデルに対応させて計算するために用いられるタイヤモデルの一部を構成するタイヤコードの解析モデル作成装置であって、前記タイヤコードが複数のフィラメント要素を所定方向に撚りつつ束ねて形成されかつ前記フィラメント要素の撚り方向に対応して中心から外側に向かい複数の分類層で構成されるときに、該分類層のうち内側の第1層について、長手方向と交差する方向のフィラメント要素断面形状を少なくとも含む第1の2次元領域を定義する第1定義手段と、前記第1の2次元領域の外周に拘束要素を設定する第1設定手段と、前記第1の2次元領域を、対応する撚り方向に撚りながら長手方向に3次元展開しつつ数値計算可能な所定分割要素に分割した第1層を形成する第1形成手段と、前記第1層に隣接する外側の第2層について、長手方向と交差する方向のフィラメント要素断面形状を少なくとも含む第2の2次元領域を定義する第2定義手段と、前記第2の2次元領域の少なくとも内周に拘束要素を設定する第2設定手段と、前記第2の2次元領域を、対応する撚り方向に撚りながら長手方向に3次元展開しつつ数値計算可能な所定分割要素で分割した第2層を形成する第2形成手段と、前記第1層の外周の拘束要素及び該拘束要素に対応する位置の前記第2層の内周の要素と、前記第2層の内周の拘束要素及び該拘束要素に対応する位置の前記第1層の外周の要素とについて、相対的に移動しないように拘束する拘束条件を設定して関連付ける関連付け手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項6の発明は、タイヤを数値計算モデルに対応させて計算するために用いられるタイヤモデルの一部を構成するタイヤコードの解析モデルを作成するためのコンピュータを、前記タイヤコードが複数のフィラメント要素を所定方向に撚りつつ束ねて形成されかつ前記フィラメント要素の撚り方向に対応して中心から外側に向かい複数の分類層で構成されるときに、該分類層のうち内側の第1層について、長手方向と交差する方向のフィラメント要素断面形状を少なくとも含む第1の2次元領域を定義する第1定義手段と、前記第1の2次元領域の外周に拘束要素を設定する第1設定手段と、前記第1の2次元領域を、対応する撚り方向に撚りながら長手方向に3次元展開しつつ数値計算可能な所定分割要素に分割した第1層を形成する第1形成手段と、前記第1層に隣接する外側の第2層について、長手方向と交差する方向のフィラメント要素断面形状を少なくとも含む第2の2次元領域を定義する第2定義手段と、前記第2の2次元領域の少なくとも内周に拘束要素を設定する第2設定手段と、前記第2の2次元領域を、対応する撚り方向に撚りながら長手方向に3次元展開しつつ数値計算可能な所定分割要素で分割した第2層を形成する第2形成手段と、前記第1層の外周の拘束要素及び該拘束要素に対応する位置の前記第2層の内周の要素と、前記第2層の内周の拘束要素及び該拘束要素に対応する位置の前記第1層の外周の要素とについて、相対的に移動しないように拘束する拘束条件を設定して関連付ける関連付け手段と、として機能させるタイヤコードの解析モデル作成プログラムである。
以上説明したように本発明によれば、タイヤコードを構成する分類層の周に拘束要素を設定し、この拘束要素に基づいて隣接層が相対的に移動しないように拘束する拘束条件を定めるので、フィラメントが複数撚られながら束ねて複雑に構成されるタイヤコードであっても、容易に解析可能なタイヤコードの解析モデルを提供でき、効率的なタイヤ開発を実現できる、という効果がある。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態は、タイヤの挙動解析のための解析モデルの作成に本発明を適用したものである。
(装置構成)
図1にはタイヤコードの解析モデルを作成すると共に作成した解析モデルを用いてタイヤの挙動シミュレーションを実施するためのパーソナルコンピュータの概略が示されている。このパーソナルコンピュータは、データ等を入力するためのキーボード10、予め記憶された処理プログラムに従ってタイヤの性能を予測するコンピュータ本体12、及びコンピュータ本体12の演算結果等を表示するCRT14から構成されている。
なお、コンピュータ本体12には、記録媒体としてのフレキシブルディスク(FD)が挿抜可能なフレキシブルディスクユニット(FDU)を備えている。なお、後述する処理ルーチン等は、FDUを用いてフレキシブルディスクFDに対して読み書き可能である。従って、後述するプログラムや処理ルーチンは、予めFDに記録しておき、FDUを介してFDに記録された処理プログラムを実行してもよい。また、コンピュータ本体12にハードディスク装置等の大容量記憶装置(図示省略)を接続し、FDに記録された処理プログラムを大容量記憶装置(図示省略)へ格納(インストール)して実行するようにしてもよい。また、記録媒体としては、CD−ROMやDVD等の光ディスクや、MD,MO等の光磁気ディスクがあり、これらを用いるときには、上記FDUに代えてまたはさらに、対応する装置を用いればよい。また、パーソナルコンピュータの他に、ワークステーションやスーパーコンピュータをタイヤ解析に用いてもよいことは勿論である。
(タイヤコード)
まず、タイヤに含まれるタイヤコード、特にスチールコードは、複数の細いコード(以下、フィラメントという。)を撚り合せて1本のタイヤコードになっている。この場合、複数本のフィラメントを撚り合せてできたタイヤコードを第1層(単層撚り)タイヤコードとして、その周囲に第2層のフィラメントを撚り合せて2層撚りのタイヤコードを作ることができる。このとき、第1層と第2層では撚り合せる回転方向を逆にすることが行われる。また撚りのピッチ、フィラメント径は第1層目と第2層で同一とは限らない。これを繰り返すことで複数層のタイヤコードを作成することができる。
また、タイヤコードのフィラメント間にはゴムなどの充填材(マトリックス)を入れることで、タイヤ内で使用されかつ外傷でコード周囲に水分が付着した場合の錆を抑制し耐久性能を向上することができる。これらの単数または複数層の撚りタイヤコードをさらに撚り合せることで、より太いタイヤコードを作成することができる。
一方、フィラメント間の充填材をモデル化しない場合、フィラメント間の接触有無に関わらず、フィラメントだけをモデル化すればよく、簡単に形状モデルを作成できる。この場合、フィラメント相互に接触を定義しておけば、フィラメントの挙動を解析できる。
図8に示すように、例えば、単撚りコードの場合、フィラメント周囲に充填材をモデル化し、ソリッド要素でモデル作成することは容易である。また、複数層撚りの場合、撚り合わせる方向とピッチが層間で同じであればフィラメント相互の位置関係はタイヤコードの長手方向を軸として回転させればどの場所でも同じになる。従って、フィラメント周囲に充填材がある場合でも、その断面で要素分割できれば、これをタイヤコード長手方向に押し出すことでタイヤコードの全体モデルを作成することができる。
しかしながら、通常のコードは撚り合わせる方向とピッチが層間で異なっており、上記のように簡単に押し出してタイヤコードのモデルを作成することができない。また、CADなどを用いて3次元のソリッドモデルを作成することは可能である。ところが、フィラメント間の充填材形状が非常に複雑なことから要素分割した分割要素(メッシュ)を作成することは非常に困難である。具体的には、自動的に要素分割するものでは、4面体を作成することができない場合がある。また、タイヤ用コードの充填材として通常使われるゴムはほぼ非圧縮性を持ち、ポアソン比が0.5に近い。このような材料を精度良く有限要素法で解析する場合、6面体や5面体(例えば、三角柱)が必要なことが有限要素法上では知られている。このような5、6面体をCADデータで得られた充填材部分に自動的に要素生成することは、事実上不可能であるので、タイヤコードを考慮して解析精度を向上させることはできなかった。
(タイヤコードのモデル化)
上記の事実を考慮して、本実施形態では、タイヤコードを層別に分類してモデル化して各層間に関係を持たせることで、タイヤコード全体をモデル化する。
図5は、パーソナルコンピュータ(図1)で実行される本実施の形態にかかるタイヤコードの解析モデル作成プログラムの処理ルーチンを示すものである。図5の処理が実行されることによって、タイヤコード単体またはタイヤ設計案に含まれるタイヤコードを数値解析上のモデルに落とし込むためのタイヤコードの解析モデルが作成され、そのデータをパーソナルコンピュータに記憶することができる。このタイヤコードの解析モデルの作成は、用いる数値解析手法により若干異なる。本実施の形態では数値解析手法として有限要素法(FEM)を用いるものとし、作成するタイヤコードの解析モデルは、有限要素法(FEM)に対応した要素分割、例えば、メッシュ分割によって複数の要素に分割され、タイヤを数値的・解析的手法に基づいて作成されたコンピュータプログラムヘのインプットデータ形式に数値化したものをいう。この要素分割とはタイヤコードを小さな幾つかの(有限の)小部分に分割することをいう。この小部分ごとに計算を行い全ての小部分について計算した後、全部の小部分を足し合わせることにより全体の応答を得ることができる。
まず、図5のステップ200では、解析モデルとして作成するモデル化対象のタイヤコードが指定される。このステップ200では、解析モデル作成の対象となるタイヤコードまたは、それを含むタイヤの設計案(タイヤ形状、構造、材料など)を定める。なお、上記ではタイヤ設計案に限定されるものではなく、現存するタイヤを解析する場合を含む。すなわち、現存するタイヤに含まれるタイヤコードそのものを対象のモデルとして設定してもよい。
例えば、ステップ200では、タイヤモデルに含まれるタイヤコードのうちの何れか1つのタイヤコードを選択することによって指定する。この指定は、ユーザのキーボード入力値を読み取って対応するタイヤ内の部位をタイヤコードとして設定したり、タイヤの設計案のデータから予めタイヤコードとして定めた部位を自動的に設定したりすることができる。なお、このステップ200は、指定されたタイヤコードについてのヤング率、せん断弾性率、及びポアソン比等の材料特性や、フィラメントの直径や撚り方向そして層構成等の形状に関するデータを、取得するものとする。
図4はタイヤ断面モデルの一例を示すもので、複数のゴム部材毎に分割されたカーカス22を有する空気入りタイヤ20を示している。このカーカス22はビード26により折り返されている。このカーカス22の内側はインナーライナー24とされ、インナーライナー24に延長上にはビードゴム36が配置している。また、折り返されたカーカス22により形成される略三角形状の領域はビードフィラー28とされている。カーカス22の上方には、ベルト30が配置しており、このベルト30の半径方向外側には溝が形成されたトレッドゴム32が配置し、カーカス22の軸方向外側にはサイドゴム34が配置している。なお、タイヤ断面モデルをゴム部材毎に複数分割した例を挙げたが、設計目的によって3角形等の任意の形状に分割してもよい。これらのタイヤを構成する部材に含まれるタイヤコードのうちの何れか1つのタイヤコードを選択するようにすればよい。
次に、詳細は後述するが、図5のステップ202では、指定されたタイヤコードの2次元形状(断面形状または2次元モデルという場合がある)を作成し、次のステップ204においてその作成された2次元形状をタイヤコードの長手方向に展開して3次元形状を作成する。指定したタイヤコードのモデル化が終了すると、タイヤモデルに含まれる全てのタイヤモデルについて上記処理が終了したか否かを判断し(ステップ206)、肯定されると、本処理ルーチンを終了する。一方、ステップ206で否定されると、ステップ200へ戻り、他のタイヤコードについて上記処理を繰り返し実行する。
以下、説明を簡単にするために、タイヤコードとしてベルトが指定され、ベルトに含まれる1本のタイヤコードについて数値計算可能な解析モデルとしてモデル化する場合の一例を詳細に説明する。なお、本発明は、タイヤコードをベルトに限定するものではなく、金属線等のフィラメントを複数束ねたものであれば任意のものに適用できる。ベルトは、数本の針金等のフィラメントが複数束なって構成されているコードを含むことが多い。このベルトについて、1本1本の針金毎にモデル化して解析モデルを得る。すなわち、本実施の形態では、フィラメントである金属線を束ねたベルトをタイヤコードの一例として、各フィラメントの撚り方向を含めて詳細にモデル化してタイヤコードの解析モデルを得る。
(タイヤコードの2次元モデル作成)
上記ステップ202の断面形状(2次元モデル)を作成する処理では、図6の作成処理ルーチンが実行される。ステップ210では、上記ステップ200で指定されたタイヤコードの断面構造及び材料特性を読み取り、次のステップ212においてフィラメントを層別に分類する。この分類は、指定されたタイヤコードに含まれる複数のフィラメントを、同一の撚り方向のフィラメント毎に層別に分類するものである。図9には、一例として最内層42、中間層44、及び最外層46の各々に同一の撚り方向のフィラメント48を有する3層構造のタイヤコード40を示した。
次のステップ214では、第1層のフィラメント(断面)について所定形状となるように要素分割し、次のステップ216において第1層のフィラメント群の周囲を囲む外接形状を定める。図10(A)には、第1層としてタイヤコード40の最内層42に含まれるフィラメント48の各々が要素分割されると共に、フィラメント群の周囲を囲む外接形状としてフィラメント48の外接円50が定められた場合が示されている。上記では第1層を最内層42に定めたが、第1層は最外層46でもよい。
なお、図10の例では外接形状として外接円50を採用した場合を示したが、外接形状は、円形に限らず楕円、四角、三角形、多角形等の形状でも良い。またフィラメント間で凹形状や凸形状になっていても良い。
次に、ステップ218では、フィラメント48の周囲に存在する充填材について所定形状となるように要素分割する(図10(B)参照)。なお、この充填材の要素分割は、フィラメント48の周囲に存在する場合を考慮するときにのみ実行する。すなわち、タイヤコード40をモデル化する場合、少なくともフィラメント48をモデル化することで充分な場合もあるため、充填材の要素分割は、必ずしも必要ではない。すなわちフィラメント単体の解析を行う場合等で外部の拘束が不要な場合は、定義する必要はない。
次のステップ220では、第1層に対する拘束要素を定める。図10(C)に示すように、拘束要素52は、ステップ216で定めた外接形状(ここでは外接円50)の上に位置するものである。この拘束要素52は、第1層(ここでは最内層42)に含まれるフィラメント群の変形や移動によって生じる外部に対して作用する力または第1層に対して外部から作用される力を、第1層と隣接層との間で関連付けるためのものである。すなわち、ここでは、外接円50に第2層とを関連付ける拘束要素52を定めることになる。以下の説明では、拘束要素52を点で示した場合を説明するが、線分や後述する3次元展開後の面であってもよい。なお、ステップ218において充填材の要素分割をした場合には、充填材の外周部に拘束要素を定義する。
以上のようにして第1層の断面形状の設定が終了すると、第1層の隣接層について順次上記と同様に断面形状を設定する。詳細には、ステップ222へ進み、外方向の隣接層、ここでは第2層について上記ステップ214と同様に要素分割する。次のステップ224では上記ステップ216と同様に外方向隣接層(ここでは第2層)のフィラメント群の周囲を囲む外接形状を定める。また、内方向隣接層(ここでは第1層)のフィラメント群の周囲に、外方向隣接層(ここでは第2層)のフィラメント群に内接する内接形状を定める。図11(A)には、第2層としてタイヤコード40の中間層44に含まれるフィラメント48の各々が要素分割されると共に、フィラメント群の周囲を囲む外接形状としてフィラメント48の外接円56が定められかつ内接形状として内接円54が定められた場合が示されている。
なお、図11の例では外接形状として円形状を採用した場合を示したが、円形状に限らず楕円、四角、三角形、多角形等の形状でも良い。またフィラメント間で凹形状や凸形状になっていても良い。
また、第2層の内接形状の内接円54は第1層の外接形状と互いに拘束しあうようにするので、両者は同一形状であると連携や関連付け(例えば接合)が容易である。しかし、両者を同一形状に設定することには限定しない。両者の形状が異なる場合であっても、初期の形状にて両者を拘束したり、後述シミュレーション等の計算開始直後に両者の形状が一致するように応力や歪みを発生させることなく移動した後に拘束するように設定ことができる。
次のステップ226では、上記ステップ218と同様に、フィラメント48の周囲に存在する充填材について所定形状となるように要素分割する(図11(B)参照)。なお、この充填材の要素分割は、上記と同様にフィラメント単体の解析を行う場合等で外部の拘束が不要な場合は、定義する必要はない。
次のステップ228では、外側隣接層(ここでは第2層)の拘束要素を定める。すなわち、少なくとも内側隣接層(ここでは第1層)に対する拘束要素を定める。このステップ228は、少なくとも内接形状に内側隣接層(ここでは第1層)と拘束しあうようにするための連携要素を定めるための処理である。図11(C)に示すように、内側の拘束要素59は、ステップ224で定めた内接形状(ここでは内接円54)の上に位置するものである。なお、当該層(ここでは第2層)の外側にさらに隣接層(ここでは第3層)が存在する場合には、上記ステップ220と同様に、隣接層(ここでは第3層)に対する拘束要素を定める。図11(C)に示すように、拘束要素58は、ステップ224で定めた外接形状(ここでは外接円56)の上に位置するものである。当該層外側に隣接層が存在しない場合には、隣接層に対する拘束要素を定める処理は不要である。しかし、外側に隣接層が存在しない最外層について、最外層の外側に拘束要素を予め定義しておくことは、タイヤコードをひとまとまりのコードとして他のシミュレーションのモデルとして扱うときに好ましいものである。
以上のようにして外側隣接層(ここでは第2層)の断面形状の設定が終了すると、ステップ230へ進み、タイヤコード40の全層についての断面形状の設定が終了したか否かを判断し、否定の場合、さらに隣接層について順次上記と同様に断面形状を設定する。すなわち、図9の例では、3層構造のため、最外層46についてステップ222乃至ステップ228の処理を実行する。一方、ステップ230で肯定されると、本処理ルーチンを終了する。
上記断面形状の2次元モデルを作成するときには、断面形状の全体を同時に作成することも可能だが、断面内の一部について2次元モデルを作成した後に、作成した2次元モデルを複写することにより、短時間かつ高精度に断面形状の2次元モデルを作成することができる。例えば、図10に示すように、最内層42は回転方向への対称性を有しており、最内層42では3本のフィラメントが等間隔に配置されているので120度毎に同一の形状となる。これを考慮して、基本形状となる一部を要素分割した断面形状を作成後、回転方向に展開することで同じ形状の要素分割を周期的に作成することができる。このように作成すると要素サイズを揃えることで精度を向上させることができる。また要素生成を短い時間できる。
なお、上記処理(図6)では、タイヤコード40の最内層から最外層までの各層について全て拘束要素を定義する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、何れかの層を指定して拘束要素を定義することができる。この場合、ステップ220〜230の処理について、2次元モデル作成の処理のみを実行し、拘束要素の定義については層指定をすればよい。すなわち、拘束要素の定義の層は予め層を表す数値入力がなされているものとし、ステップ226と228の間に拘束要素定義をするか否かの判断処理を追加する。この判断処理は、予め入力されている層を表す数値が現在層か否かを判断するもので、肯定されたときにステップ228へ進み、否定されたときステップ230へ進むようにすればよい。
図12には、上記のようにして作成した2次元モデルを示した。図12(A)は、図9に示す3層のタイヤコード40の2次元モデルを示し、図12(B)は、その過程に作成可能な2層のタイヤコード40の2次元モデルを示した。また、図13には、3層のタイヤコード40を3本束ねて構成したタイヤコード41の2次元モデルの一例を示した。なお、図13に示した3本束ねたタイヤコード41では各タイヤコード40の第3層(最外層46)の外接形状(コード表面)に拘束要素が定義されるので、3層撚りの3本のタイヤコード40をお互いに拘束することができる。以上説明したタイヤコード40及びタイヤコード41の外部にゴム等をモデル化することは、円の外側に要素を生成するだけなので、非常に容易に可能である。
(タイヤコードの3次元モデル作成)
上記ステップ204の3次元形状を作成する処理では、図7の作成処理ルーチンが実行される。ステップ240では、上記ステップ202(図6の処理ルーチンの実行結果)で求められたタイヤコードの2次元形状である断面形状(2次元モデル)を読み取り、その2次元形状のうち第1層である最内層42を、次のステップ242においてタイヤコード40の長手方向に沿いかつ撚り方向に回転させつつ展開する。なお、このステップ242の処理は、要素分割の処理を含むものである。
すなわち、第1層は、単撚りのタイヤコードであるので、タイヤコードの長手方向を軸として断面形状(2次元モデル)を回転させつつ、所定距離づつタイヤコード長手方向に押し出すことで3次元モデルを作成することができる(図8参照)。
例えば、該当する層(つまり第1層)の撚り方向は既知であり、タイヤコードの長手方向の所定距離を定めれば、要素分割された断面形状(2次元モデル)をタイヤコードの長手方向に押し出すことでタイヤコードの第1層について3次元モデルを作成することができる。この長手方向の所定距離は、予め定めたピッチに対応して分割するときの要素の長さに対応させることが好ましい。この長手方向の所定距離だけ離間した位置に撚り方向に応じて回転された断面形状(2次元モデル)を形成し、両方の断面形状(2次元モデル)の間の断面形状(2次元モデル)の軌跡位置をつなぐべくソリッド要素でモデル作成すればよい。
上記3次元モデル作成時には、2次元モデル作成時に定めた拘束要素52を上記処理距離毎に定めてもよいし、所定間隔で定めても良い。また、拘束要素52の軌跡となる曲線を定めても良い。すなわち、作成した3次元モデルの断面形状上に拘束要素52が位置するように構成すれば、点または曲線の何れでも良い。
なお、第1層のフィラメント周囲に充填材を備える場合は、フィラメント周囲の充填材をモデル化して、ソリッド要素でモデル作成することは容易である。つまり、フィラメント周囲に充填材がある場合でも、その断面形状で要素分割されていれば、これをタイヤコード長手方向に押し出すことで該当層の3次元モデルを作成することができる。
図14は、一例としてフィラメント48を3本有してそれらが同一の撚り方向に撚られた最内層42についての3次元モデルを示したものである。図14(A)は、フィラメント48のみで最内層42を構成した場合を示し、図14(B)は、フィラメント周囲に充填材を備えて最内層42を構成した場合を示す。
図14に示すように、第1層(最内層42)は長手方向から見て時計回りに回転されて撚られている。1ピッチ当たり数分割して撚りながら長手方向に展開することで、3次元モデルを作成することができる。このモデル化では、フィラメントとその周囲の充填材は節点を共有しているので、フィラメントと充填材のコード長手方向の要素分割は同じになる。このとき、1ピッチ当たりの要素分割数を減らすと充填材表面の凹凸が増加し拘束が難しくなるが要素数を減らすことで解析時間を短縮できる3次元モデルを提供できる。一方、要素分割数を増加すると表面は滑らかになり層間の拘束は容易になり、要素数が増加することで解析時間を短縮できる3次元モデルを提供できる。図14の例では1ピッチ当たり10分割している。
なお、フィラメント周囲に充填材が存在しない場合、充填材部分を空間としてモデル化することで、作成する3次元モデルを滑らかな形状にすることができる。すなわち、この場合、最内層42のフィラメントと、外表面(外接円50)の間の充填材部分を空白にすれば良い。言い換えれば、図14(B)に示す3次元モデルは、複数フィラメントから層を構成するフィラメント群と仮想充填材とから構成したタイヤコードと扱うことができる。このフィラメント群と仮想充填材とから構成したタイヤコードの外表面は、フィラメント単体のフィラメント群の3次元モデル(図14(A)参照)の外表面に比べて非常に滑らかなことが理解できる。このように滑らかな表面を形成することで、この表面で外層フィラメントとの拘束を容易にすることができる。
上記のようにして第1層の3次元モデルの作成を終了すると、ステップ244へ進み、現在層の外方向の隣接する位置に、外方向隣接層の2次元形状を設定する。ここでは、上記ステップ240で読み取ったタイヤコードの2次元形状である断面形状(2次元モデル)のうち第2層である中間層44の2次元モデルを、最内層42の周囲に設定する。次のステップ246では、上記ステップ242と同様に外方向隣接層(ここでは第2層)についてタイヤコード40の長手方向に沿いかつ撚り方向に回転させつつ展開する。この3次元モデル作成時には、2次元モデル作成時に定めた拘束要素(少なくとも内周の拘束要素)について3次元モデル上の位置(拘束要素52の軌跡となる点または曲線)も定める。なお、当該層外側に隣接層が存在しない場合には、隣接層に対する拘束要素を定める処理は不要である。しかし、外側に隣接層が存在しない最外層について、最外層の外側に拘束要素を予め定義しておくことは、タイヤコードをひとまとまりのコードとして他のシミュレーションのモデルとして扱うときに好ましいものである。
なお、第1層に対する第2層の撚り方向は、同一でも逆でもよい。この撚り方向は、第1層と第2層との関係に限定されるものではなく、各層の撚り方向が限定されないことであり、以下の説明で規定する撚り方向の規定は、それに限定されるものではない。つまり、撚り方向は、時計回りであっても反時計回りであっても良いもので、任意の撚り方向の組み合わせによりコードを構成することができる。
図15は、一例としてフィラメント48を9本有してそれらが最内層42の周囲に同一の撚り方向に撚られた中間層44のみについての3次元モデルを示したものである。図15(A)は、フィラメント48のみで中間層44を構成した場合を示し、図15(B)は、フィラメント周囲に充填材を備えて中間層44を構成した場合を示す。
図15に示すように、第2層(中間層44)は長手方向から見て反時計回りに回転されて撚られている。図15の例では撚りピッチは第1層の2倍に設定されている。1ピッチ当たり数分割して撚りながら長手方向に展開することで、3次元モデルを作成することができる。このモデル化では、フィラメントとその周囲の充填材は節点を共有しているので、フィラメントと充填材のコード長手方向の要素分割は同じになる。このとき、1ピッチ当たりの要素分割数を減らすと充填材表面の凹凸が増加し拘束が難しくなるが要素数を減らすことで解析時間を短縮できる3次元モデルを提供できる。一方、要素分割数を増加すると表面は滑らかになり層間の拘束は容易になり、要素数が増加することで解析時間を短縮できる3次元モデルを提供できる。図15の例では1ピッチ当たり20分割している。
なお、フィラメント周囲に充填材が存在しない場合、上述のように充填材部分を空間としてモデル化することで、作成する3次元モデルを滑らかな形状にすることができる。すなわち、この場合、中間層44のフィラメントと、内外表面(内接円54,外接円56)の間の充填材部分を空白にすれば良い。言い換えれば、図15(B)に示す3次元モデルは、複数フィラメントから層を構成するフィラメント群と仮想充填材とから構成したタイヤコードと扱うことができる。このフィラメント群と仮想充填材とから構成したタイヤコードの内外表面は、フィラメント単体のフィラメント群の3次元モデル(図15(A)参照)の内外表面に比べて非常に滑らかなことが理解できる。このように滑らかな表面を形成することで、この表面で内外層フィラメントとの拘束を容易にすることができる。
次に、ステップ248では、外方向隣接層(ここでは第2層)の内接形状と前回層(ここでは第1層)の外接形状との間で、拘束要素を関連付ける。この処理は、複数層について相対的に移動しないように互いに拘束するタイヤコードの3次元モデルを作成するために、前回層(第1層)と外方向隣接層(第2層)とが相対的に移動しないように拘束する拘束条件を設定して関連付ける処理である。ここでの具体的処理では、第1層の拘束要素52及び該拘束要素52に対応する位置の第2層の内周の要素の関係について、拘束要素と対応位置の要素との各々相対的に移動しないように拘束する拘束条件を設定して関連付ける。同様に、第2層の内側の拘束要素59及び該拘束要素59に対応する位置の第1層の外周の要素との各々の関係について、拘束要素と対応位置の要素との各々相対的に移動しないように拘束する拘束条件を設定して関連付ける。
図16にタイヤコード40の最内層42と中間層44の境界付近の断面形状を示した。図16(A)は最内層42と中間層44の関係を示し、図16(B)は最内層42と中間層44が接合されたときの関係を示している。最内層42である第1層の外接円50には拘束要素52(図16では例として点Pa,Pbを描画)が定められている。中間層44の3次元モデル作成時には、最内層42の拘束要素52に対応する関連付け要素(図16では例として点Da,Dbを描画)が定まる。
従って、ステップ248の処理では、拘束要素52と関連付け要素とが、具体的には、点Paと点Da及び点Pbと点Dbが、3次元的に離間しない座標関係を有することを拘束条件として、拘束要素52と関連付け要素とを関連付ける。
これにより、拘束要素52と関連付け要素との間で、第1層(ここでは最内層42)に含まれるフィラメント群の変形や移動によって生じる外部に対して作用する力、または第1層に対して外部から作用される力を、第1層と隣接層との間で関連付けることができる。
図示は省略したが、上記と同様に、中間層44である第2層の内接円54には拘束要素59が定められ、中間層44の3次元モデル作成時には、その拘束要素59に対応する関連付け要素が最内層42である第1層の外接円50上に定まる。従って、拘束要素59と外接円50上の関連付け要素とが、3次元的に離間しない座標関係を有することを拘束条件として、拘束要素59と関連付け要素とを関連付ける。これにより、拘束要素59と関連付け要素との間で、第2層(ここでは中間層44)に含まれるフィラメント群の変形や移動によって生じる外部に対して作用する力、または第2層に対して外部から作用される力を、第1層と隣接層との間で関連付けることができる。
なお、上記では、拘束要素52,59の各々に対応して関連付け要素を個別に定める場合を説明したが、上記の関連付けは、拘束要素同士の間で行うようにしても良い。例えば、最も近い拘束要素同士を3次元的に離間しない座標関係を有することを拘束条件として、関連付ければよい。この場合には、上記関連付け要素は不要であり、拘束要素のみによる処理で実行することができる。
以上のようにして外側隣接層(ここでは第2層)の3次元モデル作成が終了すると、ステップ250へ進み、タイヤコード40の全層についての3次元モデルの作成が終了したか否かを判断し、否定の場合、さらに隣接層について順次上記と同様に3次元モデルを作成する。すなわち、図9の例では、3層構造のため、最外層46についてステップ244乃至ステップ248の処理を実行する。一方、ステップ250で肯定されると、本処理ルーチンを終了する。
以上の処理によって、内層から外層に向けて順次フィラメント群からなる層を形成し、隣り合う層間が互いに拘束される複数層からなる3次元モデルを作成することができる。
なお、上記処理(図7)では、タイヤコード40の最内層から最外層までの各層について全て拘束要素を定義する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、何れかの層を指定して拘束要素を定義することができる。この場合、ステップ244〜250の処理について、3次元モデル作成の処理のみを実行し、拘束要素の定義については層指定をすればよい。すなわち、拘束要素の定義の層は予め層を表す数値入力がなされているものとし、ステップ246と248の間に拘束要素の関連づけをするか否かの判断処理を追加する。この判断処理は、予め入力されている層を表す数値が現在層か否かを判断するもので、肯定されたときにステップ248へ進み、否定されたときステップ250へ進むようにすればよい。
このように、本実施形態は、中心から外側に向かい2層以上複数の分類層で構成されるタイヤコードに容易に適用することができる。すなわち、ステップ222〜230の処理およびステップ244〜250の処理で説明したように、2層から最外層の分類層まで繰り返し適用するので、2層,3層,4層・・・、というように複数の層について適用できる。また、何れかの層を指定して適用することもできる。
また、本発明は、複数の分類層で構成されるタイヤコードを複数束ねて構成したタイヤコード群または複数撚りつつ構成したタイヤコード群に適用することができる。すなわち、複数の分類層で構成されるタイヤコードを、単一層と定義することにより、本実施形態を、複数の分類層で構成されるタイヤコードを複数束ねて構成したタイヤコード群または複数撚りつつ構成したタイヤコード群に適用することができる。
図17には、上記処理に従って作成した3次元モデルの一例として最内層42、中間層44、及び最外層46の各々が同一撚り方向のフィラメント48で層間で互いに異なる撚り方向のフィラメント48を有する3層構造のタイヤコード40を示した。また、図18には、図17に示した3層のタイヤコード40を3本束ねて構成したタイヤコード41の3次元モデルの一例を示した。
図17に示す3次元モデルでは層間で拘束される3次元モデルとなり、図18に示す3次元モデルでは各タイヤコード40の第3層(最外層46)の外接形状(コード表面)に拘束要素が定義されるので、3層撚りの3本のタイヤコード40が互いに拘束される3次元モデルとなる。以上説明したタイヤコード40及びタイヤコード41の外部にゴム等をモデル化することは、円の外側に要素を生成するだけなので、非常に容易に可能である。
なお、図示は省略したが、上記と同様の処理によってスパイラル形状のタイヤコードについても3次元モデルを作成することができる。
(挙動シミュレーション)
次に、上記の3次元モデルのタイヤコードを用いて、タイヤモデルを形成し、タイヤの挙動について解析を行う一例を説明する。
図2は、タイヤの挙動解析プログラムの処理ルーチンを示すものである。ステップ100では、挙動解析の対象となるタイヤの設計案(タイヤ形状、構造、材料など)を定める。なお、ステップ100における設定はタイヤ設計案に限定されるものではなく、現存するタイヤを解析する場合を含む。すなわち、現存するタイヤそのものを対象のモデルとして設定してもよい。次のステップ102では、タイヤ設計案を数値解析上のモデルに落とし込むためのタイヤのタイヤモデルを作成する。このタイヤモデルの作成は、用いる数値解析手法により若干異なる。本実施の形態では数値解析手法として有限要素法(FEM)を用いるものとする。従って、上記ステップ102で作成するタイヤモデルは、有限要素法(FEM)に対応した要素分割、例えば、メッシュ分割によって複数の要素に分割され、タイヤを数値的・解析的手法に基づいて作成されたコンピュータプログラムヘのインプットデータ形式に数値化したものをいう。この要素分割とはタイヤ、及び路面(後述)等の対象物を小さな幾つかの(有限の)小部分に分割することをいう。この小部分ごとに計算を行い全ての小部分について計算した後、全部の小部分を足し合わせることにより全体の応答を得ることができる。
上記ステップ102のタイヤモデルの作成では、図3に示すタイヤモデル作成ルーチンが実行される。まず、ステップ112では、タイヤ径方向断面のモデル(タイヤ断面モデル、すなわちタイヤ断面データ)を作成する。また、タイヤ断面内のゴム、補教材(ベルト、プライ等、鉄・有機繊維等でできた補強コードをシート状に束ねたもの等)をそれぞれ有限要素法のモデル化手法に応じてモデル化する。次のステップ114では、2次元データであるタイヤ断面データ(タイヤ径方向断面のモデル)を周方向に一周分(360度)展開し、タイヤの3次元(3D)モデルを作成する。
なお、補教材(ベルト、プライ等、鉄・有機繊維等でできた補強コードをシート状に束ねたもの等)を含むタイヤコードについては、後述するように詳細な解析モデルを作成するので、ここでは、一様なタイヤコードとしてモデルを作成すればよい。
次に、図3のステップ116では、タイヤ各部のゴムの構成材料を設定する。このステップでは、タイヤの各部位に応じた剛性などの材料特性の構成材料を選択する。次のステップ118では、タイヤコードを詳細にモデル化するタイヤコードの解析モデルの作成処理を実行して本ルーチンを終了する。なお、ステップ118のタイヤコードの解析モデルの作成処理では、上述のタイヤコードの解析モデルを作成する処理ルーチン(図5参照)が実行される。
上記のようにして作成したタイヤコード40の有限要素モデル(解析モデル)を含むタイヤモデルを作成した後には、図2のステップ104へ進み、路面の設定すなわち路面モデルの作成と共に路面状態の入力がなされる。このステップ104では、路面をモデル化し、そのモデル化した路面を実際の路面状態に設定するために入力するものである。路面のモデル化は、路面形状を要素分割してモデル化し、路面の摩擦係数μを選択設定することで路面状態を入力する。例えば、路面状態により乾燥(DRY)、濡れ(WET)、氷上、雪上、非舗装等に対応する路面の摩擦係数μが存在するので、摩擦係数μについて適正な値を選択することで、実際の路面状態を再現させることができる。
なお、流体モデルを作成して、路面とタイヤモデルの間に設けても良い。流体モデルは、タイヤの一部(または全部)および接地面、タイヤが移動・変形する領域を含む流体領域を分割し、モデル化するものである。
このようにして、路面状態の入力がなされると、次のステップ106において、境界条件の設定がなされる。この境界条件とは、タイヤモデルに解析上すなわちタイヤの挙動をシミュレートする上で必要なものであり、タイヤモデルに付与する各種条件である。このステップ106の境界条件の設定では、まず、タイヤモデルには内圧を与えて、タイヤモデルに回転変位及び直進変位(変位は力、速度でも良い)の少なくとも一方と、予め定めた負荷荷重と、の少なくとも1つを与える。なお、路面との摩擦を考慮する場合は、回転変位(または力、速度でもよい)もしくは直進変位(または力、速度でもよい)のどちらか一方のみでよい。
次に、ステップ106までに作成されたり設定されたりした数値モデルをもとに、解析としてのタイヤモデルの変形計算を行う。すなわち、上記ステップ106で境界条件の設定が終了すると、ステップ108へ進み、タイヤモデルの変形計算を行う。このステップ108では、タイヤモデルおよび与えた境界条件より、有限要素法に基づいてタイヤモデルの変形計算を行う。この変形計算は、タイヤ転動時の状態を得るために(過渡的な状態を得るために)、タイヤモデルの変形計算を繰り返し(例えば1msec以内の計算を繰り返して行い)、その度に境界条件を更新するようにしてもよい。また、変形計算は、タイヤ変形が定常状態となることを想定した予め定めた計算時間を採用することができる。次のステップ110では、上述の計算結果を出力する。この計算結果とは、タイヤ変形時の物理量を採用する。具体的には、サイドのたわみ量や接地形状、接地圧分布、タイヤ中心に作用する横力等である。
なお、計算結果の出力は、タイヤの接地部の形状や接地圧の分布、タイヤ中心に作用する力等の値または分布を可視化することを採用してもよい。これらは計算結果の値や変化量または変化率、力の向き(ベクトル)そして分布から導出することができ、それらをタイヤモデル周辺やパターン周辺とを共に線図等で表せば、把握しやすく提示可能な可視化をすることができる。
このように、本実施の形態では、タイヤに含まれるタイヤコードを、詳細に有限要素モデルでモデル化して、そのモデル(解析モデル)を含むタイヤモデルでタイヤの挙動をより実際形状に沿った解析をすることが可能になる。従って、タイヤコードを簡略化した要素により解析するのに比べて高精度で解析することができる。
次に、本発明の実施例を詳細に説明する。
本実施例としてモデル化・試作したタイヤコードは、フィラメント直径(2r)が全て0.25mm、第1層がフィラメントを{2r/3・(3)1/2・0.125}mmの円周上に均等配置で3本並べ、第2層は第1層に接するように9本、第3層は第2層に接するように15本を配列したものである。撚りピッチは第1層から、5,10、15mmとし、タイヤコード長手方向の要素分割は第1層から10,20,30個/ピッチとした。このタイヤコードを長さ30mmだけモデル化した。また、フィラメント周囲に充填剤としてゴムを用いた。解析は両端平面内で固定し、長手方向に引っ張ることを行った。
図19には、変形前後の3次元モデルを示した。図19(A)はフィラメント周囲に充填剤が存在する変形前の3次元モデルであり、図19(B)は変形後の3次元モデルである。また、図19(C)はフィラメントのみの変形前の3次元モデルであり、図19(D)は変形後の3次元モデルである。図から理解されるように、引張り変形によりフィラメントがコード長手方向となす角度が小さくなり、長手方向の節点間隔が大きくなるという実際形状に則した結果を得た。
上記のタイヤコード40を備えたタイヤについて解析した結果は次の通りである。本実施例としてモデル化・試作したタイヤは、タイヤサイズは205/55R16であり、内圧220kPa、荷重4.4kNで、タイヤを路面に押しつけた後に横方向に30mmせん断する解析を実施した結果を示す。以下の表1では、タイヤ幅方向中心の回転中心から垂直下方の点での最外層におけるスチールベルトの幅方向の変位について、実測値を100として、従来方法の簡易モデル、及び本実施形態の解析モデルについて指数で結果を示した。
Figure 0004933924
表1から理解されるように、本実施形態の解析モデルを用いることで、より実測に近い結果を得ることができた。
本発明の実施の形態にかかる、タイヤコードの解析モデルを作成すると共に作成した解析モデルを用いてタイヤの挙動シミュレーションを実施するためのパーソナルコンピュータの概略図である。 本実施の形態にかかる、タイヤの挙動解析プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 タイヤモデル作成処理の流れを示すフローチャートである。 タイヤ断面モデルを示す線図である。 本発明の実施の形態にかかる、タイヤコードの解析モデルを作成する処理の流れを示すフローチャートである。 タイヤコードの2次元モデル作成処理の流れを示すフローチャートである。 タイヤコードの3次元モデル作成処理の流れを示すフローチャートである。 単撚りのタイヤコードのモデル化の説明図である。 タイヤコードのフィラメント層を示すイメージ図である。 タイヤコードの最内層42のモデル化の説明図で、(A)は要素分割されたフィラメント、(B)は要素分割した充填材、(C)は外接円50に定めた拘束要素52を示している。 タイヤコードの中間層44のモデル化の説明図で、(A)は要素分割されたフィラメント、(B)は要素分割した充填材、(C)は外接円58に定めた拘束要素58を示している。 2次元モデルを示すイメージ図であり、(A)は3層のタイヤコード、(B)は2層のタイヤコードを示している。 3層のタイヤコードを3本束ねて構成したタイヤコードを示すイメージ図である。 最内層についての3次元モデルを示すイメージ図であり、(A)はフィラメントのみ、(B)はフィラメント周囲に充填材を備えたものを示している。 中間層についての3次元モデルを示すイメージ図であり、(A)はフィラメントのみ、(B)はフィラメント周囲に充填材を備えたものを示している。 拘束要素の説明図である。 本実施形態の処理に従って作成した3次元モデルのタイヤコードの一例を示すイメージ図である。 タイヤコードを3本束ねて構成したタイヤコードの3次元モデルの一例を示しイメージ図である。 実施例にかかる変形前後の3次元モデルを示すイメージ図であり、(A)は充填剤有で変形前の3次元モデル、(B)は変形後、(C)はフィラメントのみの変形前の3次元モデル、(D)は変形後を示している。
符号の説明
10 キーボード
12 コンピュータ本体
14 CRT
30 タイヤモデル
FD フレキシブルディスク(記録媒体)

Claims (6)

  1. タイヤを数値計算モデルに対応させて計算するために用いられるタイヤモデルの一部を構成するタイヤコードの解析モデル作成方法であって、
    前記タイヤコードが複数のフィラメント要素を所定方向に撚りつつ束ねて形成されかつ前記フィラメント要素の撚り方向に対応して中心から外側に向かい複数の分類層で構成されるときに、該分類層のうち内側の第1層について、長手方向と交差する方向のフィラメント要素断面形状を少なくとも含む第1の2次元領域を定義する工程と、
    前記第1の2次元領域の外周に拘束要素を設定する工程と、
    前記第1の2次元領域を、対応する撚り方向に撚りながら長手方向に3次元展開しつつ数値計算可能な所定分割要素に分割した第1層を形成する工程と、
    前記第1層に隣接する外側の第2層について、長手方向と交差する方向のフィラメント要素断面形状を少なくとも含む第2の2次元領域を定義する工程と、
    前記第2の2次元領域の少なくとも内周に拘束要素を設定する工程と、
    前記第2の2次元領域を、対応する撚り方向に撚りながら長手方向に3次元展開しつつ数値計算可能な所定分割要素で分割した第2層を形成する工程と、
    前記第1層の外周の拘束要素及び該拘束要素に対応する位置の前記第2層の内周の要素と、前記第2層の内周の拘束要素及び該拘束要素に対応する位置の前記第1層の外周の要素とについて、各々相対的に移動しないように拘束する拘束条件を設定して関連付ける工程と、
    を含むことを特徴とするタイヤコードの解析モデル作成方法。
  2. 前記拘束要素は周面の少なくとも一部の面で設定され、前記関連付けは前記少なくとも一部の面に対応する周面の少なくとも一部の面である
    ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤコードの解析モデル作成方法。
  3. 前記第2の2次元領域の外周に拘束要素を設定する工程と、
    前記第2層に隣接する外側の第3層について、長手方向と交差する方向のフィラメント要素断面形状を少なくとも含む第3の2次元領域を設定する工程と、
    前記第3の2次元領域の少なくとも内周に拘束要素を設定する工程と、
    前記第3の2次元領域を、対応する撚り方向に撚りながら長手方向に3次元展開しつつ数値計算可能な所定分割要素で分割した第3層を形成する工程と、
    前記第2層の外周の拘束要素及び該拘束要素に対応する位置の前記第3層の内周の要素と、前記第3層の内周の拘束要素及び該拘束要素に対応する位置の前記第2層の外周の要素とについて、各々相対的に移動しないように拘束する拘束条件を設定して関連付ける工程と、
    をさらに含む
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタイヤコードの解析モデル作成方法。
  4. 前記2次元領域は、フィラメント要素と充填材との各領域から構成される
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のタイヤコードの解析モデル作成方法。
  5. タイヤを数値計算モデルに対応させて計算するために用いられるタイヤモデルの一部を構成するタイヤコードの解析モデル作成装置であって、
    前記タイヤコードが複数のフィラメント要素を所定方向に撚りつつ束ねて形成されかつ前記フィラメント要素の撚り方向に対応して中心から外側に向かい複数の分類層で構成されるときに、該分類層のうち内側の第1層について、長手方向と交差する方向のフィラメント要素断面形状を少なくとも含む第1の2次元領域を定義する第1定義手段と、
    前記第1の2次元領域の外周に拘束要素を設定する第1設定手段と、
    前記第1の2次元領域を、対応する撚り方向に撚りながら長手方向に3次元展開しつつ数値計算可能な所定分割要素に分割した第1層を形成する第1形成手段と、
    前記第1層に隣接する外側の第2層について、長手方向と交差する方向のフィラメント要素断面形状を少なくとも含む第2の2次元領域を定義する第2定義手段と、
    前記第2の2次元領域の少なくとも内周に拘束要素を設定する第2設定手段と、
    前記第2の2次元領域を、対応する撚り方向に撚りながら長手方向に3次元展開しつつ数値計算可能な所定分割要素で分割した第2層を形成する第2形成手段と、
    前記第1層の外周の拘束要素及び該拘束要素に対応する位置の前記第2層の内周の要素と、前記第2層の内周の拘束要素及び該拘束要素に対応する位置の前記第1層の外周の要素とについて、相対的に移動しないように拘束する拘束条件を設定して関連付ける関連付け手段と、
    を備えたことを特徴とするタイヤコードの解析モデル作成装置。
  6. タイヤを数値計算モデルに対応させて計算するために用いられるタイヤモデルの一部を構成するタイヤコードの解析モデルを作成するためのコンピュータを、
    前記タイヤコードが複数のフィラメント要素を所定方向に撚りつつ束ねて形成されかつ前記フィラメント要素の撚り方向に対応して中心から外側に向かい複数の分類層で構成されるときに、該分類層のうち内側の第1層について、長手方向と交差する方向のフィラメント要素断面形状を少なくとも含む第1の2次元領域を定義する第1定義手段と、
    前記第1の2次元領域の外周に拘束要素を設定する第1設定手段と、
    前記第1の2次元領域を、対応する撚り方向に撚りながら長手方向に3次元展開しつつ数値計算可能な所定分割要素に分割した第1層を形成する第1形成手段と、
    前記第1層に隣接する外側の第2層について、長手方向と交差する方向のフィラメント要素断面形状を少なくとも含む第2の2次元領域を定義する第2定義手段と、
    前記第2の2次元領域の少なくとも内周に拘束要素を設定する第2設定手段と、
    前記第2の2次元領域を、対応する撚り方向に撚りながら長手方向に3次元展開しつつ数値計算可能な所定分割要素で分割した第2層を形成する第2形成手段と、
    前記第1層の外周の拘束要素及び該拘束要素に対応する位置の前記第2層の内周の要素と、前記第2層の内周の拘束要素及び該拘束要素に対応する位置の前記第1層の外周の要素とについて、相対的に移動しないように拘束する拘束条件を設定して関連付ける関連付け手段と、
    として機能させるタイヤコードの解析モデル作成プログラム。
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