JP5564889B2 - 粘弾性試験方法、タイヤのシミュレーション方法およびタイヤのシミュレーション装置 - Google Patents

粘弾性試験方法、タイヤのシミュレーション方法およびタイヤのシミュレーション装置 Download PDF

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Description

本発明は、タイヤに用いるゴム部材の粘弾性特性を測定する粘弾性試験方法、転動するタイヤのシミュレーション方法および転動するタイヤのシミュレーションを行うシミュレーション装置に関する。
今日、車の燃費向上は、省資源化、温暖化防止等の点から重要であり、車の燃費向上を促進するために、タイヤの転がり抵抗力の低減が望まれている。
タイヤは、粘弾性特性を有する複数のゴム部材から構成されている。このため、タイヤが設定された負荷条件(負荷荷重)の下に路面に接地して転動している状態では、タイヤの各部分は回転しながら、路面から変形を受ける。このとき、タイヤを構成する粘弾性特性を有するゴム部材は、タイヤの回転に応じて応力と歪みを周期的に受け、これに伴って粘弾性損失エネルギを発生する。この粘弾性損失エネルギがタイヤの転がり抵抗力になる。
従来より、タイヤの転がり抵抗力の低減のために、タイヤの転がり抵抗力をシミュレーションする方法が知られている(下記特許文献1)。
このシミュレーション方法では、路面がドラムでモデル化された路面モデルと、タイヤのゴム部材が弾性体としてモデル化されたタイヤモデルとを用いて、路面上を一定速度にてタイヤが転動する動解析が行なわれる。これにより得られたタイヤの各ゴム要素に発生する歪波形から、上記ゴム材料の歪の振幅と周波数が求められた後、ゴム材料の粘弾性試験が上記求められた歪の振幅と周波数で実施されて、上記ゴム材料の粘弾性率が算出される。この粘弾性率を用いてタイヤモデルが作成されるとともに、このタイヤモデルを用いてタイヤ・ホイール組立体の数値解析モデルが作成されて転動解析が行われ、転がり抵抗力の値が求められる。
また、タイヤを含む回転体の発熱エネルギの特性の調査、分析の方法が知られている(特許文献2)。この方法では、回転体の一周分の応力、ひずみの有限次数のフーリエ級数展開の演算が行われ、フーリエ次数ごとに変化特性の曲線の振幅、位相が演算され、材料の損失係数に応じた位相遅れがひずみ値に与えられて、各フーリエ次数ごとのヒステリシスループの面積の演算にもとづきフーリエ次数とヒステリシスループ面積の積の総和が導出される。一連の演算過程を応力、ひずみの全成分について反復実行し成分ごとの総和を演算し、これらの過程を回転体の全体について反復実行し回転体全体の発熱エネルギデータを導出する。
特開2007−131209号公報 特開平11−237332号公報
しかし、従来の方法(特許文献1)では、1つの歪振幅とこの歪振幅で振動する1つの周波数とを定めて粘弾性特性試験を行うため、精度の高い粘弾性特性を得ることはできない。
また、従来の方法(特許文献2)では、粘弾性特性である材料の損失係数に応じた位相遅れを、歪振幅依存性と周波数依存性を考慮して取得するが、粘弾性特性は、伸張成分3成分及び歪成分の3成分の計6成分のそれぞれについて定型の試験条件で測定されて取得されている。このため、試験条件を予め広く設定して粘弾性特性試験を行うため、測定条件は精度が荒く、精度の高い粘弾性損失エネルギあるいは発熱エネルギを求めることは難しい。
そこで、本発明は、従来の問題を解消するために、タイヤに用いるゴム部材の粘弾性特性を効率よく精度よく測定する粘弾性試験方法、転動するタイヤのシミュレーションを効率よく精度よく行う方法および転動するタイヤのシミュレーションを効率よく精度よく行うシミュレーション装置を提供することを目的とする。
本発明の一形態は、タイヤに用いるゴム部材の、タイヤが転動するときの粘弾性特性を測定する粘弾性試験方法であって、
タイヤを有限個の要素を用いて再現したタイヤモデルにゴム部材の弾性定数を付与して、設定された荷重条件で路面モデルに接地させるステップと、
前記路面モデルに接地した前記タイヤモデルの前記ゴム部材の領域に作用する歪のタイヤ周方向の分布を取り出すステップと、
前記タイヤ周方向の歪の分布から、タイヤが一回転したときの歪の周波数分布を歪成分毎に求めるステップと、
粘弾性特性の測定に用いる最大歪振幅と最小歪振幅を、前記歪の周波数分布から定めるステップと、をコンピュータが実行し、
粘弾性試験装置が、定めた前記最大歪振幅と前記最小歪振幅との間の振幅範囲を所定の間隔毎に区切って定めた複数の試験歪振幅と、前記歪の周波数分布の周波数範囲を所定の周波数間隔で区切って定めた複数の試験周波数とを組み合わせた条件で、前記ゴム部材のサンプルの粘弾性試験を行い、前記条件毎の前記ゴム部材の粘弾性特性を測定し取得するステップと、を有することを特徴とする粘弾性試験方法である。
その際、前記最大歪振幅は、歪の伸張成分の最大歪振幅と歪のせん断成分の最大歪振幅とを含み、
前記粘弾性試験装置は、前記サンプルを伸張させる第1の変形モードの試験と、前記サンプルをせん断変形させる第2の変形モードの試験とを行い、
前記伸張成分の最大歪振幅として、前記歪の3方向の伸張成分のうちの最大値、または前記歪の3方向の伸張成分の平均値を定め、
前記せん断成分の最大歪振幅として、前記歪の3方向のせん断成分のうちの最大値、または前記歪の3方向のせん断成分の平均値を定める、ことが好ましい。
あるいは、前記粘弾性試験装置は、前記サンプルを伸張させる第1の変形モードの試験を行い、
前記最大歪振幅として、前記歪から定まる3方向の主歪のうち最大値、または前記主歪の平均値を定める、ことも好ましい。
また、本発明の別の態様は、転動するタイヤのシミュレーション方法であって、
前記粘弾性試験方法を行うステップと、
測定した前記ゴム部材の粘弾性特性と、前記路面モデルに接地した前記タイヤモデルの前記ゴム部材の領域に作用する応力及び歪の周波数成分と、を用いて、タイヤが一回転したときの前記ゴム部材の領域の粘弾性損失エネルギを算出するステップと、を有することを特徴とするタイヤのシミュレーション方法である。
その際、前記粘弾性損失エネルギを算出するステップでは、
前記試験歪振幅と前記試験周波数とを組み合わせた前記条件毎の前記ゴム部材の粘弾性特性と、前記路面モデルに接地した前記タイヤモデルの前記ゴム部材の領域に作用する応力及び歪の周波数成分と、を用いて、タイヤが一回転したときの前記ゴム部材の領域の粘弾性損失エネルギの周波数成分を、前記試験周波数毎に算出し、
前記ゴム部材の領域の粘弾性損失エネルギを算出するために、前記試験周波数毎に算出した前記粘弾性損失エネルギの周波数成分を加算する、ことが好ましい。
さらに、前記歪の周波数分布は、前記タイヤ周方向の歪の分布をフーリエ変換し、フーリエ変換により定まる周波数に、転動するタイヤの転動周波数を乗算することにより、求められる、ことが好ましい。
あるいは、前記歪の周波数分布は、前記タイヤ周方向の歪の一周の分布が、転動するタイヤが一回転する時間の分布に対応するようにタイヤ周方向の歪の時間波形を算出し、この算出結果をフーリエ変換することにより求められる、ことも好ましい。
また、前記ゴム部材の領域として、タイヤの子午断面内に位置する全ての構成ゴム部材の領域を順次選択することにより、タイヤが一回転したときの前記タイヤの粘弾性損失エネルギを算出するステップを有する、ことが好ましい。
その際、算出された前記タイヤの粘弾性損失エネルギを、タイヤ転がり周長で除算することにより、タイヤの転がり抵抗力を算出するステップを有する、ことが好ましい。
本発明の別の態様は、転動するタイヤのシミュレーションを、粘弾性試験装置を用いて測定されたタイヤのゴム部材の、タイヤが転動するときの粘弾性特性を用いて行うタイヤのシミュレーション装置であって、
タイヤを有限個の要素を用いて再現したタイヤモデルにゴム部材の弾性定数を付与して、前記タイヤモデルを、設定された荷重条件で路面モデルに接地させる計算部と、
前記路面モデルに接地した前記タイヤモデルの前記ゴム部材の領域に作用する歪のタイヤ周方向の分布を取り出す結果算出部と、
前記タイヤ周方向の歪の分布から、タイヤが一回転したときの歪の周波数分布を歪成分毎に求める周波数分布算出部と、
前記ゴム部材の粘弾性特性の測定に用いる最大歪振幅と最小歪振幅を前記歪の周波数分布から定め、前記最大歪振幅と前記最小歪振幅との間の振幅範囲を所定の間隔毎に区切って定めた複数の試験歪振幅と、前記周波数分布の周波数範囲を所定の周波数間隔で区切って定めた複数の試験周波数とを組み合わせた条件を前記粘弾性試験装置に付与する条件設定部と、
付与された前記条件を用いて前記粘弾性試験装置で測定された測定結果から前記試験歪振幅及び前記試験周波数を組み合わせた条件毎の粘弾性特性を抽出する抽出部と、
前記条件毎の前記粘弾性特性と、前記路面モデルに接地した前記タイヤモデルの前記ゴム部材の領域に作用する応力及び歪と、を用いて、前記ゴム部材の領域が一回転したときの粘弾性損失エネルギを算出する損失エネルギ算出部と、を有することを特徴とするタイヤのシミュレーション装置である。
粘弾性試験方法において、タイヤに用いるゴム部材の粘弾性特性を効率よく精度よく測定することができる。また、この粘弾性特性を用いて、転動するタイヤのシミュレーションを行うので、シミュレーションを効率よく精度よく行うことができる。
本実施形態の粘弾性試験方法を実施するシステムの概略構成図である。 図1に示すシステムで作成されるタイヤモデルのタイヤ子午断面形状の一例を示す断面図である。 図1に示すシステムで行う、タイヤモデルの接地処理の様子を示す図である。 図1に示すシステムでタイヤ周方向のひずみ分布を求めるときの領域Xを説明する図である。 図1に示すシステムで得られる歪みの各成分のタイヤ周方向歪み分布の例を示す図である。 図1に示すシステムで得られる伸張歪みの周波数分布の例を示す図である。 図1に示すシステムで得られるせん断歪みの周波数分布の例を示す図である。 (a)は、粘弾性試験装置で用いられるゴムサンプルの例を示す図であり、(b)は、粘弾性試験の様子を示す図であり、(c)は、粘弾性損失エネルギを説明する図である。 図1に示すシステムの粘弾性試験装置で取得される粘弾性特性の例を示す図である。 図1に示すシステムで行われるタイヤのシミュレーション方法のフローの例を示すフローチャートである。 図1に示すシステムで得られる主歪みの周波数分布の例を示す図である。
以下、本発明の粘弾性試験方法、タイヤのシミュレーション方法およびタイヤのシミュレーション装置について詳細に説明する。
図1は、粘弾性試験方法を実施するシステム10の概略構成図である。システム10は、コンピュータ12と粘弾性試験装置14を有する。
システム10の動作を概説すると、以下の通りである。
システム10のコンピュータ12は、タイヤを有限個の要素で再現したタイヤモデルを、設定された荷重条件で路面モデルに接地させ、このときのタイヤモデル中のゴム部材の所定の領域に作用する歪のタイヤ周方向の分布を取り出す。さらに、コンピュータ12は、タイヤ周方向の歪の分布から、タイヤが一回転したときの歪の周波数分布を歪成分毎に求める。さらに、コンピュータ12は、粘弾性特性の測定に用いる最大歪振幅を、歪の周波数分布から定める。
一方、粘弾性試験装置14は、コンピュータ12が定めた最大歪振幅を含む歪条件を用いて、ゴム部材のサンプルの粘弾性試験を周波数毎に行い、ゴム部材の粘弾性特性を測定する。
コンピュータ12は、測定された粘弾性特性を用いてゴム部材の粘弾性損失エネルギを求めることにより、タイヤの転がり抵抗力を算出する。
(シミュレーション装置の構成)
シミュレーション装置であるコンピュータ12は、CPU16と、ROM18と、RAM20と、入出力ポート22と、を有し、入出力ポート22を通じて粘弾性試験装置14と接続されている。さらに、コンピュータ12は、入出力ポート22を通じてディスプレイ、プリンタ等の出力装置24と接続されている。
ROM18あるいはRAM20には、コンピュータ12が実行可能なプログラムが記憶され、このプログラムを読み出して起動することにより、計算処理モジュール26が形成される。
計算処理モジュール26は、シミュレーション条件設定部28と、シミュレーション計算部30と、シミュレーション結果算出部32と、周波数分布算出部34と、粘弾性試験条件設定部36と、損失エネルギ算出部38と、転がり抵抗力算出部40と、を含む。上記各部における処理は設定されたフローに従って自動的に実行されるが、実質的な演算処理はCPU16を用いて行われる。
RAM20は、計算処理モジュール26の各部の処理結果を一時記憶保持する。
シミュレーション条件設定部28は、タイヤを再現したタイヤモデルに与える各種条件およびタイヤモデルを路面モデルに接地させる条件、さらには、路面モデルに接地したタイヤモデルから、歪のタイヤ周方向の分布を取り出すために、タイヤ子午断面形状内のゴム部材の領域を設定する。
シミュレーション条件設定部28における条件の設定は、出力装置24であるディスプレイに画面表示された入力画面に基づいてオペレータが入力指示した内容に応じて図示されないマウスやキーボードを用いて行われる。
シミュレーション計算部30は、有限個の要素を用いてタイヤを再現したタイヤモデルと、路面を再現した路面モデルを作成し、タイヤモデルにゴム部材の弾性定数を付与して、設定された荷重条件でタイヤモデルを路面モデルに接地させる。なお、ゴム部材の弾性定数および荷重条件は、シミュレーション条件設定部28において設定される。
図2は、シミュレーション計算部30で作成される三次元タイヤモデルのプロファイル断面(タイヤの子午断面)の一例を示す図である。図2に示す例は、225/50R18のタイヤサイズである。シミュレーション計算部30は、図2に示すタイヤモデルTに、設定された空気圧条件で内圧処理を施した後、路面モデルR(図3参照)に接地させる。空気圧条件は、シミュレーション条件設定部28で設定される。内圧処理とは、タイヤモデルTのタイヤ空洞領域に面する内表面に空気圧条件で圧力を付与する処理である。タイヤモデルTの荷重条件は、例えば負荷荷重4kNである。
タイヤは、ゴム部材として、トレッドゴム部材、サイドゴム部材、ビードフィラーゴム部材、ベルト間ゴム部材、インナーライナゴム部材等を有する。タイヤモデルTでは、これらのゴム部材が複数の要素によって分割されている。要素は、六面体要素の他、4面体要素等であってもよい。また、タイヤは、骨格部材として、ベルト部材、カーカス部材、ビードコア部材等を有する。これらの骨格部材は、複数の要素によって分割されている。要素は、六面体要素の他、4面体要素等であってもよいし、さらに、シェル要素や膜要素であってもよい。
図3は、タイヤモデルTが路面モデルRに接地されている状態を示す図である。路面モデルRは、剛体モデルであってもよいし、予め定められた弾性定数が付与された有限個の要素で作られたモデルであってもよい。また、路面モデルRは、平面を持ったモデルの他、ドラム面を再現した曲率面を持ったモデルであってもよい。
タイヤモデルTを路面モデルRに接地させる方法は、公知の方法で行われる。例えば、シミュレーション計算部30は、タイヤモデルTが路面モデルRから受ける垂直方向の反力が荷重条件の負荷荷重に一致するまで、タイヤモデルTと路面モデルRとの間の距離を順次段階的に接近させて反力を求める計算を繰り返し行う。
シミュレーション結果算出部32は、路面モデルRに荷重条件で接地したタイヤモデルTの設定された領域に作用する応力及び歪のタイヤ周方向の分布を取り出す。
ここで、領域とは、タイヤのゴム部材の領域、あるいはゴム部材の領域を分割した領域であってもよい。分割した領域はタイヤモデルTの要素を含む。また、分割した領域は、トレッドゴム部材センター領域、トレッドゴム部材ショルダー領域、トレッドゴム部材のベルト端部領域等に大きく分けた領域であってもよい。この場合、応力及び歪のタイヤ周方向の分布は、分割した領域に含まれる複数の要素に作用する応力の平均値及び歪の平均値が用いられる。
例えば、タイヤトレッドゴム部材のタイヤ中心線上のタイヤトレッドゴム部材内部のある1つの要素がゴム部材の領域として設定されているとき、図4に示すように、この要素からタイヤ周方向に連なって延びる黒い帯状の領域Xの要素に作用する応力及び歪を取り出してタイヤ周方向の分布を求める。すなわち、シミュレーション結果算出部32は、領域X内の要素に作用する6成分の応力と6成分の歪を算出する。領域Xは、設定された1つの要素がタイヤ回転中心軸を中心に回転することによりタイヤ周方向に移動したとき、この要素が移動する軌跡の領域である。なお、図4は、タイヤモデルTからトレッドゴム部材のモデルの部分を取り除いた状態の図を示している。
図5は、路面モデルRにタイヤモデルTが接地したときの領域Xにおけるタイヤ周方向の歪分布(周方向角度の歪分布)の一例を示す図である。図5の凡例に示される“11”,“22”,“33”は、6成分の歪のうちの3つの伸張成分を示し、“12”,“13”,“23”は3つのせん断成分を示す。図5中の周方向角度180度の位置は、タイヤモデルTが路面モデルRに接地したときのタイヤ周方向の中心位置を示す。
周波数分布算出部34は、図5に示すような、6成分のタイヤ周方向の応力の分布及び歪の分布から、タイヤが一回転したときの応力および歪の周波数分布を成分毎に求める。具体的には、周波数分布算出部34は、タイヤ周方向の応力の分布のデータ及び歪の分布の波形データをフーリエ変換し、かつ、フーリエ変換で定まる周波数に、タイヤを転動したときの転動速度に基づいて求められる転動周波数を乗算することにより、応力及び歪の周波数分布を成分毎に算出する。この場合、周波数は0〜200Hzの範囲であることが好ましい。200Hzより高い周波数の範囲では、タイヤの転動速度(0〜200km/時)において、応力及び歪の周波数成分が少ない。このため、周波数分布は、0〜200Hzの範囲であることが好ましい。
応力及び歪の周波数成分は、タイヤ周方向の歪の一周の分布が、転動するタイヤが一回転する時間に対応するようにタイヤ周方向の歪の時間波形を算出し、この算出結果をフーリエ変換することにより求められ得る。タイヤ周方向の歪の分布における、タイヤ周方向の位置を0から1で規格化して表し、この位置を表す0〜1に、タイヤが一回転する時間を乗算して、タイヤ周方向の歪の時間波形を算出し、この算出結果をフーリエ変換することにより、求められる、
粘弾性試験条件設定部36は、粘弾性特性の測定に用いる歪条件を、歪の周波数分布を用いて周波数毎に定める。
粘弾性試験は、定められた歪条件を用いて、ゴムサンプルを伸張させる第1の変形モードの試験と、ゴムサンプルをせん断変形させる第2の変形モードの試験とを含む。
このとき、歪条件は、第1の変形モード及び第2の変形モードに対応して、歪の伸張成分の条件と歪のせん断成分の条件とを含む。粘弾性試験条件設定部36は、伸張成分の条件として、歪の周波数分布から、歪の3方向の伸張成分のうちの最大値、または歪の3方向の伸張成分の平均値を求め、求めた最大値あるいは平均値を第1の変形モードにおける最大歪振幅と定める。最小歪振幅は、歪の3方向の伸張成分のなかの最小値と、粘弾性試験装置14の動作可能な伸張方向の最小歪振幅の値のうち、大きい方が用いられる。
さらに、粘弾性試験条件設定部36は、せん断成分の条件として、歪の周波数分布から、歪の3方向のせん断成分のうちの最大値、または歪の3方向のせん断成分の平均値を求め、求めた最大値あるいは平均値を第2の変形モードにおける最大歪振幅と定める。最小歪振幅については、歪の3方向のせん断成分のなかの最小値と、粘弾性試験装置14が動作可能なせん断方向の最小歪振幅の値のうち、大きい方が用いられる。定められた最大歪振幅及び最小歪振幅は、歪条件として粘弾性試験装置14に送られる。
図6は、歪の伸張成分の周波数分布の例を示す図である。
図6に示す例の場合、歪の伸張成分“11”、“22”、“33”のうち、最も大きい歪振幅は、“22”成分の30Hzにおける0.24%である。したがって、粘弾性試験に用いる最大歪振幅は0.24%と設定される。また、最も小さい歪振幅は、“33”成分の200Hzにおける0.001%である。粘弾性試験装置14の動作可能な伸張方向の最小歪振幅の値を、例えば0.02%としたとき、0.001%は、0.02%より小さい。したがって、粘弾性試験に用いる最小歪振幅は0.02%と設定される。
粘弾性試験条件設定部36は、設定された最小歪振幅から最大歪振幅の範囲について、一定の振幅間隔、例えば0.02%ごとに歪振幅を定める。この場合、0.02%、0.04%、0.06%、・・・0.24%の12個の歪振幅が歪条件として周波数毎に定められる。周波数についても、例えば、10〜200Hzの範囲を所定の周波数の刻み幅、例えば10Hzの刻み幅で変える。したがって、例えば、歪振幅は0.02%の間隔で12水準、周波数は10Hzの刻み幅で10〜200Hzの範囲で20水準が振られる。このような歪条件が粘弾性試験装置14に付与される。
粘弾性試験に用いる最大歪振幅を定める場合、歪の伸張成分のうち最大歪振幅を“11”、“22”、“33”の各歪振幅の平均値を最大歪振幅として周波数毎に定めてもよい。このときき、歪成分が最大歪振幅を超える場合もあるが、この場合定めた最大歪振幅を歪振幅として用いるとよい。
図7は、歪のせん断成分の周波数分布の例を示す図である。
図7に示す例の場合、歪のせん断成分“12”、“13”、“23”のうち、最も大きい歪振幅は、“12”成分の30Hzにおける0.55%である。したがって、粘弾性試験に用いる最大歪振幅は0.55%と設定される。また、最も小さい歪振幅は、“23”成分の200Hzにおける0.001%である。粘弾性試験装置14が動作可能なせん断方向の最小歪振幅の値が例えば0.02%であるとき、0.001%は、0.02%より小さい。したがって、粘弾性試験に用いる最小歪振幅は0.02%と設定される。この場合においても、粘弾性試験条件設定部36は、設定された最小歪振幅から最大歪振幅の範囲について、一定の振幅間隔、例えば0.02%ごとに歪振幅を定める。歪振幅の条件は、この場合、最小歪振幅0.02%、0.04%、・・・0.52%、0.54%と、最大歪振幅0.55%を加えた条件となる。周波数についても、例えば、10〜200Hzの範囲を、所定の周波数の刻み幅、例えば10Hzの刻み幅で変える。
定められた歪条件は、粘弾性試験装置14に送られ、粘弾性試験において用いられる。
損失エネルギ算出部38は、後述する粘弾性試験装置14で測定されて得られた粘弾性特性と、路面モデルRに接地したタイヤモデルTのゴム部材の領域に作用する応力の振幅及び歪の振幅と、を用いて、タイヤ一回転したときのゴム部材の設定された領域の粘弾性損失エネルギを算出する。具体的には、粘弾性試験装置14において測定されて得られる位相差をδとし、歪の振幅をAmn ε、応力の振幅をAmn σ、6成分の歪の位相をBmn ε、6成分の応力の位相をBmn σとしたとき、以下の式(1)によって領域、例えば設定された要素における粘弾性損失エネルギが算出される。ここで、式(1)中のnは周波数fnを定める、1〜N(整数)の整数である。mは歪成分の種類を定める、1〜6の整数である。
振幅Amn εおよび振幅Amn σは、周波数分布算出部34で求められた応力および歪の周波数分布から得られる。周波数分布算出部34で求められた応力および歪の周波数分布は、位相成分を含むので、この位相成分が位相Bmn εおよびBmn σに用いられる。位相差δについては、後述する粘弾性試験装置14を用いて測定された粘弾性特性のデータ用いて内挿補間することにより振幅Amn εに対応する位相差δが求められて用いられる。位相差δは、周波数fn毎に求められ、かつ、歪成分の種類mによって定まるため、式(1)ではδmnと表される。損失エネルギ算出部38は、内挿補間により求めた位相差δを用いるほかに、歪振幅が最も近い条件の位相差δを用いることもできる。
上記式(1)中のΔEmは、ゴム部材の要素がタイヤ一回転したときの歪成分mの設定された領域における粘弾性損失エネルギである。また、式(1)中のVは、設定された領域の体積、例えば要素の体積である。損失エネルギ算出部38は、例えば、ゴム部材の要素を領域の単位とし、タイヤの子午断面内に位置する全ての構成ゴム部材の要素を順次選択し、タイヤが一回転したときのゴム部材の各領域の粘弾性損失エネルギを算出する。
算出した粘弾性損失エネルギは、RAM20に記憶される。
転がり抵抗力算出部40は、RAM20に記憶された粘弾性損失エネルギを呼び出してタイヤの転がり抵抗力を求める。具体的には、損失エネルギ算出部38において算出されたゴム部材の各領域の粘弾性損失エネルギを累積加算し、加算結果をタイヤ転がり周長で除算することにより、タイヤの転がり抵抗力を算出する。タイヤ転がり周長は、2π{K(R1−R0)+R0}で表される。ここで、R0は荷重を負荷していないときの回転体外半径であり、タイヤモデルTの最大外径により定まる。R1は荷重が負荷されたタイヤモデルTのタイヤモデルTの回転中心軸と路面モデルRとの距離である。Kは、0〜1の範囲の予め定められた係数である。
求められた転がり抵抗力は、入出力ポート22を通じて出力装置24に出力される。
粘弾性試験装置14は、コンピュータ12から供給された歪条件を用いて、ゴムサンプルの周波数毎の粘弾性試験を行い、ゴム部材の粘弾性特性を測定する。図8(a)に示すゴムサンプルは、図8(b)に示すように、粘弾性試験装置14のチャック14aによりゴムサンプルの両端が固定されて粘弾性試験装置14にセットされる。チャック14aの両側には、応力及び変位を測定するためのセンサ14bが設けられる。また、設定された歪条件で粘弾性試験が可能なように、図示されないユニットにてゴムサンプルの歪が制御される。ゴムサンプルは、例えば、幅5mm、長さ20mm、厚さ2mmの板形状のサンプルである。
粘弾性試験装置14は、両端をチャックで固定したゴムサンプルの一端をゴムサンプルの伸張方向(ゴムサンプルの長手方向)に引っ張る第1の変形モードの試験と、ゴムサンプルの一端をゴムサンプルの伸張方向と直交する方向にせん断変形を与える第2の変形モードの試験とを行う。
粘弾性試験装置14は、第1の変形モード及び第2の変形モードで得られる歪と応力の振動情報から貯蔵弾性率および損失弾性率を求め、さらに、損失正接tanδを周波数毎に求める。損失正接tanδは粘弾性特性のデータである。求められた周波数毎の損失正接tanδは、コンピュータ12に送られ、RAM20に記憶される。RAM20に記憶された周波数毎の損失正接tanδは、損失エネルギ算出部38から読み出され、図8(c)に示す斜線領域に該当する粘弾性損失エネルギの算出に用いられる。
粘弾性試験装置14は、タイヤが転動するときの温度条件で粘弾性試験を行うことが好ましい。あるいは、粘弾性試験装置14は、別途タイヤモデルTに対して熱解析を行って算出された温度条件で粘弾性試験を行うことが好ましい。粘弾性試験装置14は、上記設定された温度と周波数を、公知のWLF変換を用いて変換した温度と周波数で粘弾性試験を行ってもよい。
図9は、粘弾性特性の1つである損失正接tanδの周波数依存性と歪振幅依存性の測定結果の一例を示している。損失エネルギ算出部38は、測定された損失正接tanδから、上記式(1)中の周波数fnに対応し、かつ振幅Amn εに対応した損失正接tanδを抽出する。周波数fnおよび振幅Amn εに対応した損失正接tanδがない場合、内挿補間を用いて、所望の周波数fnおよび振幅Amn εに対応した誘電正接tanδを求める。損失エネルギ算出部38は、求めた損失正接tanδから位相差δを求め、この位相差δを用いて上記式(1)に従って粘弾性損失エネルギを算出する。
以上のように、システム10では、タイヤを再現したタイヤモデルTのタイヤ周方向の歪の分布から、タイヤが一回転したときの歪の周波数分布を歪成分毎に求め、粘弾性特性の測定に用いる最大歪振幅を、求めた歪の周波数分布から定めることにより、粘弾性試験における歪条件を定める。このため、タイヤに用いるゴム部材の粘弾性特性を効率よく精度よく測定することができる。また、転動するタイヤのシミュレーションを効率よく精度よく行うことができる。
(シミュレーション方法)
図10は、タイヤの転がり抵抗力を算出するシミュレーション方法のフローを説明するフローチャートである。
まず、シミュレーション条件設定部28は、タイヤが路面に接地した状態を再現するシミュレーションのための各種条件を設定する(ステップS10)。各種条件は、タイヤを再現したタイヤモデルTに内圧処理を施すための空気圧条件、タイヤモデルTを路面モデルRに接地させるための荷重条件、粘弾性損失エネルギを算出するために注目するゴム部材の領域(要素)の位置、領域(要素)を変更するとき、領域(要素)の変更の順番を定めた情報、タイヤの転動速度等を含む。シミュレーション条件設定部28は、このような条件を、オペレータが入力画面を見ながら入力した指示内容に基づいて設定する。
次に、シミュレーション計算部30は、タイヤモデルTおよび路面モデルRを作成する(ステップS20)。タイヤモデルTは、図2に示されるようなタイヤ子午断面形状を有する、複数の要素を用いて作られた3次元有限要素モデルである。シミュレーション計算部30は、タイヤモデルTのゴム部材および骨格部材の要素に弾性定数を付与して、シミュレーション可能な状態のモデルとする。路面モデルRは、剛体の平板モデルあるいは複数の要素で作られる有限要素モデルであってもよい。路面モデルRが有限要素モデルである場合、路面モデルRには弾性定数が付与される。
次に、シミュレーション計算部30は、タイヤモデルTを路面モデルRに接地させた接地処理を行う(ステップS30)。接地処理は、タイヤモデルTと路面モデルR間の距離を徐々に段階的に接近させる計算を繰り返し行う。タイヤモデルTと路面モデルR間の距離が狭くなりタイヤモデルTが受ける負荷荷重が設定された負荷荷重となるまで繰り返し計算が行われる。
なお、シミュレーション計算部30は、接地処理を行うとき、タイヤの転動速度に応じた遠心力を各要素に付与してもよい。また、タイヤモデルTの表面に転動中のタイヤで観測されるタイヤ表面温度を境界条件として付与することにより、タイヤ内部の熱解析を行ってタイヤの内部温度を求めるようなシミュレーションを行ってもよい。求めた内部温度を粘弾性試験における測定条件として用いることにより、粘弾性試験装置14は、精度の高いゴム部材の粘弾性特性を取得することができる。ゴム部材の粘弾性特性は、温度依存性が高いからである。
次に、シミュレーション結果算出部32は、設定されたゴム部材の領域(要素)の位置における、タイヤ周方向の歪分布を抽出する(ステップS40)。具体的には、図4に示す領域Xにおけるタイヤ周方向の歪分布を6成分取り出す。図5は、歪の6成分を取り出した結果の一例を示す図である。
次に、周波数分布算出部24は、図5に示すような歪分布の波形をフーリエ変換し、フーリエ変換で定まる周波数に、タイヤの転動周波数(転動速度/タイヤ転がり周長)を乗算することにより、タイヤの転動中の歪の周波数分布を算出する(ステップS50)。転動周波数は、乗用車用タイヤの場合、転動速度80[km/時]において略10〜12Hzである。
次に、粘弾性試験条件設定部36は、粘弾性試験に用いる歪条件を設定する(ステップS60)。
粘弾性試験条件設定部36は、粘弾性試験装置14で行われる粘弾性試験におけるゴムサンプルの変形モード別に、歪条件を設定する。粘弾性試験は、ゴムサンプルを伸張させる第1の変形モードの試験と、ゴムサンプルをせん断変形させる第2の変形モードの試験とを含む。これに対応して、粘弾性試験条件設定部36は、第1の変形モードの試験のための歪条件と、第2の変形モードの試験のための歪条件を定める。
具体的には、粘弾性試験条件設定部36は、図6に示す歪の伸張成分の周波数分布から、第1の変形モードの粘弾性試験に用いる最大歪振幅および最小歪振幅を設定する。同様に、図7に示す歪のせん断成分の周波数分布から、第2の変形モードの粘弾性試験に用いる最大歪振幅および最小歪振幅を設定する。最大歪振幅および最小歪振幅の設定は上述したとおりである。
設定された歪条件は、粘弾性試験装置14に送られる。
粘弾性試験装置14は、設定された歪条件で、第1の変形モードと第2の変形モードにおける粘弾性試験を行う(ステップS70)。このとき、温度条件は、コンピュータ12から付与されてもよい。この温度条件は、タイヤの転動中のゴム部材の温度を再現したものが用いられる。また、設定された周波数と設定された温度条件を、WLF変換により変更して粘弾性試験を行うこともできる。
粘弾性試験で得られる粘弾性特性の結果は、例えば、図9に示されるような、周波数と歪振幅毎のtanδの数値データである。この数値データは、コンピュータ12に送られ、RAM20に記憶される。
次に、損失エネルギ算出部38は、粘弾性試験装置14で測定されて得られた粘弾性特性と、路面モデルRに接地したタイヤモデルTのゴム部材の領域(要素)に作用する応力の振幅及び歪の振幅と、を用いて、タイヤが一回転したときのゴム部材の各領域の粘弾性損失エネルギを算出する(ステップS80)。例えば、図4に示す領域Xにおける粘弾性損失エネルギ、すなわち、要素の粘弾性損失エネルギを算出する。算出した粘弾性損失エネルギはRAM20に記憶される。
次に、損失エネルギ算出部38は、タイヤのすべてのゴム部材の領域(要素)の粘弾性損失エネルギを算出したか否かを判定する(ステップS90)。判定の結果が否定の場合、ゴム部材の領域(要素)の位置が変更され(ステップS100)、ステップS40〜S80に戻り、設定された要素の粘弾性損失エネルギが算出される。こうして、ステップS90の判定が肯定となるまで、ステップS40〜S100が繰り返される。
転がり抵抗力算出部40は、ステップS80で求められた粘弾性損失エネルギをRAM20から呼び出して累積加算することにより、タイヤが一回転したときのタイヤの粘弾性損失エネルギの総計を求める。さらに、転がり抵抗力算出部40は、求めた総計をタイヤ転がり周長=2π{K(R1−R0)+R0}で除算することにより、転がり抵抗力を算出する(ステップS110)。
このように、本実施形態のシミュレーション方法では、タイヤを再現したタイヤモデルTのタイヤ周方向の歪の分布から、タイヤが一回転したときの歪の周波数分布を歪成分毎に求め、粘弾性特性の測定に用いる最大歪振幅を、求めた歪の周波数分布から定めることにより、粘弾性試験における歪条件を定める。このため、タイヤに用いるゴム部材の粘弾性特性を効率よく精度よく測定することができるほか、転動するタイヤのシミュレーションを効率よく精度よく行うことができる。
本実施形態のシミュレーション方法を、タイヤサイズ225/50R18の乗用車タイヤで行い、空気圧条件を230[Pa]とし、負荷条件を4[kN]とし、転動速度を80[km/時]とした。
実際のタイヤの転がり抵抗力を室内試験で測定した。測定結果を指数100とした場合、本実施形態で得られた転がり抵抗力の指数は95であった。これに対して、ゴムサンプルを予め定めた定型の歪2[%]、周波数20[Hz]の条件(室温)で計測した損失正接tanδを用いて算出された転がり抵抗力の指数は80であった。これより、本実施形態のシミュレーション方法で得られる転がり抵抗力は、実際のタイヤの転がり抵抗力に近く精度高くシミュレーションできることがわかる。
また、本実施形態の方法は、損失正接tanδを取得するための歪条件を、タイヤモデルを路面モデルに接地させることにより求められる歪の周波数分布から求めるので、効率よく粘弾性特性を取得することができる。このため、シミュレーションを効率よく行うことができる。
(変形例)
上記コンピュータ12および上記シミュレーション方法では、歪の伸張成分に関する歪条件と歪のせん断成分に関する歪条件とを用いて、第1の変形モードと第2の変形モードの粘弾性試験を行う。しかし、本変形例では、主歪の伸張成分に関する歪条件が用いられ、第1の変形モードにおける粘弾性試験が行われる。
変形例においても、コンピュータ12および粘弾性試験装置14が用いられる。
この場合、粘弾性試験装置14は、ゴムサンプルを伸張させる第1の変形モードの試験を行い、第2の変形モードの試験を行わない。本変形例は、先の実施形態と粘弾性試験条件設定部36が異なり、これ以外の部分は、先の実施形態と同じである。
変形例の粘弾性試験条件設定部36は、歪条件として、3方向の主歪のうち最大値、または3方向の主歪の平均値を、第1の変形モードにおける最大歪振幅として定める。この場合、粘弾性試験装置14は、最小歪振幅についても、主歪の3方向の伸張成分のうちの最小値と、粘弾性試験装置14の動作可能な最小歪振幅の値のうち大きい方を、第1の変形モードにおける最小歪振幅として定める。
主歪とは、3つのせん断歪が0となるときの残りの3つの伸張成分の歪をいう。すなわち、粘弾性試験装置14は、3つのせん断成分“12”、“13”、“23”が0となるように主歪方向を定め、この主歪方向を主軸としたときの3つの主歪のうち最大値を、あるいは3つの主歪の平均値を、第1の変形モードにおける最大歪振幅とする。この場合においても、粘弾性試験条件設定部36は、設定された最小歪振幅から最大歪振幅の範囲について、一定の振幅間隔、例えば0.02%ごとに歪振幅を定める。
図11は、図6及び図7に示される6成分の歪から求められる主歪の一例を示している。図11に示す例の場合、最も大きい歪振幅は、30Hzにおける0.82%である。したがって、粘弾性試験に用いる最大歪振幅は0.82%と設定される。また、最も小さい歪振幅は、190Hzにおける0.01%である。粘弾性試験装置14が動作可能な伸張方向の最小歪振幅の値が例えば0.02%の場合、0.01%は動作可能な歪振幅0.02%より小さい。したがって、粘弾性試験に用いる最小歪振幅は0.02%と設定される。この場合においても、粘弾性試験条件設定部36は、設定された最小歪振幅から最大歪振幅の範囲について、一定の振幅間隔、例えば0.02%ごとに歪振幅を定める。歪振幅の条件は、この場合、最小歪振幅0.02%、0.04%、・・・0.80%と、最大歪振幅0.82%を加えた条件となる。周波数についても、例えば、10〜200Hzの範囲を、所定の周波数の刻み幅、例えば10Hzの刻み幅で変える。
定められた歪条件は、粘弾性試験装置14に送られる。
粘弾性試験装置14は、ゴムサンプルを伸張方向に歪ませる第1の変形モードで粘弾性特性試験を行う。測定された粘弾性特性は、コンピュータ12に送られ、RAM20に記憶される。
損失エネルギ算出部38は、RAM20から読み出した粘弾性特性であるtanδを用いて、式(1)に従って粘弾性損失エネルギを算出する。その際、振幅Amn εおよび振幅Amn σは、主歪み及び主応力の振幅が用いられる。
このような変形例では、タイヤを再現したタイヤモデルTのタイヤ周方向の歪の分布から、タイヤが一回転したときの歪の周波数分布を主歪成分毎に求め、粘弾性特性の測定に用いる最大歪振幅を、求めた歪の周波数分布から定めることにより、粘弾性試験における伸張方向の歪条件を定める。このため、タイヤに用いるゴム部材の粘弾性特性を効率よく精度よく測定することができるほか、転動するタイヤのシミュレーションを効率よく精度よく行うことができる。
以上、本発明の粘弾性試験方法、タイヤのシミュレーション方法およびタイヤのシミュレーション装置について詳細に説明したが、本発明の粘弾性試験方法、タイヤのシミュレーション方法およびタイヤのシミュレーション装置は上記実施形態や変形例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 システム
12 コンピュータ
14 粘弾性試験装置
14a チャック
14b センサ
16 CPU
18 ROM
20 RAM
22 入出力ポート
24 出力装置
26 計算処理モジュール
28 シミュレーション条件設定部
30 シミュレーション計算部
32 シミュレーション結果算出部
34 周波数分布算出部
36 粘弾性試験条件設定部36
38 損失エネルギ算出部38
40 転がり抵抗力算出部

Claims (10)

  1. タイヤに用いるゴム部材の、タイヤが転動するときの粘弾性特性を測定する粘弾性試験方法であって、
    タイヤを有限個の要素を用いて再現したタイヤモデルにゴム部材の弾性定数を付与して、設定された荷重条件で路面モデルに接地させるステップと、
    前記路面モデルに接地した前記タイヤモデルの前記ゴム部材の領域に作用する歪のタイヤ周方向の分布を取り出すステップと、
    前記タイヤ周方向の歪の分布から、タイヤが一回転したときの歪の周波数分布を歪成分毎に求めるステップと、
    粘弾性特性の測定に用いる最大歪振幅と最小歪振幅を、前記歪の周波数分布から定めるステップと、をコンピュータが実行し、
    粘弾性試験装置が、定めた前記最大歪振幅と前記最小歪振幅との間の振幅範囲を所定の間隔毎に区切って定めた複数の試験歪振幅と、前記歪の周波数分布の周波数範囲を所定の周波数間隔で区切って定めた複数の試験周波数とを組み合わせた条件で、前記ゴム部材のサンプルの粘弾性試験を行い、前記条件毎の前記ゴム部材の粘弾性特性を測定し取得するステップと、を有することを特徴とする粘弾性試験方法。
  2. 前記最大歪振幅は、歪の伸張成分の最大歪振幅と歪のせん断成分の最大歪振幅とを含み、
    前記粘弾性試験装置は、前記サンプルを伸張させる第1の変形モードの試験と、前記サンプルをせん断変形させる第2の変形モードの試験とを行い、
    前記伸張成分の最大歪振幅として、前記歪の3方向の伸張成分のうちの最大値、または前記歪の3方向の伸張成分の平均値を定め、
    前記せん断成分の最大歪振幅として、前記歪の3方向のせん断成分のうちの最大値、または前記歪の3方向のせん断成分の平均値を定める、請求項1に記載の粘弾性試験方法。
  3. 前記粘弾性試験装置は、前記サンプルを伸張させる第1の変形モードの試験を行い、
    前記最大歪振幅として、前記歪から定まる3方向の主歪のうち最大値、または前記主歪の平均値を定める、請求項1に記載の粘弾性試験方法。
  4. 転動するタイヤのシミュレーション方法であって、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘弾性試験方法を行うステップと、
    測定した前記ゴム部材の粘弾性特性と、前記路面モデルに接地した前記タイヤモデルの前記ゴム部材の領域に作用する応力及び歪の周波数成分と、を用いて、タイヤが一回転したときの前記ゴム部材の領域の粘弾性損失エネルギを算出するステップと、を有することを特徴とするタイヤのシミュレーション方法。
  5. 前記粘弾性損失エネルギを算出するステップでは、
    前記試験歪振幅と前記試験周波数とを組み合わせた前記条件毎の前記ゴム部材の粘弾性特性と、前記路面モデルに接地した前記タイヤモデルの前記ゴム部材の領域に作用する応力及び歪の周波数成分と、を用いて、タイヤが一回転したときの前記ゴム部材の領域の粘弾性損失エネルギの周波数成分を、前記試験周波数毎に算出し、
    前記ゴム部材の領域の粘弾性損失エネルギを算出するために、前記試験周波数毎に算出した前記粘弾性損失エネルギの周波数成分を加算する、請求項4に記載のタイヤのシミュレーション方法。
  6. 前記歪の周波数分布は、前記タイヤ周方向の歪の分布をフーリエ変換し、フーリエ変換により定まる周波数に、転動するタイヤの転動周波数を乗算することにより、求められる、請求項4または5に記載のタイヤのシミュレーション方法。
  7. 前記歪の周波数分布は、前記タイヤ周方向の歪の一周の分布が、転動するタイヤが一回転する時間に対応するようにタイヤ周方向の歪の時間波形を算出し、この算出結果をフーリエ変換することにより求められる、請求項4または5に記載のタイヤのシミュレーション方法。
  8. 前記ゴム部材の領域として、タイヤの子午断面内に位置する全ての構成ゴム部材の領域を順次選択することにより、タイヤが一回転したときの前記タイヤの粘弾性損失エネルギを算出するステップを有する、請求項4〜のいずれか1項に記載のタイヤのシミュレーション方法。
  9. 算出された前記タイヤの粘弾性損失エネルギを、タイヤ転がり周長で除算することにより、タイヤの転がり抵抗力を算出するステップを有する、請求項に記載のタイヤのシミュレーション方法。
  10. 転動するタイヤのシミュレーションを、粘弾性試験装置を用いて測定されたタイヤのゴム部材の、タイヤが転動するときの粘弾性特性を用いて行うタイヤのシミュレーション装置であって、
    タイヤを有限個の要素を用いて再現したタイヤモデルにゴム部材の弾性定数を付与して、前記タイヤモデルを、設定された荷重条件で路面モデルに接地させる計算部と、
    前記路面モデルに接地した前記タイヤモデルの前記ゴム部材の領域に作用する歪のタイヤ周方向の分布を取り出す結果算出部と、
    前記タイヤ周方向の歪の分布から、タイヤが一回転したときの歪の周波数分布を歪成分毎に求める周波数分布算出部と、
    前記ゴム部材の粘弾性特性の測定に用いる最大歪振幅と最小歪振幅を前記歪の周波数分布から定め、前記最大歪振幅と前記最小歪振幅との間の振幅範囲を所定の間隔毎に区切って定めた複数の試験歪振幅と、前記周波数分布の周波数範囲を所定の周波数間隔で区切って定めた複数の試験周波数とを組み合わせた条件を前記粘弾性試験装置に付与する条件設定部と、
    付与された前記条件を用いて前記粘弾性試験装置で測定された測定結果から前記試験歪振幅及び前記試験周波数を組み合わせた条件毎の粘弾性特性を抽出する抽出部と、
    前記条件毎の前記粘弾性特性と、前記路面モデルに接地した前記タイヤモデルの前記ゴム部材の領域に作用する応力及び歪と、を用いて、前記ゴム部材の領域が一回転したときの粘弾性損失エネルギを算出する損失エネルギ算出部と、を有することを特徴とするタイヤのシミュレーション装置。
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