JP4571565B2 - 磁気記録材料 - Google Patents
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Description
この方式に用いられる磁気カード類としては、通常、プラスチックシート又は上質紙等の支持体の片面に磁気記録層を設けたものが知られているが、記録画像の高感度化、高濃度化、画像均一化等の要求を満足させるため、熱転写記録側にインク受容層を設けるなどの改良が図られている。
この中で、情報の読み取りにおいては記録情報を電圧の波形として取りだしているが、電圧の波形におけるそれぞれの山を正確に認識することが必要であるため、信号の書き込まれていない部分にもともと存在するノイズ(ホワイトノイズと呼ぶ)、或いは外部からのノイズを信号として認識しないように読み取りの閾値を設けてある。
改札において読み取りエラーが発生した場合、使用者が改札を通過できず、そのために駅員が再度改札に券を通過させてみたり、改札機をあけてハード側の異常がないかどうかを確認するなどの対応が必要となってしまう。このような事態は通過を急いでいる使用者や、その対応に追われる駅側にとっては非常に大きな負荷となる。更にこれがラッシュ時などの非常に混雑している時に発生した場合はその他多くの使用者が通過を妨げられるなどの大きな影響が出てしまう。加えて、券の控除時には消去/再書き込み作業によって電圧波形のピ−クが下がる傾向があることを考慮し、閾値が更に低く設定されている為に読み取りエラーが格段に発生しやすい。以上のようなことから特に券紙としての磁気記録材料にはホワイトノイズをできる限り低減することが求められている。
しかしながら、支持体に合成樹脂を原料としたものを使用した場合、その上に設けた磁気層はたしかに表面平滑性が向上し、その結果凹凸要因によるホワイトノイズのレベルが低減されるが、その効果は十分とは言えず、一方でこのような支持体は磁気層を塗布方式で設けた場合には磁気塗工液の染み込みが悪い為に磁気層表面における樹脂の比率が高くなり、地紋印刷後巻き取り製品としたときにブロッキング(磁気面と反対側の面が張り付く)という問題が発生しやすいという欠点がある。さらに、支持体にかかるコストも原紙を使用する場合に比較して高いものとなる。
また、ノイズを低減する方法として、磁気記録層と支持体の間に別の層を設けるということが提案されている。例えば特許文献3には紙製の支持体にプラスチックピグメントと水溶性樹脂及び/または水分散性樹脂からなるバインダー用樹脂と主成分とする水系のコーティング剤によって形成されているアンダーコート層上に磁気記録層を設けると磁気記録を読み取る際の読み取り出力の変動率が小さく、また直流ノイズレベルの小さい磁気記録体が得られるとある。
また、特許文献4には上記アンダーコート層としてゲル含有量が5〜75%のスチレン・ブタジエン系ラテックス層を設けることでやはり磁気特性が向上するとある。
更に特許文献5にはアンダーコート層に重合脂肪酸をモノマー単位として含有するポリアミド樹脂またはポリアミドエステル樹脂を使用するとあるが、これらについてもノイズ低減の効果が十分ではなく、且つ支持体の原紙へ直接磁気記録層を設ける場合に比較してアンダーコート層へ磁気液が染み込みにくいという特性があるためにブロッキングの問題が発生しやすい。
別の方向性としては、特許文献6において支持体として磁気面側にコート紙を用い、磁気層表面を10kg/cm2加圧でのパーカープリントサーフ平滑度(PPS)が3.8μ以下とすることで磁気特性が優れることが提案されているが、コート紙はそのコートしている層とその下の原紙の間の接着性が低く、最終製品とした場合にテープなどで容易に磁気層がはがれやすいという問題を有している。
本発明の第1は、支持体の一方の面に強磁性体粉末と水性結合剤を主成分とする磁気記録層を設けてなる磁気記録材料において、支持体となる原紙の地合い指数が90%以上であり、当該支持体の磁気記録層を設ける面の平滑度が60秒以上、そして当該支持体の灰分が2%以下であることを特徴とする磁気記録材料に関する。
本発明の第2は、前記支持体の緊度が0.85以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録材料に関する。
本発明の第3は、前記支持体の白色度が80%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録材料に関する。
本発明の第4は、前記支持体の磁気記録層の設けられていない他方の面に、電子供与性の無色または淡色のロイコ染料と電子受容性の顕色剤とを含有する感熱記録層が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の磁気記録材料に関する。
本発明の第5は、前記支持体の磁気記録層の設けられていない他方の面に、顔料とバインダーを主成分とする熱転写インク受容層が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の磁気記録材料に関する。
本発明の磁気記録体に用いられる支持体は地合い指数が90%以上のものを使用しなければならない。
ここでいう地合い指数とは、紙に内在する繊維、内添剤などの材料がどの程度均一に存在しているかを示す指数であり、数値が高いほど均一に存在していることを意味する。
その測定方式としては光源を用いた透過式あるいは反射式があり、測定範囲における数万点〜数十万点の透過度あるいは反射度をヒストグラム画像評価してそのばらつき度合いを指数として表示するもので各種の測定機器が存在する。
本明細書中に記載の地合い指数はその内の一つであるMK system Inc 製の3Sシートアナライザーを用いて測定されたものである。
地合い指数が90%未満の支持体上に磁気記録層を設けた場合、支持体の均一性が十分でない為に磁気記録層を塗布した際塗布液が支持体に不均一に染み込んでしまう。
通常磁気記録層の塗布後、乾燥前に磁性体の配向が行われるが、染み込みが不均一であると記録層内にある磁性体の配向が均一にならず、結果としてホワイトノイズが高くなりやすい。
一方、地合い指数が90%以上になると磁気記録層塗布時に染み込みばらつきが小さくなる為に磁性体の配向が均一になり、ホワイトノイズが格段に低くなる。また、物理的な凹凸が小さくなる為にキャレンダー工程後の平滑性も高くなり、磁気ヘッドとの密着性が良くなる為にホワイトノイズが更に低減されることとなる。
また、当該支持体の磁気記録層を設ける面が平滑度60秒以上であると磁気記録層を設けたあと表面の平滑性がさらに上がりノイズが低減される。
さらに当該支持体の灰分が2%以下にされた場合には比較的硬い素材である内添剤の比率が下がる為に発券機にあるカッターへの負荷が低減し、カッターの長寿命化がなされてメンテナンスが改善される。また、支持体の緊度〔支持体の坪量(=単位面積当りの重量)を支持体の厚みで割った値〕が0.85以下の場合には磁気記録層塗布後のキャレンダー平滑化工程で磁気記録層表面の平滑が高くなりやすく、やはりホワイトノイズが低減する。
当該支持体の白色度が80%以上の場合、券紙用途として施される地紋印刷後のコントラストが高く、少ないインク量でくっきりとした印刷画像が得られ、加工性のよい磁気記録体が得られる。
針葉樹としては、アカマツ 、クロマツ、トドマツ、エゾマツ、モミ、ツガ、スギ、ヒノキ、カラマツ、シラベ、トウヒ、ヒバ、メルクシマツ、ラジアータパイン、ベニマツ、パイン、シーダ、スプルース、ホワイトファー。広葉樹としては、カバ、ブナ、ハンノキ、ナラ、タブ、シイ、シラカバ、ハコヤナギ、ポプラ、タモ、ドロヤナギ、ユーカリ、マングローブ、ラワンが挙げられ、これらの中から1種または2種以上が適宜選択して使用される。
具体的には長繊維の針葉樹パルプと短繊維の広葉樹パルプの混合比は、針葉樹/広葉樹(重量比)=5/95〜20/80の範囲で用いるのが好ましい。
前記混合比で抄紙した紙支持体は、低密度で剛直性と平滑性に優れている。
紙支持体には、その他、タルク、炭酸カルシウム等の填料、合成樹脂、ロジン、澱粉等のサイズ剤や必要に応じて湿潤強度向上剤、柔軟剤、硬化剤、歩留り向上剤、消泡剤、ガム類、撥水剤などを用いることが出来、この支持体上に強磁性体粉末と水性結合剤を主成分とする磁気記録層を設ける。
支持体の坪量としては好ましくは60〜300g/m2、さらに好ましくは100〜200g/m2である。
又、磁気出力のバラツキはシートの表面性にも影響される。平坦な方が磁気ヘッドとの密着性が良いため、磁気出力のバラツキが小さくなるのは極めて当然のことである。
そのため抄紙工程や磁気層塗布工程の後に、マシンカレンダー、グロスカレンダー、スーパーカレンダー、ブラッシング、などの平坦化装置を使用することが出来る。
磁気記録層は強磁性体粉末と水性結合剤を主成分とし、その他必要に応じて消泡剤、増粘剤、硬化剤、浸透剤、ブロッキング防止剤、撥水剤、耐水化剤、カーボンブラック等の着色顔料、分散剤等の添加剤を含有させることができる。
磁性体粉末としてはγフェライト、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等が用いられるが、磁気記録情報が通常の磁石で消去されない為には保磁力が1500〜5000エルステッドのバリウムフェライト、ストロンチウムフェライトが多く使用される。尚、磁性体粉末の分散にポリアクリル酸系の塩等が使用可能である。
磁気記録層の水性結合剤樹脂としては、酸化デンプン、エーテル化デンプンなどのデンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、アラビゴム、カゼイン、ゼラチン、ポリエチレンオキサイドなどの水溶性結合剤、ポリウレタン系、塩化ビニル系、ポリアクリル系、スチレンブタジエン系などの各種ラテックスが挙げられ、これらの中から1種または2種以上が適宜選択して使用される。
これらの中でガラス転移点(Tg)が0〜30℃のものが好んで用いられる。
ガラス転移点が0℃未満の水溶性結合剤を用いた場合には、磁気記録層にベトツキが生じ、ブロッキング現象が生じ易くなる。またガラス転移点が30℃を超える水溶性結合剤を用いた場合には、磁気記録層の成膜性が悪くなり、磁性体の脱落が生じ易くなる。
また、水溶性結合剤の使用量としては、強磁性体100重量部に対し35〜60重量部が好ましい。35重量部未満では磁気記録層の割れが発生し易くなり、60重量部を超えるとブロッキングが発生し易くなる。
また、10−6Ωを超えると磁気ヘッド−磁気記録表面の摩擦により生じる静電気が磁気記録層に帯電しないため磁気ヘッドに帯電し、ノイズとなる為、好ましくない。
このような帯電性の低下は、導電性物質を磁気記録層に添加(カーボンブラック等)や、磁気記録層を多孔性にする等の方法をとることによりできる。前記表面抵抗値は、High Resistance Meter(日本ヒューレット・パッカード社製)で23℃50%環境下で測定した値である。
一方、支持体の表面には、各種の情報を表示する記録層が形成されているが、その記録方法として、従来から用いられている感熱記録方式、熱転写記録方式、インクジェット記録方式が適宜好適に使用され、また、必要に応じて、電子写真方式や、オフセット印刷方式を選んで使用することができる。
そこで、記録層が、感熱方式においては、電子供与性の無色のロイコ染料と電子受容性の顕色剤とを含有している感熱記録層であることが好ましく、また熱転写方式やインクジェット方式においては、特に、インクを受容できるインク受容層が設けてられていることが好ましい。
また、感熱記録層で用いる顕色剤としては、ロイコ染料との接触時に発色させる電子受容性の種々なる固体酸を有する化合物が使用され、例えば、フェノール性化合物、チオフェノール性化合物、チオ尿素誘導体、有機酸及びその金属塩等が好ましく使用することができる。
例えば、ポリビニルアルコール、澱粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸三元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン等の水溶性高分子の他、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、酢酸ビニル−エチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル共重合体等のラテックス等が挙げられる。
また、滑剤としては高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル、動物性、植物性、鉱物性または石油系の各種ワックス類等が挙げられる。
また、熱転写インク受容層には、耐水化剤として、ホルムアルデヒド、グリオキサザール、メラミン、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂等を含有させることができる。
必要に応じて高級脂肪酸金属塩やパラフィンワックス等の滑剤、分散剤、消泡剤等の添加剤を含有させることができる。また必要に応じて支持体と熱転写インク受容層の間に中間層を設けることもできる。
この他に、蛍光増白剤、界面活性剤等の添加もでき、更には、このインク受容層表面をキャレンダー等により平滑度を300秒以上に処理することで、画像濃度を向上させることができる。
なお、実施例、参考例及び比較例における部は重量部を表す。
バリウムフェライト(保持力:2700Oe、 平均粒径:0.6μm) 100部
ポリアクリル酸ソーダ(固形分20%水溶液) 10部
カーボンブラック(固形分38%分散液) 20部
水 90部
以上の組成からなる液をサンドグライダーで24時間分散させて、バリウムフェライト分散液A液を調整した。続いて、下記エマルジョンと調合する。
A液(固形分50%分散液) 200部
アクリルエマルジョン(固形分40%) 150部
水 50部
以上の液を混合攪拌し、磁気記録層塗工液(B液)を調製した。
シリカ(吸油量150ml/100g) 15部
ポリビニルアルコール10%水溶液 15部
水 70部
上記組成よりなる混合物を、サンドミルを用いて15分間分散してC液を調製した。続いて、下記ポリビニルアルコールと調合する。
C液 100部
ポリビニルアルコール10%水溶液 50部
水 50部
以上の液を混合攪拌して熱転写インク受容層塗工液(D液)を調製した。
アクリル系プラスチックフィラー(粒子径1μm固形分25%) 40部
ポリビニルアルコール10%水溶液 10部
スチレンブタジエンラテックス(固形分40%) 10部
水 40部
以上の液を混合攪拌してアンダーコート層塗工液(E液)を調製した。
3−(N−ジブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 20部
ポリビニルアルコール10%水溶液 20部
水 60部
上記組成よりなる混合物を、平均粒径が2μm以下となるようにサンドミルを用いて分散してF液を調製した。
4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホン 7.5部
シリカ 7.5部
シュウ酸ビス(4−メチルベンジル) 5部
ポリビニルアルコール10%水溶液 20部
水 60部
上記組成よりなる混合物を、平均粒径が2μm以下となるようにサンドミルを用いて分散してG液を調製した。
F液 7部
G液 56部
水 37部
上記組成よりなる混合物を、混合攪拌し感熱記録層塗工液(H液)を調製した。
C液 25部
ポリビニルアルコール10%水溶液 34部
ステアリン酸亜鉛の分散体(固形分30%) 2部
水 39部
上記組成よりなる混合物を混合攪拌し、感熱記録層用の保護層塗工液(I液)を調製した。
地合い指数が93%、磁気記録層を設ける側の平滑度が45秒、灰分が4%、緊度が0.90、白色度が75%、表面抵抗値が10−8Ωである坪量170g/m2の原紙を支持体として、磁気記録層塗工液(B液)を乾燥重量が50g/m2となるように塗布し、中心磁界が5000Gの対面配向機で配向後、ドライヤーで乾燥し、磁気記録層を設けた。
参考例1に記載の支持体において磁気記録層を設ける側の平滑度が60秒である同等坪量の原紙を支持体として参考例1と同様な手順で磁気記録層を設けた。
参考例2に記載の支持体の灰分が1.2%である原紙に参考例1と同様な手順にて磁気記録層を設けた。
参考例3に記載の支持体の緊度が0.85である原紙に参考例1と同様な手順にて磁気記録層を設けた。
参考例4に記載の支持体の白色度が82%である原紙に参考例1と同様な手順にて磁気記録層を設けた。
実施例1に記載の支持体の表面抵抗値が10−6Ωである原紙に参考例1と同様な手順にて磁気記録層を設けた。
実施例2に記載の磁気記録体の磁気記録層とは反対側の面に、感熱記録層塗工液(H液)を乾燥後重量が4g/m2となるよう塗布乾燥して感熱記録層を設けたのち、感熱記録層上に保護層塗工液(I液)を乾燥重量が3g/m2となるように塗布、乾燥して保護層を設けた。
実施例2に記載の磁気記録体の磁気記録層とは反対側の面に、熱転写インク受容層塗工液(D液)を乾燥後重量が8.0g/m2となるよう塗布、乾燥した。
ポリプロピレン樹脂フィルムを支持体としてその一方の面に参考例1と同様な手順にて磁気記録層を設けた。
地合い指数が65%、磁気記録層を設ける側の平滑度が40秒、灰分が4%、緊度が0.92、白色度が75%、表面抵抗値が10−8Ωである坪量170g/m2の原紙を支持体として、支持体上アンダー液(E液)を乾燥後重量が8g/m2となるようにに塗布、乾燥しアンダーコート層を設けた。更にそのアンダーコート層上に参考例1と同様な手順にて磁気記録層を設けた。
地合い指数が62%、磁気記録層を設ける側の平滑度が120秒、灰分が5%、緊度が0.92、白色度が78%、表面抵抗値が10−8Ωであり、且つコート紙である坪量170g/m2の原紙に参考例1と同様な手順にて磁気記録層を設けた。
比較例2に記載の支持体に参考例1と同様な手順にて磁気記録層を設けた。
比較例2に記載の支持体に参考例1と同様な手順にて磁気記録層を設けたのち、磁気記録層とは反対側の面に、感熱記録層塗工液(H液)を乾燥後重量が4g/m2となるよう塗布乾燥して感熱記録層を設けた。更に感熱記録層上に保護層塗工液(I液)を乾燥重量が3g/m2となるように塗布、乾燥して保護層を設けた。
比較例2に記載の支持体に参考例1と同様な手順にて磁気記録層を設けたのち、磁気記録体の磁気記録層とは反対側の面に、熱転写インク受容層塗工液(D液)を乾燥後重量が8.0g/m2となるよう塗布、乾燥した。
地合い指数が86%である以外は比較例2と同様の支持体に参考例1と同様な手順にて磁気記録層を設けた。
比較例7に記載の支持体に参考例1と同様な手順にて磁気記録層を設けたのち、磁気記録層とは反対側の面に、感熱記録層塗工液(H液)を乾燥後重量が4g/m2となるよう塗布乾燥して感熱記録層を設けた。更に感熱記録層上に保護層塗工液(I液)を乾燥重量が3g/m2となるように塗布、乾燥して保護層を設けた。
比較例7に記載の支持体に参考例1と同様な手順にて磁気記録層を設けたのち、磁気記録体の磁気記録層とは反対側の面に、熱転写インク受容層塗工液(D液)を乾燥後重量が8.0g/m2となるよう塗布、乾燥した。
なお、前記にある実施例1〜4、参考例1〜4および比較例1〜5のサンプルは所定の塗工層を塗布後、ミニキャレンダー装置により30kgfのニップ圧で3回パスし平滑化した。
その結果を表1に示す。
<平滑度>
JISP−8119ベック式平滑度試験による。
<ホワイトノイズ>
測定器:サンエテック社製磁気カード評価試験機EMMC−5
日置電機製8852メモリハイコーダー
磁気信号の書き込みがなされていないサンプルを所定の券紙サイズ(57.5mm±0.5mm、85.0mm±0.5mm、測定方向が長手。)にカットし、1m/sの速度で磁気カード試験機に挿入してノイズ波形を測定。
波形の中心を基準とした最大のピーク電圧及び最低のピ−ク電圧をメモリハイコーダーにて抽出。
前記2つのピ−ク電圧の絶対値がより大きいものを9.6で割って得られる値をホワイトノイズとする。
ホワイトノイズ(%)= ピーク電圧の絶対値/9.6
印刷層:(印刷インクの作成)
酸化チタン(平均粒径0.20μm、吸油量20cc/100g) 100部
硝化綿〔硝化度12.2%、粘度6.0(JISK−6703)
固形分50%、IPA含浸〕 20部
緑色顔料(マラカイトグリーン) 3部
酢酸エチル 150部
トルエン 150部
本印刷インクにおいてグラビア印刷機を用い膜厚1.0μmの印刷層を設けた。
印刷後、印刷面と磁気面を重ね合わせ24時間加圧(200gf/cm2)した。
重ね合わせ面を指で剥がし磁気面への印刷層の転写を観察した。
評価の仕方
◎ : 印刷層の転写なし。
○ : 印刷層の転写はわずかにあるが、目視にて確認困難。
△ : 印刷層の転写がわずかにある。
× : 印刷層の転写が鮮明に確認できる。
磁気層にニチバンセロテープ(登録商標)を貼り付けたあと、10往復指で貼り付け部をこする。
その後サンプルは固定したままテープを180度方向にすばやく引っ張り、層剥がれの有無を観察。
○ : 層はがれなし
× : 層はがれあり
市販のカッターを用いて幅方向(長さ57.5mm)に1000回連続でカットを行い、カット後の刃を顕微鏡観察する。
◎ : 刃の磨耗なし。
○ : 若干磨耗している。
△ : 明らかに磨耗している。
× : 磨耗の度合いが極めて大きい。
前記<ブロッキング性>評価で準備した印刷済みサンプルにおいて、磁気記録層とは反対側の印刷部分と非印刷部分の間のコントラストを目視評価。
ランク5 : きわめてコントラストが高い。
ランク4 : コントラストが高い。
ランク3 : 通常のコントラスト(比較例4、5をランク3と規定。)
ランク2 : コントラストが低く、印刷部が明瞭さにかける。
ランク1 : コントラストが極めて低く、印刷部の明瞭さがない。
20℃−20%下でサンプルの表面と裏面をあわせ、9.2±0.1kPaの圧力をかけて20cm/secの速度で10cmの距離を往復10回こすり合わせる。
◎ : サンプルどうしのくっつきはまったくない。
○ : くっつきはほとんどみられない。
△ : 若干のくっつきあり。
× : 完全にくっついてはなれない。
下記の方法にて、磁気記録層の反対側に感熱層を設けた場合、及びインク受容層を設けた場合の印字品質を濃度値として評価(濃度値が高いほど印字適正に優れている)。
DTシミュレータ評価(感熱記録層の印字評価)
大倉電気製TH−PMD型シミュレータ(松下製01D05型サーマルヘッド)を用いてパルス幅0.70ms(=0.29mj/dot)のエネルギー条件における濃度値をマクベス濃度計RD−914にて測定。
TTRプリンター評価(インク受容層の印字評価)
ZEBRA140XiIIIプリンターにて印字速度100mm/s、エネルギー設定−3(標準値±0)にて印字を行い、ベタ印字部の濃度測定をマクベス濃度計RD−914にて測定。
1.参考例1と比較例1〜2とを比較したとき、支持体である原紙の地合い指数が90%以上の場合、従来技術である樹脂フィルムあるいはアンダーコート層を設ける場合に比較してホワイトノイズ水準が低く、かつブロッキング性、張り付き性で優れている。
またもうひとつの従来技術である比較例3との比較でもホワイトノイズの水準が低いだけでなく、磁気層はがれも発生しない。
更に比較例4及び7との比較で地合い指数が90%以上の時のホワイトノイズ低減効果は明らかである。
2.参考例1と参考例2とを比較をしたとき、磁気層の平滑度が上がり、結果としてホワイトノイズが0.3%減少しており、原紙の平滑度の効果が出ている。
3.参考例2と参考例3とを比較をしたとき、カッター磨耗性が改善され、低い灰分(=少ない内添剤)の効果が現れている。
4.参考例3と参考例4とを比較をしたとき、緊度0.85以下になっていることにより高平滑化の効果が現れノイズが更に低減されている。
5.実施例1と実施例2とを比較をしたとき、白色度が80%以上あることでコントラストが改善されている。
6.実施例2と実施例3とを比較をしたとき、支持体の表面抵抗値が下がったことで帯電しにくくなり、低湿度下での張り付き性が改善されている。
7.実施例3と比較例5及び8とを比較をしたとき、原紙の地合い指数が高いことにより感熱記録層を設けた場合においても印字濃度が高く、明らかに品質優位性が認められる。
8.実施例4と比較例6及び9とを比較をしたとき、原紙の地合い指数が高いことによりインク受容層を設けた場合においても印字濃度が高く、明らかに品質優位性が認められる。
Claims (5)
- 支持体の一方の面に強磁性体粉末と水性結合剤を主成分とする磁気記録層を設けてなる磁気記録材料において、支持体となる原紙の地合い指数が90%以上であり、当該支持体の磁気記録層を設ける面の平滑度が60秒以上、そして当該支持体の灰分が2%以下であることを特徴とする磁気記録材料。
- 前記支持体の緊度が0.85以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録材料。
- 前記支持体の白色度が80%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録材料。
- 前記支持体の磁気記録層の設けられていない他方の面に、電子供与性の無色または淡色のロイコ染料と電子受容性の顕色剤とを含有する感熱記録層が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の磁気記録材料。
- 前記支持体の磁気記録層の設けられていない他方の面に、顔料とバインダーを主成分とする熱転写インク受容層が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の磁気記録材料。
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