JPH0822616A - 非金属系の基板を用いた磁気ディスク - Google Patents

非金属系の基板を用いた磁気ディスク

Info

Publication number
JPH0822616A
JPH0822616A JP15460094A JP15460094A JPH0822616A JP H0822616 A JPH0822616 A JP H0822616A JP 15460094 A JP15460094 A JP 15460094A JP 15460094 A JP15460094 A JP 15460094A JP H0822616 A JPH0822616 A JP H0822616A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
magnetic
substrate
disk
magnetic disk
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15460094A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Yonekawa
隆生 米川
Kenji Furusawa
賢司 古澤
Yoshifumi Matsuda
好文 松田
Mitsuhiro Shoda
光広 正田
Yuzuru Inagaki
譲 稲垣
Shinan Yaku
四男 屋久
Tomoyoshi Aida
倫佳 合田
Atsusuke Takagaki
篤補 高垣
Kiyoshi Akamatsu
潔 赤松
Shioji Fujita
塩地 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP15460094A priority Critical patent/JPH0822616A/ja
Publication of JPH0822616A publication Critical patent/JPH0822616A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁性膜から発生するノイズを低減した非金属
系の基板を用いたMR型磁気ヘッドに好適な磁気ディス
クを提供すること。 【構成】 非金属系の磁気ディスク用基板1に非磁性金
属プリコート膜2とプラズマCVDによるプリコート膜3
の多層のプリコートを形成し、更にCr下地膜4及びCoを
主成分とする磁性膜5及び保護膜6を形成することで、
磁性膜の表面粗さRpを例えば10nm以下に平滑化する。 【効果】 磁性膜の膜面粗さRpを例えば10nm以下にする
ことでディスクノイズを低減でき、MR型ヘッドと組み
合わせることによって面記録密度600Mb/in2以上の高密
度記録が可能とする。更に、CVD膜よるプリコートを被
覆すことで非金属系基板に含まれる元素の表面への拡散
を防止でき、磁気ディスクの耐腐食特性を向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス基板等の非金属
系の基板を用いた磁気ディスクに係り、特に磁性膜から
のノイズを低減する非金属系の基板を用いた磁気ディス
クに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に磁気ディスク装置に用いられる磁
気ディスクの基板は、大別してNiP(ニッケル系)基板
あるいは非金属系のガラス基板が用いられる。前記NiP
基板を用いる磁気ディスクは、円板状のAl(アルミニュ
ウム)合金基材に数ミクロンから数十ミクロンの厚さで
NiPめっきを施し、このめっき面を両面研磨して磁気デ
ィスク用基板を作成し、この基板上に下地層,磁性膜及
び保護膜を積層して形成されるのが一般的である。また
ガラス基板を用いる磁気ディスクは、一般にガラス素材
により強化ガラス系及び結晶化ガラス系に分けられ、強
化ガラス系の場合は円板状のガラス基材の表面を化学的
手法で基板表面に強化層を形成し、前記磁性層等を積層
して形成され、結晶化ガラスを用いる磁気ディスクはガ
ラスの微細な結晶粒を非晶質のガラス材で結合したガラ
ス基材を円板状に切り出し、表面を研磨して磁気ディス
ク用基板を得、この基板に前記同様に磁性層等を積層し
て形成されるものである。
【0003】また一般に磁気ディスクに求められる機能
は、記録膜としての記録特性が高いこと、及び低い磁気
ヘッド浮上量に対して信頼性が高いこと、更に磁気ヘッ
ドがディスク面に静止した後に該ヘッドが空気中の水分
等によってディスク表面に吸着しないことなどが上げら
れる。前記機能を達成するためにNiP基板を用いた磁気
ディスクは、NiP基板表面に円周方向に微細な加工痕を
形成するテクスチャ加工を施すことによって、NiP基板
表面に微少な突起物を形成してディスクとヘッドの吸着
現象を回避することが知られている。前記ガラス基板を
用いた磁気ディスクの場合は、ガラス基板そのものが平
滑性が優れているために基板に高さ数十nmの突起物を設
けるか、或いは磁性膜まで形成した後に高さ数十nmの粗
さを持つ保護膜を設ける、或いは形成した保護膜に直接
凹凸を設けることによって、ディスクとヘッドの吸着現
象を回避している。尚、非金属基板としては、これらガ
ラス系の基板の他にカーボン系の基板もある。
【0004】これら非金属系の基板は、NiP基板上に磁
性膜を形成する場合と同じプロセスで磁性膜を形成して
もNiP基板と同様の優れた磁気特性が得られないと言う
特性を持ち、特に高い保磁力の磁性膜を得ることが難し
いことが知られている。この原因は、ガラス基板の熱吸
収性と熱伝導性がNiP基板と比較して極端に低い事、ま
た加熱によりガラス基板表面からガスが放出される事が
考えられる。このガラス基板を用いた高性能の磁気ディ
スクを製造するためには、まずガラス基板上に非磁性金
属層を形成してガラス基板の熱吸収性と熱伝導性を改善
すると共に基板からのガス放出を抑制し、この後、通常
の磁性膜形成プロセスによって磁性膜を形成する製法が
提案されている。尚、本願発明の明細書中ではこのガラ
ス基板面にあらかじめ形成する非磁性金属層を「プリコ
ート」と呼ぶ。また、非金属系基板を用いる磁気ディス
クが記載された文献としては、例えば特開平5-151569号
公報が挙げられる。
【0005】また近年の磁気ディスク装置は、高密度記
録再生のためにデータ再生専用のMR(磁気抵抗効果)
型磁気ヘッドを使用する傾向にあり、このMR型磁気ヘ
ッドは、磁界の変化により電気抵抗値が変化する磁気抵
抗効果素子を用いた物であり、半導体形成技術によりコ
イルを形成したインダクティブヘッドより感度が高いこ
とが知られている。このMR型磁気ヘッドに対応する磁
気ディスクの磁性膜は、磁性膜の残留磁束密度Brと膜厚
tmの積Br・tmがインダクティブヘッド用に比べて小さく
て良く、磁性膜を薄くできるため高密度記録に適してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術により製
造した非金属系の磁気ディスクの磁性膜は、静磁気特性
的にはNiP基板を用いた磁気ディスクと同等の特性が得
られるものの、これらディスクに対してMR(磁気抵抗
効果)型磁気ヘッドを用いたデータ再生特性を測定する
と磁性膜から発生するノイズが大きく、MR型磁気ヘッ
ドとの組合せに問題があることが判明した。
【0007】本発明の目的は、前記従来技術による不具
合を除去することであり、磁性膜から発生するノイズを
低減した非金属系の基板を用いた磁気ディスクを提供す
ることである。本発明の他の目的は、ディスク基板にヘ
ッド粘着回避のための突起部を設けた非金属系のディス
ク基板においても、磁性膜からのノイズを低減した非金
属系の基板を用いた磁気ディスクを提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明による非金属系基板を用いた磁気ディスクは、非
金属系の磁気ディスク用基板と、非金属系の磁気ディス
ク用基板上の非磁性金属膜からなる第1のプリコート層
と、該第1のプリコート層上に前記第1のプリコート層
の凹凸を吸収するCVDプリコート層と、該プリコート層
上に形成した磁性層及び保護膜とを含むことを特徴とす
る。
【0009】
【作用】前記特徴による非金属系基板を用いた磁気ディ
スクは、非金属系の磁気ディスク用基板上の非磁性金属
膜からなる第1のプリコート層上に前記第1のプリコー
ト層の凹凸を吸収するCVDプリコート層を設けることに
よって、ディスク表面を平滑にして磁性膜からのノイズ
を低減することができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例による磁気ディスク
を図面を参照して詳細に説明するものであるが、理解を
容易にするため、まず本発明の原理を説明する。まず非
金属系の磁気ディスクに対してMR(磁気抵抗効果)型
磁気ヘッドを用いたデータ再生特性を測定すると磁性膜
から発生するノイズが大きくなる原因について説明す
る。尚、本明細書中では、磁性膜の粗さや基板面の粗さ
をRp(単位nm)として表す。粗さRpは、STMやAFMで測定
される粗さ曲線の中心線より正側に現れるピークの最大
値である。
【0011】まず基板面の粗Rpさがディスクノイズに関
係することを図4を用に示す。図4は、強化ガラスや多
種の結晶化ガラスを基板とした複数の磁気ディスクの基
板粗さRpとディスクノイズ(単位μVrms)との関係を実
験的に得た結果であり、本図を参照すれば明らかな如
く、基板面粗さが粗いほど磁性膜面に影響を与えてディ
スクノイズが大きくなる関係があることがわかる。次に
前記磁性膜面の粗れによってディスクノイズが増加する
原因について説明する。一般に磁気ディスクの磁性膜の
ノイズは、データ書込時に記録される磁化反転信号の反
転部分から生じると考えられ、磁化反転のない直流消去
を行った後には磁束が膜外に漏洩せずに低ノイズのはず
であるが、発明者らが検討したところによると、非金属
系基板に形成した磁性膜は、直流消去後のノイズが従来
のNiP基板に形成した磁性膜より大きいことが判った。
特にMRヘッドとの組合せにおいては、磁性膜の膜面が
粗い程ノイズが大きくなり、膜の表面に磁極が生じてし
まい直流消去後ノイズと磁化反転部分からのノイズが重
畳して大きなノイズが発生するものと考えられる。
【0012】しかも非金属系基板に形成した磁性膜の直
流消去後のノイズは、NiP基板に比較して数倍から十数
倍大きいことが判った。この原因は、本発明者らが検討
したところによると、磁性膜面の粗さと密接に関係する
ことが判明した。従って非磁性基板を用いた磁気ディス
クは、膜磁性膜面の荒さが大きいほど直流消去後のノイ
ズが大きくなり、記録再生特性ではMR型磁気ヘッドに
対して高ノイズ特性を持つ不具合があり、MR型磁気ヘ
ッドとの組合せに問題があることが判明した。
【0013】一般に磁気ディスクの磁性膜面が粗れる原
因は、基板面自体の粗さが大きい場合と、磁性膜の成膜
プロセスによって膜自身が粗くなる場合がある。非磁性
金属基板を用いる磁気ディスクの製造過程においては、
非金属基板の熱吸収性と熱伝導性を改善するためのプリ
コート層をスパッタ形成した場合、このプリコート層
(金属膜)が結晶構造を作り、その結晶粒が大きく成長
して基板面自体の粗さが大きくなり、このプリコート層
上に設けた磁性膜面が粗れてしまい、前記プリコート層
が結晶構造を取らないように膜を形成すると膜の緻密性
が低下する不具合が生じることが考えられる。本発明に
おいては、非金属系の基板上に非磁性の金属プリコート
膜をスパッタ法により形成し、更にその上にプラズマ気
相成長(以後、プラズマCVDと呼ぶ)によるプリコート
膜を形成した2層のプリコート層を設け、プラズマCVD
によるプリコート膜がスパッタ法により形成したプリコ
ート膜の粗れによる凹凸を吸収して表面を平滑化するこ
とによって、磁性膜を平滑化して磁性膜からのノイズを
低減するものである。
【0014】また、磁気ヘッドの吸着を防止するために
非金属基板表面にフィラーと呼ばれる突起物を形成した
場合は、その上に形成される磁性膜も基板の形状を反映
して磁性膜面が粗れる原因となる。本発明は、このフィ
ラーを設けた非金属基板に対しては、突起物のサイズ/
形状/密度を後述する所定値以下にすることによっ磁気
ディスクのノイズを低減するものである。
【0015】<実施例1>以下、本発明の一実施例によ
る磁気ディスクを具体的に説明する。まず本発明の対象
となるMRヘッド対応を考慮した非金属性基板を用いた
磁気ディスクの磁性膜は、膜厚が10nmから40nm,磁性膜
の膜厚tmと残留磁束密度Brの積Br・tmは50から180Gμm
以下,保磁力Hcは2000Oe以上とし、このような磁気特性
が得られるように非金属基板上に膜を形成するのが好適
である。前記非金属性基板は、強化ガラス系/結晶化ガ
ラス系/カーボン系の基板を用いることができ、スパッ
タ装置は、基板1枚づつを加熱及び成膜処理する枚葉型
の装置であり、個々の加熱及び成膜するプロセス真空槽
は独立した真空槽が望ましい。
【0016】本実施例による磁気ディスクは、図1に示
す様に非金属基板1上にスパッタ法等により形成した非
磁性の金属プリコート膜2と、該金属プリコート膜2上
にプラズマCVDにより形成したCVDプリコート膜3と、該
プリコート膜3上にCr下地層4,Co合金磁性膜5及び保
護膜6とによって形成することを特徴としている。即ち
本実施例による磁気ディスクは、プラズマCVDにより形
成したCVDプリコート膜3を含む2層のプリコート層を
設け、このプラズマCVDによって平滑化したことを特徴
としている。
【0017】前記CVDプリコート膜3のプラズマCVD被膜
は、シラン系のガス(SiH4)やメタン系のガス(CH4)
を減圧雰囲気で高周波電力により分解/ラジカル生成
し、膜形成を行うのが好適であり、このプラズマCVD法
は一般にスパッタ法より膜の付きまわりが良好であるた
め、非金属プリコート膜2のスパッタ成長による凹凸を
吸収して表面を平滑化する機能を果すものである。
【0018】この状態は、図1を拡大したSEM像の断
面を示す図2にの様に面粗さRmaxが数十nmから数百nmの
基板1の粗さ(凹凸)や非磁性金属のプリコート膜2の
粗さ(凹凸)などが、プラズマCVD法の膜の付周り特性
により膜面を平坦にしていることが判る。このような2
層のプリコート2及び3層の上にCr下地膜4及びCo合金
磁性膜5を形成することで磁性膜面の粗さを抑えること
ができ、ノイズを低減することができる。
【0019】本実施例による磁気ディスクは、例えば以
下の工程によって製造するのが好のましい。 まず、非金属性基板1を真空槽外から1枚づつ真空槽
へ搬入し加熱する。この加熱は、特にガラス系の基板F
ふく射率が低く(ε=0.1程度),熱伝導率が低いため高
温に加熱できず、例えば100℃前後の加熱である。 次に前記非磁性金属プリコート膜2に相当する非磁性
金属層を40nmの膜厚で形成する。この非磁性金属層は、
Cr,Ti,V,Mo,Nb,Ta,W等の高融点金属、若しくはその合金
が望ましく、本実施例ではCr膜をスパッタ形成する。
【0020】この後プラズマCVDによるCVDプリコート
膜3に相当するカ−ボン膜の非磁性金属プリコート膜3
を15nmの膜厚でメタンを原料ガスとして形成する。 以上の工程までがプリコート膜形成のプロセスであ
り、通常このまま連続してCr下地膜4と磁性膜5をスパ
ッタ形成する。尚、別の成膜装置で下地膜と磁性膜を形
成してもよい。
【0021】磁性膜5の形成は、前記プリコ−トを施
した基板を再加熱する。この磁性膜形成前の加熱は、プ
リコ−ト層によりふく射率と熱伝導性が向上するため、
300℃以上の加熱が可能となり、本実施例では基板の反
りを考慮して300℃に基板を加熱した。その後、Cr下地
膜4を50nm,Co合金磁性膜を25nm,C保護膜30nmを連続
形成した。このCo合金磁性膜は、CoCr(16原子%)Ta(4原
子%)の磁性金属を用いた。前記CVDプリコート膜の比
抵抗が大きい(106Ωcm以上)場合、その上に形成する
下地膜や磁性膜を高周波(RF)スパッタ形成するとCVDプ
リコート膜が絶縁破壊される事があるので、本実施例で
は全ての膜を直流(DC)スパッタ形成した。以上の成膜プ
ロセスを経た後、C保護膜表面にヘッド吸着を回避する
ための突起部を形成し、更に潤滑材を塗布しすることに
より磁気ディスク製造することができる。
【0022】本実施例におけるプリコ−ト層による膜面
の粗さ低減の効果を説明するために、前記方法により作
成した磁気ディスクのCrプリコート膜2とCVD-Cプリコ
ート膜3,更にCr下地膜4,そしてCo合金磁性膜5表面
の粗さの変化を図6に示す。本例では、基板1は強化ガ
ラス材の平坦な面(Rp=3.6nm)を持つディスク用基板を
用いた。また、粗さは触針方式の粗さ計またはAFMを用
い、これら粗さ測定はガラス基板面もピッチ数十nmから
数百nm台の微少な面粗れが観測することができる。ま
ず、非磁性金属であるCrプリコ−ト膜2を40nmの膜厚で
形成すると,図6に示す如くその面はRp=6nm程まで粗れ
る。次にCVD-Cプリコート膜3を被覆することで、その
粗さはRp=2nm程まで平坦になる。この後、Cr下地膜4、
Co合金磁性膜5と形成して行くことで若干膜面があれる
が、CVD-Cプリコート膜を施すことで磁性膜面の粗れが
低減できる。
【0023】磁性膜面の粗さとディスクノイズ、及び直
流消去後ノイズの関係を図5に示す。この磁性膜面粗さ
は、プリコートのプロセスを変化(2層プリコート層を
含む)させて得られた粗さであり、図5の如くり磁性膜
面の粗さRpが小さい程、ディスクノイズが低下すること
がわかる。更に直流消去後ノイズも同様に減少する関係
があるり、この事から磁性膜面の粗さが小さい程、直流
消去後ノイズが低下することによりディスクノイズが低
下していることが判明した。
【0024】この様に本実施例による磁気ディスクは、
Crプリコート膜2上に基板1及び該プリコート膜2の粗
さ(凹凸)をCVDプリコート膜3によって吸収すること
により、磁性膜5の平面度を向上してノイズを低減する
ことができる。
【0025】次に、発明者らは強化ガラス基板、結晶化
ガラス基板、カ−ボン基板に対して、比較の為に金属プ
リコ−ト膜のみの場合/金属プリコ−ト膜とCVDカ−ボ
ン膜の2層プリコ−ト層の場合/金属プリコ−ト膜とCV
D-Si膜の2層プリコート層の場合と3種類のプリコ−ト
層を形成した後に磁性膜を形成した磁気ディスクを作成
し、MRヘッドによるノイズ測定を行った。MRヘッド
のトラック幅は、3μmである。測定条件は、全ての磁気
ディスクに対して、直流消去後のノイズと磁化反転密度
90kFCI(Flux Change / Inch)を記録したときのノイズを
測定した。この磁化反転密度は、トラック密度を5kTPI
(Track / Inch)、変調方式に1-7RLLCを設定した場合、
面記録密度は600Mb/in2に相当する。また、MRヘッド
の浮上量は、磁性膜面より100nmとした。
【0026】前記3種類の磁気ディスクの静磁気特性
は、表1に示す如く各種基板/各種プリコ−トの磁気デ
ィスク共にほぼ同じ静磁気特性が得られることが判明し
た。
【0027】
【表1】
【0028】また、従来より用いてきたNiP基板と上記
非金属系の基板を比較するためにNiP基板の磁気ディス
クを用意した。この静磁気特性は、表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】NiP基板の磁気ディスクではプリコ−ト層
はなく、このNiP基板は、上記非金属系基板と同様に磁
気異方性のない磁性膜を得るため、テクスチャ加工の施
していない研磨状態の基板を用いた。図7に前記表1及
び表2の各種ディスクのディスクノイズの大きさ比較し
て示す。表1より磁性膜面の粗さは、CVD−C膜又はCVD
−Si膜を被服した2層プリコートのディスクが小さく、
Rp3nm以下となった。これらディスクのノイズは、約1/2
に減少し、且つ直流消去後ノイズも同様に減少した。ま
た、NiP基板のディスクと比較すると、ノイズ値はほぼ
同等であった。
【0031】更に、上記実施例に記載したCr下地膜は、
Crの他にCrTi,CrV等のCr合金が公知であり、いずれの合
金も下地膜の結晶粒が微細化され、磁性膜面の粗さが低
減できる。また、これら合金下地膜は、本実施例に示し
たようなプリコ−ト層上に形成しても低ノイズ化に有効
であった。またCo合金磁性膜は、CoCrPt,CoNiCr等、大
別してCoCr系合金、CoNi系合金が公知であるが、いずれ
のCo合金でも本実施例に示すとおり、磁性膜面の粗さが
低減でき、低ノイズ化された磁気ディスクが得られた。
【0032】<実施例2>次に磁気ヘッドとの吸着を防
止するために非金属基板表面にフィラーと呼ばれる突起
物を形成した磁気ディスクに本発明を適用した実施例を
以下説明する。この磁気ディスクは、前述した様に該突
起物によって磁性膜も基板の形状を反映して磁性膜面が
粗れる原因となってノイズに大きく関わっている。
【0033】本実施例による磁気ディスクは、図3に示
す如く非結晶部分12に結晶粒11を混合した結晶化ガ
ラス基板10を用い、この結晶化ガラス基板10上に前
記実施例同様に非磁性金属プリコート膜2,CVDプリコ
ート膜3,Cr下地膜,Co合金磁性膜5及び保護膜6を積
層したものであり、保護膜6の表面には前記結晶粒11
による突起7が突設する様に構成されている。
【0034】前記結晶化ガラス基板10は、ヘッド粘着
を回避するために形成された基板面の突起部7以外の面
が平坦になるように基板面の研磨加工を施す必要があ
り、結晶化ガラス基板の結晶粒11と非晶質部分12の
研磨効率の違いから、結晶化ガラス基板を研磨すると微
細な結晶粒が基板表面に凸となって現われる。これが前
記したヘッド粘着を回避するための突起部7となる。
【0035】この突起部7もノイズの大きさに影響を与
えるため、突起の大きさ/形状/密度を制御しなければ
ならず、突起部7の径は記録される磁化反転長の5分の
1以下,高さは130nm以下,形状は多角錐形,密度は103
個/cm2から109個/cm2が望ましい。本実施例による磁
気ディスクにおいても、前記実施例で各表及び図面を用
いて説明した低ノイズの効果が得られた。
【0036】この様に前記各実施例による磁気ディスク
は、非金属基板上に形成した磁性膜の膜面粗さをRp10nm
以下にすることでディスクノイズを低減できた。この事
によりMRヘッドと組み合わせることによって面記録密
度600Mb/in2以上の高密度記録が可能となった。更に、
温度60℃、湿度90%以上の環境下における耐腐食性試験
を行ったところ、CVDによるプリコートを施すことで非
金属性基板に含まれる元素の表面への拡散が防止でき、
磁気ディスクの耐腐食特性が向上した。
【0037】尚、本発明による磁気ディスクは、他の態
様として次の様に表すこともできる。 非金属系の磁気ディスク用基板と、該基板上に形成さ
れる1層以上の非磁性金属膜と、Coを主成分とする磁性
膜、及保護膜からなる磁気ディスクにおいて、該磁性膜
の表面粗さRpが10nm以下の磁性膜であることを特徴とす
る磁気ディスク。 前記態様の磁気ディスクにおいて、該磁性膜に対して
磁性膜表面が突出している部分の直径が記録される磁化
反転長の5分の1以下、高さが3nmから30nm以下、その
突出部の存在する割合が103個/cm2から109個/cm2であ
って、更に突出部以外の部分の磁性膜面の表面粗さが10
nm以下であることを特徴とする磁気ディスク。
【0038】
【発明の効果】以上述べた如く本発明による非金属系基
板を用いた磁気ディスクは、非金属系の磁気ディスク用
基板上の非磁性金属膜からなる第1のプリコート層上に
前記第1のプリコート層の凹凸を吸収するCVDプリコー
ト層を設けることによって、ディスク表面を平滑にして
磁性膜からのノイズを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるCVDプリコートを用い
た非金属基板を用いた磁気ディスクの部分断面図。
【図2】図1におけるCVDプリコートを被覆した2層プ
リコート部分の拡大断面図。
【図3】本発明の他の実施例による結晶化ガラス基板を
用いた磁気ディスクの部分断面図。
【図4】非金属性基板の面粗さとノイズの関係を示す
図。
【図5】磁性膜の面粗さとノイズの関係を示す図。
【図6】成膜工程と膜面粗さの関係を示す図。
【図7】プリコート層とディスクノイズの関係を示す
図。
【符号の説明】
1---非金属基板、2---非磁性金属プリコート膜、3---CV
Dプリコート膜、4---Cr下地膜、5---Co合金磁性膜、6--
-保護膜、11---結晶粒、12---非晶質部分。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 正田 光広 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 稲垣 譲 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 屋久 四男 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 合田 倫佳 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 高垣 篤補 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 赤松 潔 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 藤田 塩地 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非金属系の磁気ディスク用基板と、該非
    金属系の磁気ディスク用基板上に設けた非磁性金属膜か
    らなる第1のプリコート層と、該第1のプリコート層上
    に該第1のプリコート層の凹凸を吸収する様に設けたCV
    Dプリコート層と、該プリコート層上に形成した磁性層
    及び保護膜とを含むことを特徴とする非金属系の基板を
    用いた磁気ディスク。
JP15460094A 1994-07-06 1994-07-06 非金属系の基板を用いた磁気ディスク Pending JPH0822616A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15460094A JPH0822616A (ja) 1994-07-06 1994-07-06 非金属系の基板を用いた磁気ディスク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15460094A JPH0822616A (ja) 1994-07-06 1994-07-06 非金属系の基板を用いた磁気ディスク

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0822616A true JPH0822616A (ja) 1996-01-23

Family

ID=15587734

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15460094A Pending JPH0822616A (ja) 1994-07-06 1994-07-06 非金属系の基板を用いた磁気ディスク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0822616A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007080444A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Ricoh Co Ltd 磁気記録材料

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007080444A (ja) * 2005-09-16 2007-03-29 Ricoh Co Ltd 磁気記録材料
JP4571565B2 (ja) * 2005-09-16 2010-10-27 株式会社リコー 磁気記録材料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5922442A (en) Magnetic recording medium having a CoCr alloy interlayer of a low saturation magnetization
KR20010078769A (ko) 예비-시드층을 갖는 비금속성 박막 자기 기록 디스크
JP3805018B2 (ja) 磁気記録媒体及び磁気ディスク装置
US6242085B1 (en) Magnetic recording medium and method for producing the same
JP4534711B2 (ja) 垂直磁気記録媒体
EP0710949B1 (en) Magnetic recording medium and its manufacture
JP2002367153A (ja) クロム・ニッケル・プレシード層を有する薄膜磁気記録ディスク
US6740383B2 (en) Magnetic recording medium possessing a ratio of Hc(perpendicular) to Hc(horizontal) that is not more than 0.22 and magnetic recording disk device
US6238780B1 (en) Magnetic recording medium comprising multilayered carbon-containing protective overcoats
US6156422A (en) High density magnetic recording medium with high Hr and low Mrt
JP4023408B2 (ja) 垂直磁気記録媒体用基板、垂直磁気記録媒体及びそれらの製造方法
JP2513893B2 (ja) 磁気記録媒体
US6878439B2 (en) Magnetic recording medium, its production process and magnetic recording device
JP3588039B2 (ja) 磁気記録媒体および磁気記録再生装置
JPH0822616A (ja) 非金属系の基板を用いた磁気ディスク
JP3983813B2 (ja) ニッケル―アルミニウムまたは鉄―アルミニウムの下層を含んで成る磁気記録媒体
JP2004086936A (ja) 磁気記録媒体、その製造方法および磁気記録再生装置
JP4535666B2 (ja) 垂直磁気記録媒体
JP2011216173A (ja) 垂直磁気記録媒体
JP3962415B2 (ja) 磁気記録媒体および磁気記録再生装置
JP3778636B2 (ja) 金属薄膜型磁気記録媒体
JP2006099948A (ja) 磁気記録媒体および磁気記録再生装置
JPH10233014A (ja) 磁気記録媒体
JPH09265619A (ja) 磁気記録媒体、その製造方法及び磁気記憶装置
JP3658586B2 (ja) 磁気記録媒体、その製造方法及び磁気記憶装置