JP3791409B2 - 複写装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原稿画像を読み取って用紙の表面や裏面に複写する複写装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷用紙の表裏両面に複写することができる両面複写装置が、既に広く使用されている。このような両面複写装置の一機能として、左右に開いた状態の見開き原稿の画像を1枚の記録紙の両面に印刷して冊子にする機能(以下冊子複写機能という)も提案されている。
【0003】
ここで、冊子を作成する複写装置の一例として、表裏両面に画像が形成された小冊子や書籍などの見開き原稿を複写して、この原稿ページ順と冊子にしたときのページ順とが一致するように、つまり見開き原稿の表裏を守ったコピーを作成するものが、たとえば特開平6−130757号に提案されている。
【0004】
この特開平6−130757号に提案されている方法では、感光体ドラム上から中間転写体に転写された、第1回目のスキャンによって形成された前半部と後半部の像のうちの後半部の像を1枚目の記録紙に転写し、この記録紙をDuplexユニットに転送し、次いで第2回目のスキャンによって形成された前半部と後半部の像のうちの前半部の像をDuplexユニットから搬送した前記1枚目の記録紙の裏側に転写し、この記録紙を排紙トレーに排出し、前記第2回目のスキャンによって形成された後半部の像を2枚目の記録紙に転写し、この記録紙をDuplexユニットに転送し、これらの操作を必要回数反復するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平6−130757号の冊子複写機能は、見開き原稿の半分のサイズの用紙に両面出力するもので、中綴じ冊子にすることができない。すなわち、両面複写でかつ半折で中綴じ可能にする際には、複写された転写紙(複写物)を束ねて2つ折りにし、折り目の部分に沿ってステープラなどで止め、小冊子や週刊誌のように見開きページの中央で綴じる必要があるが、見開き原稿の半分のサイズの用紙に両面印刷したのでは、2つ折りにして中綴じすることはできない。
【0006】
また、前記特開平6−130757号に提案されている方法では、原稿の1枚目である表紙をプラテンガラスの先端からその原稿分(記録紙すなわち見開きのサイズの半分)だけオフセットさせて置く必要があるなど、非常に面倒な作業を強いられ、見開き原稿の表裏を守ったコピーを簡単に作成することはできない。
【0007】
たとえば両面印刷時の、原稿のセット位置および方向と複写結果の位置および方向との関係は、装置の仕組みに依存し、その置き方次第では、表と裏の天地が逆になったり(以下表裏の天地逆という)、印刷位置がずれ(以下位置ズレという)たりする。原稿の見開きのサイズが記録紙のサイズと同じときには、これらに対して比較的対処し易いが、異なるときにはオフセットさせて置くべき位置を特定することが難しく、表裏の天地逆や位置ズレの問題が生じ易くなり、この結果、小冊子などの原稿ページ順と中綴じ製本のページ順とが一致していたとしても、その小冊子と同じ構成を持つコピーを作成することができなくなる。
【0008】
たとえば最近では、コンビニエンスストア(以下コンビニという)に置かれている複写装置で、CD(コンパクトディスク)の歌詞カードをコピーしているのをよく見かける。一般的には、歌詞カード(原稿の一例)の見開きのサイズは記録紙のサイズと異なるので、歌詞カードを閉じている部分を外さずに、その歌詞カードと同じ構成のコピーを作成することは、簡単ではない。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、冊子や週刊誌などの綴じている部分を外さずに、中綴じ可能な冊子を簡単あるいは確実に作成することができる複写装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る複写装置は、原稿載置台に載置された原稿の画像を読み取って所定の転写用紙に複写する複写装置であって、見開き原稿の各ページの画像を、見開き原稿の綴じている部分を外さずに読み取る画像読取部と、画像読取部が読み取る各ページの画像を、転写用紙の形態に基づいて、転写用紙上の転写結果が中綴じ可能な冊子となるように、転写用紙の表面または裏面の左右の何れか一方に配置するページ順序を決定するページ配置制御部と、ページ配置制御部により決定されたページ順序に従って、画像読取部が読み取った各ページの画像を転写用紙に複写する画像出力部とを備えた。
【0011】
また従属項に記載された発明は、本発明に係る複写装置のさらなる有利な具体例を規定する。
【0012】
【作用】
上記構成の複写装置において、ページ配置制御部は、画像読取部が読み取る各ページの画像を、たとえば原稿載置台における原稿のセット位置や向きなどの原稿載置台に載置された原稿の状態と、たとえば印刷用紙のサイズやセット向きなどの転写用紙の形態とに基づいて、転写用紙上の転写結果が中綴じ可能な冊子となるように、転写用紙に配置するべきページ順序を決定する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明に係る画像読取装置の一実施形態である画像取得部を搭載したカラー複写装置の一例の機構図である。カラー複写装置1は、冊子や書籍などの原稿画像を見開き状態で読み取り電気信号に変換する画像取得部(IIT;Image Input Terminal)10、読み取った原稿画像のページ再配置などを制御してハードディスク(HD)などの記憶媒体に蓄積する画像処理部(IPS;Image Processing System)20、電気信号を光信号に変換して静電潜像によるゼログラフィを用いて画像を形成する画像出力部(IOT;Image Output Terminal)30を備える。
【0015】
またカラー複写装置1は、両面印刷をするために表面に画像が印刷された印刷用紙Pの向きを反転させる反転機構部50、中綴じコピー機能の選択および種々の読み取り/プリント指定などユーザが行なうためのユーザインタフェース部(UI;User Interface)60、プラテンカバー116、および中綴じの冊子を形成可能なように読み取った画像のページ順を電子的に並び替える(再配置する)ページ配置制御部の一例である電子ソート部(EPC;Electronic Page Control) 200を備える。
【0016】
画像処理部20は、画像取得部10と画像出力部30との境界部分に配された基板上に設けられている。なお、出力画像データを他の装置へ転送するための外部出力部(ESS;Electronic Subsystem)が設けられていてもよい。
【0017】
画像取得部10は、筐体112と、この筐体112上に設けられた透明ガラスからなる略A3サイズ大のプラテンガラス(原稿載置台)11とを備える。プラテンガラス11の下面における数カ所には原稿Gのサイズを検出する原稿センサ118が設けられている。原稿センサ118は、原稿Gのサイズに対応する位置において、原稿Gの先端をたとえば光学的に検出してサイズ検知信号を得、このサイズ検知信号を画像処理部20に送る。
【0018】
図では4つの原稿センサ118が配されて原稿サイズ検知部が構成されているが、このうちのA3端側の2つは、図示しないサイドレジガイドSRGに沿って(すなわち副走査方向の異なる位置に)配されている。これらの原稿センサ118を用いて、サイズ検知のためのスキャンを行ない、原稿サイズを自動的に特定する。
【0019】
そして主に、このうちの一方(リードレジガイドLRG側)はB5横置きを、他方はA4横置きを検知するために機能する。またリードレジガイドLRG側の2つは、図面奥行き方向および副走査方向の両者がそれぞれ異なる位置に配されている。そして主に、このうちの一方(リードレジガイドLRG側)はB5縦置きを、他方はA4縦置きを検知するために機能する。また、原稿センサ118の検知結果を組合せて判断することで、B4横置きあるいはA3横置きが検知可能になっている。なお、後述する給紙トレイ52として、A5サイズが設定されているときには、前述の原稿センサ118の一部の検出機能が異なるようになる(説明は割愛する)。なおこのような自動検知に限らず、たとえばユーザがユーザインターフェースからサイズを指定することで原稿サイズを特定するようにしてもよい。
【0020】
また画像取得部10は、筐体112内に、プラテンガラス11の原稿載置面と反対側の面(裏面)に向かって光を照射する光源12と、光源12から発せられた光をプラテンガラス11側に反射させる略凹状の反射笠131および反射鏡132と、プラテンガラス11側からの反射光をプラテンガラス11に略平行の方向に偏向する反射ミラー134aを有するフルレートキャリッジ(F/R−CRG)134とを備える。光源12としては、主走査方向(図における紙面直交方向)を長手方向とする蛍光ランプが使用されている。
【0021】
また画像取得部10は筐体112内に、略直角を形成するように配された2つの反射ミラー136a,136bを有し、フルレートキャリッジ134によって偏向された反射光を順次略90°づつ偏向するハーフレートキャリッジ(H/R−CRG)138を備える。フルレートキャリッジ134およびハーフレートキャリッジ138は、図示しないステッピングモータにより、連動して、副走査方向(図1中矢印X方向)およびこれと反対方向に往復移動可能に構成されている。
【0022】
さらに画像取得部10は、筐体112内に、反射ミラー136bにより偏向された反射光を収束するレンズ140と、レンズ140で収束された反射光を受光して副走査方向と略直交する主走査方向(図1の紙面奥行き方向)に画像を読み取り濃度に応じた画像信号を順次出力する受光部13とを備える。この受光部13は、図示しないラインセンサ142を駆動するCCDドライバなどの駆動回路や読取信号処理部14などとともに基板上に配設される。
【0023】
また画像取得部10は、画像拡大処理をすることもできるようになっている。あるいは、画像取得部10では画像の倍率を変更せずに画像処理部20にて画像拡縮処理をしてもよい。さらに画像取得部10および画像処理部20の両者にて画像拡縮処理をしてもよい。たとえば縮小処理は画像取得部10にて、拡大処理は画像処理部20にて、というように組み合わせてもよい。
【0024】
また図示していないが、画像取得部10は、筐体112内に、読取光学系や受光部13などをプラテンガラス11下で移動させるためのワイヤや駆動プーリなども具備する。駆動プーリは、駆動モータの駆動力によって往復回転させられ、該回転駆動によってワイヤを当該駆動プーリに巻き取ることで、プラテンガラス11の下方において読取光学系などを所定速度で移動させる。なお読取光学系は縮小光学系をなしており、その縮小率を変えることで読取倍率が変更可能になっている。
【0025】
上記構成において、画像取得部10は、通常ホームポジション(図中△マークで示す固定読取画先位置Gの近傍)にある。読取時には、人手により原稿載置台としてのプラテンガラス11上に原稿Gを載置し、当該プラテンガラス11上の任意の位置に固定(停止ロック)させた状態で、固定読取画先位置Gを先端基準として、読取光学系を矢印Xの方向へ等速移動走査して原稿を露光し画像を読み取る。
【0026】
たとえば、プラテンガラス11上に載置された原稿Gをプラテンカバー116で覆った状態で、光源12からの光がプラテンガラス11上に載置された原稿Gを照射し、反射光がフルレートキャリッジ134、ハーフレートキャリッジ138、およびレンズ140からなる読取光学系を介して赤、緑、青の各色に分光される。そして各色光が、それぞれ対応する、各色光用に分けられたラインセンサ142に入射し、入力画像が所定の解像度で読み取られることで、赤、緑、青の各色成分のアナログの撮像画像信号が得られる。
【0027】
そして、この読取りにより得た撮像画像信号を赤(R)、緑(G)、青(B)の各色成分のデジタル画像データに変換し、赤、緑、青のデジタル画像データを画像処理部20に送る。この読取り時には、光源12からの光が原稿を全面に亘って照射し、受光部13がレンズ140などの読取光学系を介して入力画像を全面に亘って読み取るように、光源12を含む読取光学系や受光部13などは、矢印Xで示すように図1中の副走査方向に相対移動させられる。
【0028】
読み取られた原稿画像は、フルレートキャリッジ134やハーフレートキャリッジ138により光路を変え、レンズ140により縮小され受光部13に至る。そして読取信号処理部14による処理を受けた後に画像処理部20に送られる。
【0029】
画像処理部20は、画像取得部10から受け取った画像データを処理し、実際に画像出力部30において画像を印刷用紙Pに転写する(画像を形成する)際に用いるイメージ形式などの画像形成データに変換する。本例においては、赤、緑、青の画像データR,G,Bに基づいて、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の画像形成データを得、この各画像形成データを電子ソート部200に出力する。
【0030】
電子ソート部200は、画像処理部20から入力されたK,Y,M,Cの画像形成データを記憶する記憶媒体202を備えている。そして電子ソート部200は、この画像形成データを記憶媒体202から読み出して、特に中綴じの冊子を作成できるように、複数ページ分の画像を印刷用紙Pの両面に各2ページずつ形成させる機能を有している。
【0031】
この機能により画像を形成する際には、後述するように、縦方向か横方向かを示す原稿画像の方向や、縦書きか横書きかを示す画像の内容、小冊子の綴じ方向などに基づいて、印刷用紙Pに形成する画像のページ順序を決定する。このとき、印刷用紙Pの方向など、他の要素を勘案して決定してもよい。電子ソート部200は、ページ再配置後のK,Y,M,Cの画像形成データを画像出力部30に出力する。画像の電子ソートおよびそれらを制御する仕組みの詳細については後述する。
【0032】
本実施形態の画像出力部30は、一方向に順次一定間隔をおいて並置されたK,Y,M,Cの各色の画像形成部(転写部)31(それぞれにK,Y,M,Cを付す;その他の部材についても同様;纏めていうときには色を省略して示す)を有する。画像形成部31の中央部には、感光体ドラム32が配され、この感光体ドラム32の周囲には、一次帯電器33、現像器34、および転写帯電器35などが配設され、さらに画像形成データに基づいて潜像を感光体ドラム32に記録するためのポリゴンミラー39などの書込走査光学系を有する。
【0033】
また画像出力部30は、画像形成部31に印刷用紙Pを搬送するための手差し用の原稿カセット41と搬送路42とを備えている。また先端検出器44が、原稿カセット41から各画像形成部31に搬送される印刷用紙Pの搬送路42上に近接して設けられている。先端検出器44は、レジストローラ42aを通じて転写ベルト43上に送り出された印刷用紙Pの先端をたとえば光学的に検出して先端検出信号を得、この先端検出信号を電子ソート部200に送る。電子ソート部200は、入力された先端検出信号に同期して、ページ再配置後のK,Y,M,Cの各色の画像形成データを順次一定間隔をおいて画像出力部30に入力する。
【0034】
画像出力部30の下部には反転機構部50が配設されている。この反転機構部50は、内蔵型の給紙トレイ52、両面複写のための用紙反転機構54、および両面複写路56を備えている。給紙トレイ52としては、複数段が配される構造とする。各給紙トレイ52は、記録媒体としての印刷用紙Pのサイズを検知するための印刷用紙サイズ検知部58を有する。印刷用紙サイズ検知部58は、印刷用紙Pのサイズに対応する位置で、印刷用紙Pの先端をたとえば光学的に検出してサイズ検知信号を得、このサイズ検知信号を電子ソート部200に送る。
【0035】
画像出力部30には、電子ソート部200から、印刷用紙P上の表面/裏面の何れの側に配置すべきかを示す情報が入力される。画像出力部30は、裏面側に配置すべき情報を得たときには、印刷用紙Pを機外へ排出せずに、印刷用紙Pを反転機構部50側に送る。
【0036】
このような構成の画像出力部30および反転機構部50においては先ず、半導体レーザ38Kは、画像処理部20からのブラックの画像形成データによって駆動されることで、ブラックの画像形成データを光信号に変換し、この変換されたレーザ光をポリゴンミラー39に向けて照射する。このレーザ光は、さらに反射ミラー47K,48K,49Kを介して一次帯電器33Kによって帯電された感光体ドラム32K上を走査することで、感光体ドラム32K上に静電潜像を形成する。この静電潜像は、ブラックのトナーが供給される現像器34Kによってトナー像とされ、トナー像は、転写ベルト43上の原稿が感光体ドラム32Kを通過する間に転写帯電器35Kによって原稿上に転写される。そして転写後は、クリーナ36Kによって感光体ドラム32K上から余分なトナーが除去される。
【0037】
同様に、半導体レーザ38Y,38M,38Cは、画像処理部20からブラックの画像形成データに対して順次一定間隔をおいて得られる対応するY,M,Cの各色の画像形成データによって駆動されることで、各色の画像形成データを光信号に変換し、この変換されたレーザ光をポリゴンミラー39に向けて照射する。このレーザ光は、さらに反射ミラー47Y〜49Y,47M〜49M,47C〜49Cを介して一次帯電器33Y,33M,33Cによって帯電された感光体ドラム32K上を走査することで、感光体ドラム32Y,32M,32C上に静電潜像を順次形成する。各静電潜像は、各色のトナーが供給される現像器34Y,34M,34Cによって順次トナー像とされ、各トナー像は、転写ベルト43上の原稿が対応する感光体ドラム32Y,32M,32Cを通過する間に対応する転写帯電器35Y,35M,35Cによって原稿上に順次転写される。
【0038】
このようにK,Y,M,Cの各色のトナー像が順次多重転写された原稿は、転写ベルト43上から剥離され、定着ローラ45によってトナーが定着されて、その後排出ローラ45によって複写機の外部に排出される。
【0039】
また、このカラー複写装置1により、冊子や書籍のような見開き原稿Gを表と裏の表紙も含めて印刷用紙(転写紙)の表裏の両面に頁順に複写する場合には、先ずユーザは、ユーザインタフェース部60を介して“中綴じモード”を選択し、原稿Gの複写しようとする見開き面を下向きにしてプラテンガラス11上に載せ、原稿Gをセット基準に揃えてセットして複写動作をスタートさせる。このとき、必要に応じて、出力サイズを選択してもよい。
【0040】
中綴じモードが設定されているときには、上述のようにして定着ローラ45で画像が表面に定着された印刷用紙Pは、機外に排出されることなく、用紙反転機構54に導かれ印刷用紙Pを反転させた後、両面複写路56に送り出される。この用紙反転機構54および両面複写路56は、両面複写を取るためのユニットであり定着ローラ45から印刷用紙Pが排紙されるとき、図示しない爪により印刷用紙Pが用紙反転機構54のローラ54aを通して下方へ落ち、その後、ローラ54bが印刷用紙Pを押し上げ、右にある両面複写路56上に導くことで印刷用紙Pを反転させる。その後、搬送路42を経て裏面が感光体ドラム32側を向くようにして画像形成部31に送られ、感光体ドラム32に形成された裏面用のトナー像が印刷用紙Pの裏面に転写される。
【0041】
なお、画像出力部30は、1個のレーザ光スキャナによって1個の感光体ドラム上にK,Y,M,Cの各色の静電潜像が順次形成され、静電潜像が感光体ドラムの周囲に設けられた、それぞれK,Y,M,Cの各色のトナーが供給される現像器によって順次トナー像とされ、トナー像が転写ドラム上に吸着された原稿上に順次、多重転写される構成でもよい。
【0042】
また、図示していないが、カラー複写装置1は、複写された印刷用紙Pを所定の位置にて2つに折り曲げる後処理装置を持ってもよい。あるいは2つに折り曲げられた後の綴じ代部に沿って、その綴じ代の任意の位置にステープラで止めることができる後処理装置を持ってもよい。さらに、1枚の印刷用紙P上に2ページ分よりも多い画像を多面複写する場合には、その多面複写に応じた所定のサイズに裁断できる後処理装置を持ってもよい。
【0043】
図2は、原稿Gをプラテンガラス11上に載置する場合の置き方の一例を示す図である。図示した例は、“固定位置読取モード”が設定されたときの原稿Gを載置すべき位置を示している。本実施形態の“固定位置読取モード”においては、リードレジガイドLRGとサイドレジガイドSRGとが交差(直交)する位置すなわちプラテンガラス11の左奥側コーナーを、原稿Gのセット基準位置とする。すなわち、リードレジガイドの端部に原稿Gの一端縁を、サイドレジガイドの端部に前記一端縁と直交する端縁をそれぞれ突き当てた状態で、プラテンガラス11の所用領域(略原稿の片面サイズまたは見開きサイズ)に亘って走査し、原稿Gの画像を読み込むことを前提とする。
【0044】
前記所用領域は、センサにより自動判別してもよいし、ユーザからの指定を受け付けてもよい。たとえば、表紙面を片サイズで読み取る場合には図2(A)、裏表紙面を片サイズで読み取る場合には図2(B)、および見開き面を読み取る場合には図2(C)のようにして原稿Gをプラテンガラス11上に置く。図2(D)に示すように、リードレジガイドLRG側の読取領域幅GAと、この読取領域幅GAよりもさらに横の読取領域幅GBとの両方が、見開き状態の全読取領域となり、この全読取領域が印刷用紙Pのサイズと等しい。なお図2(D)に示すように、冊子を読み取るときには、見開きサイズが全読取領域と異なることが多い。また、リードレジガイドLRG側およびそれとは反対側の端縁並びに綴じ代部分には影が生じ易い。
【0045】
なお、本実施形態のカラー複写装置1においては、“固定位置読取モード”に限らず、“任意位置読取モード”が設定されてもよく、この場合、プラテンガラス11上の何れの位置に原稿Gが載置されてもよい。またこの場合、カラー複写装置1は、プラテンガラス11の略全面に亘って走査し、読込み画像の中から原稿Gの画像を特定する。
【0046】
図3は、中綴じされた原稿Gを読み取って、その原稿Gの見開きサイズと略同一サイズの印刷用紙Pの両面に所定の頁順で複写することで、元の中綴じされた製本GGを作成する場合における、印刷用紙Pと原稿Gの頁番号との関係を示した図である。ここで一般的に多く利用されるのは、縦方向(閉じた状態)での原稿Gに横書きで記述されている場合には図3(A)に示すように左綴じが、縦方向の原稿に縦書きで記述されている場合には図3(B)に示すように右綴じが利用される。また、原稿Gの向きが横方向の場合には、図3(C)に示すように上綴じが利用される。ここで、左(右/上)綴じといっているのは、1頁目が上になるように原稿Gを見たとき、綴じ代が左(右/上)となることを意味する。なお、頁を捲る方向からの表現として、左から昇順にページ配置する左綴じは左開き、右から昇順にページ配置する右綴じは右開き、上綴じは上開きともいう。
【0047】
ここで、何れの綴じ方であっても、見開き状態の頁順序と印刷用紙P上の該当頁の画像の配列順序とはバラバラになる。たとえば図示するように、8頁の見開き原稿の場合、左綴じのときには、2頁目が左側に、3頁目が右側に現われるのに対して、2頁目の画像bは1枚目の印刷用紙Pの表面左側に、3頁目の画像cは2枚目の印刷用紙Pの裏面左側に、それぞれ印刷されている。また、右綴じのときには、2頁目が右側に、3頁目が左側に現われるのに対して、2頁目の画像bは1枚目の印刷用紙Pの表面右側に、3頁目の画像cは2枚目の印刷用紙Pの裏面右側に、それぞれ印刷されている。一方、各印刷用紙Pの表面あるいは裏面のそれぞれにおいて対になる画像の頁番号は、たとえば“1と8”や“4と5”などのように綴じ方向に関わらず同じである。さらに、各印刷用紙Pの表裏で対になる画像の頁番号は、たとえば“1と2”や“3と4”などのように綴じ方向に関わらず同じである。
【0048】
図4は、固定位置読取モード時の、原稿Gの載置の向きと、印刷用紙Pに複写された原稿画像の向きおよび位置の関係を示す図である。ここで図4(A)は、印刷用紙Pに複写される画像範囲と位置との関係を示している。図示するように、プラテンガラス11の左奥のセット基準位置に合わせると、印刷用紙Pの右上隅に複写される。図4(B)は、両面複写時の原稿Gおよび印刷用紙Pの向きと印刷結果との関係を示している。図示するように、原稿Gのセットの仕方と、印刷用紙Pのセットの仕方に応じて、両面複写の結果が異なる。たとえば、縦長原稿を縦置きに、あるいは横長原稿を横置きにセットすると表と裏の天地が同じになるのに対して、縦長原稿を横置きに、あるいは横長原稿を縦置きにセットすると表と裏の天地が逆になる。また、見開き原稿Gを単純に頁を捲って両面複写すると、たとえば、2,3頁目が印刷された表面の裏に、4,5頁目が印刷されてしまい、図3に示した印刷用紙上の画像配列と異なる結果になる。
【0049】
図4(C)は、原稿Gの見開きサイズが印刷用紙Pのサイズよりも小さい場合における両面複写の結果を示す図である。原稿Gの片面サイズが印刷用紙Pの略半分でないときに、常にセット基準位置に合わせて両面複写すると、図4(C)上段に示すように、表面の画像と裏面の画像との各中心がずれて印刷される。このため、印刷用紙Pのサイズのまま2つ折りしたのでは冊子にすることはできないし、またB4サイズで切り取り、2つ折りしても冊子にすることはできない。
【0050】
したがって、見開き原稿Gを両面複写するときには、原稿画像の向きや位置と印刷位置との関係が元原稿と同じになるように、原稿Gと印刷用紙Pの各サイズをも考慮して各頁の画像を配置しなければ、元の見開き原稿を再現することができない。たとえば、図4(C)下段に示すように、表面の画像と裏面の画像との各中心が合うように何れか一方(図では裏面)の画像をずらしてレイアウトする(位置補正をする)ことで、B4サイズで切り取り、2つ折りして冊子にすることができるようになる。
【0051】
図5は、ユーザインタフェース部60の一例、および確認画像の一例などを示す図である。図5(A)に示すように、ユーザインタフェース部60は、カラー複写装置1の状態をユーザに知らせたり、ユーザによる各種の設定などを受け付けるために、キー入力部602と表示部690とを備える。キー入力部602としては、複写枚数などの置数や複写倍率などを入力するテンキー610、置数などを予め設定された標準値に戻すクリアキー620、カラー複写装置1内部に設定された設定値を予め設定された標準値に戻すリセットキー622、複写動作を開始させるスタートキー630、および複写動作を中止させるストップキー632が設けられている。
【0052】
またキー入力部602としては、複写モードとして、通常モード、両面モード、および中綴じモードの何れか1つを選択設定するモード設定キー642、原稿Gの載置の向き(縦置き/横置き)、一葉形式か見開き形式か、あるいは見開き形式の場合はその綴じ方向などを設定する原稿形式設定キー644、すべての原稿Gの読込みが完了したとき、その旨を装置1に入力する読込み完了キー646、および読み込まれた画像についての切出し範囲や確認用の専用表示(拡大画像)の切出し位置などを変更するための変更モードに移行させる変更キー648が設けられている。なおモード設定キー642により設定されたモードが通常/両面/中綴じの何れであるか表示する表示LED650が設けられている。
【0053】
またキー入力部602としては、変更キー648により変更モードに移行されたとき、読み込まれた画像についての切出し範囲や位置などを変更するための上シフトキー662、下シフトキー663、左シフトキー664、右シフトキー665、および確定キー666からなる変更設定キー群660が設けられている。キー入力部602の、前記各キーから指示された情報は、電子ソート部200に通知される。
【0054】
表示部690は、液晶タッチパネルにより構成されており、たとえば用紙選択、倍率設定、両面/片面選択、ジョブメモリ設定などの指定ができる基本画面と、読取解像度、原稿の種類(一葉原稿/見開き原稿)、読取濃度、見開き原稿の場合の切出し範囲などの指定ができる機能設定画面、あるいは見開き原稿を中綴じ可能なように両面複写する中綴じモードが設定されたときには読取り後の確認画面などが表示されるようになっている。これらの表示態様は、キー入力部602による設定に応じて自動的に切り替わるようになっている。
【0055】
たとえば図5(B)に示すように、B4サイズより少し小さい、右綴じの見開き原稿が読み取られると、図5(C)に示すように、読取画像と切取り範囲などを示す種々の線分などが示された確認画像が表示部690に表示される。この確認画像が表示されたときに変更キー648が押下されると、カラー複写装置1は変更モードに移行し、上下左右の切出し位置、分割中心位置CL、中消し範囲GC1、あるいは拡大画像の切出し位置GA,GBなどの変更対象を指定するための表示を、表示部690の読取画像に重ねて表示する。ユーザは希望する変更対象を液晶タッチパネルで指定する。すると、指定された変更対象に対応する部分の線などが強調表示される。ユーザは、上下左右の各シフトキー662〜665により、位置指定を変更し確定キー666を押下してその変更を確定させる。
【0056】
なお図5(D)に示すように、たとえば見開きの両ページに亘る画像の場合、綴じ代部分の全体を中消しすると綴じ代部の画像までもが消されてしまうので、好ましくない場合も生じる。このような画像の場合、中消し範囲については、分割中心CLを挟む範囲GC1に加えて、上下の各画像端縁からの範囲GC2,GC3を指定することで、ページを跨ぐ画像部分は中消しせず、それ以外の画像端縁近傍のみを中消しするように設定することもできる。
【0057】
拡大画像部分は、たとえば、ページ再配列後の画像配置の確認のために利用される。この拡大画像部分は、たとえば読取画像中のページの部分を拡大したものが好ましい。ユーザは、拡大表示する領域を、原稿G上のページ部分(−@−)に合わせるとよい。前書き部や目次などページが印刷されていない場合には、確認時に都合のよい適当な部分を指定するとよい。
【0058】
この拡大表示する領域の指定は、読み込みの都度行なってもよい。また、一旦指定された位置を記憶しておき、他のページの読み取り時には自動的に対応する部分を拡大表示し、必要に応じて位置変更を受け付けるようにしてもよい。そして、必要に応じてユーザからの変更指示を受け付け、最終的に確定された位置情報などを画像ソート部240に通知する。また、たとえば公知の文字認識の方法を利用して画像から読み取ったページ番号を拡大表示するようにしてもよい。
【0059】
図6は、ユーザインタフェース部60および電子ソート部200の機能構成の第1実施形態を示すブロック図である。ユーザインタフェース部60には、図5に示したように、キー入力部602および表示部690の他に、ユーザに対して、次の操作や読み込む順序を案内する、案内部の一例であるナビゲート部680を備える。ナビゲート部680は、案内メッセージを表示部690により可視情報として表示したり、あるいはスピーカ692にて音声情報として出力したりする。
【0060】
電子ソート部200は、記憶媒体202に加えて、画像処理部20から入力された画像形成データに基づいて、画像の内容、たとえば縦書きか横書きかを、周知の各種の認識方法を利用して認識する画像認識部210、原稿Gが見開きサイズで読み取られたとき(左右のページが纏めて読み込まれたとき)、その読み取られた画像を周知の各種の分割方法を利用してページ単位の画像に分割する画像分割部220、および各ページの画像を記憶媒体202に記憶させたり、所望のページ画像をその記憶媒体202から読み出したりする記憶制御部230を備える。なお図示していないが、電子ソート部200は、後述の各種処理を画像に対して施すためのワークメモリを有する。
【0061】
記憶制御部230は、画像処理部20から入力されたK,Y,M,Cの各色の画像形成データを、読取り順で記憶媒体202に蓄積させる。この記憶制御部230は、読取画像を適宜な圧縮形式で圧縮してから記憶媒体202に格納させてもよい。この場合、圧縮処理部や復号化処理部が設けられる。記憶制御部230は、記憶媒体202の記憶領域を、管理テーブルにより管理する。
【0062】
画像分割部220は、たとえば見開き原稿を左右に分割して別々に複写するいわゆるページ連写の仕組みを利用して、取り込んだ見開き画像を単純に2等分する。あるいは、見開き状態で原稿Gを読み取ると、綴じ代部分に影が生じ縦スジ状のノイズが現われる(いわゆる中黒線)。中黒線は見開き画像の略中心を示すので、画像分割部220は、この中黒線を境界として画像を分割してもよい。また、図5に示すように、読み取った見開き画像を表示部690に表示させて、図に示した分割中心CLの位置の変更をユーザから受け付け、この指示された分割中心CLを境界として分割するようにしてもよい。この変更指定は、各見開きページを読み込んだ都度であってもよいし、全てのページを読み込んだ後に纏めて処理してもよい。あるいはページ画像の並替えが必要な直前に分割してもよい。
【0063】
また電子ソート部200は、中綴じモード時に1枚の印刷用紙Pに形成するべき2つのページ画像および配置位置や向きを決定する画像ソート部(並替処理部)240、および画像ソート部240により決定された2つのページ画像を記憶制御部230を介して読み出し、画像ソート部240により決定された配置位置および向きに従って配置することで、中綴じ可能な2ページ分の画像を再構成する画像再構成部250を備える。
【0064】
また電子ソート部200は、必要に応じてページ画像を回転させる回転処理部260と、必要に応じてページ画像を拡大したり縮小したりする変倍処理部270を備える。なお回転処理部260や変倍処理部270は、画像分割部220により分割されたページ画像を対象とする代わりに、分割前の見開き画像を対象として回転処理や変倍処理を施すことで、実質的にページ画像に対して回転処理や変倍処理を施すようにしてもよい。この場合、画像分割部220は、回転処理や変倍処理が施された見開き画像を分割する。
【0065】
画像ソート部240は、画像認識部210で認識した画像の内容に応じて、たとえば横書きのときには左綴じ、縦書きのときには右綴じというように綴じ方向を自動的に判断し、その綴じ方向に応じて、中綴じ冊子を形成可能なように再配列の頁順を決定する。なお画像ソート部240は、画像認識部210で認識した画像の内容とともに、原稿センサ118で検知されたサイズ検知信号に基づいて原稿Gの載置の向き(縦置き/横置き)を自動判断したり、あるいはユーザインタフェース部60のキー入力部602でユーザが指定する原稿Gの向きや原稿Gの綴じ方向、さらには記録媒体サイズ検知部58からの印刷用紙Pのサイズなども考慮して、頁順を決定することもできる。さらに、電子ソート部200にて決定した頁順をユーザインタフェース部60を介してユーザに提示し、必要に応じてユーザから頁順の変更を受け付けてから、画像出力部30における転写動作の開始を指示してもらうようにしてもよい。
【0066】
印刷用紙Pとしては、各ページの大きさ(見開きの略半分)の2倍のものを用いる。そして電子ソート部200は、中綴じモード、すなわち見開き原稿の両面複写を設定され、かつ印刷用紙Pのサイズが原稿Gの片サイズの2倍(つまり見開きサイズと略同じ)に指定されて複写開始指令が出されると、原稿Gの各ページごとの画像形成データを記憶媒体202に書き込み、給紙トレイ52に指定サイズの印刷用紙Pがあれば、記憶媒体202に記憶されているページごとの画像形成データのうち、画像ソート部240にて決定された特定のページの信号のみを読み出してページ画像の再配列をすることで、見開きサイズ(ただしページの配列順序は読み取られた状態とは異なる)の画像を形成する。
【0067】
たとえば見開きサイズがB5縦方向であれば、B4横方向の印刷用紙Pを用いる。そして画像再構成部250は、たとえば原稿が4ページの左綴じの小冊子であれば、1枚の印刷用紙Pの片面(本実施形態では裏面)に1ページ(表紙)目と4ページ(裏表紙)目を複写し、前記片面とは反対側の面(本実施形態では表面)における1ページ目の裏に2ページ目、4ページ目の裏に3ページ目が複写されるように、ページ画像を再配列する。このようにして両面に対応するページの画像が複写された印刷用紙Pを、2ページ目と3ページ目の中央で内側に折り曲げる(谷折りにする)ことによって、4ページの左綴じ小冊子ができあがる。
【0068】
同様にして2枚の印刷用紙Pの両面に、図3に示したようなページ順で2ページずつ印刷し、重ねて中央で折り曲げることによって8ページの左綴じの小冊子ができあがる。このように、それぞれの複写された印刷用紙Pの積層体を、堆積した状態でそのまま中央で半分に折り、綴じ代部分を外側からステープラなどで綴じると左綴じの小冊子ができあがる。また、綴じ代部分を外側から綴じるだけでなく、折り目に沿ってステープラなどを打ち付けることで中綴じにすることができる。
【0069】
なお自動用紙選択(APS;Auto Paper Select )機構を設け、原稿Gの見開きサイズと同一のサイズおよび方向の給紙トレイ52が用意されていない場合、あるいは給紙トレイ52は用意されているが前記の態様での印刷用紙Pが切れていた場合には、セット方向が90度異なる同一サイズの印刷用紙Pを選択するようにしてもよい。この場合たとえば図4(B)の最下段に示すように、片面がA5サイズで見開きがA4サイズの原稿Gを横置きする一方印刷用紙Pが縦長にセットされているときなど、原稿Gと印刷用紙Pの向きが異なることになるので、画像ソート部240はこれに応じて、頁順が揃いかつ表裏の各画像の天地が逆にならないように、ページ画像を時計方向あるいは反時計方向に90度回転させるよう回転処理部260に指示する。
【0070】
なお回転処理部260は、見開き状態で回転させておいてもよいし、画像分割部220により分割されたページ画像ごとに回転させてもよい。画像再構成部250は、回転処理部260により回転されたページ画像を用いて見開きサイズの画像を形成する。
【0071】
図7は、電子ソート部200の処理、すなわち、見開き原稿の一例である中綴じ原稿の左右の各ページの画像と、原稿Gを読み取って見開きサイズと略同じ大きさの印刷用紙Pに元のページ順と同じくかつ中綴じ可能なように両面複写する場合の、各印刷用紙P上のページ画像の配列順の決定方法を説明する図である。
【0072】
中綴じ可能に両面複写する場合、基本的には、印刷用紙Pの表裏両面で、4ページ分の画像が複写される。したがって、中綴じ原稿Gの表紙および裏表紙を含む総ページ数をNとしたとき、必要な印刷用紙Pの枚数QはN/4となる。
【0073】
また、図7(A)に示すように、印刷用紙P上の表面あるいは裏面で対となるページは、原稿Gの開きの方向に関わらず、ページ番号nとページ番号4Q−(n−1)=N−(n−1)となる。たとえば、総ページ数N=12のとき、n=3ページと対になるのは、12−(3−1)=10ページとなる。
【0074】
また、先に複写が完了し排出された印刷用紙Pの裏面上に、次に複写が完了した印刷用紙Pを排出する場合、原稿Gの開きの方向に関わらず、前半のページは、奇数ページが表面に、偶数ページが裏面に複写される。後半のページについては、対となる前半のページと同じ面に配されるのはいうまでもない。
【0075】
一方、表面あるいは裏面のそれぞれについて、各ページの画像を右側に配するのか左側に配するのかは、原稿Gの開きの方向によって異なり、左綴じの場合は奇数ページが右側に、偶数ページが左側に複写され、右綴じの場合は奇数ページが左側に、偶数ページが右側に複写される。上綴じの場合は、左綴じを時計回りに90度回転、または右綴じを反時計回りに90度回転させた形態となるので、ここでは説明を割愛する。
【0076】
画像ソート部240は、図7に示したルールに従って、中綴じ可能なように、頁順並びに配置位置および向きを決定する。そして画像再構成部250は、画像ソート部240において決定された頁順並びに配置位置および向きに従って各ページの画像を並べ替え、各印刷用紙Pの表裏各面に2ページずつの画像を転写することが可能な、見開きサイズに2頁分の画像が形成された画像形成データを生成し、画像出力部30に入力する。
【0077】
たとえば、8ページの左綴じ原稿が読み取られた場合、画像再構成部250は、図7(B)〜図7(E)のように、各ページの画像を並べ替える。なお、見開き原稿を読み取る場合、各ページ単位で読み取る形態(図7(B))と、見開きの状態で2ページ分を一度に読み取る形態(図7(C))とがある。後者の形態では、画像分割部220は、読み取られた見開きサイズの画像を、それぞれのページ画像に分割する。なお後者の形態では、左綴じと右綴じとで、読み込みの順序が逆になるので、画像ソート部240は、この綴じ方向を考慮して頁順並びに配置位置および向きを決定する。
【0078】
図8は、両面複写機能を有するカラー複写装置1を使用して、2頁分に亘る図や説明などの画像を有する、中綴じされた略定型サイズの見開き原稿Gの複写物を作成する場合についての、一連の処理手順の概要例を示したフローチャートである。ここでは、左綴じかつ中綴じで見開きサイズが略B4の原稿Gを一例に、予め定められたセット基準位置(図2参照)に原稿Gを載置することとし、置かれた原稿Gの状態(向き)を自動検知して、読み取った画像を、原稿Gの表と裏の表紙および見開き頁をともに等倍で、さらに画像の配置位置および向きも元原稿と略同くなるように、両面複写かつ半折で、元の小冊子と同じような中綴じの小冊子を作成することを可能にする場合について説明する。略定型サイズの原稿Gとしては、製品カタログなどがある。なお図8に示した処理態様を第1実施形態という。
【0079】
カラー複写装置1(詳しくは図示しないCPUなどの制御部)は、中綴じモードが設定されているか否かを判断する(S100)。中綴じモード以外のモードが設定されているときには、通常モードあるいは両面モードなど、従来の装置と同様の処理をする(S100−NO,S108)。
【0080】
一方、中綴じモードが設定されているときには(S100−YES)、ユーザインタフェース部60のナビゲート部680は、冊子(原稿G)を開き、表紙および裏表紙の各表紙面を下に見開いた状態でプラテンガラス11に横置きでセットし、セット基準に合わせてからスタートキー630を押して原稿Gを読み取るよう指示を出す(S102)。
【0081】
ユーザがスタートキー630を押すと、画像取得部10は、表紙(1ページ目)側および裏表紙(最終ページ)側の順に見開き原稿を読み取り、画像処理部20は所定の画像処理をして見開き画像を表す画像形成データを得、この画像形成データを電子ソート部200に入力する。電子ソート部200の記憶制御部230は、画像形成データを先ず記憶媒体202に格納する(S104)。
【0082】
表紙および裏表紙の読み込みが完了したら、同様にして、ユーザインタフェース部60のナビゲート部680は、冊子の最初のページを開き、見開いた状態でプラテンガラス11に横置きでセットし、セット基準に合わせてからスタートキー630を押すように、表示部690による可視情報で、あるいはスピーカ692による音声情報で指示を出す、すなわち原稿Gの載置位置や向き(天地を含む)あるいは読み込む順序をユーザに案内する(S112)。
【0083】
そして、表紙の読み込みと同様に、記憶制御部230は、この画像形成データを記憶媒体202に格納する(S114)。以下順にページを捲って、全てのページの読み込みが終わるまで、ステップS112〜S116の処理を繰り返す(S116−NO)。この繰返し処理の際には、カラー複写装置1は、直前に読み取った見開き画像を表示部690に表示する。これにより、ユーザは、次に読み取らすべき見開きページを簡単に確認することができる。
【0084】
また記憶制御部230は、読み込んで記憶媒体202に記憶させたページ数を管理テーブルに記憶する。この例では、見開き状態で2ページ分を一度に読み込んでいるので、記憶制御部230は、前記の読込みの都度、2ページずつ読込みページ数のカウンタ値をインクリメントする。
【0085】
ユーザは、冊子の終わりのページまでの読み込みを完了させたら、ユーザインタフェース部60の完了キー648を押下する。画像ソート部240は、このことを検知すると(S116−YES)、所用の見開き画像を記憶媒体202から読み出して表示部690に入力し、図5に示したような確認画面を、読み込みの順番に表示させるよう記憶制御部230などに指示を出す(S120)。なお、完了キー648が押下されたとき、読み込んだ総ページ数が4の倍数となっていないときには、画像ソート部240は、読取ミス(重複もしくは欠落)がある旨の警告を発してもよい。
【0086】
表示部690は、先ず表紙および裏表紙の見開き画像を表示する(図5(C)の“1”および“8”ページの見開き画像)。このとき表示部690は、先ずユーザインタフェース部60に予め設定されている標準値を用いて、切出し範囲や中消し範囲などを示す線分をその見開き画像に重ねて表示する。そして、必要に応じてユーザからの変更指示を受け付ける(S122)。
【0087】
たとえばユーザは、ページ再配列後の画像確認のために拡大表示する領域を、原稿G上のページ部分(−@−)に合わせる。前書き部や目次などページが印刷されていない場合には、確認時に都合のよい適当な部分を指定する。あるいは、冊子の折り目や上下左右の端部に影が生じ黒ずんで複写され得る部分の像が写らないように、中消し範囲GC1、あるいはGC2,GC3、上下左右の切出し範囲を指定してもよい。
【0088】
ユーザインタフェース部60は、最終的に確定された位置情報などを変更受付部280に通知する(S122−YES,S124)。変更受付部280は、位置情報などをその見開き画像に対応付けて記憶させる。たとえば、記憶制御部230が管理している管理テーブルに、その位置情報を書き加えさせてもよい。
【0089】
さらに画像ソート部240は、ユーザ指定や原稿センサ118の検出信号などに基づいて、原稿Gの読取サイズや載置方向、あるいは見開き方向、さらには印刷用紙Pのサイズや方向など、原稿Gや印刷用紙Pの状態を判断する(S122)。本例では、原稿センサ118の情報に基づいて原稿Gが見開き状態で読み込まれたことが検知されるので、画像ソート部240は先ず画像分割部220に対して、記憶媒体202から見開きサイズの前記画像形成データを読み出してユーザから指定された分割位置にて見開き画像をページ単位に分割するよう指示する。画像分割部220は、分割した各ページ画像を記憶媒体202に記憶させる(S132−YES,S134)。
【0090】
次いで画像ソート部240は、読み込んだページ数や、縦方向か横方向かを示す画像の用紙方向や、縦書きか横書きかを示す画像の内容、あるいは原稿Gの綴じ方向などに基づいて、さらに原稿Gや印刷用紙Pの状態に応じて、図7に示したルールに従って、中綴じ可能なように、1枚の印刷用紙Pに形成するべき2つのページ画像の順番を決定するとともに、それぞれのページ画像の配置位置や向きを決定する(ページ画像を電子的にソートする)(S136)。
【0091】
たとえば表裏両面の画像の位置が一致するように(透かしたときに各画像の中心が一致するように)、表裏両面の画像の少なくとも一方を移動させる。また、原稿Gの向きと印刷用紙Pの向きが異なるときには、ページ画像を時計または反時計方向に90度回転させる。たとえば裏面用のページ画像の分割中心CLとは反対側の端縁を印刷用紙Pの端縁まで横方向に移動させて、両面のイメージの位置を合わせる(図4(C)参照)。
【0092】
これにより、原稿G(見開きサイズ)と印刷用紙Pのサイズが違っていても、表面画像と裏面画像が同じ位置に複写され、たとえばB4サイズで切り取り、2つ折りして冊子にすることができる。なお、印刷用紙Pの短辺方向(高さ方向)の位置は、見開き画像の対になるページ画像同士の位置が合っている限り、1つの印刷用紙P上では多少異なっていてもよい。
【0093】
画像ソート部240は、ソート処理が完了したら、再配置後の各印刷用紙P上に配されるページ画像に基づいて、中綴じの冊子を形成したとき(仕上り時)の見開き画像をシミュレート(疑似生成)し、表示部690にて、ユーザに複写イメージ画像(プレビュー画像)を提示する(S138)。この複写イメージ画像は、読取後の確認画像を提示する場合と同様の表示態様であればよい。あるいは、中消し範囲GC1,GC2,GC3や上下左右の切出し位置に基づいて、冊子の折り目や上下左右の端部に影が生じ黒ずんで複写され得る部分を、それらの像が写らないようにした後の画像を提示してもよい。
【0094】
ユーザは、複写イメージ画像を表示部690にて確認することで、仕上り後の冊子(中綴じ)のページ順序を確認することができる。たとえばユーザは、表示部690に提示された複写イメージ画像にて、切出し範囲やページ並びのミス(読取り順序の間違い)、あるいは重複や欠落(読取ミス)などを確認する。ユーザインタフェース部60は、問題が確認されたときには、ユーザからの変更指示を受け付け、変更受付部280に通知する(S140−NO,S142)。変更受付部280は、この変更された条件に基づいてページ画像をソートするように画像ソート部240に指示する。
【0095】
たとえば変更受付部280は、欠落ページの追加の場合、追加するページ位置などの指定も受け付ける。なお、ユーザは、表示部690に表示された複写イメージ画像を確認しながら、ページの配列順序を意図的に変更する、すなわち複写画像の配置を任意の順番に変更することもできる。
【0096】
またユーザインタフェース部60は、ページ番号の付加を受け付けてもよい。この場合、漏れている部分だけの追記、あるいは既に付いているページを含む完全置換えなど、種々の変更態様を受け付けるようにするとよい。
【0097】
ページの追加や削除など、ページの並替えに影響する変更が加わったときには、画像ソート部240は、再配置の決定処理をやり直し、複写イメージ画像をユーザに再度提示する。
【0098】
このようにして、再配置後の画像を確認し、表示されている綴じ方やページ順あるいは配置位置や向きでよい場合には(S140−YES)、ユーザは、完了キー648を押下する(S140−YES)。画像再構成部250は、これを検知すると、画像ソート部240による決定に従って、読み込んだ画像データ(画像形成データ)を並び替え、必要に応じてページ番号などを付加したり、あるいはユーザから指定された中消し範囲GC1,GC2,GC3の部分や上下左右の端部の影の像が写らないように中消しや枠消しの処理をして、中綴じ可能な2ページ分の1枚の見開き画像を再構成する(S144)。
【0099】
すなわち、画像ソート部240にて並び替えられた順番に従って、ページ画像2枚を1枚の画像データに変換し(いわゆる2アップ機能)、変換後の2アップ画像を記憶媒体202に記憶する(図7(D)を参照)。そしてこの再構成が全ページ分について完了したら、カラー複写装置1は、画像の並替えが完了した旨を表示部690あるいはスピーカ692にてユーザに告知する。
【0100】
この告知を受けたユーザは、再度変更したいときには、変更キー646を押下して、前述の変更を受け付ける処理(ステップS142)に移行させる(S146−NO)。一方、特に不都合がなければ、ユーザはスタートキー630を押下する。記憶制御部230は、このスタートキー630の押下を受けると、1枚目の表→1枚目の裏、2枚目の表→…というように総ページ数の1/4枚まで、再構成後の見開き画像を示す各印刷用紙P用の画像形成データ(2アップ画像)をそれぞれの印刷用紙Pおよび表裏に対応するように、順に記憶媒体202から読み出して画像出力部30に入力する。画像出力部30は、この画像形成データに基づいて転写処理をすることで、印刷用紙Pに対して中綴じ可能な両面印刷をする(図7(E)を参照)(S148)。
【0101】
以上第1実施形態の処理により、中綴じモードにおいては、冊子を見開き状態で読み取って複写し、それぞれの複写された印刷用紙Pの積層体を、堆積した状態でそのまま中央で半分に谷折りし、折り目に沿って綴じると、元の冊子と同じ中綴じ冊子を作成することができる。すなわち、冊子または本の綴じている部分を外さずに、その冊子や本と同じ構成を持つ複製物を作成することができる。
【0102】
また、画像出力部30における転写処理の際にジャムなどが生じ複写ミスが生じたとしても、既に読み取って再構成した2アップ画像は記憶媒体202に格納されているので、改めて読み取らなくても、該当部分を直ぐに複写し直すことができる。
【0103】
さらに、読取りにて取得した原稿画像を記憶媒体202に保持しているので、1回の読取り操作だけで、たとえば元原稿と同じ綴じ方向の冊子とそれとは異なる冊子とを作成する、あるいはユーザの好みに応じたページ配列順にするなど、ユーザによる編集作業も簡単になる。
【0104】
したがって、たとえばコンビニエンスストアに上記カラー複写装置1を設置することで、冊子または本と同じ構成を持つコピーを容易に作成することが可能となり、コンビニエンスストアの売上増につながる。またたとえばCDレンタル店での貸出し用歌詞カード作成などに上記カラー複写装置1を使用することもできる。
【0105】
なお上記第1実施形態では、見開きの状態で左右の2ページ分を一度に読み取る形態(図7(C)参照)で説明したが、原稿Gがプラテンガラス11上に見開き状態で載置されているのか片ページごとに載置されているのかに拘わらず、各ページ単位で読み取る形態(図7(B)参照)としてもよい。この場合、画像取得部10は、見開き状態で原稿Gが載置されているときには、リードレジガイドLRG側の読取領域GAと、それよりも外側の読取領域GBとを別々の読取領域として原稿Gの画像(片ページ分)を読み取る(図2(D)参照)。
【0106】
またセット基準に合わせて片ページごとに載置されている場合には、リードレジガイドLRG側の読取領域GAのみを読取領域として原稿Gの画像を読み取る。なお、原稿Gがセット基準からずれて載置されているときには、全読取領域を走査して読み取った後に公知の画像領域を特定する方法を利用して片ページ分の画像領域を切り出すとよい。なお、各ページ単位で読み取る場合、何れの載置態様であっても、画像分割部220によるステップS134の処理は不要である。
【0107】
また上記第1実施形態では、最初に表紙および裏表紙を見開きで読み取るようにしていたが、たとえば、最初は図2(A)に示したように一方の表紙のみを片面サイズで読み取り、最後に図2(B)に示したように裏表紙のみを片面サイズで読み取り、それ以外の内側のページは図2(C)に示したように頁を捲って見開きで読み取るようにしてもよい。この場合、表紙および裏表紙についてのみが、画像分割部220によるステップS134の処理が不要となる。なお、上記第1実施形態では、全ページ分の見開き画像を読み取ってからページ画像に分割するようにしていたが、ページを捲ってそれぞれの見開き画像を読み取った都度分割するようにしてもよい。
【0108】
また上記第1実施形態では、画像ソート部240によるソート処理が完了した後、複写イメージ画像を表示部690に提示し、ユーザから指示があるまで画像再構成や転写処理の開始を禁止していたが、このようなユーザによる確認を経ずに、ソート処理が完了した後直ちに、再構成をして転写処理を実行してもよい。
【0109】
さらに上記第1実施形態では、原稿Gと印刷用紙Pの向きが異なるときにページ画像を90度回転させると説明したが、ページ画像を回転させる必要があるのはこのような態様に限らず、原稿Gと印刷用紙Pの向きが同じ場合であっても起こり得る。たとえば、図4(B)の中段左側に示したように、印刷用紙Pを縦長にセットした状態で表面を複写した後に、その印刷用紙Pを短手方向に搬送し裏面用の原稿Gを天地がセット基準に合うように載置して読み取ると、天地が逆になって裏面の画像が複写される。
【0110】
したがってこのような場合には、裏面の画像を複写する際に、回転処理部260は2ページ分の画像を180°回転させる。なお、裏面用の原稿Gを読み取る際に、原稿Gをセット基準に対して天地が逆で載置するようにユーザに指示を出してもよい。こうすることで、画像回転処理が不要になる。
【0111】
さらに上記第1実施形態では、元の原稿Gの綴じ方向と同じになるようにページ配列順を決定することとしていたが、仕上りの綴じ方向を元の原稿Gとは異なるようにしてもよい。この場合、図7(A)に示したように、対となる左右のページ画像の配列位置は、元の綴じ方向を維持したときとは逆になる。ただし、元の原稿Gの見開きの左右のページが独立した画像であるときにはこれで問題がないが、図5(D)に示したように、左右の両面に亘る連結画像の場合には、左右のページ画像が逆に配置され不都合が生じるので、このような連結画像に限って、元の見開き状態の連結画像を維持するように、元の左右のページ画像のソート位置(配置面や配置位置)を逆にする。
【0112】
たとえば左綴じの原稿Gで右綴じの冊子を作成するとき、画像ソート部240は、元の2,3ページについては、通常であれば、元の2ページ目の画像が1枚目の裏面右側に配され元の3ページ目の画像が2枚目の表面左側に配されるようにページ画像をソートするのに対して、2〜3ページに跨る画像のときには、元の2ページ目の画像が2枚目の表面左側に配され元の3ページ目の画像が1枚目の裏面右側に配されるようにページ画像をソートする。またたとえば8ページの原稿の4〜5ページに亘る連結画像のように、元原稿の最内ページについては、配置面を逆にする必要はなく、左右の配置位置のみを逆にすればよい。
【0113】
見開き画像が左右のページに跨る画像であるか否かは、画像認識部210により、公知の領域特定の方法を利用して特定した左右ページの領域が連結しているか否かに基づいて、自動的に判断すればよい。あるいは、複写イメージ画像をユーザに提示した後に、ユーザから並替えの指示を受け付けてもよい。勿論、最初は元の原稿と同じ綴じ方向での複写イメージ画像をユーザに提示した後に、仕上りの綴じ方向の変更を受け付けるようにしてもよい。
【0114】
さらに上記第1実施形態では、それぞれの読取りの都度ページ数をカウントすることで総ページ数を取得し、完了キー648が押下されたとき、読み込んだ総ページ数が4の倍数となっていないときに警告を発するようにしていたが、これに限らず、たとえば読取り開始前にユーザから総ページ数の入力を受け付け、完了キー648が押下されたとき、読み込んだ総ページ数がユーザから指定された総ページ数と一致していないときに警告を発するようにしてもよい。また、読取り開始前にユーザから総ページ数の入力を受け付けた場合には、それぞれの読取りの都度、たとえば「あと@ページ」などとメッセージしてもよい。
【0115】
また上記第1実施形態では、印刷用紙Pが横置きにセットされかつ原稿Gの天地がセット基準に対して適合する(天側がセット基準側となる)ようにして読み取ることを基準に説明したが、たとえば原稿Gを捲っている過程では、原稿Gの天地を逆にしてプラテンガラス11上にセットする方が都合のよいこともある。たとえば、端部の影が少なくなるようにする場合などである。このような場合、画像認識部210は、たとえば文字の天地関係から原稿Gの載置状態の天地を判断し、回転処理部260は、画像認識部210による判断結果が“天地逆”を示していることを条件として、読取画像を180度回転させてもよい。その回転対象は、見開き画像およびページ画像ごとの何れでもよい。あるいは画像認識部210による自動判断に代えて、“天地逆”で読み取る旨のユーザ指示をユーザインタフェース部60にて受け付けるようにしてもよい。
【0116】
また、連続複写処理をしている過程では、用紙切れが生じることもある。このような場合、セット方向が異なる同一サイズの印刷用紙Pが給紙トレイ52にあれば、その印刷用紙Pを選択するとともに、画像再構成部250により再構成され記憶媒体202に格納されている見開き画像を回転処理部260により90度回転させてから画像出力部30に送ることで、処理を中断させることもない。
【0117】
また上記第1実施形態では、表紙および裏表紙以外は元原稿のページ配列順に読み取ることを基準に説明したが、読み取る順序をユーザに委ねてもよい。この場合、何れのページを読み取るのか(あるいは読み取ったのか)をユーザに指定させる構成とする。あるいは、公知の文字認識の手法を利用して、原稿画像のページ記載部分(図5参照)からページ番号を自動認識してもよい。なお、たとえば前書き、目次、索引、あるいは後書きなどの、ページ記載部分がない項目部分のページ画像については、それぞれの部分ごとにユーザからのページ指定を受け付けるのがよい。勿論、本文も元々ページが付与されていない場合には、ユーザからのページ指定を受け付ける。
【0118】
そして全ページの読み込みが完了したら、前書き、目次、本文、索引、あるいは後書きなどの項目ごとの大枠の配列順を決めた後、元画像の全体のページ配列順を改めて決定してから、ソート処理をすればよい。
【0119】
なお、途中までは第1実施形態のように元原稿の頁順で読み込み、それ以降最終ページまではユーザに委ねる、あるいはその逆、さらには途中のみユーザに委ねるなど、任意に組み合わせてもよい。
【0120】
また上記第1実施形態では、全ページを読み込んでから読込ミス(重複や欠落)に対する変更を受け付けるようにしていたが、読込み途中にミスに気付い時点で変更を受け付けるようにしてもよい。また、同一ページに対する再読込(書換え)を、読込み途中であるいは全ページを読み込んだ後に、受け付けるようにしてもよい。
【0121】
また上記第1実施形態では、中綴じ可能に両面複写するための見開き画像(図7(D)参照)を全印刷用紙Pかつ表裏用について画像再構成部250により再構成し、この再構成後の見開き画像を記憶媒体202に記憶していたが、これに限らずたとえば、印刷用紙Pの表面あるいは裏面に転写処理をする都度、先ず画像再構成部250により中綴じ可能に両面複写するために必要なページ番号(図7(A)参照)の画像を記憶媒体202から読み出して見開き画像(図7(D)参照)を再構成し、その後直ちにこの再構成後の見開き画像を画像出力部30に送って転写処理するようにしてもよい。
【0122】
図9は、第2実施形態の処理手順の概要例を示すフローチャートである。ユーザインタフェース部60および電子ソート部200の機能構成のブロック図は、第1実施形態と同じでよい。この第2実施形態は、中綴じされた定型サイズとは大きく異なるサイズの見開き原稿Gを定型サイズの印刷用紙Pに複写する場合について説明する。定型サイズとは大きく異なるサイズの原稿Gとしては、CDの歌詞カードなどがある。
【0123】
中綴じモードが設定されているときには(S100−YES)、電子ソート部200は、先ずレイアウト設定画面を表示部690に表示させる(S202)。このレイアウト設定には、印刷用紙P上に配置するページ画像の位置、印刷用紙P上に配置するページ画像の数などを含む。たとえば、複写物の使用用途に合わせて、印刷用紙P上のどの位置にページ画像を配置するのかの指定、縦/横の変倍率の指定、印刷用紙P上の片面に何ページ分の画像を配置するかやそのときの向きなどを設定可能にする(後述する図10に示す種々のレイアウトを参照)。
【0124】
レイアウト設定が完了したら、カラー複写装置1は、第1実施形態のステップS102〜S114と同様に、原稿Gの載置位置や向き(天地を含む)あるいは読み込む順序をユーザに案内しながら、原稿Gを見開き状態で読み取り、読み取った見開き画像を記憶媒体202に保持する(S202)。全ページ分を読み込んだら、全てのページ画像について指定されたレイアウト設定と適合するように、第1実施形態のステップS120〜S138と同様にソートなどの処理する。そしてステップS138にて複写イメージ画像を表示部690に表示させ、レイアウト変更を必要とするかどうかをユーザに問い合わせる(S204)。このレイアウト変更には、切出し範囲やページ並びのミス(読取り順序の間違い)、あるいは重複や欠落(読取ミス)など第1次実施形態のものに加えて、レイアウト設定時と同じように印刷用紙P上に配置するページ画像の位置、印刷用紙P上に配置するページ画像の数なども含む。
【0125】
ユーザインタフェース部60は、ユーザからのレイアウト変更の意志を受け付けると、変更受付部280に通知する(S204−YES)。この通知を受けた変更受付部280は、表示部690の表示画面をレイアウト設定画面に切り替えさせ、設定変更の通知を待つ(S206)。
【0126】
このときの表示画像としては、読み取られた見開き画像の任意の1枚を選択して利用することができるようにする。変更受付部280は、このレイアウト設定画面上にて、切出し範囲やページ並びのミスや読取ミスなど第1次実施形態と同様の変更を受け付けるとともに、印刷用紙P上のページ画像の配置位置やページ画像数などの変更を受け付ける(S142)。ユーザは、表示部690に表示された各見開きの複写イメージ画像を確認し、レイアウトを再確認するとともに、たとえば、全ページについてレイアウトを共通に再設定したり、あるいは特定の見開きページについてのみ倍率を変えたり配置位置を変えるなどの、個別の指定もできる。
【0127】
問題ない場合には(S204−NO)、第1実施形態のステップ144〜S148と同様に、画像再構成部250により中綴じ可能な所定ページ分の1枚の見開き画像を再構成してから、画像出力部30にて転写処理する。そしてこれを所定枚数(総ページ数の1/4)まで、表面および裏面への転写処理が完了するまで繰り返す。
【0128】
図10は、第2実施形態の処理手順におけるレイアウト設定の一例を説明する図である。この第2実施形態では、ページ画像を印刷用紙P上のプリセット位置に配置するように初期設定しておくとともに、ユーザからのレイアウト設定指示を受け付けたときには、ユーザが指定した印刷用紙Pの任意の位置に印刷するようにする。
【0129】
なお、何れのレイアウト態様においても、所定の位置にて2つ折りすることで冊子が形成可能なように、表面画像と裏面画像が同じ位置に複写されるように、自動的に両面のイメージの位置を合わせる。また、予めレイアウト見本を用意しておき、ユーザインタフェース部60を介して、レイアウト形式を選択することができるようにしてもよい。
【0130】
ここで、設定されたレイアウトとなるようにするには、画像回転や読取画像への情報付加、あるいは画像合成などの各手法が必要になるが、これらの各手法は公知であるので、個々の手法の詳細な説明は割愛する。なお変倍など、一部の手法については、第1実施形態で示した機能要素(変倍時には変倍処理部270)がその作用をなすのはいうまでもない。
【0131】
たとえば図10(A1)に示すように、プリセット位置は表面を複写したときプラテンガラス11の左奥に合わせた部分が印刷用紙Pの右上隅に複写されるようにする(図4(A)および第1実施形態と同様)。この場合、たとえばB4サイズの幅方向中心と非定型サイズの幅方向中心とは一致しない。そして、このプリセット位置に対して、たとえば図10(A2)に示すように、B4サイズの印刷用紙Pの幅方向中央に移動させる(以下サイドセンタシフトという)などユーザが任意にサイド位置を選択可能にする。
【0132】
図10(A2)に示すように幅方向中央に配置すると、B4サイズの幅方向中心と非定型サイズの幅方向中心とが一致する。したがって、印刷用紙Pをその幅方向中心で2つに折ることで、仕上りの2つ折りを形成でき、図10(A3)に示すように、非定型サイズに切り取らなくても、見開きの左右ページが正しく分かれた冊子状態にすることができる。
【0133】
また、図10(A4)に示すように、B4サイズの印刷用紙Pの縦方向について、その中央に移動させる(以下ハイトセンタシフトという)などユーザが任意に高さ位置を選択可能にしてもよい。さらに図10(A2)および図10(A4)の両者を組み合わせることで、たとえば図10(A5)に示すように、幅方向および縦方向の両者をその中央に移動させる(以下センタシフトという)など、見開き画像を印刷用紙P上の任意の位置に配置させることができる。
【0134】
なお、上記図10(A1)〜図10(A4)に示した例は、見開きの左右のページを同時に移動させる形態で説明したが、これに限らず、左右のページを独立に移動させる形態とすることもできる。たとえば、先ず見開きの位置を上記図10(A1)〜図10(A4)に示したようにして確定させた後、その見開き領域を2分して各ページの画像領域を決定し、その各ページの画像領域の範囲内で、上記図10(A1)〜図10(A4)の手法に準じて、左右(縦置きの場合には上下)の各ページの画像の配置位置を決定すればよい。
【0135】
これにより、たとえば横置きの印刷用紙P上の左右にページ画像を配置する際、2つ折り線(印刷用紙Pの幅方向中心)を挟んで、左右のページ画像を反対方向外側に配置するようにすれば、2つ折り線を挟んで所定の綴じ代を確保することができる。そしてたとえば綴じ代部が少ない中綴じ原稿を読み取った後、綴じ代部の少し内側を横からステープラで綴じるあるいは糊付けするなど片綴じにした際、その綴じ代による画像欠けが生じないようにすることができる。
【0136】
また、図9に示したステップS138以降の画像確認およびレイアウト変更の際には、読み取った各ページ画像を左右(または上下)の各ページの画像領域に表示させるとよい。これにより、図9に示したステップS102では全ページ(見開き状態でもよい)に対しての共通の配置位置を指定するとともに、任意の見開きページあるいはその左右のページについては、ステップS206,S142にて個別に配置位置を設定することができる。
【0137】
配置位置設定のためのメニューとしては、図10(A1)の右上隅を示す“プリセット”、図10(A2)の“サイドセンタシフト”、図10(A4)の“ハイトセンタシフト”、図10(A5)の“センタシフト”、また左右のページ画像を2つ折り線を挟んで反対方向に移動させることで綴じ代を確保する“綴じ代”、の各メニューと、たとえば上下左右の各シフトキー662〜665および確定キー666を利用した“任意設定”のメニューを用意するとよい。
【0138】
また図10(B)の各図に示すように、非定型サイズが定型サイズに収まるように、変倍処理部270により原稿画像を拡大もしくは縮小して、印刷用紙Pの所定の位置に配置してもよい。この場合、原稿Gの横および縦の何れか一方が印刷用紙Pの横や縦と一致するように、それぞれ共通の倍率で拡縮してもよい。
【0139】
たとえば図10(B1)に示す横長の画像を、図10(B2)に示すように横方向が一致するように、縦横ともに同倍率で拡大する。また、図10(B3)に示すように、原稿Gの幅(横)方向と縦方向の長さ比率(縦横比)が印刷用紙Pの縦横比と近いときには、図10(B4)に示すように、原稿Gの幅(横)と縦がそれぞれ印刷用紙Pの横や縦と一致するように、それぞれ独立の倍率で拡縮してもよい。この場合、画像の縦横が多少歪むが、印刷用紙Pの略全面(上下左右の端部マージンを除く;後述の図10(C1)参照))に亘って複写される。
【0140】
なお、図9に示したステップS102では全ページ(見開き状態でもよい)に対しての共通の倍率を指定するとともに、ステップS138以降の画像確認およびレイアウト変更の際には、読み取った各ページ画像を左右(または上下)の各ページの画像領域に表示させ、任意の見開きページあるいはその左右のページについては、ステップS206,S142にて個別に倍率を設定するようにするとよい。
【0141】
倍率設定のためのメニューとしては、等倍(縦/横ともに)を示す“プリセット”、印刷用紙P内に収まる範囲で横および縦の何れか一方が印刷用紙Pの横や縦と自動的に一致するように共通の倍率で変倍する“オートリサイズ”、選択指定された横/縦の一方のみが一致するように共通の倍率で変倍する“横リサイズ”や“縦リサイズ”(この場合他方は印刷用紙P外にはみ出すことがあり得る)、横および縦の両方が印刷用紙Pの横や縦と自動的に一致するように独立の倍率で変倍する“全面サイズ”、の各メニューと、たとえば上下左右の各シフトキー662〜665および確定キー666を利用した“任意倍率設定”のメニューを用意するとよい。
【0142】
また一般的には、図10(C1)に示すように、印刷用紙Pの端4辺に、複写できない範囲(マージン)がある。したがって、用紙の端いっぱいまで画像のある原稿を印刷用紙Pに複写する場合や、画像を移動させて複写する場合には、数mmの用紙ふち分の画像が消されてしまうことがある。そこで、端4辺のマージン量を変更可能にしてもよい。あるいは、消込み量を考慮して、イメージ欠けが発生しないように、ページ画像を自動または任意に縮小したり移動させるようにしてもよい。
【0143】
マージン量を変更するメニューとしては、たとえば、端4辺のマージン量を標準値にする“プリセット”、標準値とは異なる予め用意された複数の設定値の中から選択可能な“サブセット”(選択時はシフトキー662〜665を利用可能)、上下左右の各シフトキー662〜665および確定キー666を利用した上下左右の各辺のマージン量を所定範囲(たとえば20mm)内で任意に設定する“マニュアル設定”のメニューを用意するとよい。なお、“サブセット”の1つには、端4辺のマージン量を“0;ゼロ”にするメニューを用意する。
【0144】
また、変倍処理部270により、印刷用紙P上のマージン量を除く範囲に収まるようにページ画像を僅かに縮小(前記“0;ゼロ”のメニューが選択されたときは等倍)する“全面”のメニューを用意する。これにより、画像欠けのない100%以下の最大倍率を自動選択することができる。なお、画像出力部30における転写時の位置ズレに起因する画像欠けを考慮し、マージン量の設定として“0;ゼロ”のメニューが選択された状態で“全面”が指定されたときにも、僅かに縮小(たとえば98%)するようにしてもよい。
【0145】
また原稿Gのサイズおよび載置向きと印刷用紙Pのサイズおよびセット向きの関係によっては、たとえば“A3→B4”,“A3→A4”“A4→A3”など定型サイズ同士で拡縮するように予め定められている固定倍率で、拡大または縮小してレイアウトすることができることがある。たとえば、見開きサイズA3の原稿を読み取るときに、A4サイズの印刷用紙Pしか用意されていない場合などである。このような場合、先ず前述の関係から装置にとって都合のよい関係に基づくレイアウトを先ず決定しそのレイアウトをユーザに提示し、ユーザが仕上がりサイズが異なることを許容する場合、ページ画像を前記の固定倍率で拡大または縮小してレイアウトして、両面複写する。
【0146】
さらにこの場合において、原稿Gと印刷用紙Pの向きが異なるときには、図10(C2)に示すように、ページ画像を時計方向または反時計方向に90度回転させて配置する。これにより、その時点にて使用し得るA4サイズの印刷用紙Pを用いて、見開きサイズA3の原稿Gを見開きサイズA4の冊子にすることができる。勿論、意識的に、小さなもしくは大きなサイズの印刷用紙Pを使用して所望サイズの冊子にすることもできる。
【0147】
また原稿Gサイズと印刷用紙Pサイズとの関係によっては、1枚の印刷用紙Pの表面(または裏面)に2ページ分より多い領域を確保できることもあり得る。またたとえば、片面に6ページ分(表裏で12ページ分)の画像をレイアウトすることもできるし、3/2倍に拡大すると片面に4ページ分(表裏で8ページ分)の画像をレイアウトすることもできる、さらにはページ画像を90度回転させると変倍しなくても片面に4ページ分(表裏で8ページ分)の画像をレイアウトすることができる、などの場合も起こり得る。
【0148】
このような場合、第1実施形態で示した、片面に2ページ分の画像をレイアウトする2アップ(表裏で4ページ分)に限らず、それ以上の、たとえば片面に3ページ分の画像をレイアウトする3アップ(表裏で6ページ分)や、片面に4ページ分の画像をレイアウトする4アップ(表裏で8ページ分)、さらには表裏で12ページ分、…、2nページ分というように、印刷用紙Pの片面をn等分し、そのn等分した領域に見開きの左右ページを配置する(計nページ)ことで、1枚の印刷用紙P上により多くのページ数分の複写ができるようにレイアウトしてもよい(図10(D)の4アップの例を参照)。また冊子としたときに各ページの上下左右の向きが揃うように、ページによってページ画像を90度あるいは180度回転させてレイアウトしてもよい。
【0149】
これにより、印刷用紙Pの無駄を防止することができる。また複写代金を節約することもできる。さらに、図10(D)に示したページ配列とは異なるが、n等分した領域に、等分線を挟んで同じページ画像を配置するようにすれば、1回の複写操作で、複数(n分)の冊子を作成することができる。
【0150】
またたとえば、特に冊子の下地が白色など薄い色の場合は、印刷用紙P上での裁断位置や2つ折り位置が分かり難くなることがある。このような場合、冊子の下地濃度が所定レベル以下のときには、ページごとに分かれるように、たとえば図10(E1)に示すような切取線や折線を全体に亘って、あるいは、図10(E2)に示すように切取位置を示すマーカー(切取マーカやトンボ)を頂角部分や端辺部分などに、自動的に付加してもよい。また、折線あるいは切取線やマーカを付加するかどうかやその付加位置をユーザインタフェース部60にて、ユーザが指定できるようにしてもよい。
【0151】
なお、裁断位置と2つ折り位置とを区別可能なように、たとえば裁断位置を点線で、2つ折り位置を一点鎖線で示すなど、線種を変えておくことが望ましい。これにより、間違うことなく複数の見開きページに裁断でき、また2つ折りが簡単になり、小冊子が作り易くなる。また、2つ折り位置を示す折線を目安にして、中綴じ用のステープルを打つこともできる。
【0152】
また、セット基準に原稿Gの1頂点を合わせて読み取ったとしても、読取画像には多少の傾きを持つこともある。またその傾きは左右のページで異なることもあり、ページを捲って読み取る都度、あるいはプラテンカバー116(やユーザの手)での原稿Gの抑え方によっても異なる。このような場合、見開き状態であるいは左右ページ独立で、画像の傾きを自動的に判断し、たとえばアフィン変換などの公知の画像回転の手法を利用して原稿画像を所定量だけ回転させることで、その傾きを自動補正するようにしてもよい。あるいは、ユーザインタフェース部60を介して、ユーザからの指定により画像を回転させるようにしてもよい。
【0153】
なお、図9に示したステップS102では全ページに対して回転量を“0;ゼロ”にプリセットしておき、ステップS138以降の画像確認およびレイアウト変更の際には、読み取った各ページ画像を左右(または上下)の各ページの画像領域に表示させ、任意の見開きページあるいはその左右のページについては、ステップS206,S142にて個別に傾きを補正するようにするとよい。
【0154】
傾きを補正するメニューとしては、たとえば、見開きページを1つの画像として回転させる“全ページ回転”、左右のページ画像を独立で回転させる“左ページ回転”や“右ページ回転”、それぞれの回転中心を画像中心および4頂点の中の1つから設定する“回転中心設定”、その任意の見開き画像もしくは各ページ画像の回転量を“0;ゼロ”(プリセット)に戻す“クリア”、の各メニューを用意する。回転量の調整は上下左右の各シフトキー662〜665および確定キー666を利用するとよい。また、上下左右の各シフトキー662〜665および確定キー666を利用した回転中心を任意に設定する“マニュアル中心設定”のメニューを用意してもよい。
【0155】
上述のようにして、種々のレイアウト設定態様の中からユーザの好みのレイアウトが設定されると、その設定情報はユーザインタフェース部60から画像取得部10や電子ソート部200に通知される。そして画像取得部10にて原稿Gを読み取る際に読取光学系の縮小率を変えることで設定された変倍率で読み取る、あるいは電子ソート部200にて記憶媒体202に画像データ(画像形成データ)を記憶する際に、ページによって90度または180度回転させ、原稿サイズと印刷用紙サイズに合わせて変倍処理して記憶させるなどすることにより、ソートの処理時間を短縮することができる。
【0156】
なお、予め画像取得部10にて等倍以外の設定された変倍率で読み取る場合、その読取倍率をページ画像に対応付けて記憶媒体202に記憶しておくことが望ましい。こうすることで、あとで倍率変更する際に不都合を生じない。
【0157】
図11は、第3実施形態の処理の概要を示す図であって、図11(A1)および図11(A2)は原稿Gの一例を示す図、図11(B)は処理手順の一例を示したフローチャートである。ユーザインタフェース部60および電子ソート部200の機能構成のブロック図は、第1実施形態と同じでよい。この第3実施形態は、中綴じでない書籍などの片綴じの原稿を読み取って中綴じの冊子にする形態である。図11(B)では、第2実施形態への変更態様として示している。
【0158】
原稿Gが元々中綴じであれば、各用紙上に4ページ分の画像が存在し(無画像も含む)、その用紙(見開きサイズ)の枚数をQとすると、総ページ数Nは、4Qとなる(図3や図7(A)を参照)。しかしながら、原稿Gが中綴じでない場合には、片サイズ(見開きの半分のサイズ)の用紙の枚数をqとすると、総ページ数Nは、図11(A1)に示すように、q=2m(mは正の整数)のときにはN=2q=4mとなり、総ページ数が4の倍数であるので、片サイズの長辺側を合わせた大きさの印刷用紙Pをm枚使うことで、複写物を中綴じにすることができる。
【0159】
これに対して、図11(A2)に示すように、q=2m+1(mは正の整数)のときにはN=2q=4m+2となるので、そのままでは中綴じにすることはできない。そこで第3実施形態では、さらに2ページ分を所定位置に付加して、総ページ数を4の倍数にすることで、図11(A2)に示す原稿Gについても中綴じにすることとする。
【0160】
たとえば図11(B)に示すように、中綴じモードが設定されているときには(S100−YES)、第2実施形態と同様に、レイアウトを初期設定し(S200)、原稿Gの載置位置や向き(天地を含む)あるいは読み込む順序をユーザに案内しながら、原稿Gを見開き状態で読み取り、読み取った見開き画像を記憶媒体202に保持する(S202;第1実施形態のS102〜S114)。全ページ分を読み込んだら(S116−YES)、レイアウト設定をユーザに確認させながら、それぞれのページ画像を用意する(S300;第1実施形態のS120〜S134と同じ)。
【0161】
そして、画像ソート部240は、読み込んだ総ページ数Nが4の倍数(N=4Q)であるか否かを判断する(S302)。総ページ数Nが4の倍数でなければ、画像ソート部240は、中綴じするためには不足する2ページ分の画像を追加する(S302−NO,S304)。
【0162】
2ページ分を付加する位置は、たとえばステップS304の右側の枠内の下段に示すように、表紙側あるいは裏表紙側の最初の見開き位置とするのがよい(図は裏表紙側の例)。これは、通常であれば、表紙を1ページ、裏表紙を最終ページに配するとともに、元原稿Gの見開き状態を維持するようにするためである。なおこれに限らず、任意の位置に配してもよい。たとえば、ステップS304の右側の枠内の上段に示すように、最終ページ(図では10ページ)に引き続いて単純に追加するだけでもよい。
【0163】
追加する2ページ分の画像は無画像(白紙ページ)であってもよいし、予め用意されている画像であってもよいし、ユーザにて指定された画像でもよい。あるいは、ステップS206の下側の枠内に示すように、最内部に位置する印刷用紙Pの裏面に配置してもよい。この場合、白紙ページとするのがよい。
【0164】
中綴じ可能になったら(S302−YESまたはS304の後)、画像ソート部240は、全てのページ画像(S304を経由するときには追加した2ページ分を含む)について、指定されたレイアウト設定と適合するように、第1実施形態のステップS136と同様にソートなどの処理する。
【0165】
そしてステップS138にて複写イメージ画像を表示部690に表示させ、レイアウト変更を必要とするかどうかをユーザに問い合わせる(S204)。ユーザインタフェース部60は、ユーザからのレイアウト変更の意志を受け付けると、変更受付部280に通知する(S204−YES)。この通知を受けた変更受付部280は、表示部690の表示画面をレイアウト設定画面に切り替えさせ、設定変更の通知を待つ(S206)。
【0166】
変更受付部280は、総ページ数Nが4の倍数でないときには、このレイアウト設定画面上にて、2ページ分を付加する位置や追加する2ページ分の画像の変更も受け付ける(S142,S304)。そして、問題ない場合には(S204−NO)、第1実施形態のステップ144〜S148と同様に、画像再構成部250により中綴じ可能な所定ページ分の1枚の見開き画像を再構成してから、画像出力部30にて転写処理する。
【0167】
このように第3実施形態によれば、片綴じの原稿Gを読み取ったときに、その総ページ数が4の倍数でない場合であっても、不足する2ページ分を挿入することにより、中綴じの冊子を作成することができる。
【0168】
なお、この第3実施形態から推測されるように、中綴じであるのか片綴じであるのかを問わず、全ページを読み込んでいないために総ページ数が4の倍数とならない場合(奇数も含む)、総ページ数が4の倍数となるように不足のページ数分の画像を追加することで、このような特殊な読取り形態であっても、中綴じの冊子を作成することができる。
【0169】
図12は、ユーザインタフェース部60および電子ソート部200の機能構成の他の形態を示すブロック図である。以下この形態を第4実施形態という。この第4実施形態では、電子ソート部200は、第1実施形態の記憶媒体202に代えて、画像メモリ204を備えている。なお図示していないが、電子ソート部200は、後述の各種処理を画像に対して施すためのワークメモリを有する。
【0170】
画像メモリ204としては、印刷用紙P1枚分の容量のものを使用する。この画像メモリ204は、たとえば第1実施形態のように、片面に2ページ分を配する場合であれば、原稿Gを読み取った2ページ分の画像を保持する。また第2実施形態の図10(D)に示したように、片面に2ページ分よりも多い2ページ分を配する場合であれば、原稿Gを読み取った2ページ分の画像を保持する。なお、いずれにしても、印刷用紙P1枚分の容量であることに変わりはない。
【0171】
この第4実施形態では、原稿Gを読み込んだ全てのページ画像を画像メモリ204に記憶することはできない。そこで、見開き原稿を読み取って中綴じの冊子を作成する際の、印刷用紙P上に配置すべきページ画像の関係(図7(A)を参照)に基づいて、印刷用紙Pの表面や裏面に見開き状態の複数のページ画像を配置するために読み込むべきページをユーザに案内して、その案内に従って原稿Gを読み込んで見開き状態の画像を画像メモリ204に保持してから、画像出力部30にて転写処理をするという一連の処理を、全ページの読み取りが所定順で終わるまで系列的に繰り返す。
【0172】
原稿Gの載置位置や向き(天地を含む)をユーザに案内してもよい。このとき、図示しないワークメモリを利用して、画像回転や拡縮などの処理をしてもよい。勿論、読取り後、転写に先立って、ユーザに複写イメージ画像を提示し、変更を受け付けるようにしてもよい。この変更には、ページ画像の再読取(読み直し)も含む。
【0173】
図13は、第4実施形態の処理手順の一例を示したフローチャートである。図13では、第2実施形態への変更態様として示している。たとえば、8ページの左綴じ冊子を読み取って左綴じかつ中綴じの冊子を作成する場合、電子ソート部200は、まず1枚目表面に転写されるべき1および8ページの画像を読み取らせる。すなわち、1ページ目(表紙)および8ページ目(裏表紙)を見開いた状態でプラテンガラス11のセット基準に天地を合わせて置くように表示部690やスピーカ692などを利用して指示する(S400)。
【0174】
そして、読み取った見開き画像(図7(C)の左から1番目を参照)を画像メモリ204に保持させる(S402)。画像分割部220は、画像メモリ204から見開き画像を読み出してページ画像(図7(B)の左から1番目と2番目を参照)に分割し、再度画像メモリ204に保持させる(S404)。
【0175】
画像再構成部250は、画像メモリ204から読み出した1ページ目の画像を右側に、8ページ目の画像を左側に配してページ再配列した見開き画像(図7(D)の左から1番目を参照)を生成し、再度画像メモリ204に保持する(S406)。このとき、原稿Gと印刷用紙Pのサイズ関係や配置関係など必要に応じてページ画像を回転させてから見開き状に配する。
【0176】
引き続き、電子ソート部200は、この見開き状にした画像(複写イメージ画像)を表示部690にてユーザに提示する(S408)。この表示には、読み込むべきページ番号などを表示するのがよい。このとき最初にユーザから総ページ数の入力を受けていたときには、最終ページ側のページ番号を表示できるが、そうでない場合には、“最終ページ”と表示する。
【0177】
ユーザインタフェース部60は、ユーザからのレイアウト変更の意志を受け付けると、変更受付部280に通知する(S410−YES)。この通知を受けた変更受付部280は、表示部690の表示画面をレイアウト設定画面に切り替えさせ、設定変更の通知を待つ(S206a)。たとえばユーザは、読込みページのミス(片ページ読みも含む)があったときには再読込できる。
【0178】
特に不都合がなければ、ユーザはスタートキー630を押下する。記憶制御部230は、このスタートキー630の押下を受けると、画像メモリ204に保持されている1枚目の表用の見開き画像(表紙および裏表紙分)を示す画像形成データ(2アップ画像)を読み出して画像出力部30に入力する。画像出力部30は、この画像形成データに基づいて1枚目の表面に転写処理をし、印刷用紙Pを反転させて、両面複写路56から感光体ドラム32の前までの所定位置で裏面転写に控える(S420)。
【0179】
この1枚目表面への転写処理が完了したら、電子ソート部200は、1枚目裏面に転写されるべき2および7ページの画像を読み取るように指示する。このとき、2および7ページを見開いた状態で同時に読み込むことはできないので、表表紙側(ここでは2ページ目)および裏表紙側(ここでは7ページ目)の何れか一方ずつ、各ページを独立で、その天地をセット基準に合わせるように原稿Gのセット方法を表示部690やスピーカ692などで案内するとともに、読み込むべきページを指示する(S430)。
【0180】
このとき、上記ステップS408と同様に、先に読み取った表紙および裏表紙に基づいて電子ソート部200(具体的には画像再構成部250)により生成した見開き状の画像を表示部690にてユーザに提示する。これにより、ユーザは、案内されたページ番号だけでなく、この見開き状の画像によっても、次に読み取らすべき表紙側あるいは裏表紙側のページを特定することができる。
【0181】
次に記憶制御部230は、読み取った各ページの画像(図7(B)の左から3番目と右から1番目を参照)を画像メモリ204に保持させる(S432)。画像再構成部250は、画像メモリ204から読み出した7ページ目の画像を右側に、2ページ目の画像を左側に配してページ再配列した見開き画像(図7(D)の左から1番目を参照)を生成し、再度画像メモリ204に保持する(S434)。このとき、原稿Gと印刷用紙Pのサイズ関係や配置関係など必要に応じてページ画像を回転させてから見開き状に配する。
【0182】
引き続き、電子ソート部200は、この2および7ページを見開き状にした画像を表示部690にてユーザに提示する(S436)。この表示には、“2ページ”(一般化するとnページ)と最終ページ側のページ番号“7”(一般化すると“N−n+1”ページ)そのもの、もしくは“最終ページ−1”(一般化すると“最終ページ−1+1”)と表示する。
【0183】
そして、1枚目表面と同様に、必要に応じて変更を受け付けた後(S438)、画像メモリ204に保持されている1枚目裏用の見開き画像を示す画像形成データ(2アップ画像)を読み出して画像出力部30に入力する。画像出力部30は、この画像形成データに基づいて1枚目の表面に転写処理をする(S440)。そして、裏面転写が完了した後、印刷用紙Pを機外へ排出する(S446)。
【0184】
以下2枚目の表→…というように、総ページ数の1/4枚の裏面への転写が完了するまで、次の印刷用紙Pの表面もしくは裏面の左右に転写されるべきページの画像を、その読み取るべきページを案内しながら、各ページごとに読み取らせ、上記ステップS430〜S446の処理を繰り返す(S444)。またこのとき、上記ステップS430について述べたように、先に読み取った生成した見開き状の画像を表示部690にてユーザに提示する。これにより、ユーザは、案内されたページ番号だけでなく、この先に(直前に)読み取って生成した見開き状の画像によっても、次に読み取らすべき表紙側あるいは裏表紙側のページを特定することができる。
【0185】
各印刷用紙Pについて、表面転写が完了した後には、印刷用紙Pを反転させて、感光体ドラム32の前で裏面転写に控える。なお、最内部の見開きページは、総ページ数が4の倍数である限り、表紙および裏表紙と同じように見開きの状態で同時に読み取ることもできる。そこで、たとえばユーザから“最終読込”である旨の指示を受けたときには、ステップS400のように見開いた状態でプラテンガラス11のセット基準に天地を合わせて置くように指示して読取り、ステップS404のように各ページ画像に分割してもよい。
【0186】
このように、第4実施形態によれば、電子ソート部200による案内に従って原稿Gの所定ページを読み取ることで、少ないメモリ容量(印刷用紙P1枚分)でも、複数の印刷用紙Pに対して中綴じ可能な両面印刷を完結させることができる(図7(E)を参照)。電子ソート部200による案内は、装置固有の転写状況や印刷用紙Pの載置向きなどに応じて適切な置き方などを指示できるので、ユーザは、原稿Gを捲って指示されたように原稿Gをプラテンガラス11上に置くだけでよく、戸惑うことなく中綴じ可能な複写物を生成できる。
【0187】
上記第4実施形態では、表紙および裏表紙を見開きで読み取ることとしていたが、他の内側のページと同じように、それぞれ独立に読み取ってもよい。また、表紙側および裏表紙側の各ページを独立に読み取るに際しては、各ページの天地をセット基準に合わせるようにしていたが、見開き状態でセット基準に合わせるようにしてもよい。
【0188】
これは、たとえば左綴じの冊子の場合、表紙側のページの天地をセット基準に合わせようとすると、綴じ代部分をリードレジガイドLRGに合わせる必要があるが、実際にはリードレジガイドLRGと綴じ代部分とが突き当たらないので、傾きがないようにセットすることは難しく、それよりも、見開き状態にして右ページ側(裏表紙側のページ)の端辺をリードレジガイドLRGに突き当ててることで、傾きがないようにセットすることの方が容易だからである。
【0189】
また、裏表紙側のページの天地をセット基準に合わせようとすると、見開き状態よりもさらに開き略360度まで捲ってから、裏表紙側のページの端辺をリードレジガイドLRGに突き当てる必要があり冊子に対してストレスを与えてしまうが、それよりも、見開き状態にして裏表紙側のページの端辺をリードレジガイドLRGに突き当て、左ページ(表紙側のページ)を、そのまま見開きにしておいた方がセットが容易で、冊子に対してもストレスを与えないからである。
【0190】
これらの場合、見開き状態でセットされたことを原稿センサ118により検知することができる。そして、原稿Gの全面すなわち読取領域GA+読取領域GBに亘って見開きサイズで読み取ってから、画像分割部220により左右ページに分割し、該当ページ部分の画像を取り出す。あるいは、何れのページを読み込むべきかを前記案内により判断できるので、それとの対応をとって、たとえば左綴じの場合、表紙側のページを読み込む必要があるときには読取領域GBのみ、裏表紙側のページを読み込む必要があるときには読取領域GAのみをそれぞれ片サイズで読み取るようにしてもよい。これにより、ユーザは、読取り対象ページに合わせて原稿Gのセットの仕方を変える必要はなく、常に原稿Gを見開きでセットすればよく、原稿Gのセット方法を特別に意識しなくてもよくなる。
【0191】
なお、上記説明では印刷用紙Pの片面に2ページ分を配置させることとしていたが、この第4実施形態においても、たとえば図10(D)に示したように、それ以上の数のページ画像を配置することもできる。
【0192】
上記第4実施形態では、読み取った原稿Gが中綴じでない場合、あるいは読込ミスなどによって、総ページ数が4の倍数でないことも起こり得る。そこで、このような場合にも読み取ったページ分を中綴じ可能なように、全ページ読取り完了の指示を受けた後、画像ソート部240は、読み込んだ総ページ数Nが4の倍数(N=4Q)であるか否かを判断する(S450)。総ページ数Nが4の倍数でなければ、最後の印刷用紙Pは、表面への転写が完了し、反転した状態で裏面への転写を待機している状態にある。
【0193】
そこで、この表面への転写が完了している印刷用紙Pを、そのまま直ちに機外へ排出する。すなわち、裏面は白紙ページとしておく。あるいは画像ソート部240は、中綴じするためには不足する2ページ分の画像を追加し転写させた後に機外へ排出する(S452−NO,S454)。追加する2ページ分の画像は、予め用意されている画像であってもよいし、ユーザにて指定された画像であってもよい。
【0194】
なお、予め総ページ数が4の倍数でないことが分かっているときには、先ず上記第3実施形態で説明したように、不足ページに対応して追加すべきページの位置およびそれに使用する画像を予め決定し全体の原稿Gのページ配列を求める。次に、この求めたページ配列に応じて、中綴じ可能にするためのページ配置を図7(A)に示したようにして決定し、その結果に基づいて、系列的に読み取らすべきページをユーザに案内しながら該当ページの画像を読み取るようにすればよい。たとえば総ページ数が指定されたときに、4の倍数でなければ、最初に追加ページを配すべき位置や画像の指定を受け、それに応じたページ画像の読取り順序を決定し、その決定に基づいて、読み取るべきページをユーザに案内する。
【0195】
上記第4実施形態では、反転機構部50を利用して印刷用紙Pを反転させる形態で説明したが、ユーザの手を介して印刷用紙Pを反転させもよい。この場合、読み取るべきページや、原稿Gのプラテンガラス11へのセット方法を表示部690などで案内することに加え、手差し用の原稿カセット41への、表面に画像が転写された印刷用紙Pのセット方法(縦置き/横置きの区別、天地の何れを挿入口に配するか、あるいは表裏の何れを上にして載置するかなど)も案内する。
【0196】
これにより、ユーザの手を介して反転させて両面複写する場合であっても、ユーザは、原稿Gを捲って指示されたように原稿Gをプラテンガラス11上に置き、裏面転写時には、指示されたように印刷用紙Pを手差し用の原稿カセット41に置くだけでよく、戸惑うことなく中綴じ可能な複写物を生成できる。
【0197】
なお、このよう手差し用の原稿カセット41を利用するのは、裏面への転写時に限らず、表面への転写時にも利用してもよい。たとえば、給紙トレイ52では適用できない、CD歌詞カードなど非定型サイズの原稿Gを複写する際、その歌詞カードと同じ大きさの用紙など、非定型サイズで特定用途の用紙に対しても、中綴じ可能なように両面転写ができる。
【0198】
図14は、ユーザインタフェース部60および電子ソート部200の機能構成の他の形態を示すブロック図である。以下この形態を第5実施形態という。この第5実施形態では、電子ソート部200は、第1実施形態の記憶媒体202や第4実施形態の画像メモリ204を備えていない。その代わりに、第1実施形態や第4実施形態で図示を割愛した、各種処理を画像に対して施すためのワークメモリ206を図示した。
【0199】
画像出力部30には、電子ソート部200から、印刷用紙P上の表面/裏面の何れの側に配置すべきかを示す情報に加えて、印刷用紙P上の左右の何れの側に画像を配置すべきかを示す情報が入力される。
【0200】
図15は、第5実施形態の処理手順の一例を示したフローチャートである。図15では、第2実施形態への変更態様として示している。この第5実施形態では、原稿Gを読み込んだ全てのページ画像をワークメモリ206に記憶することはできない。
【0201】
そこで、先ず画像ソート部240は、見開き原稿を読み取って中綴じの冊子を作成する際の、印刷用紙P上に配置すべきページ画像の関係(図7(A)を参照)に基づいて、印刷用紙Pの表面や裏面に見開き状態の複数のページ画像を配置するために読み込むべきページ順序を決定し(S500)、この順序に従って読み込むページをユーザに案内する(S502)。そしてその案内に従って原稿Gを読み込んで見開き状態の画像(表紙および裏表紙のみ可能)もしくはそれぞれ独立のページ画像を取得し、必要に応じて画像回転や拡縮などの処理をした後、直ちに画像出力部30に送る(S504)。
【0202】
画像出力部30は、感光体ドラム32上の所定領域にページ画像を1枚分ずつ記録することで見開き画像を潜像として形成し(S506)、その後印刷用紙Pに転写する(S508)。この一連の処理を、全ページの読み取りが所定順で終わるまで系列的に繰り返す(S510)。そして裏面転写が完了した後、印刷用紙Pを機外へ排出する(S512)。
【0203】
この際、第4実施形態と同様に、これらの一連のページ画像の読込みの都度、何れのページを読み込むべきかの他に、原稿Gをどのような状態でプラテンガラス11上にセットするのかなどを、表示部690やスピーカ692などでユーザに案内する(S502)。つまり基本的には、中綴じ可能に両面印刷するための図7(A)に示す条件に基づいて決定されるページ順序に従って、独立でページ画像を読み込む。そして、対応するもう半面分のページ画像を読み込む。
【0204】
このとき、電子ソート部200は、読み込んだページ画像を、印刷用紙P上の左右の何れの側および表面/裏面の何れの側に配置すべきかを、図7(A)に示す条件に基づいて画像出力部30に指示する。画像出力部30では、先ず感光体ドラム32の画像書込領域(潜像としての画像領域)を、右ページ用と左ページ用とに領域分割する。
【0205】
そして、電子ソート部200から2つに分けて送られてくる左右の各ページ画像を表す画像形成データに基づいて、ポリゴンミラー39などの書込走査光学系により、電子ソート部200から指示された左右の何れの側に配置すべきかを示す位置情報に対応する前記領域分割した画像書込領域に、それぞれのページ画像を書き込むことで、感光体ドラム32上に、見開き画像を潜像として形成する(S506)。
【0206】
このように、上記第5実施形態によれば、画像回転などの処理に使用するワークメモリ以外の記憶媒体を備えていなくても、中綴じ可能にするためのページ順序を求め、その順序で原稿Gを所定位置にセットするようにユーザに案内しながら各ページ画像を読み込むという一連の処理を繰り返すことで、中綴じ可能に両面複写することができる。
【0207】
上記説明では印刷用紙Pの片面に2ページ分を配置させることとしていたが、感光体ドラム32の画像書込領域を、たとえば図10(D)に示した転写態様に対応するようにより多くの数に領域分割することで、2よりも多くのページ画像を片面に配置することもできる。
【0208】
なお上記第5実施形態では、印刷用紙Pの片面に配置すべき複数のページ画像を感光体ドラム32上に潜像として形成してから印刷用紙P上に転写していたが、必ずしもこのような態様に限らない。たとえば、片面に2ページ分を配置する場合、読み込んだ片方のページ画像を感光体ドラム32上に潜像として形成したら直ちに、印刷用紙P上の、電子ソート部200から指示された左右の何れの側に配置すべきかを示す位置情報に対応する位置に転写し、その転写済の印刷用紙Pを機外へ排出する。
【0209】
そして、ユーザの手を介してその印刷用紙Pを、手差し用の原稿カセット41へ載置するように指示する。このとき、上記第4実施形態の変形例(手差しによる裏面への転写対応)で説明したのとは異なり、表面の左右の何れか一方に画像が転写された印刷用紙Pのセット方法(縦置き/横置きの区別、天地の何れを挿入口に配するか、あるいは表裏の何れを上にして載置するかなど)を案内する。
【0210】
そして、もう片方用に読み取るべきページや、原稿Gのプラテンガラス11へのセット方法を表示部690などで案内して、その画像を読み取らせる。画像出力部30は、読み込んだ残りの片方のページ画像を感光体ドラム32上に潜像として形成したら直ちに、印刷用紙P上の、電子ソート部200から指示された左右の何れの側に配置すべきかを示す位置情報に対応する位置(1回目と対になる側)に転写する。このように数回に分けて転写処理をしても、印刷用紙Pの表面に複数(本例では2)のページ画像を形成することができる。
【0211】
こうして表面への転写処理が完了したら、その印刷用紙Pを反転機構部50側へ送るのは上記他の実施形態と同じである。そして、裏面についても、表面と同じようにして、数回に分けて転写処理をすることで、印刷用紙Pの裏面に複数のページ画像を形成する。
【0212】
このように、中綴じ可能に両面印刷するための図7(A)に示す条件に基づいて決定されるページ順序に従って、それぞれ独立でページ画像を読み込んだら、印刷用紙P半面分のページ画像をその印刷用紙P上の所定位置に転写し、引き続き、対応するもう半面分のページ画像を読み込んで、印刷用紙Pの残りの半面にそのページ画像を転写することで、見開き状の画像を1枚の印刷用紙P上の表面もしくは裏面に形成することができ、これにより、中綴じ可能な両面複写物を生成することができる。
【0213】
なお上記実施形態では、電子ソート部200やユーザインタフェース部60のそれぞれの機能要素をハードウェアで構成する例を示したが、これに限らず、CPU(central processing unit)、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)、通信I/F(インターフェース)、ハードディスク装置、FD(flexible disk)ドライブ、およびCD−ROM(compact disk ROM) ドライブなどを備えたパソコンなどの電子計算機で構成することもできる。
【0214】
上記のような構成をとった場合、スキャンしたイメージにパソコンなどで作成したイメージを加えたり入れ替えたりなどの画像合成処理をすることもできる。たとえば表紙のイメージだけをパソコンで生成したイメージにするなどである。また、スキャンしたイメージの濃度や色調を加工したりといった変更(画像編集処理)もすることができる。
【0215】
そして電子計算機により構成される電子ソート部200やユーザインタフェース部60は、上記に示した各実施形態の基本的な構成および動作と同様とすることができる。たとえば、上記実施形態の処理手順をコンピュータに実行させるプログラムは、CD−ROMなどの記録媒体を通じて配布される。あるいは、前記プログラムは、CD−ROMではなくFDに格納されてもよい。また、MOドライブを設け、MOに前記プログラムを格納してもよく、またフラッシュメモリなどの不揮発性の半導体メモリカードなどのその他の記録媒体に前記プログラムを格納してもよい。またサーバなどからインターネットなどの通信網を経由して前記プログラムをダウンロードして取得したり、あるいは更新してもよい。
【0216】
なお、記録媒体としては、フロッピィディスクやCD−ROMなどの他にも、DVDなどの光学記録媒体、MDなどの磁気記録媒体、PDなどの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、ICカードやミニチュアーカードなどの半導体メモリーを用いることができる。
【0217】
記録媒体の一例としてのフロッピィディスクやCD−ROMなどには、上記実施形態で説明した電子ソート部200などの一部または全ての機能を格納することができる。したがって、以下のプログラムや当該プログラムを格納した記憶媒体を提供することができる。たとえば、電子ソート部200のプログラム、すなわちRAMなどにインストールされるソフトウェアは、上記実施形態に示された電子ソート部200と同様に、画像認識部210、画像分割部220、記憶制御部230、画像ソート部240、および画像再構成部250などの各機能部をソフトウェアとして備える。
【0218】
そして、上述した電子ソート部200における各機能部を構成するためのプログラムを格納したCD−ROMなどからプログラムを読み出してハードディスク装置などにインストールさせておき、ハードディスク装置からプログラムを読み出してCPUが上記の処理手順を実行することにより、上記機能をソフトウェア的に実現することができる。
【0219】
たとえばCD−ROMドライブは、CD−ROMからデータまたはプログラムを読み取ってCPUに渡す。そしてソフトウエアはCD−ROMからハードディスク装置にインストールされる。ハードディスク装置は、FDドライブまたはCD−ROMドライブによって読み出されたデータまたはプログラムや、CPUがプログラムを実行することにより作成されたデータを記憶するとともに、記憶したデータまたはプログラムを読み取ってCPUに渡す。ハードディスク装置に格納されたソフトウエアは、RAMに読み出された後にCPUにより実行される。たとえばCPUは、記録媒体の一例であるROMおよびRAMに格納されたプログラムに基づいて上記各実施形態と同様に処理する。
【0220】
図16は、電子ソート部やユーザインタフェース部などを電子計算機の一例であるパソコンを利用して構成した場合における複写装置(複写システム)の一構成例を示す図である。
【0221】
ここで、図16(A)に示す複写システムは、電子ソート部やユーザインタフェース部などの機能をなすパソコン910、スキャナ920、およびプリンタ930が接続されて構成されている。
【0222】
パソコン910には、自身全体を制御するソフトウェアであるOS(オペレーティングシステム)や、上記第1実施形態で説明した画像処理部や電子ソート部と同様の機能をなすためのソフトウェアや、プリンタ930を制御するためのソフトウェアであるプリンタドライバがインストールされる。
【0223】
それぞれの接続は、たとえばRS−232C、USB(USB;Universal Serial Bus)、あるいはIEEE1394(IEEE;Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc. ;米国電気電子学会)などの通信規格による比較的近距離の接続態様、さらにはインターネットなどの大規模なネットワークを介した比較的遠距離の接続態様であってもよい。なお、これらは有線に限らず無線を介して接続されていてもよい。
【0224】
この図16(A)に示す構成においては、先ずスキャナ920により原稿を読み取る(S600)。スキャナ920は、読み取った読取画像データを、たとえばR,G,Bなどのデータ形式でパソコン910に送信する(S602)。パソコン910は、スキャナ920から受け取った読取画像データを用いて、上記第1実施形態で説明した画像処理部や電子ソート部と同様にして画像処理や電子ソートをして、冊子形態となるような見開き画像を生成する(S604)。そして、この見開き画像をプリンタドライバにより印字データ化して、プリンタ930に送信する(S606)。プリンタ930は、受け取った印字データに基づいて、見開き画像を印刷出力する(S608)。
【0225】
なお印字データは、たとえばぺージ記述言語(PDL:Page Description Language) 形式であってもよいし、さらにパソコンにてラスタデータ化したY,M,C,Kなどのデータであってもよい。PDL形式でプリンタ930に送信する場合には、プリンタ930側にてラスタデータに展開する。
【0226】
一方図16(B)に示す複写システムは、電子ソート部やユーザインタフェース部などの機能をなすパソコン910と、スキャナ部942および出力部944を有する複写装置940とが接続されて構成されている。複写装置940のスキャナ部942は、上記第1実施形態で説明した画像取得部10と同様の機能を備える。また複写装置940の出力部944は、上記第1実施形態で説明した画像出力部30(ただし電子ソート部の機能は除く)と同様の機能を備える。スキャナ部942には、上記第1実施形態で説明した画像処理部20の機能を持たせてもよい。
【0227】
パソコン910には、自身全体を制御するソフトウェアであるOS(オペレーティングシステム)や、上記第1実施形態で説明した画像処理部や電子ソート部と同様の機能をなすためのソフトウェアや、複写装置940の出力部944を制御するためのソフトウェアであるプリンタドライバがインストールされる。
【0228】
パソコン910と複写装置940は、たとえばRS−232C、USB、あるいはIEEE1394などの通信規格による比較的近距離の接続態様、さらにはインターネットなどの大規模なネットワークを介した比較的遠距離の接続態様であってもよい。なお、有線に限らず無線を介して接続されていてもよい。
【0229】
この図16(B)に示す構成においては、先ず複写装置940のスキャナ部942により原稿を読み取る(S610)。スキャナ部942は、読み取った読取画像データを、たとえばR,G,Bなどのデータ形式でパソコン910に送信する(S612)。パソコン910は、スキャナ部942から受け取った読取画像データを用いて、上記第1実施形態で説明した画像処理部や電子ソート部と同様にして画像処理や電子ソートをして、冊子形態となるような見開き画像を生成する(S614)。そして、この見開き画像をプリンタドライバにより印字データ化して、複写装置940の出力部944に送信する(S616)。複写装置940は、受け取った印字データに基づいて、見開き画像を出力部944により印刷出力する(S618)。
【0230】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記の実施形態は、クレームにかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0231】
たとえば、上記各実施形態では、左綴じ原稿を読み取って中綴じ可能なように両面複写する場合について説明したが、右綴じ原稿、上綴じ原稿、下綴じ原稿など、見開き状態で原稿を読み取るものであれば対応可能である。これらの場合、既に図7について説明したように、それぞれの綴じ方に応じて、中綴じ可能なように両面複写する際のページ画像の配列位置(順番も)を決定すればよい。
【0232】
また上記各実施形態では、原稿Gの天地をセット基準に合わせるようにしていたが、これに限らず、“任意位置読取モード”としてプラテンガラス11上の任意位置に載置することを許容してもよい。この場合、プラテンガラス11上の略全面を走査し読み取った画像の中から、公知の画像認識の方法を利用して原稿G部分の画像を切り出せばよい。セット基準に対して傾きがある場合には、公知の画像回転の方法を利用してその傾きを補正すればよい。また、たとえば公知の文字認識の方法を利用して原稿Gの天地を判断すればよい。
【0233】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、原稿載置台に載置された原稿の状態と転写用紙の形態とに基づいて、転写用紙上の転写結果が中綴じ可能な冊子となるように読み取ったページ画像の配置するページ順序を決定するようにしたので、冊子や週刊誌などの見開き原稿の綴じている部分を外さずに、中綴じ可能な冊子を簡単あるいは確実に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像読取装置の一実施形態である画像取得部を搭載したカラー複写装置の一例の機構図である。
【図2】 原稿をプラテンガラス上に載置する場合の置き方の一例を示す図である。
【図3】 中綴じ原稿を読み取って元の中綴じされた製本を作成する場合における、印刷用紙と原稿の頁番号との関係を示した図である。
【図4】 固定位置読取モード時の、原稿の載置の向きと、印刷用紙に複写された原稿画像の向きおよび位置の関係を示す図である。
【図5】 ユーザインタフェース部の一例、および確認画像の一例などを示す図である。
【図6】 ユーザインタフェース部および電子ソート部200の機能構成の第1実施形態を示すブロック図である。
【図7】 中綴じ原稿の左右の各ページの画像と、中綴じ可能なように両面複写する場合の、各印刷用紙上のページ画像の配列順の決定方法を説明する図である。
【図8】 中綴じされた略定型サイズの見開き原稿の複写物を作成する場合についての、一連の処理手順の概要例を示したフローチャートである。
【図9】 第2実施形態の処理手順の概要例を示すフローチャートである。
【図10】 第2実施形態の処理手順におけるレイアウト設定の一例を説明する図である。
【図11】 第3実施形態の処理の概要を示す図である。
【図12】 ユーザインタフェース部および電子ソート部の機能構成の他の形態(第4実施形態)を示すブロック図である。
【図13】 第4実施形態の処理の一例を示したフローチャートである。
【図14】 ユーザインタフェース部および電子ソート部の機能構成の他の形態(第5実施形態)を示すブロック図である。
【図15】 第5実施形態の処理の一例を示したフローチャートである。
【図16】 電子ソート部やユーザインタフェース部などをパソコンを利用して構成した場合における一構成例を示す図である。
【符号の説明】
1…カラー複写装置、10…画像取得部、11…プラテンガラス、116…プラテンカバー、118…原稿センサ、20…画像処理部、200…電子ソート部、202…記憶媒体、204…画像メモリ、206…ワークメモリ、210…画像認識部、220…画像分割部、230…記憶制御部、240…画像ソート部、250…画像再構成部、260…回転処理部、270…変倍処理部、280…変更受付部、30…画像出力部、50…反転機構部、52…給紙トレイ、54…用紙反転機構、56…両面複写路、58…印刷用紙サイズ検知部、60…ユーザインタフェース部、602…キー入力部、680…ナビゲート部、690…表示部
Claims (15)
- 原稿載置台に載置された原稿の画像を読み取って所定の転写用紙に複写する複写装置であって、
見開き原稿の各ページの画像を、当該見開き原稿の綴じている部分を外さずに読み取る画像読取部と、
前記画像読取部が読み取る各ページの画像を、前記原稿載置台に載置された原稿の状態と前記転写用紙の形態とに基づいて、当該転写用紙上の転写結果が中綴じ可能な冊子となるように、当該転写用紙の表面または裏面の左右の何れか一方に配置するページ順序を決定するページ配置制御部と、
前記ページ配置制御部により決定されたページ順序に従って、前記画像読取部が読み取った各ページの画像を前記転写用紙に複写する画像出力部と、
を備えたことを特徴とする複写装置。 - 前記ページ配置制御部は、縦方向置きか横方向置きかを示す前記見開き原稿の載置方向、縦書きか横書きかを示す画像の内容、前記見開き原稿の綴じ方向、前記転写用紙のサイズ、前記転写用紙のセット向き、および転写結果により形成される冊子の綴じ方向のうちの少なくとも1つに基づいて、前記ページ順序を決定することを特徴とする請求項1に記載の複写装置。
- 前記ページ配置制御部は、前記画像読取部により読み取られた前記画像の総ページ数を検知し、検知した総ページ数に基づいて、前記ページ順序を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の複写装置。
- 前記ページ配置制御部は、前記転写用紙の表面および裏面の画像の配置位置が略同じとなるように、前記画像読取部により読み取られた前記画像の配置位置を決定することを特徴とする請求項1から3のうちの何れか1項に記載の複写装置。
- 前記ページ配置制御部は、前記画像読取部により読み取られた前記画像が、前記転写用紙の4辺に設定された消込み範囲の内側に配置されるように、前記画像読取部により読み取られた前記画像の配置位置を決定することを特徴とする請求項1から4のうちの何れか1項に記載の複写装置。
- 前記ページ配置制御部は、前記転写用紙の表面および裏面の左右のそれぞれに、2ページ分以上の画像を配置させることを特徴とする請求項1から5のうちの何れか1項に記載の複写装置。
- 前記2ページ分の画像の境界を示す指示マークを前記転写用紙上に印刷させる指示マーク形成部を備えたことを特徴とする請求項6に記載の複写装置。
- 利用者からの指示に基づいて、前記ページ配置制御部による前記画像の配置位置の決定を制御する配置位置指示部を備えることを特徴とする請求項1から7のうちの何れか1項に記載の複写装置。
- 前記画像読取部は、前記見開き原稿の左右のページの画像をページ単位で読み取ることを特徴とする請求項1から8のうちの何れか1項に記載の複写装置。
- 前記画像読取部は、前記見開き原稿の左右ページの画像を一度に読み取るものであり、
前記画像読取部により読み取られた前記左右のページ画像を表す見開き画像を、前記左右のページのそれぞれに分割する分割部を備え、
前記画像出力部は、前記ページ配置制御部により決定されたページ順序に従って、前記分割部により分割された前記左右のページの画像を前記転写用紙に複写する
ことを特徴とする請求項1から8のうちの何れか1項に記載の複写装置。 - 前記画像読取部により読み取られた画像を記憶する記憶部を備えたことを特徴とする請求項1から10のうちの何れか1項に記載の複写装置。
- 前記画像読取部が読み取る各ページを、利用者に案内する案内部を備えたことを特徴とする請求項1から11のうちの何れか1項に記載の複写装置。
- 前記案内部は、前記見開き原稿の前記原稿載置台への載置位置および向きのうちの少なくとも一方を前記利用者に案内することを特徴とする請求項12に記載の複写装置。
- 前記ページ配置制御部により決定されたページ順序に従って、前記画像読取部が読み取った各ページの画像を前記転写用紙に複写した場合の画像を、前記画像出力部により前記転写用紙に複写するのに先立って利用者に提示する表示部を備えたことを特徴とする請求項1から13のうちの何れか1項に記載の複写装置。
- 前記表示部に提示した画像に基づいて、前記画像読取部が読み取った各ページの画像の配置形態の変更を前記利用者から受け付ける変更受付部を備えたことを特徴とする請求項14に記載の複写装置。
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