次に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[実施形態1]
図1は本発明による複合複写機(以下MFPという)の実施形態の概略を示すものである。MFP101は複写機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を有する画像形成装置であり、操作部105の図示しない機能切り替えキーにより複写機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能を順次切り替えて選択することが可能である。複写機能の選択時には複写モードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリントモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
複写モードでは次のように動作する。操作部105の図示しないスタートキーが押下されると、原稿送り装置103の図示しない原稿台に積載された原稿は、図示しないコンタクトガラス上の所定の位置に給送される。コンタクトガラス上の原稿は画像読取手段としての読取部104によって画像情報が読み取られた後、図示しない排紙台に排出される。読取部104によって読み取られた画像情報は、記憶部111に格納される。
記憶部111に格納された画像情報は、画像処理部106によって印刷情報に変換される。画像処理部106は読み取られた画像情報にエッジ強調処理、ディザ化処理、ガンマ処理等を施し、画像形成装置の特性に適した印刷情報に変換する。印刷情報は図示しない書き込み手段としての書き込みユニットによって光情報に変換され、光情報が作像部107の図示しない感光体に露光されることによって潜像が形成され、潜像は図示しない現像装置によって現像されてトナー像となる。
給紙部108はシート材(請求項中の「媒体」を「シート材」と以後呼称する)を給紙し、図示しない転写手段によってトナー像はシート材に転写される。定着部109はシート材に転写されたトナーを加熱、加圧することによってシート材上に画像を形成する。両面搬送部110は定着部109によって画像形成されたシート材のもう一方の面に再度画像形成し両面印刷を行うために、シート材を反転したのち作像部107に再給紙する。作像部107、給紙部108、定着部109、両面搬送部111を印刷部118と呼ぶ。用紙後処理部112は印刷後のシート材をブック状に束ねて綴じる機能を有している。
近年の複写機等の画像形成装置においては、複写速度を速くするために複数の記録紙が印刷経路内に同時に存在する構成を取っている。そのため連続で両面複写する場合に、1枚目表面、1枚目裏面、2枚目表面、2枚目裏面と、順にシート材に書き込みをしていたのでは複写速度が遅くなってしまう。そこで、原稿の1枚目表面、1枚目裏面、2枚目表面、2枚目裏面と、順次記憶手段に読み込んでおき、印刷時は1枚目表面、2枚目表面、1枚目裏面、2枚目裏面というように、記録紙が反転されて書き込み可能となるタイミングに合わせて裏面に書き込みする方法を採用している。これをインターリーフ機構と呼ぶ。
プリントモードでは、画像処理部106からの印刷情報の代わりに外部からの印刷情報が図示しない書き込みユニットに入力されて、上述の様にシート材上に画像が形成される。さらに、ファクシミリモードでは、上記読取部104からの画像情報がFAX送受信部119に入力され、FAX送受信部119は画像情報を送信情報に変換したのち相手に送信する。相手からの受信情報はFAX送受信部119で受信され、FAX送受信部119で印刷情報に変換された後、書き込みユニットに入力されて、上述の様にシート材上に画像が形成される。
本発明による実施形態1においては、図1において図示しないコンタクトガラス上に置かれた原稿を読取部104が複数回読み取る両面印刷モードを持つことによって、同一原稿から両面印刷物を生成する。第1回目の読取によってシート材の第一面に、第2回目の読取によってシート材の第2面に画像形成する。図3は生成された両面印刷物を示している。上記処理を同一の片面原稿に対して繰り返すことによって、複数枚の両面印刷物を作ることができる。
読取部104はコンタクトガラス上の原稿を先端部から後端部へ走査することによって原稿の画像情報を得ている。実施形態1において、読取部104がコンタクトガラス上の原稿を先端部から後端部に走査するときに両面印刷物の第1面を印刷し、原稿後端部から先端部まで戻るときに両面印刷の第2面を印刷すれば、第2面において第1面に対して左右あるいは上下反転した画像を形成することができる。ここで、第2面の左右あるいは上下の反転方向は、コンタクトガラス上に原稿を縦あるいは横に置くことによって選択可能である。
本実施形態によって、一枚の片面原稿からノート、芳名録、あるいは原稿用紙等の様に、両面が同じ画像の両面印刷物を作る場合にもう一枚の原稿を作る必要がなく、無駄な印刷を防止することができ、紙資源の有効活用が図られる。
[実施形態2]
次に本発明による実施形態2について説明する。実施形態2において、画像形成装置の全体的な構成は実施形態1と同じである。図1において原稿送り装置103は同一原稿を繰り返し給送する手段を有しており、読取部104は図示しないコンタクトガラス上の原稿先端部に相当する読取位置で停止している。原稿送り装置103は原稿が前述の読取位置でコンタクトガラスに接する様に、原稿を一定速度で搬送し、読取部104は原稿の搬送に合わせて読取動作を行う。同一原稿を原稿送り装置103によって繰り返し給送し、両面印刷物の第1面、第2面を印刷すれば、一枚の片面原稿から両面が同じ画像の両面印刷物を作ることができる。
原稿を繰り返し給送する手段は、原稿を一方向に搬送する機構と、再度読み取る方向と排紙台の方向とで原稿の搬送を切り替える機構とによる。切り替え機構によって再度読み取る方向が選択された場合には、原稿は読み取り位置に再度給送され、読取部104で繰り返し読み取ることができる。印刷が完了したときには、切り替え機構によって搬送方向が切り替えられ、原稿は排紙台へ排紙される。
あるいは、原稿を繰り返し給送する手段は、原稿を先端部から後端部へ、また後端部から逆方向に先端部へと、両方向に搬送する機構によるものでもよい。この給送手段においては、原稿の両方向の搬送時に読取部104は原稿を読み取ることができる。原稿が先端部から後端部へ搬送されるときに両面印刷の第1面を印刷し、原稿が後端部から先端部へ搬送されるときに第2面を印刷すれば、第2面において第1面を左右あるいは上下反転した画像を形成することができる。ここで、第2面の左右あるいは上下の反転方向は、原稿を原稿送り装置103に縦あるいは横に置くことによって選択可能である。
[実施形態3]
本発明による実施形態3について説明する。実施形態3は、図1のMFP101において読取部104で読み取った画像情報を一旦記憶部111に格納した後、両面印刷物を作成する実施形態を示している。実施形態3は画像情報を記憶部111に格納する方法が何通りか考えられるが、ここでは3つの例について説明する。
実施形態3の第1の例は、画像情報は記憶部111内の1領域に格納され、その1領域に格納された画像情報から両面印刷の第1面及び第2面の印刷情報を生成する場合である。図4は本実施形態の第1の例を説明するために図1のMFPの概略図から一部分を抜き出したものである。読取部104によって読み取られた原稿の画像情報は記憶部111に格納される。これを詳細に説明すると、図1のエンジン制御部102は画像情報を格納するために記憶部111の先頭アドレス、00010000H番地をメモリコントローラ113に指定し、指定された先頭アドレスはWrite用アドレスカウンタと呼ばれるメモリコントローラ113内部のレジスタに保管される。メモリコントローラ113は読取部104によって読み取られた画像情報をWrite用アドレスカウンタに指定されたアドレスに従って記憶部111に順次格納する。ここで「H」は16進数を表すものとする。
今、画像情報のデータサイズが10000Hバイトであるとすると、メモリコントローラ113は読取部104から入力された画像情報を記憶部111に1バイト格納するごとにWrite用アドレスカウンタを1つずつ増やしていく。画像情報のデータサイズである10000Hを足した値までWrite用アドレスカウンタが進むと、画像情報の記憶部111への格納は完了する。このようにして10000Hバイトの画像情報は記憶部111の00010000H番地から0001FFFFH番地までに格納される。格納された記憶部111の00010000H番地から000F1FFFH番地までのデータを画像情報1とする。
次に、画像情報1は画像処理部106に送られて、第1面印刷情報に変換される。これを詳細に説明すると、図1のエンジン制御部102は画像情報を読み出すために記憶部111の先頭アドレス、00010000H番地をメモリコントローラ113に指定し、指定されたアドレスはRead用アドレスカウンタと呼ばれるメモリコントローラ113内部のレジスタに保管される。メモリコントローラ113は画像情報をRead用アドレスカウンタに指定されたアドレスに従って記憶部111から画像処理部106に1バイトごとに順次送出する。画像処理部106は受け取った1バイトごとのデータから印刷情報を生成し、生成された第1面印刷情報を画像処理部106内の第1面印刷記憶部116に格納する。
次に、第2面印刷情報であるが、第1の例においては、メモリコントローラ113は画像情報1が格納されている記憶部111の先頭アドレス00010000H番地から画像処理部106に画像情報を順次送出し、画像処理部106は第2面印刷情報を生成し第2面印刷記憶部117に格納する。第1面印刷記憶部116と第2面印刷記憶部117に両面印刷物の印刷情報がそろうと、図1のエンジン制御部102の指示によって印刷部118は両面印刷物を印刷する。以上のように、片面原稿は1回だけ読取部104で読み取られて記憶部111に画像情報1として格納され、同じ画像情報1を2回読み出すことによって第1面と第2面の印刷情報が生成され、同じ画像が両面印刷物に印刷される。複数枚の両面印刷物を印刷する場合にも同様の処理を繰り返せば良く、実施形態1及び実施形態2の様に原稿を複数回読み取る必要がないので、原稿の破損や原稿の移動機構の不良動作によるトラブルを防止することができる。
実施形態3の第2の例は、読み取った画像情報を格納する領域を記憶部111内に2領域設け、これら2領域に同一の画像情報を格納し、2領域に格納された画像情報から両面印刷の第1面及び第2面の印刷情報を生成する場合である。図5は本実施形態の第2の例を説明するために図1のMFPの概略図から一部分を抜き出したものである。また図6は記憶部111のメモリ内容を示した図である。読取部104によって読み取られた原稿の画像情報は図6の様に記憶部111の先頭アドレス00010000H番地から0001FFFH番地までと、先頭アドレス00020000H番地から00002FFFFH番地までの2領域に格納される。これを詳細に説明すると、図1のエンジン制御部102は記憶部111の第1の先頭アドレス00010000Hと第2の先頭アドレス00020000H番地をメモリコントローラ113に指定し、指定された2つの先頭アドレスはそれぞれメモリコントローラ113内部のWrite用アドレスカウンタ1とWrite用アドレスカウンタ2という二つのレジスタに保管される。
メモリコントローラ113は読取部104によって読み取られた画像情報をWrite用アドレスカウンタ1に指定されたアドレスに従って記憶部111の00010000H番地から10000Hバイトの領域に順次格納する。と同時に、メモリコントローラ113は読取部104によって読み取られた同一の画像情報をWrite用アドレスカウンタ2に指定されたアドレスに従って記憶部111の00020000H番地から10000Hバイトの領域にも順次格納する。1バイト格納するごとにアドレスカウンタを1つずつ増やしていくのは実施形態3の第1の例で説明したのと同様である。格納された記憶部111の00010000H番地から0001FFFFH番地のデータを画像情報1とし、格納された記憶部111の00020000H番地から0002FFFFH番地のデータを画像情報2とする。
次に画像情報1及び画像情報2は第1面印刷情報と第2面印刷情報に変換される。これを詳細に説明すると、図1のエンジン制御部102は画像情報1を読み出す記憶部111の先頭アドレス、00010000H番地をメモリコントローラ113に指定し、指定されたアドレスはRead用アドレスカウンタに保管される。メモリコントローラ113は画像情報をRead用アドレスカウンタに指定されたアドレスに従って記憶部111から画像処理部106に1バイトごとに順次送出する。画像処理部106は受け取った1バイトごとのデータから第1面印刷情報を生成し、生成された第1面印刷情報は画像処理部106内の第1面印刷記憶部116に格納される。次にエンジン制御部102は画像情報2を読み出す記憶部111の先頭アドレス、00020000H番地をメモリコントローラ113に指定し、同様にして画像情報2から生成された第2面印刷情報は画像処理部106内の第2面印刷記憶部117に格納される。
第1面印刷記憶部116と第2面印刷記憶部117に両面印刷物の印刷情報がそろうと、図1のエンジン制御部102の指示によって印刷部118は両面印刷物を印刷する。以上のように、片面原稿は1回だけ読取部104で読み取られて記憶部111に画像情報1及び画像情報2として格納され、画像情報1及び画像情報2を順次読み出すことによって、第1面印刷情報及び第2面印刷情報が生成され、両面印刷物が作成される。記憶部111には第1面及び第2面の画像情報が揃っているので通常の両面印刷と変わりなく、画像情報を印刷情報に変換するためのプリンタドライバソフトを変更せずに両面印刷物を印刷する機能を搭載することができる。
実施形態3の第3の例は、読み取った画像情報を格納する領域を記憶部111内に2領域設け、その2領域に格納された画像情報のうち、両面印刷の第2面の画像が第1面の画像に対して左右あるいは上下反転したものとなっている、画像情報2を生成する場合である。図7に示すとおり、画像情報2の00020000H番地から000200FFH番地までのデータは、画像情報1の00010000H番地から000100FFH番地までのデータを左右折り返したデータとなっていることが判る。このようにデータの順番を入れ替えることで左右反転した画像を画像情報2として作成することができる。詳細に説明すると、エンジン制御部102は記憶部111の第2の先頭アドレス000200FFHをメモリコントローラ113に指定し、指定された先頭アドレスはメモリコントローラ113内部のWrite用アドレスカウンタ2に保管される。
メモリコントローラ113は読取部104によって読み取られた画像情報をWrite用アドレスカウンタ2に指定されたアドレスに従って記憶部111に順次格納するが、画像情報を000200FFH番地へ1バイト格納すると、Write用アドレスカウンタ2はアドレスが1つ減算され000200FEH番地となる。この画像情報を1バイト格納するごとにWrite用アドレスカウンタ2を1つ減算する動作は00020000H番地まで継続し、その後000201FFH番地が設定され、再びそこを起点にアドレスを1ずつ減算しながら000202FFH番地までデータを格納していく。以上の動作を10000Hバイトに亘って実施することによって、左右反転した画像情報2は00020000H番地から0002FFFH番地までに格納される。画像情報1については、実施形態3の第2例で説明した内容と同様に、00010000H番地から0001FFFFH番地までに格納される。
次に画像情報1及び画像情報2は第1面印刷情報と第2面印刷情報に変換されるが、これについては実施形態3の第2の例で説明した内容と同じであり、画像情報1から生成された第1面印刷情報は画像処理部106内の第1面印刷記憶部116に格納され、画像情報2から生成された第2面印刷情報は画像処理部106内の第1面印刷記憶部117に格納される。第1面印刷記憶部116と第2面印刷記憶部117に両面印刷物の印刷情報がそろうと、図1のエンジン制御部102の指示によって印刷部118は両面印刷物を印刷する。以上のように、片面原稿は1回だけ読取部104で読み取られて記憶部111に画像情報1及び左右あるいは上下反転した画像情報2として格納され、画像情報1及び画像情報2を順次読み出すことによって、第1面印刷情報及び第2面印刷情報が生成され、両面印刷物が印刷される。
画像情報2の画像を左右あるいは上下反転する方法であるが、実施形態3の第3の例で説明した方法以外にもいくつか考えられる。一つは、実施形態3の第1の例において記憶部111から画像情報1を読み出して第2面印刷情報を生成するときに、000100FFH番地から00010000H番地まで順次1ずつアドレスを減算して読み出す方法である。これを1面分にわたって繰り返すことによって、左右あるいは上下反転した画像を得ることができる。他にも、画像処理部106の第2面印刷記憶部117から第2面印刷情報を読み出して印刷部118に送るときに、第2面印刷記憶部117から読み出すアドレスを入れ替える方法が考えられる。
本発明による、1枚の原稿から両面印刷を生成する機能はユーザーが頻繁に使うものではないが、いざ使うとなった場合には多くの枚数を印刷することが想定されるので、無駄な印刷を防止するという本来の目的からすると、ユーザーに確認動作を促すことが望ましい。以下、ユーザーインターフェースの動作フローについて、実施形態3の第1の例を代表例として図13のフローチャートで説明する。図13においてユーザーが行う設定及び機能の選択は、図1の操作部105のパネル上のスイッチ、あるいは表示装置の表面に実装されているタッチパネルから成されるものとする。また図1の原稿送り装置103は両面読取機能(第1面を読み取った後、原稿を反転して再給紙し、第2面を読み取る機能)を有する。
図13のフローチャートにおいては、図1の操作部105の中に図示しないCPUが有り、そのCPUが以下に説明する動作を実行する。ステップS1は、図1の読取部104によって読み取られた原稿の画像情報が、画像情報1として記憶部111の00010000H番地から0001FFFFH番地までに格納されている状態を表す。ステップS2においては、ユーザーが片面読取モードを選択しているかいないかを判断する。片面読取モードを選択している場合にはステップS4へ、片面読取モードを選択していない場合には両面読取のステップS3へと進む。両面読取のステップS3では原稿を反転して再給紙し、原稿の第2面を読み取り、両面印刷を行う。
ステップS4においては、原稿送り装置103の原稿台に次原稿があるかないかを判断する。次原稿がない場合にはステップS6へ、次原稿がある場合には次原稿読取のステップS5へと進む。次原稿読取ステップS5では、読み取った原稿を原稿送り装置103の排紙台に排紙し、次原稿を給紙し読取部104によって原稿の読み取りを行う。ステップS6においては、ユーザーが両面印刷モードを設定しているかいないかを判断する。両面印刷モードを設定している場合にはステップS7へ、両面印刷モードを設定していない場合には画像処理ステップS11を実行した後、片面印刷のステップS16へと進む。
ステップS7においては、ユーザーが同一両面印刷モード(片面原稿を両面に印刷する)を選択しているかいないかを判断する。同一両面印刷モードを選択している場合にはステップS8へ、選択していない場合には画像処理ステップS11を実行した後、片面印刷のステップS16へと進む。ステップS8においては、図1の操作部105の表示装置にユーザーへの確認を促す画面を表示する。図13においては、「YES:同一両面印刷、NO:片面印刷」を表示する例を表している。ステップS8においては、確認を促す画面内容に従って操作部105のパネル上のスイッチあるいは表示装置の表面に実装されているタッチパネルをユーザーが押下することによって、ユーザーが「YES」を選択したか「NO」を選択したかを判断する。「YES」を選択した場合にはステップS10へ、「NO」を選択した場合には画像処理ステップS11を実行した後、片面印刷のステップS16へと進む。
ステップS10においては、記憶部111に格納されている画像情報1を画像処理部106によって第1面印刷情報に変換し、第1面印刷記憶部116に格納する。ステップS11においてもステップS10と同一の処理を実行する。ステップ12においては、ユーザーが第2面反転モード(第2面の画像を第1面に対して左右あるいは上下反転させる)を選択しているかいないかを判断する。第2面反転モードを選択している場合にはステップS13へ、選択していない場合にはステップS14へ進む。ステップS13においては、記憶部111に格納されている画像情報1を左右あるいは上下反転した後、画像処理部106によって第2面印刷情報に変換し、第2面印刷記憶部117に格納する。ステップS14においては、記憶部111に格納されている画像情報1を画像処理部106によって第2面印刷情報に変換し、第2面印刷記憶部117に格納する。
ステップS15においては、画像処理部106の第1面印刷記憶部116に格納された第1面印刷情報及び第2面印刷記憶部117に格納された第2面印刷情報が、印刷部118に送られて、操作部105で設定された枚数の両面印刷物が印刷される。ステップS16においては、画像処理部106の第1面印刷記憶部116に格納された第1面印刷情報が、印刷部118に送られて、操作部105で設定された枚数の片面印刷物が印刷される。ステップS17において印刷が完了し、次の処理を受付可能な待機状態になる。
以上、ユーザーへの確認方法の一例を説明したが、その他の実施形態においても、片面原稿で両面印刷物を印刷するにあたって、ユーザーに確認を促す処理を制御に入れることは、無駄な印刷を防止するという目的に対して有効な手段である。
[実施形態4]
本発明による実施形態4について説明する。実施形態4では、MFP101においてFAX送受信部119から入力された印刷情報によって、両面印刷物を作成する実施形態について説明する。図1においてファクシミリモードにおける受信の際は、相手から送信情報が送られると、FAX送受信部119はエンジン制御部102にMFP101をファクシミリ受信モードにすることを要求する。ファクシミリを受信するモードが設定されると、送られてきた送信情報がFAX送受信部119でFAX特有の画像処理を施されて印刷情報に変換され、記憶部111に格納される。格納された印刷情報は図示しない書き込みユニットに入力され、印刷部118によってシート材上に画像が形成される。FAX送受信部119から入力された印刷情報を記憶部111に格納する方法が何通りか考えられるが、ここでは3つの例について説明する。
第1の例では、図4に示すとおり記憶部111ではFAX送受信部119からの印刷情報を00110000H番地からの領域に格納する。格納された印刷情報をFAX印刷情報1とする。FAX印刷情報1は画像処理部106の第1面印刷記憶部116及び第2面印刷記憶部117に送られるが、すでにFAX特有の画像処理をFAX送受信部119で施されているので、画像処理部106での画像処理は行われない。第1面印刷記憶部116と第2面印刷記憶部117に両面印刷物の印刷情報がそろうと、図1のエンジン制御部102の指示によって印刷部118は両面印刷物を印刷する。
第2の例では、図5に示すとおり記憶部111ではFAX送受信部119からの印刷情報を00110000H番地からの領域と、00120000H番地からの領域に格納する。格納された印刷情報をFAX印刷情報1、FAX印刷情報2とする。両面印刷物の生成は、実施形態3の第2例で示したものと同じ方法で行われる。FAX印刷情報1は画像処理部106の第1面印刷記憶部116に、FAX印刷情報2は第2面印刷記憶部117に送られ、第1面印刷記憶部116と第2面印刷記憶部117に両面印刷物の印刷情報がそろうと、図1のエンジン制御部102の指示によって印刷部118は両面印刷物を印刷する。
第3の例では、図5に示すとおり記憶部111ではFAX送受信部119からの印刷情報を00110000H番地からの領域と、00120000H番地からの領域に格納する。格納された印刷情報をFAX印刷情報1、FAX印刷情報2とすると、FAX印刷情報2はFAX印刷情報1の画像を左右あるいは上下に反転したものとなっている。FAX印刷情報2において画像を左右あるいは上下反転する方法については、実施形態3の第3の例に詳細が書かれているが、データを格納する際にアドレスの順番を逆にすることで可能である。FAX印刷情報1は画像処理部106の第1面印刷記憶部116に、FAX印刷情報2は第2面印刷記憶部117に送られ、第1面印刷記憶部116と第2面印刷記憶部117に両面印刷物の印刷情報がそろうと、図1のエンジン制御部102の指示によって印刷部118は両面印刷物を印刷する。
以上のように、FAXで送られてきた画像についても、原稿をもう一枚無駄にコピーすることなく、同一原稿による両面印刷物を印刷することができる。
[実施形態5]
本発明による実施形態5について説明する。図2に本発明による実施形態5の概略図を示す。図2において、情報処理装置201(パーソナルコンピュータ:以下PCと呼ぶ)はネットワーク315によって画像形成装置301(レーザービームプリンタ:以下LBPと呼ぶ)に接続されている。PC201の動作を簡単に説明すると、ハード制御部206は中央処理装置(以下CPUと呼ぶ)を内蔵し、PC201の全体を制御する。また、ハード制御部206は外部読取装置のスキャナ204や電話回線と接続するための電話回線接続部205とのインターフェースを行っている。ROM208はPC201の立ち上げ時のプログラム等が書かれている部分であり、書き換えができないリードオンリーメモリである。
記憶部210はハードディスクや内部メモリ等大容量の記憶素子から構成されていて、ハードディスクにはPC201の基本動作をさせるOS(オペレーティングシステム)や各種アプリケーションソフトが格納されていて、各ソフトは必要なときに内部メモリに呼び込まれて実行される。また内部メモリは、アプリケーションソフトで使用するデータを格納する機能をも持っている。RAM209はCPUが動作する上で必要な書き換え可能メモリであり、比較的小容量であるが高速アクセスが可能である。I/O制御部207はCRTディスプレイ等の表示装置202やキーボード等の入力装置203とのインターフェースを司る部分である。通信部213は決められた手順に従ってネットワーク315を通じて他の機器とPC201間でデータのやりとりをする部分である。
次にLBP301の動作を簡単に説明する。今、PC201の記憶部210にLBPで印刷したい文書情報1があるとすると、表示装置202に示された印刷画面に従って入力装置203でユーザーが印刷を指示すると、PC201の記憶部210に格納されたプリンタドライバソフトによって、文書情報1はLBP301の特性に合わせたデータ形式の印刷情報1に変換されて、通信部213からネットワーク315を介してLBP301に送られる。プリンタドライバソフトは各種LBPの印刷特性に合わせて異なったものが用意されている。
図2において、LBP301の各部を制御する機能を持っているエンジン制御部313の通信部312はネットワーク315に接続されており、PC201のプリンタドライバソフトによって変換された印刷情報1を受け取り、エンジン制御部313は受け取った印刷情報1を第1面印刷記憶部305に格納する。作像部307、給紙部308、定着部309、両面搬送部310は印刷部311を構成し、MFPの項で説明した画像形成動作を行う。第1面印刷記憶部305の印刷情報1はエンジン制御部313の制御の元に印刷部311によってシート材に画像形成されて印刷物となる。操作部302は用紙のフィードや基本機能設定などを行うスイッチやディスプレイを持つ部分である。用紙後処理部314は印刷後のシート材をブック状あるいは週刊誌状に束ねて綴じる機能を有している。
本実施形態の特徴は、1枚の原稿から両面印刷をする場合にPC201からLBP301に繰り返し印刷情報を送ることにある。この構成によって、LBP301側に手を加えることなく機能を実現することができる。実施形態5において、PC201からLBP301への印刷情報の送り方は幾通りか考えられるが、ここでは3つの例について説明する。
実施形態5の第1の例を図2の主要部分を抜き出した図8によって説明する。第1の例はPC201にある文書情報を繰り返し使用して両面印刷物を生成する場合である。これを詳細に説明すると、PC201で動作しているアプリケーションソフトで作成された文書情報1は記憶部210に格納されている。PC201のハード制御部206はプリンタドライバソフトを起動し、文書情報1を記憶部210から読み出し印刷情報1に変換する。変換された印刷情報1は通信部213からネットワーク315を通してLBP301のエンジン制御部313に送られる。図8においては図2の通信部312は省略してある。エンジン制御部313では受け取った印刷情報1を第1面印刷記憶部305に格納する。
次に、ハード制御部206は記憶部210から再度文書情報1を読み出し、プリンタドライバソフトによって印刷情報1に変換する。印刷情報1はネットワーク315を通してLBP301に送られ、第2面印刷記憶部306に格納される。第1面印刷記憶部305、第2面印刷記憶部306に両面分の印刷情報が揃うと、エンジン制御部313は印刷部311にデータを送り、両面印刷が生成される。第1の例ではプリンタドライバソフトに手を加える必要はあるが、アプリケーションソフト及びLBP301本体には手を加える必要がない。
実施形態5の第2の例を図9によって説明する。第2の例は、PC201にある文書情報1を複製した文書情報2を記憶部210に作成し、これを使用して両面印刷物を生成する場合である。文書情報1の複製はアプリケーションソフトによって行われる。第2の例ではアプリケーションソフトに手を加える必要はあるが、プリンタドライバソフト、LBP301本体には手を加える必要はない。
実施形態5の第3の例を図10によって説明する。第3の例は、PC201にある文書情報1を左右あるいは上下に反転した文書情報2を記憶部210に作成し、これを使用して両面印刷物を生成する場合である。図10では文書情報1を左右あるいは上下反転させる動作は反転回路214で示しているが、実際にはソフトウェアによって行われる方がハードの追加がないので好ましい。第3の例ではアプリケーションソフトに手を加える必要はあるが、プリンタドライバソフト、LBP301本体には手を加える必要はない。
以上の様に、情報処理装置201と画像形成装置301をネットワーク315によって接続した画像形成システムにおいても、無駄な印刷をすることなしに同一原稿による両面印刷物を印刷することができる。
[実施形態6]
本発明による実施形態6について説明する。本実施形態の特徴は、1枚の原稿から両面印刷をする場合にPC201からLBP301にネットワーク315を通して1回だけ印刷情報を送ることにある。この構成によって、印刷情報を何回も送る必要がないので通信に掛かる時間が短縮され、高速で印刷することができる。実施形態6において、PC201からLBP301への印刷情報の送り方は幾通りかの例が考えられるが、ここでは3つの例について説明する。
実施形態6の第1の例を図11によって説明する。第1の例においてはPC201にある文書情報1をプリンタドライバソフトで印刷情報1に変換し、ネットワーク315経由で送られた印刷情報を第1面印刷記憶部305に格納し、これを繰り返し使用して両面印刷物を生成する。詳細に説明すると、PC201で動作しているアプリケーションソフトで作成された文書情報1は記憶部210に格納されている。PC201のハード制御部206はプリンタドライバソフトを起動し、文書情報1を記憶部210から読み出し印刷情報1に変換する。変換された印刷情報1は通信部213からネットワーク315を通してLBP301のエンジン制御部313に送られる。エンジン制御部313では受け取った印刷情報1を第1面印刷記憶部305に格納する。
次に、PC201のハード制御部206から、送られた印刷情報1の内容をシート材の第1面及び第2面に印刷するコマンドが、通信部213とネットワーク315を経てLBP301のエンジン制御部313に送られる。コマンドを受けたエンジン制御部313は第1面印刷記憶部305から印刷情報1を読み出し印刷部311に送る、さらにエンジン制御部313は第1面印刷記憶部305から印刷情報1をもう一度読み出して印刷部311に送る。印刷部311は送られた第1面、第2面の印刷情報によって両面印刷物を印刷する。
実施形態6の第2の例を図8によって説明する。実施形態5の第1の例と概略図は共通だが、実施形態6の第2の例においては、PC201からLBP301にネットワーク315を通して1回だけ印刷情報を送るだけでよいという面で異なっている。実施形態5の第1の例では、PC201からLBP301に第1面、第2面ごとにネットワーク315を通して印刷情報を送る必要があった。第2の例においてはPC201にある文書情報1をプリンタドライバソフトで印刷情報1に変換し、ネットワーク315で送ったものを第1面印刷記憶部305と第2面印刷記憶部306に同時に格納する。格納された第1面印刷記憶部305と第2面印刷記憶部306の二つの印刷情報は印刷部311に送られ両面印刷物が生成される。
実施形態6の第3の例を図12によって説明する。第3の例においてはPC201にある文書情報1をプリンタドライバソフトで印刷情報1に変換し、ネットワーク315で送ったものを第1面印刷記憶部305に格納し、さらに左右あるいは上下反転したものを第2面印刷記憶部306に格納する。図12では印刷情報を左右あるいは上下反転させる動作を反転回路316で示しているが、実際にはソフトウェアによって行われる方がハードの追加がないので好ましい。
実施形態6の第1、第2、第3の例はいずれもLBP301のソフトウェアを変更する必要があるが、ネットワーク315を通じて印刷情報を何回も送ることがないため、通信時間が削減でき印刷速度が速くなる。
[実施形態7]
複写機やプリンタには、シート材を綴じてブック状あるいは週刊誌状に製本する用紙後処理機能を持ったものがある。図1のMFP101の用紙後処理部112、図2のLBP301の用紙後処理部314は印刷後のシート材をブック状あるいは週刊誌状に束ねてステープラで綴じることができる。また、上述のような機能はないが、製本に適した順序で両面印刷物を印刷する機能を持った複写機やプリンタもある。実施形態7では、このような機能を有する複写機やプリンタ等の画像形成装置について説明する。
図14は片面原稿と、片面原稿によって印刷された、製本用の両面印刷物を表したものである。図14のように、製本用の両面印刷物は片面原稿の2倍の大きさを持ったシート材に印刷される。すなわち片面原稿の画像がシート材の第1面及び第2面に連写されて印刷される。また、両面印刷物を製本する場合、束ね方にはブック状と週刊誌状の二通りがある。ブック状の束ね方は、図14の両面印刷物を図16の様に二つ折りにしてから折った側を揃えて重ねるものであり、この折って重ねた側を糊等の接着剤で固定してブック状に製本する。週刊誌状の束ね方は、図14の両面印刷物を図17のように重ねてから中央で二つ折りにするものであり、この折った中央をステープラで綴じて週刊誌状に製本する。
複数枚の原稿から、製本するのに適した両面印刷物を作成する場合、ブック状あるいは週刊誌状の束ね方によって両面印刷のページ順を変える必要がある。ブック状8ページ物の製本の場合には、図16のページ順で印刷する。週刊誌状8ページ物の製本の場合には、図17のページ順で印刷する。本実施形態の様に、1枚の片面原稿から製本用の両面印刷物を作成する場合には、ページ揃えの必要はないのでブック状用あるいは週刊誌状用のページ印刷順序の区別をする必要はない。
図14は実施形態7の第1の例を示したものである。第1の例では、図14の様に1枚の片面原稿の画像は、2倍の大きさを持ったシート材の第1面及び第2面に連写して印刷される。図14の両面印刷物を印刷する方法を図4によって説明する。今原稿の大きさがA4サイズであるとすると、印刷されるシート材のサイズはA3となる。よって第1面印刷記憶部116及び第2面印刷記憶部117はA3サイズ分の記憶容量をそれぞれ持っている。最初に、記憶部111の00010000H番地から10000Hバイトのサイズで格納されている画像情報1は画像処理部106に送られ、画像処理部106によって印刷情報に変換され、変換された印刷情報はA3サイズのシート材第1面の右半面に相当する部分の第1面印刷記憶部116に格納される。
次に画像情報1は再び画像処理部106に送られ、画像処理部106によって印刷情報に変換され、変換された印刷情報はA3サイズのシート材第1面の左半面に相当する部分の第1面印刷記憶部116に格納される。このようにして、A4サイズの片面原稿をA3サイズに連写した印刷情報が第1面印刷記憶部116に格納される。シート材の第2面についても同様にして、画像情報1を2回画像処理部106に送り、印刷情報に変換することによって、A4サイズの片面原稿をA3サイズに連写した印刷情報が第2面印刷記憶部117に格納される。格納された第1面印刷記憶部116と第2面印刷記憶部117の二つの印刷情報は印刷部118に送られA3サイズの両面印刷物が生成される。
図15は実施形態7の第2の例を示したものである。第2の例においても、1枚の片面原稿の画像は、2倍の大きさを持ったシート材の第1面及び第2面に印刷される。しかし第2の例においては、図15の様にA3サイズのシート材の右半面には原稿と同じ画像、左半面には原稿を左右反転した画像が印刷されることが第1の例と異なっている。図15の両面印刷物を印刷する方法を図4によって説明する。最初に、記憶部111の00010000H番地から10000Hバイトのサイズで格納されている画像情報1は画像処理部106に送られ、画像処理部106によって印刷情報に変換され、変換された印刷情報はA3サイズのシート材第1面の右半面に相当する部分の第1面印刷記憶部116に格納される。次に記憶部111の画像情報1のデータは画像を左右反転する処理を受けながら画像処理部106に送られ、画像処理部106によって印刷情報に変換され、変換された印刷情報はA3サイズのシート材第1面の左半面に相当する部分の第1面印刷記憶部116に格納される。
画像を左右反転する処理は、000100FFH番地から00010000H番地まで1番地ずつアドレスを減らしながら画像処理部106に送る処理を10000HバイトのA4サイズ分の画像情報1について行うものである。シート材の第2面についても同様にして、画像情報1を1回目はそのまま、2回目は左右反転して画像処理部106に送り、印刷情報に変換することによって、A3サイズのシート材の右半面には原稿と同じ画像、左半面には原稿を左右反転した印刷情報が第2面印刷記憶部117に格納される。格納された第1面印刷記憶部116と第2面印刷記憶部117の二つの印刷情報は印刷部118に送られA3サイズの両面印刷物が生成される。
以上のように、1枚の原稿から製本に適した両面印刷物を印刷する場合にも、無駄な印刷をする必要がないので、紙資源の有効活用をすることができる。