JP3658346B2 - 電子放出素子、電子源および画像形成装置、並びに電子放出素子の製造方法 - Google Patents

電子放出素子、電子源および画像形成装置、並びに電子放出素子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3658346B2
JP3658346B2 JP2001254637A JP2001254637A JP3658346B2 JP 3658346 B2 JP3658346 B2 JP 3658346B2 JP 2001254637 A JP2001254637 A JP 2001254637A JP 2001254637 A JP2001254637 A JP 2001254637A JP 3658346 B2 JP3658346 B2 JP 3658346B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electron
emitting device
electrode
carbon
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001254637A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002150923A (ja
Inventor
健夫 塚本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2001254637A priority Critical patent/JP3658346B2/ja
Priority to US09/941,595 priority patent/US7034444B2/en
Publication of JP2002150923A publication Critical patent/JP2002150923A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3658346B2 publication Critical patent/JP3658346B2/ja
Priority to US11/286,436 priority patent/US7276842B2/en
Priority to US11/835,870 priority patent/US7591701B2/en
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J1/00Details of electrodes, of magnetic control means, of screens, or of the mounting or spacing thereof, common to two or more basic types of discharge tubes or lamps
    • H01J1/02Main electrodes
    • H01J1/30Cold cathodes, e.g. field-emissive cathode
    • H01J1/304Field-emissive cathodes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J29/00Details of cathode-ray tubes or of electron-beam tubes of the types covered by group H01J31/00
    • H01J29/86Vessels; Containers; Vacuum locks
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J31/00Cathode ray tubes; Electron beam tubes
    • H01J31/08Cathode ray tubes; Electron beam tubes having a screen on or from which an image or pattern is formed, picked up, converted, or stored
    • H01J31/10Image or pattern display tubes, i.e. having electrical input and optical output; Flying-spot tubes for scanning purposes
    • H01J31/12Image or pattern display tubes, i.e. having electrical input and optical output; Flying-spot tubes for scanning purposes with luminescent screen
    • H01J31/123Flat display tubes
    • H01J31/125Flat display tubes provided with control means permitting the electron beam to reach selected parts of the screen, e.g. digital selection
    • H01J31/127Flat display tubes provided with control means permitting the electron beam to reach selected parts of the screen, e.g. digital selection using large area or array sources, i.e. essentially a source for each pixel group
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2201/00Electrodes common to discharge tubes
    • H01J2201/30Cold cathodes
    • H01J2201/304Field emission cathodes
    • H01J2201/30446Field emission cathodes characterised by the emitter material
    • H01J2201/30453Carbon types
    • H01J2201/30469Carbon nanotubes (CNTs)
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2329/00Electron emission display panels, e.g. field emission display panels
    • H01J2329/86Vessels
    • H01J2329/8605Front or back plates
    • H01J2329/8615Front or back plates characterised by the material

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子を放出するための電子放出素子、および電子放出素子を具備する電子源、および電子源を用いて応用した画像形成装置に関し、テレビジョン放送の表示装置、テレビ会議システムやコンピューター等の表示装置の他、感光性ドラム等を用いて構成された光プリンターとしての画像形成装置に関する。さらには、電子放出素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子放出素子を利用した画像形成装置の開発が進んでいる。
【0003】
金属に対し106V/cm以上の強電界をかけて金属表面から電子を放出させる電界放出型(FE型)電子放出素子が冷電子源の一つとして注目されている。
【0004】
FE型の冷電子源が実用化されれば、薄型の自発光画像表示装置が可能となり、消費電力の低減、軽量化にも貢献する。
【0005】
縦型FEの例としては図13に示すようにエミッター135が基板131から略鉛直方向に円錐あるいは四角錐の形状を呈すもの、例えばC.A.Spindt,”Physical Properties of thin−film field emission cathodes with molybdenium cones”,J.Appl.Phys.,47,5248(1976)等に開示されたもの(以下スピント型)が知られている。
【0006】
一方、横形FEの構造を図14に示す。なお、図中、141は基板、142はエミッター電極、143は絶縁層、144はゲート電極、145はエミッタ、146はアノード、147はアノードに照射される電子ビームの形状をあらわしている。先端が先鋭化されたエミッター145と、エミッタ−先端から電子を引き出すゲート電極144とが基板上に平行に配置され、ゲート電極144とエミッタ−電極142とが配置された基板141の上方にコレクタ(アノード電極)146が構成される(USP4728851,USP4904895など参照)。
【0007】
また、繊維状カーボンを用いた電子放出素子の例としては、特開平8−115652号公報に示されるように、有機化合物ガスを用いて微細な触媒金属上で熱分解を行い、繊維状カーボンを、微細な間隙に堆積させた構成が開示されている。
【0008】
カーボンナノチューブに対する導電層としては、特開平11−194134号公報およびヨーロッパ特許EP0913508A2号公報にチタン(Ti),ジルコニウム(Zr),ニオブ(Nb),タンタル(Ta),モリブデン(Mo)の金属層が示されている。また特開平11−139815号公報では導伝性基体としてSiが示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来のFE型電子源を用いた画像形成装置では、電子源から蛍光体までの距離Hとアノード電圧Vaと素子の駆動電圧Vfに応じた電子ビームスポット(以下ビーム径と呼ぶ)が得られる。このビーム径はサブミリメートル程度であり、画像形成装置としては十分な解像度を持っているとされていた。
【0010】
しかしながら、画像表示装置においては、近年、より高精細な解像度が要求さされるようになってきた。
【0011】
さらに、表示画素数の増大に伴い、駆動時には、電子放出素子の持つ素子容量に起因する消費電力が増大するため、素子容量の低減、駆動電圧の低減と電子放出素子の効率向上が望まれている。
【0012】
上記のような従来技術の場合には、下記のような問題が生じていた。
【0013】
前述のスピント型はゲートが基板と積層されて構成されることで、大きなゲート容量と多数のエミッターとの間に寄生容量が形成されていた。さらに駆動電圧が数十ボルトと高く、その構成上、容量性の消費電力が大きい欠点があった。また、陽極(アノード)でのビーム形状は広がってしまうという問題があった。
【0014】
前述の横型FEでは、素子の持つ容量を低減できる利点はあるものの、エミッターとゲートとの距離が遠いために駆動に数百ボルトを必要とするため、駆動装置が大きくなる欠点があった。また、陽極(アノード)でのビーム形状は広がってしまうという問題があった。
【0015】
上記スピント型および横型のFE型電子放出素子に対してビーム収束手段を設けることも考えられるが、作製方法の複雑さや、素子面積の増加、電子放出効率の低下等の問題がある。
【0016】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、素子容量および駆動電圧の低減と電子放出効率の向上を図るとともに、高精細なビームを得ることができる電子放出素子および電子源および画像形成装置および電子放出素子の製造方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた本発明の電子放出素子は、炭素を主成分とするファイバーと、Ti,ZrもしくはNbの中から選択された材料の酸化物半導体からなる層とを有し、前記炭素を主成分とするファイバーが、前記層上に配置されており、且つ、その一部に触媒を有することを特徴とするものである。
【0018】
また、上記目的を達成するためになされた本発明の電子放出素子は、基体表面に間隔を置いて配置された第1および第2の電極と、該第1の電極と電気的に接続した炭素を主成分とする複数のファイバーと、前記第1の電極よりも高い電位を前記第2の電極に印加する手段とを有しており、前記炭素を主成分とする複数のファイバーの先端の前記基体表面からの高さが、前記第2の電極表面の前記基体表面からの高さよりも高い位置に配置されおり、そして、前記第1の電極と前記炭素を主成分とする複数のファイバーとの間に、Ti,Zr,Nbの中から選択された材料の酸化物半導体からなる層が配置されていることを特徴とするものである。
【0019】
また、上記目的を達成するためになされた本発明の電子放出素子は、炭素を主成分とするファイバーと、Ti,ZrもしくはNbの中から選択された材料の酸化物半導体からなる層とを有しており、前記炭素を主成分とするファイバーは、前記層上に配置されており、そして前記炭素を主成分とするファイバーは、該ファイバーの軸方向に積層された複数のグラフェンを有することを特徴とするものである。
【0020】
また、上記目的を達成するためになされた本発明の炭素を主成分とするファイバーを有する電子放出素子の製造方法は、基板上にTi,ZrもしくはNbの中から選択された材料の酸化物半導体からなる層を配置する工程と、前記層上にカーボンの成長を促進する触媒粒子を配置する工程と、前記触媒粒子が配置された前記基板を、炭素化合物を含む雰囲気中で加熱する工程とを有することを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、上記電子放出素子を用いた電子源画像形成装置、表示装置および発光装置にその特徴を有するものである。また、本発明は、上記電子放出素子の製造方法を用いた電子源および画像形成装置の製造方法、ならびに、炭素を主成分とするファイバーを基板上に形成する方法にその特徴を有するものである。
【0022】
本発明によれば、炭素を主成分とするファイバーを、成長選択性を有する材料を含む層上に設けたことにより、炭素を主成分とするファイバーに安定した電気的接合を取ることが可能となると共に、簡易なプロセスで特性の優れた電子放出素子を形成することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0024】
本発明者は、触媒を用いて微小(数nmオーダー)な核(触媒粒子)を形成し、熱分解により上記核から成長した繊維状カーボンと、安定な電気的接合を形成する材料について、検討した。
【0025】
その結果、繊維状カーボンが触媒を介して成長し、かつ電気的な結合が得られる材料としては、Ti,Zr,NbもしくはAlであって、その一部分(繊維状カーボンあるいは触媒と接する界面)が酸化したもの、またはTi,ZrもしくはNbの酸化物半導体が好適であることを見出した。
【0026】
そして、また、詳細な検討の結果、Ti,Zr,NbもしくはAlの中から選ばれた材料の酸化物上に触媒粒子(特にはPd)を配置した部材を用いることで、再現性よく、触媒粒子を配置した位置に繊維状カーボンを生成することができることを見出した。
【0027】
また同時に、繊維状カーボンが成長しない、もしくは成長が遅い材料はTa,Cr,Au,Ag,Ptおよび触媒材料と同一種類の材料であることを見い出した。
【0028】
これらの材料に対する繊維状カーボンの成長は、積層構成においても成り立つ。例えば、基板上にCrを全面に形成し、さらにCrの上に酸化チタンの微小領域を形成し、基板全面に酸化パラジウムを被覆した基板を用いると、繊維状カーボンが酸化チタンの上だけに選択成長した。
【0029】
そこで、上述した、再現性よく、所望の位置に繊維状カーボンを形成する技術を用いた、本発明の繊維状カーボンを用いた電子放出素子、電子源および画像形成装置について以下に、従来例と比較しながら述べる。
【0030】
一般に、FE素子の動作電圧Vfは、ポアソン方程式によって導かれるエミッター先端部の電界と、その電界とエミッター部の仕事関数をパラメーターとしてFowler−Nordheimの式と呼ばれる関係式に従って求められる電子放出電流の電流密度によって決定される。
【0031】
また、電子放出に必要な電界は、エミッター先端とゲート電極間の距離dが小さいほど、またエミッター先端の半径rが小さいほど得られる電界が大きくなる。
【0032】
一方、陽極上で得られる電子ビームにおけるX方向の最大の大きさXd(例えば図13における円形ビーム形状137の中心からの最大到達距離)は、単純な計算では、√(Vf/Va)に比例する形で表される。
【0033】
この関係から明らかなようにVfの増大はビーム径の増大を招く。
【0034】
また、この考察から、Vfを下げるためには極力距離d及び曲率rを小さくしなければならない。
【0035】
従来構成のビーム形状について図13,14を用いて説明する。なお、図中、共通の番号として131,141は基板、132,142はエミッター電極、133,143は絶縁層、135,145はエミッタ、136,146はアノード、137,147はアノードに照射される電子ビームの形状をあらわしている。
【0036】
前述したスピント型の場合は図13に示すように、エミッター135とゲート134間にVfを印加すると、エミッター135の突起先端の電界が高まり、電子がコーン状のエミッター先端近傍から真空中に取り出される。
【0037】
エミッター135先端の電界は、エミッター135先端の形状に沿うように、ある有限の面積を持って形成されるため、取り出される電子はエミッター135先端の有限の面積から電位に対して、鉛直方向に引き出される。
【0038】
この時、様々な角度を持つ電子が放出されるが、大きな角度成分を持つ電子はゲートの方向に引き出されることになる。円形のゲート134が形成されている場合には、アノード136上に得られる電子分布は、図に示すようにほぼ円形のビーム形状137となる。
【0039】
つまり、得られるビームの形状は引き出すゲートの形状及びエミッターとの距離に密接に関係している。
【0040】
電子の引き出し方向をそろえた横型FE(図14)の場合には、エミッタ145とゲート144との間に、基板141表面に実質的に平行な非常に強い電界(横方向電界)が生じ、その結果、エミッター145から放出された電子はゲート144上において、一部の電子149は真空中に取り出され残りの電子はゲート電極144に取り込まれる。
【0041】
この図14に示す構成の場合には、アノード(アノード電極)146に向かう電界ベクトルの方向に対して、電子放出を行なう電界ベクトル(エミッター145からゲート144に向かう電界)が異なる方位を持つ。そのため、放出された電子がアノード146上で形成する電子分布(ビームスポット)が大きくなる。
【0042】
ここで、さらに電子がエミッタ電極145から引き出される電界(ここでは便宜的に、「横方向電界」と呼び、エミッター形状による電界の増強効果は無視する)とアノードに向かう電界(ここでは「縦方向電界」と呼ぶ)について考える。
【0043】
尚、上記「横方向電界」は、図13および図14の構成において、「基板131(141)の表面と実質的に平行な方向における電界」と言う事も出来る。また、特に図14の構成においては「ゲート144とエミッタ145とが対向する方向における電界」とも言う事が出来る。
【0044】
また、上記「縦方向電界」とは、図13および図14の構成において、「基板131(141)の表面と実質的に垂直な方向における電界」、あるいは「基板131(141)とアノード136(146)とが対向する方向における電界」と言う事も出来る。
【0045】
前述したように、エミッター145から放出された電子は最初、横方向電界によって引き出され、ゲート144方向に向かった後に、縦方向電界によって引き上げられアノード146に到達する。
【0046】
このとき横方向電界と縦方向電界の強度比および電子放出点の相対位置が重要となる。
【0047】
横方向電界が、縦方向電界と比較して桁が異なる程度に強い場合には、エミッタから取り出された電子のほとんどは、横方向電界によって形成される放射状電位によって次第に軌道を曲げられ、ゲートに向かう軌道をとる。ゲートに衝突した電子の一部は、散乱によって再び放出されるが、放出後、縦方向電界に捉えられるまでは、何度も楕円に似た軌道を描いてゲート上を広がりながら、同時に放出される電子の数を減じながら散乱を繰り返す。そして、散乱した電子が、ゲート電位の作る等電位線を越えると(これを「淀み点」と呼ぶことがある)、ここで初めて縦方向電界によって引き上げられるようになる。
【0048】
横方向電界と縦方向電界が同程度の場合には、取り出された電子は、やはり放射状電位によって軌道が曲げられるものの、電界による束縛がゆるくなり、ゲート144に衝突することなしに縦方向電界に捉えられる電子軌道が出現する。
【0049】
この横方向電界と縦方向電界が同程度の時、エミッター145からの電子の放出点位置を、ゲート144の属する平面からアノード146の属する平面側に次第に持ち上げる(図6参照)と、放出された電子は全くゲート144に衝突せずに、縦方向電界に捉えられる軌道を描くことが可能であることが分かった。
【0050】
また、この電界比の検討を行った結果、ゲート電極144とエミッタ電極145の先端との間隔をd、素子を駆動したときの電位差(ゲート電極とエミッタ電極との電位差)をV1、陽極(アノード)と基板(素子)との距離をH、陽極(アノード)と陰極(エミッタ電極)との電位差をV2 とした時、横方向電界が縦方向電界の50倍以上大きくなると、取り出された電子がゲートに衝突する軌道が描かれることを見出した。
【0051】
また、本発明者は、ゲート電極2上での散乱を実質的に生じない高さs(ゲート電極2表面の一部を含み、基板1表面と実質的に平行な平面と、電子放出部材4の表面を含み、基板1表面と実質的に平行な平面との距離で定義される(図6参照))が存在することを見出した。上記高さsは、縦方向電界と横方向電界との比(縦方向電界強度/横方向電界強度)に依存し、縦−横方向電界比が低いほど、その高さが低く、横方向電界が大きいほど高さが必要である。
【0052】
実用的な製造上の範囲としては、その高さsは10nm以上10μm以下である。
【0053】
図14に示した従来の構成では、ゲート144とエミッター(142,145)とが同一平面上に、同じ高さで構成されているだけでなく、横方向電界が縦方向電界と比較して一桁以上強いため、ゲートに衝突することに起因して、真空中に取り出される電子の量が減少する傾向が強かった。
【0054】
さらに、従来の構成では横方向の電界強度を強めることを目的として、ゲート電極の厚さや幅、および、ゲート,エミッター,アノードの相対位置が決められていたため、アノードに得られる電子分布は広がっていた。
【0055】
前述したように、アノード146に到達する電子の分布を小さくするには、1)駆動電圧(Vf)を下げる、2)電子の引き出し方向を揃える、3)電子の軌道、さらに、ゲートでの散乱がある場合には4)電子の散乱機構(特に弾性散乱)を考慮しなければならない。
【0056】
そこで、本発明の繊維状カーボンを用いた電子放出素子においては、アノード電極上に照射される電子分布の微細化と、電子放出効率の向上(ゲート電極に吸収される放出電子の低減)との両立を実現するものである。
【0057】
本発明の電子放出素子の構成について、以下に詳述する。
【0058】
図1(a)は本発明の電子放出素子の一例を示す平面模式図である。図1(b)は図1(a)のA−A間断面図である。図6は本発明の電子放出素子の上方にアノード電極を配置した本発明の電子放出装置を駆動している時の様子を示す模式断面図である。
【0059】
図1、図6において1は絶縁性の基板、2は引き出し電極(「ゲート電極」または「第2電極」とも言う)、3は陰極電極(「カソード電極」または「第1電極」とも言う)、4は陰極電極3上に配置された電子放出材料(「電子放出部材」あるいは「エミッタ−材料」とも言う)、5は繊維状カーボンを選択成長させるための層であり、前述した、Ti,Zr,NbもしくはAlの中から選ばれた材料の酸化物である。電子放出材料4を構成する繊維状カーボンと電極3とは電気的に接続される。
【0060】
尚、繊維状カーボンを選択成長させるための層5を厚く形成しようとすると、層5は酸化物であるので、繊維状カーボンと電極3との電気的接続性が低下する場合がある。そのため、繊維状カーボンと電極3との電気的接続を十分確保する場合には、少なくとも、繊維状カーボンを形成するため層5の表面を、Ti,Zr,NbもしくはAlの中から選ばれた材料の酸化物とし、残る部分を金属のままとすればよい。
【0061】
本発明の電子放出装置においては、図1,図6に示したように、電子放出部材4の表面を含み、基板1表面と実質的に平行な平面が、ゲート電極2表面の一部を含み、基板1表面と実質的に平行な平面よりも、基板表面よりも離れた位置に配置される。換言すると、本発明の電子放出装置においては、電子放出部材4の表面の一部を含み、基板1表面に実質的に平行な平面が、引き出し電極2の表面の一部を含み、前記基板表面に実質的に平行な平面と、アノード電極61との間に配置される。この様な構成とすることで、ゲート電極に吸い込まれる電子の低減と、アノード電極上に照射される電子ビームのスポット径の低減とを実現することができる。
【0062】
また、さらには、本発明の電子放出素子においては、ゲート電極2上での散乱を実質的に生じない高さs(ゲート電極2表面の一部を含み、基板1表面と実質的に平行な平面と、電子放出部材4の表面を含み、基板1表面と実質的に平行な平面との距離で定義される)に電子放出部材4が配置される。
【0063】
上記高さsは、縦方向電界と横方向電界の比(縦方向電界強度/横方向電界強度)に依存し、縦方向電界と横方向電界比が低いほど、その高さが低く、横方向電界が大きいほど高さが必要であるが、実用的な範囲として、高さsは10nm以上10μm以下である。
【0064】
そして、また、本発明の電子放出装置においては、図6に示した構成において、陰極電極3とゲート電極2との間隙の距離をd、電子放出素子を駆動したときの電位差(陰極電極3とゲート電極2間の電圧)をVf、アノード電極61と素子が配置された基板1表面との距離をH、アノード電極61と陰極電極3との電位差をVaとした時、駆動時の電界(横方向電界):E1=Vf/dは、アノード−カソード間の電界(縦方向電界):E2=Va/Hの1倍以上50倍以下に設定される。
【0065】
このようにすることにより、陰極電極3側から放出された電子がゲート電極2に衝突する割合をほぼ無くすことができる。その結果、放出された電子ビームの広がりが極めて少なく、高効率な、電子放出素子および電子放出装置が得られる。
【0066】
尚、本発明で言う「横方向電界」は、「基板1の表面と実質的に平行な方向における電界」と言う事が出来る。あるいは、また、「ゲート電極2とカソード電極3とが対向する方向における電界」とも言う事が出来る。また、本発明で言う「縦方向電界」とは、「基板1の表面と実質的に垂直な方向における電界」、あるいは「基板1とアノード電極61とが対向する方向における電界」と言う事も出来る。
【0067】
絶縁性の基板1としては、その表面を十分に洗浄した、石英ガラス,Na等の不純物含有量を減少させてKなどに一部置換したガラス,青板ガラスもしくはシリコン基板等にスパッタ法等によりSiO2を積層した積層体、またはアルミナ等のセラミックスの絶縁性基板が挙げられる。
【0068】
引き出し電極2および陰極電極3は導電性を有しており、蒸着法,スパッタ法等の一般的真空成膜技術またはフォトリソグラフィー技術により形成される。素子電極の材料は、例えば、炭素,金属,金属の窒化物,金属の炭化物,金属のホウ化物,半導体,半導体の金属化合物から適宜選択され、好ましくは炭素,金属,金属の窒化物または金属の炭化物の耐熱性材料が望ましい。素子電極の厚さは数十nmから数十μmの範囲で設定される。
【0069】
なお、この電極の厚さが薄いために電位降下などが心配される時、あるいはマトリクス配列でこの素子を用いる場合は、必要に応じて低抵抗の配線用金属材料を用いてもよい。ただし、電子放出に関与しない部分に限られる。
【0070】
また、ここでは、陰極電極3と、繊維状カーボンを選択成長させるための層5とを別部材で形成した例を示したが、例えば、Ti,Zr,NbもしくはAlの中から選ばれた材料の電極で陰極電極3を構成し、その表面を酸化することで繊維状カーボンを選択成長させるための層5を構成する場合もある。
【0071】
本発明の電子放出素子においては、エミッター(電子放出部材)4として、繊維状カーボンから構成される。尚、本発明における「繊維状カーボン」とは、「炭素を主成分とする柱状物質」あるいは、「炭素を主成分とする線状物質」ということもできる。また、「繊維状カーボン」とは、「炭素を主成分とするファイバー」ということもできる。そして、また、本発明における「繊維状カーボン」とは、より具体的には、カーボンナノチューブ,グラファイトナノファイバー,アモルファスカーボンファイバーを含む。そして、中でも、グラファイトナノファイバーが電子放出部材4として最も好ましい。
【0072】
引き出し電極2と陰極電極3の間隔および駆動電圧については、前述したとおり、用いる陰極材料の電子放出電界(横方向電界)と画像形成に必要な縦方向電界との電界を比較した時に、電子放出電界が縦方向電界よりも1倍から50倍程度の値になるように設計することが好ましい。
【0073】
陽極(アノード電極)上に蛍光体などの発光体を配置する場合は、必要な縦方向電界は10-1V/μm以上10V/μm以下の範囲が好ましい。例えば、陽極(アノード電極)と陰極電極との間隔を2mmとし、その間隔に10kVを印加する場合、この時の縦方向電界は5V/μmとなる。この場合、用いるべきエミッター材料(電子放出部材)4の電子放出電界は5V/μmよりも大きな電子放出電界を持つ材料であり、選択した電子放出電界に相当するように、その間隔と、駆動電圧を決めればよい。
【0074】
このような数V/μmの閾値電界を持つ材料として、上述の繊維状カーボンが好適となる。
【0075】
図11,図12に本発明に好適な繊維状カーボンの形態の一例を示す。各図では一番左側に光学顕微鏡レベル(〜1000倍)で見える形態、中央は走査電子顕微鏡(SEM)レベル(〜3万倍)で見える形態、右側は透過電子顕微鏡(TEM)レベル(〜100万倍)で見えるカーボンの形態を模式的に示している。
【0076】
図11に示すようにグラフェンが円筒形状(円筒形が多重構造になっているものはマルチウォールナノチューブと呼ばれる)の形態をとるものはカーボンナノチューブと呼ばれ、特にチューブ先端を開放させた構造の時に、最もその閾値が下がる。
【0077】
あるいは、比較的低温で生成される繊維状カーボンを図12に示す。この形態の繊維状カーボンは、グラフェンの積層体(このため「グラファイトナノファイバー」と呼ばれることがあるが、温度によりアモルファス構造の割合が増加する)で構成されている。より具体的には、グラファイトナノファイバーは、その長手方向(ファイバーの軸方向)にグラフェンが積層されたファイバー状の物質を指す。換言すると、図12に示す様に、グラフェンがファイバーの軸に対して非平行に配置されたファイバー状の物質である。
【0078】
一方のカーボンナノチューブは、その長手方向(ファイバーの軸方向)を囲むよう(円筒形状)にグラフェンが配置されているファイバー状の物質である。換言すると、グラフェンがファイバーの軸に対して実質的に平行に配置されるファイバー状の物質である。
【0079】
尚、グラファイトの1枚面を「グラフェン」あるいが「グラフェンシート」と呼ぶ。より具体的には、グラファイトは、炭素原子がsp2混成により共有結合でできた正六角形を敷き詰める様に配置された炭素平面が、3.354Å(0.3354nm)の距離を保って積層してできたものである。この一枚一枚の炭素平面を「グラフェン」あるいは「グラフェンシート」と呼ぶ。
【0080】
いずれの繊維状カーボンも電子放出の閾値が1〜10V/μm程度であり、本発明のエミッター(電子放出部材)4の材料として非常に好適である。
【0081】
特に、グラファイトナノファイバーを用いた電子放出素子では、図1などに示した本発明の素子構造に限らず、低電界で電子放出を起こすことができ、大きな放出電流を得ることができ、簡易に製造ができ、安定な電子放出特性をもつ電子放出素子を得ることが出来る。例えば、グラファイトナノファイバーをエミッタとし、このエミッタからの電子放出を制御する電極を用意することで電子放出素子とすることができ、さらに、グラファイトナノファイバーから放出された電子の照射により発光する発光体を用いればランプなどの発光装置を形成することができる。また、さらには、上記グラファイトナノファイバーを用いた電子放出素子を複数配列すると共に、蛍光体などの発光体を有するアノード電極を用意することでディスプレイなどの画像表示装置をも構成することができる。グラファイトナノファイバーを用いた電子放出装置や発光装置や画像表示装置においては、内部を従来の電子放出素子のように超高真空に保持しなくても安定な電子放出をすることができ、また、低電界で高い電子放出量を確保できるため、信頼性の高い装置を非常に簡易に製造することができる。
【0082】
上記した繊維状カーボンは、触媒(炭素の堆積を促進する材料)を用いて炭化水素ガスを分解して形成することができる。カーボンナノチューブとグラファイトナノファイバーは触媒の種類、及び分解の温度によって異なる。
【0083】
前記触媒材料としてはFe,Co,Pd,Niもしくはこれらの中から選択された材料の合金が繊維状カーボン形成用の核として用いることが出来る。
【0084】
特に、Pdにおいては低温(400℃以上の温度)でグラファイトナノファイバーを生成することが可能である。一方、FeまたはCoを触媒として用いた場合、カーボンナノチューブの生成温度は800℃以上必要である。Pdを用いてのグラファイトナノファイバー材料の作成は、低温で可能なため、他の部材への影響や、製造コストの観点からも好ましい。
【0085】
さらにPdにおいては、酸化物が水素により低温(室温)で還元される特性を用いて、核形成材料として酸化パラジウムを用いることが可能である。
【0086】
酸化パラジウムの水素還元処理を行うと、一般的な核形成技法として従来から使用されている金属薄膜の熱凝集や、爆発の危険を伴う超微粒子の生成と蒸着を用いずとも、比較的低温(200℃以下)で初期凝集核の形成が可能となった。
【0087】
前述の炭化水素ガスとしては、例えば、エチレン,メタン,プロパン,プロピレンなどの炭化水素ガス、あるいはエタノールやアセトンなどの有機溶剤の蒸気を用いることができる。
【0088】
尚、繊維状カーボンの原料としては、前述の炭化水素ガスだけでなく、CO,CO2などの原料も用いることが出来る。
【0089】
図1,図6に示した、層5の材料としては、前述したように、繊維状カーボンの成長選択性を有するTi,Zr,NbもしくはAlの中から選ばれた材料の酸化物、またはTi,ZrもしくはNbの中から選ばれた材料の酸化物半導体を用いる。
【0090】
上記Ti,Zr,Nbの化学量論的な酸化物は絶縁体であるが、弱い酸化あるいは低級の酸化物は、内部に多くの欠陥を保有し、酸素欠損型等の半導体を形成する。
【0091】
ただし、Alは導電性を有する酸化膜は形成されない。このためAlの酸化物を用いる場合には、Alの表面に形成される酸化膜層の厚さを薄くすることで、電子が絶縁層をトンネリングする導電機構を用いて繊維状カーボンと陰極電極3との電気的接続を確保する必要がある。
【0092】
本実施の形態では、Ti,Zr,NbまたはAlの中から選ばれた材料の酸化物の上にPdを300℃程度の温度で数十分程度焼成して酸化パラジウムを形成した。このときTi,Zr,NbまたはAlも酸化するが、この程度の焼成温度と時間では、最初に堆積した層5の厚さにもよるが、層5全体が酸化せず、その表面だけが酸化する。さらに、前述したように半導体的な性質もあることから、結果、上記のように形成した層5には導電性を確保することができる。
【0093】
また、Pdなどの触媒粒子が形成される層5の表面を上述した酸化物で構成することで、繊維状カーボンを成長させる際の、層5の材料と触媒粒子との反応を抑制することができる。その結果、安定に、且つ高密度に繊維状カーボンを成長させることができる。
【0094】
これにより、図1に示すように、層5上に複数の繊維状カーボンが成長し、電子放出部材(エミッター)4が形成される。
【0095】
本発明の電子放出素子、電子放出装置、画像形成装置においては、電子放出の関与に係わらず、エミッター(電子放出部材)4の存在する領域を以後「エミッター領域」と呼ぶ。
【0096】
「エミッター領域」における電子放出点の位置(電子放出部位)とその動作について図6,7を用いて説明する。
【0097】
陰極電極3と引き出し電極2との間隔を数μmに設定した本発明の電子放出素子を、図6に示すような真空装置60に設置し、真空排気装置65によって10-4Pa程度に到達するまで十分に排気した、図6に示したように基板1の表面から数ミリの高さHの位置に陽極(アノード電極)61の表面が位置するように設け、陰極電極3および引き出し電極よりも数キロボルト高い電位(電圧Va)を電圧源(「第2の電圧印加手段」または「第2の電位印加手段」)を用いて、陽極61に印加した。ここでは、電圧Vaを陰極電極3と陽極61との間に印加したが、陽極に印加する電圧はグランド電位を基準としても良い。尚、基板1の表面と陽極61の表面は実質的に平行になるように配置される。
【0098】
素子には、図示しない電源(「第1の電圧印加手段」または「第1の電位印加手段」)により駆動電圧Vfとして数十V程度からなる電圧を陰極電極3と引き出し電極2との間に印加し、電極2、3間に流れる素子電流Ifと、アノード電極に流れる電子放出電流Ieを計測した。
【0099】
この時、等電位線63は図6のように形成され(基板1表面に実質的に平行に電界(電界の向き)が形成され)、最も電界の集中する点は符号64で示される電子放出部材4の最もアノード電極寄り、且つギャップに面する場所と想像される。この電界集中点近傍に位置する電子放出材料の中で最も電界集中する場所から電子が主に放出されると考えられる。素子のIe特性は図7に示すような特性であった。すなわち印加電圧の約半分からIeが急激に立ち上がり、不図示のIfはIeの特性に類似していたが、その値はIeと比較して十分に小さな値であった。
【0100】
次に、図8を参照しながら、上述した原理に基づく電子放出素子を複数個配列して構成した電子源および画像形成装置について説明する。図8において、81は電子源基体、82はX方向配線、83はY方向配線である。84は電子放出素子、85は結線である。
【0101】
X方向配線82はDx1,Dx2,・・・,Dxmのm本の配線からなり、真空蒸着法,印刷法,スパッタ法等を用いて形成された導電性金属等で構成することができる。配線の材料,膜厚,巾は適宜設計される。
【0102】
Y方向配線83はDy1,Dy2,・・・,Dynのn本の配線よりなり、X方向配線82と同様に形成される。
【0103】
これらm本のX方向配線82とn本のY方向配線83との間には、不図示の層間絶縁層が設けられており、両者を電気的に分離している(m,nは共に正の整数)。
【0104】
不図示の層間絶縁層は、真空蒸着法,印刷法,スパッタ法等を用いて形成されたSiO2等で構成される。例えば、X方向配線82を形成した電子源基体81の全面あるいは一部に所定の形状で形成され、特に、X方向配線82とY方向配線83の交差部の電位差に耐え得るように膜厚,材料,製法が適宜設定される。X方向配線82とY方向配線83はそれぞれ外部端子として引き出されている。
【0105】
電子放出素子84を構成する一対の電極(不図示)は、m本のX方向配線82とn本のY方向配線83と導電性金属等からなる結線85によって電気的に接続されている。
【0106】
X方向配線82とY方向配線83を構成する材料、結線85を構成する材料及び一対の素子電極を構成する材料は、その構成元素の一部あるいは全部が同一であっても、またそれぞれ異なってもよい。これら材料は、例えば前述の素子電極の材料より適宜選択される。素子電極を構成する材料と配線材料が同一である場合には、素子電極に接続した配線は素子電極ということもできる。
【0107】
X方向配線82には、X方向に配列した電子放出素子84の行を選択するための走査信号を印加する不図示の走査信号印加手段が接続される。一方、Y方向配線83には、Y方向に配列した電子放出素子84の各列を入力信号に応じて変調するための不図示の変調信号発生手段が接続される。各電子放出素子に印加される駆動電圧は、当該素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧として供給される。
【0108】
上記構成においては、単純なマトリクス配線を用いて、個別の素子を選択し、独立に駆動可能とすることができる。
【0109】
このような単純マトリクス配置の電子源を用いて構成した画像形成装置について、図9を用いて説明する。図9は、画像形成装置の表示パネルの一例を示す模式図である。
【0110】
図9において、81は電子放出素子を複数配した電子源基体、91は電子源基体81を固定したリアプレート、96はガラス基体93の内面に蛍光膜94とメタルバック95等が形成されたフェースプレートである。92は、支持枠であり該支持枠92には、リアプレート91、フェースプレート96がフリットガラス等を用いて接続されている。外囲器97は、例えば大気中、真空中あるいは、窒素中で、400〜500度の温度範囲で10分以上焼成することで、封着して構成される。
【0111】
外囲器97は、上述のごとく、フェースプレート96,支持枠92,リアプレート91で構成される。リアプレート91は主に電子源基体81の強度を補強する目的で設けられるため、電子源基体81自体で十分な強度を持つ場合は別体のリアプレート91は不要とすることができる。すなわち、電子源基体81に直接支持枠92を封着し、フェースプレート96、支持枠92及び電子源基体81で外囲器97を構成しても良い。一方、フェースプレート96とリアプレート91の間に、スペーサーとよばれる不図示の支持体を設置することにより、大気圧に対して十分な強度をもつ外囲器97を構成することもできる。
【0112】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明する。
【0113】
(第1実施例)
図1(a)は本発明の第1実施例に係る電子放出素子を素子上部から見た模式図であって、図1(b)は図1(a)のA−A間断面図である。
【0114】
図1において1は絶縁性の基板、2は引き出し電極、3は陰極電極、4は電子放出部材、5は繊維状カーボンが成長する層を示している。
【0115】
以下に、図5を用いて本実施例の電子放出素子の製造工程を詳細に説明する。
【0116】
(工程1)
基板1に石英基板を用い、十分洗浄を行った後、スパッタ法により厚さ5nmのTi(不図示)及び厚さ30nmのPtを連続的に蒸着を行なう。
【0117】
次に、フォトリソグラフィー工程で、ポジ型フォトレジスト(AZ1500/クラリアント社製)を用いてレジストパターンを形成する。
【0118】
次に、パターニングした前記フォトレジストをマスクとし、Arガスを用いてPt層およびTi層のドライエッチングを行い、電極ギャップ間(間隔)が5μmからなる引き出し電極2および陰極電極3を形成する(図5(a))。
【0119】
(工程2)
次に、基板1全体にCrをEB蒸着にて約100nmの厚さに堆積する。
【0120】
次に、フォトリソグラフィー工程で、ポジ型フォトレジスト(AZ1500/クラリアント社製)を用いてレジストパターンを形成する。
【0121】
次に、パターニングした前記フォトレジストをマスクとし、電子放出材料を被覆すべき領域(100μm角)を陰極電極3上に形成し、開口部のCrを硝酸セリウム系のエッチング液で取り除く。
【0122】
次に、スパッタ法にてTiを厚さ50nmの厚さに蒸着する。
【0123】
次に、不要なTiとレジストを同時に剥離する(リフトオフ法)(図5(b))。
【0124】
(工程3)
Pd錯体にイソプロピルアルコール等を加えた錯体溶液を、スピンコートにて基板全体に塗布する。
【0125】
塗布後、大気中300℃で熱処理を行い、酸化パラジウム51を約10nmの厚さに形成した後、残る全てのCrを硝酸セリウム系のエッチング液にて取り除く。
【0126】
この時、下地のTi層5の表面が酸化されているが、層5のシート抵抗は1×102Ω/□となり、導電性は確保されている(図5(c))。
【0127】
(工程4)
大気を排気後、基板1を200℃に加熱し、窒素で希釈した2%水素気流中で熱処理を行う。この段階で素子表面には粒子の直径が約3〜10nmの粒子52が形成される。この時の粒子の密度は約1011〜1012個/cm2と見積もられる(図5(d))。
【0128】
(工程5)
続いて、窒素希釈した0.1%エチレン気流中で500℃、10分間加熱処理して繊維状カーボンを形成する。
【0129】
上記製造工程により得られた電子放出素子を走査電子顕微鏡で観察すると、Pd塗布領域に直径10nm〜25nm程度で、屈曲しながら繊維状に伸びた多数の繊維状カーボンが形成されているのがわかった。このとき繊維状カーボンの厚さは約500nmとなっていた(図5(e))。
【0130】
尚、図中、触媒粒子は導伝性材料と接する位置に描かれているが、繊維状カーボンの先端あるいは繊維の中間位置に存在することもあった。
【0131】
本素子の電子放出効率を検証すべく、本素子を図6に示すような真空装置60に設置し、真空排気装置65によって2×10-5Paに到達するまで十分に排気した。そして、素子からH=2mm離れた陽極(アノード)61に、陽極(アノード)電圧としてVa=10kVを印加し、さらに、素子には駆動電圧Vf=20Vからなるパルス電圧を印加して、このときに流れる素子電流Ifと電子放出電流Ieを計測した。
【0132】
素子のIe特性は図7に示すような特性を示した。具体的には、印加電圧の約半分からIeが急激に増加し、Vfが15Vのときに約1μAの電子放出電流Ieが測定された。一方If(不図示)はIeの特性に類似していたが、その値はIeと比較して一桁以上小さな値であった。
【0133】
以上述べたように、本実施例では陰極電極3の上に繊維状カーボンの成長選択性を有する層5を設けたことで、繊維状カーボンを所定の位置に一定の高い密度で成長させることが可能となった。
【0134】
また、層5を繊維状カーボンと電極3との電気的接続層として用いたことにより、繊維状カーボンと電極3との間に安定した電気的接合を確保でき、安定に電子放出させることが可能となった。
【0135】
本実施例では、層5の材料として、Tiの一部分が酸化したものまたはTiの酸化物半導体を用いたが、TiのかわりにZr,NbまたはAlを用いてもよい。また、これら以外であっても、繊維状カーボンの成長選択性を有する材料であれば好適に利用できる。
【0136】
本実施例では、工程1で陰極電極3を形成した後、陰極電極3の上に層5を積層したが、陰極電極3と層5を同一の材料で一度に形成してもよい。このときの材料として上述の繊維状カーボンの成長選択性を有する材料を用いることで、より簡易なプロセスで電子放出素子を作ることができる。
【0137】
本実施例の電子放出素子で得られたビームはY方向に細長く、X方向に短い、略矩形形状であった。
【0138】
駆動電圧Vfを15V、アノード間距離Hを2mmに固定し、アノード電圧Vaを5kV,10kV、ギャップを1μm,5μmにした時のビーム幅を測定したところ表1のようになった。
【0139】
【表1】
Figure 0003658346
【0140】
なお、駆動に必要な電界は繊維状カーボンの成長条件を変えることで変化させることが可能であった。特に酸化パラジウムを還元処理してできるPdの平均粒径が、その後の成長でできる繊維状カーボンの直径と関連している。Pdの平均直径は塗布するPd錯体のPd濃度とスピンコートの回転数で制御することが可能であった。
【0141】
この素子の繊維状カーボンを透過電顕で観察したところ、グラフェンが図12の右に示すように、繊維状カーボンの軸方向に沿って積層された構造であった。グラフェンの積層間隔(Z軸方向)は温度が低い500℃程度では不鮮明であり、その間隔が0.4nmであったが、温度が高くなればなるほど、格子間隔が鮮明となり、700℃では0.34nmとなりグラファイト0.335nmに近い値となった。
【0142】
(第2実施例)
図2には、第2実施例が示されている。
【0143】
本実施例では陰極電極3bの厚さを500nm、引き出し電極2の厚さを30nmに形成した以外は第1実施例と同様にして電子放出素子の作製を行い、If,Ieの計測を行った。
【0144】
その他の構成および作用については第1実施例と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0145】
本実施例の素子構成では、陰極電極3bを厚くすることで、電子放出位置を引き出し電極2から見て、確実に高い位置(アノード側)にすることが出来た。
【0146】
この構成によって、電子がゲートに衝突する軌道が減少し、効率の低下や、ビーム径の増大を招く現象を防ぐことができた。
【0147】
この結果、本素子構成においても、Vfが20Vでは約1μAの電子放出電流Ieが測定された。一方IfはIeの特性に類似していたが、その値はIeと比較して二桁小さな値であった。
【0148】
なお、この時のビーム径も表1と略同じであった。
【0149】
(第3実施例)
図3には、第3実施例が示されている。
【0150】
上記実施例では、層5と電子放出部材4を陰極電極3上に形成したが、本実施例では、層5cおよび電子放出部材4cが、陰極電極3とゲート電極2とのギャップ(間隙)部と、陰極電極3上にまたがるように形成した。
【0151】
第1実施例の工程2において、レジストパターンを形成する位置を変える以外は、第1実施例と同じ工程により形成することができるので、同一の部分については説明を省略する。
【0152】
なお、本実施例では、電子放出部材4cと引き出し電極2の離間幅が狭くなるように、陰極電極3とゲート電極2間のギャップ部のほぼ中間位置(ギャップ間距離の約半分)まで層5cおよび電子放出部材4cを延設した。
【0153】
本素子では第1実施例と比較してギャップ間距離が小さい分、電界が約2倍程度強い。このため駆動の電圧は8V程度まで低下させることが可能となった。
【0154】
また層5を繊維状カーボンの電気的接続層として用いたことによりギャップ内の繊維状カーボンから安定に電子放出させることが可能となった。
【0155】
(第4実施例)
図4には、第4実施例が示されている。
【0156】
本実施例では、第1実施例で述べた工程1と2を以下に示すように変更した。
【0157】
(工程1)
基板1に石英基板を用い、十分洗浄を行った後、スパッタ法により、陰極電極3dとして厚さ5nmのTi及び厚さ30nmのPtを、さらに、繊維状カーボン成長可能な層5dとして厚さ100nmのTiを、連続的に蒸着を行う。
【0158】
次に、フォトリソグラフィー工程で、ポジ型フォトレジスト(AZ1500/クラリアント社製)を用いてレジストパターンを形成する。
【0159】
次に、パターニングした前記フォトレジストをマスクとして、CF4によりTi層(層5d)のドライエッチングを行い、続いて、Pt,Ti層(陰極電極3d)をArにてドライエッチングを行って陰極電極3dを形成する。
【0160】
次に、陰極電極3dをマスクとして用い、フッ酸とフッ化アンモニウムからなる混酸を用いて、約500nmの深さ、石英基板をエッチングする。
【0161】
続いて、引き出し電極2dとして再びスパッタ法により厚さ5nmのTi及び厚さ30nmのPtを連続的に蒸着を行う。陰極電極3dのフォトレジストを剥離後、再びポジ型フォトレジスト(AZ1500/クラリアント社製)を用いて引き出し電極形状を形成するためのレジストパターンを形成する。
【0162】
次に、パターニングした前記フォトレジストをマスクとしてPt層,Ti層をArを用いてドライエッチングを行い、電極間に形成された段差がギャップとして作用するように引き出し電極2を形成する。
【0163】
この工程以降は、第1実施例とほぼ同一の工程である。
【0164】
ただし、本実施例では、繊維状カーボンの成長用触媒材料としてNiを用いた。このとき、レジストパターンを導電層5d上に形成して、直進性のよい抵抗加熱蒸着でNi粒子を約5nmの厚さに形成し、その後酸化処理を350℃で30分行うとよい。
【0165】
本実施例では、基板1dに段差を設けて両電極に高低差をつけた構成にしたので、より微細なギャップを作ることが可能となり、約6V程度から電子放出させることが出来るようになった。
【0166】
また陰極材料4dの高さ(膜厚)が厚いことに起因して、膜の上部からだけでなく中間位置から電子が出ることで、引き出し電極2dに電子が衝突し、効率の低下や、ビーム径の増大を防ぐことが出来た。
【0167】
(第5実施例)
本発明の実施の形態に係る電子放出素子を複数配列して構成される画像形成装置について、図8,9,10を用いて説明する。図8において、81は電子源基体、82はX方向配線、83はY方向配線である。84は電子放出素子、85は結線である。
【0168】
電子放出素子84を複数配置したことに伴い素子の容量が増大すると、図8に示すマトリクス配線においては、パルス幅変調に伴う短いパルスを加えても容量成分により波形がなまり、期待した階調が取れないなどの問題が生じる。このため本実施例では電子放出部のすぐ脇に層間絶縁層を配し、電子放出部以外での容量性分の増加を低減する構造を採用した。
【0169】
図8において、X方向配線82はDx1,Dx2,・・・,Dxmのm本の配線からなり、蒸着等にて形成された厚さ約1μm、幅300μmのアルミニウム系配線材料で構成されている。配線の材料,膜厚,巾は適宜設計される。
【0170】
Y方向配線83は厚さ0.5μm、幅100μmのDy1,Dy2,・・・,Dynのn本の配線よりなり、X方向配線82と同様に形成される。
【0171】
これらm本のX方向配線82とn本のY方向配線83との間には、不図示の層間絶縁層が設けられており、両者を電気的に分離している(m,nは共に正の整数)。
【0172】
不図示の層間絶縁層は、スパッタ法等を用いて厚さ約0.8μmに形成したSiO2からなり、X方向配線82を形成した電子源基体81の全面あるいは一部に所定の形状で形成され、特に、X方向配線82とY方向配線83の交差部の電位差に耐え得るように膜厚を決定する。本実施例では1素子当たりの素子容量が1pF以下、素子耐圧が30Vになるように層間絶縁層の厚さを決定した。
【0173】
X方向配線82とY方向配線83はそれぞれ外部端子として引き出されている。
【0174】
電子放出素子84を構成する一対の電極(不図示)は、m本のX方向配線82とn本のY方向配線83と導電性金属等からなる結線85によって電気的に接続されている。
【0175】
X方向配線82には、X方向に配列した電子放出素子84の行を選択するための走査信号を印加する不図示の走査信号印加手段が接続される。一方、Y方向配線83には、Y方向に配列した電子放出素子84の各列を入力信号に応じて変調するための不図示の変調信号発生手段が接続される。各電子放出素子に印加される駆動電圧は、当該素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧として供給される。
【0176】
本実施例においてはY方向配線83は高電位、X方向配線82は低電位になるように接続した。このように接続することで、ビームの収束効果が得られた。
【0177】
上記構成においては、単純なマトリクス配線を用いて、個別の素子を選択し、独立に駆動可能とすることができる。
【0178】
このような単純マトリクス配置の電子源を用いて構成した画像形成装置について、図9を用いて説明する。
【0179】
図9は、ガラス基板材料としてソーダライムガラスを用いた画像形成装置の表示パネルの概略斜視図である。
【0180】
図9において、81は電子放出素子を複数配した電子源基体、91は電子源基体81を固定したリアプレート、96はガラス基体93の内面に蛍光膜94とメタルバック95等が形成されたフェースプレートである。92は、支持枠であり該支持枠92には、リアプレート91、フェースプレート96がフリットガラス等を用いて接続されている。97は外囲器であり、真空中で、450℃の温度範囲で10分焼成することで、封着して構成される。
【0181】
外囲器97は、上述のごとく、フェースプレート96,支持枠92,リアプレート91で構成される。そして、フェースプレート96とリアプレート91の間に、スペーサーとよばれる不図示の支持体を設置することにより、大気圧に対して十分な強度をもつ外囲器97を構成した。
【0182】
メタルバック95は、蛍光膜94作製後、蛍光膜94の内面側表面の平滑化処理(通常、「フィルミング」と呼ばれる。)を行い、その後Alを真空蒸着等を用いて堆積させることで作られた。
【0183】
フェースプレート96には、更に蛍光膜94の導電性を高めるため、蛍光膜94の外面側に透明電極(不図示)を設けた。
【0184】
前述の封着を行う際には、カラーの場合は各色蛍光体と電子放出素子とを対応させる必要があり、十分な位置合わせが不可欠となる。
【0185】
本実施例では電子源からの電子放出はゲート電極側に出射されるので、10kVのアノード電圧、アノード間距離2mmの時は、200μmだけゲート側に偏移させて蛍光体を配置した。
【0186】
図10は本実施例の画像形成装置の回路構成を示す模式図である。
【0187】
走査回路102は、内部にM個のスイッチング素子(図中、S1〜Smで模式的に示している。)を備えたものである。各スイッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしくは0V(グランドレベル)のいずれか一方を選択し、表示パネル101の端子Dox1〜Doxmと電気的に接続される。
【0188】
S1〜Smの各スイッチング素子は、制御回路103が出力する制御信号TSCANに基づいて動作するものであり、例えばFETのようなスイッチング素子を組み合わせることにより構成することができる。
【0189】
直流電圧源Vxは電子放出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に基づき、走査されていない素子に印加される駆動電圧が電子放出しきい値電圧以下となるような一定電圧を出力するよう設定されている。
【0190】
制御回路103は、外部より入力する画像信号に基づいて適切な表示が行なわれるように各部の動作を整合させる機能を有する。制御回路103は、同期信号分離回路106より送られる同期信号TSYNCに基づいて、各部に対してTSCAN,TSFTおよびTMRYの各制御信号を発生する。
【0191】
同期信号分離回路106は、外部から入力されるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝度信号成分とを分離するための回路で、一般的な周波数分離(フィルター)回路等を用いて構成できる。同期信号分離回路106により分離された同期信号は、垂直同期信号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜上TSYNC信号として図示した。前記テレビ信号から分離された画像の輝度信号成分は便宜上DATA信号と表した。該DATA信号はシフトレジスタ104に入力される。
【0192】
シフトレジスタ104は、時系列的にシリアルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制御回路103より送られる制御信号TSFTに基づいて動作する(すなわち、制御信号TSFTはシフトレジスタ104のシフトクロックであるということもできる。)。シリアル/パラレル変換された画像1ライン分(電子放出素子N素子分の駆動データに相当)のデータは、Id1〜IdnのN個の並列信号として前記シフトレジスタ104より出力される。
【0193】
ラインメモリ105は、画像1ライン分のデータを必要時間の間だけ記憶するための記憶装置であり、制御回路103より送られる制御信号TMRYに従って適宜Id1〜Idnの内容を記憶する。記憶された内容は、Id’1〜Id’nとして出力され、変調信号発生器107に入力される。
【0194】
変調信号発生器107は、画像データId’1〜Id’nの各々に応じて電子放出素子の各々を適切に駆動変調する為の信号源であり、その出力信号は、端子Doy1〜Doynを通じて表示パネル101内の電子放出素子に印加される。
【0195】
前述したように、本発明の実施の形態に係る電子放出素子は放出電流Ieに対して以下の基本特性を有している。
【0196】
すなわち、電子放出には明確なしきい値電圧Vthがあり、Vth以上の電圧を印加された時のみ電子放出が生じる。電子放出しきい値以上の電圧に対しては、素子への印加電圧の変化に応じて放出電流も変化する。
【0197】
このことから、本素子にパルス状の電圧を印加する場合、例えば電子放出しきい値以下の電圧を印加しても電子放出は生じないが、電子放出しきい値以上の電圧を印加する場合には電子ビームが出力される。
【0198】
その際、パルスの波高値Vmを変化させる事により出力電子ビームの強度を制御することが可能である。また、パルスの幅Pwを変化させることにより出力される電子ビームの電荷の総量を制御する事が可能である。
【0199】
従って、入力信号に応じて、電子放出素子を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変調方式等が採用できる。
【0200】
電圧変調方式を実施するに際しては、変調信号発生器107として、一定長さの電圧パルスを発生し、入力されるデータに応じて適宜パルスの波高値を変調するような電圧変調方式の回路を用いることができる。
【0201】
また、パルス幅変調方式を実施するに際しては、変調信号発生器107として、一定の波高値の電圧パルスを発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パルスの幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いることができる。
【0202】
シフトレジスタ104やラインメモリ105は、デジタル信号式を用いた。
【0203】
本実施例では、変調信号発生器107には、例えばD/A変換回路を用い、必要に応じて増幅回路などを付加する。パルス幅変調方式の場合、変調信号発生器107には、例えば高速の発振器および発振器の出力する波数を計数する計数器(カウンタ)及び計数器の出力値と前記メモリの出力値を比較する比較器(コンパレータ)を組み合せた回路を用いた。
【0204】
ここで述べた画像形成装置の構成は、本発明を適用可能な画像形成装置の一例であり、本発明の技術思想に基づいて種々の変形が可能である。入力信号については、NTSC方式を挙げたが入力信号はこれに限られるものではなく、PAL,SECAM方式など他、これよりも多数の走査線からなるTV信号(例えば、MUSE方式をはじめとする高品位TV)方式をも採用できる。
【0205】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、繊維状カーボンの成長選択性を有する導電層を設けたので、繊維状カーボンを所定の位置に高密度で成長させ安定した電気的接合を確保でき、素子容量および駆動電圧の低減と電子放出効率の向上を図るとともに、高精細なビームを得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る電子放出素子の概略構成図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る電子放出素子の概略構成図である。
【図3】本発明の第3実施例に係る電子放出素子の概略構成図である。
【図4】本発明の第4実施例に係る電子放出素子の概略構成図である。
【図5】本発明の第1実施例に係る電子放出素子の製造工程を示す図である。
【図6】本発明の実施例に係る電子放出素子を動作させるときの模式図である。
【図7】本発明の実施例に係る電子放出素子の動作特性を示す模式図である。
【図8】本発明の実施例に係る電子源の単純マトリクス回路の概略構成図である。
【図9】本発明の実施例に係る画像形成装置の表示パネルの概略構成図である。
【図10】本発明の実施例に係る画像形成装置の回路構成の概略構成図である。
【図11】カーボンナノチューブの構造を示す模式図である。
【図12】グラファイトナノファイバーの構造を示す模式図である。
【図13】縦型FEの従来例の概略斜視図である。
【図14】横型FEの従来例の概略斜視図である。
【符号の説明】
1,1d 基板
2,2d 引き出し電極(ゲート電極,第2電極)
3,3b,3d 陰極電極(カソード電極,第1電極)
4,4c,4d 陰極材料(繊維状カーボン)
5,5c,5d 導電層
60 真空装置
61 アノード
65 真空排気装置
81 電子源基体
82 X方向配線
83 Y方向配線
84 電子放出素子
85 結線
91 リアプレート
92 支持枠
93 ガラス基体
94 蛍光膜
95 メタルバック
96 フェースプレート
97 外囲器
101 表示パネル
102 走査回路
103 制御回路
104 シフトレジスタ
105 ラインメモリ
106 同期信号分離回路
107 変調信号発生器

Claims (22)

  1. 炭素を主成分とするファイバーと、
    Ti,ZrもしくはNbの中から選択された材料の酸化物半導体からなる層と、を備え、
    前記炭素を主成分とするファイバーは、前記層上に配置されており、且つ、その一部に触媒を有することを特徴とする電子放出素子。
  2. 前記炭素を主成分とするファイバーは、該ファイバーの軸方向に積層された複数のグラフェンを有することを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子。
  3. 前記炭素を主成分とするファイバーは、カーボンナノチューブもしくはアモルファスカーボンもしくはこれら混合物、または、カーボンナノチューブもしくはアモルファスカーボンもしくはこれらの混合物とグラファイトナノファイバーとの混合物であることを特徴とする請求項に記載の電子放出素子。
  4. 前記炭素を主成分とするファイバーが有する触媒はPdを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子放出素子。
  5. 基板の表面上に設けた第1電極と、
    前記第1電極と間隙を挟んで前記基板の表面上に設けた第2電極と、
    前記第1電極よりも高い電位を前記第2電極に印加する手段と、をさらに有し、
    前記層の少なくとも一部分を前記第1電極上に配置したことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の電子放出素子。
  6. 前記第1電極の厚みを、前記第2電極の厚みよりも厚くしたことを特徴とする請求項に記載の電子放出素子。
  7. 前記炭素を主成分とするファイバーが、前記第2電極よりも前記基板表面から離れて位置することを特徴とする請求項5または6に記載の電子放出素子。
  8. 前記第1電極を設ける位置が前記第2電極を設ける位置より高くなるように、前記基板表面に段差を設けたことを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の電子放出素子。
  9. 複数の電子放出素子からなる電子源であって、前記電子放出素子が、請求項1乃至のいずれか1項に記載の電子放出素子であることを特徴とする電子源。
  10. 請求項に記載の電子源と、該電子源から放出された電子が衝突するアノードと、を有することを特徴とする画像形成装置。
  11. 前記アノードは蛍光体を有することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 画像形成装置を備えるテレビジョン放送の表示装置であって、前記画像形成装置が請求項11に記載の画像形成装置であることを特徴とするテレビジョン放送の表示装置。
  13. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電子放出素子と、前記電子放出素子から放出された電子の照射により発光する発光体と、有することを特徴とする発光装置。
  14. 炭素を主成分とするファイバーを有する電子放出素子の製造方法であって、
    基板上にTi,ZrもしくはNbの中から選択された材料の酸化物半導体からなる層を配置する工程と、
    前記層上にカーボンの成長を促進する触媒粒子を配置する工程と、
    前記触媒粒子が配置された前記基板を、炭素化合物を含む雰囲気中で加熱する工程と、を含むことを特徴とする電子放出素子の製造方法。
  15. 前記炭素化合物が炭化水素ガスであることを特徴とする請求項14に記載の電子放出素子の製造方法。
  16. 前記層は、前記基板上に配置された電極上に形成されることを特徴とする請求項14または15に記載の電子放出素子の製造方法。
  17. 前記層は、前記基板上にTi,Zr,Nbの中から選択された材料からなる導電層を形成し、該導電層の表面を酸化する工程により形成されることを特徴とする請求項14乃至16のいずれかに記載の電子放出素子の製造方法。
  18. 前記導電層の表面を酸化する工程は、前記導電層表面に前記触媒粒子を構成する材料を形成し、該材料を酸化する工程により行われることを特徴とする請求項17に記載の電子放出素子の製造方法。
  19. 前記触媒粒子は、Pd,Ni,Fe,Coまたはこれらの合金の中から選択された材料からなる粒子であることを特徴とする請求項14乃至18のいずれかに記載の電子放出素子の製造方法。
  20. 複数の電子放出素子からなる電子源の製造方法であって、前記電子放出素子が、請求項14乃至19のいずれかに記載の製造方法により製造されることを特徴とする電子源の製造方法。
  21. 電子源と、画像形成部材とを有する画像形成装置の製造方法であって、前記電子源が、請求項20に記載の製造方法により製造されることを特徴とする画像形成装置の製造方法。
  22. 炭素を主成分とするファイバーを基板上に形成する方法であって、
    基板上にTi,ZrもしくはNbの中から選択された材料の酸化物半導体からなる層を配置する工程と、
    前記層上にカーボンの成長を促進する触媒粒子を配置する工程と、
    前記触媒粒子が配置された前記基板を、炭素化合物を含む雰囲気中で加熱する工程と、を含むことを特徴とする炭素を主成分とするファイバーを基板上に形成する方法。
JP2001254637A 2000-09-01 2001-08-24 電子放出素子、電子源および画像形成装置、並びに電子放出素子の製造方法 Expired - Fee Related JP3658346B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001254637A JP3658346B2 (ja) 2000-09-01 2001-08-24 電子放出素子、電子源および画像形成装置、並びに電子放出素子の製造方法
US09/941,595 US7034444B2 (en) 2000-09-01 2001-08-30 Electron-emitting device, electron source and image-forming apparatus, and method for manufacturing electron emitting device
US11/286,436 US7276842B2 (en) 2000-09-01 2005-11-25 Electron-emitting device, electron source and image-forming apparatus, and method for manufacturing electron emitting device
US11/835,870 US7591701B2 (en) 2000-09-01 2007-08-08 Electron-emitting device, electron source and image-forming apparatus, and method for manufacturing electron emitting device

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-265824 2000-09-01
JP2000265824 2000-09-01
JP2001254637A JP3658346B2 (ja) 2000-09-01 2001-08-24 電子放出素子、電子源および画像形成装置、並びに電子放出素子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002150923A JP2002150923A (ja) 2002-05-24
JP3658346B2 true JP3658346B2 (ja) 2005-06-08

Family

ID=26599102

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001254637A Expired - Fee Related JP3658346B2 (ja) 2000-09-01 2001-08-24 電子放出素子、電子源および画像形成装置、並びに電子放出素子の製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (3) US7034444B2 (ja)
JP (1) JP3658346B2 (ja)

Families Citing this family (36)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3639808B2 (ja) 2000-09-01 2005-04-20 キヤノン株式会社 電子放出素子及び電子源及び画像形成装置及び電子放出素子の製造方法
JP3639809B2 (ja) * 2000-09-01 2005-04-20 キヤノン株式会社 電子放出素子,電子放出装置,発光装置及び画像表示装置
JP3610325B2 (ja) * 2000-09-01 2005-01-12 キヤノン株式会社 電子放出素子、電子源及び画像形成装置の製造方法
JP3768908B2 (ja) * 2001-03-27 2006-04-19 キヤノン株式会社 電子放出素子、電子源、画像形成装置
US6970162B2 (en) * 2001-08-03 2005-11-29 Canon Kabushiki Kaisha Image display apparatus
JP3703415B2 (ja) * 2001-09-07 2005-10-05 キヤノン株式会社 電子放出素子、電子源及び画像形成装置、並びに電子放出素子及び電子源の製造方法
JP3768937B2 (ja) * 2001-09-10 2006-04-19 キヤノン株式会社 電子放出素子、電子源及び画像表示装置の製造方法
JP3710436B2 (ja) * 2001-09-10 2005-10-26 キヤノン株式会社 電子放出素子、電子源及び画像表示装置の製造方法
JP3535871B2 (ja) * 2002-06-13 2004-06-07 キヤノン株式会社 電子放出素子、電子源、画像表示装置及び電子放出素子の製造方法
US20050287042A1 (en) * 2002-08-22 2005-12-29 Chase George G Nanofibers with modified optical properties
JP3625467B2 (ja) 2002-09-26 2005-03-02 キヤノン株式会社 カーボンファイバーを用いた電子放出素子、電子源および画像形成装置の製造方法
JP3619240B2 (ja) 2002-09-26 2005-02-09 キヤノン株式会社 電子放出素子の製造方法及びディスプレイの製造方法
US7064475B2 (en) * 2002-12-26 2006-06-20 Canon Kabushiki Kaisha Electron source structure covered with resistance film
JP3907626B2 (ja) * 2003-01-28 2007-04-18 キヤノン株式会社 電子源の製造方法、画像表示装置の製造方法、電子放出素子の製造方法、画像表示装置、特性調整方法、及び画像表示装置の特性調整方法
JP3697257B2 (ja) * 2003-03-25 2005-09-21 キヤノン株式会社 カーボンファイバー、電子放出素子、電子源、画像形成装置、ライトバルブ、二次電池の製造方法
JP4154356B2 (ja) 2003-06-11 2008-09-24 キヤノン株式会社 電子放出素子、電子源、画像表示装置及びテレビ
JP4324078B2 (ja) * 2003-12-18 2009-09-02 キヤノン株式会社 炭素を含むファイバー、炭素を含むファイバーを用いた基板、電子放出素子、該電子放出素子を用いた電子源、該電子源を用いた表示パネル、及び、該表示パネルを用いた情報表示再生装置、並びに、それらの製造方法
JP2005190889A (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 Canon Inc 電子放出素子、電子源、画像表示装置およびこれらの製造方法
US7834530B2 (en) * 2004-05-27 2010-11-16 California Institute Of Technology Carbon nanotube high-current-density field emitters
JP3935479B2 (ja) * 2004-06-23 2007-06-20 キヤノン株式会社 カーボンファイバーの製造方法及びそれを使用した電子放出素子の製造方法、電子デバイスの製造方法、画像表示装置の製造方法および、該画像表示装置を用いた情報表示再生装置
JP5374801B2 (ja) * 2004-08-31 2013-12-25 富士通株式会社 炭素元素からなる線状構造物質の形成体及び形成方法
JP4596878B2 (ja) 2004-10-14 2010-12-15 キヤノン株式会社 構造体、電子放出素子、2次電池、電子源、画像表示装置、情報表示再生装置及びそれらの製造方法
JP4667031B2 (ja) 2004-12-10 2011-04-06 キヤノン株式会社 電子放出素子の製造方法、および該製造方法を用いた、電子源並びに画像表示装置の製造方法
JP4769569B2 (ja) * 2005-01-06 2011-09-07 キヤノン株式会社 画像形成装置の製造方法
TWI471058B (zh) * 2005-06-01 2015-01-21 Univ Princeton 螢光之經過濾電磷光作用
JP4341609B2 (ja) * 2005-11-02 2009-10-07 ソニー株式会社 平面型表示装置、及び、平面型表示装置におけるアノードパネルの製造方法
CN100573778C (zh) * 2006-07-07 2009-12-23 清华大学 场发射阴极及其制造方法
JP2008027853A (ja) * 2006-07-25 2008-02-07 Canon Inc 電子放出素子、電子源および画像表示装置、並びに、それらの製造方法
US8424177B2 (en) * 2006-10-04 2013-04-23 Stmicroelectronics (Crolles 2) Sas MIM capacitor with enhanced capacitance
EP2109131B1 (en) * 2008-04-10 2011-10-26 Canon Kabushiki Kaisha Electron emitter and electron beam apparatus and image display apparatus using said emitter
EP2109132A3 (en) * 2008-04-10 2010-06-30 Canon Kabushiki Kaisha Electron beam apparatus and image display apparatus using the same
JP2009277457A (ja) 2008-05-14 2009-11-26 Canon Inc 電子放出素子及び画像表示装置
JP4458380B2 (ja) * 2008-09-03 2010-04-28 キヤノン株式会社 電子放出素子およびそれを用いた画像表示パネル、画像表示装置並びに情報表示装置
JP2010244960A (ja) * 2009-04-09 2010-10-28 Canon Inc 電子線装置及び画像表示装置
CN104332391B (zh) * 2014-09-01 2017-10-10 北京大学 一种去除较高密度碳纳米管阵列中金属性碳纳米管的方法
CN113035669A (zh) * 2019-12-24 2021-06-25 清华大学 电子发射源

Family Cites Families (90)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US633016A (en) * 1898-11-12 1899-09-12 Anderson Little Tether.
US4728851A (en) 1982-01-08 1988-03-01 Ford Motor Company Field emitter device with gated memory
US4816289A (en) * 1984-04-25 1989-03-28 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Process for production of a carbon filament
US6375917B1 (en) * 1984-12-06 2002-04-23 Hyperion Catalysis International, Inc. Apparatus for the production of carbon fibrils by catalysis and methods thereof
US4904895A (en) 1987-05-06 1990-02-27 Canon Kabushiki Kaisha Electron emission device
US5872541A (en) * 1987-07-15 1999-02-16 Canon Kabushiki Kaisha Method for displaying images with electron emitting device
US5066883A (en) * 1987-07-15 1991-11-19 Canon Kabushiki Kaisha Electron-emitting device with electron-emitting region insulated from electrodes
US4956578A (en) * 1987-07-28 1990-09-11 Canon Kabushiki Kaisha Surface conduction electron-emitting device
US4900483A (en) 1987-10-29 1990-02-13 Exxon Research And Engineering Company Method of producing isotropically reinforced net-shape microcomposites
JP2715312B2 (ja) 1988-01-18 1998-02-18 キヤノン株式会社 電子放出素子及びその製造方法、及び該電子放出素子を用いた画像表示装置
ZA899615B (en) 1988-12-16 1990-09-26 Hyperion Catalysis Int Fibrils
JP2981751B2 (ja) 1989-03-23 1999-11-22 キヤノン株式会社 電子線発生装置及びこれを用いた画像形成装置、並びに電子線発生装置の製造方法
JP3044382B2 (ja) 1989-03-30 2000-05-22 キヤノン株式会社 電子源及びそれを用いた画像表示装置
JPH03295131A (ja) 1990-04-11 1991-12-26 Seiko Epson Corp 電界放出素子およびその製造方法
US5192240A (en) * 1990-02-22 1993-03-09 Seiko Epson Corporation Method of manufacturing a microelectronic vacuum device
US5214346A (en) * 1990-02-22 1993-05-25 Seiko Epson Corporation Microelectronic vacuum field emission device
JP3151837B2 (ja) 1990-02-22 2001-04-03 セイコーエプソン株式会社 電界電子放出装置
US5618875A (en) * 1990-10-23 1997-04-08 Catalytic Materials Limited High performance carbon filament structures
US5458784A (en) * 1990-10-23 1995-10-17 Catalytic Materials Limited Removal of contaminants from aqueous and gaseous streams using graphic filaments
JP3152316B2 (ja) * 1991-05-31 2001-04-03 東邦レーヨン株式会社 炭素フィルム及びその製造方法
US5382867A (en) 1991-10-02 1995-01-17 Sharp Kabushiki Kaisha Field-emission type electronic device
JP2950689B2 (ja) 1991-10-02 1999-09-20 シャープ株式会社 電界放出型電子源
JP2763219B2 (ja) 1991-12-03 1998-06-11 シャープ株式会社 電界放出型電子素子
JPH05211029A (ja) 1992-01-31 1993-08-20 Ricoh Co Ltd 電子放出素子及びその製造方法
US5543684A (en) * 1992-03-16 1996-08-06 Microelectronics And Computer Technology Corporation Flat panel display based on diamond thin films
JP2669749B2 (ja) 1992-03-27 1997-10-29 工業技術院長 電界放出素子
JP3633154B2 (ja) 1996-03-22 2005-03-30 株式会社日立製作所 薄膜型電子源および薄膜型電子源応用機器
EP0614209A1 (en) 1993-03-01 1994-09-07 Hewlett-Packard Company A flat panel display
US5690997A (en) * 1993-10-04 1997-11-25 Sioux Manufacturing Corporation Catalytic carbon--carbon deposition process
DE4405768A1 (de) * 1994-02-23 1995-08-24 Till Keesmann Feldemissionskathodeneinrichtung und Verfahren zu ihrer Herstellung
JP3072825B2 (ja) * 1994-07-20 2000-08-07 キヤノン株式会社 電子放出素子、電子源、及び、画像形成装置の製造方法
JP3332676B2 (ja) 1994-08-02 2002-10-07 キヤノン株式会社 電子放出素子、電子源及び画像形成装置と、それらの製造方法
US6246168B1 (en) 1994-08-29 2001-06-12 Canon Kabushiki Kaisha Electron-emitting device, electron source and image-forming apparatus as well as method of manufacturing the same
EP0703594B1 (en) * 1994-09-22 2001-02-21 Canon Kabushiki Kaisha Electron-emitting device and method of manufacturing the same
JPH0982214A (ja) 1994-12-05 1997-03-28 Canon Inc 電子放出素子、電子源、及び画像形成装置
JP3532275B2 (ja) * 1994-12-28 2004-05-31 ソニー株式会社 平面表示パネル
JP3624041B2 (ja) * 1995-01-06 2005-02-23 キヤノン株式会社 導電性フリットを用いた画像表示装置
JP2932250B2 (ja) 1995-01-31 1999-08-09 キヤノン株式会社 電子放出素子、電子源、画像形成装置及びそれらの製造方法
US5780101A (en) * 1995-02-17 1998-07-14 Arizona Board Of Regents On Behalf Of The University Of Arizona Method for producing encapsulated nanoparticles and carbon nanotubes using catalytic disproportionation of carbon monoxide
US5577943A (en) * 1995-05-25 1996-11-26 Texas Instruments Inc. Method for fabricating a field emission device having black matrix SOG as an interlevel dielectric
DE69623550T2 (de) 1995-07-10 2003-01-09 Japan Res Dev Corp Verfahren zur Herstellung von Graphitfasern
JP3174999B2 (ja) 1995-08-03 2001-06-11 キヤノン株式会社 電子放出素子、電子源、それを用いた画像形成装置、及びそれらの製造方法
US5872422A (en) * 1995-12-20 1999-02-16 Advanced Technology Materials, Inc. Carbon fiber-based field emission devices
US6445006B1 (en) * 1995-12-20 2002-09-03 Advanced Technology Materials, Inc. Microelectronic and microelectromechanical devices comprising carbon nanotube components, and methods of making same
KR100195955B1 (ko) 1995-12-20 1999-06-15 구자홍 음극구조체의 구조 및 전자방사체 도포방법
US5726524A (en) * 1996-05-31 1998-03-10 Minnesota Mining And Manufacturing Company Field emission device having nanostructured emitters
US5905000A (en) * 1996-09-03 1999-05-18 Nanomaterials Research Corporation Nanostructured ion conducting solid electrolytes
JP3745844B2 (ja) 1996-10-14 2006-02-15 浜松ホトニクス株式会社 電子管
US5821680A (en) * 1996-10-17 1998-10-13 Sandia Corporation Multi-layer carbon-based coatings for field emission
JP3372848B2 (ja) * 1996-10-31 2003-02-04 キヤノン株式会社 電子放出素子及び画像表示装置及びそれらの製造方法
JPH10223133A (ja) * 1997-02-07 1998-08-21 Yamaha Corp 電界放出素子の製造方法
JPH10289650A (ja) * 1997-04-11 1998-10-27 Sony Corp 電界電子放出素子及びその製造方法並びに電界電子放出型ディスプレイ装置
JP3740295B2 (ja) * 1997-10-30 2006-02-01 キヤノン株式会社 カーボンナノチューブデバイス、その製造方法及び電子放出素子
JP3631015B2 (ja) * 1997-11-14 2005-03-23 キヤノン株式会社 電子放出素子及びその製造方法
US6087765A (en) * 1997-12-03 2000-07-11 Motorola, Inc. Electron emissive film
JP3077655B2 (ja) * 1997-12-22 2000-08-14 日本電気株式会社 カーボンナノチューブの製造装置及びその製造方法
JPH11232997A (ja) 1998-02-17 1999-08-27 Sony Corp 電子放出装置及びその製造方法
US6455021B1 (en) * 1998-07-21 2002-09-24 Showa Denko K.K. Method for producing carbon nanotubes
JP3765671B2 (ja) 1998-08-10 2006-04-12 パイオニア株式会社 電子放出素子及びこれを用いた電子放出表示装置
US6285123B1 (en) 1998-09-11 2001-09-04 Pioneer Corporation Electron emission device with specific island-like regions
US6309612B1 (en) * 1998-11-18 2001-10-30 The United States Of America As Represented By The United States Department Of Energy Ceramic membrane reactor with two reactant gases at different pressures
US6283812B1 (en) 1999-01-25 2001-09-04 Agere Systems Guardian Corp. Process for fabricating article comprising aligned truncated carbon nanotubes
US6204597B1 (en) * 1999-02-05 2001-03-20 Motorola, Inc. Field emission device having dielectric focusing layers
JP3323847B2 (ja) 1999-02-22 2002-09-09 キヤノン株式会社 電子放出素子、電子源および画像形成装置の製造方法
JP2000311587A (ja) 1999-02-26 2000-11-07 Canon Inc 電子放出装置及び画像形成装置
JP2000268706A (ja) * 1999-03-18 2000-09-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電子放出素子及びそれを用いた画像描画装置
JP2000277003A (ja) * 1999-03-23 2000-10-06 Futaba Corp 電子放出源の製造方法及び電子放出源
US6333016B1 (en) 1999-06-02 2001-12-25 The Board Of Regents Of The University Of Oklahoma Method of producing carbon nanotubes
SG109408A1 (en) * 1999-06-04 2005-03-30 Univ Singapore Method of reversibly storing h2, and h2-storage system based on metal-doped carbon-based materials
US6277318B1 (en) 1999-08-18 2001-08-21 Agere Systems Guardian Corp. Method for fabrication of patterned carbon nanotube films
US6390612B1 (en) * 1999-08-30 2002-05-21 Canon Kabushiki Kaisha Method for filling ink holding member with ink, ink filling apparatus, and ink tank to be filled with ink by ink filling method
US6448709B1 (en) * 1999-09-15 2002-09-10 Industrial Technology Research Institute Field emission display panel having diode structure and method for fabricating
US6290564B1 (en) * 1999-09-30 2001-09-18 Motorola, Inc. Method for fabricating an electron-emissive film
EP1102299A1 (en) 1999-11-05 2001-05-23 Iljin Nanotech Co., Ltd. Field emission display device using vertically-aligned carbon nanotubes and manufacturing method thereof
KR100477739B1 (ko) * 1999-12-30 2005-03-18 삼성에스디아이 주식회사 전계 방출 소자 및 그 구동 방법
JP3874396B2 (ja) 2000-01-13 2007-01-31 パイオニア株式会社 電子放出素子及びその製造方法並びに電子放出素子を用いた表示装置
EP1120877A1 (en) 2000-01-28 2001-08-01 Ciama Busbar S.L. Housing for electric power distribution systems based on grouped bars
JP3953276B2 (ja) * 2000-02-04 2007-08-08 株式会社アルバック グラファイトナノファイバー、電子放出源及びその作製方法、該電子放出源を有する表示素子、並びにリチウムイオン二次電池
JP3658342B2 (ja) * 2000-05-30 2005-06-08 キヤノン株式会社 電子放出素子、電子源及び画像形成装置、並びにテレビジョン放送表示装置
US6413487B1 (en) * 2000-06-02 2002-07-02 The Board Of Regents Of The University Of Oklahoma Method and apparatus for producing carbon nanotubes
CN1229837C (zh) * 2000-07-19 2005-11-30 松下电器产业株式会社 电子发射元件及采用其的图象显示装置
JP3610325B2 (ja) * 2000-09-01 2005-01-12 キヤノン株式会社 電子放出素子、電子源及び画像形成装置の製造方法
JP3639808B2 (ja) * 2000-09-01 2005-04-20 キヤノン株式会社 電子放出素子及び電子源及び画像形成装置及び電子放出素子の製造方法
JP3639809B2 (ja) 2000-09-01 2005-04-20 キヤノン株式会社 電子放出素子,電子放出装置,発光装置及び画像表示装置
JP3634781B2 (ja) * 2000-09-22 2005-03-30 キヤノン株式会社 電子放出装置、電子源、画像形成装置及びテレビジョン放送表示装置
JP3768908B2 (ja) * 2001-03-27 2006-04-19 キヤノン株式会社 電子放出素子、電子源、画像形成装置
US20030222560A1 (en) * 2001-05-22 2003-12-04 Roach David Herbert Catalytically grown carbon fiber field emitters and field emitter cathodes made therefrom
JP3703415B2 (ja) * 2001-09-07 2005-10-05 キヤノン株式会社 電子放出素子、電子源及び画像形成装置、並びに電子放出素子及び電子源の製造方法
JP3605105B2 (ja) * 2001-09-10 2004-12-22 キヤノン株式会社 電子放出素子、電子源、発光装置、画像形成装置および基板の各製造方法
JP3710436B2 (ja) * 2001-09-10 2005-10-26 キヤノン株式会社 電子放出素子、電子源及び画像表示装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20070287349A1 (en) 2007-12-13
US7591701B2 (en) 2009-09-22
US7034444B2 (en) 2006-04-25
US20060082277A1 (en) 2006-04-20
US20020057045A1 (en) 2002-05-16
JP2002150923A (ja) 2002-05-24
US7276842B2 (en) 2007-10-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3658346B2 (ja) 電子放出素子、電子源および画像形成装置、並びに電子放出素子の製造方法
JP3639808B2 (ja) 電子放出素子及び電子源及び画像形成装置及び電子放出素子の製造方法
JP3639809B2 (ja) 電子放出素子,電子放出装置,発光装置及び画像表示装置
JP3610325B2 (ja) 電子放出素子、電子源及び画像形成装置の製造方法
JP3710436B2 (ja) 電子放出素子、電子源及び画像表示装置の製造方法
US6853126B2 (en) Electron-emitting device, electron source, image forming apparatus, and electron-emitting apparatus
JP3703415B2 (ja) 電子放出素子、電子源及び画像形成装置、並びに電子放出素子及び電子源の製造方法
US6975288B2 (en) Method of driving image-forming apparatus and apparatus thereof
KR100702037B1 (ko) 전자방출소자 및 그 제조방법
JP2005166346A (ja) 電子放出素子、電子源及び画像形成装置の製造方法
JP4593816B2 (ja) 電子放出素子、画像形成装置及び電子放出素子の製造方法
JP3880595B2 (ja) 電子放出素子の製造方法、画像表示装置の製造方法
JP2003077388A (ja) 電子放出素子の製造方法及び画像形成装置
JP2009146639A (ja) 電子放出素子、電子源、画像表示装置、および、電子放出素子の製造方法
JP2002075166A (ja) 電子放出素子及び電子源及び画像形成装置
JP2003051243A (ja) 電子放出素子,電子源及び画像形成装置
JP2003051245A (ja) 電子放出素子及び電子源及び画像形成装置及び電子放出素子の製造方法
JP2002289088A (ja) 電子放出素子及び電子源及び電子源の駆動方法及び画像形成装置及び画像形成装置の駆動方法及び電子放出装置
JP2002075167A (ja) 電子放出素子、電子源、画像形成装置、及び電子放出素子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040831

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050311

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080318

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090318

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100318

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100318

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110318

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120318

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130318

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140318

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees