JP3605105B2 - 電子放出素子、電子源、発光装置、画像形成装置および基板の各製造方法 - Google Patents
電子放出素子、電子源、発光装置、画像形成装置および基板の各製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子放出素子、電子源、発光装置、画像形成装置および基板の各製造方法に関する。特に得られる画像形成装置は、テレビジョン放送の表示装置、テレビ会議システムやコンピューター等の表示装置の他、感光性ドラム等を用いて構成された光プリンターとしての画像形成装置等としても用いることができる。また、本発明で得られる基板は、燃料電池の陰極材料、2次電池の陰極材料、並びに水素吸蔵体等に応用できる。
【0002】
【従来の技術】
従来、 電子放出素子として熱電子源と冷陰極電子源の2種類が知られており、冷陰極電子源には、電界放出型、金属/絶縁層/金属型や表面伝導型等がある。これら電子放出素子を用いた画像形成装置には、近年、より高精細な解像度が要求されてきている。さらに、表示画素数の増大に伴い、駆動時には、電子放出素子の持つ素子容量に起因する消費電力が増大する為、素子容量の低減、駆動電圧の低減と電子放出素子の効率向上が望まれている。また、各素子の電子放出特性が均一であることや素子製造が簡単であること等も要求されている。そこで、こうした要求をクリアできる可能性のあるものとして、近年、カーボンナノチューブを電子放出素子に用いる提案が多くなされている。
【0003】
これまで、カーボンナノチューブを用いた電子放出素子等の製造・パターニング方法には、触媒金属を配置する位置にレジストによるドット状のパターニングを行い、所望の位置に触媒を形成しこれを核にカーボンナノチューブを成長させる方法(特開2000−086216 号公報)や、助剤を基板に付着させ電界印加プラズマCVD法により、基板の所望の位置にカーボンナノチューブを形成する方法(特開2000−057934 号公報)、また、あらかじめカーボンナノチューブをアーク放電法やグラファイトへのレーザー照射などにより別個に製造・精製後に、カーボンナノチューブを溶液やレジスト液などに分散させ、この分散液を基板上にコーティングする方法(特開2000−90809号公報)や、アメリカ特許公報6290564号や特開平11−162334号公報に記載の方法などが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
触媒を核にして、カーボンナノチューブを成長させる素子製法は、触媒となる金属を基板上に適切なサイズ、適切な粒径、適切な間隔で固定させる為、複数の煩雑な工程が必要となる。
【0005】
また、特開2000−90809号公報に記載の発明のように溶液中にカーボンナノチューブを分散させて得られた分散液を塗布する素子製法も、溶液中に均一に分散させたり、分散液を基板上の所望の位置だけにパターニングしたり、さらにベーキング等の後工程が必要となるため、プロセスが増加し、コストアップとなる。
【0006】
特開平11−162334 号公報に記載の発明のように接着剤を使用する素子製法も、柱状グラファイト成膜前の接着剤の塗布や、成膜後の焼成工程を必要とし、工程数の増加は免れない。
【0007】
本発明の目的は、工程が簡略で製造コストが廉価であり、基板の所望の位置に、所望の密度で炭素を主成分とするファイバー(以下、カーボンファイバーとも称する)を固定させ、優れた電子放出特性を有する電子放出素子を製造できる方法、前記素子を用いた電子源、発光装置および画像形成装置の各製造方法、同じく工程が簡略で製造コストが廉価な基板の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明は、複数のカーボンファイバーを基板に固定してなる電子放出素子の製造方法であって、
(A)複数のカーボンファイバーを第1のチャンバ内に用意する工程と、
(B)基板を第2のチャンバ内に配置する工程と、
(C)前記第1のチャンバ内の圧力を前記第2のチャンバ内の圧力よりも高くすることにより、前記第1のチャンバ内の前記複数のカーボンファイバーを、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとを連通する搬送管を介して前記第2のチャンバ内に搬送し、前記複数のカーボンファイバーの各々の長手方向における両端部のうちの一方の端部を前記基板に衝突させることにより、前記基板に前記複数のカーボンファイバーの各々の前記一方の端部を介して前記複数のカーボンファイバーの各々を直接固定する工程と
を含むことを特徴とする。
【0011】
前記カーボンファイバーは、前記第1のチャンバ中において、ガスに分散されていてもよい。前記ガスが、非酸化性ガスであってもよい。
【0012】
前記第2のチャンバ内が減圧状態であってもよい。前記第1のチャンバ中において、前記カーボンファイバーは、エアロゾル化されていてもよい。
【0013】
前記カーボンファイバーは、前記基板に衝突することにより発生する熱エネルギーにより、前記基板に固定されることができる。このカーボンファイバーが、グラファイトナノファイバー、カーボンナノチューブ、アモルファスカーボンおよびカーボンナノホーンからなる群から選ばれる少なくとも1種であってもよい。
【0014】
前記基板はその表面に第1の導電層を備えており、該第1の導電層に前記複数のカーボンファイバーの各々の一方の端部が固定されてもよい。前記基板はその表面に、前記第1の導電層と間隔を置いて配置された第2の導電層を備えていてもよい。前記第1の導電層は、ヤング率が、15以下の材料から形成されていてもよい。前記第1の導電層は、Sn、In、Au、Ag、Cu、Alの中から選択された金属、または、前記金属の中から選択された2種類以上の金属を含む導電性材料、または、前記金属の中から選択された金属を主成分とする導電性材料から形成されていてもよい。
【0015】
また本発明は、電子放出素子を複数配列形成した電子源の製造方法であって、前記電子放出素子が本発明の方法により製造されることを特徴とする電子源の製造方法に関する。
【0016】
本発明は更に、電子放出素子と、発光部材とを有する発光装置の製造方法であって、前記電子放出素子が、本発明の方法により製造されることを特徴とする発光装置の製造方法に関する。
【0017】
そして本発明は、電子源と発光部材とを有する画像形成装置の製造方法であって、前記電子源が本発明の方法により製造されることを特徴とする画像形成装置の製造方法に関する。
さらに本発明は、複数のカーボンファイバーの各々が、該複数のカーボンファイバーの各々の長手方向における両端部のうちの一方の端部を介して、その表面に固定された基板の製造方法であって、
(A)複数のカーボンファイバーを第1のチャンバ内に用意する工程と、
(B)基板を第2のチャンバ内に配置する工程と、
(C)前記第1のチャンバ内の圧力を前記第2のチャンバ内の圧力よりも高くすることにより、前記第1のチャンバ内の前記複数のカーボンファイバーを、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとを連通する搬送管を介して前記第2のチャンバ内に搬送し、前記複数のカーボンファイバーの各々の長手方向における両端部のうちの一方の端部を前記基板に衝突させることにより、前記基板に前記複数のカーボンファイバーの各々の前記一方の端部を介して前記複数のカーボンファイバーの各々を直接固定する工程と
を含むことを特徴とする複数のカーボンファイバーがその表面に固定された基板の製造方法に関する。
【0018】
本発明の製造方法は、触媒を基板上に形成してそれを核に炭素を主成分とするファイバーを成長させる方法ではなく、詳しくは後述するが、炭素を主成分とするファイバーを直接、基板に固定する方法であり、さらに詳しくは、エアロゾル化した炭素を主成分とするファイバーをノズルより噴射して、基板の所望の位置に前記ファイバーを衝突させ、前記ファイバーを接着剤などを用いずに、直接、基板の所望の位置に固定する方法である。
【0019】
本発明の方法は、カーボンナノチューブ等の炭素を主成分とするファイバーをエアロゾル化し、ガスと共に前記ファイバーを基板に向けて直接噴射するので、基板に固定される前記ファイバーは、基板面に対して垂直もしくはほぼ垂直に配置することになる。前記ファイバーが基板面に対し垂直もしくはほぼ垂直に固定できるので、鋭利なファイバーの先端に電界が集中するため、安定で良好な電子放出特性を有する電子放出素子が得られる。また、本発明の製造方法においては、炭素を主成分とするファイバーに限られるものではない。本発明の製造方法においては、導電性を有するファイバー(金属的な特性を持つファイバーを含む)を用いることもできる。また、本発明の方法は、従来のようにファイバーを素子基板上に成長固定させるために基板周辺を高温にする必要がなく、その結果電力消費が抑えられ製造コストを低廉化できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明における「炭素を主成分とするファイバー」とは、「炭素を主成分とする柱状物質」あるいは、「炭素を主成分とする線状物質」ということもできる。また、「炭素を主成分とするファイバー」とは、「繊維状カーボン」あるいは「カーボンファイバー」ということもできる。そして、また、本発明における「炭素を主成分とするファイバー」とは、より具体的には、カーボンナノチューブ、グラファイトナノファイバー、アモルファスカーボンファイバー、カーボンナノチューブの一端が閉じた構造のカーボンナノホーンおよびこれらの混合物を含む。そして、中でも、グラファイトナノファイバーが最も好ましい。
【0021】
グラファイトの1枚面を「グラフェン」あるいは「グラフェンシート」と呼ぶ。より具体的には、グラファイトは、炭素原子がsp2 混成により互いに共有結合してできた正六角形体を敷き詰める様に配置された炭素平面が、理想的には互いに3.354×10−10 mの距離を保って積層してできたものであるが、この一枚一枚の炭素平面を「グラフェン」あるいは「グラフェンシート」と呼ぶ。
【0022】
炭素を主成分とするファイバーの形態の一例を図6、図7に概略的に示す。図中、16はグラフェンを示す。各図では一番左側(図6(a)および図7(a))に光学顕微鏡レベル(〜1000倍)で見た前記ファイバーの形態を、中央(図6(b)および図7(b))に走査電子顕微鏡(SEM)レベル(〜3万倍)で見た前記ファイバーの形態を、一番右側(図6(c)および図7(c))に透過電子顕微鏡(TEM)レベル(〜100万倍)で見た前記ファイバーの形態をそれぞれ概略的に示している。
【0023】
図6のように、グラフェンが長手方向(ファイバーの軸方向)を囲む円筒形状(円筒形が多重構造になっているものは「マルチウォールナノチューブ」と呼ばれる)形態をとるものはカーボンナノチューブと呼ばれ、特にチューブ先端を開放させた構造の時に、電子放出の閾値(しきい値)が最も下がる。換言すると、グラフェンがファイバーの軸に対して実質的に平行に配置されるファイバー状の物質である。
【0024】
比較的低温で生成される炭素を主成分とするファイバーを図7に示す。この形態の前記ファイバーは、グラフェンの積層体(このため「グラファイトナノファイバー」と呼ばれることがあるが、温度によりアモルファス構造の割合が増加する)で構成されている。より具体的には、グラファイトナノファイバーは、その長手方向(ファイバーの軸方向)にグラフェンが積層されたファイバー状の物質を指し、換言すると、図7に示す様に、グラフェンが、その平面をファイバーの軸に対して非平行にして積層されたファイバー状の物質である。
【0025】
どちらの、炭素を主成分とするファイバーも、電子放出の閾値が1V/μm以上10V/μm以下程度であり、本発明で得られる電子放出素子のエミッタ(電子放出部材)の材料として好ましい。
【0026】
特に、グラファイトナノファイバーを用いた電子放出素子は、低電界で電子放出を起こすことができ、大きな放出電流を得ることができ、簡易に製造ができ、安定で良好な電子放出特性を有する。例えば、グラファイトナノファイバーで構成されたエミッタと、このエミッタからの電子放出を制御する電極とで電子放出素子を構成することができ、さらに、グラファイトナノファイバーから放出された電子の照射により発光する発光部材を用いれば、ランプなどの発光装置を形成することができる。
【0027】
また、さらには、前記グラファイトナノファイバーを用いた電子放出素子を複数配列すると共に、蛍光体などの発光部材を有するアノード電極や素子へ印加する電圧を制御する駆動回路を用意することでディスプレイなどの画像形成装置をも構成することができる。グラファイトナノファイバーを備えた電子放出素子を用いた電子源、発光装置および画像形成装置は、内部を従来のように超高真空に保持しなくても安定で良好に電子を放出することができ、また、低電界で電子放出するため、信頼性が高く非常に簡易に製造することができる物であると言える。
【0028】
本発明にて使用する炭素を主成分とするファイバーは、どのような製造方法によって製造されたものであっても良い。しかしながら、前記ファイバーの製造方法の一例を挙げるとすると、触媒物質(炭素の堆積を促進する物質)を用い、炭素含有ガスを分解して形成することができる。カーボンナノチューブが形成されるかグラファイトナノファイバーが形成されるかは、触媒の種類および分解温度などによって決定される。
【0029】
前記炭素含有ガスとしては、例えばエチレンガス、メタンガス、プロパンガス、プロピレンガスおよびこれらの混合ガスなどの炭化水素ガス;COガス、CO2 ガスあるいはエタノールやアセトン等の有機溶剤の蒸気を用いてもよい。
【0030】
前記触媒物質としては、Fe、Co、PdおよびNiの中から選択された金属、あるいは前記各金属を主成分とする無機物もしくは有機物、または、前記金属の中から選択される少なくとも2種の合金が挙げられる。そして、これらは炭素を主成分とするファイバー形成用の核として作用する。
【0031】
特に、Pdおよび/またはNiを含む物質を用いた場合、比較的低温(少なくとも400℃あればよい)でグラファイトナノファイバーを生成することが可能である。Feおよび/またはCoを含む物質を用いた場合、カーボンナノチューブの生成温度としては800℃以上必要である。このように、Pdおよび/またはNiを含む物質を用いてのグラファイトナノファイバー生成は、比較的低温で可能なため、他の部材への悪影響が小さく、電力消費が抑えられて製造コストも低減でき、好ましい。
【0032】
さらに、Pdの酸化物は水素により低温(室温)で還元されるという特性を利用して、核形成物質として酸化パラジウムを用いることが可能である。
【0033】
酸化パラジウムを水素還元処理すると、一般的な核形成技法として従来から使用されている金属薄膜の熱凝集や、超微粒子の生成と蒸着を用いずとも、比較的低温(200℃以下)で初期凝集核の形成が可能である。
【0034】
以下に、本発明の電子放出素子の製造方法の一例を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明で使用される製造装置の一例を示す概略図である。図2は、基板10とその上に形成された電極11、12の概略断面図である。図3は、本発明により得られる電子放出素子の一例を示す概略断面図である。図4は本発明により得られる電子放出素子の一例を示す概略平面図および概略断面図である。
【0035】
本発明において、別途生成した炭素を主成分とするファイバーを第1チャンバ(1)内に配置し、第2チャンバ(5)内に、炭素を主成分とするファイバーを固定しようとする、電極を備えた基板(7)を配置する。第1チャンバと第2チャンバは搬送管(4)によって連通される。そして、第1チャンバ(1)内の圧力を、第2チャンバ(5)内の圧力よりも高く設定することで、その圧力差により、エアロゾル化した炭素を主成分とするファイバーを搬送管(4)を通して第2チャンバ内に送り込み、搬送管(4)の先端に位置するノズル(6)から、エアロゾル化した炭素を主成分とするファイバーを高速で基板上へ向けて噴射する。そして、高速で噴射されたエアロゾル化した炭素を主成分とするファイバーが基板(7)や基板上の電極に衝突する際に発生する熱エネルギーにより、炭素を主成分とするファイバーを基板(7)上に接着剤などを用いずに固定する。図1中、3は超微粉材料(炭素を主成分とするファイバー)を示す。
【0036】
上記固定方法の一例としては、エアロゾル式ガスデポジション法を用いることができる。本発明で用いるエアロゾル式ガスデポジション法は、エアロゾル化室(第1チャンバ)(1)内で、別途生成した炭素を主成分とするファイバーを、エアロゾル化ガスボンベ(2)からエアロゾル化室内へ導入したエアロゾル化ガスでエアロゾル化し、エアロゾル化した炭素を主成分とするファイバーを、エアロゾル化室(1)内の圧力と膜形成室(第2チャンバ)(5)内の圧力との間の差圧により、搬送管(4)を通してエアロゾル化室(1)から膜形成室(5)内に運び、膜形成室(5)内に位置した搬送管(4)の先端部であるノズル(6)から、前記ガスと共に炭素を主成分とするファイバーを基板(7)上へ向けて噴射し、炭素を主成分とするファイバーを基板(7)上に固定するものである。
【0037】
炭素を主成分とするファイバーをエアロゾル化するガス(搬送ガス)としては、窒素ガスや、ヘリウムガスなどの不活性ガスまたはこれらの混合ガスを用いることができるが、特には非酸化性のガスが好ましい。これらガスによって、おおよそのサイズがサブミクロンであるカーボンナノチューブ、グラファイトナノファイバー等炭素を主成分とするファイバーがチャンバ上部でエアロゾル化する。このエアロゾル化した炭素を主成分とするファイバーが、エアロゾル化用チャンバ上部に位置する吸入口へ吸い込まれ、搬送管(4)を通り、真空排気ポンプが接続された膜形成室(第2チャンバ)に運ばれ、搬送管(4)の先端に取り付けられたノズル(6)を通して基板(7)上に向けて噴射され、ステージ(8)上に置かれた基板(7)上に炭素を主成分とするファイバーが衝突し、固定される。
【0038】
また、本発明においては、第2チャンバ(5)内において、基板(7)をステージ(8)に固定し、ステージ(8)を移動することで、基板上の所望領域に所望量の、炭素を主成分とするファイバーを固定することができる。またさらには、ステージ(8)の移動速度を変化させることで、固定される炭素を主成分とするファイバーの密度を変えることもできる。前記ノズル(6)も可動式であり、ノズル(6)とステージ(8)の相対位置を微調整して、炭素を主成分とするファイバーを緻密に基板上に固定することができる。
【0039】
本発明では特に、成膜中における膜形成室(第2チャンバ)(5)内は真空排気ポンプ(9)で排気され、減圧状態(760Torr未満の真空度)に保持されることが好ましい。これは、減圧状態でノズル(6)から噴射されたエアロゾル化した炭素を主成分とするファイバーの平均自由工程が、常圧(大気圧中)で噴射された場合に比べ3桁程度大きく、散乱の効果を受けずらいからである。
【0040】
つまり、例えば大気中で噴射されたエアロゾル化した炭素を主成分とするファイバーは、散乱され、運動エネルギーをロスし、炭素を主成分とするファイバーを基板上へ固定することが困難もしくは、多くの場合固定されない。しかし、減圧状態に保持された膜形成室(第2チャンバ)(5)内でノズル(6)から噴射されたエアロゾル化した炭素を主成分とするファイバーは、より大きい運動エネルギーをもって基板や基板上に設けられた電極に衝突することができる。そして、この運動エネルギーが熱エネルギーに変わり、本発明が目的とする、基板上への炭素を主成分とするファイバーの固定に熱エネルギーが寄与する。
【0041】
また、このとき搬送された全ての炭素を主成分とするファイバーが基板上に固定されるわけではなく、炭素を主成分とするファイバーの長手方向(図6、図7に示す「ファイバーの軸方向」)を基板面や基板上に設けられた電極面に対して垂直方向に向けて噴射されたものが、基板や電極に密着する確率が高くなる。これは、ノズル(6)より噴射されたファイバー自身が有する運動エネルギーが基板や電極との衝突で熱エネルギーに変わり、基板や電極に固定されるときに、衝突面積が小さいほどより衝突面に熱エネルギーが集中し、固定(固着)されやすくなるためであると考えられる。
【0042】
そのため、炭素を主成分とするファイバーの中でも、図6に示したような曲がっておらず、真っ直ぐな円筒状のカーボンファイバーであれば、本発明の方法により、基板(7)の表面や基板上に設けられた電極の表面に対して実質的に垂直に立った状態のカーボンファイバーを、より確実に、基板や電極に固定することができるので好ましい。また、本発明においては、「ファイバーの軸方向」と異なる方向において基板や電極と衝突すると、衝突面積が急激に増大するため、基板や電極に固定(固着)することが難しくなる。そのため、安定して基板上に固定しうるファイバーとしては、その直径が数nm〜数百nm(好ましくは数nm以上百nm以下)であり、その長さが前記直径の10倍以上(好ましくは10倍以上1000倍以下)であることが好ましい。そのため、本発明においては、比較的直線性の高いカーボンナノチューブを炭素を主成分とするファイバーとして用いることが好ましい。また、上記した理由のため、本発明の製造方法では、必然的に、基板や電極に固定されたカーボンファイバーは、基板表面や電極表面に対して実質的に、「ファイバーの軸方向」が垂直となる。そのため、本発明によれば、簡易にカーボンファイバーを基板表面や電極表面に対して実質的に垂直に配向させて固定することができる。従って、本発明の製造方法により基板上に配置した多数のカーボンファイバーを電子放出体とした場合には、より強い電界を各ファイバーの端部に印加することが可能となり、その結果より低い電圧での電子放出が可能となる。
【0043】
また、本発明においては、エアロゾル化した炭素を主成分とするファイバーを基板や電極に衝突させる際、基板を加熱しながら行うことが好ましい。この加熱により、炭素を主成分とするファイバーと、基板および電極との密着性を向上することができる。
【0044】
また、ノズルよりエアロゾル化した炭素を主成分とするファイバーを噴射しながら基板を保持したステージを移動させることで、炭素を主成分とするファイバーを基板上に連続的に固定させることができる。また、メタルマスク、レジストによるマスキングなどを用いれば、基板上の所望の位置だけに炭素を主成分とするファイバーを固定することもできる。
炭素を主成分とするファイバーのエアロゾル(炭素を主成分とするファイバーが分散された気体)は、ノズル6から、好ましくは0. 1リットル/分以上、より好ましくは1リットル/分以上の流量で基板7に向けて噴射される。そしてまた、炭素を主成分とするファイバーは、ノズル6から、好ましくは0. 1m/sec 以上、より好ましくは1m/sec 以上、特に好ましくは10m/sec 以上の速度で基板7に向けて噴射される。上記した流量、速度が実現されるように、前述した第1のチャンバー1内の圧力と第2のチャンバー5内の圧力は適宜設定される。また、ノズル6と基板7との間隔は、好ましくは10cm以下、より好ましくは1cm以下に設定される。
【0045】
基板(7、10)としては、石英ガラス基板、Na等の不純物含有量を減少させKなどに一部置換したガラス基板、青板ガラス基板、シリコン基板等にスパッタ法等によりSiO2 を積層して得られた積層体基板、並びにアルミナ等のセラミックス絶縁基板などが挙げられる。
【0046】
基板上に形成される素子電極(11、12)の材料としては、一般的な導体材料が用いられ、例えば、炭素;Ni、Au、Mo、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd等の金属あるいはこれらの合金;前記金属の窒化物(例えば、Tiの窒化物);前記金属の炭化物;前記金属のホウ化物;In2 O3 −SnO2 等の透明導電体物質;ポリシリコン等の半導体物質等から適宜選択される。
また、前記電極(11、12)に用いる材料としては、ヤング率が15以下の導電性材料の中から選択されることが好ましい。さらには、前記電極を構成する材料としては、ヤング率が10以下の導電性材料から形成されていることがより好ましい。上記したヤング率を有する導電性材料の具体例としては、Sn、In、Au、Ag、Cu、Alのいずれかの金属、または、前記金属の中から選択された2種類以上の金属を含む導電性材料(合金も含む)、または、前記金属の中から選択された金属を主成分とする導電性材料が挙げられる。あるいは、また、前記基板上に形成された電極11、12は、ビッカース硬度で60以下の電極であることが好ましい。本発明の製造方法においては、炭素を主成分とするファイバーを前述した条件で電極に衝突させた際に、ヤング率が15以下の導電性材料から形成された電極を用いた場合に、炭素を主成分とするファイバーを電極(特にはカソード電極)により容易に固定することができる。
【0047】
基板(7、10)を洗剤、純水または有機溶剤等により十分に洗浄後、蒸着法、印刷法、スパッタ法等により、電極材料を基板上に堆積後、例えばフォトリソグラフィー技術により、電極材料を加工して、希望する形状の電極を形成できる。
【0048】
素子電極間隔、素子電極長さ、素子電極(11、12)の形状等は、応用される形態等に応じて適宜設計される。素子電極間隔は、好ましくは数千Å以上数百μm以下であり、より好ましくは、素子電極間に印加する電圧等を考慮して1μm以上100μm以下の範囲である。また、素子電極長さは、好ましくは電極の抵抗値、電子放出特性等を考慮して、数μm以上数百μm以下の範囲である。さらに素子電極(11、12)の厚さは、数十nm以上数十μm以下の範囲で設定される。
【0049】
本発明の製造方法を用いて得られた電子放出素子の構造は、様々な形態を採用できる。例えば図5に示すように、基板(10)表面上に、引き出し電極(「ゲート電極」と呼ぶ場合もある)(11)と、陰極電極(「カソード電極」と呼ぶ場合もある)(12)とを互いに間隔を置いて配置し、陰極電極(12)上に前記本発明の製造方法により炭素を主成分とするファイバー(13)を配置した電子放出素子とすることが好ましい。図5は、本発明の方法で得られた電子放出素子の電子放出特性を測定するための測定評価装置の概略構成図である。図5において、9は真空排気ポンプ、14は導電性フィルムを被覆した蛍光体、15は真空装置、20は素子のの電子放出部(炭素を主成分とするファイバー)より放出される放出電流Ieを捕捉するためのアノード電極をそれぞれ示す。
【0050】
引き出し電極および陰極電極の間隔として、数μmのギャップ(間隔)を有する電子放出素子およびアノード電極(20)を、図5に示すような真空装置(15)内に設置し、真空排気ポンプ(9)によって10−5Pa程度に到達するまで真空装置(15)内を十分に排気する。基板からアノード電極(20)までの距離Hは数mm、具体的には例えば2mm以上8mm以下である。図5に示したように、高電圧電源を用いて数キロボルト、具体的には例えば1kV以上10kV以下の高電圧Vaをアノード電極(20)に印加する。
【0051】
数十ボルト程度からなる駆動電圧(素子電圧)Vfや、陽極電圧Vaを印加すると電子が放出し、電子放出電流Ieが得られる。Ifは素子電流である。
【0052】
さらには、前記電子放出素子においては、ゲート電極(11)上での散乱を抑制するために、炭素を主成分とするファイバー(13)の表面を含む、基板(10)表面と実質的に平行な平面が、ゲート電極(11)表面の一部を含む、基板(10)表面と実質的に平行な平面よりも、基板(10)表面から離れた位置に配置される(図4、図5参照)ことが好ましい。換言すると、本発明の電子放出素子においては、炭素を主成分とするファイバー(13)の表面の一部を含む、基板(10)表面に実質的に平行な平面が、引き出し電極(11)の表面の一部を含む、前記基板(10)表面に実質的に平行な平面とアノード電極(20)との間に配置されることが好ましい(図4、図5参照)。
【0053】
また、さらには、本発明で得られる電子放出素子においては、ゲート電極(11)上での散乱を実質的に生じない、高さs(ゲート電極(11)表面の一部を含む、基板(10)表面と実質的に平行な平面と、炭素を主成分とするファイバー(13)の表面を含む、基板(10)表面と実質的に平行な平面との間の距離)を保って炭素を主成分とするファイバー(13)が配置されることが好ましい
。
【0054】
上記高さsは、縦方向電界と横方向電界の比(縦方向電界強度/横方向電界強度)に依存し、縦方向電界と横方向電界の比が低いほど、その高さが低く、横方向電界強度が大きいほど高さが必要である。実用的な範囲として、その高さsは10nm以上10μm以下である。
【0055】
本発明で言う「横方向電界」は、「基板(10)の表面と実質的に平行な方向における電界」と言うことができる。あるいは、また、「ゲート電極(11)とカソード電極(12)とが対向する方向における電界」とも言うことができる。また、本発明で言う「縦方向電界」とは、「基板(10)の表面と実質的に垂直な方向における電界」、あるいは「基板(10)とアノード電極(20)とが対向する方向における電界」と言うこともできる。
【0056】
また、本発明で得られた電子放出素子においては、陰極電極(12)とゲート電極(11)との間隙の距離をd、電子放出素子を駆動したときの電位差(陰極電極(12)とゲート電極(11)間の電圧)をVf、アノード電極(20)と素子が配置された基板(10)表面との距離をH、アノード電極(20)と陰極電極12との電位差をVaとした時、駆動時の電界(横方向電界)すなわちE1=Vf/dは、アノード電極−カソード電極間の電界(縦方向電界)すなわちE2=Va/Hの1倍以上50倍以下に設定される。
【0057】
このようにすることにより、陰極電極(12)側から放出された電子がゲート電極(11)に衝突する割合を低減できる。その結果、放出された電子ビームの広がりが少なく、高効率な、電子放出素子が得られる。尚、本発明は、図5に示した形態の電子放出素子への適用に限られるものではない。例えば、スピント型の電子放出素子のように、開口を有するゲート電極を、カソード電極とアノード電極との間に配置する形態であってもよい。
【0058】
次に、本発明の方法で得られる電子源の一例について概略的に説明する。
基板上の電子放出素子の配列の方式には、はしご状配置や、m本のX方向配線の上にn本のY方向配線を層間絶縁層を介して設置し、電子放出素子の一対の素子電極にそれぞれX方向配線、Y方向配線を接続した配置(単純マトリックス配置)が挙げられる。X方向配線およびY方向配線は、電子源基板上に蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形成した導電性金属である。この配線を通じて電圧が供給される。層間絶縁層は、蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形成されたSiO2 等である。
【0059】
電子放出素子の素子電極は、m本のX方向配線およびn本のY方向配線と、蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形成された導電性金属等からなる結線によってそれぞれ電気的に接続されている。
【0060】
次に、本発明の方法で得られる発光装置の一例として、単純マトリックス配置の電子源による発光装置について概略的に説明する。
発光装置は、電子放出素子を配置した電子源基板、ガラス基板の内面に発光部材(蛍光膜)とメタルバック等が形成されたフェースプレートおよび支持枠で主に構成されている。
【0061】
蛍光膜は、モノクローム用の場合、蛍光体のみから成るが、カラー用の蛍光膜の場合は蛍光体の配列によりブラックストライプあるいはブラックマトリックスなどと呼ばれる黒色導電材と蛍光体とで構成される。
【0062】
ガラス基板に蛍光体を塗布する方法としては、沈殿法や印刷法が用いられる。メタルバックは、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(フィルミング)を行ない、その後Alを真空蒸着等で堆積することで作製できる。
【0063】
次に、本発明の方法で得られる画像形成装置の一例について概略的に説明する。
【0064】
画像形成装置は、前記発光装置、走査回路、制御回路、シフトレジスタ、ラインメモリ、同期信号分離回路、変調信号発生器および直流電圧源で主に構成されている。
【0065】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
実施例1
図2に、本実施例により作製した、電極を備えた基板の概略断面図を示す。図3に本実施例により作製した電子放出素子の概略断面図を示す。図2、図3において、10は絶縁性の基板、11は引き出し電極(ゲート電極)、12は陰極電極、13は炭素を主成分とするファイバー(エミッタ)をそれぞれ示している。
【0066】
以下、本実施例の電子放出素子の製造工程を説明する。
初めに、基板として石英ガラス基板を用い、これを有機溶剤で十分に洗浄後、120℃で乾燥させた。次に、洗浄した石英ガラス基板上に、スパッタ法で厚さ5nmのTiおよび厚さ30nmのポリシリコン(砒素ドープ)を連続的に堆積した。
【0067】
次に、フォトリソグラフィー技術により、パターニングしたレジストをマスクとして、堆積したポリシリコン(砒素ドープ)層およびTi層をCF4 ガスを用いてドライエッチングし、電極ギャップ間が5μmの、ゲート電極と陰極電極を形成した。
【0068】
次に、あらかじめ用意しておいたカーボンナノチューブをエアロゾル化室内に配置し、前記のように電極を形成した基板を膜形成室内に配置した。次に、エアロゾル化室にヘリウムガスを導入してカーボンナノチューブをエアロゾル化した。エアロゾル化室内の圧力(約200KPa)と膜形成室内の圧力(約60Paj の間の差圧を利用して、エアロゾル化室から、エアロゾル化室と膜形成室とを連通した搬送管を通して、エアロゾル化したカーボンナノチューブを膜形成室内へ導入し、膜形成室内に位置した搬送管の先端ノズルから、エアロゾル化したカーボンナノチューブを、前記基板上のカーボンナノチューブを固定したい位置に向けて噴射した。使用したカーボンナノチューブは、Coを触媒物質として用い、800℃の温度でエチレンガスを分解して生成した。
【0069】
以上のように、エアロゾル化したカーボンナノチューブが噴射された前記基板を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、カーボンナノチューブが陰極電極上に、ほぼ基板表面(電極表面)に対して垂直に固定されていることを確認した。
【0070】
以上のように製造した素子の電子放出特性を次のようにして測定した。前記素子を図5に示すような真空装置内に設置し、真空排気ポンプによって真空装置内を2×10−5Paまで排気し、図5に示したように素子からH=2mm離れたアノード電極に陽極電圧としてVa=10KVを印加した。このとき素子の、駆動電圧を印加して流れる素子電流Ifと電子放出電流Ieを計測した。その結果、安定で良好な電子放出特性が長期に渡って得られた。
【0071】
実施例2
実施例1と同様にして、引き出し電極11および陰極電極12を基板上に形成した。但し、本実施例においては、図4に示した様に、陰極電極12の厚みを引き出し電極11の厚みよりも厚くした。図4(a)は本実施例で作成した電子放出素子の概略平面図であり、図4(b)は図4(a)のA−A間における概略断面図である。
【0072】
次に、基板全体にCrをEB蒸着にて約100nmの厚さに堆積した。
フォトリソグラフィー技術によって、ポジ型フォトレジストを用いてレジストパターンを形成した。次に、パターニングしたフォトレジストをマスクとし、電子放出部材(炭素を主成分とするファイバー)を被覆すべき領域(100μm角)を陰極電極上に形成し、開口部のCrを硝酸セリウム系のエッチング液で取り除いた。
【0073】
レジストを剥離した後、実施例1と同様にして、カーボンナノチューブを基板上に固定した。この際、基板を200℃にまで加熱しながら、カーボンナノチューブを固定した。本実施例で製造した電子放出素子の電子放出特性を、実施例1と同様にして測定したところ、安定で良好な電子放出特性が長期に渡って得られた。
【0074】
実施例3
初めに実施例1と同様の工程で引き出し電極および陰極電極を基板上に形成した。次に、電子放出部材を形成すべき位置が開口しているメタルマスクを基板上に固定した。
【0075】
次に、エアロゾル化室内の圧力を約70KPa、膜形成室内の圧力を約200Paに設定し、カーボンナノチューブに代えてグラファイトナノファイバーを使用した以外は、実施例1と同様にしてを炭素を主成分とするファイバーを、基板上の前記開口部位置に固定した。この際、基板を200℃にまで加熱しながらファイバーの固定を行なった。また、成膜に用いたノズルは、スリット状のものであり、開口部上部をノズルがスキャンするよう基板を走査していった。
【0076】
本実施例で製造した電子放出素子の電子放出特性を、実施例1と同様にして測定したところ、安定で良好な電子放出特性が長期に渡って得られた。
【0077】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の製造方法によれば、カーボンナノチューブやグラファイトナノファイバーなどの炭素を主成分とするファイバーを、直接、基板に固定することができ、電子放出素子製造に要する工程を大幅に短縮・簡略化することができる。さらに、本発明による電子放出素子の製造方法では、基板面と垂直方向にカーボンナノチューブを固定することができるため、一つ一つの炭素を主成分とするファイバーに、より多く電界を集中させることができ、優れた電子放出特性を有する電子放出素子を製造でき、さらにはこの電子放出素子を用いた電子源、発光装置および画像形成装置を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる製造装置の一例を示す概略図。
【図2】基板とその上に形成された電極の概略断面図。
【図3】本発明により得られる電子放出素子の一例を示す概略断面図。
【図4】本発明により得られる電子放出素子の一例を示す概略平面図および概略断面図。
【図5】電子放出特性を測定するための測定評価装置の概略構成図。
【図6】炭素を主成分とするファイバーの形態の一例を示す概略図。
【図7】炭素を主成分とするファイバーの形態の一例を示す概略図。
【符号の説明】
1:エアロゾル化室、2:エアロゾル化ガスボンベ、3:超微粉材料、4:搬送管、5:膜形成室、6:噴射ノズル、7,10:基板、8:基板移動ステージ、9:真空排気ポンプ、11:引き出し電極(ゲート)、12:陰極電極(カソード)、13:電子放出部材(エミッタ)、14:蛍光体、15:真空装置、16:グラフェン、20:アノード電極。
Claims (15)
- 複数のカーボンファイバーを基板に固定してなる電子放出素子の製造方法であって、
(A)複数のカーボンファイバーを第1のチャンバ内に用意する工程と、
(B)基板を第2のチャンバ内に配置する工程と、
(C)前記第1のチャンバ内の圧力を前記第2のチャンバ内の圧力よりも高くすることにより、前記第1のチャンバ内の前記複数のカーボンファイバーを、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとを連通する搬送管を介して前記第2のチャンバ内に搬送し、前記複数のカーボンファイバーの各々の長手方向における両端部のうちの一方の端部を前記基板に衝突させることにより、前記基板に前記複数のカーボンファイバーの各々の前記一方の端部を介して前記複数のカーボンファイバーの各々を直接固定する工程と
を含むことを特徴とする電子放出素子の製造方法。 - 前記複数のカーボンファイバーは、前記第1のチャンバ中において、ガスに分散されていることを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子の製造方法。
- 前記ガスが、非酸化性ガスであることを特徴とする請求項2に記載の電子放出素子の製造方法。
- 前記第2のチャンバ内が減圧状態であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の電子放出素子の製造方法。
- 前記第1のチャンバ中において、前記複数のカーボンファイバーは、エアロゾル化されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の電子放出素子の製造方法。
- 前記複数のカーボンファイバーは、前記基板に衝突することにより発生する熱エネルギーにより、前記基板に固定されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の電子放出素子の製造方法。
- 前記複数のカーボンファイバーの各々が、グラファイトナノファイバー、カーボンナノチューブ、アモルファスカーボンおよびカーボンナノホーンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の電子放出素子の製造方法。
- 前記基板はその表面に第1の導電層を備えており、該第1の導電層に前記複数のカーボンファイバーの各々の一方の端部が固定されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の電子放出素子の製造方法。
- 前記基板はその表面に、前記第1の導電層と間隔を置いて配置された第2の導電層を備えていることを特徴とする請求項8に記載の電子放出素子の製造方法。
- 前記第1の導電層は、ヤング率が、15以下の材料から形成されてなることを特徴とする請求項8に記載の電子放出素子の製造方法。
- 前記第1の導電層は、Sn、In、Au、Ag、Cu、Alの中から選択された金属、または、前記金属の中から選択された2種類以上の金属を含む導電性材料、または、前記金属の中から選択された金属を主成分とする導電性材料から形成されてなることを特徴とする請求項8に記載の電子放出素子の製造方法。
- 電子放出素子を複数配列形成した電子源の製造方法であって、前記電子放出素子が請求項1乃至11のいずれか1つに記載の製造方法により製造されることを特徴とする電子源の製造方法。
- 電子源と発光部材とを有する画像形成装置の製造方法であって、前記電子源が請求項12に記載の製造方法により製造されることを特徴とする画像形成装置の製造方法。
- 電子放出素子と、発光部材とを有する発光装置の製造方法であって、前記電子放出素子が、請求項1乃至11のいずれか1つに記載の製造方法により製造されることを特徴とする発光装置の製造方法。
- 複数のカーボンファイバーの各々が、該複数のカーボンファイバーの各々の長手方向における両端部のうちの一方の端部を介して、その表面に固定された基板の製造方法であって、
(A)複数のカーボンファイバーを第1のチャンバ内に用意する工程と、
(B)基板を第2のチャンバ内に配置する工程と、
(C)前記第1のチャンバ内の圧力を前記第2のチャンバ内の圧力よりも高くすることにより、前記第1のチャンバ内の前記複数のカーボンファイバーを、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとを連通する搬送管を介して前記第2のチャンバ内に搬送し、前記複数のカーボンファイバーの各々の長手方向における両端部のうちの一方の端部を前記基板に衝突させることにより、前記基板に前記複数のカーボンファイバーの各々の前記一方の端部を介して前記複数のカーボンファイバーの各々を直接固定する工程と
を含むことを特徴とする複数のカーボンファイバーがその表面に固定された基板の製造方法。
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