JP2715312B2 - 電子放出素子及びその製造方法、及び該電子放出素子を用いた画像表示装置 - Google Patents

電子放出素子及びその製造方法、及び該電子放出素子を用いた画像表示装置

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    • H01J2201/316Cold cathodes having an electric field parallel to the surface thereof, e.g. thin film cathodes
    • H01J2201/3165Surface conduction emission type cathodes

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、冷陰極型の電子放出素子及びそれを用いた
画像表示装置に関するもので、特に電子放出性能、ひい
ては画像の安定性及び寿命の向上に関する。
[従来の技術] 従来、簡単な構造で電子の放出が得られる素子とし
て、例えば、エム・アイ・エリンソン(M.I.Elinson)
等によって発表された冷陰極素子が知られている[ラジ
オ エンジニアリング エレクトロン フィジィッス
(Radio Eng.Electron.Phys.)第10巻,1290〜1296頁,19
65年]。
これは、基板上に形成された小面積の薄膜に、膜面に
平行に電流を流すことにより、電子放出が生ずる現象を
利用するもので、一般には表面伝導形放出素子と呼ばれ
ている。
この表面伝導形放出素子としては、前記エリンソン等
により発表されたSnO2(Sb)薄膜を用いたものの他、Au
薄膜によるもの[ジー・ディットマー“スイン・ソリッ
ド・フィルムス”(G.Dittmer:“Thin Solid Films"),
9巻,317頁,(1972年)]、ITO薄膜によるもの[エム・
ハートウェル・アンド・シー・ジー・フォンスタッド
“アイ・イー・イー・イー・トランス・イー・ディー・
コンフ”(M.Hartwell and C.G.Fonstad:“IEEE Trans.
ED Conf.")519頁,(1975年)]、カーボン薄膜による
もの[荒木久他:“真空",第26巻,第1号,22頁,(198
3年)]などが報告されている。
これらの表面伝導形放出素子の典型的な素子構成を第
7図に示す。同第7図において、1および2は電気的接
続を得る為の電極、3は電子放出材料で形成される薄
膜、4は基板、5は電子放出部を示す。
従来、これらの表面伝導形放出素子に於ては、電子放
出を行なう前にあらかじめフォーミングと呼ばれる通電
処理によって電子放出部を形成する。即ち、前記電極1
と電極2の間に電圧を印加する事により、薄膜3に通電
し、これにより発生するジュール熱で薄膜3を局所的に
破壊,変形もしくは変質せしめ、電気的に高抵抗な状態
にした電子放出部5を形成することにより電子放出機能
を得ている。
上記電気的に高抵抗な状態とは、薄膜3の一部に0.5
μm〜5μmの亀裂を有し、且つ亀裂内が所謂島構造を
有する不連続状態となっていることをいう。島構造と
は、一般に数+Åから数μm径の微粒子が基板4上にあ
り、各微粒子は空間的に不連続で電気的に連続な状態を
いう。
表面伝導形放出素子は上述高抵抗不連続状態の電子放
出部5を有する薄膜3に、電極1,2により電圧を印加
し、電流を流すことにより、上記微粒子より電子を放出
せしめるものである。
こうした表面伝導形放出素子は、真空条件下で放出電
子を蛍光板で受けて発光させる画像表示装置への利用が
試みられている。特に画像表示装置としては、近年、情
報機器や家庭用TV受像器の分野で、薄型で高精細、高輝
度の視認性が良く、しかも信頼性の高いものが求められ
ており、表面伝導形放出素子はこのような画像表示装置
を可能にする電子源として期待されている。
[発明が解決しようとする課題] ところで、表面伝導形放出素子は、一般に10-6〜10-7
Torr程度の高真空下において良好な電子放出性能を示す
一方、上記高真空状態が破壊されてガス存在下にさらさ
れると、電子放出性能が低下し、はなはだしいときには
電子放出を起さなくなることも生じる。従って、表面伝
導形放出素子を画像表示装置等に利用する場合、表面伝
導形放出素子を上記高真空下におきつつ、かつ表面伝導
形放出素子周囲の雰囲気を長期に亘って高真空状態に維
持できるよう製品を製造する必要がある。
しかしながら、全製造工程を通して、表面伝導形放出
素子周囲を厳格に高真空状態に維持し、かつ表面伝導形
放出素子周囲を長期に亘って高真空雰囲気に維持できる
製品とするのは、技術面及び手間の面のいずれからも大
変である。このため、表面伝導形放出素子自体の性能に
バラツキを生じやすく、また画像表面装置に利用したと
きに長期に亘る安定した画像が得にくい問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、ガスに
対する安定性に優れた電子放出素子及び、これを用いる
ことによって、長期に亘って安定した画像が得られる長
寿命の画像表示装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成する本発明の構成は以下の通りであ
る。
即ち、本発明の第一は、基板上に形成された一対の電
極間に、電子放出材を有する電子放出部を備えた電子放
出素子において、該電子放出部に厚さ10Å〜300Å以下
の炭素質の被膜を有することを特徴とする電子放出素子
にある。
上記本発明第一の電子放出素子は、さらにその特徴と
して、 前記電子放出部は、前記電極間に形成された電気的な
高抵抗部であること、 前記電子放出部は、前記電極間の、前記電子放出材か
らなる薄膜に形成された破壊,変形もしくは変質部であ
ること、 前記電子放出部は、前記電極間の、前記電子放出材か
らなる微粒子が分散配置された領域であること、 前記炭素質は、炭素または金属炭化物または有機質炭
素であること、 をも含むものである。
また、本発明の第二は、電子放出部に、炭素質の微粒
子と他の導電性微粒子との複合微粒子を有することを特
徴とする電子放出素子にある。
上記本発明第一及び第二の電子放出素子は、さらにそ
の特徴として、 前記炭素質が、(炭素)/(水素)の比が2以上の有
機質炭素であること、 表面伝導形電子放出素子であること、 をも含むものである。
また、本発明の第三は、上記本発明第一域は第二の電
子放出素子の1または2以上を電子源として有すること
を特徴とする画像表示装置にある。
更に、本発明の第四は、基板上に形成された一対の電
極間に、電子放出材を有する電子放出部を備えた電子放
出素子の製造方法において、 電子放出部を形成した後に、該電子放出部に厚さ10Å
〜300Å以下の炭素質の被膜を形成する工程を有するこ
とを特徴とする電子放出素子の製造方法にある。
上記本発明第四の製造方法は、さらにその特徴とし
て、 前記電子放出部を形成する工程は、前記電極間に電気
的な高抵抗部を形成する工程であること、 前記電子放出部を形成する工程は、前記電極間に設け
られた前記電子放出材からなる薄膜に破壊,変形もしく
は変質部を形成する工程であること、 前記電極間に設けられた前記電子放出材からなる薄膜
に破壊,変形もしくは変質部を形成する工程が、該薄膜
に電圧を印加する工程であること、 前記電子放出部を形成する工程は、前記電極間に、前
記電子放出材からなる微粒子を分散配置する工程である
こと、 前記炭素質は、炭素または金属炭化物または有機質炭
素であること、 前記炭素質が、(炭素)/(水素)の比が2以上の有
機質炭素であること、 前記電子放出素子は表面伝導形電子放出素子であるこ
と、 をも含むものである。
まず、本発明第一の電子放出素子について説明する
と、第1図(a),(b)に示されるように、基板4、
電極1,2は、後述の本発明第二の電子放出素子と同様な
ものであるが、電子放出材を有する電子放出部5に炭素
質被膜6を形成したものとなっている。
また、本発明第一において電子放出部5を形成する電
子放出材料は、後述する本発明第二で用いる非炭素質電
子放出材料の他、炭素質の電子放出材料、例えば、炭素
の他、TiC,ZrC,HfC,TaC,SiC,WCなどの炭化物であっても
よい。また、本発明第一で用いる炭素質は、後述の本発
明第二におけるものと同様で、特に有機質炭素を用いる
場合、被膜化後の熱処理時でその(炭素)/(水素)の
比を調整することもできる。
本発明第一の電子放出素子を、その製法と共に更に説
明する。
まず、洗浄された基板4上に、蒸着もしくはスパッタ
法、メッキ法等により電極1,2となる薄膜を形成する。
次いでフォトリソグラフィーにより電子放出部5となる
微小間隔を有する電極1,2に形成する。
次に電子放出材料の島状構造体を形成するが、その方
法としては、フォーミングによる他、電子放出材料の微
粒子7を吹き付けて直接堆積する方法や微粒子7を分散
形成する方法、熱処理による局所的な析出現象を利用す
る方法等が挙げられる。
フォーミング型素子を例にして説明すると、まず電子
放出材料の薄膜3をパターン形成し、次いで電極材料を
マスク蒸着した後、電極1,2間に電圧を印加して、露出
している電子放出材料の薄膜3をジュール熱で局所的に
破壊、変形、もしくは変質せしめることで電気的に高抵
抗な状態の電子放出部5を形成できる。
上記電子放出部5上に炭素質を被覆形成する。その方
法としては、炭素質を適当な溶剤に溶解あせて、スピン
コート法等で塗布乾燥させたり、抵抗加熱法やEB蒸着法
のように炭素質を蒸発させて被着させたり、スパッタ法
やプラズマ重合法などの乾式のコーティング法も適用で
き、これらによって炭素質を電子放出部上に被覆させる
ことができる。
次に、炭素質被膜6に高温熱処理を必要に応じて施
す。この熱処理は、素子そのものを所定の温度にまで適
宜加熱したり、画像表示装置の製造工程の高温加熱処
理、例えば脱ガス処理や低隔点ガラスフリットによる封
着等の工程で行ってもよい。なお、抵抗加熱法やEB蒸着
法、スパッタ法、プラズマ重合法等の条件によっては、
上記高温加熱処理を行わなくとも本発明の構成を実現す
ることは可能である。電子放出部5以外の部分にも炭素
質が被覆されることになるが、本発明の被覆厚では実際
上ほぼ問題とならない。場合によっては電極1,2の表面
をマスクして被着する方法も可能である。
上記炭素質被膜6の厚さは、炭素質が炭素又は金属炭
化物の場合300Å以下、特に10〜200Åが好ましく、炭素
質が有機質炭素の場合200Å以下、特に50〜100Åが好ま
しい。いずれの場合も被覆厚が大き過ぎると放出電流量
や効率が損われやすくなり、逆に小さ過ぎると被覆効果
が得にくくなる。
次に、本発明第二の電子放出素子について第2図
(a),(b)を用いて説明すると、基本的には従来の
ものと同様で、基板4上に電極1,2を設け、この電極1,2
間に電子放出部5を形成したものであるが、本発明にお
いては、電子放出部5が炭素質の微粒子6と他の電子放
出材料(以下「非炭素質電子放出材料」という)の微粒
子7の複合微粒子によって形成されている。
非炭素質電子放出材料は、非常に広い範囲におよび、
炭素質以外であれば、通常の金属、半金属、半導体とい
った導電性材料のほとんど全てを使用可能である。なか
でも低仕事関数で高融点かつ低蒸気圧という性質をもつ
通常の陰極材料や、フォーミング処理で表面伝導形放出
素子を形成する薄膜材料や、2次電子放出係数の大きな
材料などが好適である。
具体例としては、LaB6,CeB6,YB4,GdB4などの硼化
物、TiN,ZrN,HfNなどの窒化物、Nb,MO,Rh,Hf,Ta,W,Re,I
r,Pt,Ti,Au,Ag,Cu,Cr,A〜,Co,Ni,Fe,Pb,Pd,Cs,Baなどの
金属、In2O3,SnO2,Sb2O3などの金属酸化物、Si,Geな
どの半導体、AgMgなどを挙げることができる。
電極1,2の材料としては、一般的な導電性材料、Au,P
t,Ag等の金属の他SnO2,ITO等の酸化物導電性材料も使用
できる。電極1,2の厚みは数100Åから数μm程度が好ま
しい。また、電極1,2間の間隔Wは数1000Å〜数100μm,
幅Lは数μm〜数mm程度が好ましい。
基板4としては、例えば石英、ガラス等の電気的絶縁
性を有する材料が使用される。
本発明における炭素質とは、純粋な炭素及び炭化物を
いい、特に有機質炭素をも含む。
有機質炭素とは、純粋なカーボンや金属炭化物のみで
構成されるものでなく、炭素元素を主体に含むものをさ
す。一般的には、炭素と水素を含むものをさすが、一部
の水素のかわりにあるいは水素に加えフッ素,塩素など
のハロゲン元素を含んでいてももちろん良い。
本発明で用いられる有機質炭素は、(炭素)/(水
素)の比が2以上であることが好ましい。この比が2以
下であると特性のバラツキ防止や低真空下での安定生・
寿命の向上が得られにくい傾向にある。
有機質炭素は、上記(炭素)/(水素)比が2以上の
ものを選んで微粒子として複合微粒子化に用いてもよい
が、(炭素)/(水素)比が2以下であっても複合微粒
子化した有機質炭素を熱処理等によって(炭素)/(水
素)比が2以上になるよう調整してもよい。従って、有
機質炭素としては、微粒子化できる有機化合物であれ
ば、ほとんど全ての有機化合物が使用可能である。
(炭素)/(水素)比は化学分析手段で分析できる。
例えば、試料を燃焼するCHN元素分析法による測定によ
れば0.1%のオーダーで測定が可能である。
次に、本発明第二の電子放出素子を、その製法と共に
更に説明する。
複合微粒子とは、複数種の微粒子がおおむね均質な組
成をもつ状態をいい、一般には、触媒用のCu-Zu二元系
超微粒子がよく知られている。
本発明においては、上記複合微粒子を、少なくとも炭
素質の微粒子6を含む形態にするわけであるが、その製
法例を第3図に基づき説明する。勿論、この複合微粒子
の製法は以下の方法に限られるわけではない。
まず炭素質微粒子6の製造方法であるが、これには例
えばマイクロ波分解法が利用できる。つまり原料ガスで
ある炭素質ガス(例えばCH4ガス)を原料ガス導入口8
から、排気系9により予め8×10-7Torr以下の真空度に
ひいておいた空胴共振器10内へキャリアガス(例えば水
素)と共に導入する。そしてマイクロ波発振器11でマイ
クロ波を導波管12を通して空胴共振器10内へ石英ガラス
窓(不図示)を通して導入する。また、導波管12の途中
にパワーメータ13を設置し、投入マイクロ波パワーをモ
ニターしておく。このとき生成する炭素質微粒子6の粒
径は前述のキャリアガスと原料ガスの流量比,総流量並
びに投入するマイクロ波のパワーにより制御可能であ
る。
非炭素質電子放出材料微粒子7の製造には、例えば抵
抗加熱法が利用できる。つまり微粒子生成室14中に配置
されたるつぼ15中に蒸発源として非炭素質電子放出材料
を入れ、外部電源16を用いてるつぼ15を蒸発源が蒸発す
る温度まで加熱する。るつぼ15はカーボンるつぼ、アル
ミナるつぼ等より目的に応じて適宜選択される。このと
き微粒子生成室14も前述と同様に排気系9により予め8
×10-7Torr以下の真空度にひいておく。更にこのときキ
ャリアガスをキャリアガス導入口17から導入する。
そして、両微粒子6,7を微粒子堆積室18中に配置して
ある基板4上の電極1,2間に分散堆積させるわけである
が、これには例えば微粒子ビーム吹き付け法を用いるこ
とができる。ここでいうビームとは、周囲の空間よりも
高い密度で指向性をもって一定方向へ流れる微粒子を含
む噴流をいい、その断面形状は問わない。つまり炭素質
及び非炭素質の微粒子6,7をキャリアガスと共に、空胴
共振器10及び微粒子生成室14と微粒子堆積室18の圧力差
を利用し、個々に微粒子ビームを形成し、この微粒子ビ
ームの広がりを利用して両ビームを目的とする所で重ね
合わせ、複合微粒子を形成し、電極1,2間に分散堆積さ
せる。
上記微粒子ビームを形成するために、空胴共振器10と
微粒子堆積室18及び微粒子生成室14と微粒子堆積室18の
間それぞれに縮小拡大ノズル19,20を目的とする方向を
向け取り付けておく。この時のノズル径は目的に応じて
適宜選択される。勿論微粒子ビーム形成手段としては、
上記縮小拡大ノズル19,20以外にも、末広ノズル,先細
ノズル,オリフィス、輸送管等従来公知のものすべてが
適用可能である。ただし微粒子ビームの指向性,ビーム
の収束性を考慮すると、縮小拡大ノズル19,20がより好
ましい。また、両ノズル19,20と基板間距離は、目的に
応じて適宜選定されるが、好ましくは10〜300mmであ
る。
炭素質及び非炭素質電子放出材料微粒子6,7の粒径
は、炭素質微粒子6が非炭素質電子放出材料微粒子の1/
3以下であることが好ましい。炭素質微粒子6に関して
は、100Å以下が好ましく、より好ましくは50Å以下で
ある。非炭素質電子放出材料微粒子に関しては、50Å〜
1000Åが好ましく、より好ましくは100Å〜200Åであ
る。
上記粒径の制御性に関しては、炭素質微粒子6は、前
述の様に、原料ガスとキャリアガスの流量比,総流量並
びに投入するマイクロ波パワーにより制御できる。つま
りマイクロ波パワーが大きい程、原料ガスの流量比が小
さい程、更には総流量が少ない程粒径が小さくなる。非
炭素質電子放出材料微粒子7は、蒸発源温度、キャリア
ガス流量により制御できる。つまり蒸発源温度が高い
程、キャリアガス流量が大きい程粒径が大きくなる。い
ずれも比較的容易に粒径を制御することが可能である。
この様にして形成された両ビームが、その広がりによ
り重ね合わさり、複合微粒子を形成するわけであるが、
炭素質微粒子6が非炭素質電子放出材料微粒子7と複合
化し、その安定性で非炭素質電子放出材料微粒子7を不
安定性から保護する。上記概念により作製した電子放出
素子の断面模式図を第2図(b)に示す。つまり炭素質
微粒子6が非炭素質電子放出材料微粒子7をおおう様な
状態になっていると考えられる。勿論、炭素質微粒子6
同志及び非炭素質電子放出材料微粒子7同志が凝集する
ことはあるが、この確率は炭素質微粒子6と非炭素質電
子放出材料微粒子7が複合化する確率に比べてきわめて
低いので、実質上問題とならない。多少の上記の凝集が
起こったとしても、素子特性上一切問題とはならない。
また、この割合も両微粒子生成量によりある程度制御可
能である。
本発明の電子放出素子は、例えば画像表示装置の電子
源として利用されるもので、1個のみを用いて単一の電
子源による画像表示装置としてもよいが、複数個を一列
又は複数列に並べ、マルチ形の電子源を備えた画像表示
装置とした方が有利である。
[作用] 上記本発明に係る炭素質の被膜又は炭素質の微粒子に
よって、特性のバラツキが少なくなり、安定で、輝度ム
ラの少なくなる理由について詳細は不明であるが、電子
放出を行う微粒子の表面より上記炭素質の表面がガス分
子の吸着等による電子放出部5の表面変質が避けられ、
その結果として特性変化を防いでいると考えられる。
[実施例] 第4図は本発明に係る画像表面装置の一実施例を示す
もので、図中、後方から前方にかけて順に、本表面伝導
形放出素子21を多数並べて配置した背面基体22、第1の
スペーサー23、電子ビーム流を制御する制御電極24と電
子ビームを蛍光体25に集束させるための集束電極26とを
具備し、一定の間隔で孔27のあいている電極基板28、第
2のスペーサー29、各本表面伝導形放出素子21に対向す
る蛍光体25及び電子ビームの加速電極(図示されていな
い)を具備した画像表示部となるフェースプレート30が
設けられている。上記各構成部品は、端部を低融点ガラ
スフリットにて封着され内部を真空にして収納される。
真空排気は、真空排気管31にて排気しつつ、前記フェー
スプレート30、背面基体22、スペーサー23,29等の外囲
器全体を加熱脱ガス処理し、低融点ガラスフリットの軟
化後封着して冷却し、真空排気部31を封止して終了す
る。即ちフェースプレート30、スペーサー23,29と背面
基体22とで構成される内部空間は、融着した低融点ガラ
スにより封着された気密構造となっている。
スペーサー23,29や電極基板28はガラス、セラミック
ス等を使用し、電極24,26はスクリーン印刷、蒸着等に
より形成される。
上記画像表示装置によれば、制御電極24で電子ビーム
をコントロールしつつ、集束電極26と加速電極に電圧を
印加して、本表面伝導形放出素子21から放出された電子
を任意の蛍光体25に照射してこれを発光させ、画像を形
成することができる。
実施例1 第1図に示されるように石英ガラスからなる絶縁性の
基板4上に、膜厚1000ÅのSnO2からなる薄膜3と、膜厚
1000ÅのNiからなる電極1,2を形成した。
次いで、電極1と電極2の間に約30Vの電圧を印加
し、薄膜3に通電し、これにより発生するジュール熱で
薄膜3を局所的に、電気的に高抵抗な状態にした電子放
出部5を形成し、該電子放出部5の表面に炭素をアーク
蒸着して膜厚100Åに成膜し、炭素被膜を形成した電子
放出素子を得た。
この様にして得られた電子放出素子の電子放出特性を
測定した結果、15Vの印加電圧で平均放出電流0.5μA、
放出電流の安定性±5%程度の安定した電子放出が得ら
れた。
実施例2 第5図は炭素被膜の膜厚に対する放出電流の安定性を
示すグラフである。実施例1と同様の構造体において、
絶縁性の基板4に石英ガラスを用い、薄膜3に膜厚100
ÅのIn2O3、電極1,2に膜厚1000ÅのNiを用い、電極1と
電極2の間に約30Vの電圧を印加して薄膜3に通電し、
これにより発生するジュール熱により薄膜3を局所的
に、電気的に高抵抗な状態にした電子放出部5を形成
し、該電子放出部5の表面に炭素をアーク蒸着により成
膜し炭素被膜を形成して電子放出素子を得た。
印加電圧14V、真空度1×10-5Torr程度の条件下にお
いて、炭素被膜の膜厚Åに対する放出電流の安定性の関
係を求めたグラフを第5図に示す。
第5図から明らかなように、炭素被膜を用いた場合、
炭素被膜の膜厚は数Åから300Å程度が最も好ましいこ
とが認められる。
さらに、炭化物の炭素質被膜材料からなる被膜を同様
に実験したところ、TiC,ZrC,HfC,TaC,WC等の導体の炭素
質被膜材料からなる被膜は膜厚数Åから300Å程度が最
も好ましく、またSiC等の半導体の炭素質被膜材料から
なる被膜は膜厚数Åから250Å程度が最も好ましい結果
が得られた。
実施例3 絶縁性の基板4に石英ガラスを用い、電極1と電極2
に膜厚1000ÅをNiをEB蒸着し、フォトリソグラフィー技
術により、電子放出部5を幅300μm、間隔10μmで形
成した。
次に、電極1,2間へ電子放出材料を、1次粒径80〜200
ÅのSnO2分散液(SnO2;1g、溶剤:MEK/シクロヘキサノン
=3/1 1000cc、ブチラール1g)をスピンコートして塗布
し、250℃で加熱処理して電子放出部5を形成した。次
いで、炭素をアーク蒸着により膜厚100Åに成膜して炭
素質被膜6を形成した。
この様にして得られた電子放出素子の電子放出特性を
測定した結果、14Vの印加電圧で平均放出電流0.8μA、
放出電流の安定性±4%程度の安定した電子放出が得ら
れた。
実施例4 清浄な石英の基板4上にNiを3000Å蒸着し、フォトリ
ソグラフィーの手法を使って第2図(a)に示すような
電極パターンを形成した。Wは10μm,Lは250μmとし
た。次に基板4を第6図に示した微粒子堆積用の真空装
置にセットした。
第6図に示した装置は、微粒子生成室14と微粒子堆積
室18及びその2室をつなぐノズル20から構成され、基板
4は微粒子堆積室18内にノズル20と向き合わせてセット
した。排気系9で真空度を5×10-7Torrまで排気した
後、Arガスをキャリアガス導入口17から微粒子生成室14
へ60SCCM流した。作成条件は微粒子生成室14の圧力5×
10-2Torr,微粒子堆積室18の圧力1×10-4Torr,ノズル径
5mmφ,ノズルと基板間距離150mmとした。
次にカーボン製るつぼ15の蒸発源よりPdを前述条件下
で蒸発させて、生成したPd微粒子をノズル20より吹き出
させ、シャッタ32の開閉により、所定量を堆積させる。
このとき、Pd微粒子の堆積厚は100Åである。微粒子は
基板4全面に配置されるが、形成される電子放出部5以
外のPd微粒子は実質的に電圧が印加されない為何らの支
障もない。Pd微粒子の径は約50〜200Åで、中心粒径は1
00Åであり、Pd微粒子は基板4上で島状に散在してい
た。
さらに前記Pd微粒子上にプラズマ重合にて炭化水素膜
を成膜した。成膜条件はCH4(メタン)流量:1.6SCCM,放
電形式:AF放電(周波数20kHz),投入電力:120W,CH4
力:30mTorr,電極間距離:50mmとした。
こうして1つの基板4上に10個の素子を作製し、これ
を背面基体22とし、第4図に示した様に背面基体22とス
ペーサー23,29とフェースプレート30を550℃で脱ガス処
理した後、真空引きしながら低融点ガラス(コーニング
社半田ガラス7570)を用いて封着した。その後、真空引
きしつつ冷却して、1.1×10-5Torrで真空排気部31を封
止した。また、ダミーとして、プラズマ重合膜を前記処
理したものを分析した結果、プラズマ重合膜は化学分析
法によって、C/H比6.2、膜厚は130Åであることがわか
った。
こうして上記素子を上記低真空条件下で画像表示装置
として評価した結果を第1表に示す。
実施例5 実施例4のプラズマ重合膜の代わりに日本チバガイギ
ー社の顔料「Irgazin Red BPT」を 真空蒸着法(抵抗加熱法)で成膜した以外は実施例4と
同様に画像表示装置を製造した。画像表示装置の内部真
空度は1.0×10-5Torrで、最終的な蒸着膜のC/H比は8.
7、膜厚は200Åであった。この素子を上記低真空条件下
で画像表示装置として評価した結果を第1表に示す。
実施例6 実施例4のプラズマ重合膜に代えて、アクリルアミド
樹脂をスピンコート法で塗布した以外は実施例4と同様
に画像表示装置を製造した。なお、アクリルアミド樹脂
は、アクリルアミド150、スチレン400、アクリル酸エチ
ル450、n-ブタノール1000の重量比で混合し、クメンハ
イドロパーオキシドとtert-ドデシルメルカプタンのレ
ドックス系でラジカル反応させて、下式に示す三元共重
合物を得た。
このコポリマーはブタノール溶液になっており、この
溶液よりスピンコート法で電子放出部5上に塗膜をつく
った。塗膜後200℃1hrかけて熱硬化させて樹脂の塗布を
完了した。
この素子を用いて製造された画像表示装置の内部真空
度は1.2×10-5Torrで、最終的な有機化合物膜の膜厚は
約50Å、C/H比は2.1となっていた。この評価結果を第1
表に示す。
実施例7 実施例4のPb微粒子に代えて、1次粒径80〜200ÅのS
nO2分散液(SnO2:1g,溶剤:MEK/シクロヘキサノン=3/1
を1000cc、ブチラール:1g)をスピンコートして塗布
し、250℃の加熱処理にてSnO2微粒子膜を形成した。次
にこの上にポリフェニレンスルフィドを高周波スパッタ
法で成膜した。スパッタの方法としては、真空装置内を
いったん10-7Torrの高真空にし、Arを導入して2×10-2
Torrで13.56MHzの高周波を印加し、ポリフェニレンスル
フィドのターゲット側を負極、基板4側を正極となるよ
うに正極バイアスをかけた。高周波投入電力は300Wであ
る。これ以外は実施例4と同様に画像表示装置を製造し
た。
画像表示装置の内部真空度は0.95×10-5Torrとして、
最終的なスパッタ膜の膜厚は140Åで、C/H比は5.3であ
った。この評価結果を第1表に示す。
実施例8 実施例7のスパッタ膜に代えて、アクリル酸メチルエ
ステルのオリゴマー(分子量約300)をトルエンに6000p
pmの割合で溶解してスピンコートして乾燥させた以外は
実施例7と同様に画像表示装置を製造した。画像表示装
置の内部真空度は1.8×10-5Torrで、最終的な塗膜は膜
厚約30〜40Å、C/H比は2.8となっていた。この評価結果
を第1表に示す。
比較例1 実施例4に於いて、プラズマ重合膜をつけなかった以
外は実施例4と同様に製造した素子を比較例1として評
価した。画像表示装置の内部真空度は1.2×10-5Torrで
あった。評価結果を第1表に示す。
比較例2 実施例7に於いて、ポリフェニレンスルフィドのスパ
ッタ膜をつけなかった以外は実施例7と同様に製造した
試料を比較例2として評価した。画像表示装置の内部真
空度は1.1×10-5Torrであった。評価結果を第1表に示
す。
比較例3 実施例4に於いて、プラズマ重合膜の厚みを500Åに
した以外は実施例4と同様に製造した試料を比較例3と
して評価した。画像表示装置の内部真空度は1.2×10-5T
orrであった。評価結果を第1表に示す。
比較例4 実施例6に於いて、画像表示装置の製造工程で背面基
体22とスペーサー23,29とフェースプレート30を480℃で
脱ガス処理し、真空引きしながら低融点ガラス(コーニ
ング社半田ガラス7570)を用いて封着した以外は実施例
6と同様に画像表示装置を製造した。このときの画像表
示装置の内部真空度は1.0×10-5Torrであり、最終的な
プラズマ重合膜のC/H比は1.3、膜厚は180Åであった。
評価結果を第1表に示す。
なお、第1表中におけるデータは、10点の素子の平均
とそのバラツキを示しており、放出電流Ieに対し安定性
とはΔIe/Ieで表わされる。また、電子放出効率は、電
子放出部をはさむ電極間電流IfとIeと比Ie/Ifの値であ
る。連続電子放出寿命は、電子放出部5をはさむ電極1,
2間に14Vを連続印加し、電子放出が観測されなくなるま
での時間をさす。このときの電子ビーム加速電極の電位
を1KV、電子放出部5と蛍光体25までの距離を6mmとし
た。
第1表より次のことが読みとれる。まず原材料のC/H
比よりも画像表面装置製造工程を経た有機質炭素はC/H
の比が大きくなっている。このような有機質炭素を被覆
した素子を画像表面装置に使用すると、素子としてIe
維持しつつバラツキを小さくし、安定性を増し、寿命,
信頼性を向上させている。つまり画像表面装置としてみ
れば、満足すべき輝度を保ち、チラツキを少なくし、欠
陥がない高精細性で高画質な装置が得ることができ、低
真空下でも特性劣化が見られず、10-6〜10-7Torrの真空
下の特性と比較してもそん色ないことが読みとれる。
実施例9 清浄した石英製の基板4上にNiの電極1,2を3000Å厚
で形成し、フォトリソグラフィーの手法を用いて第2図
(a)に示した様なパターンを形成した。ただしWは2
μm、Lは300μmとした。
次に上記基板4を第3図に示した真空装置内に入れる
が、真空装置は前述の様に空胴共振器10、微粒子生成室
14、微粒子堆積室18およびそれらをつなぐ縮小拡大ノズ
ル19,20から構成されている。そして排気系9で真空度
が8×10-7Torr以下になるまで排気した。
その後空胴共振器10内に原料ガスであるCH4ガスを3SC
CM、キャリアである水素ガスを147SCCM混合後導入し
た。そして導波管12よりマイクロ波を150W投入した。
また、微粒子生成室14中のカーボンるつぼ15にPdを入
れ、外部電源16により、るつぼ温度を1600℃に上昇し、
Pdを蒸発させた。このときキャリアガスとしてアルゴン
ガス60SCCMをキャリアガス導入口17より導入した。
こうして生成した炭素質微粒子6とPdである非炭素質
電子放出材料微粒子7をそれぞれノズル19,20から基板
4へ、圧力差を利用して吹きつけた。この時の空胴共振
器10、微粒子生成室14、微粒子堆積室18の圧力はそれぞ
れ4×10-2、5×10-2、2.6×10-4Torrであった。また
ノズル径は両者とも3mmφ、ノズル基板間距離は200mmと
した。更にノズル19,20はビームの中心方向が各々基板
4の中心を向くように調整した。勿論ビームの広がりに
より、目的以外の場所にもビームが飛来するが、不必要
部には、電圧印加が起こらないので素子自体には何ら影
響はなかった。
この堆積物を高分解能FE-SEMにより観察したところ、
粒径120〜180Åの微粒子と粒径40Å程度以下の粒径の微
粒子の存在が確認された。また同様の条件によりサンプ
ルを作成し、TEMにより観察したところ、粒径の大きい
ものがPdであることがわかった。以上より目的とする複
合微粒子を含む素子であることを確認した。
次にこの素子を真空度5×10-6Torr以下で、放出電子
の引き出し用の電極を基板面に対し垂直方向に5mm上方
に配置し、1.5kVの電圧をかけ、電極1,2間に14Vの電圧
を印加して電子放出特性を評価した。
この結果、平均放出電流0.7μA、放出電流の安定性
±5%程度の安定した電子放出が得られた。
またこの実験を複数回行ない、おおむね良好な再現性
を得た。
実施例10 空胴共振器10に投入するマイクロ波パワーを120Wとし
た以外は実施例9と同様の実験を行なった。この堆積物
を実施例9と同様に高分解能FE-SEMにより観察した結
果、粒径120〜180Åの微粒子と粒径70Å程度の微粒子の
存在が確認された。
この素子に関しても同様に電子放出特性を評価した結
果、平均放出電流0.6μA、放出電流の安定性±7%程
度の安定した電子放出が得られた。
実施例11 Pd微粒子のキャリアであるArガス流量を30SCCMとした
以外は実施例9と同様の実験を行なった。この堆積物を
実施例9と同様に高分解能FE-SEMにより観察した結果、
粒径が70〜100Åの微粒子と粒径40Å程度以下の微粒子
の存在が確認された。
この素子に関しても同様に電子放出特性を評価した結
果、平均放出電流0.6μA、放出電流の安定性±10%程
度の電子放出が得られた。
実施例12 蒸発源としてPdの代わりにAu、るつぼ温度を1080℃と
した以外は実施例9と同様の実験を行なった。この堆積
物を実施例9と同様に高分解能FE-SEMにより観察した結
果、粒径が110〜160Åの微粒子と粒径40Å以下程度の微
粒子の存在が認められた。また実施例9と同様に、TEM
用のサンプルを作成し、粒径の大きいものがAuであるこ
とを確認し、実施例9と同様に目的とする複合微粒子素
子が得られていることがわかった。
この素子に関しても同様に電子放出特性を評価した結
果、平均放出電流0.8μA、放出電流安定性±8%程度
の安定した電子放出が得られた。
実施例13 素子作製は実施例9と全く同様にして行ない、電子放
出特性の評価の際の真空度を4×10-5Torrとした以外は
実施例9と全く同様に電子放出特性を評価した。その結
果、平均放出電流0.6μA、放出電流の安定性±6%程
度の安定した電子放出が得られた。
[発明の効果] 以上説明した通り、本発明によれば、特性のバラツキ
が小さく、低真空でも安定で寿命の長い電子放出素子及
び高精細で高画質の画像表示装置をつくることができ、
極めて信頼度の高い製品提供に寄与することが期待でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明第一の電子放出素子の説明図で、(a)
は平面図、(b)は電子放出部付近の拡大断面図、第2
図は本発明第二の電子放出素子の説明図で、(a)は平
面図、(b)は電子放出部付近の拡大断面図、第3図は
本発明第二の電子放出素子の製造方法の説明図、第4図
は本発明第三の画像表示装置の一実施例を示す分解状態
の斜視図、第5図は実施例2で得られた炭素被膜の厚さ
と放出電流の安定性の関係を示すグラフ、第6図は実施
例4における素子の製造方法の説明図、第7図は従来技
術の説明図である。 1,2:電極、3:薄膜、4:基板、5:電子放出部、6:炭素質材
料微粒子、7:非炭素質電子放出材料微粒子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武田 俊彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 斉藤 信之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ャノン株式会社内 (72)発明者 三品 伸也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ャノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭52−4163(JP,A) 特公 昭44−28009(JP,B1) 特許2678757(JP,B2)

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成された一対の電極間に、電子
    放出材を有する電子放出部を備えた電子放出素子におい
    て、該電子放出部に厚さ10Å〜300Å以下の炭素質の被
    膜を有することを特徴とする電子放出素子。
  2. 【請求項2】前記電子放出部は、前記電極間に形成され
    た電気的な高抵抗部であることを特徴とする請求項1に
    記載の電子放出素子。
  3. 【請求項3】前記電子放出部は、前記電極間の、前記電
    子放出材からなる薄膜に形成された破壊,変形もしくは
    変質部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    電子放出素子。
  4. 【請求項4】前記電子放出部は、前記電極間の、前記電
    子放出材からなる微粒子が分散配置された領域であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の電子放出素子。
  5. 【請求項5】前記炭素質は、炭素または金属炭化物また
    は有機質炭素であることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載の電子放出素子。
  6. 【請求項6】電子放出部に、炭素質の微粒子と他の導電
    性微粒子との複合微粒子を有することを特徴とする電子
    放出素子。
  7. 【請求項7】前記炭素質が、(炭素)/(水素)の比が
    2以上の有機質炭素であることを特徴とする請求項1〜
    6のいずれかに記載の電子放出素子。
  8. 【請求項8】表面伝導形電子放出素子であることを特徴
    とする請求項1〜7のいずれかに記載の電子放出素子。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載の電子放出
    素子の1または2以上を電子源として有することを特徴
    とする画像表面装置。
  10. 【請求項10】基板上に形成された一対の電極間に、電
    子放出材を有する電子放出部を備えた電子放出素子の製
    造方法において、 電子放出部を形成した後に、該電子放出部に厚さ10Å〜
    300Å以下の炭素質の被膜を形成する工程を有すること
    を特徴とする電子放出素子の製造方法。
  11. 【請求項11】前記電子放出部を形成する工程は、前記
    電極間に電気的な高抵抗部を形成する工程であることを
    特徴とする請求項10に記載の電子放出素子の製造方法。
  12. 【請求項12】前記電子放出部を形成する工程は、前記
    電極間に設けられた前記電子放出材からなる薄膜に破
    壊,変形もしくは変質部を形成する工程であることを特
    徴とする請求項10又は11に記載の電子放出素子の製造方
    法。
  13. 【請求項13】前記電極間に設けられた前記電子放出材
    からなる薄膜に破壊,変形もしくは変質部を形成する工
    程が、該薄膜に電圧を印加する工程であることを特徴と
    する請求項12に記載の電子放出素子の製造方法。
  14. 【請求項14】前記電子放出部を形成する工程は、前記
    電極間に、前記電子放出材からなる微粒子を分散配置す
    る工程であることを特徴とする請求項10又は11に記載の
    電子放出素子の製造方法。
  15. 【請求項15】前記炭素質は、炭素または金属炭化物ま
    たは有機質炭素であることを特徴する請求項10〜14のい
    ずれかに記載の電子放出素子の製造方法。
  16. 【請求項16】前記炭素質が、(炭素)/(水素)の比
    が2以上の有機質炭素であることを特徴とする請求項10
    〜15のいずれかに記載の電子放出素子の製造方法。
  17. 【請求項17】前記電子放出素子は表面伝導形電子放出
    素子であることを特徴とする請求項10〜16のいずれかに
    記載の電子放出素子の製造方法。
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