JP2003051245A - 電子放出素子及び電子源及び画像形成装置及び電子放出素子の製造方法 - Google Patents

電子放出素子及び電子源及び画像形成装置及び電子放出素子の製造方法

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JP2003051245A
JP2003051245A JP2001239900A JP2001239900A JP2003051245A JP 2003051245 A JP2003051245 A JP 2003051245A JP 2001239900 A JP2001239900 A JP 2001239900A JP 2001239900 A JP2001239900 A JP 2001239900A JP 2003051245 A JP2003051245 A JP 2003051245A
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Shin Kitamura
伸 北村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子放出点の数が多く、電子ビームの広がり
を抑制することのできる電子放出素子及び電子源及び画
像形成装置及び電子放出素子の製造方法を提供する。 【解決手段】 電子放出材料4が形成される領域全体の
幅をL2とし、引き出し電極2におけるカソード電極3
に対向する側面の幅をL1とすると、L2>L1とす
る。そして、L1の範囲内に限定して、電子放出材料4
を存在させずにカソード電極3を露出させた領域を複数
設けるようにする。つまり、電子放出材料4が形成され
る領域全体の幅L2のうち、引き出し電極2に対向する
幅L1の範囲内において、電子放出材料4が形成された
領域と、電子放出材料4が形成されずにカソード電極3
が露出した領域が交互に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子の放出を行う
電子放出素子及び電子源及び画像形成装置及び電子放出
素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、表示装置等の画像形成装置におい
ては、液晶を用いた平板型表示装置がCRTに替わって
普及してきた。しかし、これは自発光型でないため、バ
ックライトを持たなければならない等の問題点がある。
従って、自発光型の表示装置の実用化が望まれてきてい
る。
【0003】画像形成装置用の電子源として、金属に対
し106V/cm以上の強電界をかけて金属表面から電
子を放出させる電界放出型(FE型)電子放出素子が、
冷電子源の一つとして注目されている。FE型の冷電子
源が実用化されれば、薄型の自発光画像表示装置が可能
となり、消費電力の低減や軽量化にも貢献する。
【0004】FE型電子放出素子の一般的な例として、
図16に示すものがある。図16は従来技術に係る電子
放出素子の斜視図である。図16に示す電子放出素子
は、エミッタ165が基板161から略鉛直方向に円錐
あるいは四角錐の形状をなし、その周囲に絶縁層163
により隔てたゲート電極164が配置されている、いわ
ゆる縦型FEである。
【0005】例えば、C.A.Spindt,”Phy
sical Propertiesof thin−f
ilm field emission cathod
es with molybdenum cone
s”,J.Appl.Phys.,47,5248(1
976)等に開示されたもの(以下スピント型)がそれ
である。
【0006】この動作原理は、ゲート電極164にエミ
ッタ165に対して正の電圧を印加すると、先鋭化され
たエミッタ165の先端に電界集中が起こり、電子が放
出されるというものである。
【0007】また、近年は、ダイヤモンドやカーボンフ
ァイバー(カーボンナノチューブや、グラファイトナノ
ファイバー等を含む)等の、電子放出させるために必要
な電圧が低い材料をエミッタとして用いた電子放出素子
の開発が盛んである。
【0008】例えば、スピント型電子放出素子のエミッ
タをカーボンファイバーの集合体で置き換えた構造があ
る。また、図17に示すようなものもある。図17は従
来技術に係る電子放出素子の斜視図である。
【0009】図17に示す電子放出素子は、エミッタが
基板171と平行に形成されており、エミッタに設けら
れるカーボンファイバー175の先端を、加工により先
鋭化している。また、エミッタに対向するゲート電極1
74に陰極が対面し、電子が引き出される方向と直行し
た方向にコレクタ176(本件ではアノードと呼ぶ)が
構成された横型FEが開示されている(USP4728
851等)。
【0010】なお、図17中、173は絶縁層、177
はビーム形状,179はカーボンファイバー175の先
端から放出された電子,178は放出された電子のうち
コレクタ176に向かう電子,170は放出された電子
のうちゲート電極に吸収される電子を示している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来技術の場合には、下記のような問題が生じて
いた。
【0012】近年、自発光型画像表示装置等の画像形成
装置には、より高精細な解像度が要求されている。従っ
て、個々の電子放出素子からの電子ビームが、蛍光体を
有するアノードへ到達する領域を、より小さくする要求
が発生している。
【0013】一般のスピントFE型電子放出素子を用い
た画像形成装置の動作原理について図16を用いて説明
する。図16において、161は基板、162はカソー
ド電極、163は絶縁層、164はゲート電極、165
はエミッタである。
【0014】一般に素子の動作電圧(エミッタと、エミ
ッタに対して正電位を与える電極との間の電圧)Vf
は、ポアソン方程式によって導かれるエミッタ先端部の
電界と、その電界とエミッタ部の仕事関数をパラメータ
ーとしてFowler−Nordheimの式と呼ばれ
る関係式に従う電子放出電流の電流密度によって決定さ
れる。
【0015】また、電子放出に必要な電界は、エミッタ
先端と、エミッタに対して正電位を与える電極(カソー
ド、アノード、ゲートの3電極構成ではゲート電極に相
当する。また、ゲートのない2電極構成の場合はアノー
ド電極に相当する)との間の距離Dが小さいほど、また
エミッタ先端の半径rが小さいほど得られる電界が大き
くなる。
【0016】従来構成のビーム形状について図16を用
いて説明する。前述したスピント型の場合は、エミッタ
165とゲート164間にVfを印荷すると、エミッタ
165の突起先端の電界が高まり、電子がコーン先端近
傍から真空中に取り出される。
【0017】エミッタ先端の電界はエミッタ先端の形状
に沿うように、ある有限の面積を持って形成されるた
め、取り出される電子はエミッタ先端の有限の面積から
電位に対して、鉛直方向に引き出される。この時、様々
な角度を持つ電子も放出される。
【0018】その結果、大きな角度成分を持つ電子は結
果的にゲート164の方向に引き出される。
【0019】結果、円形のゲートが形成されている場合
に、図中アノード166上に得られる電子分布は、ほぼ
円形のビーム形状167が得られる。つまり得られるビ
ームの形状は、引き出すゲートの形状及びエミッタとの
距離に密接に関係することを示している。
【0020】仮想的にゲートの形状について、エミッタ
を取り囲む形状からゲートに切れ込みを入れてコーンを
囲む領域を減ずることを考えると、電子が引き出される
方向が360度方向であったものが次第に減少すること
が分かる。
【0021】アノード上で得られる電子ビームにおける
X方向の最大の大きさXd(例えば図16における円形
ビーム形状167の中心からの最大到達距離)は、単純
な計算では√(Vf/Va)に比例する形で表され、こ
の関係から明らかなようにVfが正電位側に大きくなる
程ビーム径が増大してしまう。
【0022】さらにゲートの方向に引き出され、ゲート
電極に到達した電子は、電流ロスを招き消費電力の増大
にもつながる。
【0023】電界放出型電子放出素子を用いた画像形成
装置の解像度は、アノードに到達する電子ビームの広さ
により制限されるので、従来の電子ビームの広がってし
まう構成では不具合が生じる。
【0024】この電子ビームの広がりを抑制するため
に、冷陰極を用いた画像形成装置には、ゲートとアノー
ドの間に、電子ビームを絞るための収束電極(ゲートに
対して適当な負電位を与える)を有するものがあるが、
冷陰極、ゲート電極、及び収束電極の位置合わせが必要
となり作製方法が複雑になる。
【0025】これまで、スピント型のFE型素子につい
て述べてきたが、図16のような素子において凸型形状
のエミッタ部165にカーボンファイバーを用いた場合
(微細なカーボンファイバーの集合体を含む)も同様で
ある。
【0026】また、凸型エミッタを見かけ上平坦な膜状
(微細なカーボンファイバーの集合体を含む)のエミッ
タに置き換えた場合も同様であり、ゲート電極の方向に
電子が引き出される。さらに平坦な膜状エミッタ構成と
すると、膜状エミッタのゲート電極に近い部分ほど電界
が強くなる傾向にあり、電子放出領域の制御が困難であ
る。
【0027】以上のように、ゲート電極に開けた孔内に
カーボンファイバーのようなエミッタを配置する縦型F
E構造は高精細な画像形成装置を実現するために不利で
ある事が分かる。
【0028】これに対し、図17のような横型FEタイ
プでは、電子ビームの引き出される方向が、比較的揃っ
ているため電子ビームの広がりがスピント型よりも少な
い。
【0029】さらに、本出願人らの知見によれば、エミ
ッタに放出電圧の低い材料を用いて放出電圧を低下さ
せ、放出点の位置,エミッタとゲート電極間に印加する
電界、及びエミッタとアノード間に印加する電界を調節
する事で、ゲート電極に衝突する電子を制御する事がで
き、電子ビームの広がりを低減できる事が分かってい
る。
【0030】電子放出素子のエミッタとしてカーボンフ
ァイバーを配置する場合に、カーボンファイバーひとつ
ひとつの位置や方向を制御する事は困難であり、製造方
法が繁雑となりコスト増につながってしまう。そこで、
方向は揃っているが高密度にカーボンナノファイバーが
隣接して存在するカーボンファイバーの集合体や、個々
のカーボンファイバー同士の間隔や、方向、形状がラン
ダムであるカーボンファイバーの集合体をそのままエミ
ッタとして用いる事がある。
【0031】しかし、このようなカーボンファイバー集
合体は、カーボンファイバー自体が高い縦横比(アスペ
クト比)を持っているにもかかわらず、隣接するカーボ
ンファイバーとの距離が近いため、ファイバー形状によ
る電界のエンハンス効果を十分に得る事ができない。
【0032】ランダムな集合体であると、たまたまカー
ボンファイバーが突出した部分において電子が放出され
易くなる。
【0033】また、両者に共通して、カーボンナノファ
イバー集合体の形成領域の末端部に電子放出が起こりや
すい傾向がある。
【0034】このように、電子放出の起こる点は、カー
ボンファイバー集合体形成領域内においてのある部分か
らのみであり、電子放出点の数を制御する事が困難であ
る。この特性は素子毎に異なり画像形成装置として用い
た場合には、画素毎に輝度が不均一なる恐れがある。ま
た、放出点が少ないと必要な電流を取り出すための電流
密度が増加し、電子放出素子の耐久性の面でも不利であ
る。
【0035】以上のような理由により、カーボンナノフ
ァイバーの集合体をエミッタとして用いるには、コスト
的には大変有効であるが、画像形成装置を作製する際に
は問題である。
【0036】本発明は上記の従来技術の課題を解決する
ためになされたもので、その目的とするところは、電子
放出点の数が多く、電子ビームの広がりを抑制すること
のできる電子放出素子及び電子源及び画像形成装置及び
電子放出素子の製造方法を提供することにある。
【0037】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の電子放出素子にあっては、基板上に設けら
れ、側面に電子放出材料が形成された陰極と、前記基板
上であって、前記陰極に形成された電子放出材料側に該
電子放出材料と間隙をおいて設けられ、該電子放出材料
から電子を引き出す引き出し電極と、を備え、該引き出
し電極によって引き出した電子を、前記基板に対向して
設けられた陽極に向けて放出させる電子放出素子におい
て、前記引き出し電極における、前記陰極に対向する側
面の幅をL1とし、前記陰極上の前記電子放出材料が形
成された領域全体の幅をL2とした場合に、L2>L1
を満たすと共に、前記電子放出材料が形成された領域の
うち、前記引き出し電極に対向する幅L1の範囲内にお
いて、電子放出材料が形成された部分と電子放出材料が
形成されずに陰極が露出した部分を交互に複数設けるこ
とを特徴とする。
【0038】本発明の構成によれば、電子放出点は、電
子放出材料が形成されずに陰極が露出した部分に隣接す
る、電子放出材料が形成された部分の端部に形成される
ため、複数の電子放出点ができる。そして、L2>L1
を満たすことから放出される電子は狭い領域(L2)側
に向かうため、電子ビームの広がりを抑制できる。
【0039】前記電子放出材料は複数の微細突起を有す
るとよい。
【0040】前記電子放出材料は炭素を主成分とする材
料で構成されるとよい。
【0041】前記炭素を主成分とする材料は繊維状のカ
ーボンであるとよい。
【0042】前記繊維状のカーボンの材料には、グラフ
ァイトナノファイバー,カーボンナノチューブ及びアモ
ルファスカーボンのうちの少なくとも一つを含むとよ
い。
【0043】前記電子放出材料が形成された領域のう
ち、前記電子放出材料が形成されずに陰極が露出した部
分の幅をW1とし、陰極表面から前記電子放出材料の表
面までの高さをHとした場合に、W1≧Hを満たすとよ
い。
【0044】また、本発明の電子源にあっては、上記電
子放出素子を複数個配列して結線した素子列を少なくと
も1列以上有することを特徴とする。
【0045】また、本発明の電子源にあっては、上記の
電子放出素子を複数個配列して結線した素子列を少なく
とも1列以上有し、各素子を駆動するための配線がマト
リクス配置されていることを特徴とする。
【0046】また、本発明の画像形成装置にあっては、
上記電子源と、該電子源から放出された電子の衝突によ
り発光する蛍光体と、を備えることを特徴とする。
【0047】情報信号に基づいて、前記電子源内の電子
放出素子の電子量を制御する手段と、を備えるとよい。
【0048】また、本発明の電子放出素子の製造方法に
あっては、絶縁性の基板上に、引き出し電極と、該引き
出し電極と間隙をおいて側面の幅が引き出し電極の幅よ
りも大きな陰極と、を形成する工程と、前記陰極の前記
引き出し電極に対向する側面に、該引き出し電極の幅よ
りも広い範囲に、酸化金属微粒子を形成する工程であっ
て、前記引き出し電極の幅の範囲内では、複数箇所には
前記酸化金属微粒子を形成せずに陰極を露出した部分を
残しつつ、前記酸化金属微粒子を形成する工程と、該酸
化金属微粒子を還元凝集して金属微粒子とする工程と、
該金属微粒子上に繊維状カーボンを成長させる工程と、
を有することを特徴とする。
【0049】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明
の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載が
ない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣
旨のものではない。
【0050】まず、図面を参照して本発明の実施の形態
に係る電子放出素子の構成と、その動作原理について例
示的に詳しく説明する。
【0051】図1は本発明の実施の形態に係る電子放出
素子の模式図である。なお、図1(A)は本発明の電子
放出素子の模式的平面図であり、図1(B)は(A)に
おけるA−A’断面図であり、図1(C)は図1Aにお
けるB−B’断面図である。
【0052】図のように、本実施の形態に係る電子放出
素子は、絶縁基板1上に、引き出し電極(ゲート電極)
2と陰極としてのカソード電極3(引き出し電極に対し
て負電位を与える電極)が電気的に独立して配置され、
カソード電極3上の一部に電子放出材料4が配置されて
いる。
【0053】ここで、本実施の形態の特徴となる、カソ
ード電極3上における電子放出材料4の配置について説
明する。
【0054】(1)電子放出材料4が形成される領域全
体の幅をL2とし、引き出し電極2におけるカソード電
極3に対向する側面の幅をL1とすると、L2>L1と
なる。
【0055】(2)L1の範囲内に限定して、電子放出
材料4を存在させずにカソード電極3を露出させた領域
を複数設けるようにしてある。つまり、電子放出材料4
が形成される領域全体の幅L2のうち、引き出し電極2
に対向する幅L1の範囲内において、電子放出材料4が
形成された領域と、電子放出材料4が形成されずにカソ
ード電極3が露出した領域が交互に設けられている。
【0056】このように構成された電子放出素子の動作
(電子放出の様子)について図6を参照して説明する。
図6は電子放出素子を動作させる構成の一例図である。
【0057】上述のように構成された電子放出素子を、
図6に示すような真空装置内に設置する。真空装置内に
は、基板から高さL4の位置に陽極(以下アノード)6
1が設けられている。
【0058】ここで、カソード電極3に対して引き出し
電極2にある正の電圧Vf、カソード電極3に対してア
ノード61にある正の電圧Vaを印加して駆動させる
と、例えば等電位線66は図のように形成される。
【0059】この場合、最も電界の集中する点は図2
(A)及び図6で示される、電子放出材料4における最
も引き出し電極2側であって、かつアノード61側の場
所(エッジの部分)となる。
【0060】さらに、本発明の実施の形態に係る電子放
出素子では、図2(B)に示すように、引き出し電極2
側からみると、電子放出材料4が形成されている部分と
電子放出材料が形成されずにカソード電極3が露出した
部分が交互にあるために、電子放出材料4の表面側であ
って、かつカソード電極3が露出した部分との境界側の
部分(エッジ部分)に電界集中が起こり、この電界集中
点近傍に位置する電子放出材料から優先的に電子が真空
中に放出される。
【0061】このような電界集中の起こる点を増加させ
るには、上記エッジ部分が増えるようにすればよく、電
子放出材料4の集合体の幅W2(図1(C)参照)を小
さくして、カソード電極3上に集合体を多数設置すれば
よい。
【0062】ここで、有効に電界集中を起こすために
は、電子放出材料4の集合体同士の間隔(カソード電極
3の露出部分の幅)W1(図1(C)参照)を、ある程
度取ると良い。
【0063】電界集中といった意味では、電子放出材料
4の集合体の高さ(カソード電極3の表面から電子放出
材料4の表面までの高さ)Hの2倍以上である(W1≧
2H)事が望ましい。ただし、実際には、W1の値は電
子放出材料の耐久性や、L1内においての電子放出点の
集積度との兼ね合いで決定すればよい。
【0064】このような電子放出材料4の配置とする事
で、電界が集中しやすい領域を定める事ができ、電子放
出材料自体の形状にさほど依存せず、電子放出点の制御
が可能である。
【0065】従来技術に係る電子放出素子の場合、例え
ば、引き出し電極の幅L1よりも、狭い領域に電子放出
材料を配置した場合(L1>L2)には、電子放出材料
の端部から放出された電子が、図3に示すような軌道を
取るため、電子ビームが広がってしまう傾向にある。図
3は従来技術に係る電子放出素子の電子軌道を示す模式
図である。
【0066】また、電子放出材料がカーボンファイバー
等の集合体である場合には、電界の集中する領域は電子
放出材料の形状に強く依存する事になる。従って、電子
放出点を制御するためには電子放出材料の形状の制御に
精度を必要とする。
【0067】また、仮に、図4に示すように、引き出し
電極の幅L1よりも、狭い領域にのみ電子放出材料の集
合体を複数配置した場合は、一番外側の電子放出材料の
集合体の端部から放出された電子によりやはり電子ビー
ムが広がってしまう傾向にある。図4は本実施の形態に
係る電子放出素子と比較するためのモデルの電子軌道の
様子を示す模式図である。
【0068】本発明の実施の形態に係る電子放出素子で
は、引き出し電極2の幅L1よりも、電子放出材料4の
形成領域全体の幅L2を広くとり、かつ、L1よりも狭
い領域にのみ電界の集中し易い点を設けるようにした。
これにより、電子ビームの広がりを抑制する事が可能で
ある。なお、それぞれの電界集中点から図2(B)に示
すように放出された電子は、互いの電荷による反発作用
により横方向への広がりが抑制される。
【0069】次に、図6について、引き出し電極方向に
電子が取り出される電界(ここでは便宜的に、横方向電
界と呼び、電子放出材料の形状による電界の増強効果は
無視する)と、アノードに向かう電界(ここでは縦方向
電界と呼ぶ)について考える。電子放出材料から放出さ
れた電子は最初、横方向電界によって引き出され、ゲー
ト電極方向に向かった後に、縦方向電界によって引き上
げられアノードに到達する。
【0070】このとき横方向電界と縦方向電界の強度比
及び電子放出点の相対位置が重要となる。
【0071】横方向電界が、縦方向電界と比較して桁で
強い場合には、取り出された電子のほとんどは、横方向
電界で形成される放射状電位によって次第に軌道を曲げ
られ、引き出し電極2に向かう軌道をとる。
【0072】引き出し電極2に衝突した電子は、散乱に
よって再び放出され、縦方向電界に捉えられるまでは、
何度も楕円に似た軌道を描いて引き出し電極2上を広が
りながら、自ら電子の数を減じながら散乱を繰り返す事
となる。
【0073】本発明の実施の形態に係る電子放出素子で
は、横方向電界と縦方向電界が同程度にする事で、取り
出された電子は、やはり放射状電位によって軌道が曲げ
られるものの、電界による束縛がゆるくなり、引き出し
電極2に衝突することなしに縦方向電界に捉えられる電
子軌道を出現させる事が可能である。
【0074】さらに、横方向電界と縦方向電界が同程度
の時、電子の放出点位置を、引き出し電極2の属する平
面からアノードの属する平面側に持ち上げる(図6参
照)と、放出された電子は全く引き出し電極2に衝突せ
ずに、縦方向電界に捉えられる軌道を描くことが可能で
ある。
【0075】以上のように、本発明の実施の形態に係る
電子放出素子によれば、電界集中点を制御して電子放出
点の数を増加させ、かつ電子ビームの広がりを抑制する
事が可能である。
【0076】特に電子放出材料として、繊維状カーボン
の集合体を用いた場合には、個々の繊維状カーボンの形
状制御に精度を要求しないため、電子放出素子を安価に
製造する事が可能である。
【0077】次に、本発明の実施の形態に係る電子放出
素子の製造方法について、特に図5を参照して説明す
る。
【0078】その表面を十分に洗浄した、石英ガラス,
Na等の不純物含有量を減少させKなどに一部置換した
ガラス、青板ガラス及びシリコン基板等にスパッタ法等
によりSiO2を積層した積層体、アルミナ等のセラミ
ックスの絶縁性基板を基板1として用意する(図5
(a))。
【0079】その上に引き出し電極2及びカソード電極
3を、ある間隔dを隔て電気的に分割して配置する(図
5(b))。
【0080】引き出し電極2およびカソード電極3は導
電性を有しており、蒸着法、スパッタ法等の一般的真空
成膜技術、フォトリソグラフィー技術により形成され
る。素子電極の材料は、例えば、炭素、金属、金属の窒
化物、金属の炭化物、金属のホウ化物、半導体、半導体
の金属化合物から適宜選択される。
【0081】引き出し電極2及びカソード電極3の厚さ
としては、数十nmから数十μmの範囲で設定される、
好ましくは炭素、金属、金属の窒化物、金属の炭化物の
耐熱性材料が望ましい。特に、後に述べる電子放出材料
として繊維状カーボンを成長させる場合には導電性を付
与したシリコン、例えばドープドポリシリコンなどが好
ましい。
【0082】なお、この電極の厚さが薄いために電位降
下などが心配される時、あるいはマトリクス配列でこの
素子を用いる場合は必要に応じて低抵抗の配線用金属材
料が電子放出に関与しない部分で用いられることがあ
る。
【0083】次に、カソード電極3の一部に電子放出材
料4を配置する(図5(c))。
【0084】電子放出材料4はスパッタ法等の一般的な
真空成膜法等で堆積した膜をRIEなどの手法を用いて
電子放出に有利な凸型形状に加工する場合と、CVDに
おける核成長を利用した針状結晶の成長や、ひげ結晶の
成長などを利用する場合がある。
【0085】凸型形状の制御はRIEの場合には用いる
基板の種類、ガスの種類、ガス圧力(流量)、エッチン
グ時間、プラズマを形成する時のエネルギーなどに依存
する。一方、CVDによる形成方法では基板の種類、ガ
スの種類、流量、成長温度などで制御される。
【0086】電子放出材料としては、好ましくはW、T
a、Mo等の耐熱性の材料、あるいはTiC、ZrC、
HfC、TaC、SiC、WC等の炭化物、HfB2
ZrB2、LaB6、CeB6、YB4、GdB4等の硼化
物、TiN、ZrN、HfN等の窒化物、Si、Ge等
の半導体、有機高分子材料、アモルファスカーボン、グ
ラファイト、ダイヤモンドライクカーボン、ダイヤモン
ドを分散した炭素及び炭素化合物等、あるいはカーボン
ナノチューブ、グラファイトナノファイバーなどの繊維
状カーボンなどが良い。
【0087】引き出し電極2とカソード電極3の間隔d
は、前述したとおり、用いる陰極材料の電子放出電界
(横方向電界)と画像形成に必要な縦方向電界との電界
を比較した時に、電子放出電界が縦方向電界よりも1倍
から50倍程度の値になるように、駆動電圧と間隔を決
めればよい。
【0088】陽極に蛍光体を用いる場合は、必要な縦方
向電界は10-1V/μmから10V/μmの範囲に限定
される。例えば、陽極と陰極との間に8kVを2mmの
間隔で印加する場合、この時の縦方向電界は4V/μm
となる。この場合、用いるべき電子放出材料4の電子放
出電界は4V/μmよりも大きな電子放出電界を持つ材
料であり、選択した電子放出電界に相当するように、そ
の間隔と、駆動電圧を決めればよい。
【0089】このように、数V/μmから数十V/μm
の電子放出電界を持つ材料としては、カーボンを主成分
とする材料が挙げられる。
【0090】一例として、触媒を用いて炭化水素ガスを
分解して出来る繊維状カーボン(微細突起を構成する部
分)を図11及び図12に示す。各図では一番左側に光
学顕微鏡レベル(〜1000倍)で見える形態、真中は
走査電子顕微鏡(SEM)レベル(〜3万倍)で見える
形態、右側は透過電子顕微鏡(TEM)レベル(〜10
0万倍)で見えるカーボンの形態を模式的に示してい
る。
【0091】図11に示すようにグラフェンが円筒形状
(円筒形が多重構造になっているものはマルチウォール
ナノチューブと呼ばれる)の形態をとるものはカーボン
ナノチューブと呼ばれ、特にチューブ先端を開放させた
構造の時に、最もその閾値が下がる。
【0092】あるいは、カーボンナノチューブと同様に
触媒を用い、比較的低温で生成される繊維状カーボンを
図12に示す。この形態の繊維状カーボンはグラフェン
の積層体(このためグラファイトナノファイバーと呼ば
れることがあるが、温度によりアモルファス構造の割合
が増加する)で構成されている。
【0093】カーボンナノチューブとグラファイトナノ
ファイバーは触媒の種類、及び分解の温度によって異な
り、同一の触媒で、両方の構造を持つ物を温度によって
選択可能である場合もあるし、どちらかの構造しか出来
ない場合もある。
【0094】どちらの繊維状カーボンも電子放出に必要
な電界が数V〜数十V/μm程度であり、本発明の電子
放出材料4として好ましい。
【0095】触媒材料としてはFe、Coなどがカーボ
ンナノチューブの形成において一般的に使用されるが、
Pd、Niにおいてもカーボン形成用の核として用いる
ことが出来る。
【0096】熱分解による気相成長の場合では、特に、
Pd、Niにおいては低温(450℃以上の温度)でグ
ラファイトナノファイバーを生成することが可能であ
る。Fe、Co、を用いたカーボンナノチューブの生成
温度は800℃以上必要なことから、Pd、Niを用い
てのグラファイトナノファイバー材料の作成は、低温で
可能なため、他の部材への影響や、製造コストの観点か
らも好ましい。
【0097】さらに、Pdにおいては酸化物が水素によ
り低温(室温)で還元される特性を用いて、核形成材料
として酸化金属微粒子の一つである酸化パラジウムを用
いることが可能である。
【0098】酸化パラジウムの水素還元処理を行うと、
一般的な核形成技法として従来から使用されている金属
薄膜の熱凝集や、爆発の危険を伴う超微粒子の生成と蒸
着を用いずとも、比較的低温(200℃以下)で初期凝
集核(金属微粒子)の形成が可能となった。
【0099】前述の炭化水素ガスとしては、例えばエチ
レン、メタン、プロパン、プロピレンなどの炭化水素ガ
ス、あるいはエタノールやアセトンなどの有機溶剤の蒸
気を用いることもある。
【0100】上記のように作製した本発明の実施の形態
に係る電子放出素子を図6に示すような真空装置内に設
置し、真空排気装置65によって10-4Pa程度に到達
するまで十分に排気した。そして、図6に示したように
高電圧電源を用いて、基板から数ミリの高さL4の位置
に陽極(アノード)61を設け、数キロボルトからなる
高電圧Vaを印加した。なお、アノード61には導電性
フィルムを被覆した蛍光体62が設置されている。
【0101】電子放出素子には駆動電圧Vfとして数十
V程度からなるパルス電圧を印加して流れる素子電流I
fと電子放出電流Ieを計測した。
【0102】この時、等電位線66は図のように形成さ
れ、最も電界の集中する点は、上述のように、図6及び
図2(A)で示される電子放出材料4の最も引き出し電
極2側であって、かつ、アノード61側の場所のうち、
図2(B)に示す電子放出材料4の端部である。この電
界集中点近傍に位置する電子放出材料4から優先的に電
子が真空中に放出される。
【0103】ここで、本電子放出素子のIe特性は図7
に示すような特性であった。すなわち印加電圧の約半分
からIeが急激に立ち上がり、不図示のIfはIeの特
性に類似していたが、その値はIeと比較して十分に小
さな値であった。
【0104】以下、この原理に基づき、本発明の実施の
形態に係る電子放出素子を複数配して得られる電子源及
び画像形成装置について、図8及び図9を用いて説明す
る。図8は本発明の実施の形態に係る電子源の模式的平
面図である。
【0105】図8において、81は電子源基体、82は
X方向配線、83はY方向配線である。そして、84は
本発明の実施の形態に係る電子放出素子、85は結線で
ある。
【0106】m本のX方向配線82は,DX1,DX
2,..DXmからなり,真空蒸着法,印刷法,スパッ
タ法等を用いて形成された導電性金属等で構成すること
ができる。配線の材料、膜厚、巾は、適宜設計される。
Y方向配線83は,DY1,DY2..DYnのn本の
配線よりなり,X方向配線82と同様に形成される。
【0107】これらm本のX方向配線82とn本のY方
向配線83との間には、不図示の層間絶縁層が設けられ
ており、両者を電気的に分離している(m,nは,共に
正の整数)。
【0108】不図示の層間絶縁層は,真空蒸着法,印刷
法,スパッタ法等を用いて形成されたSiO2等で構成
される。例えば、X方向配線82を形成した基体81の
全面或は一部に所望の形状で形成され,特に,X方向配
線82とY方向配線83の交差部の電位差に耐え得るよ
うに,膜厚,材料,製法が,適宜設定される。X方向配
線82とY方向配線83は,それぞれ外部端子として引
き出されている。
【0109】電子放出素子84を構成する引き出し電極
及びカソード電極(不図示、以下素子電極)は、m本の
X方向配線82とn本のY方向配線83と導電性金属等
からなる結線85によって電気的に接続されている。
【0110】配線82と配線83を構成する材料、結線
85を構成する材料及び素子電極を構成する材料は、そ
の構成元素の一部あるいは全部が同一であっても、また
それぞれ異なってもよい。これら材料は、例えば前述の
素子電極の材料より適宜選択される。素子電極を構成す
る材料と配線材料が同一である場合には、素子電極に接
続した配線は素子電極ということもできる。
【0111】X方向配線82には、X方向に配列した電
子放出素子84の行を、選択するための走査信号を印加
する不図示の走査信号印加手段が接続される。一方、Y
方向配線83には、Y方向に配列した電子放出素子84
の各列を入力信号に応じて、変調するための不図示の変
調信号発生手段が接続される。
【0112】各電子放出素子に印加される駆動電圧は、
当該素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧とし
て供給される。
【0113】上記構成においては、単純なマトリクス配
線を用いて、個別の素子を選択し、独立に駆動可能とす
ることができる。
【0114】このような単純マトリクス配置の電子源を
用いて構成した画像形成装置について、図9を用いて説
明する。図9は、画像形成装置の表示パネルの一例を示
す模式図である。
【0115】図9において、81は電子放出素子を複数
配した電子源基体、91は電子源基体81を固定したリ
アプレート、96はガラス基体93の内面に蛍光膜94
とメタルバック95等が形成されたフェースプレートで
ある。92は支持枠であり、支持枠92には、リアプレ
ート91、フェースプレート96がフリットガラス等を
用いて接続されている。
【0116】外囲器97は、例えば大気中、真空中ある
いは窒素中で、400〜500度の温度範囲で10分以
上焼成することで、封着して構成される。
【0117】外囲器97は、上述の如く、フェースプレ
ート96,支持枠92、及びリアプレート91で構成さ
れる。リアプレート91は主に基体81の強度を補強す
る目的で設けられるため、基体81自体で十分な強度を
持つ場合は別体のリアプレート91は不要とすることが
できる。即ち、基体81に直接支持枠92を封着し、フ
ェースプレート96、支持枠92及び基体81で外囲器
97を構成しても良い。
【0118】一方、フェースプレート96とリアプレー
ト91間に、スペーサーとよばれる不図示の支持体を設
置することにより、大気圧に対して十分な強度をもつ外
囲器97を構成することもできる。
【0119】
【実施例】次に、上記実施の形態に基づいたより具体的
な実施例を説明する。
【0120】(実施例1)本実施例1における電子放出
素子の構成は、上述した図1に示す構成と同様である。
【0121】以下に、図13を用いて実施例1の電子放
出素子の製造工程を詳細に説明する。図13は実施例1
に係る電子放出素子の製造工程図である。
【0122】(工程1)基板1に石英基板を用い、十分
洗浄を行った後、引き出し電極2及びカソード電極3と
してスパッタ法により厚さ5nm(不図示)のTi及び
厚さ30nmのポリSi(砒素ドープ)を連続的に蒸着
を行った。
【0123】次に、フォトリソグラフィー工程で、ポジ
型フォトレジスト(AZ1500/クラリアント社製)
を用いてレジストパターンを形成した。
【0124】次に、パターニングした前記フォトレジス
トをマスクとしてポリSi(砒素ドープ)層、Ti層は
CF4ガスを用いてドライエッチングを行い、電極間d
=5μmからなる引き出し電極2、および陰極としての
カソード電極3を形成した(図13(a))。
【0125】(工程2)次に、フォトリソグラフィー工
程で、ポジ型フォトレジスト(AZ1500/クラリア
ント社製)を用いてレジストパターン131を形成し
た。パターニングした前記フォトレジスト(レジストパ
ターン131)をマスクとし、電子放出材料を被覆すべ
き領域に、後述の電子放出材料成長の触媒132として
Pdをスパッタ法に蒸着した(図13(b))。
【0126】(工程3)レジスト剥離後、大気中300
℃で熱処理を行い、Pdを酸化パラジウムとして10n
mの厚さに形成した(図13(c))。
【0127】次に、大気を排気後、窒素で希釈した2%
水素気流中で200℃にて熱処理を行った。この段階で
素子表面には粒子の直径が約10nm程の微粒子133
が形成された。この時の粒子の密度は約1011〜1012
個/cm2と見積もられた(図13(d))。
【0128】(工程4)続いて、H2希釈した50%エ
チレン気流中で500℃、30分間加熱処理をした。こ
れを走査電子顕微鏡で観察すると、Pd塗布領域に直径
10nm〜60nm程度で、屈曲しながら繊維状に伸び
た多数の繊維状カーボンが形成されているのが分かっ
た。このとき繊維状カーボンの厚さは約1μmとなって
いた(図13(e))。
【0129】最終的に、図1(A)及び図1(B)でL
1=80μm,L2=120μm,L3=2μm、図1
(C)においてW1及びW2=2μm,H=1μmとし
た電子放出素子となった。
【0130】本素子を図6に示すような真空装置60に
設置し、真空排気装置65によって2×10-5Paに到
達するまで十分に排気した、図6に示したよう素子から
L4=2mm離れた陽極(アノード)61に、陽極(ア
ノード)電圧としてVa=8kV印加した。
【0131】この時点でアノードへの電子流がないのを
確認した後、素子に駆動電圧Vf=30Vからなるパル
ス電圧を印加して流れる素子電流Ifと電子放出電流I
eを計測した。素子のIf、Ie特性は図7に示すよう
な特性であった。
【0132】すなわち印加電圧の約半分からIeが急激
に増加し、Vfが30Vでは電流密度に換算して必要な
電子放出電流Ieが測定された。一方IfはIeの特性
に類似していたが、その値はIeと比較して一桁以上小
さな値であった。
【0133】得られたビームはY方向に細長く、X方向
に短い、略矩形形状であった。
【0134】電子放出に必要な電界及び放出電流は成長
条件を変えることで変化させることが可能であった。特
に酸化パラジウムを還元処理して出来るPdの平均粒径
が、その後の成長で出来る繊維の直径と関連している。
【0135】この素子のカーボン繊維を透過電顕で観察
したところ、グラフェンが図12の右に示すように積層
された構造であった。
【0136】(実施例2)実施例2として、図1におい
て図1(A)及び図1(B)でL1=80μm,L2=
120μm,L3=10μm、図1(C)においてW1
=1μm,W2=4μm,H=1μmとして、電子放出
素子において電子放出材料の形成面積を広くとった例を
示す。
【0137】本実施例では電子放出材料の形成領域を広
くとる事で、Vfを上げて電子放出の起こる領域を増加
させると、放出電流値Ieを増加させる事が可能であ
る。
【0138】製造方法は、実施例1とほとんど同様な方
法であり、実施例1との相違点は工程2のレジストパタ
ーンの形状を変化させたのみである。
【0139】実施例1と同様にしてIf,Ieの計測を
行った。実施例1と比較して電子放出の閾値が若干高く
なったが、Vf=40まで上げた時の放出電流値は実施
例1を上回った。
【0140】(実施例3)図14を参照して実施例3に
係る電子放出素子について説明する。図14は実施例3
に係る電子放出素子の模式的断面図である。なお、図1
4は図1(A)におけるAA’断面に相当する図であ
る。本実施例の素子の平面図は図1(A)と同様であ
る。
【0141】本実施例では実施例1におけるカソード電
極3の厚さを500nmに形成した以外は実施例1と同
様にして電子放出素子の作製を行い、If,Ieの計測
を行った。
【0142】本素子構成により、カソード電極3を厚く
することで、少なくともカソード電極3の厚さ分に相当
する位置からは電子放出は起こらないため、電子放出位
置を引き出し電極2から見て確実に高い位置(アノード
側)にすることが出来た。この構成によって、電子が引
き出し電極2に衝突する軌道が減少し、効率の低下やビ
ーム径の増大を招く現象を防ぐことが出来た。
【0143】(実施例4)図15を参照して実施例4に
係る電子放出素子について説明する。図15は実施例4
に係る電子放出素子の模式的断面図である。なお、図1
5は図1(A)におけるAA’断面に相当する図であ
る。本実施例の素子の平面図は図1(A)と同様であ
る。
【0144】本実施例では電子放出材料4をカソード電
極3から、引き出し電極2とカソード電極3間dのほぼ
中間位置まで形成した。
【0145】本実施例における製造方法は、実施例1と
ほとんど同様な方法であり、実施例1との相違点は工程
2のレジストパターンの形状を変化させたのみである。
つまり、触媒となるPdをカソード電極上から石英基板
上まで形成した以外の工程は実施例1と同様である。
【0146】本素子では実施例1と比較して電極間距離
dが小さい分、引き出し電極2と電子放出材料4間の電
界が約2倍程度強い。このため駆動の電圧を低下させる
ことが可能となった。
【0147】(実施例5)本発明の実施例に係る電子放
出素子を複数配して得られる電子源及び画像形成装置に
ついて、図8,9,10を用いて説明する。図8は電子
源の模式的平面図であり、図9は画像形成装置の一部破
断斜視図であり、図10は画像形成装置に用いる回路図
である。
【0148】上述のように、図8において、81は電子
源基体、82はX方向配線、83はY方向配線である。
84は本発明の実施例に係る電子放出素子、85は結線
である。
【0149】電子放出素子を複数配置したことに伴い、
素子の容量が増大すると、図8に示すマトリクス配線に
おいては、パルス幅変調に伴う短いパルスを加えても容
量成分により波形がなまり、期待した階調が取れないな
どの問題が生じる。
【0150】このため本実施例では実施例1に示したよ
うに電子放出部のすぐ脇に、図9に示すように、層間絶
縁層を配し、電子放出部以外での容量性分の増加を低減
する構造を採用した。
【0151】図8において、m本のX方向配線82はD
1,DX2,..DXmからなり,蒸着方にて形成され
た厚さ約1μm、幅300μmのアルミニウム系配線材
料で構成されている。配線の材料、膜厚、巾は、適宜設
計される。
【0152】Y方向配線83は厚さ0.5μm、幅10
0μm,DY1,DY2..DYnのn本の配線よりな
り、X方向配線82と同様に形成される。これらm本の
X方向配線82とn本のY方向配線83との間には、不
図示の層間絶縁層が設けられており、両者を電気的に分
離している(m,nは,共に正の整数)。
【0153】不図示の層間絶縁層は、スパッタ法等を用
いて厚さ約0.8μmのSiO2で構成された。X方向
配線82を形成した基体81の全面或は一部に所望の形
状で形成され、特に、X方向配線82とY方向配線83
の交差部の電位差に耐え得るように、本実施例では1素
子当たりの素使容量が1pF以下、素子耐圧30Vにな
るように層間絶縁層の厚さが決められた。
【0154】X方向配線82とY方向配線83は、それ
ぞれ外部端子として引き出されている。
【0155】本発明の実施例に係る電子放出素子84を
構成する一対の電極(不図示)は、m本のX方向配線8
2とn本のY方向配線83と導電性金属等からなる結線
85によって電気的に接続されている。
【0156】X方向配線82には、X方向に配列した本
発明の実施例に係る電子放出素子84の行を、選択する
ための走査信号を印加する不図示の走査信号印加手段が
接続される。
【0157】一方、Y方向配線83には、Y方向に配列
した本発明の実施例に係る電子放出素子84の各列を入
力信号に応じて、変調するための不図示の変調信号発生
手段が接続される。
【0158】各電子放出素子に印加される駆動電圧は、
当該素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧とし
て供給される。本実施例においてはY方向配線は高電
位、X方向配線は低電位になるように接続されている。
【0159】上記構成においては、単純なマトリクス配
線を用いて、個別の素子を選択し、独立に駆動可能とす
ることができる。
【0160】このような単純マトリクス配置の電子源を
用いて構成した画像形成装置について、図9を用いて説
明する。図9は、ガラス基板材料としてソーダライムガ
ラスを用いた画像形成装置の表示パネルを示す図であ
る。
【0161】図9において、81は電子放出素子を複数
配した電子源基体、91は電子源基体81を固定したリ
アプレート、96はガラス基体93の内面に蛍光膜94
とメタルバック95等が形成されたフェースプレートで
ある。92は、支持枠であり該支持枠92には、リアプ
レート91及びフェースプレート96がフリットガラス
等を用いて接続されている。98は外囲器であり、真空
中で、450度の温度範囲で10分焼成することで、封
着して構成される。
【0162】84は、図9における電子放出部に相当す
る。82,83は、本発明の実施例に係る電子放出素子
の一対の素子電極と接続されたX方向配線及びY方向配
線である。
【0163】外囲器97は、上述の如く、フェースプレ
ート96,支持枠92及びリアプレート91で構成され
る。一方、フェースプレート96とリアプレート91間
に、スペーサーとよばれる不図示の支持体を設置するこ
とにより、大気圧に対して十分な強度をもつ外囲器98
を構成した。
【0164】メタルバック95は、蛍光膜作製後、蛍光
膜の内面側表面の平滑化処理(通常、「フィルミング」
と呼ばれる。)を行い、その後Alを、真空蒸着等を用
いて堆積させることで作られる。
【0165】フェースプレート96には、更に蛍光膜9
4の導電性を高めるため、蛍光膜94の外面側に透明電
極(不図示)を設けた。
【0166】前述の封着を行う際には、カラーの場合は
各色蛍光体と電子放出素子とを対応させる必要があり、
十分な位置合わせが不可欠となる。
【0167】本実施例では電子源からの電子放出は引き
出し電極側に出射されるので、8kVのアノード電圧、
かつアノード間距離2mmの時は、200μmだけ引き
出し電極側に偏移した位置に対応する蛍光体を配置し
た。
【0168】次に、走査回路102について説明する。
【0169】同回路は、内部にM個のスイッチング素子
を備えたものである(図中、S1ないしSmで模式的に
示している)。各スイッチング素子は、直流電圧源Vx
の出力電圧もしくは0[V](グランドレベル)のいず
れか一方を選択し、表示パネル101の端子Dx1ない
しDxmと電気的に接続されている。
【0170】S1乃至Smの各スイッチング素子は、制
御回路103が出力する制御信号Tscanに基づいて
動作するものであり、例えばFETのようなスイッチン
グ素子を組み合せることにより構成することができる。
【0171】直流電圧源Vxは、本例の場合には本発明
の実施例に係る電子電子放出素子の特性(電子放出しき
い値電圧)に基づき、走査されていない素子に印加され
る駆動電圧が電子放出しきい値電圧以下となるような一
定電圧を出力するように設定されている。
【0172】制御回路103は、外部より入力する画像
信号に基づいて適切な表示が行なわれるように各部の動
作を整合させる機能を有する。制御回路103は、同期
信号分離回路106より送られる同期信号Tsyncに
基づいて、各部に対してTscanおよびTsftおよ
びTmryの各制御信号を発生する。
【0173】同期信号分離回路106は、外部から入力
されるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝
度信号成分とを分離する為の回路で、一般的な周波数分
離(フィルター)回路等を用いて構成できる。
【0174】同期信号分離回路106により分離された
同期信号は、垂直同期信号と水平同期信号より成るが、
ここでは説明の便宜上Tsync信号として図示した。
前記テレビ信号から分離された画像の輝度信号成分は便
宜上DATA信号と表した。なお、該DATA信号はシ
フトレジスタ104に入力される。
【0175】シフトレジスタ104は、時系列的にシリ
アルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン
毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制
御回路103より送られる制御信号Tsftに基づいて
動作する(即ち、制御信号Tsftは,シフトレジスタ
104のシフトクロックであるということもでき
る。)。
【0176】シリアル/パラレル変換された画像1ライ
ン分(電子放出素子N素子分の駆動データに相当)のデ
ータは、Id1乃至IdnのN個の並列信号として前記
シフトレジスタ104より出力される。
【0177】ラインメモリ105は、画像1ライン分の
データを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であ
り、制御回路113より送られる制御信号Tmryに従
って適宜Id1乃至Idnの内容を記憶する。
【0178】記憶された内容は、I’d1乃至I’dn
として出力され、変調信号発生器107に入力される。
【0179】変調信号発生器107は、画像データI’
d1乃至I’dnの各々に応じて本発明の実施例に係る
電子放出素子の各々を適切に駆動変調する為の信号源で
あり、その出力信号は、端子Doy1乃至Doynを通
じて表示パネル111内の本発明の実施例に係る電子放
出素子に印加される。
【0180】前述したように、本発明の実施例に係る電
子放出素子は放出電流Ieに対して以下の基本特性を有
している。即ち、電子放出には明確なしきい値電圧Vt
hがあり、Vth以上の電圧を印加された時のみ電子放
出が生じる。また、電子放出しきい値以上の電圧に対し
ては、素子への印加電圧の変化に応じて放出電流も変化
する。
【0181】このことから、本素子にパルス状の電圧を
印加する場合、例えば電子放出閾値以下の電圧を印加し
ても電子放出は生じないが、電子放出閾値以上の電圧を
印加する場合には電子ビームが出力される。その際、パ
ルスの波高値Vmを変化させる事により出力電子ビーム
の強度を制御することが可能である。また、パルスの幅
Pwを変化させることにより出力される電子ビームの電
荷の総量を制御する事が可能である。
【0182】従って、入力信号に応じて、電子放出素子
を変調する方式としては、電圧変調方式,パルス幅変調
方式等が採用できる。電圧変調方式を実施するに際して
は、変調信号発生器107として、一定長さの電圧パル
スを発生し、入力されるデータに応じて適宜パルスの波
高値を変調するような電圧変調方式の回路を用いること
ができる。
【0183】パルス幅変調方式を実施するに際しては、
変調信号発生器107として、一定の波高値の電圧パル
スを発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パルス
の幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用いる
ことができる。
【0184】シフトレジスタ104やラインメモリ10
5は、デジタル信号式を用いた。
【0185】本実施例では、変調信号発生器107に
は、例えばD/A変換回路を用い、必要に応じて増幅回
路などを付加する。パルス幅変調方式の場合、変調信号
発生器107には、例えば高速の発振器および発振器の
出力する波数を計数する計数器(カウンタ)及び計数器
の出力値と前記メモリの出力値を比較する比較器(コン
パレータ)を組み合せた回路を用いることができる。
【0186】ここで述べた画像形成装置の構成は、本発
明を適用可能な画像形成装置の一例であり、本発明の技
術思想に基づいて種々の変形が可能である。例えば、入
力信号については、NTSC方式を挙げたが入力信号は
これに限られるものではなく、PAL,SECAM方式
など他、これよりも、多数の走査線からなるTV信号
(例えば、MUSE方式をはじめとする高品位TV)方
式をも採用できる。
【0187】以上説明した様に、本発明の実施の形態及
び実施例に係る電子放出素子を用いると、電界集中点を
制御して電子放出点の数を増加させ、かつ電子ビームの
広がりを抑制した電子源が得られる。
【0188】さらに電子放出材料として繊維状カーボン
の集合体を用いた場合等には、個々の繊維状カーボンの
形状制御に精度を要求しないため、電子源を安価に製造
する事が可能である。
【0189】また、画像形成装置においては、前記電子
源より構成され、入力信号に基づいて画像を形成するた
め、より高精細な画像形成装置例えば、カラーフラット
テレビを実現できる。
【0190】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電子放出
素子は、電子放出点の数が多く、電子ビームの広がりを
抑制することができる。これを電子源に適用すること
で、電子ビームの広がりを抑制できる。また、画像形成
装置に適用することで高精細な画像形成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子放出素子の模式
図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る電子放出素子の電子
放出の様子を示す模式図である。
【図3】従来技術に係る電子放出素子の電子軌道を示す
模式図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る電子放出素子と比較
するためのモデルの電子軌道の様子を示す模式図であ
る。
【図5】本発明の実施の形態に係る電子放出素子の基本
的な製造工程図である。
【図6】電子放出素子を動作させる構成の一例図であ
る。
【図7】電子放出素子のIe特性図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る電子源の模式的平面
図である。
【図9】画像形成装置の表示パネルの一例を示す模式図
(一部破断斜視図)である。
【図10】画像形成装置の回路図である。
【図11】カーボンナノチューブの構造図である。
【図12】グラファイトナノファイバーの構造図であ
る。
【図13】実施例1に係る電子放出素子の製造工程図で
ある。
【図14】実施例3に係る電子放出素子の模式的断面図
である。
【図15】実施例4に係る電子放出素子の模式的断面図
である。
【図16】従来技術に係る電子放出素子の斜視図であ
る。
【図17】従来技術に係る電子放出素子の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 基板 2 引き出し電極 3 カソード電極 4 電子放出材料 60 真空装置 61 アノード 62 蛍光体 65 真空排気装置 66 等電位線 81 基体 82,83 配線 84 電子放出素子 85 結線 91 リアプレート 92 支持枠 93 ガラス基体 94 蛍光膜 95 メタルバック 96 フェースプレート 97 外囲器 98 外囲器 101 表示パネル 102 走査回路 103 制御回路 104 シフトレジスタ 105 ラインメモリ 106 同期信号分離回路 107 変調信号発生器 111 表示パネル 113 制御回路 131 レジストパターン 132 触媒 133 微粒子

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に設けられ、側面に電子放出材料が
    形成された陰極と、 前記基板上であって、前記陰極に形成された電子放出材
    料側に該電子放出材料と間隙をおいて設けられ、該電子
    放出材料から電子を引き出す引き出し電極と、を備え、 該引き出し電極によって引き出した電子を、前記基板に
    対向して設けられた陽極に向けて放出させる電子放出素
    子において、 前記引き出し電極における、前記陰極に対向する側面の
    幅をL1とし、前記陰極上の前記電子放出材料が形成さ
    れた領域全体の幅をL2とした場合に、 L2>L1を満たすと共に、 前記電子放出材料が形成された領域のうち、前記引き出
    し電極に対向する幅L1の範囲内において、電子放出材
    料が形成された部分と電子放出材料が形成されずに陰極
    が露出した部分を交互に複数設けることを特徴とする電
    子放出素子。
  2. 【請求項2】前記電子放出材料は複数の微細突起を有す
    ることを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子。
  3. 【請求項3】前記電子放出材料は炭素を主成分とする材
    料で構成されることを特徴とする請求項1または2に記
    載の電子放出素子。
  4. 【請求項4】前記炭素を主成分とする材料は繊維状のカ
    ーボンであることを特徴とする請求項3に記載の電子放
    出素子。
  5. 【請求項5】前記繊維状のカーボンの材料には、グラフ
    ァイトナノファイバー,カーボンナノチューブ及びアモ
    ルファスカーボンのうちの少なくとも一つを含むことを
    特徴とする請求項4に記載の電子放出素子。
  6. 【請求項6】前記電子放出材料が形成された領域のう
    ち、前記電子放出材料が形成されずに陰極が露出した部
    分の幅をW1とし、陰極表面から前記電子放出材料の表
    面までの高さをHとした場合に、 W1≧Hを満たすことを特徴とする請求項1〜5のいず
    れか一つに記載の電子放出素子。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか一つに記載の電子
    放出素子を複数個配列して結線した素子列を少なくとも
    1列以上有することを特徴とする電子源。
  8. 【請求項8】請求項1〜6のいずれか一つに記載の電子
    放出素子を複数個配列して結線した素子列を少なくとも
    1列以上有し、各素子を駆動するための配線がマトリク
    ス配置されていることを特徴とする電子源。
  9. 【請求項9】請求項7または8に記載の電子源と、 該電子源から放出された電子の衝突により発光する蛍光
    体と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
  10. 【請求項10】情報信号に基づいて、前記電子源内の電
    子放出素子の電子量を制御する手段と、を備えることを
    特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】絶縁性の基板上に、引き出し電極と、該
    引き出し電極と間隙をおいて側面の幅が引き出し電極の
    幅よりも大きな陰極と、を形成する工程と、 前記陰極の前記引き出し電極に対向する側面に、該引き
    出し電極の幅よりも広い範囲に、酸化金属微粒子を形成
    する工程であって、前記引き出し電極の幅の範囲内で
    は、複数箇所には前記酸化金属微粒子を形成せずに陰極
    を露出した部分を残しつつ、前記酸化金属微粒子を形成
    する工程と、 該酸化金属微粒子を還元凝集して金属微粒子とする工程
    と、 該金属微粒子上に繊維状カーボンを成長させる工程と、
    を有することを特徴とする電子放出素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007324064A (ja) * 2006-06-02 2007-12-13 Sonac Kk 冷陰極電子源

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