JP3610858B2 - 酸濃度計および酸濃度測定法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸濃度計および酸濃度測定法に関する。具体的には、本発明は、電磁濃度計と希釈装置とを備え、酸液の酸濃度を正確に測定することができる酸濃度計および酸濃度測定法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば鋼帯の製造工程では、一般的に、複数の酸洗槽にそれぞれ収容された酸液に鋼帯を連続的に浸漬することにより、酸洗が行われる。この酸洗では、酸洗量の増加によって各酸洗槽にそれぞれ収容された酸液の酸濃度が徐々に低下するため、酸洗槽に酸液を補給する必要がある。しかし、この補給量が多過ぎると、酸洗槽に収容された酸液の酸濃度が目標値よりも高くなり過ぎて過酸洗が発生するとともに酸原単位が上昇し、一方、補給量が少な過ぎると、酸洗槽に収容された酸液の酸濃度が目標値よりも低くなり過ぎて酸洗不良が発生する。そこで、酸洗槽に補給する酸液の酸濃度を正確に測定して、酸洗槽への酸液の補給量を過不足ないように決定することが重要である。
【0003】
従来、酸洗槽に収容された酸液の酸濃度を正確に測定することができる分析計として、微量のサンプル液、試薬および洗浄液を交互に測定セル内に導入することにより酸濃度を求める中和滴定式分析計が知られている。しかし、この中和滴定式分析計は非常に高価である。また、オフライン計器であるために連続測定を行うことができず、酸洗槽に補給する酸液の酸濃度をオンライン制御するために用いる工業計器としては、適当でない。
【0004】
酸液の濃度を測定することができる工業計器として、電磁濃度計が知られている。この電磁濃度計は、測定する酸液(本明細書では、測定対象であるこの酸液を「測定酸液」という。)の導電率を測定し、この測定値に基づいて酸濃度を求める濃度計であり、安価であって酸濃度を正確に求めることができる。しかし、この電磁濃度計には、酸濃度の測定を正確に行うことができる測定精度保証域がある。
【0005】
図4は、酸液(塩酸)の酸濃度と導電率との関係の一例を示すグラフである。図4のグラフに実線で示すように、測定する塩酸の酸濃度が0%(本明細書では特にことわりがない限り「%」は「質量%」を意味する。)以上20%未満の範囲では導電率は単調増加するが、酸濃度が20%になると導電率は最大となり、さらに酸濃度が20%超40%以下の範囲では導電率は単調減少する。このため、例えば、電磁濃度計による導電率の測定値が0.7s/cmである場合、酸濃度が約15%であるのか約28%であるのかを判定することができない。また、このグラフにも示すように、酸濃度が15%超28%以下の範囲bは、電磁濃度計の分解精度が低く測定精度保証範囲外である。このため、この電磁濃度計では、15%超28%以下という範囲bの酸濃度は測定できず、例えば、酸濃度が0%超15%以下である測定精度保証域aと、酸濃度が28%超40%以下である測定精度保証域cとを設定せざるを得なかった。このため、この電磁濃度計を、酸洗槽に供給する酸液の酸濃度の測定に適用しようとすると、測定範囲が狭過ぎるという問題があった。
【0006】
図5は、塩酸以外の酸液について、酸濃度と導電率との関係の一例を、塩化ナトリウムと対比させて示すグラフである。図5にグラフで示すように、硝酸および硫酸も、塩酸と同様の傾向を示すため、電磁濃度計には、測定精度保証域を適宜設定せざるを得ない。
そこで、特開平9−26404号公報には、メインプローブを、水により希釈された酸液(本明細書では「希釈酸液」という。)に浸漬してこの希釈酸液の導電率を検出し、この希釈酸液の導電率対濃度の関係より、検出した導電率に対応する濃度を決定することにより、酸濃度を求めることが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、酸液の酸濃度と導電率との間には、図4および図5を参照しながら前述した関係が存在するため、特開平9−26404号公報により提案された発明を実施するには、少なくとも2基の導電率計や制御装置さらには記憶部等を設けて、酸濃度が0〜20%未満の範囲にあるのか、あるいは20〜40%の範囲にあるのかを判定する必要がある。このため、この発明によっても、装置が複雑化して高価になってしまう。
【0008】
本発明の目的は、部品点数が少ないために保守性が良好であるとともに設備故障の頻度が少ないことから長期間安定稼働でき、さらに極めて安価に製作することができる酸濃度計および酸濃度測定法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、測定酸液を電磁濃度計の測定精度保証域の酸濃度に一旦希釈してから酸濃度を測定し、この測定値とこの希釈の際の希釈比とにより、測定酸液の酸濃度を正確に求めることができること、さらには、この希釈を水頭差式希釈装置を用いて行うことが、設備コストの上昇を大幅に抑制できるとともに、測定精度を極めて容易かつ確実に所望の程度に設定することができるために望ましいこと、という新規な知見に基づくものである。
【0010】
本発明は、酸液の酸濃度の測定精度保証域を有する電磁濃度計と、略同一高さに設置された測定酸液収容槽および希釈液収容槽、この測定酸液収容槽および希釈液収容槽それぞれに下方へ向けて接続された二本の配管、これら二本の配管の下方に接続されて測定酸液および希釈液を混合する混合槽、および、測定酸液収容槽および希釈液収容槽への流入液を排出するために測定酸液収容槽および希釈液収容槽にそれぞれ複数本設けられたオーバーフロー配管をいずれも有し、測定酸液収容槽および希釈液収容槽へ、鋼帯の製造工程での酸洗に用いられた測定対象である測定酸液および希釈液をいずれも単位時間当り一定量連続して供給することによって測定酸液を測定精度保証域の酸濃度に希釈する水頭差式希釈装置を備え、電磁濃度計を用いて、水頭差式希釈装置により測定精度保証域の酸濃度に希釈された希釈酸液の酸濃度を連続して測定することにより、測定酸液の酸濃度を求めることを特徴とする酸濃度計である。
【0011】
この本発明にかかる酸濃度計では、電磁濃度計が、希釈酸液の導電率を測定する測定部と、希釈酸液の導電率の測定値および希釈酸液の希釈比に基づいて、測定酸液の酸濃度を算出する演算部とを有することが、例示される。
【0012】
これらの本発明にかかる酸濃度計では、測定部が、混合槽に設けられることが望ましい。
【0013】
これらの本発明にかかる酸濃度計では、混合槽における測定酸液および希釈液それぞれの混合比が、酸液収容槽に供給された測定酸液、および希釈液収容槽に供給された希釈液それぞれの水頭位置を略同一とすること、または、この水頭位置を異ならせることにより、調整されることが、例示される。
【0014】
これらの本発明にかかる酸濃度計では、水頭位置を略同一とすることが、二本の配管それぞれの内径に差を設けること、および/または、二本の配管にそれぞれ設けられた二つの流量調整弁の開度をそれぞれ調整することにより、行われることが、例示される。
【0015】
別の観点からは、本発明は、鋼帯の製造工程での酸洗に用いられた、測定対象である測定酸液および希釈液を、略同一高さに設置された測定酸液収容槽および希釈液収容槽へいずれも単位時間当り一定量連続して供給し、測定酸液収容槽および希釈液収容槽それぞれに複数本ずつ接続されたオーバーフロー配管を介して流入液を排出しながら、測定酸液収容槽および希釈液収容槽それぞれに下方へ向けて接続された二本の配管を介して、二本の配管の下方に接続された混合槽へ連続的に供給することによって測定酸液を、電磁濃度計の測定精度保証域の酸濃度へ希釈した後、測定精度保証域へ希釈された希釈酸液の酸濃度を電磁濃度計を用いて測定し、電磁濃度計による測定値と希釈酸液の希釈比とに基づいて、測定酸液の酸濃度を算出することを特徴とする酸濃度測定法である。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明にかかる酸濃度計および酸濃度測定法の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以降の実施の形態の説明では、酸液が塩酸である場合を例にとる。
【0020】
図1は、本実施形態の酸濃度計1の構成の一例を模式的に示す説明図である。また、図2は、図1におけるA部の拡大図である。図1に示すように、この酸濃度計1は、電磁濃度計2と、水頭差式希釈装置3とを有する。以下、酸濃度計1のこれらの構成要素について、順次説明する。
【0021】
〔電磁濃度計2〕
本実施形態の酸濃度計1は電磁濃度計2を有する。この電磁濃度計2は、図1に示すように、測定部2aと演算部(アンプ)2bとを有しており、図6のグラフを参照しながら前述した公知の電磁濃度計である。すなわち、図6のグラフに示すように、この電磁濃度計2は、酸濃度が0%以上15%以下である測定精度保証域aと、酸濃度が28%超40%以下である測定精度保証域cとを設定されている。
【0022】
測定部2aは、後述する混合槽7に設けられており、0%以上15%以下の酸濃度に希釈されて混合槽7内に収容された希釈酸液13aの導電率(電気伝導度)σを測定する。
【0023】
一方、演算部2bは、測定部2aからの導電率σの測定データを入力され、この測定データに基づいて、希釈酸液13aの酸濃度CHCl を算出する。
【0024】
また、演算部2bの正面には、算出された酸濃度CHCl がリアルタイムで表示される表示部4aが設けられている。後述する微調整の際には、同じく後述する測定酸液供給槽5aから供給された検定用酸液9a’の酸濃度が、測定精度保証域aの上限値である15%を指示するように、表示部4aの指示値を見ながら後述する流量調整弁10a、10bの開度を手動で適宜設定する。
【0025】
また、演算部2bは、後述する粗調整および微調整を経て設定された水頭差式希釈装置3の希釈比x’を手動で入力する入力部4bが設けられる。入力部4bから入力された希釈比x’は、演算部2bに記憶・保持される。
【0026】
また、演算部2bは、記憶・保持された希釈比x’に基づいて、測定酸液9aの酸濃度を算出する。すなわち、演算部2bは、測定酸液9aの酸濃度を、自身が演算により求めた希釈酸液13aの酸濃度の測定値CHCl と、水頭差式希釈装置3による希釈酸液13aの希釈比x’との積CHCl ・x’として算出し、表示部4cに表示する。
【0027】
本実施形態で用いる電磁濃度計2のこれら以外の構成は、工業計器として周知慣用の電磁濃度計2の構成と同じであるため、これ以上の説明は省略する。
【0028】
本実施形態の電磁濃度計2は、以上のように構成される。
【0029】
〔水頭差式希釈装置3〕
本実施形態の酸濃度計1は水頭差式希釈装置3を有する。本実施形態では、この水頭差式希釈装置3は、同一高さに設置された測定酸液収容槽5aおよび希釈液収容槽5bと、この測定酸液収容槽5aおよび希釈液収容槽5bそれぞれに、下方へ向けて接続された二本の配管6a、6bと、この二本の配管6a、6bの下方に接続されて測定酸液9aおよび希釈液9bを混合する混合槽7とを有する。
【0030】
この二本の配管6a、6bは、いずれも、口径が例えば5〜30mm程度の大口径管を用いており、測定酸液9aの詰まりが防止される。また、各部の材質は、測定酸液収容槽5aおよび希釈液収容槽5b:耐熱性塩化ビニルやPTFE製、配管6a、6b:耐熱性塩化ビニルやPTFE製、混合槽7:耐熱性塩化ビニルやPTFE製であり、塩酸による腐食にも長期間にわたって充分に耐えることができる材質により構成されているため、本実施形態の水頭差式希釈装置3は、長期間に渡って充分に安定して稼働することができる。
【0031】
また、本実施形態の水頭差式希釈装置3は、簡素な構成であるために部品点数を最小限に抑制してあるとともに可動部が少なく、かつ電磁弁や流量センサ等の高価な部品を用いていない。このため、制作費は最小限であり、極めて安価に構成される。
【0032】
また、図1および図2に示すように、本実施形態では、測定酸液収容槽5aおよび希釈液収容槽5bそれぞれの上部に同じ設置高さで、流入液量を上回る排出液量を確保できる口径を有するオーバーフロー配管8a、8bがそれぞれ水平方向へ向けて設置されている。
【0033】
図2に示すように、測定酸液収容槽5aの内部中心にもオーバーフロー配管8a’が設置されているとともに、希釈液収容槽5bの内部中心にもオーバーフロー配管8b’(図示しない。)が設置されている。これにより、充分な排出液量が確保される。
【0034】
なお、オーバーフロー配管8a、8a’、8b、8b’の設置形態は、図示例に限定されるものではなく、測定酸液収容槽5aに供給された測定酸液9a、および希釈液収容槽5bに供給された希釈液9bそれぞれの水頭位置の変動をできるだけ抑制できるように、設置されていればよい。
【0035】
このため、測定酸液収容槽5aに供給された測定酸液9a、および希釈液収容槽5bに供給された希釈液9bそれぞれの液面が上昇してくると、オーバーフロー配管8a、8a’、8b、8b’を介して、過剰な測定酸液9aおよび希釈液9bがそれぞれオーバーフローする。これにより、測定酸液収容槽5aに供給された測定酸液9a、および希釈液収容槽5bに供給された希釈液9bそれぞれの液面の変動は、オーバーフロー配管8a、8a’、8b、8b’を測定酸液収容槽5aおよび希釈液収容槽5bにそれぞれ設置可能な範囲で、測定酸液収容槽5aおよび希釈液収容槽5bそれぞれの全高さより限りなく低い範囲に最小限に抑制されて液面が安定し、同一の水頭高さHが容易に維持される。この際、配管6a、6bに作用する測定酸液9a、希釈液9bそれぞれの水頭変動誤差はH’ /Hとして求められるが、この誤差H’ /Hを適宜設定することにより希釈精度および再現性をいずれも充分に確保することができる。例えば、高さH’を5mm、水頭高さHを300mmとそれぞれ設定すれば、誤差H’ /Hは約0.017となり、工業計器として要求される精度であるFs±0.25〜0.50を充分に満足することができる。このため、本実施形態の水頭差式希釈装置3は、測定精度(測定誤差)の設定の自由度が極めて高い。このように、測定酸液収容槽5aおよび希釈液収容槽5bは、いずれも、水頭位置を一定に保つ役割を奏する。
【0036】
本実施形態では、配管6a、6bそれぞれに流量調整弁10a、10bが設けられており、これら流量調整弁10a、10bの開度を、表示部4aに表示された希釈酸液13aの酸濃度の測定値CHCl を見ながら手動で適宜設定することにより、後述する希釈比x’への微調整が行われる。
【0037】
さらに、測定酸液収容槽5a、希釈液収容槽5bには、それぞれ、エアー抜き用配管11a、11bが設置されているとともに、混合槽7には、エアー抜き用配管12a、12bが設置されている。
【0038】
本実施形態では、この水頭差式希釈装置3による希釈比x’、すなわち混合槽7における測定酸液9aおよび希釈液9bそれぞれの混合比は、測定酸液収容槽5aに供給された測定酸液9a、および希釈液収容槽5bに供給された希釈液9bそれぞれの水頭位置を同一とすること、または、この水頭位置を異ならせることを行われることにより、適宜調整される。以下、この水頭差式希釈装置3による希釈比x’の設定について、詳細に説明する。
【0039】
水頭差式希釈装置3による希釈比x’は、測定酸液9aの酸濃度の測定を行う前に、粗調整と微調整との2段階により調整される。
【0040】
第1段階である粗調整は、測定酸液9aとして酸濃度が既知である検定用酸液9a’を用いて行われる。本実施形態では、酸濃度が40%である検定用酸液9a’を用いた。
【0041】
図3は、塩酸の酸濃度と導電率との関係の一例を示すグラフである。
【0042】
同図にグラフで示すように、本実施形態で用いる電磁濃度計2は、図3にグラフで示す導電率の測定特性を有するため、この検定用酸液9a’による測定値が、電磁濃度計2の測定精度保証域aの上限値である15%となるように、水頭差式希釈装置3の希釈比の検定(調整)を行う。
【0043】
まず、この検定用酸液9a’を測定酸液収容槽5aに、検定用酸液9a’がオーバーフロー配管8a、8a’からオーバーフローするまで供給するとともに、希釈液9bを希釈液収容槽5bに、希釈液9bがオーバーフロー配管8b、8b’からオーバーフローするまで供給する。
【0044】
そして、(a)測定酸液収容槽5aに供給された検定用酸液9a’、および希釈液収容槽5bに供給された希釈液9bそれぞれの水頭位置を同一とした場合に、電磁濃度計2の表示部4aの指示値が、この電磁濃度計2の測定精度保証域の上限値(本実施形態では15%)付近の値となるように、検定用酸液9a’を排出する配管6aと、希釈液を排出する配管6bとのそれぞれの内径に差を設けること、または(b)測定酸液収容槽5aに供給された検定用酸液9a’、および希釈液収容槽5bに供給された希釈液9bそれぞれの水頭位置を異ならせた場合に、電磁濃度計2の表示部4aの指示値が、この電磁濃度計2の測定精度保証域の上限値である15%付近の値となるように、オーバーフロー配管8a、8bの設置高さを互いに異ならせることにより、粗調整が行われる。この粗調整により、40%の酸濃度を有する検定用酸液9a’が、例えば14〜16%程度の酸濃度を有する希釈酸液13a’に薄められるのであるから、この際の希釈比xは、例えば2.50〜2.86程度となる。
【0045】
さらに、水頭差式希釈装置3による希釈比は、第2段階である微調整を行われて、最終的な希釈比x’として設定される。
【0046】
この微調整は、配管6a、6bそれぞれに設けられた流量調整弁10a、10bの開度を、表示部4aに表示される希釈酸液13a’の酸濃度が正確に15%に一致するように、調整する「合わせ込み」を行うことにより、表示部4aの指示値を、この電磁濃度計2の測定精度保証域の上限値である15%に可及的正確に一致させる。そして、一致したときの流量調整弁10a、10bの開度に固定して、微調整を終了する。この微調整により、40%の酸濃度が15%に薄められるのであるから、この際の希釈比x’は、40/15=2.6666となる。この微調整を終了した後に、検定用酸液9a’を排出する。
【0047】
これにより、希釈比x’の精度が、工業用計器として要求される精度:Fs±0.25〜0.50を充分に満足する程度に維持される。このため、混合槽7に収容された希釈酸液13aの希釈比x’の設定精度および再現性をいずれも充分に確保できる。
【0048】
このようにして、混合槽7に収容される希釈酸液13aの希釈比x’を所望の値に調整できる。
【0049】
そして、流量調整弁10a、10bの開度を、「合わせ込み」により決定された開度に固定して、測定酸液収容槽5aに酸液9aを供給し、この測定酸液9a、および希釈液収容槽5bに供給された希釈液9bの混合が行われる。これにより、混合槽7内に収容された希釈酸液13aの酸濃度は、0%以上15%以下に正確に調整される。
【0050】
この際に、混合槽7に収容された、酸濃度が0〜15%に希釈された希釈酸液13aは、電磁濃度計2により正確に酸濃度が測定される。
【0051】
すなわち、本実施形態では、図6のグラフに破線で示すように、測定酸液13aの酸濃度を、測定精度保証域である0〜15%に一旦希釈することによって測定不能範囲bと、測定精度保証域aにあるのか区別できない測定精度保証域cとをともに測定精度保証域aへシフトさせることにより、希釈酸液13aの酸濃度CHCl を正確に測定する。そして、演算部2bにより、測定酸液9aの酸濃度を、希釈酸液13aの測定値CHCl および希釈比x’の積として、正確に算出する。
【0052】
このように、本実施形態では、測定酸液9aの酸濃度を測定精度保証域である0%以上15%以下に希釈する水頭差式希釈装置3を用いている。
【0053】
この本実施形態の酸濃度計1は、従来の希釈装置よりも簡素な構造であって安価かつ高精度かつ調整容易な水頭差式希釈装置3を、公知の完成された工業計器である電磁濃度計2とともに組み合わせて用いて構成されており、これにより、以下に列記する効果が奏せられる。
【0054】
(1)電磁濃度計2の狭い測定可能な範囲を拡大できる。すなわち、本実施形態では、水頭差式希釈装置3により、測定酸液9aの酸濃度を電磁濃度計2の測定精度保証域である0〜15%に調整して導電率を測定し、この測定値CHCl と図6にグラフで示す関係とから、測定酸液9aの酸濃度を正確に測定できる領域に自由に制御する。これにより、本実施形態によれば、測定酸液9aの測定領域を0〜15%という狭い範囲に限定せざるを得なかった従来の電磁濃度計に比較して、電磁濃度計2の測定可能範囲を拡大して、その能力を最大限に拡大することができる。
【0055】
本実施形態において、電磁濃度計2が測定する0〜15%の酸濃度は、工業用計器として測定精度が保証されている範囲であることから、電磁濃度計2の測定精度が向上する。
【0056】
(2)前述した手段により、混合槽7に収容された希釈酸液13aの希釈比x’を適宜調整することにより、酸濃度計1の測定レンジを可変に設定できるため、測定範囲の選択を自由に行うことができる。
【0057】
(3)著しく安価かつ簡素な水頭差式希釈装置3を用いるため、酸濃度計1も大幅に安価に簡素化できる。このため、既存の各種設備、例えば鋼帯の酸洗工程へ容易に導入・適用することができる。
【0058】
(4)水頭差式希釈装置3を用いて測定酸液9aを希釈するため、測定酸液9aによる各部の詰まりが著しく抑制される。すなわち、既存の分析計では、塩化鉄結晶やゴミ等の不純物が多量に含有された測定酸液9aによる配管各部の詰まりを防止するためにフィルターを設置する必要があった。しかし、本実施形態では、水頭差式希釈装置3を用いて測定酸液9aを希釈してから測定を行うため、不純物の濃度を半減または数10分の1程度に低減することができる。これにより、測定酸液9aの詰まりによる故障頻度を最小限に低減することができ、長期間にわたって安定して稼働することができる。
【0059】
なお、本実施形態においても配管各部の詰まりを防止するためのフィルターを設置してもよいが、これにより、フィルターの寿命延長を図ることもできる。
【0060】
(5)測定酸液収容槽5aおよび希釈液収容槽5bにそれぞれオーバーフロー配管8a、8a’、8b、8b’を設置して、測定酸液収容槽5aに供給された測定酸液9a、および希釈液収容槽5bに供給された希釈液9bそれぞれの水頭位置の変動を抑制するため、高い精度で希釈比x’を安定化させることができる。
【0061】
(6)酸濃度計1の全体の測定を、電磁濃度計2の測定精度よりも向上して、高精度の濃度計測が可能となる。すなわち、本実施形態の酸濃度計1の総合の測定精度は、√{(測定酸液収容槽5aにおける水頭位置の変動量)2 +(希釈液収容槽5bにおける水頭位置の変動量)2 +(電磁濃度計2の誤差)2 }として求められるが、図2における高さH’、水頭高さHをいずれも適宜設定することにより、この式における第1項〜第3項は、いずれも、工業計器として要求される精度であるFs±0.025〜0.050を充分に満足する程度に抑制されるため、極めて高精度で濃度計測が可能となる。例えば、H’=5mm、H=300mmと設定すると、上記の第1項および第2項はともに±5/300≒±0.017となり、また第3項は±0.03である。このため、総合の測定精度は、約0.038となる。これは、電磁濃度計2の誤差と略同程度である。
【0062】
すなわち、本実施形態の酸濃度計1は、測定精度の設定の自由度が極めて高く、要求する測定精度に応じて、測定精度の設定を変更できる。
【0074】
(変形形態)
実施形態の説明では、酸液が塩酸である場合を例にとった。しかし、本発明は塩酸には限定されず、例えば、図5のグラフに示す各種酸液(硝酸および硫酸等)のいずれに対しても、同様に適用される。
また、本発明にかかる酸濃度計は、当然のことながら、実施形態のように酸濃度計として用いることができるが、これとは異なり、複雑な機構を有する既存の分析計の前処理装置の前段部位として適用することにより、フィルターの負荷を軽減して長期安定稼動を可能とすることもできる。具体的には、滴定式分析計の上流側に、本発明にかかる酸濃度計を配置することにより、この滴定式分析計による測定を、長期間にわたって安定して行うことも可能となる。
【0075】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明により、部品点数が少ないために保守性が良好であるとともに設備故障の頻度が少ないことから長期間安定稼働でき、安価に製作できる酸濃度計と酸濃度測定法とを提供することが可能となった。
【0076】
特に、水頭差式希釈装置を用いて測定酸液の希釈を行うことにより、設備コストの上昇を大幅に抑制できるとともに、測定精度を極めて容易かつ確実に所望の程度に設定することができる。
【0077】
かかる効果を有する本発明の意義は、極めて著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の酸濃度計の構成の一例を模式的に示す説明図である。
【図2】図1におけるA部の拡大図である。
【図3】塩酸の酸濃度と導電率との関係の一例を示すグラフである。
【図4】塩酸の酸濃度と導電率との関係の一例を示すグラフである。
【図5】塩酸以外の酸液について、酸濃度と導電率との関係の一例を、塩化ナトリウムと対比させて示すグラフである。
【符号の説明】
1 酸濃度計
2 電磁濃度計
2a 測定部
2b 演算部
3 水頭差式希釈装置
4a、4c 表示部
4b 入力部
5a 測定酸液収容槽
5b 希釈液収容槽
6a、6b 配管
7 混合槽
8a、8b オーバーフロー配管
9a 測定酸液
9b 希釈液
10a、10b 流量調整弁
13a 希釈酸液
Claims (6)
- 酸液の酸濃度の測定精度保証域を有する電磁濃度計と、
略同一高さに設置された測定酸液収容槽および希釈液収容槽、該測定酸液収容槽および希釈液収容槽それぞれに下方へ向けて接続された二本の配管、該二本の配管の下方に接続されて測定酸液および希釈液を混合する混合槽、および、前記測定酸液収容槽および希釈液収容槽への流入液を排出するために該測定酸液収容槽および希釈液収容槽にそれぞれ複数本設けられたオーバーフロー配管をいずれも有し、該測定酸液収容槽および前記希釈液収容槽へ、鋼帯の製造工程での酸洗に用いられた測定対象である測定酸液および希釈液をいずれも単位時間当り一定量連続して供給することによって該測定酸液を前記測定精度保証域の酸濃度に希釈する水頭差式希釈装置を備え、
前記電磁濃度計を用いて、前記水頭差式希釈装置により前記測定精度保証域の酸濃度に希釈された希釈酸液の酸濃度を連続して測定することにより、前記測定酸液の酸濃度を求めること
を特徴とする酸濃度計。 - 前記電磁濃度計は、前記希釈酸液の導電率を測定する測定部と、該導電率の測定値および前記希釈酸液の希釈比に基づいて、前記測定酸液の酸濃度を算出する演算部とを有する請求項1に記載された酸濃度計。
- 前記測定部は、前記混合槽に設けられる請求項2に記載された酸濃度計。
- 前記混合槽における前記測定酸液および前記希釈液それぞれの混合比は、前記酸液収容槽に供給された測定酸液、および前記希釈液収容槽に供給された希釈液それぞれの水頭位置を略同一とすること、または、該水頭位置を異ならせることにより、調整される請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された酸濃度計。
- 前記水頭位置を略同一とすることは、前記二本の配管それぞれの内径に差を設けること、および/または、前記二本の配管にそれぞれ設けられた二つの流量調整弁の開度をそれぞれ調整することにより、行われる請求項4に記載された酸濃度計。
- 鋼帯の製造工程での酸洗に用いられた、測定対象である測定酸液および希釈液を、略同一高さに設置された測定酸液収容槽および希釈液収容槽へいずれも単位時間当り一定量連続して供給し、該測定酸液収容槽および希釈液収容槽それぞれに複数本ずつ接続されたオーバーフロー配管を介して流入液を排出しながら、該測定酸液収容槽および希釈液収容槽それぞれに下方へ向けて接続された二本の配管を介して、該二本の配管の下方に接続された混合槽へ連続的に供給することによって該測定酸液を、電磁濃度計の測定精度保証域の酸濃度へ希釈した後、該測定精度保証域へ希釈された希釈酸液の酸濃度を前記電磁濃度計を用いて測定し、該電磁濃度計による測定値と前記希釈酸液の希釈比とに基づいて、前記測定酸液の酸濃度を算出することを特徴とする酸濃度測定法。
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