JPH07318600A - 非接触導電率測定器 - Google Patents
非接触導電率測定器Info
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- JPH07318600A JPH07318600A JP13508594A JP13508594A JPH07318600A JP H07318600 A JPH07318600 A JP H07318600A JP 13508594 A JP13508594 A JP 13508594A JP 13508594 A JP13508594 A JP 13508594A JP H07318600 A JPH07318600 A JP H07318600A
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- conductivity
- substance
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- Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 簡単な装置構成で、かつ試料に非接触で導電
率を精度良く測定することができる非接触導電率測定器
を提供する。 【構成】 磁場発生用コイル4にRF(ラジオ周波数)
領域における振動磁場を発生させ、この振動磁場内に測
定対象物質1を置くことにより測定対象物質1中に誘導
電流(励磁電流)iを流し、この誘導電流iによって生
じる当該測定対象物質固有のエネルギー損失を、磁場発
生コイル4に与える振動電流iの大きさの変化として測
定し、測定された振動電流iの大きさと測定対象物質の
導電率ρとの相関に基づいて測定対象物質1の導電率ρ
を非接触で求める。
率を精度良く測定することができる非接触導電率測定器
を提供する。 【構成】 磁場発生用コイル4にRF(ラジオ周波数)
領域における振動磁場を発生させ、この振動磁場内に測
定対象物質1を置くことにより測定対象物質1中に誘導
電流(励磁電流)iを流し、この誘導電流iによって生
じる当該測定対象物質固有のエネルギー損失を、磁場発
生コイル4に与える振動電流iの大きさの変化として測
定し、測定された振動電流iの大きさと測定対象物質の
導電率ρとの相関に基づいて測定対象物質1の導電率ρ
を非接触で求める。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電率の測定器に係
り、特に測定対象物質(以下、試料という)の導電率を
非接触もしくは非破壊で測定可能な測定器に関する。
り、特に測定対象物質(以下、試料という)の導電率を
非接触もしくは非破壊で測定可能な測定器に関する。
【0002】一般に、導電率の測定は、果汁の酸度や糖
度測定、電磁流量計による流量測定、バイオリアクタ等
における反応過程のモニタリング、青果物の塾度測定、
水分含有量の測定、イオンクロマトグラフノ検出等、種
々の測定あるいは検出のための指標として広範囲に用い
られている。
度測定、電磁流量計による流量測定、バイオリアクタ等
における反応過程のモニタリング、青果物の塾度測定、
水分含有量の測定、イオンクロマトグラフノ検出等、種
々の測定あるいは検出のための指標として広範囲に用い
られている。
【0003】このような用途の多様性をもつ導電率測定
装置は、装置構成の単純さ、簡便性、保守の容易さ、あ
るいは安全性などの点から、収穫、流通、加工のあらゆ
る段階において利用価値の高い装置である。
装置は、装置構成の単純さ、簡便性、保守の容易さ、あ
るいは安全性などの点から、収穫、流通、加工のあらゆ
る段階において利用価値の高い装置である。
【0004】
【従来の技術】従来、導電率測定器として、電極を用い
る接触型の導電率測定器と、電極に依らない導電率測定
器と、が知られている。
る接触型の導電率測定器と、電極に依らない導電率測定
器と、が知られている。
【0005】接触型の導電率測定器は、2つの電極また
は4つの電極を試料に直接接触させ、それらの電極を通
じて試料中に電流を流し、そのときの電極間に生じる電
圧を測定するよう構成されている。この場合、電極の試
料に対する接触は、溶液試料の場合には電極を溶液試料
中に浸し、青果物のような固形試料の場合は針状の電極
を試料に突き刺すことで行われる。
は4つの電極を試料に直接接触させ、それらの電極を通
じて試料中に電流を流し、そのときの電極間に生じる電
圧を測定するよう構成されている。この場合、電極の試
料に対する接触は、溶液試料の場合には電極を溶液試料
中に浸し、青果物のような固形試料の場合は針状の電極
を試料に突き刺すことで行われる。
【0006】電極に依らない導電率測定器としては、ト
ロイド(円環状ソレノイド)による誘導電流測定法を用
いたものが知られている。これは、励磁用トロイドと測
定用トロイドを並列に配置して検出部を構成し、この検
出部全体を試料溶液中に浸し、励磁用トロイドに励磁電
流を流して磁場を発生させ、発生した磁場により試料溶
液中の電荷を加速する。この加速電荷は測定用トロイド
の磁束と鎖交するように運動するために測定用トロイド
に磁場が発生し、このときの電荷の運動速度(励磁電
圧)と電荷の量に応じた誘導起電力が測定用トロイドに
おいて観察される構成となっている。
ロイド(円環状ソレノイド)による誘導電流測定法を用
いたものが知られている。これは、励磁用トロイドと測
定用トロイドを並列に配置して検出部を構成し、この検
出部全体を試料溶液中に浸し、励磁用トロイドに励磁電
流を流して磁場を発生させ、発生した磁場により試料溶
液中の電荷を加速する。この加速電荷は測定用トロイド
の磁束と鎖交するように運動するために測定用トロイド
に磁場が発生し、このときの電荷の運動速度(励磁電
圧)と電荷の量に応じた誘導起電力が測定用トロイドに
おいて観察される構成となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
接触型導電率測定器は次のような問題点を有する。 電極を試料に直接接触させる必要があるため、非破
壊測定ができない。 電極は特殊で高価であり、洗浄や保管等の保守に手
間がかかる。 試料やリアクターの生産物が電極を介して汚染され
る恐れがある。 電極の反応が安定するまでに時間がかかり、また多
数の試料を測定する場合には各試料の測定毎に電極を洗
浄しなければならないので作業効率が悪い。 原理的には、励磁電流の周波数を高くして電荷の運
動速度を増すことにより、少量の電荷密度でも測定感度
を上げることができるが、電極の反応速度に限界があ
り、実質的には制約を受ける。 電気双極子の影響により、高い周波数による導電率
測定が困難である。
接触型導電率測定器は次のような問題点を有する。 電極を試料に直接接触させる必要があるため、非破
壊測定ができない。 電極は特殊で高価であり、洗浄や保管等の保守に手
間がかかる。 試料やリアクターの生産物が電極を介して汚染され
る恐れがある。 電極の反応が安定するまでに時間がかかり、また多
数の試料を測定する場合には各試料の測定毎に電極を洗
浄しなければならないので作業効率が悪い。 原理的には、励磁電流の周波数を高くして電荷の運
動速度を増すことにより、少量の電荷密度でも測定感度
を上げることができるが、電極の反応速度に限界があ
り、実質的には制約を受ける。 電気双極子の影響により、高い周波数による導電率
測定が困難である。
【0008】また、従来の電極に依らない導電率測定器
は次のような問題点を有する。 検出部のトロイドを試料中に浸漬させる必要がある
ため、上記同様に非破壊測定ができないし、試料の測定
ごとに検出部を洗浄しなければならないので作業効率が
悪い。 試料やリアクターの生産物が検出部を介して汚染さ
れる恐れがある。 原理的には、励磁電流の周波数を高くして電荷の運
動速度を増すことにより、少量の電荷密度でも測定感度
を上げることができるが、電極の反応速度に限界があ
り、実質的には制約を受ける。
は次のような問題点を有する。 検出部のトロイドを試料中に浸漬させる必要がある
ため、上記同様に非破壊測定ができないし、試料の測定
ごとに検出部を洗浄しなければならないので作業効率が
悪い。 試料やリアクターの生産物が検出部を介して汚染さ
れる恐れがある。 原理的には、励磁電流の周波数を高くして電荷の運
動速度を増すことにより、少量の電荷密度でも測定感度
を上げることができるが、電極の反応速度に限界があ
り、実質的には制約を受ける。
【0009】したがって、本発明は、簡単な装置構成
で、かつ試料に非接触で導電率を精度良く測定すること
ができる導電率測定器を提供することを目的とする。
で、かつ試料に非接触で導電率を精度良く測定すること
ができる導電率測定器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は電磁誘導の
法則に基づいて動き得る電荷が存在する物質であれば、
いかなる物質でも振動磁場を与えることにより当該物質
内に誘導電流を生じさせることが可能であると考えた。
また、超伝導物質でない限り、電流が存在すれば必ずエ
ネルギー損失が生じ、かつ電流は電荷密度と運動速度に
比例する。
法則に基づいて動き得る電荷が存在する物質であれば、
いかなる物質でも振動磁場を与えることにより当該物質
内に誘導電流を生じさせることが可能であると考えた。
また、超伝導物質でない限り、電流が存在すれば必ずエ
ネルギー損失が生じ、かつ電流は電荷密度と運動速度に
比例する。
【0011】したがって、電荷の運動速度すなわち振動
磁場の振動周波数を加速することにより、少量の電荷し
か含まない物質であっても測定可能な大きさの損失を生
じさせることができ、また、振動磁場の周波数を変化さ
せることにより測定感度が可変な損失測定器の実現が可
能であると考えた。
磁場の振動周波数を加速することにより、少量の電荷し
か含まない物質であっても測定可能な大きさの損失を生
じさせることができ、また、振動磁場の周波数を変化さ
せることにより測定感度が可変な損失測定器の実現が可
能であると考えた。
【0012】一方、誘導電流により生じるエネルギー損
失は、物質に与える振動磁場を発生させるための励磁電
流の大きさの変化として測定可能であるから、原理的に
は例えば中空ソレノイド等の磁場発生手段の中空部内に
測定対象の試料を配置し、振動磁場により試料内に生じ
た誘導電流によるエネルギー損失を励磁電流の観察によ
って測定することができることになる。実際に、導電率
の異なる様々な電解質の水溶液を用いた検証の結果、導
電率と励磁電流との間に一定の関係が存在することを見
出し、本発明に達したものである。
失は、物質に与える振動磁場を発生させるための励磁電
流の大きさの変化として測定可能であるから、原理的に
は例えば中空ソレノイド等の磁場発生手段の中空部内に
測定対象の試料を配置し、振動磁場により試料内に生じ
た誘導電流によるエネルギー損失を励磁電流の観察によ
って測定することができることになる。実際に、導電率
の異なる様々な電解質の水溶液を用いた検証の結果、導
電率と励磁電流との間に一定の関係が存在することを見
出し、本発明に達したものである。
【0013】以上を背景として、請求項1に記載の発明
は、測定対象物質を収納し、RF(ラジオ周波数)領域
における振動磁場を発生するコイルと、この磁場発生用
コイルに前記RF領域の振動電流を供給する発振回路
と、この振動電流を測定する電流測定手段と、測定され
た前記振動電流に基づいて前記測定対象物質の導電率を
求める算出手段と、を備えて構成される。
は、測定対象物質を収納し、RF(ラジオ周波数)領域
における振動磁場を発生するコイルと、この磁場発生用
コイルに前記RF領域の振動電流を供給する発振回路
と、この振動電流を測定する電流測定手段と、測定され
た前記振動電流に基づいて前記測定対象物質の導電率を
求める算出手段と、を備えて構成される。
【0014】請求項2に記載の発明は、測定対象物質を
収納し、RF(ラジオ周波数)領域における振動磁場を
発生するコイルと、この磁場発生用コイルに供給する振
動電流の前記RF領域の振動周波数を変化可能な発振回
路と、この振動電流を測定する電流測定手段と、測定さ
れた前記振動電流に基づいて前記測定対象物質の導電率
を求める算出手段と、を備えて構成される。
収納し、RF(ラジオ周波数)領域における振動磁場を
発生するコイルと、この磁場発生用コイルに供給する振
動電流の前記RF領域の振動周波数を変化可能な発振回
路と、この振動電流を測定する電流測定手段と、測定さ
れた前記振動電流に基づいて前記測定対象物質の導電率
を求める算出手段と、を備えて構成される。
【0015】請求項3記載の発明は、磁場発生用コイル
は、測定対象物質を収納可能な空隙を有する筒状のソレ
ノイドである場合の本発明の適用を開示する。
は、測定対象物質を収納可能な空隙を有する筒状のソレ
ノイドである場合の本発明の適用を開示する。
【0016】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、発振回路によ
り磁場発生用コイルに振動電流を与えてラジオ周波数領
域(数百KHz〜数十MHz)の振動磁場を発生させ、
この振動磁場内に測定対象物質を収納することにより測
定対象物質中に誘導電流が流れ、この誘導電流によって
当該測定対象物質固有のエネルギー損失が生じる。この
エネルギー損失は、磁場発生コイルに与える振動電流大
きさの変化として測定可能であるので、この振動電流の
大きさを電流測定手段により測定し、測定された振動電
流の大きさと測定対象物質の導電率との相関に基づいて
算出手段により測定対象物質の導電率を非接触で求める
ことができる。
り磁場発生用コイルに振動電流を与えてラジオ周波数領
域(数百KHz〜数十MHz)の振動磁場を発生させ、
この振動磁場内に測定対象物質を収納することにより測
定対象物質中に誘導電流が流れ、この誘導電流によって
当該測定対象物質固有のエネルギー損失が生じる。この
エネルギー損失は、磁場発生コイルに与える振動電流大
きさの変化として測定可能であるので、この振動電流の
大きさを電流測定手段により測定し、測定された振動電
流の大きさと測定対象物質の導電率との相関に基づいて
算出手段により測定対象物質の導電率を非接触で求める
ことができる。
【0017】請求項2に記載の装置発明によれば、発振
回路により磁場発生用コイルに振動電流を与えてラジオ
周波数領域の振動磁場を発生させ、この振動磁場内に測
定対象物質を収納することにより測定対象物質中に誘導
電流が流れ、この誘導電流によって当該測定対象物質固
有のエネルギー損失が生じる。このエネルギー損失は、
磁場発生コイルに与える振動電流大きさの変化として測
定可能であるので、この振動電流の大きさを電流測定手
段により測定し、測定された振動電流の大きさと測定対
象物質の導電率との相関に基づいて算出手段により測定
対象物質の導電率が求められるが、発振回路は振動電流
の周波数を変化させることが可能であり、周波数を変え
ることにより測定対象物質内の電荷をその周波数に応じ
た速度で回転運動させることにより測定感度の制御が可
能となる。
回路により磁場発生用コイルに振動電流を与えてラジオ
周波数領域の振動磁場を発生させ、この振動磁場内に測
定対象物質を収納することにより測定対象物質中に誘導
電流が流れ、この誘導電流によって当該測定対象物質固
有のエネルギー損失が生じる。このエネルギー損失は、
磁場発生コイルに与える振動電流大きさの変化として測
定可能であるので、この振動電流の大きさを電流測定手
段により測定し、測定された振動電流の大きさと測定対
象物質の導電率との相関に基づいて算出手段により測定
対象物質の導電率が求められるが、発振回路は振動電流
の周波数を変化させることが可能であり、周波数を変え
ることにより測定対象物質内の電荷をその周波数に応じ
た速度で回転運動させることにより測定感度の制御が可
能となる。
【0018】請求項3に記載の装置発明によれば、磁場
発生用コイルとして筒状の中空ソレノイドを用いること
により測定対象物質を空隙内への収納が容易となる。
発生用コイルとして筒状の中空ソレノイドを用いること
により測定対象物質を空隙内への収納が容易となる。
【0019】
【実施例】次に、本発明の好適な実施例を図面を参照し
て説明する。 (I)第1実施例 図1に本発明が適用される導電率測定器の構成例を示
す。
て説明する。 (I)第1実施例 図1に本発明が適用される導電率測定器の構成例を示
す。
【0020】図1に示すように、導電率測定器は、試験
管等の容器2内に封入された試料1を収納しコイル4が
巻回されたソレノイド3と、このコイル4に一定の電圧
を供給してコイル4を励磁する発振回路6と、コイル4
に流れる振動電流(励磁電流または試料1内を流れる誘
導電流)iの大きさを測定するための電流検出抵抗5
と、電流検出抵抗5の両端電圧から振動電流iを求める
電流検器7と、電流検器7から出力される振動電流検出
値iに基づいて試料1の導電率ρを求める演算器8と、
算出された導電率ρを表示する出力装置9と、から構成
される。
管等の容器2内に封入された試料1を収納しコイル4が
巻回されたソレノイド3と、このコイル4に一定の電圧
を供給してコイル4を励磁する発振回路6と、コイル4
に流れる振動電流(励磁電流または試料1内を流れる誘
導電流)iの大きさを測定するための電流検出抵抗5
と、電流検出抵抗5の両端電圧から振動電流iを求める
電流検器7と、電流検器7から出力される振動電流検出
値iに基づいて試料1の導電率ρを求める演算器8と、
算出された導電率ρを表示する出力装置9と、から構成
される。
【0021】試料1は、強電解物質である水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム
等について濃度の異なる水溶液を樹脂製ディスポーザブ
ル試験官(直径15mm、長さ100 mm、容量120 ml)に密閉
封入したものを用いた。このように容器2を密閉するこ
とにより、試料1が汚染されることがなく、正確な測定
が可能となる。
ウム、水酸化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム
等について濃度の異なる水溶液を樹脂製ディスポーザブ
ル試験官(直径15mm、長さ100 mm、容量120 ml)に密閉
封入したものを用いた。このように容器2を密閉するこ
とにより、試料1が汚染されることがなく、正確な測定
が可能となる。
【0022】ソレノイド3には、アクリル樹脂パイプ
(巻線部分の外径18mm、内径15mm,全長13mm)と、その
外周に絶縁被覆銅線(直径15mm)を22回巻いたコイル
4を用いている。
(巻線部分の外径18mm、内径15mm,全長13mm)と、その
外周に絶縁被覆銅線(直径15mm)を22回巻いたコイル
4を用いている。
【0023】発振回路6は、発振周波数が数百KHz〜
数十MHz帯のラジオ周波数領域における振動電流を供
給する回路であり、コイル4はこの発振回路6の一部を
構成している。
数十MHz帯のラジオ周波数領域における振動電流を供
給する回路であり、コイル4はこの発振回路6の一部を
構成している。
【0024】電流検出器7は、ディジタルボルトメータ
を用い、0.1 μA の精度で測定可能なものとする。
を用い、0.1 μA の精度で測定可能なものとする。
【0025】演算器8は、予め測定された励磁電流iと
導電率ρの相関に基づいて作成された変換テーブルを格
納するRAM11と、入力される励磁電流検出値iから
RAM11を参照して導電率ρを算出するCPU12か
らなる。
導電率ρの相関に基づいて作成された変換テーブルを格
納するRAM11と、入力される励磁電流検出値iから
RAM11を参照して導電率ρを算出するCPU12か
らなる。
【0026】出力装置9は、プリンタ、X−Yプロッタ
あるいはCRTモニタ等を用いることができる。
あるいはCRTモニタ等を用いることができる。
【0027】次に、測定方法は次の通りである。 (1)変換テーブルの作成 まず、容器2に封入された試料1をソレノイド3の空隙
内に挿入し、ソレノイド3のコイル4に対して発振回路
6から所定振動周波数(例えば、f=15MHz)、初
期の振動電流(i=100μA)、周囲温度(22±
0.5℃)の条件下で一定電圧をコイル4に印加する。
そして、導電率計(AOL−40型、電気化学計器株式
会社製)、電極(2112型、セル定数0.950)の
組み合わせで、導電率ρと励磁電流iの関係を測定す
る。その測定結果、各試料1について導電率ρと励磁電
流iとの間には、図4に示すような一定の関係が存在す
ることが確認された。
内に挿入し、ソレノイド3のコイル4に対して発振回路
6から所定振動周波数(例えば、f=15MHz)、初
期の振動電流(i=100μA)、周囲温度(22±
0.5℃)の条件下で一定電圧をコイル4に印加する。
そして、導電率計(AOL−40型、電気化学計器株式
会社製)、電極(2112型、セル定数0.950)の
組み合わせで、導電率ρと励磁電流iの関係を測定す
る。その測定結果、各試料1について導電率ρと励磁電
流iとの間には、図4に示すような一定の関係が存在す
ることが確認された。
【0028】したがって、この図4に示すような物質に
応じた導電率ρと励磁電流iの関係を知ることができれ
ば、上述の如く励磁電流iは容易に非接触で測定するこ
とが可能であるから、この励磁電流iに基づいて導電率
ρを算出することが可能である。この導電率ρと励磁電
流iとの関係をデータベース化したのがRAM11に格
納された変換テーブルである。 (2)測定 以上の構成において、測定対象の試料1を容器2ととも
にソレノイド3の空隙内に納め、上記同様に発振回路6
から一定の励磁電圧をコイル4に引加して励磁電流iの
値を変化を電流検器7により検出することで演算器8を
介して導電率ρに変換され、その値が出力装置9に出力
されることになる。このように、従来の如く電極を用い
て、試料に直接接触することなく、導電率ρを測定する
ことができる。
応じた導電率ρと励磁電流iの関係を知ることができれ
ば、上述の如く励磁電流iは容易に非接触で測定するこ
とが可能であるから、この励磁電流iに基づいて導電率
ρを算出することが可能である。この導電率ρと励磁電
流iとの関係をデータベース化したのがRAM11に格
納された変換テーブルである。 (2)測定 以上の構成において、測定対象の試料1を容器2ととも
にソレノイド3の空隙内に納め、上記同様に発振回路6
から一定の励磁電圧をコイル4に引加して励磁電流iの
値を変化を電流検器7により検出することで演算器8を
介して導電率ρに変換され、その値が出力装置9に出力
されることになる。このように、従来の如く電極を用い
て、試料に直接接触することなく、導電率ρを測定する
ことができる。
【0029】(II)第2実施例 従来から、ミカンやイチゴの果汁の酸度測定には導電率
測定が用いられている。有機酸含量はクエン酸換算で概
ね0.5%〜多くても2%程度と変動範囲が狭いため、
純水で希釈した果汁液の導電率と酸度との間には、糖度
とは無関係に直線的な関係があることが知られている。
測定が用いられている。有機酸含量はクエン酸換算で概
ね0.5%〜多くても2%程度と変動範囲が狭いため、
純水で希釈した果汁液の導電率と酸度との間には、糖度
とは無関係に直線的な関係があることが知られている。
【0030】このような酸度測定についても本発明にか
かる非接触導電率測定器を提供することができる。
かる非接触導電率測定器を提供することができる。
【0031】すなわち、図1に示す測定器を用い、モデ
ル試料1として、クエン酸濃度1〜3%とぶどう糖濃度
5〜10%の混合水溶液を作成し、この混合水溶液を純
水で10倍に希釈して、第1実施例と同様の手順で導電
率ρと励磁電流iとの関係を求めた。
ル試料1として、クエン酸濃度1〜3%とぶどう糖濃度
5〜10%の混合水溶液を作成し、この混合水溶液を純
水で10倍に希釈して、第1実施例と同様の手順で導電
率ρと励磁電流iとの関係を求めた。
【0032】その結果、図3に示すように、糖濃度に拘
らず、導電率ρに対して励磁電流iが直線的に変化する
ことが明らかとなった。したがって、この導電率ρと励
磁電流iとの関係を図3のように変換テーブル化するこ
とによって、非接触で導電率ρを測定することができ
る。
らず、導電率ρに対して励磁電流iが直線的に変化する
ことが明らかとなった。したがって、この導電率ρと励
磁電流iとの関係を図3のように変換テーブル化するこ
とによって、非接触で導電率ρを測定することができ
る。
【0033】(III )その他の態様 以上の実施例において、発振回路6は発振周波数可変型
のものを用いることができ、電荷密度の低い物質を測定
対象試料1とする場合に、当該物質に最適な周波数を選
択的に用いることにより測定可能な損失を発生させ、そ
れに伴って生じる励磁電流iの変化から導電率ρを求め
ることができる。
のものを用いることができ、電荷密度の低い物質を測定
対象試料1とする場合に、当該物質に最適な周波数を選
択的に用いることにより測定可能な損失を発生させ、そ
れに伴って生じる励磁電流iの変化から導電率ρを求め
ることができる。
【0034】また、ソレノイド3は上述のように独立し
て形成しても良いが、果汁等の製造プロセスに組み込む
ことができる。すなわち、例えば、ソレノイド3を測定
対象物質が流れる配管に取り付け(例えば外周に装着)
可能とすることにより、プロセスのリアルタイムでの導
電率測定ないしはモニタリングが可能となり、品質管理
に供することができる。
て形成しても良いが、果汁等の製造プロセスに組み込む
ことができる。すなわち、例えば、ソレノイド3を測定
対象物質が流れる配管に取り付け(例えば外周に装着)
可能とすることにより、プロセスのリアルタイムでの導
電率測定ないしはモニタリングが可能となり、品質管理
に供することができる。
【0035】その他、試料物質の培養容器に合わせた大
きさあるいは形状のソレノイド3を用いることは、本発
明の範囲に属する。
きさあるいは形状のソレノイド3を用いることは、本発
明の範囲に属する。
【0036】また、以上の実施例では電流iと導電率ρ
の変換をRAM11の変換テーブルによるものとした
が、同等の特性をもつ関数発生器によりアナログ信号処
理するようにしても良い。
の変換をRAM11の変換テーブルによるものとした
が、同等の特性をもつ関数発生器によりアナログ信号処
理するようにしても良い。
【0037】
【発明の効果】以上の通り、請求項1乃至3に記載の発
明によれば、簡単な装置構成で、試料物質の導電率を当
該試料物質に非接触で測定することができる。非接触で
測定可能である結果、従来のような洗浄工程を必要とせ
ず、試料の交換が容易となり、測定作業の効率を向上さ
せることができる。電極を用いないので、電極反応によ
る影響を受けず、電極反応の安定を待たずに迅速な測定
が可能となり、また、高周波領域での測定が可能とな
る。
明によれば、簡単な装置構成で、試料物質の導電率を当
該試料物質に非接触で測定することができる。非接触で
測定可能である結果、従来のような洗浄工程を必要とせ
ず、試料の交換が容易となり、測定作業の効率を向上さ
せることができる。電極を用いないので、電極反応によ
る影響を受けず、電極反応の安定を待たずに迅速な測定
が可能となり、また、高周波領域での測定が可能とな
る。
【図1】本発明の実施例を示すブロック図である。
【図2】演算器の例を示すブロック図である。
【図3】変換テーブルの例を示すブロック図である。
【図4】第1実施例における励磁電流と導電率の関係を
示す特性図である。
示す特性図である。
【図5】第2実施例における励磁電流と導電率の関係を
示す特性図である。
示す特性図である。
1 試料 2 容器 3 ソレノイド 4 コイル 5 電流検出抵抗 6 発振回路 7 電流検出器 8 演算器 9 出力装置 11 RAM 12 CPU
Claims (3)
- 【請求項1】 測定対象物質を収納し、RF(ラジオ周
波数)領域における振動磁場を発生するコイルと、 この磁場発生用コイルに前記RF領域の振動電流を供給
する発振回路と、 この振動電流を測定する電流測定手段と、 測定された前記振動電流に基づいて前記測定対象物質の
導電率を求める算出手段と、を備えたことを特徴とする
非接触導電率測定器。 - 【請求項2】 測定対象物質を収納し、RF(ラジオ周
波数)領域における振動磁場を発生するコイルと、 この磁場発生用コイルに供給する振動電流の前記RF領
域の振動周波数を変化可能な発振回路と、 この振動電流を測定する電流測定手段と、 測定された前記振動電流に基づいて前記測定対象物質の
導電率を求める算出手段と、を備えたことを特徴とする
非接触導電率測定器。 - 【請求項3】 磁場発生用コイルは、測定対象物質を収
納可能な空隙を有する筒状のソレノイドであることを特
徴とする請求項1または2に記載の非接触導電率測定
器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13508594A JPH07318600A (ja) | 1994-05-25 | 1994-05-25 | 非接触導電率測定器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13508594A JPH07318600A (ja) | 1994-05-25 | 1994-05-25 | 非接触導電率測定器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07318600A true JPH07318600A (ja) | 1995-12-08 |
Family
ID=15143485
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13508594A Pending JPH07318600A (ja) | 1994-05-25 | 1994-05-25 | 非接触導電率測定器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07318600A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001201476A (ja) * | 2000-01-20 | 2001-07-27 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 酸濃度計および酸濃度測定法 |
JP2002516995A (ja) * | 1998-05-28 | 2002-06-11 | フレゼニウス メディカル ケアー ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 流れ通路内に存在する液体の導電率を無接触式に測定するための装置および方法 |
JP2003302431A (ja) * | 2002-02-08 | 2003-10-24 | Daihen Corp | インピーダンス整合器の出力端特性解析方法、およびインピーダンス整合器、ならびにインピーダンス整合器の出力端特性解析システム |
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JP2004177274A (ja) * | 2002-11-27 | 2004-06-24 | Tohoku Techno Arch Co Ltd | 非接触導電率測定システム |
JP2006506621A (ja) * | 2002-11-13 | 2006-02-23 | ノースロップ グラマン コーポレーション | 非接触型表面導電率測定プローブ |
JP2008032556A (ja) * | 2006-07-28 | 2008-02-14 | Takara Keiki Seisakusho:Kk | 果菜類の非破壊品質評価装置及び非破壊品質評価方法 |
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JP2019522784A (ja) * | 2016-09-01 | 2019-08-15 | マルチーパス カンパニー,リミテッド | Rf信号を利用した非接触方式の電気伝導度および不導体の誘電率特性変化測定装置 |
JP2022041881A (ja) * | 2020-08-31 | 2022-03-11 | セニック・インコーポレイテッド | 黒鉛含有物品の測定方法、測定装置及びインゴット成長システム |
-
1994
- 1994-05-25 JP JP13508594A patent/JPH07318600A/ja active Pending
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