JP3069601B2 - 側部用エアバッグ - Google Patents

側部用エアバッグ

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JP3069601B2 JP8283055A JP28305596A JP3069601B2 JP 3069601 B2 JP3069601 B2 JP 3069601B2 JP 8283055 A JP8283055 A JP 8283055A JP 28305596 A JP28305596 A JP 28305596A JP 3069601 B2 JP3069601 B2 JP 3069601B2
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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は側部用エアバッグ装
置のエアバッグ袋体に係り、詳しくは袋織りによって形
成され、車両の窓部付近に展開する側部用エアバッグに
関するものである。
【０００２】
【従来の技術】２枚の布を製織しながら、互いの織り組
織を構成する織り糸にて部分的に共通の織り組織にして
接合するいわゆる袋織りは、一般に産業資材などの製織
で知られている。これをエアバッグに利用したものとし
ては、例えば特開平２−１５８４４２号公報で袋織り、
特開平３−１２８７４３号公報に織地の周辺部の接合を
接結一重組織で行う記載、特表平４−５０４９８８号公
報でも同様の記載がある。これら従来のエアバッグは、
基本的に袋織りにしたノンコートバッグであり、部分的
にコーティングしたり、コーティングは可能としながら
も、コーティングにより積極的に布の通気性を少なくす
ることを目的としたものではなかった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところで、各種従来の
エアバッグ装置としては、運転席用エアバッグ、助手席
用エアバッグ、シート装着の側部用エアバッグ等がある
が、これらに共通することは、作動の際に数ｍｓｅｃか
ら数十ｍｓｅｃ程度の短い時間内で乗員を拘束すること
である。
【０００４】これに対し、本願出願にて提案する側部用
エアバッグは、例えばフロントピラーの根元つまり車両
のサイドパネルなどに固定されたインフレータ（ガス発
生器）からガスの供給を受け、フロントピラー部、ルー
フサイドレール部、センターピラー部、クウォターピラ
ー部などに収納されたエアバッグが、車室側部に沿って
窓部付近に展開し乗員を拘束するエアバッグであり、上
記従来のエアバッグと大きく異なる点は、車両転倒時の
乗員拘束のため数ｓｅｃの長い膨張時間を持続する形態
が考えられる点にある。つまり、従来のエアバッグは数
ｍｓｅｃから数十ｍｓｅｃ程度の短い時間で膨張展開し
乗員を拘束しながら排気する機能であるのに対し、新規
に提案する側部用エアバッグは、膨張持続時間を数ｓｅ
ｃと長くすることを目的の１つとしている。また、前記
従来のエアバッグはホーンパッド、インストルメントパ
ネル、あるいはシートなど車両内装部品としては比較的
大型の部品に収納されており、エアバッグの折り畳み方
向の断面積は約２０〜１５０ｃｍ2 ほどあったが、柱状
ピラーやルーフサイドレールに収納するには４ｃｍ2 程
度の断面積に収納しなければならない問題がある。
【０００５】本発明は叙上の如き実状に対処してなされ
たものであり、ピラー部やルーフサイドレール部に収納
されるエアバッグにおいて、その気密性を高めて膨張持
続時間を長くすると共に、折り畳んだエアバッグのかさ
を減じ上記ピラー部等への収納性を向上させることを目
的とするものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】すなわち、上記目的に適
合する本発明第１のエアバッグは、２枚の織布の外周同
士を接合することにより袋部を形成し、この袋部を車両
のピラー部とルーフサイドレール部の少なくとも一方に
収納せしめた側部用エアバッグであって、上記織布同士
の接合を、一部、インフレータガスを導入する開口部を
残して各布の織り組織を構成する織り糸を共通の織り組
織に製織することにより形成すると共に、この接合部か
らさらに外方に上記織布または上記共通の織り組織を延
出して、上記ピラー部やルーフサイドレール部への取り
付け部を形成し、かつ上記袋部の中央部で、この袋部を
形成する２枚の織布の織り組織を構成する織り糸を共通
の織り組織に製織することによりインフレータガスの流
れ方向とほぼ平行な線状の区画用接合部を形成し、上記
袋部全体を非透気性コーティング材によりシールしたこ
とを特徴とする。
【０００７】なかでも上記本発明の各側部用エアバッグ
において、上記袋部の中央部で、この袋部を形成する２
枚の織布に、インフレータガスの流れ方向とほぼ平行な
線状の区画用接合部を形成すると共に、この区画用接合
部を、上記各布の織り組織を構成する織り糸を共通の織
り組織に製織することにより形成し、エアバッグの膨脹
過程の形状を制御することは好適である。
【０００８】また、第２のエアバッグとして、上記区画
用接合部を共通の織り組織に製織する代わりに縫製によ
って形成してもよく、この場合は、この縫製のインフレ
ータ側の端末部をＵ字状または円状に形成することによ
って、エアバッグ膨脹時の応力集中を緩和することが望
ましい。なお、上記接合部の一部はインフレータガスを
導入する開口部を形成することも可能である。
【０００９】
【作用】上記本発明の第１、第２の各側部用エアバッグ
においては、袋織りのエアバッグの表面をコーティング
することにより、従来の如き縫製工程とミシン目のシー
ル工程とを省略することができ、数秒単位の膨張持続時
間を維持可能にシールされたエアバッグを経済的に製作
することが可能である。
【００１０】また、従来の縫製によるエアバッグでは縫
製部分が２枚の布と縫製糸の上糸、下糸の厚みがあるの
に対し、本発明のエアバッグではその織り組織の構造
上、接合部が２枚の布の厚みより薄くでき、しかも縫製
糸もないことから従来よりかなり薄くなる。これは、狭
いピラー部等に収納するとき極めて有利であり、さら
に、従来のミシン目のシールのためのテープ厚みもない
ことから、コンパクトに収納することが可能である。
【００１１】さらに、同様の理由により、上記ピラー部
等への取り付け部も収納性がよく、また特別に用意した
布を縫製したりせず形成することができる。つまり、上
記接合部の周辺を延長しピラー部等への取り付け部を形
成する場合、共通織り組織から２枚の布に延長すれば連
続した縫製なしの２枚厚みの取り付け部が形成できる
し、１枚厚みでよければこれも収納性よく形成できる。
そして、共通織り組織のまま延長すれば、より強度よく
取り付け部が形成でき、経済的であると共にコンパクト
な収納が可能となる。なお、取付部が２枚の布に別れて
いる場合、外からこの部分を開き、共通織り組織とその
周辺、つまり取付部の裏もコーティングすればさらにシ
ール性が向上することとなる。
【００１２】
【発明の実施の形態】以下、さらに添付図面を参照し
て、本発明の実施の形態を説明する。
【００１３】図１は本発明の第１実施形態の側部用エア
バッグを示す正面図、図２は図１のＡ−Ａ線断面図であ
る。
【００１４】上記実施形態の側部用エアバッグは、車両
の側面からの所定の衝撃を検知すると、車室側面に沿っ
て窓部付近に膨張展開することにより、側方から乗員の
頭部を主に拘束するものであり、車両の横転時にも機能
する。
【００１５】上記エアバッグは、図示の如く２枚の平織
りの布１、２の外周部同士を接合することにより袋部３
が形成されており、この例では上記袋部３を車両のフロ
ントピラー部とルーフサイドレール部の一部（図示せ
ず）に折り畳み収納するようになっている。そして、上
記織布１、２同士の接合部４を、各布１、２の織り組織
を構成する織り糸を共通の織り組織に製織することによ
り形成すると共に、この接合部４からさらに外方に上記
織布１、２を夫々延出して、上記ピラー部およびルーフ
サイドレール部への取り付け部５を形成している。この
取り付け部５には固定用ボルトやリベット用の孔６が形
成されている。
【００１６】またさらに、接合部４を含めた上記袋部３
の表面全体を、シリコンゴムやクロロプレンゴム等の非
透気性コーティング材によりコーティングし、膨張持続
時間を５秒前後維持可能に気密性を高めている。
【００１７】上記取り付け部５は、図２に示すように２
枚の織布１、２で形成する以外に、織布１または２の内
の１枚や、接合部４からそのまま袋織りの共通織り組織
を延出することによって形成することが可能である。な
お、２枚の織布１、２で取り付け部５を形成した場合
は、図３に示す如く布の内側５ａを前記コーティング材
によってコーティングすることにより、前記含む分３の
気密性を高めることができる。
【００１８】図中、７は区画用接合部であり、重合した
２枚の織布１、２の外周接合部４を袋織りすることによ
って袋部３を形成し、この袋部３の中央部で、図示の如
く上記２枚の織布１、２にインフレータガスの流れ方向
とほぼ平行な線状の区画用接合部７を２本形成してい
る。そして、この区画用接合部７を、上記各布１、２の
織り組織を構成する織り糸を共通の織り組織に製織する
ことにより形成している。
【００１９】この区画用接合部７は、エアバッグの膨脹
過程における展開形状を制御するためのものであるが、
例えば図４に示す如く、縫製８によっても形成すること
が可能である。なお、この場合はエアバッグ膨脹時の応
力集合を緩和するために、図５（イ）（ロ）に夫々示す
如く、縫製のインフレータ側の端末部を直径３〜３０ｍ
ｍ程度の円状、または幅３〜３０ｍｍ程度のＵ字状に形
成することが望ましい。なお、この縫製８によるミシン
目は、前記コーティング材によるコーティングが後工程
で行われることから、エアバッグの気密性を損なうこと
はない。
【００２０】
【００２１】しかして、上記本発明各実施形態の側部用
エアバッグにおいては、袋織りにより形成したエアバッ
グの表面をコーティングすることにより、従来の如き縫
製工程とミシン目のシール工程とを省略することが可能
であり、数秒単位の長い膨張持続時間を維持しうるよう
シールされたエアバッグを経済的に製作することが可能
である。
【００２２】そして、上記実施形態のエアバッグでは、
袋部外周の接合部を袋織り組織によって形成したことか
ら、接合する２枚の布の厚みより薄くでき、しかも縫製
糸やミシン目をシールするテープもないことから、従来
のエアバッグに比べこの接合部が格段に薄くなり、細長
く狭いピラー部やルーフサイドレール部にも極めて有利
に収納することが可能である。さらに、ピラー部等への
取り付け部も、上記袋織り組織から延出した布または袋
織り組織によって形成しうることから、別に用意した取
付部用布を縫着する必要もなく、上記取付部を薄く形成
せしめて収納性を高めると共に、部品点数や工数を減じ
てさらに経済性を高めることが可能である。
【００２３】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明の側部用エアバッグは、ピラー部やルーフサイド
レール部以外の車両構造部にも収納することが可能であ
る。
【００２４】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の側部用エ
アバッグは、２枚の織布の外周部同士を接合することに
より袋部を形成し、この袋部を車両の窓部付近に展開さ
せる側部用エアバッグであって、上記織布同士の接合部
を、各布の織り組織を構成する織り糸を共通の織り組織
に製織することにより形成すると共に、上記袋部全体を
非透気性コーティング材によりシールしたものであり、
袋織りにより形成したエアバッグの表面をコーティング
することにより、従来の如き縫製工程とミシン目のシー
ル工程とを省略することを可能として、数秒単位の長い
膨張持続時間を維持しうるようシールされたエアバッグ
を経済的に製作しうると共に、袋部外周の接合部を袋織
り組織によって形成したことから、この接合部を上記２
枚の布の厚みより薄くでき、しかも縫製糸やミシン目を
シールするテープもないことから、従来のエアバッグに
比べこの接合部が格段に薄くなり、細長く狭いピラー部
やルーフサイドレール部に極めて有利に収納することが
可能であり、さらに、ピラー部等への取り付け部も、上
記袋織り組織から延出した布または袋織り組織によって
形成しうることから、別に用意した取付部用布を縫着す
る必要もなく、上記取付部を薄く形成せしめて収納性を
高めると共に、部品点数や工数を減じてさらに経済性を
高めるとの顕著な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明実施形態の側部用エアバッグを示す正面
図である。
【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。
【図３】取付部内側のコーティングを示す断面図であ
る。
【図４】区画用接合部を縫製によって形成した側部用エ
アバッグを示す正面図である。
【図５】（イ）縫製の端末形状を示す拡大図である。
（ロ）同、他の例を示す拡大図である。
【符号の説明】
１ 織布 ２ 織布 ３ 袋部 ４ 接合部（外周） ５ 取り付け部５ａ 取り付け部の布の内側 ６ ボルト・リベット孔 ７ 区画用接合部 ８ 縫製 ９ 開口部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平８−169294（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−26063（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−78946（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−197254（ＪＰ，Ａ) 特表 平８−500638（ＪＰ，Ａ) 特表 平４−504988（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B60R 21/16 B60R 21/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】２枚の織布の外周同士を接合することによ
    り袋部を形成し、この袋部を車両のピラー部とルーフサ
    イドレール部の少なくとも一方に収納せしめた側部用エ
    アバッグであって、上記織布同士の接合部を、一部、イ
    ンフレータガスを導入する開口部を残して各布の織り組
    織を構成する織り糸を共通の織り組織に製織することに
    より形成すると共に、この接合部からさらに外方に上記
    織布または上記共通の織り組織を延出して、上記ピラー
    部やルーフサイドレール部への取り付け部を形成し、か
    つ上記袋部の中央部で、この袋部を形成する２枚の織布
    の織り組織を構成する織り糸を共通の織り組織に製織す
    ることによりインフレータガスの流れ方向とほぼ平行な
    線状の区画用接合部を形成し、上記袋部全体を非透気性
    コーティング材によりシールしたことを特徴とする側部
    用エアバッグ。
  2. 【請求項２】２枚の織布の外周同士を接合することによ
    り袋部を形成し、この袋部を車両のピラー部とルーフサ
    イドレール部の少なくとも一方に収納せしめた側部用エ
    アバッグであって、上記織布同士の接合部を、一部、イ
    ンフレータガスを導入する開口部を残して各布の織り組
    織を構成する織り糸を共通の織り組織に製織することに
    より形成すると共に、この接合部からさらに外方に上記
    織布または上記共通の織り組織を延出して、上記ピラー
    部やルーフサイドレール部への取り付け部を形成し、か
    つ上記袋部の中央部で、この袋部を形成する２枚の織布
    に、インフレータガスの流れ方向とほぼ平行の線状の区
    画用接合部を縫製により形成し、この縫製のインフレー
    タ側の端末部をＵ字状または円状になすと共に、上記袋
    部全体を非透気性コーティング材によりシールしたこと
    を特徴とする側部用エアバッグ。
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