JP2021173419A - 連続式加熱炉に用いるプッシャ装置およびそれを備える連続式加熱炉 - Google Patents

連続式加熱炉に用いるプッシャ装置およびそれを備える連続式加熱炉 Download PDF

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健 下道
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Abstract

【課題】連続式加熱炉に用いるプッシャ装置およびそれを備える連続式加熱炉において、加熱炉やワークの仕様等に応じて、加熱処理されるワークの温度曲線に関して所望の温度曲線を得ること。【解決手段】複数の加熱ゾーンを有する連続式加熱炉に用いるプッシャ装置は、ワークを載置したトレイを押すプッシャと、プッシャを駆動する駆動機構と、駆動機構を制御する制御部と、を備え、制御部は、プッシャの往動時間が復動時間よりも長くなるように駆動機構を制御する。【選択図】図2

Description

本開示は、連続式加熱炉に用いるプッシャ装置およびそれを備える連続式加熱炉に関する。
プッシャ方式の連続式加熱炉としては、例えば、特許文献1および特許文献2に開示されるものがある。プッシャ方式の場合、ローラ駆動方式と比べて構造が簡単であり、安価という特徴がある。
実公平5−12276号公報 実開平2−4195号公報
しかしながら、連続式加熱炉でワークを加熱処理する際に、ワークの温度を時間と共に変化(昇温、降温)させる温度曲線は加熱炉やワークの仕様等に応じて様々である。特許文献1、2に開示されるようなプッシャ方式の連続式加熱炉において、加熱炉やワークの仕様等に応じて所望の温度曲線を得ることに関して改善の余地があるといえる。
通常、特に初めてのワークの場合は、その温度曲線を決定するにはトライ&エラーが必要なので、小型のバッチ式加熱炉で繰り返しテストを行って昇温曲線を決める。バッチ式では、同じ場所でワークを昇温、降温するため、温度変化が緩やかである。しかし、それを生産ラインに反映させようとした場合、連続式のプッシャ式加熱炉では、温度の異なる加熱ゾーン間をプッシャで押して一気に移動させるため、温度変化が急激となり、テスト結果で得た温度曲線を厳密には反映できないという問題ある。
また、プッシャの往動と復動の速度を異ならせようとした場合、インバータによる周波数変換では、速度の変化率は10倍程度までが実用範囲である。また、自転車に使用されるようなチェーン駆動の変速機では、速度の変化率を例えば20倍以上に大きくしようとすると、スプロケットの大きさが異なり過ぎてしまい、構造的に複雑になってしまう。このように、インバータやスプロケットの減速機では20倍以上の速度の変化率を実現することが困難であった。
本開示は、前記課題を解決するものであり、プッシャ装置およびそれを備える連続式加熱炉において、加熱処理されるワークに関して所望の温度曲線を得ることができるようにすることを目的とする。
本開示の一態様のプッシャ装置は、複数の加熱ゾーンを有する連続式加熱炉に用いるプッシャ装置であって、ワークを載置したトレイを押すプッシャと、前記プッシャを駆動する駆動機構と、前記駆動機構を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記プッシャの往動時間が復動時間よりも長くなるように前記駆動機構を制御する。
前記構成によれば、プッシャの往動時間を復動時間よりも長くすることで、プッシャでワークを押して移動させる際にワークの温度が変化する割合を緩やかにすることができる。これにより、バッチ式加熱炉から連続式加熱炉に設計変更する場合など、ワークの温度曲線に関して、連続式加熱炉やワークの仕様等に応じて所望の温度曲線を得ることができる。
前記プッシャ装置において、前記プッシャの前記往動時間を前記復動時間の20倍以上に設定してもよい。前記構成によれば、ワークの温度変化の割合をより小さくすることができる。
前記プッシャ装置において、前記駆動機構は、前記プッシャを往動させる第1のモータと、前記プッシャを復動させる第2のモータと、前記第1のモータおよび前記第2のモータと前記プッシャとの接続を切り替えるクラッチ機構とを備えてもよい。前記構成によれば、モータ1つでインバータ制御する場合に比べて、往動時間と復動時間の差をより大きくすることが可能となる。
前記プッシャ装置において、前記第1のモータおよび前記第2のモータはそれぞれギヤ付きモータであり、前記第1のモータのギヤの減速比よりも前記第2のモータのギヤの減速比の方が大きくしてもよい。前記構成によれば、ギヤ付きモータのギヤの減速比を異ならせることにより、2台のギヤ付きモータのモータ部分は同じ仕様のものを使用しながら往動と復動の速度変化を生むことができ、部品の共通化やコストダウンが可能となる。
本開示の一態様の連続式加熱炉は、前記プッシャ装置と、前記複数の加熱ゾーンを形成する筐体と、を備える。前記構成によれば、前記プッシャ装置と同様の効果を奏することができる。
本開示の一態様の方法は、前記連続式加熱炉において、バッチ式加熱炉でワークを加熱したときの昇温前の第1の温度および昇温後の第2の温度を、隣接する第1加熱ゾーンの温度および第2加熱ゾーンの温度としてそれぞれ採用し、第1の温度から第2の温度までのワークの昇温にかかった時間をプッシャの往動時間として採用する。前記方法によれば、加熱処理されるワークに関してバッチ式加熱炉でテストを行って得られた温度曲線を生産装置に厳密に反映させることができる。
本開示によれば、プッシャ装置およびそれを備える連続式加熱炉において、加熱処理されるワークに関して所望の温度曲線を得ることができる。
実施形態における連続式加熱炉の上流側(入口開口付近)の断面図 実施形態における連続式加熱炉の下流側(加熱ゾーン)の断面図 (A)実施形態における駆動機構の概略側面図、(B)A−A矢視図 実施形態における連続式加熱炉でワークを加熱処理する方法を説明するための概略断面図 実施形態における連続式加熱炉でワークを加熱処理する方法を説明するための概略断面図 実施形態における連続式加熱炉でワークを加熱処理する方法を説明するための概略断面図 実施形態におけるプッシャの移動パターンに関して制御部による制御内容を説明するためのグラフ 実施形態における連続式加熱炉でワークを加熱処理した際の温度曲線の一例を示すグラフ バッチ式加熱炉で加熱処理されたワークの温度曲線の一例を示すグラフ 従来の連続式加熱炉で加熱処理されたワークの温度曲線の一例を示すグラフ
以下、本開示に係る連続式加熱炉に用いるプッシャ装置および連続式加熱炉の好適な実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施形態の具体的な構成に限定されるものではなく、同様の技術的思想に基づく構成が本開示に含まれる。
(実施形態)
図1A、図1Bは、実施形態における連続式加熱炉2の概略構成を示す図である。図1Aは、連続式加熱炉2の上流側の断面図であり、図1Bは、連続式加熱炉2の下流側の断面図である。
連続式加熱炉2は、複数の加熱ゾーン4を有し、複数の加熱ゾーン4でワークSを搬送方向Aに連続搬送しながら加熱処理する装置である。ワークSは例えば、金属製のバスケットに積まれた機械部品(歯車など)である。図1A、図1Bに示すように、連続式加熱炉2は、筐体6と、複数のトレイ8と、プッシャ装置10とを備える。
筐体6は、複数の加熱ゾーン4を形成する部材である。筐体6は、複数の加熱ゾーン4を互いに仕切る仕切壁12を有する。複数の加熱ゾーン4は、仕切壁12によって互いに部分的に仕切られており、仕切壁12を介して互いに隣接する位置に設けられる。
トレイ8は、ワークSを載置するための部材である。1つのトレイ8に1つのワークSが載置され、複数のトレイ8が互いに前後接触した状態で一列に配列されている。トレイ8は、筐体6の内部に設置したレールやローラ(図示せず)に載せられた状態で搬送方向Aに搬送される。
図1Aに示すように、複数のトレイ8のうちの最も上流側に位置するトレイ8Aは、プッシャ装置10に隣接する位置に配置される。
プッシャ装置10は、トレイ8Aを搬送方向Aに向かって押すための部材である。トレイ8Aが押されると、互いに接触して並んでいる複数のトレイ8が搬送方向Aに一体的に例えば1つのトレイ分の距離を移動する。その後、プッシャ装置10が元の位置に引かれ、トレイ8Aが位置していた最も上流側のスペースには、新たなトレイ8が搬入される。新たなトレイ8を搬入する機構については説明および図示を省略する。
プッシャ装置10は、プッシャ14と、駆動機構16と、制御部18とを備える。
プッシャ14は、最も上流側のトレイ8Aに接触して搬送方向Aに押すための部材である。プッシャ14は、筐体6に設けられた開口13を介してトレイ8Aに接触可能である。このような開口13を有する構成は一例であって、最も上流側のトレイ8Aを押すことが可能であれば、プッシャ装置10は任意の構成を採用してもよい。
プッシャ14は、往動方向B1と復動方向B2に往復移動可能に構成されている。往動方向B1は搬送方向Aと同じ向きであり、復動方向B2は往動方向B1と逆向きである。プッシャ14の往復移動は、ギヤ付きモータ、クラッチおよびチェーンを組み合わせた駆動機構16によって駆動される。
駆動機構16の詳細な構成について、図2A、図2Bを用いて説明する。図2Aは、駆動機構16の概略側面図であり、図2Bは、図2AのA−A矢視図である。
図2Aに示すように、駆動機構16は、チェーン20と、3つのスプロケット22、24、26とを備える。
チェーン20は、プッシャ14を前後方向に移動させるように回転する部材である。チェーン20とプッシャ14はプッシャ14の後端部14aで固定されて接続されており、チェーン20の回転力がプッシャ14を前後方向に移動させる力として伝達される。チェーン20が順回転方向R1に回転すると、プッシャ14が往動方向B1に移動され、チェーン20が逆回転方向R2に回転すると、プッシャ14が復動方向B2に移動される。
チェーン20は、スプロケット22、24、26によって支持されながら回転する。スプロケット22、24、26は、チェーン20を回転可能に支持する部材である。
スプロケット22、24は動力源に接続されておらず、チェーン20の回転に伴って自由回転する。一方で、スプロケット26は中心軸28を介して動力源に接続されており、スプロケット26の回転力がチェーン20の回転力として伝達される。
図2Bに示すように、スプロケット26を回転させる動力源として、2つのギヤ付きモータM1、M2と、クラッチ機構30とが設けられている。
ギヤ付きモータM1、M2はそれぞれ、スプロケット26を互いに相対する方向へ回転させるモータである。第1のギヤ付きモータM1は、スプロケット26を順回転させるように機能し、第2のギヤ付きモータM2は、スプロケット26を逆回転させるように機能する。第1のギヤ付きモータM1がスプロケット26を順回転させると、チェーン20が順回転方向R1に回転し、プッシャ14が往動方向B1に移動する。第2のギヤ付きモータM2がスプロケット26を逆回転させると、チェーン20が逆回転方向R2に回転し、プッシャ14が復動方向B2に移動する。
クラッチ機構30は、ギヤ付きモータM1、M2とチェーン20との接続を切り替えるための機構である。クラッチ機構30は、第1のギヤ付きモータM1をチェーン20に接続する「順回転」の形態と、第2のギヤ付きモータM2をチェーン20に接続する「逆回転」の形態を切替可能に構成されている。
クラッチ機構30は更なる機能として、プッシャ14の往動時間と復動時間を調整する機能を有する。実施形態のクラッチ機構30は、ギヤ付きモータM1とギヤ付きモータM2で同じものを使用した場合、第1のギヤ付きモータM1のギヤの減速比と第2のギヤ付きモータM2のギヤの減速比を大幅に異ならせている。具体的には、第1のギヤ付きモータM1がプッシャ14を往動方向B1に移動させる往動速度が、第2のギヤ付きモータM2がプッシャ14を復動方向B2に移動させる復動速度よりも大幅に遅くなるように、ギヤ付きモータM1、M2のギヤの減速比をそれぞれ調整している。より具体的には、第1のギヤ付きモータM1のギヤの減速比よりも第2のギヤ付きモータM2のギヤの減速比の方が大きくなるように、ギヤ付きモータM1、M2のギヤの減速比を選定する。例えば、プッシャ14の復動速度が往動速度の20倍以上となるように、ギヤ付きモータM1、M2のギヤの減速比を選定する。
このように、プッシャ14の往動速度を復動速度よりも大幅に遅くすることで、プッシャ14によりトレイ8を搬送方向Aに押して移動させる際に、ワークSの温度が変化する割合を小さくすることができる。
上述した駆動機構16は、制御部18によって制御される。図1Aに示す制御部18は、駆動機構16を制御するための部材であって、例えばマイクロコンピュータを有して構成される。制御部18は、配線等を介して駆動機構16に電気的に接続されており、駆動機構16を制御することで、プッシャ14の往復移動を制御する。
上述した構成を有する連続式加熱炉2でワークSを加熱処理する方法の一例について、図3A〜図3Cおよび図4、図5を用いて説明する。
図3A〜図3Cは、当該方法を説明するための概略断面図である。図3A〜図3Cは、第1の加熱ゾーン4Aに配置されているワークS1を第2の加熱ゾーン4Bまで移動させて加熱する際の流れを示す図である。第1の加熱ゾーン4Aの温度帯は例えば1000〜1100℃であり、第2の加熱ゾーン4Bの温度帯は例えば1100〜1200℃である。ここでは、第1の加熱ゾーン4Aから第2の加熱ゾーン4Bへ移動する過程でワークS1は加熱され、ワークS1の温度が上昇する例について説明する。
図4は、プッシャ14の駆動方法に関して制御部18による制御の一例を説明するためのグラフである。図4において、横軸は時間、縦軸はプッシャ14の位置を示す。図5は、図4に示すプッシャ14の移動の1サイクルにおいてワークS1が加熱される際の温度曲線の一例を示すグラフである。図5において、横軸は時間、縦軸はワークS1の温度を示す。
まず、図3Aに示すように、ワークS1が第1の加熱ゾーン4Aに停止している状態において、前述した制御部18によって駆動機構16を制御して、複数のトレイ8および複数のワークSを搬送方向Aに移動させる。具体的には、図2Bに示したクラッチ機構30により第1のギヤ付きモータM1をチェーン20に接続して、第1のギヤ付きモータM1を駆動することで、チェーン20を順回転方向R1に回転させる。これにより、プッシャ14を往動方向B1に前進させる。
図4に示すように、プッシャ14の前進に関して、プッシャ14は往動速度X1をもって往動時間t1をかけて前進する。
図3Bは、ワークS1が第1の加熱ゾーン4Aから第2の加熱ゾーン4Bへ移動する途中の状態を示す。前述したように、プッシャ14を前進させる際の往動速度X1を遅くしているため、ワークS1が第1の加熱ゾーン4Aと第2の加熱ゾーン4Bの間の位置にある時間が長くなる。これにより、プッシャ14の往動速度X1が速い場合に比べて、ワークS1の温度の上昇速度は遅くなる。ワークS1の前端と後端では、前端の方が高い温度で加熱されるが、ワークS1の内部における伝熱によってワークS1の前端と後端での温度はさほど変わらない。
図3Cは、ワークS1が第1の加熱ゾーン4Aから第2の加熱ゾーン4Bへ移動して停止した状態を示す。ワークS1の移動が完了すると、駆動機構16は、プッシャ14を元の位置に戻すように復動方向B2に移動させる。具体的には、図2Bに示したクラッチ機構30により第2のギヤ付きモータM2を新たにチェーン20に接続するとともに、第1のギヤ付きモータM1の接続を解除する。この状態で第2のギヤ付きモータM2を駆動することにより、チェーン20を逆回転方向R2に回転させて、プッシャ14を復動方向B2に後退させる。プッシャ14を後退させてもトレイ8は移動しないため、図3Cに示す状態が維持される。
プッシャ14の後退に関して、図4に示すように、プッシャ14は復動速度X2をもって往動時間t2をかけて後退する。前述したように復動速度X2は往動速度X1よりも大幅に速く設定されているため、復動時間t2は往動時間t1よりも大幅に短くなる。
プッシャ14の復動が完了すると、最も上流側のトレイ8Aが位置していた箇所に新たなトレイ8が搬入される。新たなトレイ8が搬入されるまで、プッシャ14は駆動されずに待機する。図4に示す例では、プッシャ14は元の位置まで後退してから待機時間t3の間、待機する。
図4に示すように、往動時間t1と復動時間t2と待機時間t3の合計を1サイクルとして、この移動サイクルを繰り返すように制御部18が駆動機構16を制御する。このような制御によれば、複数のワークSを搬送方向Aに間欠的に搬送しつつ、新しいトレイ8とワークSを適宜補充しながら、複数の加熱ゾーン4でワークSを連続的に加熱処理する運転が可能となる。
制御部18は、例えば図4に示す1サイクルの時間において、往動時間t1が占める割合を50%以上となるように設定する。これにより、ワークSの温度の上昇速度を緩やかにしている。さらに、制御部18は例えば、往動時間t1が復動時間t2の20倍以上となるように設定する。これにより、1サイクル中の緩やかに温度上昇できる時間の割合を多くし、ワークSの温度の上昇速度をより緩やかにすることができる。
図4に示す1サイクルの制御によって、図5に示すようなワークSの温度曲線を得ることができる。図5に示すように、第1の加熱ゾーン4Aに停止しているワークSの温度は、第1の加熱ゾーン4Aの第1の温度T1(例えば1050℃)に維持されており、プッシャ14の前進に伴って、第1の温度T1から緩やかに上昇する。ワークSの温度は、第2の加熱ゾーン4Bの第2の温度T2(例えば1150℃)まで上昇し、第2の加熱ゾーン4Bに停止した状態のワークSの温度は第2の温度T2にて維持される。
前述したように、第1の加熱ゾーン4Aから第2の加熱ゾーン4Bへ移動する際のトレイ8およびワークSの往動速度X1を遅くすることで、図5に示すような、ワークSの温度の上昇速度が緩やかな温度曲線を実現することができる。
ここで、バッチ式加熱炉でテストを行った昇温パターンを連続式加熱炉に採用しようとする場合がある。バッチ式加熱炉と連続式加熱炉を比較すると、バッチ式加熱炉の方が連続式加熱炉よりもワークSの温度の変化割合は緩やかになる。バッチ式加熱炉の運転により得られるワークの温度曲線の一例を図6に示す。
一方で、連続式加熱炉でトレイの往動を従来のように一気に第2の加熱ゾーン4Bに移動させた場合に得られるワークの温度曲線の一例を図7に示す。このような連続式加熱炉では、バッチ式加熱炉と比較してワークSの温度の変化割合が大きくなる。このような場合、図6に示すようなバッチ式加熱炉のテスト結果によって得られるワークSの温度曲線から大きく乖離してしまい、バッチ式加熱炉のテスト結果を連続式加熱炉に採用する際にバッチ式加熱炉のテストデータを正確に引き継いで使用することができない。
これに対して、実施形態の連続式加熱炉2では、プッシャ14の往動速度X1を復動速度X2よりも遅く設定して、往動時間t1を復動時間t2よりも長く設定することで、温度の変化割合を緩やかにしたワークSの温度曲線を実現している。これにより、図6に示すようなバッチ式加熱炉のテスト結果により得られたワークSの温度曲線に近い温度曲線を連続式加熱炉2で実現することができる。このようにして、加熱炉やワークに求められる仕様に応じて、所望の温度曲線を実現することができる。
本実施形態では、図6に示すバッチ式加熱炉のテスト結果におけるワークSの昇温前の温度である第1の温度T1と昇温後の第2の温度T2をそれぞれ、図3A〜図3Cに示す第1の加熱ゾーン4Aの温度と第2の加熱ゾーン4Bの温度に採用している。さらに、第1の温度T1から第2の温度T2までのワークSの昇温にかかった時間t4を、プッシャ14の往動時間t1に採用している。これにより、連続式加熱炉2においても図5に示すようなワークSの温度曲線を得ることができ、図6に示すバッチ式加熱炉の温度曲線に近付けることができる。
上述したように、実施形態のプッシャ装置10は、複数の加熱ゾーン4を有する連続式加熱炉2に用いる装置であって、ワークSを載置したトレイ8を押すプッシャ14と、プッシャ14を駆動する駆動機構16と、駆動機構16を制御する制御部18とを備える。制御部18は、プッシャ14の往動時間t1が復動時間t2よりも長くなるように駆動機構16を制御する。
このような構成によれば、プッシャ14の往動時間t1を復動時間t2よりも長くすることで、プッシャ14でワークSを押して移動させる際にワークSの温度が変化する割合を緩やかにすることができる。これにより、例えばバッチ式加熱炉の温度曲線のテストデータを連続式加熱炉に反映する場合などに、バッチ式加熱炉のテスト結果により得られた温度曲線に近い温度曲線を連続式加熱炉で実現することができ、加熱炉やワークの仕様に応じて所望の温度曲線を得ることができる。
また、実施形態のプッシャ装置10では、プッシャ14の往動時間t1、復動時間t2、および次のトレイ8を押すまでの待機時間t3を含めた1サイクルにおいて、往動時間t1が占める割合を50%以上に設定している。このような設定によれば、ワークSの温度変化の割合をより小さくすることができる。
また、実施形態のプッシャ装置10では、プッシャ14の往動時間t1を復動時間t2の20倍以上に設定している。このような設定によれば、ワークSの温度変化の割合をより小さくすることができ、加熱炉やワークの仕様等に応じて所望の温度曲線を得ることができる。
また、実施形態のプッシャ装置10によれば、駆動機構16は、プッシャ14を往動させる第1のギヤ付きモータM1と、プッシャ14を復動させる第2のギヤ付きモータM2と、ギヤ付きモータM1、ギヤ付きモータM2とプッシャ14との接続を切り替えるクラッチ機構30とを備える。このように、減速比の異なるギヤ付きモータM1、M2を2つ設けることで、モータ1つでインバータ制御する場合に比べて、往動速度X1と復動速度X2の差をより大きくする、すなわち往動時間t1と復動時間t2の差をより大きくすることが可能となる。なお、減速比を異ならせた例を説明したが、減速比が等しくても回転速度の異なるモータであればよい。
また、実施形態のプッシャ装置10によれば、第1のモータM1および第2のモータM2はそれぞれギヤ付きモータであり、第1のギヤ付きモータM1のギヤの減速比よりも第2のギヤ付きモータM2のギヤの減速比の方が大きい。このように、ギヤ付きモータM1、M2のギヤの減速比を異ならせることにより、2台のギヤ付きモータM1、M2のモータ部分は同じ仕様のものを使用しながら往動と復動の速度変化を生むことができ、部品の共通化やコストダウンが可能となる。
また、実施形態の連続式加熱炉2は、上述したプッシャ装置10と、複数の加熱ゾーン4を形成する筐体6とを備える。このような構成によれば、プッシャ装置10に関する効果と同様の効果を奏することができる。
以上、上述の実施形態を挙げて本開示の発明を説明したが、本開示の発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態では、ワークSが歯車などの機械部品である場合について説明したが、このような場合に限らず、加熱処理される対象物であれば任意の材料であってもよい。
また上記実施形態では、駆動機構16が図2A、図2Bに示すような構成である場合について説明したが、このような場合に限らない。プッシャ14を前後方向に移動できるものであれば、任意の駆動機構を用いてもよい。
また上記実施形態では、温度や時間の具体値について記載したが、これらの数値は単なる例示であって限定的に解釈されるものではない。
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、各実施形態における要素の組合せや順序の変化は、本開示の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。
本開示は、連続式加熱炉に用いるプッシャ装置および連続式加熱炉であれば適用可能である。
2 連続式加熱炉
4 加熱ゾーン
4A 第1の加熱ゾーン
4B 第2の加熱ゾーン
6 筐体
8、8A トレイ
10 プッシャ装置
12 仕切壁
13 開口
14 プッシャ
14a 後端部
16 駆動機構
18 制御部
20 チェーン
22、24、26 スプロケット
28 中心軸
30 クラッチ機構
A 搬送方向
B1 往動方向
B2 復動方向
M1 第1のモータ(第1のギヤ付きモータ)
M2 第2のモータ(第2のギヤ付きモータ)
R1 順回転方向
R2 逆回転方向
S、S1 ワーク
T1 第1の温度
T2 第2の温度
X1 往動速度
X2 復動速度
t1 往動時間
t2 復動時間
t3 待機時間

Claims (6)

  1. 複数の加熱ゾーンを有する連続式加熱炉に用いるプッシャ装置であって、
    ワークを載置したトレイを押すプッシャと、
    前記プッシャを駆動する駆動機構と、
    前記駆動機構を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記プッシャの往動時間が復動時間よりも長くなるように前記駆動機構を制御する、プッシャ装置。
  2. 前記プッシャの前記往動時間を前記復動時間の20倍以上に設定した、請求項1に記載のプッシャ装置。
  3. 前記駆動機構は、前記プッシャを往動させる第1のモータと、前記プッシャを復動させる第2のモータと、前記第1のモータおよび前記第2のモータと前記プッシャとの接続を切り替えるクラッチ機構とを備える、請求項1又は2に記載のプッシャ装置。
  4. 前記第1のモータおよび前記第2のモータはそれぞれギヤ付きモータであり、前記第1のモータのギヤの減速比よりも前記第2のモータのギヤの減速比の方が大きい、請求項3に記載のプッシャ装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の前記プッシャ装置と、前記複数の加熱ゾーンを形成する筐体と、を備える、連続式加熱炉。
  6. 請求項5に記載の連続式加熱炉において、
    バッチ式加熱炉でワークを加熱したときの昇温前の第1の温度および昇温後の第2の温度を、隣接する第1加熱ゾーンの温度および第2加熱ゾーンの温度としてそれぞれ採用し、第1の温度から第2の温度までのワークの昇温にかかった時間をプッシャの往動時間として採用することを特徴とする方法。
JP2020074325A 2020-04-17 2020-04-17 連続式加熱炉に用いるプッシャ装置およびそれを備える連続式加熱炉 Pending JP2021173419A (ja)

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