JP2012028413A - 連続拡散処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の連続拡散処理装置は、板状の被処理物を搬送する搬送台50と、直線状に延びる筒状の加熱炉1と、搬送台50を一台ずつ加熱炉1内に押し込んで搬入し、先に加熱炉1内に搬入されている搬送台50を列状として加熱炉1内を移動させる搬送装置2と、加熱炉1内の搬入口11から搬出口12までの間を複数の処理ゾーンに区画している複数の第一隔壁部材7とを備えている。搬送装置2は、搬送台50を処理ゾーン単位で間欠的に移動させる。搬送台50は、第一隔壁部材7の開口7cを閉鎖して隣接する処理ゾーン同士の間を仕切る第二隔壁部材54を備えている。
【選択図】 図2
Description
この加熱炉においては、被処理物を投入した後、当該加熱炉内に不純物を含むガスを供給し、加熱炉内を昇温し不純物を被処理物の内部に拡散させる。その後、加熱炉内を降温してから、被処理物を加熱炉から取り出している。
前記コンベアは、セラミックス製の無端チェーンを有しており、この無端チェーンの往路は加熱炉内を通過している。この無端チェーンが回転することにより、被処理物を載せた搬送台は加熱炉内を通過し、当該被処理物の拡散処理が連続的に行われる。
しかし、加熱炉内にコンベアを設置するために、上記チェーンの設置スペースの他に、このチェーンをガイドするレールも必要となり、被処理物の大きさとは関係のない要因によって加熱炉が大きくなり、装置が全体として大型化する。このため、加熱に要する消費エネルギーが増大化する。
また、上記コンベアが備える上記チェーンは炉内を走行するため、コンタミネーションの発生源となるおそれがあり、被処理物の処理品質を低下させるおそれもある。
また、搬送台は、いずれかの処理ゾーンで静止したときに第一の隔壁部材の開口を閉鎖して隣接する処理ゾーン同士の間を仕切る第二の隔壁部材を搬送方向の少なくとも一端側に備えているので、各処理ゾーンごとで異なる処理条件の処理を行ったとしても、適切に各処理ゾーンを隔離できる。この結果、各処理ゾーンの炉内雰囲気を維持でき、品質の高い被処理物を得ることができる。
さらに本発明では、搬送台を一つずつ搬入口から加熱炉内に押し込むことで搬入して加熱炉内の搬送台を移動させるので、上記従来例のようにコンベアといった機械的な要素部品を炉内で走行させる必要がなく、装置の大型化を抑制して加熱に要する消費エネルギーを抑制できるのと同時に、品質低下の原因となるコンタミネーションの発生を抑制することができる。
以上のように、本発明によれば、装置の大型化を抑制することでエネルギーロスを低減しつつ、生産効率の向上と処理品質の向上とを両立させることができる。
この場合、隣接する処理ゾーン同士の間に第一及び第二の隔壁部材の他、所定の隙間を設けることができる。さらに、排気手段によって、所定の隙間内を排気することで、処理ゾーンにおける炉内雰囲気が、隣接する他の処理ゾーンに影響を与えるのを抑制することができる。
この場合、処理ゾーンにおける炉内雰囲気が隣接する他の処理ゾーンに影響を与えるのをより効果的に抑制することができる。
この連続拡散処理装置は、被処理物に対して拡散処理を行うための装置である。例えば、結晶シリコンによる太陽電池セルの製造において、シリコン製のウエハ(被処理物)の表面に、所定の元素からなる不純物を付着させ、この不純物を当該ウエハの内部に拡散させるための装置である。
本体部51は、被処理物Wを、前後方向に直交する姿勢で搭載する。本体部51は、複数本の円柱形状の棒部材によって直方体形状の枠体として組み立てられている。なお、搬送台50を構成している本体部51、車輪部52、及び第二隔壁部材54は、その他の部品を含めた全てが石英ガラス又はセラミックスで形成されている。
炉心管5は、一端部が搬入口11、他端部が搬出口12とされており、内部に複数の搬送台50が搬入される。また炉心管5は、搬入口11から搬出口12まで一体に形成されており、炉内のガスが漏れるのを防いでいる。炉心管5の両端には、搬入口11及び搬出口12それぞれを開閉するための上下方向にスライド可能なシャッタ5aが設けられている。シャッタ5aは、炉内で被処理物Wの処理中のときには両口11,12を閉じて密封する。一方、炉内に搬送台50を搬入出するときには開放する。なお、シャッタ5aに代えて、パージガスによって形成されるガスカーテンによって、加熱炉1内外を遮断してもよい。
後に説明するが、加熱炉1内は、3つの処理ゾーン(第一〜第三処理ゾーン)に区画されており、3つの処理ゾーンの内の、第一処理ゾーンA1と、第二処理ゾーンA2の外周側に、ヒータ30がそれぞれ設けられている。ヒータ30は、例えば筒型のヒータである。断熱材31は、ヒータ30が設けられている処理ゾーンA1,A2の外周側に設置されている。
本実施形態では、2個の隔壁部材7によって、3つの処理ゾーンA1,A2,A3に区画している。従って、加熱炉1内には、各処理ゾーンA1〜A3それぞれに一致して搬送台50が列状に配置される。
第二処理ゾーンA2は、被処理物Wに対して拡散処理を行うためのゾーンである。第二処理ゾーンA2では、その外周側に設けられたヒータ30により、炉内温度が例えば850〜900℃に維持される。第二処理ゾーンA2では、拡散処理を行うための処理ガス(例えば、POCl3)が炉内に供給され、被処理物Wの表面に不純物(P)を拡散させることで拡散処理が行われる。
第三処理ゾーンA3は、拡散処理を終えた被処理物Wを所定の温度まで降温させる降温処理のためのゾーンである。第三処理ゾーンA3では、炉内に窒素ガスが供給される。第三処理ゾーンA3の外周には、ヒータが設けられておらず、炉冷によって、処理を終えた被処理物Wを降温させる。なお、炉冷よりもさらに緩やかに降温させる必要がある場合には、第三処理ゾーンA3の外周側にも一定の低温で炉内を保持するためにヒータを配置してもよい。
ガス給排装置4は、加熱炉1内にガスを供給するガス供給装置41と、加熱炉1内のガスを当該加熱炉1外へ排出するガス排出装置42とを有している。
図2において、ガス供給装置41は、図示しないガス源から供給される所定のガスの流量を調整する流量調整器43と、この流量調整器43に接続され加熱炉1内へと延びている複数の供給パイプ44とを備えている。本実施形態では、流量調整器43は、搬入口11側及び搬出口12側のそれぞれに設けられている。供給パイプ44は、流量調整器43から加熱炉1内の内周上側に前後方向に沿って延びるように配置されている。
従って、上述したように、第一及び第三処理ゾーンA1,A3には、窒素ガスを、第二処理ゾーンA2には、拡散処理を行うための処理ガスをそれぞれ所定の流量に調整して供給することができる。
図2に示しているように、排気構造部45は、加熱炉1内において、前後方向に沿って直線的にかつ連続して配置されている。また、この排気構造部45は、加熱炉1外(図1参照)の搬入口11の外部と搬出口12の外部にも延長されている。このように、排気構造部45は、搬送台50の搬送方向に沿って直線的に配置されており、搬送装置2によって搬送される複数の搬送台50を前後方向に沿って搬入口11から搬出口12へと導くことができる。
また、搬送台50は、側壁45bに摺接するガイドブロック53を有しており、このガイドブロック53によって、搬送台50は排気構造部45に沿って直線的に誘導される。
以上のように、ガスの排出機能を有している排気構造部45を、搬送台50を前後方向に導くガイドとして兼用することができる。
搬送装置2は、搬送台50を一台ずつ搬入口11から炉心管5内に押し込むプッシャー22と、このプッシャー22を前後方向に往復移動させる駆動装置23とを備えている。プッシャー22、及び駆動装置23は、ステージ6上に配置されており、これらは、加熱炉1の搬入口11の前方外側に設置されている。
プッシャー22が搬送台50を一台押し込んで搬入すると、その搬入した搬送台50によって先に炉心管5内に搬入されている搬送台50が搬出口12側へ押し込まれる。これを繰り返すことで、複数の搬送台50は列状に並んで炉心管5内を移動する。
このように、搬送装置2は、搬送台50を一台ずつ加熱炉1内に押し込むことで、搬送台50を各処理ゾーンA1〜A3単位で間欠的に移動させる。
例えば、加熱装置3は、処理ゾーンA1,A2それぞれの炉内温度を検出する温度センサを有しており、制御装置は、これら温度センサの検出結果に基づいて、各ヒータ30を制御し、各処理ゾーンの炉内の温度を個別に調整する。
また、制御装置は、各処理ゾーンA1〜A3における搬送台50の静止時間が、処理時間と一致するように搬送装置2を制御する。
さらに、ガス給排装置4は、各処理ゾーンA1〜A3それぞれの炉内圧力を検出する圧力センサを有しており、制御装置5は、この圧力センサの検出結果に基づいて、流量調整器43,47を制御して、炉内に供給するガスの流量及び炉内から排出するガスの流量の一方又は双方を調整することができる。これにより、各処理ゾーンにおける処理に適した炉内雰囲気に、各ゾーンごとに調整することができる。
このように、制御装置は、加熱炉1における各処理ゾーンA1〜A3の処理温度や雰囲気(ガス流量)、処理時間といった処理条件をゾーン毎に制御することができる。
そこで、拡散処理を行うための第二処理ゾーンA2では、搬送台の通路を、上側及び左右両側から覆うカバー13が設けられている(図2及び図4)。
図4中、カバー13は、前後方向に隣り合う隔壁部材7間に設置される。カバー13の上部及び左右の両側部には、多数の貫通穴15が形成されており、供給パイプ44から噴出された処理ガスは、この貫通穴15を通過し、排出パイプ48から排出される。
図5では、各搬送台50が搬送装置2によって移動された後、各処理ゾーンA1〜A3で静止している状態を示している。
上述したように、搬送台50の前後方向両端には、板状の第二隔壁部材54が設けられている。第二隔壁部材54は、前後方向から正面視したときの形状が、図6に示すように、第一隔壁部材7の開口7cとの間で僅かな隙間を置きつつ当該開口7cに沿う形状に形成されている。これによって、第二隔壁部材54は、開口7cを通過可能に開口7cを閉鎖することができる。つまり、第二隔壁部材54は、搬送台50が各処理ゾーンA1〜A3で静止したときに第一隔壁部材7の開口7cを閉鎖して隣接する処理ゾーン同士の間を仕切ることができる。
これにより、各処理ゾーンごとで異なる処理条件の処理を行ったとしても、適切に各処理ゾーンを隔離できる。この結果、各処理ゾーンの炉内雰囲気を維持でき、品質の高い被処理物を得ることができる。
このスペーサ55は、前方に並ぶ搬送台50の第二隔壁部材54に当接している。従って、加熱炉1内の各搬送台50は、プッシャー22によって新たな搬送台50が搬入口11から加熱炉1内に押し込まれたときに列状に移動する。
スペーサ55は、互いに隣接する搬送台50それぞれの第二隔壁部材54の間に介在することで、これら両第二隔壁部材54の間に所定間隔の隙間56を設けている。これにより、互いに隣接する処理ゾーンの間に、二つの第二隔壁部材54の他、隙間56を介在させることができるので、より適切に各処理ゾーンを隔離することができる。
なお、搬送台50及びスペーサ55は、加熱炉1内の各搬送台50が静止しているときに、隙間56が第一隔壁部材7の位置にほぼ一致するように、その前後方向の長さ寸法が設定されている。
この排気口45fも、各処理ゾーンA1〜A3のガスを排出するために設けられている貫通孔45cと同様、排出パイプ48を介して前記排出器によって、隙間56内のガスを吸引し、加熱炉1の外部に排出する。また、流量調整器47によって、各処理ゾーンA1〜A3と独立して排気流量を調整することができる。
さらに本発明では、搬送台50を一つずつ搬入口11から加熱炉1内に押し込むことで搬入して加熱炉1内の搬送台50を移動させるので、上記従来例のようにコンベアといった機械的な要素部品を炉内で走行させる必要がなく、装置の大型化を抑制して加熱に要する消費エネルギーを抑制できるのと同時に、品質低下の原因となるコンタミネーションの発生を抑制することができる。
上記実施形態と、本実施形態との相違点は、隣接する処理ゾーンの間それぞれに二つの第一隔壁部材7を設けた点、及び、隙間56に供給パイプを介してパージガスを供給するように構成されている点である。
供給パイプ44aからは、パージガスとして窒素ガスが所定の流量で供給される。供給されるパージガスは、炉心管5の内周下側に設けられている隙間56内を排気するための排気口45fによって炉外に排気される。
これによって隙間56内にはガスカーテンが形成され、処理ゾーンにおける炉内ガスが隣接する他の処理ゾーンに漏洩するのをより効果的に抑制することができる。
Claims (4)
- 板状の被処理物に対して拡散処理を行う連続拡散処理装置であって、
複数の前記被処理物を搭載して搬送する搬送台と、
前記搬送台を搬入する搬入口から当該搬送台を搬出する搬出口まで直線状に延びるとともに内部で拡散処理を行う筒状の加熱炉と、
前記搬送台を一つずつ前記搬入口から前記加熱炉内に押し込むことで搬入し、当該搬入した搬送台によって先に前記加熱炉内に搬入されている搬送台を前記搬出口側へ押し込み、複数の前記搬送台を列状として前記加熱炉内を移動させる移動装置と、
前記加熱炉内に設けられるとともに、前記搬送台が通過可能な開口が形成され、前記搬入口から前記搬出口までの間を、前記搬送台の移動方向に沿う長さ寸法とほぼ同一寸法に設定された複数の処理ゾーンに区画している複数の第一の隔壁部材と、を備え、
前記移動装置は、前記搬送台を一台ずつ前記加熱炉内に押し込むことで列状に並ぶ各搬送台を前記処理ゾーン単位で間欠的に移動させるものであり、
前記搬送台は、前記処理ゾーンで静止したときに前記複数の第一の隔壁部材の開口を閉鎖して隣接する処理ゾーン同士の間を仕切る第二の隔壁部材を、搬送方向の少なくとも一端側に備えていることを特徴とする連続拡散処理装置。 - 前記第二の隔壁部材は、前記搬送台の両端に設けられている請求項1に記載の連続拡散処理装置。
- 前記搬送台には、自己の第二の隔壁部材と、当該搬送台に隣接する他の搬送台の第二の隔壁部材との間で、所定の隙間を設けるためのスペーサが設けられ、
隣接する処理ゾーン同士の間に設けられ、前記所定の隙間内を排気する排気手段をさらに備えている請求項2に記載の連続拡散処理装置。 - 隣接する処理ゾーン同士の間に設けられ、前記所定の隙間にパージガスを供給する供給手段をさらに備えている請求項3に記載の連続拡散処理装置。
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