JP2020030070A - 超音波探傷方法及び探傷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】送信側探触子及び受信側探触子の配置に制約がある場合であっても探傷対象物の内部の亀裂を検出することができるTOFD法による超音波探傷方法を提供する。【解決手段】少なくとも一実施形態に係る超音波探傷方法は、30度以上45度以下の固定された屈折角度で縦波の超音波が探傷対象物内を伝搬するように構成された送信側探触子と、前記送信側探触子からの超音波を受信する受信側探触子とを、前記探傷対象部材に形成された溝の延在方向に沿って配置するステップと、前記溝の延在方向に沿って配置した前記送信側探触子及び前記受信側探触子によってTOFD法による超音波探傷を実施するステップと、を備える。【選択図】図15

Description

本開示は、超音波探傷方法及び探傷装置に関する。
探傷対象物の表面に配置した送信側探触子と受信側探触子とによってTOFD法による超音波探傷を行うことで、探傷対象物の内部の亀裂を検出することができる。TOFD法による超音波探傷では、探傷対象物の内部の亀裂の先端からの回折波を受信して、亀裂の位置を測定することができる(特許文献1参照)。
特許文献1には、TOFD法による超音波探傷では、探傷対象物内における超音波の入射角度(屈折角度)が一般的には45度から55度に設定されることが開示されている。
なお、TOFD法による超音波探傷では、屈折角度を60度に設定することも多い。
特開2001−228128号公報
TOFD法による超音波探傷では、探傷対象物の内部の亀裂の先端からの回折波を検出するため、送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向と亀裂の延在方向とが一致していると、亀裂の先端からの回折波が得られ難くなって、亀裂の検出が困難であると考えられていた。そのため、TOFD法による超音波探傷では、送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向と亀裂の延在方向とが交差するように送信側探触子及び受信側探触子を配置して探傷を行うようにしていた。しかし、探傷対象物によっては、他の部材と干渉する等の理由により、送信側探触子及び受信側探触子の配置に制約を受ける場合がある。
そこで、発明者らが鋭意検討した結果、TOFD法による超音波探傷において、送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向と亀裂の延在方向とが一致している場合であっても、亀裂を検出できることを見出した。但し、送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向と亀裂の延在方向とが一致している場合には、亀裂の検出に適した、探傷対象物内における超音波の入射角度が、従来のTOFD法において適しているとされる入射角度(45度から55度)とは異なっていることを発明者らは見出した。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、送信側探触子及び受信側探触子の配置に制約がある場合であっても探傷対象物の内部の亀裂を検出することができるTOFD法による超音波探傷方法及び探傷装置を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る超音波探傷方法は、
30度以上45度以下の固定された屈折角度で縦波の超音波が探傷対象物内を伝搬するように構成された送信側探触子と、前記送信側探触子からの超音波を受信する受信側探触子とを、前記探傷対象部材に形成された溝の延在方向に沿って配置するステップと、
前記溝の延在方向に沿って配置した前記送信側探触子及び前記受信側探触子によってTOFD法による超音波探傷を実施するステップと、
を備える。
上述したように、発明者らが鋭意検討した結果、TOFD法による超音波探傷において、送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向と亀裂の延在方向とが一致している場合であっても、亀裂を検出できることを見出した。また、発明者らが鋭意検討した結果、送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向と亀裂の延在方向とが一致している場合には、亀裂の検出に適した、探傷対象物内における超音波の入射角度、すなわち屈折角度が、30度以上45度以下であることを見出した。
その点、上記(1)の方法では、30度以上45度以下の固定された屈折角度で縦波の超音波が探傷対象物内を伝搬するように構成された送信側探触子と、受信側探触子とを、探傷対象部材の溝の延在方向に沿って配置して、TOFD法による超音波探傷を実施する。これにより、送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向に延在する亀裂、すなわち、探傷対象部材の溝の延在方向と同じ方向に延在する亀裂を検出することができる。したがって、探触子の配置に制約があって溝の延在方向と交差する方向に沿って送信側探触子と受信側探触子とを配置できない場合であっても、溝の延在方向と同じ方向に延在する亀裂をTOFD法による超音波探傷によって検出することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の方法において、前記送信側探触子と前記受信側探触子とを前記溝の延在方向に沿って配置するステップでは、30度以上40度以下の固定された前記屈折角度で縦波の超音波が前記探傷対象物内を伝搬するように構成された前記送信側探触子と、前記受信側探触子とを、前記探傷対象部材に形成された溝の延在方向に沿って配置する。
発明者らが鋭意検討した結果、送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向と亀裂の延在方向とが一致している場合には、より適した屈折角度が30度以上40度以下であることを見出した。
その点、上記(2)の方法では、30度以上40度以下の固定された屈折角度で縦波の超音波が探傷対象物内を伝搬するように構成された送信側探触子を用いるので、探傷対象部材の溝の延在方向と同じ方向に延在する亀裂の検出により適した超音波探傷方法となる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の方法において、前記TOFD法による超音波探傷を実施するステップでは、前記送信側探触子と前記受信側探触子とが並ぶ方向に沿って延在する亀裂を検出する。
上述したように、上記(1)又は(2)の方法は、送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向に延在する亀裂を検出に適している。したがって、上記(3)の方法によれば、送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向に延在する亀裂、すなわち、探傷対象部材の溝の延在方向と同じ方向に延在する亀裂をTOFD法による超音波探傷によって検出できる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの方法において、
前記送信側探触子は、ウェッジ部材を有し、
前記TOFD法による超音波探傷を実施するステップでは、前記送信側探触子と前記受信側探触子とが並ぶ方向に沿って延在するとともに、前記ウェッジ部材における前記探傷対象部材に対向する面と直交する方向に延在する面状の亀裂を検出する。
発明者らが鋭意検討した結果、送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向に沿って延在するとともに、ウェッジ部材における探傷対象部材に対向する面と直交する方向に延在する面状の亀裂を検出できることを見出した。
したがって、上記(4)の方法によって、送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向に沿って延在するとともに、ウェッジ部材における探傷対象部材に対向する面と直交する方向に延在する面状の亀裂を検出できる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの方法において、TOFD法による超音波探傷を実施するステップでは、前記溝の延在方向に沿って配置した前記送信側探触子及び前記受信側探触子を前記溝の延在方向に沿って移動させながらTOFD法による超音波探傷を実施する。
上記(5)の方法によれば、送信側探触子及び受信側探触子を溝の延在方向に沿って移動させることで、溝の延在方向に沿って走査でき、溝の近傍に発生する可能性が高い亀裂を効率的に検出できる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(5)の方法において、
TOFD法による超音波探傷を実施するステップの実施に先立って、前記溝の延在方向と直交する方向における前記送信側探触子及び前記受信側探触子の位置を調節するステップ
をさらに備える。
溝の延在方向と同じ方向に延在する亀裂の位置と、送信側探触子及び受信側探触子との位置が溝の延在方向と直交する方向にずれていると、ずれ量が大きくなるほど亀裂を検出し難しくなる。
その点、上記(6)の方法では、亀裂の位置に関して、例えば予備的な探傷によって、溝の延在方向と直交する方向におけるおおよその位置を把握した後、その位置に合わせて溝と送信側探触子及び受信側探触子との距離を調節できる。そして、溝と送信側探触子及び受信側探触子との距離を調節した後、送信側探触子及び受信側探触子を溝の延在方向に沿って移動させながら超音波探傷を行うことで、溝の近傍に発生する可能性が高い亀裂の検出精度を向上できる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れかの方法において、
前記探傷対象物は、タービンのロータディスクであり、
前記溝は、前記ロータディスクの翼溝であり、前記ロータディスクの周方向に延在し、
前記ロータディスクは、前記ロータディスクの回転軸と平行な方向を向くディスク面を有し、
前記送信側探触子と前記受信側探触子とを前記溝の延在方向に沿って配置するステップでは、前記送信側探触子と前記受信側探触子とを前記翼溝の延在方向に沿って前記ディスク面に配置する。
ガスタービンや蒸気タービン等のタービンでは、タービンのロータディスクに形成された翼溝に、タービン翼の翼根部が挿入された状態で、タービン翼がロータディスクに固定されている。
例えば蒸気タービンでは、高い温度条件で運転されるために、長時間使用されると、応力を受ける部位に応力腐食割れ等による亀裂が発生することがある。この亀裂は、翼溝の近傍において翼溝の延在方向に沿って発生することが多い。そのため、従来のTOFD法による超音波探傷では、翼溝の延在方向と直交する方向に沿って送信側探触子と受信側探触子とを配置して、翼溝の延在方向に沿って発生することが多い亀裂を検出するようにしていた。
しかし、ロータディスクは、ロータの回転軸の延在方向に沿って複数配置されるため、例えばロータディスク間の距離が短い場合には、探触子と隣接するロータディスクとが干渉する等の理由により、翼溝の延在方向と交差する方向に沿って送信側探触子と受信側探触子とを配置することが難しい場合があった。
その点、上記(7)の方法によれば、送信側探触子と受信側探触子とを翼溝の延在方向に沿ってディスク面に配置するので、翼溝の延在方向と交差する方向に沿って送信側探触子と受信側探触子とを配置することが難しい場合であっても、送信側探触子と受信側探触子とをディスク面に配置できる。また、上記(7)の方法では、送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向に延在する亀裂を検出できるので、翼溝の延在方向と同じ方向に延在する亀裂を検出することができる。したがって、探触子の配置に制約があって翼溝の延在方向と交差する方向に沿って送信側探触子と受信側探触子とを配置できない場合であっても、翼溝の延在方向と同じ方向に延在する亀裂をTOFD法による超音波探傷によって検出することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れかの方法において、
前記探傷対象物は、タービンのロータディスクであり、
前記溝は、前記ロータディスクの翼溝であり、前記ロータディスクの周方向に延在し、
前記ロータディスクは、前記ロータディスクの回転軸と平行な方向を向くディスク面と、前記ディスク面よりも径方向外側に形成された円錐面とを有し、
前記送信側探触子と前記受信側探触子とを前記溝の延在方向に沿って配置するステップでは、前記送信側探触子と前記受信側探触子とを前記翼溝の延在方向に沿って前記円錐面に配置する。
上記(8)の方法によれば、送信側探触子と受信側探触子とを翼溝の延在方向に沿って上記円錐面に配置するので、上述したように翼溝の延在方向と交差する方向に沿って送信側探触子と受信側探触子とを配置することが難しい場合であっても、送信側探触子と受信側探触子とを上記円錐面に配置できる。また、上記(8)の方法では、送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向に延在する亀裂を検出できるので、翼溝の延在方向と同じ方向に延在する亀裂を検出することができる。したがって、探触子の配置に制約があって翼溝の延在方向と交差する方向に沿って送信側探触子と受信側探触子とを配置できない場合であっても、翼溝の延在方向と同じ方向に延在する亀裂をTOFD法による超音波探傷によって検出することができる。
(9)本発明の少なくとも一実施形態に係る探傷装置は、
送信側超音波トランスデューサ、及び、30度以上45度以下の固定された屈折角度で縦波の超音波が探傷対象物内を伝搬するように構成された送信側ウェッジ部材を有する送信側探触子と、
受信側超音波トランスデューサ、及び、受信側ウェッジ部材を有する受信側探触子と、
前記送信側探触子と前記受信側探触子とを対向させて保持する保持部と、
前記送信側探触子と前記受信側探触子とを用いてTOFD法による超音波探傷を行うための制御装置と、
を備える。
上述したように、発明者らが鋭意検討した結果、TOFD法による超音波探傷において、送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向と亀裂の延在方向とが一致している場合であっても、亀裂を検出できることを見出した。また、発明者らが鋭意検討した結果、送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向と亀裂の延在方向とが一致している場合には、亀裂の検出に適した屈折角度が、30度以上45度以下であることを見出した。
その点、上記(9)の構成では、30度以上45度以下の固定された屈折角度で縦波の超音波が探傷対象物内を伝搬するように構成された送信側ウェッジ部材を有する送信側探触子と、受信側探触子とを対向させてTOFD法による超音波探傷を行うことができる。これにより、送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向に延在する亀裂を検出することができる。したがって、探触子の配置に制約があって送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向、すなわち保持部の向きが制限され、送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向と亀裂の延在方向とが同じになる場合であっても、TOFD法による超音波探傷によって亀裂を検出することができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(9)の構成において、
少なくとも2つのガイドローラと、
前記ガイドローラを回転自在に保持し、且つ、前記送信側探触子と前記受信側探触子とが前記ガイドローラによる案内方向に沿って配置されるように前記保持部が取り付けられる本体フレームと、
をさらに備える。
上記(10)の構成によれば、探傷対象物に対して送信側探触子及び受信側探触子をガイドローラで案内させながら超音波探傷を行うことで、ガイドローラによる案内方向に走査できる。これにより、ガイドローラによる案内方向と交差する方向に延在する亀裂だけでなく、該案内方向に沿って延在する亀裂を効率的に検出できる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(10)の構成において、前記本体フレームにおける前記保持部の前記案内方向と交差する方向の位置を調節するための調節部、をさらに備える。
上記(11)の構成によれば、例えば探傷対象物の形状に起因して、探傷対象物の表面でガイドローラが移動可能な範囲に制約がある場合であっても、調節部によってガイドローラと保持部との距離を調節することで、ガイドローラによって送信側探触子及び受信側探触子を案内する範囲を調節できる。
(12)幾つかの実施形態では、上記(10)又は(11)の構成において、前記送信側探触子と前記受信側探触子とが並ぶ方向が前記案内方向と同じ方向になるように前記保持部が前記本体フレームに取り付けられる第1姿勢、及び、前記送信側探触子と前記受信側探触子とが並ぶ方向が前記案内方向と直交する方向になるように前記保持部が前記本体フレームに取り付けられる第2姿勢、の少なくとも2つの姿勢に前記保持部の姿勢を変更することができる姿勢変更部をさらに備える。
例えば、狭隘な場所で探傷を行う場合に、第1姿勢及び第2姿勢の何れか一方の姿勢では、例えば超音波トランスデューサのケーブルが周囲と干渉して探傷し難くなるが、他方の姿勢では該ケーブルと周囲との干渉を回避でき探傷し易くなる等、姿勢の変更によって探傷のし易さが変わることがある。
その点、上記(12)の構成によれば、保持部の姿勢を少なくとも第1姿勢と第2姿勢とに変更できるので、例えば狭隘な場所であっても効率的に探傷を行うことができる。
(13)幾つかの実施形態では、上記(9)乃至(12)の何れかの構成において、
前記送信側超音波トランスデューサ及び前記受信側超音波トランスデューサのそれぞれは、柱形状の筐体を有し、前記筐体の側面から径方向外側に向かって突出するケーブルを備え、
前記送信側超音波トランスデューサは、前記送信側探触子及び前記受信側探触子の平面視において、前記送信側超音波トランスデューサの前記ケーブルと前記受信側超音波トランスデューサの前記筐体の側面との距離が当該筐体の太さの2倍以内となるように前記送信側ウェッジ部材に取り付けられ、
前記受信側超音波トランスデューサは、前記平面視において、前記受信側超音波トランスデューサの前記ケーブルと前記送信側超音波トランスデューサの前記筐体の側面との距離が当該筐体の太さの2倍以内となるように、且つ、前記平面視において、当該ケーブルと前記送信側超音波トランスデューサの前記ケーブルとが重ならないように前記受信側ウェッジ部材に取り付けられる。
超音波トランスデューサのケーブルを曲げる場合、断線などの不具合を避けるため、ある程度以上の曲率半径を確保する必要がある。そのため、例えば狭隘な場所で探傷する場合、ケーブルが周囲と干渉するおそれがある。
例えば、送信側超音波トランスデューサのケーブルを送信側超音波トランスデューサから見て受信側超音波トランスデューサが存在する方向とは反対の方向に向かって突出させ、同様に、受信側超音波トランスデューサのケーブルを受信側超音波トランスデューサから見て送信側超音波トランスデューサが存在する方向とは反対の方向に向かって突出させる場合を考える。この場合、2つのケーブルは、平面視において、送信側超音波トランスデューサと受信側超音波トランスデューサとの中間位置から離れた位置にある送信側超音波トランスデューサ及び受信側超音波トランスデューサから、該中間位置から離れる方向に向かってそれぞれ突出することとなる。
これに対し、上記(13)の構成では、上記平面視において、2つのケーブルが互いに相手側の超音波トランスデューサの筐体の側面の近傍を通るように配置される。この場合、2つのケーブルは、平面視において、送信側超音波トランスデューサと受信側超音波トランスデューサとの中間位置から離れた位置にある送信側超音波トランスデューサ及び受信側超音波トランスデューサから、該中間位置に近づく方向に向かってそれぞれ突出することとなる。そのため、ケーブルをある曲率半径で曲げたときに平面視において、2つのケーブルが送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向に沿って張り出す距離を、上述したような、2つのケーブルが互いに相手側の超音波トランスデューサから離れる方向に向かって突出する場合と比べて短くすることができる。
そのため、上述したような、2つのケーブルが互いに相手側の超音波トランスデューサから離れる方向に向かって突出する場合と比べて、ケーブルが周囲と干渉し難くなる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、送信側探触子及び受信側探触子の配置に制約がある場合であっても探傷対象物の内部の亀裂を検出することができる。
幾つかの実施形態に係る探傷装置の模式的な平面図である。 幾つかの実施形態に係る探傷装置の模式的な側面図である。 幾つかの実施形態に係る探傷装置における送信側探触子及び受信側探触子の配置を説明するための模式的な平面図である。 幾つかの実施形態に係る探傷装置における送信側探触子及び受信側探触子の配置を説明するための模式的な側面図である。 幾つかの実施形態に係る探傷装置における送信側探触子及び受信側探触子の配置を説明するための模式的な側面図である。 幾つかの実施形態に係る探傷装置の機能ブロック図である。 第2姿勢について説明するための図である。 第3姿勢について説明するための図である。 図1とは幅方向の異なる位置に保持部を移動させた状態にある探傷装置の模式的な平面図である。 ロータディスクの外周部分近傍をロータディスクの周方向から見た断面図である。 ロータディスクの外周部分近傍をロータディスクの周方向から見た断面図である。 ロータディスクの外周部分近傍をロータディスクの周方向から見た断面図である。 ロータディスクの径方向に沿って送信側探触子と受信側探触子とを配置して超音波探傷を行う場合の例を模式的に示す図である。 ケーブルの取り回しについて説明するための模式的な平面図であり、(a)は、ケーブルを互いに相手側の超音波トランスデューサとは反対の方向に向かって突出させた場合の例であり、(b)は、幾つかの実施形態におけるケーブルの取り回しの状態を示す図である。 幾つかの実施形態に係る超音波探傷方法における処理の手順を示すフローチャートである。 円錐面を有するロータディスクの外周部分近傍をロータディスクの周方向から見た断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、幾つかの実施形態に係る探傷装置の模式的な平面図である。図2は、幾つかの実施形態に係る探傷装置の模式的な側面図である。図3は、幾つかの実施形態に係る探傷装置における送信側探触子及び受信側探触子の配置を説明するための模式的な平面図である。図4は、幾つかの実施形態に係る探傷装置における送信側探触子及び受信側探触子の配置を説明するための模式的な側面図である。図5は、幾つかの実施形態に係る探傷装置における送信側探触子及び受信側探触子の配置を説明するための模式的な側面図であり、送信側探触子から受信側探触子に向かう方向に沿って見た図である。なお、図5は、図4における送信側探触子、受信側探触子、及び探傷対象物(ロータディスク)の内部の亀裂を送信側探触子から受信側探触子に向かう方向に沿って見た図である。図6は、幾つかの実施形態に係る探傷装置の機能ブロック図である。
図1〜図6に示す幾つかの実施形態に係る探傷装置100は、TOFD法による超音波探傷を行うための装置であり、探傷対象物の内部の亀裂を検出できる。幾つかの実施形態に係る探傷装置100は、例えば、ガスタービンや蒸気タービン等のタービンにおけるタービンロータのロータディスク1に発生する亀裂の検出に用いることができる。図1では、ロータディスク1の不図示の回転軸と平行な方向を向くディスク面2に探傷装置100を配置した状態を示している。
幾つかの実施形態に係る探傷装置100は、送信側探触子110と、受信側探触子120と、保持部140と、制御装置102とを備える。また、幾つかの実施形態に係る探傷装置100は、本体フレーム150と、ガイドローラ180と、ロータリエンコーダ131とを備える。
説明の便宜上、後述する送信側ウェッジ部材112及び受信側ウェッジ部材122における探傷対象物に対向する面112a,122aと直交する方向を上下方向とし、当該面112a,122aが向く方向を下方とする。なお、当該面112a,122aを下面112a,122aとも呼ぶ。また、後述するガイドローラ180による案内方向と同じ方向を案内方向と呼ぶ。また、ガイドローラ180の回転軸の延在方向と同じ方向を幅方向と呼ぶこともある。
送信側探触子110は、送信側超音波トランスデューサ111、及び、30度以上45度以下の固定された屈折角度θで縦波の超音波115が探傷対象物内を伝搬するように構成された送信側ウェッジ部材112を有する(図4参照)。なお、屈折角度θは、探傷対象物(例えばロータディスク1)における送信側ウェッジ部材112と対向する表面と直交する方向(すなわち上述した上下方向)と、探傷対象物内における超音波115の進行方向との角度差である。
受信側探触子120は、ラテラル波や底面反射波、亀裂20からの超音波125を受信するための受信側超音波トランスデューサ121、及び、受信側ウェッジ部材122を有する。
送信側超音波トランスデューサ111、及び、受信側超音波トランスデューサ121は、一振動子型トランスデューサである。すなわち、送信側探触子110及び受信側探触子120は、いわゆる固定角探触子である。
送信側超音波トランスデューサ111は、円柱形状の筐体111aを有し、筐体111aの側面から径方向外側に向かって突出するケーブル113を備える。ケーブル113の一端は、コネクタ114を介して送信側超音波トランスデューサ111の側面に取り付けられている。ケーブル113の他端は、制御装置102に接続されている。
同様に、受信側超音波トランスデューサ121は、円柱形状の筐体121aを有し、筐体121aの側面から径方向外側に向かって突出するケーブル123を備える。ケーブル123の一端は、コネクタ124を介して受信側超音波トランスデューサ121の側面に取り付けられている。ケーブル123の他端は、制御装置102に接続されている。
保持部140は、送信側探触子110と受信側探触子120とを対向させて保持する保持部材である。なお、図示はしていないが、送信側探触子110と受信側探触子120との離間距離を調節できるように保持部140を構成してもよい。
保持部140は、送信側探触子110及び受信側探触子120の上方で上下方向に延在する軸部141を有する。
本体フレーム150には、後述する調節部160及び姿勢変更部170を介して保持部140が取り付けられる。また、幾つかの実施形態では、本体フレーム150は、4つのガイドローラ180を回転自在に保持する。なお、図示はしていないが、ガイドローラ180は、本体フレーム150に転舵可能に取り付けられていてもよい。
ガイドローラ180は、磁力による吸着力で探傷対象物に吸着するように構成されている。
なお、例えば図1に示した実施形態では、4つのガイドローラ180のトレッドTを本体フレーム150の幅方向の大きさよりも小さくしているが、4つのガイドローラ180のトレッドTを本体フレーム150の幅方向の大きさと同じか、本体フレーム150の幅方向の大きさよりも大きくしてもよい。また、例えば図1に示した実施形態では、4つのガイドローラ180のホイールベースW/Bを本体フレーム150の案内方向の大きさよりも大きくしているが、4つのガイドローラ180のホイールベースW/Bを本体フレーム150の案内方向の大きさと同じか、本体フレーム150の案内方向の大きさよりも小さくしてもよい。
ガイドローラ180の一つは、当該ガイドローラ180の回転角度がロータリエンコーダ131で検出されるように構成されている。なお、ガイドローラ180によって探傷装置100が探傷対象物上で案内されたときに、上述した4つのガイドローラ以外のローラを探傷対象物上で転動するように構成し、当該ローラの回転角度をロータリエンコーダ131で検出するようにしてもよい。ロータリエンコーダ131の検出信号は、制御装置102に出力される。なお、制御装置102は、ロータリエンコーダ131の検出信号に基づいて、探傷装置100の移動距離を算出する。
調節部160は、本体フレーム150における保持部140の幅方向の位置を調節するための調節機構である。調節部160は、調整ネジ部161と、腕部163とを有する。
調整ネジ部161は、幅方向に延在する雄ねじであり、本体フレーム150の調整ネジ支持部152に回転可能に支持されている。調整ネジ部161の一端には、調整ネジ部161を回転させるためのツマミ162が取り付けられている。
腕部163は、ガイドローラ180による案内方向と同じ方向に延在する部材であり、一端には調整ネジ部161と結合される雌ねじ部164が形成され、他端には保持部140の軸部141を保持する軸保持部165が形成されている。
軸保持部165は、幅方向から軸部141の側面を挟持可能な一対の挟持部165a,165bと、挟持部165a,165bの間隔を調節するボルト166と含む。ボルト166は、一方の挟持部165aに形成された不図示の貫通孔を貫通して、他方の挟持部165bに形成された不図示の雌ねじ部に結合されている。
ボルト166が締め込まれると、一対の挟持部165a,165bの間隔が狭まって、軸部141が軸保持部165に固定される。ボルト166が緩められると、一対の挟持部165a,165bの間隔が広がって、軸部141が軸保持部165に対して回動可能となる。
制御装置102は、送信側探触子110と受信側探触子120とを用いてTOFD法による超音波探傷を行うための制御装置である。制御装置102は、送信側超音波トランスデューサ111から超音波を発するように送信側超音波トランスデューサ111を制御する。また、制御装置102は、受信側超音波トランスデューサ121で受信した超音波の波形を不図示の記憶部に記憶させる。制御装置102は、受信側超音波トランスデューサ121で受信した超音波の波形に基づいて、探傷対象物の内部の亀裂を映像化する。
このように構成される幾つかの実施形態に係る探傷装置100では、図1,2に示すように、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向(図示左右方向)がガイドローラ180による案内方向とが同じ方向になるように保持部140が本体フレーム150に取り付けられる第1姿勢をとることができる。
また、幾つかの実施形態に係る探傷装置100では、軸部141が軸保持部165に対して回動させることで、図7に示すように、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向(図示上下方向)がガイドローラ180による案内方向と直交する方向になるように保持部140が本体フレーム150に取り付けられる第2姿勢をとることができる。図7は、第2姿勢について説明するための図である。
さらに、幾つかの実施形態に係る探傷装置100では、軸部141が軸保持部165に対して回動させることで、図8に示すように、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向がガイドローラ180による案内方向や幅方向と交差する方向になるように保持部140が本体フレーム150に取り付けられる第3姿勢をとることができる。図8は、第3姿勢について説明するための図である。なお、図8では、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向がガイドローラ180による案内方向に対して45度傾いている例を示している。
すなわち、幾つかの実施形態に係る探傷装置100では、保持部140の姿勢を変更可能とする姿勢変更部170を備える。具体的には、姿勢変更部170は、軸部141と軸保持部165とを含む。
幾つかの実施形態に係る探傷装置100では、保持部140の姿勢を上述した第1姿勢、第2姿勢及び第3姿勢の何れかの姿勢とした状態で、ガイドローラ180によって案内させながら探傷対象物の内部を探傷できる。
また、幾つかの実施形態に係る探傷装置100では、図1や図9に示すように、調節部160によって、本体フレーム150における保持部140の幅方向の位置を調節することができる。なお、図9は、図1とは幅方向の異なる位置に保持部140を移動させた状態にある探傷装置の模式的な平面図である。
具体的には、ツマミ162を回動させることで調整ネジ部161が回動されると、調整ネジ部161と結合される雌ねじ部164を有する腕部163が、幅方向に移動する。これにより、腕部163の軸保持部165で保持された軸部141、すなわち保持部140が、本体フレーム150に対して幅方向に移動する。
このように構成される、幾つかの実施形態に係る探傷装置100では、例えば、ロータディスク1のディスク面2に探傷装置100を配置して、探傷装置100をロータディスク1の周方向に沿って移動させながらロータディスク1の内部をTOFD法による超音波探傷を行うことができる。
ガスタービンや蒸気タービン等のタービンでは、タービンのロータディスク1に形成された翼溝に、タービン翼の翼根部が挿入された状態で、タービン翼がロータディスク1に固定されている。
例えば蒸気タービンでは、高い温度条件で運転されるために、長時間使用されると、応力を受ける部位に応力腐食割れ等による亀裂が発生することがある。この亀裂は、翼溝の近傍において翼溝の延在方向に沿って発生することが多い。
例えば、図1や図10〜12に示すように、ロータディスク1にTルート型の翼溝5がロータディスク1の周方向に沿って形成されている場合、図10において破線の円Aで囲まれた、翼溝5の径方向外側の隅の部分に亀裂20が生じやすい。なお、図10〜12は、ロータディスク1の外周部分近傍をロータディスク1の周方向から見た断面図である。図10〜12では、探傷装置100のうち、送信側探触子110と受信側探触子120と図示し、他の構成要素の図示を省略している。図10では、翼溝5の内周面からタービンの不図示の回転軸の方向(以下、軸方向とも呼ぶ)に向かって亀裂20が発生した場合の例を示している。図11では、翼溝5の内周面からロータディスク1の径方向外側に傾斜した状態で軸方向に向かって亀裂20が発生した場合の例を示している。図12では、翼溝5の内周面からロータディスク1の径方向外側に向かって亀裂20が発生した場合の例を示している。
これらの亀裂20は、翼溝5の延在方向、すなわちロータディスク1の周方向に沿って発生することが多い。そのため、従来のTOFD法による超音波探傷では、図13に示すように、翼溝5の延在方向と直交する方向に沿って送信側探触子110と受信側探触子120とを配置して、翼溝5の延在方向に沿って発生することが多い亀裂20を検出するようにしていた。なお、図13は、ロータディスク1の径方向に沿って送信側探触子110と受信側探触子120とを配置して超音波探傷を行う場合の例を模式的に示す図である。
TOFD法による超音波探傷では、探傷対象物の内部の亀裂20の先端からの回折波を検出するため、図4や図10〜12に示すように、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向と亀裂20の延在方向とが一致していると、亀裂20の先端からの回折波が得られ難くなって、亀裂20の検出が困難であると考えられていた。そのため、TOFD法による超音波探傷では、図13に示すように、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向と亀裂20の延在方向とが交差するように送信側探触子110及び受信側探触子120を配置して探傷を行うようにしていた。
しかし、探傷対象物によっては、他の部材と干渉する等の理由により、送信側探触子110及び受信側探触子120の配置に制約を受ける場合がある。
例えばタービンでは、ロータディスク1は、ロータの回転軸の延在方向に沿って複数配置されるため、例えば隣り合うロータディスク1間の距離が短い場合には、探触子110,120と隣接するロータディスク1とが干渉する等の理由により、翼溝5の延在方向と交差する方向に沿って送信側探触子110と受信側探触子120とを配置することが難しい場合があった。
そこで、発明者らが鋭意検討した結果、TOFD法による超音波探傷において、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向と亀裂20の延在方向とが一致している場合であっても、亀裂20を検出できることを見出した。但し、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向と亀裂20の延在方向とが一致している場合には、亀裂20の検出に適した、探傷対象物内における超音波の入射角度、すなわち屈折角度が、従来のTOFD法において適しているとされる屈折角度(45度から55度)とは異なっていることを発明者らは見出した。具体的には、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向と亀裂20の延在方向とが一致している場合には、亀裂20の検出に適した屈折角度θが、30度以上45度以下であることを発明者らは見出した。
また、発明者らは、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向と亀裂20の延在方向とが一致している場合には、亀裂20の検出により適した屈折角度θが、30度以上40度以下であることを見出した。
その点、上述した幾つかの実施形態に係る探傷装置100では、30度以上45度以下の固定された屈折角度θで縦波の超音波115が探傷対象物内を伝搬するように構成された送信側ウェッジ部材112を有する送信側探触子110と、受信側探触子120とを対向させてTOFD法による超音波探傷を行うことができる。これにより、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向に延在する亀裂20を検出することができる。したがって、探触子110,120の配置に制約があって送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向、すなわち保持部140の向きが制限され、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向と亀裂20の延在方向とが同じになる場合であっても、TOFD法による超音波探傷によって亀裂20を検出することができる。
また、上述した幾つかの実施形態に係る探傷装置100では、図11及び図12に示すように、亀裂20が面状の亀裂であって、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向に延在するとともに、上下方向、すなわちウェッジ部材112,122の下面112a,122aと直交する方向(図11,12における軸方向)、とは異なる方向に延在している場合に、当該亀裂20を検出できるだけではない。上述した幾つかの実施形態に係る探傷装置100によれば、図5及び図10に示すように、亀裂20が面状の亀裂であって、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向に延在するとともに、ウェッジ部材112,122の下面112a,122aと直交する方向に延在している場合であっても、当該亀裂20を検出できることを発明者らは見出した。
このように、上述した幾つかの実施形態に係る探傷装置100では、図5及び図10に示すように、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向に延在するとともに、探傷子110,120から見たときの深さ方向、すなわち探傷子110,120から見たときの奥行き方向に延在する面状の亀裂20を検出できる。
なお、30度以上40度以下の固定された屈折角度θで縦波の超音波115が探傷対象物内を伝搬するように送信側ウェッジ部材112を構成してもよい。この場合には、亀裂20の検出精度をより向上できる。
なお、30度以上45度以下の固定された屈折角度θで縦波の超音波115が探傷対象物内を伝搬するように送信側ウェッジ部材112を構成した場合、及び、30度以上40度以下の固定された屈折角度θで縦波の超音波115が探傷対象物内を伝搬するように送信側ウェッジ部材112を構成した場合の何れであっても、上述した幾つかの実施形態に係る探傷装置100において、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向とは異なる方向に延在する亀裂も検出することができる。
また、上述した幾つかの実施形態に係る探傷装置100では、探傷対象物に対して送信側探触子110及び受信側探触子120をガイドローラ180で案内させながら超音波探傷を行うことで、ガイドローラ180による案内方向に走査できる。これにより、ガイドローラ180による案内方向と交差する方向に延在する亀裂20だけでなく、該案内方向に沿って延在する亀裂20を効率的に検出できる。
上述した幾つかの実施形態に係る探傷装置100では、例えば探傷対象物の形状に起因して、探傷対象物の表面でガイドローラ180や本体フレーム150が移動可能な範囲に制約がある場合であっても、調節部160によってガイドローラ180すなわち本体フレーム150と保持部140との幅方向の位置関係を調節することで、ガイドローラ180によって送信側探触子110及び受信側探触子120を案内する範囲を調節できる。
例えば、狭隘な場所で探傷を行う場合に、第1姿勢及び第2姿勢の何れか一方の姿勢では、例えば超音波トランスデューサ111,121のケーブル113,123が周囲と干渉して探傷し難くなるが、他方の姿勢では該ケーブル113,123と周囲との干渉を回避でき探傷し易くなる等、姿勢の変更によって探傷のし易さが変わることがある。
その点、上述した幾つかの実施形態に係る探傷装置100では、保持部140の姿勢を変更できるので、例えば狭隘な場所であっても効率的に探傷を行うことができる。
(ケーブル113,123の取り回しについて)
図14は、ケーブル113,123の取り回しについて説明するための模式的な平面図である。図14(a)は、ケーブル113,123を互いに相手側の超音波トランスデューサ111,121とは反対の方向に向かって突出させた場合の例である。図14(b)は、上述した幾つかの実施形態におけるケーブル113,123の取り回しの状態を示す図である。
上述した幾つかの実施形態に係る探傷装置100では、図3に示すように、送信側超音波トランスデューサ111及び受信側超音波トランスデューサ121のそれぞれは、円柱形状の筐体111a,121aを有し、筐体111a,121aの側面から径方向外側に向かって突出するケーブル113,123を備える。
送信側超音波トランスデューサ111は、図3に示すように、送信側探触子110及び受信側探触子120の平面視において、送信側超音波トランスデューサ111のケーブル113と受信側超音波トランスデューサ121の筐体121aの側面との距離Lが当該筐体121aの太さDの2倍以内となるように送信側ウェッジ部材112に取り付けられている。
同様に、受信側超音波トランスデューサ121は、図3に示すように、平面視において、受信側超音波トランスデューサ121のケーブル123と送信側超音波トランスデューサ111の筐体111aの側面との距離Lが当該筐体111aの太さDの2倍以内となるように、且つ、平面視において、当該ケーブル123と送信側超音波トランスデューサ111のケーブル113とが重ならないように受信側ウェッジ部材122に取り付けられている。
すなわち、送信側超音波トランスデューサ111は、平面視において送信側超音波トランスデューサ111と受信側超音波トランスデューサ121とを結ぶ線分よりも上方の領域に向かってケーブル113が突出するように送信側ウェッジ部材112に取り付けられている。また、受信側超音波トランスデューサ121は、平面視において上記線分よりも下方の領域に向かってケーブル123が突出するように受信側ウェッジ部材122に取り付けられている。
超音波トランスデューサ111,121のケーブル113,123を曲げる場合、断線などの不具合を避けるため、ある程度以上の曲率半径Rを確保する必要がある。そのため、例えば狭隘な場所で探傷する場合、ケーブル113,123が周囲と干渉するおそれがある。
例えば、図14(a)に示すように、送信側超音波トランスデューサ111のケーブル113を送信側超音波トランスデューサ111から見て受信側超音波トランスデューサ121が存在する方向とは反対の方向に向かって突出させ、同様に、受信側超音波トランスデューサ121のケーブル123を受信側超音波トランスデューサ121から見て送信側超音波トランスデューサ111が存在する方向とは反対の方向に向かって突出させる場合を考える。この場合、2つのケーブル113,123は、平面視において、送信側超音波トランスデューサ111と受信側超音波トランスデューサ121との中間位置Cから離れた位置にある送信側超音波トランスデューサ111及び受信側超音波トランスデューサ121から、該中間位置Cから離れる方向に向かってそれぞれ突出することとなる。
これに対し、上述した幾つかの実施形態に係る探傷装置100では、図14(b)に示すように、平面視において、2つのケーブル113,123が互いに相手側の超音波トランスデューサ111,121の筐体111a,121aの側面の近傍を通るように配置される。この場合、2つのケーブル113,123は、平面視において、送信側超音波トランスデューサ111と受信側超音波トランスデューサ121との中間位置Cから離れた位置にある送信側超音波トランスデューサ111及び受信側超音波トランスデューサ121から、該中間位置Cに近づく方向に向かってそれぞれ突出することとなる。そのため、ケーブル113,123をある曲率半径Rで曲げたときに平面視において、2つのケーブル113,123が送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向に沿って張り出す距離E2を、上述したような、2つのケーブル113,123が互いに相手側の超音波トランスデューサ111,121から離れる方向に向かって突出する場合において2つのケーブル113,123が送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向に沿って張り出す距離E1と比べて短くすることができる。
そのため、上述したような、2つのケーブル113,123が互いに相手側の超音波トランスデューサ111,121から離れる方向に向かって突出する場合と比べて、ケーブル113,123が周囲と干渉し難くなる。
送信側超音波トランスデューサ111及び受信側超音波トランスデューサ121のそれぞれが、角柱形状の筐体111a,121aを有していた場合、送信側超音波トランスデューサ111は、送信側探触子110及び受信側探触子120の平面視において、送信側超音波トランスデューサ111のケーブル113と受信側超音波トランスデューサ121の筐体121aの側面との距離Lが、例えば当該筐体121aの矩形断面の1辺の長さの2倍以内となるように送信側ウェッジ部材112に取り付けられているとよい。
同様に、受信側超音波トランスデューサ121は、平面視において、受信側超音波トランスデューサ121のケーブル123と送信側超音波トランスデューサ111の筐体111aの側面との距離Lが、当該筐体111aの矩形断面の1辺の長さの2倍以内となるように、且つ、平面視において、当該ケーブル123と送信側超音波トランスデューサ111のケーブル113とが重ならないように受信側ウェッジ部材122に取り付けられているとよい。
なお、送信側超音波トランスデューサ111は、図3に示すように、送信側探触子110及び受信側探触子120の平面視において、送信側超音波トランスデューサ111の筐体111aからのケーブル113の突出方向と、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向との角度差θcが45度以内となるように、送信側ウェッジ部材112に取り付けられていてもよい。
同様に、受信側超音波トランスデューサ121は、図3に示すように、平面視において、受信側超音波トランスデューサ121の筐体121aからのケーブル123の突出方向と、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向との角度差θcが45度以内となるように、受信側ウェッジ部材122に取り付けられていてもよい。
(超音波探傷方法について)
以下、上述した幾つかの実施形態に係る探傷装置100を用いた超音波探傷方法について説明する。
なお、以下の説明では、探傷対象物がタービンのロータディスク1である場合を例に挙げて説明するが、本発明における探傷対象物は、タービンのロータディスク1に限定されない。
図15は、幾つかの実施形態に係る超音波探傷方法における処理の手順を示すフローチャートである。幾つかの実施形態に係る超音波探傷方法は、予備探傷ステップS1と、位置調節ステップS3と、配置ステップS5と、探傷ステップS7とを備える。
(予備探傷ステップS1)
予備探傷ステップS1は、探傷ステップS7の実施に先立って、ロータディスク1における亀裂20の位置や亀裂20の分布状態などの概要を把握するために予備的な超音波探傷を行うステップである。予備探傷ステップS1では、例えば、上述した探傷装置100における本体フレーム150やガイドローラ180等を含まない、簡易的な探傷装置を用い、作業者が当該探傷装置の送信側探触子110及び受信側探触子120をロータディスク1のディスク面2上などを適宜走査することで、ロータディスク1における亀裂20の位置や亀裂20の分布状態などの概要を把握する。
(位置調節ステップS3)
位置調節ステップS3は、探傷ステップS7の実施に先立って、翼溝5の延在方向と直交する方向における送信側探触子110及び受信側探触子120の位置を調節するステップである。
後述する探傷ステップS7では、幾つかの実施形態に係る探傷装置100を用いて、ガイドローラ180で案内方向に案内させながら超音波探傷を行う。そのため、翼溝5の延在方向と同じ方向に延在する亀裂20の位置と、送信側探触子110及び受信側探触子120との位置が翼溝5の延在方向と直交する方向にずれていると、ずれ量が大きくなるほど亀裂20を検出し難しくなる。
そこで、位置調節ステップS3では、亀裂20の位置に関して、予備探傷ステップS1における予備的な探傷によって、翼溝5の延在方向と直交する方向におけるおおよその位置を把握した後、その位置に合わせて翼溝5と送信側探触子110及び受信側探触子120との距離を調節する。具体的には、位置調節ステップS3では、予備探傷ステップS1を行うことで概要を把握した、ロータディスク1における亀裂20の位置や亀裂20の分布状態に基づいて、幾つかの実施形態に係る探傷装置100の調節部160を調節することで、本体フレーム150における保持部140の幅方向の位置を調節する。
このように、位置調節ステップS3で翼溝5と送信側探触子110及び受信側探触子120との距離を調節した後、後述する探傷ステップS7で送信側探触子110及び受信側探触子120を翼溝5の延在方向に沿って移動させながら超音波探傷を行うことで、翼溝5の近傍に発生する可能性が高い亀裂20の検出精度を向上できる。
なお、予備探傷ステップS1は、探傷対象物の種類や大きさ、探傷対象物に特有の亀裂の入り方等によっては、予備探傷ステップS1の実施や位置調節ステップS3の実施を省略してもよい。
(配置ステップS5)
配置ステップS5は、30度以上45度以下の固定された屈折角度θで縦波の超音波が探傷対象物内を伝搬するように構成された送信側探触子110と、送信側探触子110からの超音波を受信する受信側探触子120とを、探傷対象部材に形成された溝の延在方向に沿って配置するステップである。
すなわち、配置ステップS5では、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向が翼溝5の延在方向に沿うように、上述した幾つかの実施形態に係る探傷装置100を配置する。
なお、配置ステップS5では、30度以上40度以下の固定された屈折角度θで縦波の超音波が探傷対象物内を伝搬するように構成された送信側探触子110と、受信側探触子120とを、探傷対象部材に形成された溝の延在方向に沿って配置してもよい。
上述したように、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向と亀裂20の延在方向とが一致している場合には、亀裂20の検出により適した屈折角度θが、30度以上40度以下である。したがって、30度以上40度以下の固定された屈折角度θで縦波の超音波が探傷対象物内を伝搬するように構成された送信側探触子110と、受信側探触子120とを、探傷対象部材に形成された溝の延在方向に沿って配置することで、探傷対象部材の溝の延在方向と同じ方向に延在する亀裂20の検出により適した超音波探傷方法となる。
配置ステップS5では、図1及び図10〜12に示すように、送信側探触子110と受信側探触子120とを翼溝5の延在方向に沿ってディスク面2に配置してもよい。
このように、送信側探触子110と受信側探触子120とを翼溝5の延在方向に沿ってディスク面2に配置することで、図13に示すように翼溝5の延在方向と交差する方向に沿って送信側探触子110と受信側探触子120とを配置することが難しい場合であっても、送信側探触子110と受信側探触子120とをディスク面2に配置できる。また、後述する探傷ステップS7では、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向に延在する亀裂20を検出できるので、翼溝5の延在方向と同じ方向に延在する亀裂20を検出することができる。したがって、探触子110,120の配置に制約があって翼溝5の延在方向と交差する方向に沿って送信側探触子110と受信側探触子120とを配置できない場合であっても、翼溝5の延在方向と同じ方向に延在する亀裂20をTOFD法による超音波探傷によって検出することができる。
また、図16に示すように、ロータディスク1が、ロータディスク1の不図示の回転軸と平行な方向を向くディスク面2と、ディスク面2よりも径方向外側に形成された円錐面3とを有する場合、配置ステップS5において、送信側探触子110と受信側探触子120とを翼溝5の延在方向に沿って円錐面3に配置してもよい。なお、図16は、円錐面3を有するロータディスク1の外周部分近傍をロータディスク1の周方向から見た断面図である。
このように、送信側探触子110と受信側探触子120とを翼溝5の延在方向に沿って円錐面3に配置することで、上述したように翼溝5の延在方向と交差する方向に沿って送信側探触子110と受信側探触子120とを配置することが難しい場合であっても、送信側探触子110と受信側探触子120とを上記円錐面3に配置できる。また、後述する探傷ステップS7では、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向に延在する亀裂20を検出できるので、翼溝5の延在方向と同じ方向に延在する亀裂20を検出することができる。したがって、探触子110,120の配置に制約があって翼溝5の延在方向と交差する方向に沿って送信側探触子110と受信側探触子120とを配置できない場合であっても、翼溝5の延在方向と同じ方向に延在する亀裂20をTOFD法による超音波探傷によって検出することができる。
(探傷ステップS7)
探傷ステップS7は、翼溝5の延在方向に沿って配置した送信側探触子110及び受信側探触子120によってTOFD法による超音波探傷を実施するステップである。
そして、探傷ステップS7では、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向に沿って延在する亀裂20を検出する。
上述したように、発明者らが鋭意検討した結果、TOFD法による超音波探傷において、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向と亀裂20の延在方向とが一致している場合であっても、亀裂20を検出できることを見出した。また、発明者らが鋭意検討した結果、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向と亀裂20の延在方向とが一致している場合には、亀裂20の検出に適した、探傷対象物内における超音波の入射角度、すなわち屈折角度θが、30度以上45度以下であることを見出した。
その点、上述した幾つかの実施形態に係る超音波探傷方法では、30度以上45度以下の固定された屈折角度θで縦波の超音波が探傷対象物内を伝搬するように構成された送信側探触子110と、受信側探触子120とを、探傷対象部材の溝の延在方向に沿って配置して、TOFD法による超音波探傷を実施する。これにより、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向に延在する亀裂20、すなわち、探傷対象部材の溝の延在方向と同じ方向に延在する亀裂20を検出することができる。したがって、探触子110,120の配置に制約があって溝の延在方向と交差する方向に沿って送信側探触子110と受信側探触子120とを配置できない場合であっても、溝の延在方向と同じ方向に延在する亀裂20をTOFD法による超音波探傷によって検出することができる。
上述した幾つかの実施形態に係る超音波探傷方法では、図5,10に示すように、送信側探触子110と受信側探触子120とが並ぶ方向に沿って延在するとともに、ウェッジ部材112,122における探傷対象部材に対向する面112a,122aと直交する方向に延在する面状の亀裂20を検出できる。
探傷ステップS7では、翼溝5の延在方向に沿って配置した送信側探触子110及び受信側探触子120を翼溝5の延在方向に沿って移動させながらTOFD法による超音波探傷を実施する。
すなわち、探傷ステップS7では、例えば図1や図16に示すように、送信側探触子110と受信側探触子120とを翼溝5の延在方向に沿って配置した状態で、ガイドローラ180によって送信側探触子110と受信側探触子120とを翼溝5の延在方向に沿って移動させながらTOFD法による超音波探傷を実施する。
送信側探触子110及び受信側探触子120を翼溝5の延在方向に沿って移動させることで、翼溝5の延在方向に沿って走査でき、翼溝5の近傍に発生する可能性が高い亀裂20を効率的に検出できる。
なお、探傷ステップS7において、ロータディスク1の周方向に沿って走査することで得られたTOFD法による超音波探傷の結果から、より詳細に探傷する必要性が高い場所が見つかった場合、当該場所について、より詳細な超音波探傷を行ってもよい。作業者が当該場所について詳細な超音波探傷を行うことで、当該場所における亀裂20の位置や亀裂20の分布状態などの詳細を把握することができる。この場合には、例えば、上述した予備探傷ステップS1で用いた、探傷装置100における本体フレーム150やガイドローラ180等を含まない、簡易的な探傷装置を用いてもよい。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、上述した幾つかの実施形態に係る送信側超音波トランスデューサ111、及び、受信側超音波トランスデューサ121は、一振動子型トランスデューサであるが、二振動子型トランスデューサであってもよい。なお、送信側超音波トランスデューサ111が二振動子型トランスデューサである場合、送信側超音波トランスデューサ111を超音波の送信だけに用いてもよく、超音波の送受信に用いてもよい。同様に、受信側超音波トランスデューサ121が二振動子型トランスデューサである場合、受信側超音波トランスデューサ121を超音波の受信だけに用いてもよく、超音波の送受信に用いてもよい。
また、上述した幾つかの実施形態では、本体フレーム150は、4つのガイドローラ180を回転自在に保持している。しかし、本体フレーム150は、少なくとも2つのガイドローラ180を回転自在に保持していればよい。すなわち、少なくとも2つのガイドローラ180によって送信側探触子110及び受信側探触子120をガイドローラ180の転動方向に案内させるように探傷装置100を構成してもよい。
上述した幾つかの実施形態では、保持部140の姿勢が第1姿勢と第2姿勢との間の任意の角度位置の姿勢をとり得るように探傷装置100を構成したが、保持部140の姿勢を少なくとも第1姿勢と第2姿勢とに変更可能に探傷装置100を構成してもよい。
上述した超音波探傷方法についての説明では、探傷対象物がタービンのロータディスク1である場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えばロータディスク1のように周方向に沿って延在する翼溝5を有するものでなくてもよく、直線状に延在する溝を有する部材の超音波探傷に本発明を適用してもよい。また、溝を有しない部材の超音波探傷に本発明を適用してもよい。
1 ロータディスク
2 ディスク面
3 円錐面
5 翼溝
20 亀裂
100 探傷装置
102 制御装置
110 送信側探触子
111 送信側超音波トランスデューサ
111a 筐体
112 送信側ウェッジ部材
113 ケーブル
120 受信側探触子
121 受信側超音波トランスデューサ
121a 筐体
122 受信側ウェッジ部材
123 ケーブル
140 保持部
150 本体フレーム
160 調節部
170 姿勢変更部
180 ガイドローラ
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る超音波探傷方法は、
30度以上45度以下の固定された屈折角度で縦波の超音波が探傷対象物内を伝搬するように構成された送信側探触子と、前記送信側探触子からの超音波を受信する受信側探触子とを、前記探傷対象に形成された溝の延在方向に沿って配置するステップと、
前記溝の延在方向に沿って配置した前記送信側探触子及び前記受信側探触子によってTOFD法による超音波探傷を実施するステップと、
を備える。
上述したように、発明者らが鋭意検討した結果、TOFD法による超音波探傷において、送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向と亀裂の延在方向とが一致している場合であっても、亀裂を検出できることを見出した。また、発明者らが鋭意検討した結果、送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向と亀裂の延在方向とが一致している場合には、亀裂の検出に適した、探傷対象物内における超音波の入射角度、すなわち屈折角度が、30度以上45度以下であることを見出した。
その点、上記(1)の方法では、30度以上45度以下の固定された屈折角度で縦波の超音波が探傷対象物内を伝搬するように構成された送信側探触子と、受信側探触子とを、探傷対象の溝の延在方向に沿って配置して、TOFD法による超音波探傷を実施する。これにより、送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向に延在する亀裂、すなわち、探傷対象の溝の延在方向と同じ方向に延在する亀裂を検出することができる。したがって、探触子の配置に制約があって溝の延在方向と交差する方向に沿って送信側探触子と受信側探触子とを配置できない場合であっても、溝の延在方向と同じ方向に延在する亀裂をTOFD法による超音波探傷によって検出することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の方法において、前記送信側探触子と前記受信側探触子とを前記溝の延在方向に沿って配置するステップでは、30度以上40度以下の固定された前記屈折角度で縦波の超音波が前記探傷対象物内を伝搬するように構成された前記送信側探触子と、前記受信側探触子とを、前記探傷対象に形成された溝の延在方向に沿って配置する。
発明者らが鋭意検討した結果、送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向と亀裂の延在方向とが一致している場合には、より適した屈折角度が30度以上40度以下であることを見出した。
その点、上記(2)の方法では、30度以上40度以下の固定された屈折角度で縦波の超音波が探傷対象物内を伝搬するように構成された送信側探触子を用いるので、探傷対象の溝の延在方向と同じ方向に延在する亀裂の検出により適した超音波探傷方法となる。
上述したように、上記(1)又は(2)の方法は、送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向に延在する亀裂を検出に適している。したがって、上記(3)の方法によれば、送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向に延在する亀裂、すなわち、探傷対象の溝の延在方向と同じ方向に延在する亀裂をTOFD法による超音波探傷によって検出できる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの方法において、
前記送信側探触子は、ウェッジ部材を有し、
前記TOFD法による超音波探傷を実施するステップでは、前記送信側探触子と前記受信側探触子とが並ぶ方向に沿って延在するとともに、前記ウェッジ部材における前記探傷対象に対向する面と直交する方向に延在する面状の亀裂を検出する。
発明者らが鋭意検討した結果、送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向に沿って延在するとともに、ウェッジ部材における探傷対象に対向する面と直交する方向に延在する面状の亀裂を検出できることを見出した。
したがって、上記(4)の方法によって、送信側探触子と受信側探触子とが並ぶ方向に沿って延在するとともに、ウェッジ部材における探傷対象に対向する面と直交する方向に延在する面状の亀裂を検出できる。

Claims (13)

  1. 30度以上45度以下の固定された屈折角度で縦波の超音波が探傷対象物内を伝搬するように構成された送信側探触子と、前記送信側探触子からの超音波を受信する受信側探触子とを、前記探傷対象部材に形成された溝の延在方向に沿って配置するステップと、
    前記溝の延在方向に沿って配置した前記送信側探触子及び前記受信側探触子によってTOFD法による超音波探傷を実施するステップと、
    を備える超音波探傷方法。
  2. 前記送信側探触子と前記受信側探触子とを前記溝の延在方向に沿って配置するステップでは、30度以上40度以下の固定された前記屈折角度で縦波の超音波が前記探傷対象物内を伝搬するように構成された前記送信側探触子と、前記受信側探触子とを、前記探傷対象部材に形成された溝の延在方向に沿って配置する
    請求項1に記載の超音波探傷方法。
  3. 前記TOFD法による超音波探傷を実施するステップでは、前記送信側探触子と前記受信側探触子とが並ぶ方向に沿って延在する亀裂を検出する
    請求項1又は2に記載の超音波探傷方法。
  4. 前記送信側探触子は、ウェッジ部材を有し、
    前記TOFD法による超音波探傷を実施するステップでは、前記送信側探触子と前記受信側探触子とが並ぶ方向に沿って延在するとともに、前記ウェッジ部材における前記探傷対象部材に対向する面と直交する方向に延在する面状の亀裂を検出する
    請求項1乃至3の何れか一項に記載の超音波探傷方法。
  5. TOFD法による超音波探傷を実施するステップでは、前記溝の延在方向に沿って配置した前記送信側探触子及び前記受信側探触子を前記溝の延在方向に沿って移動させながらTOFD法による超音波探傷を実施する
    請求項1乃至4の何れか一項に記載の超音波探傷方法。
  6. TOFD法による超音波探傷を実施するステップの実施に先立って、前記溝の延在方向と直交する方向における前記送信側探触子及び前記受信側探触子の位置を調節するステップ
    をさらに備える請求項5に記載の超音波探傷方法。
  7. 前記探傷対象物は、タービンのロータディスクであり、
    前記溝は、前記ロータディスクの翼溝であり、前記ロータディスクの周方向に延在し、
    前記ロータディスクは、前記ロータディスクの回転軸と平行な方向を向くディスク面を有し、
    前記送信側探触子と前記受信側探触子とを前記溝の延在方向に沿って配置するステップでは、前記送信側探触子と前記受信側探触子とを前記翼溝の延在方向に沿って前記ディスク面に配置する
    請求項1乃至6の何れか一項に記載の超音波探傷方法。
  8. 前記探傷対象物は、タービンのロータディスクであり、
    前記溝は、前記ロータディスクの翼溝であり、前記ロータディスクの周方向に延在し、
    前記ロータディスクは、前記ロータディスクの回転軸と平行な方向を向くディスク面と、前記ディスク面よりも径方向外側に形成された円錐面とを有し、
    前記送信側探触子と前記受信側探触子とを前記溝の延在方向に沿って配置するステップでは、前記送信側探触子と前記受信側探触子とを前記翼溝の延在方向に沿って前記円錐面に配置する
    請求項1乃至6の何れか一項に記載の超音波探傷方法。
  9. 送信側超音波トランスデューサ、及び、30度以上45度以下の固定された屈折角度で縦波の超音波が探傷対象物内を伝搬するように構成された送信側ウェッジ部材を有する送信側探触子と、
    受信側超音波トランスデューサ、及び、受信側ウェッジ部材を有する受信側探触子と、
    前記送信側探触子と前記受信側探触子とを対向させて保持する保持部と、
    前記送信側探触子と前記受信側探触子とを用いてTOFD法による超音波探傷を行うための制御装置と、
    を備える探傷装置。
  10. 少なくとも2つのガイドローラと、
    前記ガイドローラを回転自在に保持し、且つ、前記送信側探触子と前記受信側探触子とが前記ガイドローラによる案内方向に沿って配置されるように前記保持部が取り付けられる本体フレームと、
    をさらに備える請求項9に記載の探傷装置。
  11. 前記本体フレームにおける前記保持部の前記案内方向と交差する方向の位置を調節するための調節部、
    をさらに備える請求項10に記載の探傷装置。
  12. 前記送信側探触子と前記受信側探触子とが並ぶ方向が前記案内方向と同じ方向になるように前記保持部が前記本体フレームに取り付けられる第1姿勢、及び、前記送信側探触子と前記受信側探触子とが並ぶ方向が前記案内方向と直交する方向になるように前記保持部が前記本体フレームに取り付けられる第2姿勢、の少なくとも2つの姿勢に前記保持部の姿勢を変更することができる姿勢変更部
    をさらに備える請求項10又は11に記載の探傷装置。
  13. 前記送信側超音波トランスデューサ及び前記受信側超音波トランスデューサのそれぞれは、柱形状の筐体を有し、前記筐体の側面から径方向外側に向かって突出するケーブルを備え、
    前記送信側超音波トランスデューサは、前記送信側探触子及び前記受信側探触子の平面視において、前記送信側超音波トランスデューサの前記ケーブルと前記受信側超音波トランスデューサの前記筐体の側面との距離が当該筐体の太さの2倍以内となるように前記送信側ウェッジ部材に取り付けられ、
    前記受信側超音波トランスデューサは、前記平面視において、前記受信側超音波トランスデューサの前記ケーブルと前記送信側超音波トランスデューサの前記筐体の側面との距離が当該筐体の太さの2倍以内となるように、且つ、前記平面視において、当該ケーブルと前記送信側超音波トランスデューサの前記ケーブルとが重ならないように前記受信側ウェッジ部材に取り付けられる
    請求項9乃至12の何れか一項に記載の探傷装置。
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