JP6498071B2 - 管溶接部探傷装置と方法 - Google Patents
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Description
かかる小口径管の溶接部を超音波により検査する手段として、例えば、特許文献1,2が開示されている。
前記中空管の外周面に同軸かつ着脱可能に固定可能な中空円筒形のガイドレールと、
セクタスキャンにより超音波ビームの方向を前記中空管の軸方向に放射状に変化させて送受信するフェーズドアレイ探触子と、
前記超音波ビームが前記外周面から前記軸方向に傾斜して入射するように前記フェーズドアレイ探触子を保持し、かつ前記ガイドレールに倣って前記外周面に沿って周方向に移動可能な探触子案内装置と、を備え、
前記探触子案内装置は、前記フェーズドアレイ探触子を固定する探触子ホルダと、
前記探触子ホルダを前記外周面に接触させて保持し前記外周面に沿って周方向に移動可能な保持リングと、を有し、
前記探触子ホルダは、前記中空管の前記外周面と接触する接触面と、前記接触面に対し前記軸方向に傾斜し前記フェーズドアレイ探触子を固定する固定面と、前記ガイドレールに倣って前記探触子ホルダを前記外周面に沿って周方向に移動可能に案内する案内溝と、計測側端面に複数設けられ前記超音波ビームを散乱させる溝と、を有する一体部品であり、
前記保持リングは、前記探触子ホルダを前記外周面に接触させて保持する保持部と、
前記保持部に着脱可能に連結され、前記探触子ホルダとの間に前記中空管を把持する半円形リングと、
前記保持部と前記半円形リングの境界部に設けられ、前記探触子ホルダを前記外周面に向けて付勢するマグネットと、を有する、管溶接部探傷装置が提供される。
中空円筒形の前記ガイドレールを前記中空管の外周面に同軸かつ着脱可能に固定し、
前記フェーズドアレイ探触子を固定した前記探触子案内装置を、前記ガイドレールに倣って前記外周面に沿って周方向に移動可能に取り付け、
前記フェーズドアレイ探触子のセクタスキャンにより、前記超音波ビームの方向を前記中空管の軸方向に放射状に変化させて送受信し、かつ前記ガイドレールに倣って前記探触子案内装置を前記外周面に沿って周方向に移動する、管溶接部探傷方法が提供される。
また、探触子案内装置により、超音波ビームが外周面から軸方向に傾斜して入射するようにフェーズドアレイ探触子を保持する。
中空管1は外径が100mm以下の小口径管であるのが好ましいが、それ以上の大径管であってもよい。中空管1の肉厚は、3mm以上、15mm以下であるのが好ましいが、それ以上であってもよい。
中空管1の材質は、鋼管又はステンレス管であるのが好ましい。しかし、その他の金属、例えばアルミニウムやチタン、その他の合金であってもよい。
溶接部4の材質は、中空管1と同一又は類似の金属、又はその他の合金であるのがよい。
「中空管1の軸方向に放射状に変化させる」とは、中空管1の軸線Z−Zを含む平面内において、超音波ビームSが中空管1の外周面1aに入射する入射角度を変化させることを意味する。
フェーズドアレイ探触子14は、複数(多数)の振動子を内蔵し、個々の振動子が超音波ビームSを送受信するタイミングを独立に制御し、合成した超音波波面を形成することで超音波ビームSの入射方向を変化させるようになっている。
なお、外形形状は直方体に限定されず性能を保持できる形状であればよい。
探触子ホルダ17は、この例では、接触面17a、固定面17b、及び案内溝17cを有する。探触子ホルダ17の材質は、中空管1に傷を付けず、超音波ビームSの伝搬に適したアクリル、ポリイミド、ポリエーテルイミドなどのプラスチック樹脂からなるのがよい。
なお、案内溝17cはこの例に限定されず、探触子ホルダ17の姿勢を保持したままで、ガイドレール12に倣って探触子ホルダ17を外周面1aに沿って周方向にガタなく移動できる限りで、その他の構造(例えば軸受を用いた案内構造)であってもよい。
半円形リング18bは、マグネット18cにより、1対の保持部18aに着脱可能に連結され、探触子ホルダ17との間に中空管1を把持する。
なお、本発明はマグネット18cに限定されず、探触子ホルダ17を外周面1aに向けて付勢できる限りで、他の手段(例えばスプリング)を用いてもよい。
角度検出器20は、この例では、探触子ホルダ17に固定されたロータリーエンコーダであり、検出車輪20aが中空管1の外周面1aに接触して回転し、中空管1に対するフェーズドアレイ探触子14の周方向回転角を検出し、検出信号を出力する。
なお、角度検出器20の構成はこの例に限定されず、その他の周知のセンサーであってもよく、或は別の構造であってもよい。
この図において、フェーズドアレイ探触子14から送信される超音波ビームSの中心線を、符号a→b→c→dで示す。フェーズドアレイ探触子14は、超音波ビームSの方向を中空管1の軸方向に符号a→eから符号a→fの範囲で放射状に変化させて送受信する。
C1/sinα=C2/sinθ・・・(1)
ここで、入射角度αは、図中のα1,αa,αbであり、屈折角度θは、図中のθ1,θa,θbである。
また符号dの位置を中空管1の外周面1aとすると、中心線b→c→dの軸方向距離Lは2×tanθ1×T・・・(3)で求められる。この中心線c→dの範囲が、本発明による主要な計測範囲となる。
従って、超音波ビームSの中心線a→b→c→dに位置する中空管1の内部、特に中心線c→dの範囲に位置する溶接部4の欠陥の位置を超音波ビームSの角度(入射角度α1と屈折角度θ1)と送受信の時間差から検出することができる。
また、この例において、最大屈折角度θbは84°であり、この場合、最大入射角度αbは約57.2°である。超音波ビームSが中空管1の内面で1回反射して外周面1aに到達するまでの最大軸方向距離Lbも、幾何学的に求めることができる。
従って、最小入射角度αaから最大入射角度αbまでの範囲で、超音波ビームSが中空管1の内面で1回反射して外周面1aに到達するまでの軸方向距離を幾何学的に求めることができる。
従って、この範囲内に位置する中空管1の内部の欠陥位置を超音波ビームSの角度と送受信の時間差から検出することができる。
また、計測側端面17eの下端部には、内側に傾斜したテーパ部17fが設けられている。テーパ部17fは、溶接部4との干渉を避けるために設けられている。
なお、溝25の外面に、探触子ホルダ17の材質に近い樹脂を接着又はコーティングし、超音波ビームSの反射をさらに低減することが好ましい。
さらに、可視化装置22により、超音波ビームSの送受信信号から中空管1の内部を可視化する。
図4に示したように、管内面における超音波ビームSの反射は鏡対称となるので、管内面で1回反射して検出された中空管1、外周面1a、溶接部4、及びスリーブ2は、その鏡像の中空管1’、外周面1a’、溶接部4’、及びスリーブ2’として検出される。
また、管内面での反射回数を1回に限定し、2回以上反射した超音波ビームSの受信信号をカットすることで、中空管内部の可視化画像の範囲を図6に示す斜線範囲とすることができる。
この図において、(A)はフェーズドアレイ探触子14の側面形状を示し、(B)はフェーズドアレイ探触子14を探触子ホルダ17に固定した状態を示している。
この例に示すように、フェーズドアレイ探触子14の外形形状は性能を保持できる形状であればよい。
第2実施形態のその他の構成は、上述した第1実施形態と同様である。
この図において、直射範囲、1回反射範囲、管内面、管外面(外周面1a’)、溶接部4’、及び検出対象箇所(欠陥部)が、明確に可視化されており、欠陥部の軸方向位置と大きさを正確に把握することができる。
この図において、周方向角度が0〜360°にわたり、直射範囲、1回反射範囲、管内面、管外面(外周面1a’)、溶接部4’、及び検出対象箇所(欠陥部)が、明確に可視化されており、欠陥部の周方向位置と大きさを正確に把握することができる。
また、探触子案内装置16により、超音波ビームSが外周面1aから軸方向に傾斜して入射するようにフェーズドアレイ探触子14を保持する。
α,α1,αa,αb 入射角度、θ,θ1,θa,θb 屈折角度、
L,La,Lb 軸方向距離、S 超音波ビーム、T 中空管の肉厚(厚さ)、
Z 中空管の軸線、1 中空管(小口径管)、1a 外周面、2 スリーブ、
3 間隙、4 溶接部、10 管溶接部探傷装置、12 ガイドレール、
12a,12b 半円形リング、12c 回転軸、12d 固定ボルト、
14 フェーズドアレイ探触子、14a 制御ケーブル、
16 探触子案内装置、17 探触子ホルダ、17a 接触面、
17b 固定面、17c 案内溝、17d 矩形孔、17e 計測側端面、
17f テーパ部、18 保持リング、18a 保持部、
18b 半円形リング、18c マグネット、18d ボルト、
20 角度検出器(ロータリーエンコーダ)、20a 検出車輪、
22 可視化装置、22a 制御装置、22b 画像処理装置、
24a 固定ネジ、25 溝
Claims (6)
- 中空管の表面近傍に存在する溶接部を超音波探傷検査する管溶接部探傷装置であって、
前記中空管の外周面に同軸かつ着脱可能に固定可能な中空円筒形のガイドレールと、
セクタスキャンにより超音波ビームの方向を前記中空管の軸方向に放射状に変化させて送受信するフェーズドアレイ探触子と、
前記超音波ビームが前記外周面から前記軸方向に傾斜して入射するように前記フェーズドアレイ探触子を保持し、かつ前記ガイドレールに倣って前記外周面に沿って周方向に移動可能な探触子案内装置と、を備え、
前記探触子案内装置は、前記フェーズドアレイ探触子を固定する探触子ホルダと、
前記探触子ホルダを前記外周面に接触させて保持し前記外周面に沿って周方向に移動可能な保持リングと、を有し、
前記探触子ホルダは、前記中空管の前記外周面と接触する接触面と、前記接触面に対し前記軸方向に傾斜し前記フェーズドアレイ探触子を固定する固定面と、前記ガイドレールに倣って前記探触子ホルダを前記外周面に沿って周方向に移動可能に案内する案内溝と、計測側端面に複数設けられ前記超音波ビームを散乱させる溝と、を有する一体部品であり、
前記保持リングは、前記探触子ホルダを前記外周面に接触させて保持する保持部と、
前記保持部に着脱可能に連結され、前記探触子ホルダとの間に前記中空管を把持する半円形リングと、
前記保持部と前記半円形リングの境界部に設けられ、前記探触子ホルダを前記外周面に向けて付勢するマグネットと、を有する、管溶接部探傷装置。 - 前記中空管に対する前記フェーズドアレイ探触子の周方向回転角を検出する角度検出器を備える、請求項1に記載の管溶接部探傷装置。
- 前記フェーズドアレイ探触子の送受信信号から、管内面での反射回数を1回に限定し、2回以上反射した受信信号をカットして、前記中空管の内部を可視化する可視化装置を備える、請求項1に記載の管溶接部探傷装置。
- 請求項1に記載の管溶接部探傷装置を用いて、前記中空管の表面近傍に存在する前記溶接部を超音波探傷検査する管溶接部探傷方法であって、
中空円筒形の前記ガイドレールを前記中空管の外周面に同軸かつ着脱可能に固定し、
前記フェーズドアレイ探触子を固定した前記探触子案内装置を、前記ガイドレールに倣って前記外周面に沿って周方向に移動可能に取り付け、
前記フェーズドアレイ探触子のセクタスキャンにより、前記超音波ビームの方向を前記中空管の軸方向に放射状に変化させて送受信し、かつ前記ガイドレールに倣って前記探触子案内装置を前記外周面に沿って周方向に移動する、管溶接部探傷方法。 - 角度検出器により前記中空管に対する前記フェーズドアレイ探触子の周方向回転角を検出する、請求項4に記載の管溶接部探傷方法。
- 可視化装置により、前記超音波ビームの送受信信号から、管内面での反射回数を1回に限定し、2回以上反射した受信信号をカットして、前記中空管の内部を可視化する、請求項4に記載の管溶接部探傷方法。
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