JP2015045849A - トナー - Google Patents
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Abstract
Description
また画像品位の向上はもちろん、省電力化、ウェイトタイムの短縮化、画像の生産性の向上などに対する要望も高く、それらに対応するために、優れたトナーの低温定着性能が求められている。
一般的に低温定着性能はトナーの粘度と関係があり、定着時の熱により素早く融ける性質(いわゆるシャープメルト性)が求められる。
特に近年のプリントスピード高速化に伴い、トナーと紙などのメディアが定着装置のニップ内を通過する時間は年々短くなってきている。またレーザープリンターなどの画像形成装置を用いて、グラフィック画像やポスター等の印字比率の高い高画質な画像を、ユーザーが厚紙に連続的に出力する機会が増えてきている。
そのため厚紙を使用して印字比率の高い画像を出力する場合、トナーに与える熱量を増やすために、普通紙よりも定着装置のプリントスピードを下げる、あるいは定着装置の設定温度を上げる等、定着条件を変更する手段を講じることが多かった。
しかしながら定着装置のプリントスピードを下げる手段では、画像の生産性が犠牲となり、定着装置の設定温度を上げる手段では、省電力化やウェイトタイム短縮が難しくなってしまう。
以上のように、厚紙使用においても普通紙と同等の定着条件で定着できるトナーが求められているものの、未だ満足のいくトナーは得られていなかった。
結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナーは、定着時の熱で結晶性ポリエステル樹脂が溶融するとともに非晶性樹脂と相溶し、この相溶によって結着樹脂が可塑化されてシャープメルト性が高まるために、低温定着性を改良することができる。
しかし、厚紙使用でかつ高印字比率の画像を高速プリントさせるためには、定着時において結晶性ポリエステル樹脂が結着樹脂を可塑化するスピード(以下単に定着時の可塑スピードと記載することがある)が不十分であり、さらなる改良が必要である。
また低温定着性を良化させようとすると、トナーの耐久性や、帯電立ち上がり速度が悪化する場合があり、低温定着性、耐久性、帯電立ち上がり速度のすべてを満足するトナーは未だ得られていないのが現状である。
例えば低温定着性を良化させるために、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂の相溶性を高めすぎると、常温時のトナーにおいても結晶性ポリエステル樹脂が相溶してしまい、可塑化された柔らかいトナー粒子を含むトナーとなってしまう。
結果、現像剤撹拌等の外的ストレスに対する耐久性に弱いトナーとなり、ハーフトーン
画像等の低印字画像を連続出力するといったトナー劣化に厳しいモードで出力する場合、外添剤埋め込みによるトナー表面の付着力増加によって、画像濃度の低下が起こり易い。このように、結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナーにおいては、トナーの低温定着性と耐久性の両立が困難であった。
確かにアニーリング工程により結晶性ポリエステル樹脂の結晶化を促進させることができるが、結晶化する際の造核速度が遅いために、結晶性ポリエステル樹脂が凝集しながら結晶化が進行し、結晶性ポリエステル樹脂の分散状態が悪化し易かった。
その影響により、表面摩擦帯電時にトナー粒子の表面において電荷が不均一化してトナー帯電立ち上がり速度が低下してしまい、特に高印字画像を連続出力した場合、画像カブリを招く場合がある。
すなわち、結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナーにおいては、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性と分散性の両立が難しいため、トナーの耐久性と帯電立ち上がり速度の両立も困難であった。
なお、トナー中に結晶核剤として、シリカなどの無機系結晶核剤(例えば特許文献3)、脂肪酸アミドなどの有機系結晶核剤(例えば特許文献4)を添加し、結晶性ポリエステル樹脂の結晶化速度を高める提案もなされている。
しかし、これら結晶核剤を添加しても、結晶核剤との接触機会が限られるために、結晶核剤が作用せずに結晶化できない結晶性ポリエステル樹脂が残存し、トナーの耐久性の改善効果は限定的であった。また、結晶性ポリエステル樹脂の分散性を改良することはできず、トナーの帯電立ち上がり速度も悪化し易かった。他方、結晶性ポリエステル樹脂と組み合わせる非晶性樹脂を改良する提案もなされている。例えば非晶性樹脂としてポリエステルユニットとビニル系共重合体ユニットを含むハイブリッド樹脂を用いることで、低温定着性を向上させたトナーが提案されている(例えば特許文献5)。
しかしながら、定着時の可塑スピードが不十分であり、厚紙使用でかつ高印字比率の画像を高速プリントさせるためには更なる改良が必要であった。
またトナー中における結晶性ポリエステル樹脂の結晶性や分散性の改良が不十分であるため、トナーの耐久性、帯電立ち上がり速度についても課題があった。
以上のように、厚紙使用における低温定着性、耐久性、帯電の立ち上がり速度のすべて満足できるトナーは得られていなかった。
つまり、本発明の目的は、厚紙使用における低温定着性、トナーの耐久性、トナー帯電立ち上がり速度に優れたトナーを提供することにある。
脂、非晶性樹脂を含有するトナーについて鋭意検討した。
その結果、定着時の結晶性ポリエステル樹脂による可塑スピード(低温定着性)、トナー中における結晶性ポリエステル樹脂の結晶性(耐久性)と、分散性(帯電立ち上がり速度)、これら3つを満たすトナーとする必要があることがわかった。
しかし、定着時の可塑スピードを高めようとすると、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が低下して常温時の可塑を排除することが難しく、アニーリング処理等の手段で結晶性を高めると、結晶性ポリエステル樹脂の分散性悪化を招くため、解決は困難であった。
本発明者らはこれらの課題を鑑み、まず結晶性ポリエステル樹脂の結晶性を改良する、という観点で検討を試みた。
そして、結晶性ポリエステルのポリエステル分子鎖の末端に結晶核剤部位を結合させることで、該結晶核剤による造核効果が発現してトナー中における結晶性ポリエステルの結晶性を良化できることを見出した。
そこで分散性を良化させる観点で、結晶性ポリエステル樹脂に対して分散効果を有する部位を導入する検討を行ったが、逆に結晶性ポリエステル樹脂の結晶性を阻害してしまう場合が多かった。
我々はさらに検討を進め、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性を阻害せずに分散効果を発現させるために、上述の該結晶核剤部位に、造核効果だけでなく分散効果をも担わせるという発想に至った。
そして、特定の非晶性樹脂を用いることで、該結晶核剤部位によって、造核効果や分散効果を発現させることに成功し、さらに定着時の結晶性ポリエステル樹脂による可塑スピードを高める、いわゆる可塑効果をも担わせることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)該結晶性ポリエステル樹脂Aは、ポリエステル分子鎖(C)の末端に結晶核剤部位(D)を有する樹脂であり、
(2)該非晶性樹脂Bは、ポリエステルユニット(E)とビニル系重合体ユニット(F)が化学的に結合したハイブリッド樹脂であり、
(3)該ポリエステル分子鎖(C)のSP値をSc((cal/cm3)1/2)とし、該結晶核剤部位(D)のSP値をSd((cal/cm3)1/2)とし、該ポリエステルユニット(E)のSP値をSe((cal/cm3)1/2)とし、該ビニル系重合体ユニット(F)のSP値をSf((cal/cm3)1/2)としたとき、
該Sc、該Sd、該Se及び該Sfが下記の式1〜3を満たすことを特徴とするトナーに関する。
┃Sd−Sf┃<┃Sd−Se┃ (式1)
┃Sd−Sf┃≦1.00 (式2)
┃Sc−Se┃<┃Sc−Sf┃ (式3)
なお、本発明で用いられるSP値は一般的に用いられているFedorsの方法[Poly.Eng.Sci.,14(2)147(1974)]により、構成されるモノマーの種類とモル比率から算出する。
図1は、本発明の規定を満たすトナー中における結晶性ポリエステル樹脂Aの微視的な存在状態を模式的に示したものである。当然ながら本発明は図1によって制限されるものではない。
図1において、CとDは、結晶性ポリエステル樹脂Aのポリエステル分子鎖(C)と結晶核剤部位(D)をそれぞれ表している。EとFは非晶性樹脂Bのポリエステルユニット(E)、ビニル系重合体ユニット(F)をそれぞれ表している。
本発明の非晶性樹脂Bは、ポリエステルユニット(E)とビニル系重合体ユニット(F)が化学的に結合したハイブリッド樹脂であるため、巨視的には均一な樹脂である。
しかし微視的にみた場合、ポリエステルユニット(E)とビニル系重合体ユニット(F)の分子構造が異なるため、それぞれのユニットは自己疑集し易く、いわゆるミクロ相分離構造を有している。
本発明において、該ミクロ相分離構造におけるポリエステル(E)による相をE相と呼び、ビニル系重合体ユニット(F)による相をF相と呼ぶこととする。
このような存在状態とすることで、定着時においてポリエステル分子鎖(C)がポリエステルユニット(E)を可塑化するだけでなく、結晶核剤部位(D)がビニル系重合体ユニット(F)を可塑化するといった、結晶核剤部位(D)による可塑効果が発現する。
さらに可塑化されたユニット同士が互いの分子運動を誘発するといった相乗効果も発現する。
そのため定着時において結着樹脂全体が瞬時に可塑化され、均―にシャープメルトするため、厚紙使用における低温定着性に優れたトナーとなるため好ましい。
また結晶核剤部位(D)をF相に存在させることで、該結晶核剤部位(D)の造核効果が高まり、トナー中における結晶性ポリエステル樹脂Aの結晶性を良化できる。そのため常温時の可塑が抑えられ、耐久性に優れたトナーとなるため好ましい。
造核効果が高まる理由は定かではないが、恐らくポリエステルユニット(E)と比べて、ビニル系重合体ユニット(F)は分子構造として多くの側鎖を含むため、大きな自由体積を有しているためと思われる。つまり、該結晶核剤部位(D)が自由体積の大きなF相に存在する場合、該結晶核剤部位(D)の造核する分子運動が、非晶性樹脂Bの分子鎖によって妨害されることが少なく、速やかに造核を完了できるものと推察される。
結晶核剤部位(D)による分散効果が発現する理由は、恐らくF相において該結晶核剤部位(D)が微分散するほど、結晶性ポリエステル樹脂Aが該ミクロ相分離構造の界面に配向して結晶構造をとり易いためと推定される。
なおトナー中における結晶性ポリエステル樹脂の分散性が良いことで、帯電立ち上がり速度が高まる理由は定かではないが、発明者らは以下のように考える。
結晶性ポリエステル樹脂の分散性が良い場合、トナー粒子の表面において結晶性ポリエステル樹脂が微分散しており、非晶性樹脂と結晶性ポリエステル樹脂との接触面積が大きい状態となっていると思われる。このようなとき、非晶性樹脂と比較して電気抵抗が低い結晶性ポリエステル樹脂が、トナー粒子表面における電荷の受け渡し速度を高める作用を示し、トナー粒子の表面電荷を迅速に均一化させるものと推定される。
なお結晶性ポリエステル樹脂の分散性に劣る場合、トナー粒子の表面において、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂との接触面積が小さくなる。そのため結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂との間で電荷の受け渡しがスムーズに行われなくなり、トナー粒子の表面電荷が不均一化してトナーの帯電立ち上がり速度の低下を招くため好ましくない。
┃Sd−Sf┃<┃Sd−Se┃ (式1)
式1は、結晶核剤部位(D)のSP値(Sd)が、非晶性樹脂Bのポリエステルユニット(E)のSP値(Se)よりも、ビニル系重合体ユニット(F)のSP値(Sf)に、相対的に近いことを示す関係式である。
式1の関係を満たすことで、該結晶核剤部位(D)が相対的に非晶性樹脂Bのビニル系重合体ユニット(F)と親和して引き寄せられ、ビニル系重合体ユニット(F)による相(F相)に存在し易くなる。
これにより結晶核剤部位(D)とビニル系重合体ユニット(F)との相互作用によって、上述した可塑効果、造核効果、分散効果を発現することできる。
一方で式1の関係を満たさない場合、結晶核剤部位(D)がポリエステルユニット(E)による相(E相)へ取りこまれ易くなってしまう。そのため可塑効果、造核効果、分散効果を十分に発揮できず、厚紙使用の低温定着性、耐久性、帯電立ち上がり速度に劣るトナーとなるため好ましくない。
C、D、E、Fの各ユニットのSP値は用いるモノマーの種類や含有量を選択することによって制御することができる。モノマーのSP値はモノマーの極性が高いほど高い傾向にある。SP値を大きくするためには、例えば、SP値の高いモノマーの使用量を多くすればよい。一方、SP値を小さくするためには、例えば、SP値の低いモノマーの使用量を多くすればよい。
0.60≦┃Sd−Se┃−┃Sd−Sf┃≦1.60
であることが好ましく、
0.80≦┃Sd−Se┃−┃Sd−Sf┃≦1.40
であることがより好ましい。
┃Sd−Se┃−┃Sd−Sf┃は、大きいほど結晶核剤部位(D)が相対的にポリエステルユニット(E)に反発され、ビニル系重合体ユニット(F)と親和することを示す指標である。
┃Sd−Se┃−┃Sd−Sf┃が0.60以上であることにより、該結晶核剤部位(D)がポリエステルユニット(E)に適度に反発されることで、安定的にビニル系重合体ユニット(F)による相(F相)に存在させることができる。
そのため造核効果が高まり、結晶性ポリエステル樹脂Aの結晶性を良化でき、さらに耐久性が良好なトナーとなるため好ましい。
一方で、┃Sd−Se┃−┃Sd−Sf┃が1.60以下であることで、定着時に該結晶核剤部位(D)がポリエステルユニット(E)に過度に反発されることがなく、ポリエステル分子鎖(C)がE相に存在しやすくなる。
そのため、ポリエステル分子鎖(C)によるポリエステルユニット(E)の可塑スピードが高まり、結着樹脂を均―にシャープメルト化できるため、厚紙でかつグラフィック用途の印字比率の高い画像でも低温定着性が良好なトナーとなるため好ましい。
┃Sd−Sf┃≦1.00 (式2)
式2は、結晶核剤部位(D)とビニル系重合体ユニット(F)との親和性が高いことを示すものである。
式2を満たさないトナーは、結晶核剤部位(D)とビニル系重合体ユニット(F)との親和性が低すぎるため、定着時に結晶核剤部位(D)がビニル系重合体ユニット(F)を十分に可塑化することができない。そのため厚紙使用の低温定着性に劣るため好ましくない。またビニル系重合体ユニット(F)による相(F相)において、結晶核剤部位(D)を微分散させることができないため、結晶性ポリエステル樹脂Aの分散性が低下してしまい、帯電立ち上がり速度に劣るトナーとなるため好ましくない。
より厚紙使用の低温定着性、帯電立ち上がり速度が良化する観点から、┃Sd−Sf┃は0.50以下であることがより好ましい。
┃Sc−Se┃<┃Sc−Sf┃ (式3)
式3は、ポリエステル分子鎖(C)のSP値(Sc)が、非晶性樹脂Bのビニル系重合体ユニット(F)のSP値(Sf)よりも、ポリエステルユニット(E)のSP値(Se)に、相対的に近いことを示す関係式である。
式3の関係を満たすことで、該ポリエステル分子鎖(C)がポリエステルユニット(E)と親和して引き寄せられ、ポリエステルユニット(E)による相(E相)に存在し易くなる。
式3の関係を満たさない場合、ポリエステル分子鎖(C)がビニル系重合体ユニット(F)による相(F相)へ取りこまれ易くなってしまう。
そのため、定着時においてポリエステル分子鎖(C)によるポリエステルユニット(E)の可塑化に遅れが生じ、厚紙使用における低温定着性が劣るため好ましくない。
またポリエステル分子鎖(C)がビニル系重合体ユニット(F)による相(F相)へ取りこまれることで、結晶性ポリエステル樹脂Aの凝集による分散性の低下を招き、帯電立ち上がり速度に劣るトナーとなるため好ましくない。
┃Sc−Se┃≦1.50・・・(式4)
グラフィック用途等では、同一紙面上における画像グロスの均一性に対する要望も依然高い。特に同一紙面上においてトナーの載り量が異なる画像が混在する場合、これらの画像間でグロス差が生じ易くなる場合がある。
本発明のトナーは式4の関係を満たすことで、上記のような画像であっても画像グロスの均一性の高いトナーを提供することができる。
式4を満たすトナーとすることで、ポリエステル分子鎖(C)と非晶性樹脂Bのポリエステルユニット(E)との親和性を高めることができ、定着時におけるポリエステル分子鎖(C)によるポリエステルユニット(E)の可塑スピードを向上できる。
そのためトナーの載り量が異なる画像が混在する場合であっても、定着時においてこれらの画像間に粘度ムラを生じさせることなくシャープメルト化できるため、画像グロスの均一性が良好なトナーとなるため好ましい。
より画像グロスの均一性に優れたトナーとなる観点で、┃Sc−Se┃は1.00以下であることがさらに好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂Aがポリエステル分子鎖(C)の末端に結晶核剤部位(D)を有さない場合、造核効果が極端に弱くなる。
そのため結晶性ポリエステル樹脂Aが結晶性に劣るものとなり、常温時おいて非晶性樹脂Bと相溶して可塑化するため、耐久性に劣るトナーとなり、好ましくない。
また、該結晶核剤部位(D)による分散効果が得られない。
そのため、結晶性ポリエステル樹脂Aの分散性が低下して帯電立ち上がり速度に劣るトナーとなるため好ましくない。
加えて、定着時に非晶性樹脂Bの該ビニル系重合体ユニット(F)を可塑化し難くなるため、厚紙使用の低温定着性に劣るものとなるため好ましくない。
しかし、より安定的に造核効果を発現できる観点で、主鎖が直鎖の炭化水素系部位を含んでなり、結晶性ポリエステル樹脂の分子鎖末端と反応しうる1価以上の官能基を有する化合物に由来する部位であることが好ましい。
その中でも、より厚紙使用における低温定着性や耐久性が良好なトナーとなる観点で、該結晶核剤部位(D)は、炭素数10以上30以下(より好ましくは、炭素数14以上、30以下)の脂肪族モノアルコール及び炭素数11以上31以下(より好ましくは、炭素数15以上、31以下)の脂肪族モノカルボン酸のいずれか一方に由来する部位であることが好ましい。
すなわち、結晶核剤部位(D)は、結晶性ポリエステル樹脂Aにおいて、上記脂肪族モノアルコール及び/または脂肪族モノカルボン酸が、ポリエステル分子鎖(C)の末端に縮合した構造を有することが好ましい。
該結晶核剤部位が、炭素数10以上の脂肪族モノアルコール及び/または炭素数11以上の脂肪族モノカルボン酸に由来する部位であると、分子鎖の規則性が高まるために造核速度が高まり、トナーの耐久性を良化できるため好ましい。
一方で、炭素数30以下の脂肪族モノアルコール及び/または炭素数31以下の脂肪族モノカルボン酸に由来する部位であると、熱溶融した際の分子運動性が高まってビニル系重合体ユニット(F)を可塑し易くなる。そのため厚紙使用の低温定着性をより良化できるため好ましい。
脂肪族モノアルコールとしては、1−デカノール、1−ドデカノール、1−テトラデカノール、1−ヘキサデカノール、1−オクタデカノール、1−ドコサノール、1−オクタコサノール、1−トリアコンタノール等が挙げられる。
脂肪族モノカルボン酸としては、n−デカン酸、n−ドデカン酸(ラウリン酸)、n−テトラデカン酸(ミリスチン酸)、n−ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、n−オクタデカン酸(ステアリン酸)、n−ドコサン酸(ベヘン酸)、n−オクタコサン酸(モンタン酸)、n−トリアコンタン酸などが挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂Aを構成する、モノマーに由来する全ユニットに対して、該結晶核剤部位(D)の含有量は、造核効果が高まり、トナーの耐久性を良化できる点で、0.10mol%以上が好ましく、0.50mol%以上がより好ましい。尚、上記ユニットとは、ポリエステル分子鎖(C)および結晶核剤部位(D)の合成に際して、共重合成分として用いられたモノマーに由来するユニットのことである。
一方で、トナー中における該結晶核剤部位(D)の自己凝集を抑制でき、さらに分散効果を高めてトナーの帯電立ち上がり速度を良化できる観点で、7.00mol%以下が好ましく、4.00mol%以下であることがより好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂A中において、ポリエステル分子鎖(C)と結晶核剤部位(D)とが結合しているか否かは、以下の分析によって判別する。
サンプルを2mg精秤し、クロロホルム2mLを加えて溶解させてサンプル溶液を作製する。樹脂サンプルとしては結晶性ポリエステル樹脂Aを用いるが、結晶性ポリエステル樹脂Aが入手困難な場合には、結晶性ポリエステル樹脂Aを含有するトナーをサンプルとして代用することも可能である。次に、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(DHBA)20mgを精秤し、クロロホルム1mLを添加して溶解させてマトリックス溶液を調製する。また、トリフルオロ酢酸Na(NaTFA)3mgを精秤した後、アセトンを1mL添加して溶解させてイオン化助剤溶液を調製する。
このようにして調製したサンプル溶液25μL、マトリックス溶液50μL、イオン化助剤溶液5μLを混合してMALDI分析用のサンプルプレートに滴下させ、乾燥させることで測定サンプルとする。分析機器として、MALDI−TOFMS(Bruker Daltonics製 ReflexIII)を用い、マススペクトルを得る。得られたマススペクトルにおいて、オリゴマー領域(m/Zが2000以下)の各ピークの帰属を行い、ポリエステル分子鎖(C)の末端に結晶核剤部位(D)が結合した組成に対応するピークが存在するか否かを確認する。
以下にポリエステル分子鎖(C)に好ましい原料モノマーについて説明する。
ポリエステル分子鎖(C)の原料モノマーに用いられるアルコール成分としては、結晶性を高める観点から、炭素数4以上、18以下の脂肪族ジオールを用いることが好ましい。これらの中でも、トナーの低温定着性、耐久性、帯電立ち上がり速度を高め易い観点から、炭素数6以上、12以下の脂肪族ジオールが好ましい。脂肪族ジオールとしては、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール等が挙げられる。上記脂肪族ジオールの含有量は、結晶性ポリエステル樹脂Aの結晶性をより高める観点から、アルコール成分中に80.0モル%以上100.0モル以下含有されることが好ましい。より好ましくは90.0モル%以上100.0モル%以下であり、さらに好ましくは95.0モル%以上100.0モル%以下である。
例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシプロピレン付加物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシエチレン付加物等
を含む下記式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の3価以上のアルコールが挙げられる。
ポリエステル分子鎖(C)の原料モノマーに用いられるカルボン酸成分としては、炭素数4以上18以下の脂肪族ジカルボン酸化合物を用いることが好ましい。これらの中でも、トナーの低温定着性、耐久性、帯電立ち上がり速度を高め易い観点から、炭素数6以上12以下の脂肪族ジカルボン酸化合物が好ましい。脂肪族ジカルボン酸化合物としては、1,8−オクタン二酸、1,9−ノナン二酸、1,10−デカン二酸、1,11−ウンデカン二酸、1,12−ドデカン二酸等が挙げられる。
炭素数6以上、18以下の脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量は、結晶性ポリエステル樹脂Aの結晶性をより高める観点から、カルボン酸成分中に80.0モル%以上100.0モル%以下含有されることが好ましい。より好ましくは90.0モル%以上100.0モル%以下であり、さらに好ましくは95.0モル%以上100.0モル%以下である。
本発明の結晶性ポリエステル樹脂Aのポリエステル分子鎖(C)は、より結晶性が高いものほど、トナー化時の結晶化を誘発でき、トナーの耐久性を良化できるため好ましい。そのため該ポリエステル分子鎖(C)は、飽和脂肪族ジオールと、飽和脂肪族ジカルボン酸とを縮重合させて得られたものであることが好ましい。
本発明のポリエステル分子鎖(C)のSP値(Sc)は式3の関係を満たすものであれば特に制限されるものではない。しかし、より耐久性、帯電立ち上がり速度の良好なトナーとなり易い点で、SP値(Sc)は9.00以上11.50以下であることが好ましい。
具体的には(Sc)が9.00以上であることで、ポリエステル分子鎖(C)が適度な極性基を有するため結晶性ポリエステル樹脂Aの電荷保持能が高まる。そのためトナーの
帯電立ち上がり速度を良化しやすいため好ましい。
一方で(Sc)が11.50以下であることで、ポリエステル分子鎖(C)の極性基が減り、規則性の高い分子鎖となるため結晶性ポリエステル樹脂Aの結晶性が高まる。そのためトナーの耐久性を良化しやすいため好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂Aの酸価は、2mgKOH/g以上40mgKOH/g以下である事が、帯電立ち上がり速度や帯電安定性の観点から好ましい。
本発明に用いられる結晶性ポリエステル樹脂Aは、結晶性を有している。そのため示差走査熱量計(DSC)測定において昇温時に吸熱ピークを有する。
特に制限されるものではないが、トナーの低温定着性と耐久性の観点から、吸熱ピークの面積から求められる融解熱量(ΔH)が80J/g以上160J/g以下であることが好ましい。同様の観点から、結晶性ポリエステル樹脂Aの融点は、60℃以上120℃以下であることが好ましく、70℃以上90℃以下であることがさらに好ましい。
非晶性樹脂Bがビニル系重合体ユニット(F)を含有せず、ポリエステルユニット(E)からなるポリエステル樹脂である場合、上述した該ビニル系重合体ユニット(F)と結晶核剤部位(D)との相互作用による造核効果、分散効果が発現しないため、耐久性や帯電立ち上がり速度に劣るトナーとなるため好ましくない。
また、非晶性樹脂Bが、ポリエステルユニット(E)を含有せず、ビニル系重合体ユニット(F)からなるビニル系重合樹脂である場合、上述したミクロ相分離構造を形成することができない。そのため上述した該ミクロ相分離構造と結晶核剤部位(D)との相互作用による可塑効果、分散効果が発現しないため、厚紙使用における低温定着性や帯電立ち上がり速度に劣るトナーとなり好ましくない。
また、非晶性樹脂Bが、単にビニル系重合体ユニット(F)とポリエステルユニット(E)を含有するのみで、ビニル系重合体ユニット(F)とポリエステルユニット(E)との化学的な結合を有さない場合、上述したミクロ相分離構造を形成することができない。
そのため上述した該ミクロ相分離構造と結晶核剤部位(D)との相互作用による可塑効果、分散効果が発現しないため、厚紙使用における低温定着性や帯電立ち上がり速度に劣るトナーとなり好ましくない。
また特に制限されるものではないが、非晶性樹脂Bが該ミクロ相分離構造を安定して形成し易いほど、結晶核剤部位(D)による分散効果が高まるため好ましい。この観点から、非晶性樹脂Bはポリエステルユニット(E)とビニル系重合体ユニット(F)のブロック共重合体および/またはグラフト共重合体を含む樹脂であることが好ましい。
なお本発明の非晶性樹脂Bは、ビニル系重合体ユニット(F)と結合していないポリエステルユニット(E)、あるいはポリエステルユニット(E)と結合していないビニル系重合体ユニット(F)を含んでいても良い。
また該ミクロ相分離構造を安定して形成できるという観点から、ポリエステルユニット(E)のSP値(Se)と、ビニル系重合体ユニット(F)のSP値(Sf)は適度に離れていることが好ましい。そのためSeとSfの差の絶対値である┃Se−Sf┃が、0.40以上であることが好ましく、0.80以上であることがより好ましい。一方、上限は、2.00以下であることが好ましく、1.50以下であることがより好ましい。
ビニル系重合体ユニット(F)が45質量%を超える場合、ビニル系重合体ユニット(F)が定着時において結晶核剤部位(D)によって十分に可塑化されないことがある。そのため高印字比率の画像に対する低温定着性も良化させる観点で、45質量%以下であることが好ましい。
一方でビニル系重合体ユニット(F)が5質量%未満である場合、結晶核剤部位(D)と相互作用できるビニル系重合体ユニット(F)が少なくなるために、結晶性ポリエステル樹脂Aの分散性が不十分となることがある。そのためトナーの帯電立ち上がり速度を良化させ、高印字画像を連続出力した際の画像カブリを低減できる観点で、5質量%以上であることが好ましい。
例えばスチレン系モノマーとしては、スチレン、o−メチルスチレン等が挙げられる。また例えばアクリル酸系モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、あるいはこれらのエステル系誘導体等があげられる。
アクリル酸のエステル系誘導体としては、アクリル酸のカルボキシル基の水素を、炭素数1以上50以下のアルキル基、またはアルケニル基等で置換したものを挙げることができる。
例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸−n−ラウリル、アクリル酸−n−ステアリル、アクリル酸−n−ベヘニル、アクリル酸−n−テトラコシル、アクリル酸−n−テトラコシル、アクリル酸−n−ヘキサコシル、アクリル酸−n−オクタコシル、アクリル酸−n−トリアコンチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ターシャリーブチル等が挙げられる。
また例えばメタクリル酸のエステル系誘導体としては、メタクリル酸のカルボキシル基の水素を、炭素数1以上50以下の直鎖状のアルキル基および/または環状のアルキルまたはアルケニル基等で置換したものを挙げることができる。
具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−n−ラウリル、メタクリル酸−n−ステアリル、メタクリル酸−n−ベヘニル、メタクリル酸−n−テトラコシル、メタクリル酸−n−テトラコシル、メタクリル酸−n−ヘキサコシル、メタクリル酸−n−オクタコシル、メタクリル酸−n−トリアコンチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ターシャリーブチル等が挙げられる。
例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。
これらの開始剤は、重合効率の観点からモノマー100質量部に対し0.05質量部以上10質量部以下で用いるのが好ましい。
そのため、両ユニットの原料モノマーのいずれとも反応しうる化合物(以下「両反応性化合物」という)を用いて重合を行う。
このような両反応性化合物としては、前記の縮重合系樹脂のモノマー及び付加重合系樹
脂のモノマー中の、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸、シトラコン酸、マレイン酸、及びフマル酸ジメチル等の化合物が挙げられる。これらのうち、フマル酸、アクリル酸、及びメタクリル酸が好ましく用いられる。
両反応性化合物の使用量は、全原料モノマー中0.1質量%以上20.0質量%以下、好ましくは0.2質量%以上10.0質量%以下である。
ただし、より帯電安定性の良好なトナーとなり、高温高湿下で放置した場合にも帯電緩和による低帯電量トナーの発生を抑え、画像カブリを良化できる観点から、Sfが下記式5の関係を満たすことが好ましい。
Sf≦9.00・・・(式5)
Sfは、8.90以下であることがより好ましく、8.85以下であることがさらに好ましい。
SP値(Sf)は溶解度パラメーターであるが、分子構造として考えた場合、高いほど極性基を多く含むことに対応している。そのためSP値(Sf)が低いほど、該ビニル系重合体ユニット(F)の極性基に対する水分吸着を抑え、放置による帯電緩和を抑制できるものと推定される。
なお、SP値(Sf)の下限については制限されるものではないが、トナーの飽和帯電量のコントロールという観点で、8.20以上であることが好ましい。
なお本発明の非晶性樹脂Bのビニル系重合体ユニット(F)のSP値(Sf)は前記両反応性化合物を含む値とする。
本発明のポリエステルユニット(E)に好ましく用いられる原料モノマーについて以下に説明する。
2価のアルコール成分としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシプロピレン付加物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシエチレン付加物等を含む上記式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等を用いることができる。
また、3価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等を用いることができる。
これらの2価のアルコール成分及び3価以上の多価アルコール成分から単独で、又は複数の単量体を用いることができる。
3価以上の多価カルボン酸成分としては、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸及びこれらの酸無水物、低級アルキルエステル等が挙げられる。
ポリエステルユニット(E)の製造方法は、特に限定されることなく、上記の各単量体等を用いて、エステル化反応、又はエステル交換反応によって製造することができる。
原料モノマーを重合させる際には、反応を促進させるため、酸化ジブチル錫等の通常使用されているエステル化触媒等を適宜使用してもよい。
しかし得られるトナーの帯電立ち上がり速度と、帯電安定性が良好となる観点で、Seは9.50以上、11.00以下であることが好ましい。
非晶性樹脂Bの重量平均分子量(Mwb)は、トナーの耐久性と、低温定着性の観点から、好ましくは8000以上1,200,000以下、より好ましくは40,000以上300,000以下である。
非晶性樹脂Bの酸価は、2mgKOH/g以上40mgKOH/g以下であることが、トナーの帯電立ち上がり速度や帯電安定性の観点から好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂Aが5質量%以上であることで、定着時において結着樹脂を均一に可塑化し易くなり、厚紙使用における低温定着性や画像グロスの均一性が良化するため好ましい。より好ましくは7質量%以上である。
一方で結晶性ポリエステル樹脂Aが40質量%以下であることで、トナーの製造時に結晶性ポリエステル樹脂Aを十分に結晶化することができ、常温時の可塑化を抑え、トナーの耐久性を良化できるため好ましい。より好ましくは20質量%以下である。
該ワックスとしては、トナー中での分散のしやすさ、離型性の高さから、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスの如き炭化水素系ワックスが好ましい。必要に応じて一種または二種以上のワックスを、少量併用してもかまわない。
具体的には、例えば、以下のものが挙げられる。ビスコール(登録商標)330−P、550−P、660−P、TS−200(三洋化成工業社)、ハイワックス400P、200P、100P、410P、420P、320P、220P、210P、110P(三井化学社)、サゾールH1、H2、C80、C105、C77(シューマン・サゾール社)、HNP−1、HNP−3、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12(日本精鑞株式会社)、ユニリン(登録商標)350、425、550、700、ユニシッド(登録商標)350、425、550、700(東洋アドレ株式会社)、木ろう、蜜ろう、ライスワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス(株式会社セラリカNODAにて入手可能)。
該ワックスを添加するタイミングは、トナー製造中の溶融混練時において添加しても良いが非晶性樹脂Bの製造時であっても良く、既存の方法から適宜選ばれる。又、これらのワックスは単独で使用しても併用しても良い。
該ワックスは結着樹脂(結晶性ポリエステル樹脂Aおよび非晶性樹脂Bの合計)100.0質量部に対して、1.0質量部以上20.0質量部以下添加することが好ましい。
はトナー粒子中への微分散性を向上させる目的で、製造時のスラリーにせん断をかけ、磁性酸化鉄を一旦ほぐす処理を施すことが好ましい。
本発明のトナーが磁性トナーである場合、含有する磁性酸化鉄の量(着色剤として)は、トナー中に25質量%以上45質量%以下であることが好ましく、より好ましくは30質量%以上45質量%以下が良い。
着色剤の添加量は結着樹脂(結晶性ポリエステル樹脂Aおよび非晶性樹脂Bの合計)100.0質量部に対して、0.1質量部以上60.0質量部以下が好ましく、より好ましくは0.5質量部以上50.0質量部以下である。
また本発明のトナーにおいては、無機微粉末としてトナー粒子表面への流動性付与能が高い、流動性向上剤を使用することができる。
該流動性向上剤としては、トナー粒子に外添することにより、添加前後を比較すると流動性が増加し得るものならば使用可能である。
例えば、以下のものが挙げられる。フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、それらシリカをシランカップリング剤、チタンカップリング剤、又はシリコーンオイル等により表面処理を施した処理シリカ。好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であり、乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸素、水素中における熱分解酸化反応を利用するもので、反応式は次の様なものである。
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl
また、この製造工程において、塩化アルミニウム又は塩化チタンの如き他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって得られたシリカと他の金属酸化物の複合微粉体でも良い。
好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度が30mm2/s以上1000mm2/s以下のものが用いられる。例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが特に好ましい。
シリコーンオイル処理の方法としては、以下の方法が挙げられる。シランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混合する方法。ベースとなるシリカ微粉体にシリコーンオイルを噴霧する方法。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、シリカ微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法。シリコーンオイル処理シリカは、シリコーンオイルの処理後にシリカを不活性ガス中で温度200℃以上(より好ましくは250℃以上)に加熱し表面のコートを安定化させることがより好ましい。
本発明においては、シリカをあらかじめ、カップリング剤で処理した後にシリコーンオイルで処理する方法、または、シリカをカップリング剤とシリコーンオイルで同時に処理する方法によって処理されたものが好ましい。
本発明のトナーには、必要に応じて他の添加剤を含有しても良い。例えば、帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ローラー定着時の離型剤、滑剤、研磨剤の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子である。
滑剤としては、ポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末が挙げられる。中でもポリフッ化ビニリデン粉末が好ましい。研磨剤としては、酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末が挙げられる。これらの外添剤はヘンシェルミキサー等の混合機を用いて十分混合し本発明のトナーを得ることができる。
磁性キャリアとしては、例えば、表面を酸化した鉄粉若しくは未酸化の鉄粉;鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、希土類の如き金属粒子、並びにそれらの合金粒子及び酸化物粒子;フェライト;等の磁性体や、磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持するバインダー樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)等、一般に公知のものを使用できる。
本発明のトナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、磁性キャリアの混合比率は、現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上15質量%以下とすることが好ましい。
溶融混練時のせん断を加えて混合することで、結晶性ポリエステル樹脂Aの分子鎖が非晶性樹脂Bに入り込み易くなるため、上述した該結晶核剤部位(D)とビニル系重合体ユニット(F)との相互作用による可塑効果、造核効果、分散効果を発現し易くなる。
そのため厚紙使用の低温定着性、耐久性、帯電立ち上がり速度に優れたトナーを得やすいため好ましい。
晶性樹脂B、着色剤、および必要に応じてその他の添加剤等を、所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結晶性ポリエステル樹脂Aおよび非晶性樹脂Bからなる結着樹脂中に着色剤等を分散させる。溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が好ましい。KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝鉄工製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕した後、更に、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(ターボ工業製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)の如き分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。
また、必要に応じて、粉砕後に、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)、メテオレインボー MR Type(日本ニューマチック社製)を用いて、球形化処理の如きトナー粒子の表面処理を行うこともできる。
更に必要に応じて所望の添加剤をヘンシェルミキサー等の混合機により十分混合し、本発明のトナーを得ることが出来る。
本発明のトナーは、該結晶核剤部位(D)とビニル系重合体ユニット(F)による結晶性ポリエステル樹脂Aの分散効果によって、アニーリング工程を設けても、結晶性ポリエステル樹脂Aの分散性の低下を抑制できるため好ましい。
本発明の結晶性ポリエステル樹脂A、非晶性樹脂B、及びトナーに係る物性の測定方法は以下に示す通りである。後述の実施例もこの方法に基づいている。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mLの流速で流し、THF試料溶液を約100μL注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント値との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては例えば、東ソー社製あるいは昭和電工社製の分子量が102以上107以下程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。又、検出器はRI(屈折率)検出器を用いる。尚、カラムとしては市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,8
04,805,806,807,800Pの組み合せや、東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSK guard columnの組み合せを挙げることができる。
また、試料は以下のようにして作製する。
試料をTHF中に入れ、25℃で数時間放置した後、十分振とうし、THFとよく混ぜ(試料の合一体が無くなるまで)、更に12時間以上静置する。その時THF中への放置時間が24時間となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.2μm以上0.5μm以下、例えばマイショリディスクH−25−2(東ソー社製)など使用できる。)を通過させたものをGPCの試料とする。又、試料濃度は、樹脂成分が0.5mg/mL以上5.0mg/mL以下となるように調製する。
結晶性ポリエステル樹脂A及びワックスの融点は、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定したDSC曲線において、最大吸熱ピークのピーク温度を融点とし、ピークの面積から求められる熱量を融解熱量とする。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、試料約2mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。尚、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピーク温度を、融点、ピークの面積から求められる熱量を融解熱量とする。
非晶性樹脂B及びトナーのTgは、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、試料約2mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲0℃〜180℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。尚、測定においては、一度180℃まで昇温させ、続いて0℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度0℃〜100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、非晶性樹脂B及びトナーのガラス転移温度Tgとする。
非晶性樹脂B及びトナーの軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行なう。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。尚、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax−Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとSminの和となるときの流動曲線の温度が、1/2法におけ
る溶融温度である。
測定試料は、約1.0gの試料を、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
CFT−500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
昇温速度:4℃/min
開始温度:50℃
到達温度:200℃
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。ポリエステル樹脂の酸価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mLに溶かし、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mLの水に溶かし、エチルアルコール(95vol%)を加えて1Lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/L塩酸25mLを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/L塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
粉砕した試料2.0gを200mLの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mLを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
トナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行った。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
1.Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
2.ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
3.発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
4.前記2.のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
5.前記4.のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
6.サンプルスタンド内に設置した前記1.の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記5.の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調製する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
7.測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、ポリエスエル分子鎖(C)のアルコールモノマーとして1,10−デカンジオールを、酸モノマーとして1,10−デカン二酸を表1に示す配合量で投入した。
そして触媒としてジオクチル酸錫をモノマー総量100質量部に対して0.8質量部添加し、窒素雰囲気下で140℃に加熱して常圧下で水を留去しながら7時間反応させた。次いで200℃まで10℃/時間で昇温しつつ反応させ、200℃に到達してから2時間反応させた後、200℃にて反応槽内を5kPa以下に減圧して2時間反応させた。
その後、反応槽内の圧力を序々に開放して常圧へ戻して、表1に示した結晶核剤部位(D)のモノマー(1−オクタデカノール)を加え、常圧下にて200℃で1.5時間反応
させた。その後、200℃にて再び反応槽内を5kPa以下へ減圧し、200℃で2.5時間反応させることにより結晶性ポリエステル樹脂A1を得た。
得られた結晶性ポリエステル樹脂A1の諸物性を表2に示す。
得られた結晶性ポリエステル樹脂A1のMALDI−TOFMSのマススペクトルには、ポリエステル分子鎖(C)の末端に1−オクタデカノールが結合した組成のピークが確認された。このことから、結晶性ポリエステル樹脂A1は、ポリエステル分子鎖(C)の末端に結晶核剤部位(D)が結合した樹脂であることが確認された。
結晶性ポリエステル樹脂A1の製造例において、表1に記載のようにポリエステル分子鎖(C)のモノマー種、結晶核剤部位(D)のモノマー種、およびこれらの配合量を変更した以外は結晶性ポリエステル樹脂A1の製造例と同様にして、結晶性ポリエステル樹脂A2乃至A24を得た。これらの諸物性を表2に示す。
また得られた結晶性ポリエステル樹脂A2乃至23のMALDI−TOFMSのマススペクトルにおいて、ポリエステル分子鎖(C)の分子末端に結晶核剤部位(D)モノマーが結合した組成のピークが確認された。そのため、結晶性ポリエステル樹脂A2乃至23は、ポリエステル分子鎖(C)の末端に結晶核剤部位(D)が結合している樹脂であることが確認された。
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、表3に示す配合量のポリエステルユニット(E)のモノマーを入れた後、触媒としてジブチル錫をポリエステルユニット(E)のモノマー総量100質量部に対して1.5質量部添加した。そして窒素雰囲気下にて160℃に撹拌しながら昇温した。
次に表3に示す配合量のビニル系重合体ユニット(F)のモノマー(両反応性化合物を含む)と、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイドを2.0mol部を混合したものを調製し、滴下ロートから4時間かけて反応槽中に滴下した。このとき滴下量は表3に示すポリエステルユニット(E)とビニル系重合体ユニット(F)の質量比となるように調整した。滴下終了後、160℃で4時間反応させた後、230℃に昇温しながら反応系を減圧して縮重合反応を行った。このときここで減圧開始後からの重縮合時間は非晶性樹脂B1の軟化点が表3の値となるように設定した。
非晶性樹脂B1の反応終了後、反応槽から取り出し、冷却、粉砕して非晶性樹脂B1を得た。非晶性樹脂B1の諸物性については表3に示した通りである。
なお、所望の軟化点する重縮合時間を決定するために、予備検討として、減圧開始後からの重縮合時間を複数点変更して非晶性樹脂を反応槽から樹脂を取り出し、冷却、粉砕した後に軟化点を測定した。この予備検討で得られた非晶性樹脂B1処方における重縮合時間と軟化点との対応関係を元に、表3に記載の軟化点となるように重縮合時間を決定した
。
非晶性樹脂B1の製造例において、表3に記載のようにポリエステルユニット(E)のモノマー種、ビニル系重合体ユニット(F)のモノマー種、およびこれらの配合量、ならびに重縮合時間を変更した以外は非晶性樹脂B1の製造例と同様にして、非晶性樹脂B2乃至B12を得た。これらの諸物性を表3に示す。重縮合時間は非晶性樹脂B1の製造例と同様に予備検討を行い、得られたそれぞれの非晶性樹脂処方における重縮合時間と軟化点との対応関係を元に、表3に記載の軟化点となるように重縮合時間を決定した。
非晶性樹脂B1の製造例において、表4に記載のようにポリエステルユニット(E)のモノマー種、ビニル系重合体ユニット(F)のモノマー種、およびこれらの配合量、ならびに重縮合時間を変更した以外は非晶性樹脂B1の製造例と同様にして、非晶性樹脂B13乃至B20、B23を得た。これらの諸物性を表4に示す。重縮合時間は非晶性樹脂B1の製造例と同様に予備検討を行い、得られたそれぞれの非晶性樹脂処方における重縮合時間と軟化点との対応関係を元に、表4に記載の軟化点となるように重縮合時間を決定した。
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応槽中に、表3に示す配合量のポリエステルユニット(E)のモノマーを入れた後、触媒としてジブチル錫をポリエステルユニット(E)のモノマー総量100質量部に対して1.5質量部添加した。そして窒素雰囲気下にて常圧で180℃まで素早く昇温した。
その後180℃から210℃まで10℃/時間の昇温速度で加熱しながら水を留去して重縮合を行い、210℃に到達してから反応槽内を5kPa以下まで減圧し、表4に示す軟化点に達するまで重縮合を行って非晶性樹脂B21を製造した。非晶性樹脂B21の諸物性を表4に示す。重縮合時間は非晶性樹脂B1の製造例と同様に予備検討を行い、得られたそれぞれの非晶性樹脂処方における重縮合時間と軟化点との対応関係を元に、表4に記載の軟化点となるように重縮合時間を決定した。
非晶性樹脂B21の製造例において、表4に記載のようにポリエステルユニット(E)のモノマー種、およびこれらの配合量を変更した以外は非晶性樹脂B21の製造例と同様にして、非晶性樹脂B22を得た。非晶性樹脂B22の諸物性を表4に示す。
重縮合時間は非晶性樹脂B1の製造例と同様に予備検討を行い、得られたそれぞれの非晶性樹脂処方における重縮合時間と軟化点との対応関係を元に、表4に記載の軟化点となるように重縮合時間を決定した。
・結晶性ポリエステル樹脂A1 15.0質量部
・非晶性樹脂B1 85.0質量部
・カーボンブラック 5.0質量部
・フィッシャートロプシュワックス(融点105℃) 6.0質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.8質量部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)で混合した後、二軸混練機(池貝鉄工(株)製PCM−30型))にて回転数3.3s−1、混練樹脂温度が非晶性樹脂B1の軟化点+10℃となるように混練機バレルの温度を調整して混練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(ターボ工業(株)製T−250)にて微粉砕した。さらに、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)が7.1μmの負摩擦帯電性のトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に、イソブチルトリメトキシシラン15質量%で表面処理した一次平均粒子径50nmの酸化チタン微粒子1.0質量部、及びヘキサメチルジシラザン20質量%で表面処理した一次平均粒子径16nmの疎水性シリカ微粒子0.8質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)製FM−75型)で混合して、トナー1を得た。
トナー1の諸物性、およびSc、Sd、Se、Sfを表5に示す。またトナー1のSc乃至Sfにかかる関係式1〜式4について表6に示す。
トナー1の製造例において、結晶性ポリエステル樹脂Aと非晶性樹脂Bの種類と、これらの質量比を表5に示したように変更した以外は、トナー1の製造例と同様にしてトナー2乃至32を製造した。トナー2乃至32の諸物性を表5に示す。
またトナー2乃至32のSc乃至Sfにかかる関係式1乃至式4について表6に示す。
本実施例において、得られたトナー1の評価に用いるマシンは、市販のカラーレーザープリンタColor Laser Jet CP4525(HP社製)を用いた。この評価機において、トナーを本実施例で製造したトナー1に変更して、以下の評価を実施した。
市販のカラーレーザープリンタColor Laser Jet CP4525(HP社製)の定着器を取り出し、定着装置の定着温度、定着ニップ面圧及びプロセススピードを任意に設定できるようにした外部定着器を作成した。温度23℃、相対湿度50%環境下で、レーザーコピア用紙(キヤノン製GF−C209 A4紙 坪量209g/m2)
を使用し、評価に用いるカートリッジはブラックカートリッジを用いた。
すなわち、市販のブラックカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本発明のトナー1を200g充填して評価を行った。
なお、マゼンタ、イエロー、シアンの各ステーションにはそれぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたマゼンタ、イエロー、およびシアンカートリッジを挿入して評価を行った。その後、トナー載り量が0.80mg/cm2となるようにベタ黒の未定着画像を出力した。
定着器のスリーブ表面温度を150℃とし、定着ニップ面圧を0.13MPaとし、プロセススピードを240mm/secから400mm/secまでの範囲で10mm/secごとに上げていき、上記ベタ黒未定着画像の定着を行った。得られたベタ黒画像を100gの荷重をかけたシルボン紙で5往復摺擦し、摺擦前後の画像濃度の濃度低下率が10%以下となる条件を、定着可能なプロセススピードとした。なお画像濃度の測定はエックスライト(エックスライト社製、500シリーズ、濃度測定モード)を使用し、5点測定の平均値により求めた。そして濃度低下率10%以下を満足する最も高いプロセススピードを定着上限速度とし、この定着上限速度が速いほど、厚紙使用における低温定着性に優れたトナーであると判断した。
結果は以下の基準で判定し、本発明ではCまでが許容できるレベルである。
A:定着上限速度が330mm/sec以上である。
B:定着上限速度が290mm/sec以上、330mm/sec未満である。
C:定着上限速度が240mm/sec以上、290mm/sec未満である。
D:定着上限速度が240mm/sec未満である。
市販のカラーレーザープリンタColor Laser Jet CP4525(HP社製)を用い、温度32.5℃、相対湿度80%環境下で、トナーの耐久性評価を行った。この時プリンターの定着器のスリーブの表面温度を150℃となるよう改造して用いた。
レーザーコピア用紙(キヤノン製GF−640 A4紙 坪量64g/m2)を使用し、評価に用いるカートリッジはブラックカートリッジを用いた。
すなわち、市販のブラックカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本発明のトナー1を200g充填して評価を行った。
なお、マゼンタ、イエロー、シアンの各ステーションにはそれぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたマゼンタ、イエロー、およびシアンカートリッジを挿入して評価を行った。
その後、ハーフトーン画像部のドット比率23%、載り量0.10mg/cm2となるように調整し、ハーフトーン画像の連続出力を行った。
得られた1枚目のハーフトーン画像と、20,000枚目の画像のぞれぞれの画像濃度を5点平均で測定し、20,000枚目の画像濃度を1枚目の画像濃度で除して、100倍することにより、ハーフトーン濃度維持率を求めた。
このハーフトーン濃度維持率が高いほど、耐久性に優れたトナーであると判断した。結果は以下の基準で判定した。本発明ではCまでが許容できるレベルである。
A:ハーフトーン濃度維持率が90%以上である。
B:ハーフトーン濃度維持率が80%以上、90%未満である。
C:ハーフトーン濃度維持率が60%以上、80%未満である。
D:ハーフトーン濃度維持率が60%未満である。
市販のカラーレーザープリンタColor Laser Jet CP4525(HP社製)を用い、温度32.5℃、相対湿度80%環境下で、トナーの帯電立ち上がり速度
の評価を行った。この時プリンターの定着器のスリーブの表面温度が150℃となるよう改造して用いた。
レーザーコピア用紙(キヤノン製GF−640 A4紙 坪量64g/m2)を使用し、評価に用いるカートリッジはブラックカートリッジを用いた。
すなわち、市販のブラックカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本発明のトナー1を200g充填して評価を行った。
なお、マゼンタ、イエロー、シアンの各ステーションにはそれぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたマゼンタ、イエロー、およびシアンカートリッジを挿入して評価を行った。
印字比率50%のベタ画像を50枚連続出力させた後、停止せずに51枚目として白紙を1枚を出力させるようにした。51枚目の白紙と、未通紙の白紙について、デジタル白色光度計 (TC−6D型、有限会社東京電色製、グリーンフィルター使用)を用い、反射率(%)をそれぞれ5点測定し、平均値を求めた。そして両者反射率(%)の平均値の差を求め、ベタ連続出力後の画像カブリ(%)とした。
このベタ連続出力後の画像カブリが低いほど、帯電立ち上がり速度に優れたトナーであると判断した。結果は以下の基準で判定した。本発明ではCまでが許容できるレベルである。
A:ベタ連続出力後の画像カブリが0.5%未満である。
B:ベタ連続出力後の画像カブリが0.5%以上、1.0%未満である。
C:ベタ連続出力後の画像カブリが1.0%以上、1.5%未満である。
D:ベタ連続出力後の画像カブリが1.5%以上である。
カラーレーザープリンタColor Laser Jet CP4525(HP社製)の定着器を取り出し、定着装置の定着温度、定着ニップ面圧及びプロセススピードを任意に設定できるようにした外部定着器を用い、トナーの画像グロスの均一性を評価した。
温度23℃、相対湿度50%環境下で、レーザーコピア用紙(キヤノン製GF−C081 A4紙 坪量81.4g/m2)を使用し、評価に用いるシアンカートリッジとマゼンタカートリッジを用いた。
すなわち、市販のシアンカートリッジとマゼンタカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、それぞれのカートリッジに本発明のトナー1を200g充填し、各ステーションに挿入した。
なお、ブラック、イエローの各ステーションにはそれぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたブラック、イエローカートリッジを挿入して評価を行った。その後、2次色と1次色を想定して、シアンステーション、マゼンタステーションの同一紙上に載り量が0.80mg/cm2の2次色ベタ画像と、0.40mg/cm2の1次色ベタ画像を有する未定着画像を出力した。
そして該未定着画像を、定着器のスリーブ表面温度を150℃とし、定着ニップ面圧を0.13MPaとし、プロセススピードを300mm/secとして、定着を行った。
得られた定着画像について、0.80mg/cm2の2次色ベタ画像部と、0.40mg/cm2の1次色ベタ画像部のそれぞれについて、ハンディグロスメーター(PG−1M型、有限会社東京電色製)を用いて、60°グロス値を測定した。そして2次色ベタ画像部の60°グロス値と、1次色ベタ画像部の60°グロス値の差を求め、2次色ベタ画像部の60°グロスで除して100倍することにより、画像グロスの変化率(%)を求めた。
この画像グロスの変化率(%)が低いほど、画像グロスの均一性に優れたトナーであると判断した。結果は以下の基準で判定した。本発明ではCまでが許容できるレベルである。
A:画像グロスの変化率(%)が10%未満である。
B:画像グロスの変化率(%)が10%以上、15%未満である。
C:画像グロスの変化率(%)が15%以上、25%未満である。
D:画像グロスの変化率(%)が25%以上である。
市販のカラーレーザープリンタColor Laser Jet CP4525(HP社製)を用い、温度32.5℃、相対湿度80%環境下で、トナーの帯電安定性の評価を行った。この時プリンターの定着器のスリーブの表面温度を150℃となるよう改造して用いた。
レーザーコピア用紙(キヤノン製GF−640 A4紙 坪量64g/m2)を使用し、評価に用いるカートリッジはブラックカートリッジを用いた。
すなわち、市販のブラックカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本発明のトナー1を200g充填して評価を行った。
なお、マゼンタ、イエロー、シアンの各ステーションにはそれぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたマゼンタ、イエロー、およびシアンカートリッジを挿入して評価を行った。
その後、ハーフトーン画像部のドット比率23%、載り量0.10mg/cm2となるように調整し、ハーフトーン画像を10枚連続出力した後、11枚目に白紙を出力し、該11枚目の白紙をサンプリングした(白紙A)。その後、そのまま3日間放置した後、白紙を1枚出力してサンプリングした(白紙B)。
白紙Aと、白紙Bについて、デジタル白色光度計(TC−6D型、有限会社東京電色製、グリーンフィルター使用)を用い、反射率(%)をそれぞれ5点測定し、平均値を求めた。そして両者反射率(%)の平均値の差を求め、放置前後の画像カブリ差(%)とした。
この放置前後の画像カブリ差(%)が低いほど、帯電安定性に優れたトナーであると判断した。結果は以下の基準で判定した。本発明ではCまでが許容できるレベルである。 A:放置前後の画像カブリ差(%)が0.5%未満である。
B:放置前後の画像カブリ差(%)が0.5%以上、1.0%未満である。
C:放置前後の画像カブリ差(%)が1.0%以上、1.5%未満である。
D:放置前後の画像カブリ差(%)が1.5%以上である。
実施例1において、評価に用いるトナーを表7に示したように変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2乃至25、比較例1乃至7の評価結果を得た。実施例2乃至25、比較例1乃至7の評価結果を表7に示す。
なお、本発明で用いられるSP値は一般的に用いられている方法により、構成されるモノマーの種類とモル比率から算出する。
Claims (8)
- 結晶性ポリエステル樹脂A、非晶性樹脂B、及び着色剤を含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、
(1)該結晶性ポリエステル樹脂Aは、ポリエステル分子鎖(C)の末端に結晶核剤部位(D)を有する樹脂であり、
(2)該非晶性樹脂Bは、ポリエステルユニット(E)とビニル系重合体ユニット(F)が化学的に結合したハイブリッド樹脂であり、
(3)該ポリエステル分子鎖(C)のSP値をSc((cal/cm3)1/2)とし、該結晶核剤部位(D)のSP値をSd((cal/cm3)1/2)とし、該ポリエステルユニット(E)のSP値をSe((cal/cm3)1/2)とし、該ビニル系重合体ユニット(F)のSP値をSf((cal/cm3)1/2)としたとき、
該Sc、該Sd、該Se及び該Sfが下記の式1〜3を満たすことを特徴とするトナー。
┃Sd−Sf┃<┃Sd−Se┃ (式1)
┃Sd−Sf┃≦1.00 (式2)
┃Sc−Se┃<┃Sc−Sf┃ (式3)
- 該結晶核剤部位(D)は、炭素数10以上30以下の脂肪族モノアルコール及び炭素数11以上31以下の脂肪族モノカルボン酸のいずれか一方に由来する部位であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 該Scと該Seとが下記式4を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
┃Sc−Se┃≦1.50・・・(式4) - 該Sfが下記式5を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトナー。
Sf≦9.00・・・(式5) - 該トナー粒子中における結晶性ポリエステル樹脂Aと非晶性樹脂Bとの質量比が、結晶性ポリエステル樹脂A:非晶性樹脂B=5:95〜40:60であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトナー。
- 該非晶性樹脂Bにおける、ポリエステルユニット(E)とビニル系重合体ユニット(F)の質量比が、ポリエステルユニット(E):ビニル系重合体ユニット(F)=55:45〜95:5であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のトナー。
- 結晶性ポリエステル樹脂Aを構成するモノマーに由来する全ユニットに対して、該結晶核剤部位(D)の含有量が、0.10mol%以上7.00mol%以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のトナー。
- ┃Se−Sf┃が、0.40以上であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のトナー。
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