JP2018066926A - トナー、現像剤、トナー収容ユニット、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、結晶性ポリエステル樹脂、離型剤及びグラフト重合体を含有するトナーが提案されている(例えば、特許文献7参照)。
本発明は、フィルミングがなく、優れた低温定着性、耐高温オフセット性、耐ストレス性、及び耐熱保存性を有するトナーを提供することを目的とする。
本発明のトナーは、少なくとも結晶性ポリエステル樹脂、非晶質ポリエステル樹脂、及び分散樹脂を含有してなるトナーであって、前記分散樹脂が、スチレンアクリル部とポリエステル部とを有する樹脂であり、前記結晶性ポリエステル樹脂のSP(溶解パラメータ)値(cal1/2/cm3/2)をSP(1)、前記非晶質ポリエステル樹脂のSP値をSP(2)、前記分散樹脂のスチレンアクリル部のSP値をSP(A)、前記分散樹脂のポリエステル部のSP値をSP(B)としたとき、下記式(1)から式(2)の関係を満たすことを特徴とする。
|SP(1)−SP(A)|≦0.5・・・(1)
0≦SP(2)−SP(B)≦0.5・・・(2)
本発明のトナーは、結晶性ポリエステル樹脂、非晶質ポリエステル樹脂、及び分散樹脂を少なくとも含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
また、前記分散樹脂は、スチレンアクリル部とポリエステル部とを有する樹脂である。
本発明者らが従来技術について検討した結果、上記特許文献4、及び5に記載のトナーは、近年要求される高いレベルの低温定着性を満足するものではないことがわかった。また、上記特許文献6〜8に記載のトナーは、耐熱保存性、耐高温オフセット性、及び低温定着性は得られるものの、ポリエステル樹脂、離型剤の分散性が十分ではなく、表面偏在を防げていないことから、フィルミングが発生するという問題がある。そして、上記特許文献6〜8に記載のトナーは、近年要求される、高いレベルの耐熱保存性、耐ストレス性を十分満足するものではないことがわかった。
そこで、本発明者らは、フィルミングがなく、さらに近年要求される、高いレベルの低温定着性、耐高温オフセット性、耐ストレス性、及び耐熱保存性を満足するトナーを得るために、さらなる検討を重ねた結果、以下の関係を満足するトナーが有効であることを見出した。
|SP(1)−SP(A)|≦0.5・・・(1)
0≦SP(2)−SP(B)≦0.5・・・(2)
また、前記分散樹脂のSP値をSP(3)としたとき、下記式(3)から式(5)の関係を満たす。
9.7≦SP(1),SP(A)≦10.4・・・(3)
10.7≦SP(2),SP(B)≦11.5・・・(4)
10.4≦SP(3)≦10.7・・・(5)
さらに、上記式(3)から式(5)の関係を満たすことで、前記結晶性ポリエステル樹脂がより均一にトナー内部に微分散することが可能となる。
従って、上記式(1)から式(2)、特に好ましくは、上記式(1)から式(5)を満たすトナーは、前記結晶性ポリエステル樹脂のフィルミングを防止し、耐高温オフセット性、耐ストレス性、及び耐熱保存性を改良し、かつ低温定着性を満足することができる。
[SP(2)−SP(B)>0.5]の場合、前記分散樹脂の前記結晶性ポリエステル樹脂に対する分散効果が低下し、前記結晶性ポリエステル樹脂の分散径が大きくなり、トナー表面に前記結晶性ポリエステル樹脂が偏在しやすくなり、前記結晶性ポリエステル樹脂のフィルミング、汚染が生じやすくなる。
[0>SP(2)−SP(B)]の場合、前記分散樹脂の前記結晶性ポリエステル樹脂に対する分散効果が低下し、前記結晶性ポリエステル樹脂の分散径が大きくなり、トナー表面に前記結晶性ポリエステル樹脂が偏在しやすくなり、前記結晶性ポリエステル樹脂のフィルミング、汚染が生じやすくなる。
特に、トナーにストレスをかけると、表面に偏在している結晶性ポリエステル樹脂が起因となって、トナー同士が凝集してしまう、トナーにキャリアが埋没してしまう。トナーが凝集したり、トナーにキャリアの埋没してしまうと、耐ストレス性試験の結果(帯電量)が悪化する。結晶性ポリエステル樹脂の表面偏在量が多くなると耐ストレス性が悪化するおそれがある。
前記非晶質ポリエステル樹脂は、多価アルコール成分と、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸成分とを用いて得られる。
なお、本発明において非晶質ポリエステル樹脂とは、上記のごとく、多価アルコール成分と、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸成分とを用いて得られるものを指し、ポリエステル樹脂を変性したもの、例えば、後述するプレポリマー、及びそのプレポリマーを架橋及び/又は伸長反応させて得られる樹脂は、前記非晶質ポリエステル樹脂には属さない。
さらには、重量平均分子量(Mw)3,000〜6,000、数平均分子量(Mn)1,500〜3,000、Mw/Mn1.0〜3.5であることが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂は、飽和脂肪族ジオールに由来する構成単位を有していることが好ましい。
前記飽和脂肪族ジオールとしては、炭素数2〜8の直鎖脂肪族ジオールであることが好ましい。これにより、前記結晶性ポリエステル樹脂が均一にトナー内部に微分散することが可能となり、前記結晶性ポリエステル樹脂のフィルミングを防止し、耐ストレス性を改良し、かつトナーの低温定着性を達成することができる。
なお、本発明において結晶性ポリエステル樹脂とは、上記のごとく、多価アルコール成分と、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸成分とを用いて得られるものを指し、結晶性ポリエステル樹脂を変性したもの、例えば、後述するプレポリマー、及びそのプレポリマーを架橋及び/又は伸長反応させて得られる樹脂は、前記結晶性ポリエステル樹脂には属さない。
前記多価アルコール成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール、3価以上のアルコールが挙げられる。
前記ジオールとしては、例えば、飽和脂肪族ジオールが挙げられる。前記飽和脂肪族ジオールとしては、直鎖型飽和脂肪族ジオール、分岐型飽和脂肪族ジオールが挙げられるが、これらの中でも、直鎖型飽和脂肪族ジオールが好ましく、炭素数が2〜8である直鎖型飽和脂肪族ジオールがより好ましい。前記飽和脂肪族ジオールが分岐型であると、前記結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が低下してしまうことがある。また、主鎖部分の炭素数が2以上であれば、芳香族ジカルボン酸と縮重合させる場合に、融解温度が高くなり、低温定着が困難となることがあるという問題を有効に防止することができる。一方、炭素数が8以下であれば、実用上、材料の入手が容易である。
前記3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価カルボン酸成分としては、セバシン酸を用いるが、目的に応じて他の2価のカルボン酸、3価以上のカルボン酸を併用することができる。
前記2価のカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸;などが挙げられ、さらに、これらの無水物やこれらの低級アルキルエステルも挙げられる。
また、多価カルボン酸成分としては、前記飽和脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸成分が含まれていてもよい。さらに、前記飽和脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、2重結合を持つジカルボン酸成分を含有してもよい。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記融点は、示差走査熱量計(DSC)測定におけるDSCチャートの吸熱ピーク値により測定することができる。
さらには、重量平均分子量(Mw)5,000〜15,000、数平均分子量(Mn)2,000〜10,000、Mw/Mn1.0〜5.0であることが好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂の粒子径は、トナー断面を走査型電子顕微鏡(SEM)などにより観察することで測定できる。
前記分散樹脂は、スチレンアクリル部とポリエステル部とを有する樹脂である。ここで、スチレンアクリル部とは、スチレンアクリル系樹脂の原料モノマーに由来する構成単位を有するスチレンアクリル系樹脂成分をいい、ポリエステル部とは、ポリエステル系樹脂の原料モノマーに由来する構成単位を有するポリエステル系樹脂成分をいう。
前記分散樹脂は、ポリエステル系樹脂成分(ポリエステル樹脂ユニット)とスチレンアクリル系樹脂成分(スチレンアクリル系樹脂ユニット)とが部分的に化学結合して成る複合樹脂である。
分散樹脂がポリエステル系樹脂ユニットを有することにより、前記結晶性ポリエステル樹脂のトナー中での分散性を改良することができる。このことにより、前記結晶性ポリエステル樹脂が均一にトナー内部に微分散することが可能となり、前記結晶性ポリエステル樹脂と、前記離型剤のフィルミングを防止し、耐ストレス性を改良し、かつトナーの低温定着性を達成することができる。
前記分散樹脂に含まれるスチレンアクリル系樹脂ユニットは、スチレン樹脂成分とアクリル樹脂成分とを含むことで、非晶質ポリエステル樹脂との親和性が高くなり、前記結晶性ポリエステル樹脂に対する分散効果が向上し、前記結晶性ポリエステル樹脂がトナー内部で微分散しやすくなる。
分散樹脂を構成するスチレンアクリル系樹脂の原料モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体が用いられる。
スチレン誘導体の含有量は、スチレンアクリル系樹脂の原料モノマー中、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。
特に、前記構造式(1b)中のnは4〜10であり、Rは水素原子又はメチル基であるとよい。
前記構造式(1)で[4≦n]であれば、以下に記載する[4>n]の場合に生じる恐れのある問題を有効に防止することができる。[4>n]の場合、前記分散樹脂の前記結晶性ポリエステル樹脂に対する分散効果が低下し、前記結晶性ポリエステル樹脂の分散径が大きくなり、トナー表面に前記結晶性ポリエステル樹脂が偏在しやすくなり、前記結晶性ポリエステル樹脂のフィルミング、汚染が生じやすくなる。
前記構造式(1)で[10≧n]であれば、以下に記載する[10<n]の場合に生じる恐れのある問題を有効に防止することができる。[10<n]の場合、前記分散樹脂の前記結晶性ポリエステル樹脂に対する分散効果が低下し、前記結晶性ポリエステル樹脂の分散径が大きくなり、トナー表面に前記結晶性ポリエステル樹脂が偏在しやすくなり、前記結晶性ポリエステル樹脂のフィルミング、汚染が生じやすくなる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、離型剤、着色剤、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体、活性水素基含有化合物、帯電制御剤、外添剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料などが挙げられる。
前記離型剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。
ロウ類及びワックス類の離型剤としては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス;などの天然ワックスが挙げられる。
さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド系化合物;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子、などを用いてもよい。
これらの中でも、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどの炭化水素系ワックスが好ましい。
特に、炭化水素系ワックスは、前記結晶性ポリエステル樹脂との相溶性がほとんど無く、互いに独立して機能することができるため、結晶性ポリエステル樹脂の結着樹脂としての軟化効果、離型剤のオフセット性を損なうことがないため、好ましい。
前記離型剤の融点が60℃以上であると、低温で離型剤が溶融しやすく、トナーの耐熱保存性が劣るという問題を有効に防止することができる。前記離型剤の融点が95℃未満であると、定着時の加熱による離型剤の溶融が不十分で、充分なオフセット性が得られないという問題を有効に防止することができる。
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばカーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。
前記着色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、1質量部〜15質量部が好ましく、3質量部〜10質量部がより好ましい。
活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体(「プレポリマー」と称することがある。)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、溶融時の高流動性及び透明性の点で、ポリエステル樹脂が好ましい。
これらの中でも、イソシアネート基が好ましい。
前記イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂(以下、「イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー」と称することがある)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオールとポリカルボン酸を重縮合することにより得られる活性水素基を有するポリエステル樹脂とポリイソシアネートとの反応生成物、などが挙げられる。
前記ポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール、三価以上のアルコール、ジオールと三価以上のアルコールの混合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジオール、ジオールと少量の三価以上のアルコールとの混合物が好ましい。
これらの中でも、炭素数が2〜12であるアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物と炭素数が2〜12のアルキレングリコールとの混合物がより好ましい。
前記三価以上の脂肪族アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、などが挙げられる。
前記三価以上のポリフェノール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、などが挙げられる。
前記三価以上のポリフェノール類のアルキレンオキシド付加物としては、三価以上のポリフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの、などが挙げられる。
前記ジオールと前記三価以上のアルコールを混合して用いる場合、ジオールに対する三価以上のアルコールの質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜1質量%がより好ましい。
前記ポリカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジカルボン酸、三価以上のカルボン酸、ジカルボン酸と三価以上のカルボン酸の混合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジカルボン酸、ジカルボン酸と少量の三価以上のポリカルボン酸との混合物が好ましい。
前記二価のアルカン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。
前記二価のアルケン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが炭素数4〜20の二価のアルケン酸が好ましい。前記炭素数4〜20の二価のアルケン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マレイン酸、フマル酸、などが挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。前記炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、などが挙げられる。
前記三価以上の芳香族カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数9〜20の三価以上の芳香族カルボン酸が好ましい。前記炭素数9〜20の三価以上の芳香族カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、などが挙げられる。
前記低級アルキルエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル、などが挙げられる。
前記ジカルボン酸と前記三価以上のカルボン酸とを混合して用いる場合、ジカルボン酸に対する三価以上のカルボン酸の質量比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.01質量%〜1質量%がより好ましい。
前記含有量が、0.5質量%以上であれば、耐高温オフセット性が低下し、トナーの耐熱保存性と低温定着性との両立が困難となるという問題を有効に防止することができる。40質量%以下であれば、低温定着性が低下するという問題を有効に防止することができる。
前記ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたもの、などが挙げられる。
前記イソシアヌレート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリス(イソシアナトアルキル)イソシアヌレート、トリス(イソシアナトシクロアルキル)イソシアヌレート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
活性水素基含有化合物は、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体が、水系媒体中で伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
前記アミン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジアミン、三価以上のアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸、これらのアミノ基をブロックしたもの、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジアミン、ジアミンと少量の三価以上のアミンとの混合物が好ましい。
前記アミノメルカプタンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、などが挙げられる。
前記アミノ基をブロックしたものとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ基を、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類でブロックすることにより得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物、などが挙げられる。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業株式会社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
前記外添剤としては、酸化物微粒子の他に、無機微粒子や疎水化処理無機微粒子を併用することができる。疎水化処理された無機微粒子の平均粒径は、1nm〜100nmが好ましく、5nm〜70nmがより好ましい。
また、疎水化処理された無機微粒子は、20nm以下の無機微粒子を少なくとも1種類以上含み、かつ30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類含むことが好ましい。また、BET法による比表面積は、20m2/g〜500m2/gであることが好ましい。
前記無機微粒子の一次粒子の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100nm以下が好ましく、3nm以上70nm以下がより好ましい。この範囲より小さいと、無機微粒子がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくく、またこの範囲より大きいと、感光体表面を不均一に傷つける場合がある。
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止できるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、等が挙げられる。前記シリカ、前記酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが特に好ましい。
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加されるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好適である。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライトなどが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
[トナーの酸価]
前記トナーの酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、低温定着性(定着下限温度)、ホットオフセット発生温度等を制御する点から、0.5mgKOH/g〜40mgKOH/gであることが好ましい。前記酸価が、0.5mgKOH/g以上であれば、製造時の塩基による分散安定性を向上させる効果が得られなくなったり、前記プレポリマーを用いた場合に伸長反応及び/又は架橋反応が進行しやすくなったりして、製造安定性が低下するという問題を有効に防止することができる。前記酸価が、40mgKOH/g以下であれば、前記プレポリマーを用いた場合に伸長反応及び/又は架橋反応が不十分となり、耐高温オフセット性が低下するという問題を有効に防止することができる。
前記トナーのガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、DSC測定において昇温一回目に算出されるガラス転移温度(Tg1st)が、45℃以上65℃未満であることが好ましく、50℃以上60℃以下であることがより好ましい。これにより、低温定着性、耐熱保存性及び高耐久性を得ることができる。前記Tg1stが、45℃以上であれば、現像機内でのブロッキングや感光体へのフィルミングの発生を防止することができ、65℃未満であれば、低温定着性の低下を防止することができる。
また、前記トナーのDSC測定において昇温二回目に算出されるガラス転移温度(Tg2nd)は、20℃以上40℃未満であることが好ましい。前記Tg2ndが20℃以上であれば、現像機内でのブロッキングや感光体へのフィルミングを防止することができ、40℃未満であれば、低温定着性の低下を防止することができる。
前記トナーの体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3μm以上7μm以下であることが好ましい。また、個数平均粒径に対する体積平均粒径の比は1.2以下であることが好ましい。また、体積平均粒径が2μm以下である成分を1個数%以上10個数%以下含有することが好ましい。
<<SP値>>
前記SP値(溶解パラメータ/Solubility Parameter)について説明する。
前記SP値とは、溶解パラメータ(溶解度パラメータとも溶解性パラメータともいう)と言われるもので、どれだけ互いが溶けやすいかということを数値化したものである。前記SP値は、互いの分子間の引き合う力、すなわち凝集エネルギー密度CED(Cohesive Energy Density)の平方根で表される。なお、前記CEDとは、1mLのものを蒸発させるのに要するエネルギー量である。
SP値(溶解パラメータ)=(CED値)1/2=(E/V)1/2 ・・式(I)
前記式(I)において、Eは分子凝集エネルギー(cal/mol)、Vは分子容(cm3/mol)であり、原子団の蒸発エネルギーをΔei、モル体積をΔviとしたとき、各々下式(II)、式(III)で表される。
E=ΣΔei ・・・式(II)
V=ΣΔvi ・・・式(III)
本計算方法、各原子団の蒸発エネルギーΔei及びモル体積Δviの諸データは、「接着の基礎理論」(井本稔著、高分子刊行会発行、第5章)に記載のデータを用いる。
また、−CF3基等示されていないものに関しては、R.F.Fedors,Polym.Eng.Sci.14,147(1974)を参照する。
なお、参考までに、式(I)で示されるSP値を(J/cm3)1/2に換算する場合には2.046を、SI単位(J/m3)1/2に換算する場合には、2,046を乗ずればよい。
例えば、前記非晶質ポリエステル樹脂、前記結晶性ポリエステル樹脂、前記分散樹脂それぞれを合成・混合した場合、これらのSP値は、上記のようにして、容易に算出できる。
ところが、前記Fedors法によるSP値の算出は、樹脂などを構成するモノマーの種類と比率とを特定すれば算出が可能となる。
例えば、前記非晶質ポリエステル樹脂、前記結晶性ポリエステル樹脂、前記分散樹脂などを混合したものについて、GPCにより分離を行い、その分離した各成分について後述の分析手法を採ることで、前記SP値の算出が可能となる。
このまとめた溶出液をエバポレーターなどにより濃縮・乾燥した後、固形分を重クロロホルム又は重THFなどの重溶媒に溶解させ、1H−NMR測定を行い、各元素の積分比率から、溶出成分における樹脂の構成モノマー比率を算出することができる。
また、他の手法としては、溶出液を濃縮後、水酸化ナトリウムなどにより加水分解を行い、分解生成物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などにより定性定量分析することでも構成モノマー比率を算出することができる。
前記トナーを分析して前記SP値を算出する際などの分析手段を示す。
まず、トナー1gを100mLのTHF中に投入し、25℃の条件下、30分間攪拌しながら可溶分が溶解した溶解液を得る。
これを目開き0.2μmのメンブランフィルターにてろ過し、トナー中のTHF可溶分を得る。
次いで、これをTHFに溶解してGPC測定用の試料とし、前述の各樹脂の分子量測定に用いるGPCに注入する。
一方、GPCの溶出液排出口にフラクションコレクターを配置して、所定のカウントごとに溶出液を分取しておき、溶出曲線の溶出開始(曲線の立ち上がり)から面積率で5%毎に溶出液を得る。
次いで、各溶出分について、1mLの重クロロホルムに30mgのサンプルを溶解させ、基準物質として0.05体積%のテトラメチルシラン(TMS)を添加する。
溶液を5mm径のNMR測定用ガラス管に充填し、核磁気共鳴装置(日本電子株式会社製JNM−AL400)を用い、23℃〜25℃の温度下、128回の積算を行い、スペクトルを得る。
トナーに含まれる前記非晶質ポリエステル樹脂、前記結晶性ポリエステル樹脂、前記分散樹脂のモノマー組成、及び構成比率は得られたスペクトルのピーク積分比率から求めることができる。
ピークの帰属は、例えば、
8.25ppm付近:トリメリット酸のベンゼン環由来(水素1個分)
8.07ppm〜8.10ppm付近:テレフタル酸のベンゼン環由来(水素4個分)
7.1ppm〜7.25ppm付近:ビスフェノールAのベンゼン環由来(水素4個分)
6.8ppm付近:ビスフェノールAのベンゼン環由来(水素4個分)及びフマル酸の二重結合由来(水素2個分)
5.2ppm〜5.4ppm付近:ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のメチン由来(水素1個分)
3.7ppm〜4.7ppm付近:ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物のメチレン由来(水素2個分)及びビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のメチレン由来(水素4個分)
1.6ppm付近:ビスフェノールAのメチル基由来(水素6個分)とすることができる。
これらの結果から、前記式(I)により前記結晶性ポリエステル樹脂、前記分散樹脂のSP値を算出することができる。
水酸基価は、JIS K0070−1966に準拠した方法を用いて測定することができる。
具体的には、まず、試料0.5gを100mLのメスフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬5mLを加える。次に、100±5℃の温浴中で1時間〜2時間加熱した後、フラスコを温浴から取り出して放冷する。さらに、水を加えて振り動かして無水酢酸を分解する。次に、無水酢酸を完全に分解させるために、再びフラスコを温浴中で10分以上加熱して放冷した後、有機溶剤でフラスコの壁を十分に洗う。
さらに、電位差自動滴定装置DL−53 Titrator(メトラー・トレド社製)及び電極DG113−SC(メトラー・トレド社製)を用いて、23℃で水酸基価を測定し、解析ソフトLabX Light Version 1.00.000を用いて解析する。なお、装置の校正には、トルエン120mLとエタノール30mLの混合溶媒を用いる。
このとき、測定条件は、以下の通りである。
Stir
Speed[%] 25
Time[s] 15
EQP titration
Titrant/Sensor
Titrant CH3ONa
Concentration[mol/L] 0.1
Sensor DG115
Unit of measurement mV
Predispensing to volume
Volume[mL] 1.0
Wait time[s] 0
Titrant addition Dynamic
dE(set)[mV] 8.0
dV(min)[mL] 0.03
dV(max)[mL] 0.5
Measure mode Equilibrium controlled
dE[mV] 0.5
dt[s] 1.0
t(min)[s] 2.0
t(max)[s] 20.0
Recognition
Threshold 100.0
Steepest jump only No
Range No
Tendency None
Termination
at maximum volume[mL] 10.0
at potential No
at slope No
after number EQPs Yes
n=1
comb.termination conditions No
Evaluation
Procedure Standard
Potential1 No
Potential2 No
Stop for reevaluation No
具体的には、まず、試料0.5g(酢酸エチル可溶分では0.3g)をトルエン120mLに添加して、23℃で約10時間撹拌することにより溶解させる。次に、エタノール30mLを添加して試料溶液とする。なお、試料が溶解しない場合は、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の溶媒を用いる。さらに、電位差自動滴定装置DL−53 Titrator(メトラー・トレド社製)及び電極DG113−SC(メトラー・トレド社製)を用いて、23℃で酸価を測定し、解析ソフトLabX Light Version 1.00.000を用いて解析する。なお、装置の校正には、トルエン120mLとエタノール30mLの混合溶媒を用いる。
このとき、測定条件は、上記した水酸基価の場合と同様である。
本発明における融点、ガラス転移温度(Tg)は、例えば、DSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」、島津製作所社製)を用いて測定することができる。
具体的には、対象試料の融点、ガラス転移温度は、下記手順により測定できる。
まず、対象試料約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、0℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱する。その後、150℃から降温速度10℃/minにて0℃まで冷却させ、更に昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所社製)を用いてDSC曲線を計測する。
得られるDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラム『吸熱ショルダー温度』を用いて、一回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温一回目におけるガラス転移温度を求めることができる。また、『吸熱ショルダー温度』を用いて、二回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温二回目におけるガラス転移温度を求めることができる。
また、得られるDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラム『吸熱ピーク温度』を用いて、一回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温一回目における融点を求めることができる。また、『吸熱ピーク温度』を用いて、二回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温二回目における融点を求めることができる。
また本発明では、各構成成分の二回目昇温時における融点、Tgを各対象試料の融点、Tgとする。
前記トナーの体積平均粒径(D4)と個数平均粒径(Dn)、その比(D4/Dn)は、例えば、コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)等を用いて測定することができる。本発明ではコールターマルチサイザーIIを使用した。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100mL〜150mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくはポリオキシエチレンアルキルエーテル(非イオン性の界面活性剤))を0.1mL〜5mL加える。ここで、電解水溶液とは1級塩化ナトリウムを用いて1質量%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2mg〜20mg加える。試料を懸濁した電解水溶液は、超音波分散器で約1分間〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(D4)、個数平均粒径(Dn)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上40.30μm未満の粒子を対象とする。
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナーは、少なくとも前記非晶質ポリエステル樹脂、前記結晶性ポリエステル樹脂、前記離型剤、前記分散樹脂、及び前記着色剤を含む油相を水系媒体中で分散させることにより造粒されることが好ましい。
このような前記トナーの製造方法の一例としては、公知の溶解懸濁法が挙げられる。
また、前記トナーの製造方法の他の一例として、前記活性水素基含有化合物と該活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体との伸長反応及び/又は架橋反応により生成するもの(以下、「接着性基材」と称することがある)を生成しながら、トナー母粒子を形成する方法を以下に示す。このような方法においては、水系媒体の調製、トナー材料を含有する油相の調製、トナー材料の乳化乃至分散、有機溶媒の除去等を行う。
前記水系媒体の調製は、例えば、樹脂粒子を水系媒体に分散させることにより行うことができる。前記樹脂粒子の水系媒体中の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%〜10質量%が好ましい。前記樹脂粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、たとえば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイドなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい、これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
これらの中でも、水が好ましい。
前記水と混和可能な溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セロソルブ類、低級ケトン類、などが挙げられる。前記アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、などが挙げられる。前記低級ケトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、などが挙げられる。
前記トナー材料を含有する油相の調製は、有機溶媒中に、前記活性水素基含有化合物、前記活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体、前記結晶性ポリエステル樹脂、前記非晶質ポリエステル樹脂、前記離型剤、前記分散樹脂、及び前記着色剤などを含むトナー材料を、溶解乃至分散させることにより行うことができる。
前記沸点が150℃未満の有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、酢酸エチル、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等が好ましく、酢酸エチルがより好ましい。
前記トナー材料の乳化乃至分散は、前記トナー材料を含有する油相を、前記水系媒体中に分散させることにより行うことができる。そして、前記トナー材料を乳化乃至分散させる際に、活性水素基含有化合物と活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する重合体を伸長反応及び/又は架橋反応させることにより、接着性基材が生成する。
前記反応時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましい。
前記反応温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0℃〜150℃が好ましく、40℃〜98℃がより好ましい。
これらの中でも、分散体(油滴)の粒子径を2μm〜20μmに制御することができる点で、高速せん断式分散機が好ましい。
前記高速せん断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度等の条件は、目的に応じて適宜選択することができる。
前記回転数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000rpm〜30,000rpmが好ましく、5,000rpm〜20,000rpmがより好ましい。
前記分散時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、バッチ方式の場合、0.1分間〜5分間が好ましい。
前記分散温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、加圧下において、0℃〜150℃が好ましく、40℃〜98℃がより好ましい。なお、一般に、前記分散温度が高温である方が分散は容易である。
前記水系媒体の使用量が、50質量部以上であれば、前記トナー材料の分散状態が悪くなって、所定の粒子径のトナー母粒子が得られないという問題を有効に防止することができる。2,000質量部以下であれば、生産コストをおさえることができる。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記陰イオン界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル、などが挙げられる。
これらの中でも、フルオロアルキル基を有するものが好ましい。
前記触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルスズラウレート、ジオクチルスズラウレート、などが挙げられる。
前記乳化スラリー等の分散液から有機溶媒を除去する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、反応系全体を徐々に昇温させて、油滴中の有機溶媒を蒸発させる方法、分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の有機溶媒を除去する方法、などが挙げられる。
前記有機溶媒が除去されると、トナー母粒子が形成される。トナー母粒子に対しては、洗浄、乾燥等を行うことができ、さらに分級等を行うことができる。前記分級は、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離、などにより、微粒子部分を取り除くことにより行ってもよいし、乾燥後に分級操作を行ってもよい。
前記機械的衝撃力を印加する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高速で回転する羽根を用いて混合物に衝撃力を印加する方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させて粒子同士又は粒子を適当な衝突板に衝突させる方法、などが挙げられる。
前記方法に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢、などが挙げられる。
本発明の現像剤は、少なくとも前記トナーを含み、必要に応じてキャリア等の適宜選択されるその他の成分を含む。
このため、転写性、帯電性等に優れ、高画質な画像を安定に形成することができる。なお、現像剤は、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命が向上することから、二成分現像剤が好ましい。
前記現像剤を一成分現像剤として用いる場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するブレード等の部材へのトナーの融着が少なく、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
前記現像剤を二成分現像剤として用いる場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
前記トナーを二成分系現像剤に用いる場合には、前記キャリアと混合して用いればよい。前記二成分現像剤中の前記キャリアの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、90質量%〜98質量%が好ましく、93質量%〜97質量%がより好ましい。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、芯材を被覆する樹脂層を有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50emu/g〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム系材料、マンガン−マグネシウム系材料、などが挙げられる。また、画像濃度を確保するためには、100emu/g以上の鉄粉、75emu/g〜120emu/gのマグネタイト等の高磁化材料を用いることが好ましい。また、穂立ち状態となっている現像剤の感光体に対する衝撃を緩和でき、高画質化に有利であることから、30emu/g〜80emu/gの銅−亜鉛系等の低磁化材料を用いることが好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記体積平均粒子径が10μm以上であれば、キャリア中に微粉が多くなり、一粒子当たりの磁化が低下してキャリアの飛散が生じるという問題を有効に防止することができる。150μm以下であれば、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特に、ベタ部の再現が悪くなることがあるという問題を有効に防止することができる。
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリハロゲン化オレフィン、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンとアクリルモノマーの共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンとフルオロ基を有さないモノマーの共重合体等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリビニル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、などが挙げられる。
前記ポリスチレン系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、スチレン−アクリル共重合体、などが挙げられる。
前記ポリハロゲン化オレフィンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ塩化ビニル、などが挙げられる。
前記ポリエステル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、などが挙げられる。
前記塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬塗工法、スプレー法、ハケ塗り法、などを用いることができる。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチルセロソルブ、などが挙げられる。
前記焼き付けは、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロ波を用いる方法、などが挙げられる。
本発明におけるトナー収容ユニットとは、トナーを収容する機能を有するユニットに、トナーを収容したものをいう。ここで、トナー収容ユニットの態様としては、例えば、トナー収容容器、現像器、プロセスカートリッジが挙げられる。
トナー収容容器とは、トナーを収容した容器をいう。
現像器は、トナーを収容し現像する手段を有するものをいう。
プロセスカートリッジとは、少なくとも静電潜像担持体(像担持体ともいう)と現像手段とを一体とし、トナーを収容し、画像形成装置に対して着脱可能であるものをいう。前記プロセスカートリッジは、更に帯電手段、露光手段、クリーニング手段のから選ばれる少なくとも一つを備えてもよい。
本発明のトナー収容ユニットを、画像形成装置に装着して画像形成することで、フィルミングがなく、優れた低温定着性、耐高温オフセット性、耐ストレス性、及び耐熱保存性を有する前記トナーの特徴を活かした画像形成を行うことができる。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
本発明に関する画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記画像形成方法は、前記画像形成装置により好適に行うことができ、前記静電潜像形成工程は、前記静電潜像形成手段により好適に行うことができ、前記現像工程は、前記現像手段により好適に行うことができ、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
本発明の画像形成装置は、より好ましくは、静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する、トナーを備える現像手段と、前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段とを含む。
また、本発明の画像形成方法は、より好ましくは、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する現像工程と、前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着工程とを含む。
前記現像手段、及び前記現像工程において、前記トナーが使用される。好ましくは、前記トナーを含有し、更に必要に応じて、キャリアなどのその他の成分が含有された現像剤を用いることにより、前記トナー像を形成するとよい。
以下、画像形成方法の具体的な態様について説明する。
画像処理部(以下、「IPU」という)に送られた画像データは、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4色の各画像信号を作成する。
次に画像処理部でY、M、C、Kの各画像信号は、書き込み部へ伝達される。上記書き込み部はY、M、C、K用の4つのレーザービームをそれぞれ変調・走査して、帯電部によって感光体ドラム上を帯電した後に順次各感光体ドラム上に、静電潜像を作る。ここでは、例えば第1の感光体ドラムがKに、第2の感光体ドラムがYに、第3の感光体ドラムがMに、第4の感光体ドラムがCに対応している。
次に、現像付着手段としての現像ユニットによって各色のトナー像が上記感光体ドラム上に作られる。また、給紙部によって給紙された転写紙は、転写ベルト上を搬送され、転写チャージャによって順次に上記感光体ドラム上のトナー像が転写紙上に転写される。
この転写工程終了後、上記転写紙は定着ユニットに搬送されて、この定着ユニットで、上記転写されたトナー像は転写紙上に定着される。
転写工程終了後、上記感光体ドラム上に残留したトナーは、クリーニング部によって除去される。
<結晶性ポリエステル樹脂1の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、セバシン酸2,120g、1、9−ノナンジカルボン酸0.021g、1,6−ヘキサンジオール1.200g、を入れた。180℃で10時間反応させた後、200℃に昇温して3時間反応させ、さらに8.3kPaの圧力にて2時間反応させて結晶性ポリエステル樹脂1を得た。
結晶性ポリエステル樹脂1のSP値は9.85、融点は68.5℃であった。結晶性ポリエステル樹脂1のオルトジクロロベンゼンの可溶分をGPC測定したところ、Mwが30,000、Mnが6,900、Mw/Mnが4.4であった。
<結晶性ポリエステル樹脂2の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、セバシン酸2,120g、1、9−ノナンジカルボン酸0.021g、1,2−エタンジオール1.200g、を入れた。180℃で10時間反応させた後、200℃に昇温して3時間反応させ、さらに8.3kPaの圧力にて2時間反応させて結晶性ポリエステル樹脂2を得た。
結晶性ポリエステル樹脂2のSP値は10.20、融点は69.0℃であった。結晶性ポリエステル樹脂2のオルトジクロロベンゼンの可溶分をGPC測定したところ、Mwが15,000、Mnが4,900、Mw/Mnが3.1であった。
<結晶性ポリエステル樹脂3の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、1、10−デカンジカルボン酸2,020g、1、8−オクタンジオール1,000g、1、4−ブタンジオール1,420g、及びハイドロキノン3.9gを入れた。180℃で10時間反応させた後、200℃に昇温して3時間反応させ、さらに8.3kPaの圧力にて2時間反応させて結晶性ポリエステル樹脂3を得た。
結晶性ポリエステル樹脂3のSP値は9.60、融点は68.0℃であった。結晶性ポリエステル樹脂3のオルトジクロロベンゼンの可溶分をGPC測定したところ、Mwが15,000、Mnが4,900、Mw/Mnが3.1であった。
<結晶性ポリエステル樹脂4の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、1、10−デカンジカルボン酸2,120g、1、10−デカンジオール1,900g、及びハイドロキノン3.9gを入れた。180℃で10時間反応させた後、200℃に昇温して3時間反応させ、さらに8.3kPaの圧力にて2時間反応させて結晶性ポリエステル樹脂4を得た。
結晶性ポリエステル樹脂4のSP値は9.70、融点は71.0℃であった。結晶性ポリエステル樹脂4のオルトジクロロベンゼンの可溶分をGPC測定したところ、Mwが16,000、Mnが5,000、Mw/Mnが3.2であった。
<非晶質ポリエステル樹脂1の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイドサイド2モル付加物499部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物229部、イソフタル酸100部、テレフタル酸108部、アジピン酸46部、及びジブチルチンオキサイド2部を入れた。常圧で230℃で10時間反応させ、さらに10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応させた後、反応容器に無水トリメリット酸30部を入れ、180℃、常圧で3時間反応させ、非晶質ポリエステル樹脂1を得た。
非晶質ポリエステル樹脂1のSP値は11.30であった。
非晶質ポリエステル樹脂1は、重量平均分子量5,500、数平均分子量1,800、Tg50℃、酸価20mgKOH/gであった。
<非晶質ポリエステル樹脂2の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイドサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、イソフタル酸70部、テレフタル酸98部、フマル酸46部、ドデセニルコハク酸24部、及びジブチルチンオキサイド2部を入れた。容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温した後、230℃で12時間共縮重合反応させ、その後、230℃で徐々に減圧して、非晶質ポリエステル樹脂2を得た。
非晶質ポリエステル樹脂2のSP値は10.82であった。
非晶質ポリエステル樹脂2は、重量平均分子量17,400、数平均分子量6,700、Tg61℃、酸価14mgKOH/gであった。
<分散樹脂1の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、2、3−ブタンジオール7.2g、1,2−プロパンジオール6.08g、テレフタル酸18.59g、2−エチルヘキサン酸錫(II)0.18gを入れた。容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温した後、180℃で1時間保温した後に180℃から230℃まで10℃/hrで昇温し、その後230℃で10時間縮重合反応させ、さらに230℃、8.0kPaにて1時間反応を行った。160℃まで冷却した後、アクリル酸ラウリル1.0g、スチレン8.50g、2−エチルヘキシルアクリレート1.48g、及びジブチルパーオキサイドを滴下ロートにより1時間かけて滴下した。滴下後、160℃に保持したまま、1時間付加重合反応を熟成させた後、210℃に昇温した後、無水トリメリット酸4.61gを投入し、210℃にて2時間反応を行い、210℃、10kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行って、分散樹脂1を得た。
分散樹脂1のSP値は10.31、分散樹脂1のスチレンアクリル部のSP値は9.83、分散樹脂1のポリエステル部のSP値は10.76であった。
分散樹脂1は、重量平均分子量79,000、数平均分子量2,800、Tg49.5℃であった。
<分散樹脂2の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、2、3−ブタンジオール7.2g、1,2−プロパンジオール6.08g、テレフタル酸18.59g、2−エチルヘキサン酸錫(II)0.18gを入れた。容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温した後、180℃で1時間保温した後に180℃から230℃まで10℃/hrで昇温し、その後230℃で10時間縮重合反応させ、さらに230℃、8.0kPaにて1時間反応を行った。160℃まで冷却した後、アクリル酸オクチル1.0g、スチレン8.50g、2−エチルヘキシルアクリレート1.48g、及びジブチルパーオキサイドを滴下ロートにより1時間かけて滴下した。滴下後、160℃に保持したまま、1時間付加重合反応を熟成させた後、210℃に昇温した後、無水トリメリット酸4.61gを投入し、210℃にて2時間反応を行い、210℃、10kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行って、分散樹脂2を得た。
分散樹脂2のSP値は10.60、分散樹脂2のスチレンアクリル部のSP値は10.34、分散樹脂2のポリエステル部のSP値は10.73であった。
分散樹脂2は、重量平均分子量26,000、数平均分子量3,400、Tg61.6℃であった。
<分散樹脂3の合成>
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、2、3−ブタンジオール7.2g、1,2−プロパンジオール6.08g、テレフタル酸18.59g、2−エチルヘキサン酸錫(II)0.18gを入れた。容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温した後、180℃で1時間保温した後に180℃から230℃まで10℃/hrで昇温し、その後230℃で10時間縮重合反応させ、さらに230℃、8.0kPaにて1時間反応を行った。160℃まで冷却した後、アクリル酸ブチル1.0g、スチレン8.50g、2−エチルヘキシルアクリレート1.48g、及びジブチルパーオキサイドを滴下ロートにより1時間かけて滴下した。滴下後、160℃に保持したまま、1時間付加重合反応を熟成させた後、210℃に昇温した後、無水トリメリット酸4.61gを投入し、210℃にて2時間反応を行い、210℃、10kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行って、分散樹脂3を得た。
分散樹脂3のSP値は10.63、分散樹脂3のスチレンアクリル部のSP値は10.11、分散樹脂3のポリエステル部のSP値は10.82であった。
分散樹脂3は、重量平均分子量120,000、数平均分子量3,000、Tg58.5℃であった。
<結晶性ポリエステル樹脂分散液1の調製>
金属製2L容器に、結晶性ポリエステル樹脂1を100部、及び酢酸エチル200部を入れ、75℃で加熱溶解させた後、氷水浴中で27℃/分の速度で急冷した。これにガラスビーズ(3mmφ)500mLを加え、バッチ式サンドミル装置(カンペハピオ社製)で10時間粉砕を行い、結晶性ポリエステル樹脂分散液1を得た。
<結晶性ポリエステル樹脂分散液2の調製>
製造例4−1において、結晶性ポリエステル樹脂1を結晶性ポリエステル樹脂2に代えた以外は、製造例4−1と同様にして、結晶性ポリエステル樹脂分散液2を得た。
<結晶性ポリエステル樹脂分散液3の調製>
製造例4−1において、結晶性ポリエステル樹脂1を結晶性ポリエステル樹脂3に代えた以外は、製造例4−1と同様にして、結晶性ポリエステル樹脂分散液3を得た。
<結晶性ポリエステル樹脂分散液4の調製>
製造例4−1において、結晶性ポリエステル樹脂1を結晶性ポリエステル樹脂4に代えた以外は、製造例4−1と同様にして、結晶性ポリエステル樹脂分散液4を得た。
<トナー1の調製>
−油相の調製−
−−プレポリマーの合成−−
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部、及びジブチルチンオキサイド2部を入れた。常圧で230℃で8時間反応させ、さらに10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応させ、[中間体ポリエステル1]を得た。
[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2,100、重量平均分子量9,500、Tg55℃、酸価0.5mgKOH/g、水酸基価51mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、及び酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応させ、[プレポリマー1]を得た。
[プレポリマー1]の遊離イソシアネート質量%は、1.53%であった。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部、及びメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。
[ケチミン化合物1]のアミン価は418mgKOH/gであった。
水1,200部、カーボンブラック(Printex35デクサ製)〔DBP吸油量=42mL/100mg、pH=9.5〕540部、及び非晶質ポリエステル樹脂2を1,200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合した。混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
撹拌棒及び温度計をセットした容器に、[非晶質ポリエステル樹脂1]378部、離型剤としてパラフィンワックス50部(日本精鑞社製、HNP−9、炭化水素系ワックス、融点75.0℃、SP値8.8)、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業社製)22部、及び酢酸エチル947部を仕込んだ。撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、及び酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1,324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、分散を行った。次いで、[非晶質ポリエステル樹脂1]の65%酢酸エチル溶液1,042.3部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。
[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30:三洋化成工業社製)11部、スチレン138部、メタクリル酸138部、及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し、5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。
[微粒子分散液1]をLA−920(HORIBA社製)で測定した体積平均粒径は、0.14μmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とした。
前記[油相1]が入った容器に、[水相1]1,200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する、という前記(1)〜(5)の操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い[トナー1]を得た。
得られたトナーについて以下の方法により現像剤を作製し、以下の評価を行った。結果を表8に示す。
<<現像液の作製>>
−キャリアの作製−
トルエン100部に、シリコーン樹脂オルガノストレートシリコーン100部、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン5部、及びカーボンブラック10部を添加した。ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。流動床型コーティング装置を用いて、平均粒径50μmの球状マグネタイト1,000部の表面に樹脂層塗布液を塗布して、キャリアを作製した。
−現像剤の作製−
ボールミルを用いて、前記トナー1を5部と、前記キャリア95部とを混合し、現像剤を作製した。
定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用した複写機MF2200(株式会社リコー製)の定着部を改造した装置を用いて、タイプ6200紙(株式会社リコー社製)に複写テストを行った。
具体的には、定着温度を変化させてコールドオフセット温度(定着下限温度)及び高温オフセット温度(定着上限温度)を求めた。
定着下限温度の評価条件は、紙送りの線速度を120mm/秒〜150mm/秒、面圧を1.2kgf/cm2、ニップ幅を3mmとした。
また、定着上限温度の評価条件は、紙送りの線速度を50mm/秒、面圧を2.0kgf/cm2、ニップ幅を4.5mmとした。
50mLのガラス容器にトナー10gを充填し、トナー粉体の見掛け密度の変化が無くなるまで十分にタッピングした。容器に蓋をし、50℃の恒温槽に24時間放置した後、24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)により、針入度(mm)を測定した。下記基準で耐熱保存性を評価した。なお、針入度が大きい程、耐熱保存性が優れていることを意味し、針入度が15mm未満であるものは、使用上、問題が発生する可能性が高い。
〔評価基準〕
◎:針入度が25mm以上
○:針入度が20mm以上25mm未満
△:針入度が15mm以上20mm未満
×:針入度が15mm未満
画像形成装置MF2800(株式会社リコー製)を用いて、10,000枚画像を形成させた後の感光体を目視で検査し、トナー成分、主に離型剤の感光体への固着が生じていないかを下記評価基準により評価した。
◎:感光体へのトナー成分の固着が確認されない
○:感光体へのトナー成分の固着が確認できるが、実用上、問題になるレベルではない
△:感光体へのトナー成分の固着が確認でき、実用上問題の出るレベルである
×:感光体へのトナー成分の固着が確認でき、実用上大きく問題のあるレベルである
トナー0.25gとキャリア4.75gとを、底面直径25mm、高さ30mmのステンレス容器に入れた。円周方向に300rpmの回転を20分間与え、トナーとキャリアとを攪拌し、接触させた。ここで、キャリアとしては、平均粒径35μmのフェライト粒子(株式会社リコー製)を用いた。
この攪拌させたトナーを帯電量測定装置TB−200(株式会社東芝製)によりブローオフ法で単位面積当たりの帯電量(Q/S)を測定した。
具体的には、上記帯電量測定装置の400メッシュのステンレス製スクリーンを装着した試料部に測定サンプルを装填し、常温常湿環境(20℃、55%RH)で、ブロー圧50kPa(0.5kgf/cm2)の窒素ガスを10秒間ブローして電荷を測定した。
〔評価基準〕
◎:帯電量の絶対値が220μC/m2以上260μC/m2未満
○:帯電量の絶対値が170C/m2以上220μC/m2未満
△:帯電量の絶対値が120μC/m2以上170μC/m2未満
×:帯電量の絶対値が50μC/m2以上120μC/m2未満
この評価により、トナーにストレスをかけた際の、トナー同士の凝集度、キャリアの埋没状態を総合的に評価することができる。
<トナーの調製>
実施例1において、[非晶質ポリエステル樹脂1]を[非晶質ポリエステル樹脂2]に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナー中の各成分のSP値、SP値の関係、及び分散樹脂の構造式(1b)のnにおける関係について、下記表4から表7に示す。得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表8に示す。
<トナーの調製>
実施例2において、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]を[結晶性ポリエステル樹脂分散液2]に代えた以外は、実施例2と同様にして、トナーを得た。得られたトナー中の各成分のSP値、SP値の関係、及び分散樹脂の構造式(1b)のnにおける関係について、下記表4から表7に示す。得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表8に示す。
<トナーの調製>
実施例2において、[分散樹脂3]を[分散樹脂1]に代えた以外は、実施例2と同様にして、トナーを得た。得られたトナー中の各成分のSP値、SP値の関係、及び分散樹脂の構造式(1b)のnにおける関係について、下記表4から表7に示す。得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表8に示す。
<トナーの調製>
実施例4において、[分散樹脂1]を[分散樹脂2]に代えた以外は、実施例4と同様にして、トナーを得た。得られたトナー中の各成分のSP値、SP値の関係、及び分散樹脂の構造式(1b)のnにおける関係について、下記表4から表7に示す。得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表8に示す。
<トナーの調製>
実施例5において、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]を[結晶性ポリエステル樹脂分散液2]に代えた以外は、実施例5と同様にして、トナーを得た。得られたトナー中の各成分のSP値、SP値の関係、及び分散樹脂の構造式(1b)のnにおける関係について、下記表4から表7に示す。得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表8に示す。
<トナーの調製>
実施例1において、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]を[結晶性ポリエステル樹脂分散液3]に、[分散樹脂3]を[分散樹脂1]に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナー中の各成分のSP値、SP値の関係、及び分散樹脂の構造式(1b)のnにおける関係について、下記表4から表7に示す。得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表8に示す。
<トナーの調製>
比較例1において、[分散樹脂1]を[分散樹脂3]に代えた以外は、比較例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナー中の各成分のSP値、SP値の関係、及び分散樹脂の構造式(1b)のnにおける関係について、下記表4から表7に示す。得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表8に示す。
<トナーの調製>
比較例2において、[非晶質ポリエステル樹脂1]を[非晶質ポリエステル樹脂2]に、[分散樹脂3]を[分散樹脂2]に代えた以外は、比較例2と同様にして、トナーを得た。得られたトナー中の各成分のSP値、SP値の関係、及び分散樹脂の構造式(1b)のnにおける関係について、下記表4から表7に示す。得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表8に示す。
<トナーの調製>
比較例1において、[結晶性ポリエステル樹脂分散液3]を[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]に、代えた以外は、比較例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナー中の各成分のSP値、SP値の関係、及び分散樹脂の構造式(1b)のnにおける関係について、下記表4から表7に示す。得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表8に示す。
<トナーの調製>
比較例1において、[結晶性ポリエステル樹脂分散液3]を[結晶性ポリエステル樹脂分散液2]に、[分散樹脂1]を[分散樹脂2]に代えた以外は、比較例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナー中の各成分のSP値、SP値の関係、及び分散樹脂の構造式(1b)のnにおける関係について、下記表4から表7に示す。得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表8に示す。
<トナーの調製>
比較例3において、[結晶性ポリエステル樹脂分散液3]を[結晶性ポリエステル樹脂分散液4]に代えた以外は、比較例3と同様にして、トナーを得た。得られたトナー中の各成分のSP値、SP値の関係、及び分散樹脂の構造式(1b)のnにおける関係について、下記表4から表7に示す。得られたトナーについて実施例1と同様の評価を行った。結果を表8に示す。
比較例1では、式(2)を満たしておらず、さらに式(3)、式(5)、構造式(1)中のn数も満たしておらず、極性の相互作用により、前記非晶質ポリエステル樹脂の結晶性ポリエステル樹脂に対する分散効果が十分でなく、耐熱保存性、耐ストレス性が大きく悪化したと推測される。
比較例2では、式(1)を満たしておらず、さらに式(3)も満たしておらず、極性の相互作用により、前記非晶質ポリエステル樹脂の結晶性ポリエステル樹脂に対する分散効果が十分でなく、耐熱保存性、耐ストレス性が悪化したと推測される。
比較例3では、式(1)を満たしておらず、さらに式(3)も満たしておらず、極性の相互作用により、前記非晶質ポリエステル樹脂の結晶性ポリエステル樹脂に対する分散効果が十分でなく結晶性ポリエステル樹脂がトナー表面に偏在し、耐熱保存性が大きく悪化したと推測される。
比較例4では、式(2)を満たしておらず、さらに式(5)、構造式(1)中のn数も満たしておらず、極性の相互作用により、前記非晶質ポリエステル樹脂の結晶性ポリエステル樹脂に対する分散効果が十分でなく、耐熱保存性、耐ストレス性が大きく悪化したと推測される。
比較例5では、式(2)を満たしておらず、極性の相互作用により、前記非晶質ポリエステル樹脂の結晶性ポリエステル樹脂に対する分散効果が十分でなく、耐熱保存性、耐ストレス性が悪化したと推測される。
比較例6では、式(1)を満たしておらず、極性の相互作用により、前記非晶質ポリエステル樹脂の結晶性ポリエステル樹脂に対する分散効果が十分でなく結晶性ポリエステル樹脂がトナー表面に偏在し、フィルミングが大きく悪化したと推測される。
<1> 少なくとも結晶性ポリエステル樹脂、非晶質ポリエステル樹脂、及び分散樹脂を含有してなるトナーであって、
前記分散樹脂が、スチレンアクリル部とポリエステル部とを有する樹脂であり、
前記結晶性ポリエステル樹脂のSP(溶解パラメータ)値(cal1/2/cm3/2)をSP(1)、前記非晶質ポリエステル樹脂のSP値をSP(2)、前記分散樹脂のスチレンアクリル部のSP値をSP(A)、前記分散樹脂のポリエステル部のSP値をSP(B)としたとき、下記式(1)から式(2)の関係を満たすことを特徴とするトナーである。
|SP(1)−SP(A)|≦0.5・・・(1)
0≦SP(2)−SP(B)≦0.5・・・(2)
<2> 前記分散樹脂のSP値をSP(3)としたとき、下記式(3)から式(5)の関係を満たす前記<1>に記載のトナーである。
9.7≦SP(1),SP(A)≦10.4・・・(3)
10.7≦SP(2),SP(B)≦11.5・・・(4)
10.4≦SP(3)≦10.7・・・(5)
<3> 前記結晶性ポリエステル樹脂が、炭素数2〜8の直鎖脂肪族ジオールに由来する構成単位を有する前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。
<4> 前記分散樹脂が、
下記構造式(1a)で表される構造と、下記構造式(1b)で表される構造とを有し、
前記構造式(1b)中のnが4〜10であり、Rが水素原子又はメチル基である前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーである。
<6> 前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーを収容した、トナー収容ユニットである。
<7> 静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する、トナーを備える現像手段と、
前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段とを含み、
前記トナーが、前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置である。
<8> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着工程とを含み、
前記トナーが、前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法である。
20 帯電手段
30 露光手段
40 現像手段
50 中間転写体
60 クリーニング手段
70 除電手段
Claims (8)
- 少なくとも結晶性ポリエステル樹脂、非晶質ポリエステル樹脂、及び分散樹脂を含有してなるトナーであって、
前記分散樹脂が、スチレンアクリル部とポリエステル部とを有する樹脂であり、
前記結晶性ポリエステル樹脂のSP(溶解パラメータ)値(cal1/2/cm3/2)をSP(1)、前記非晶質ポリエステル樹脂のSP値をSP(2)、前記分散樹脂のスチレンアクリル部のSP値をSP(A)、前記分散樹脂のポリエステル部のSP値をSP(B)としたとき、下記式(1)から式(2)の関係を満たすことを特徴とするトナー。
|SP(1)−SP(A)|≦0.5・・・(1)
0≦SP(2)−SP(B)≦0.5・・・(2) - 前記分散樹脂のSP値をSP(3)としたとき、下記式(3)から式(5)の関係を満たす請求項1に記載のトナー。
9.7≦SP(1),SP(A)≦10.4・・・(3)
10.7≦SP(2),SP(B)≦11.5・・・(4)
10.4≦SP(3)≦10.7・・・(5) - 前記結晶性ポリエステル樹脂が、炭素数2〜8の直鎖脂肪族ジオールに由来する構成単位を有する請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
- 前記分散樹脂が、
下記構造式(1a)で表される構造と、下記構造式(1b)で表される構造とを有し、
前記構造式(1b)中のnが4〜10であり、Rが水素原子又はメチル基である請求項1から3のいずれかに記載のトナー。
- 請求項1から4のいずれかに記載のトナーを含むことを特徴とする現像剤。
- 請求項1から4のいずれかに記載のトナーを収容した、トナー収容ユニット。
- 静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する、トナーを備える現像手段と、
前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段とを含み、
前記トナーが、請求項1から4のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。 - 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着工程とを含み、
前記トナーが、請求項1から4のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
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