JP2004131613A - 硬化性被覆組成物、印刷インキ、印刷方法およびその印刷物 - Google Patents
硬化性被覆組成物、印刷インキ、印刷方法およびその印刷物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004131613A JP2004131613A JP2002298242A JP2002298242A JP2004131613A JP 2004131613 A JP2004131613 A JP 2004131613A JP 2002298242 A JP2002298242 A JP 2002298242A JP 2002298242 A JP2002298242 A JP 2002298242A JP 2004131613 A JP2004131613 A JP 2004131613A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- meth
- oxide
- acrylate
- alkylene
- oil
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Paints Or Removers (AREA)
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
Abstract
【課題】油性インキ用印刷機で印刷可能で、且つ活性エネルギー線硬化性オーバープリントニスとの組み合わせで、高光沢な美的高級感ある印刷物を提供する。
【解決手段】ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、植物油またはその脂肪酸エステル、脂肪族アルコール化合物のアルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレート、金属ドライヤーおよび/またはラジカル重合性開始剤、及び着色剤を含有することを特徴とする硬化性被覆組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、植物油またはその脂肪酸エステル、脂肪族アルコール化合物のアルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレート、金属ドライヤーおよび/またはラジカル重合性開始剤、及び着色剤を含有することを特徴とする硬化性被覆組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油性素材であるロジン変性フェノール樹脂および植物油またはその脂肪酸エステルと油溶性に乏しい活性エネルギー線硬化性を持つ(メタ)アクリルモノマーまたは(メタ)アクリルオリゴマー両者に溶解し、両者の相溶化剤の役割を果たす石油樹脂と、ロジン変性フェノール樹脂、植物油またはその脂肪酸エステル 、および(メタ)アクリルモノマーまたは(メタ)アクリルオリゴマーを含有する油溶性、酸化重合性とアクリル重合性を併せ持つ硬化性被覆組成物、硬化性インキ、さらには、該硬化性インキを印刷後、印刷面が未硬化の状態で活性エネルギー線硬化性オーバーコートワニスを塗工し、次いで活性エネルギー線を照射する印刷方法および得られた印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種紙器、書籍、ポスター、カレンダー、ラベル、包装紙、カードなどの印刷において、美的高級感や各種耐性(耐摩擦性、耐水性、耐油性、耐溶剤性)を付与するという目的のため、インキを印刷後、オーバーコートワニス、特に活性エネルギー線オーバーコートワニスを塗工することが従来より一般的に実施されている。例えば、油性インキ(酸化重合性)を印刷した後、インキが乾燥する数日後まで棒積みにし、その後活性エネルギー線硬化性オーバーコートワニスを塗工する方法(油性インキ/活性エネルギー線硬化性ニスのオフライン・システム)、活性エネルギー線硬化性インキを印刷後、直ちに活性エネルギー線硬化性オーバーコートワニスを塗工する方法(活性エネルギー線硬化性インキ/活性エネルギー線硬化性ニスのインライン・システム)などが取られていた。しかし、前者のオフライン・システムの場合は作業効率が悪く、また後者のインライン・システムの場合でも活性エネルギー線硬化性インキのコストが高いなどの問題点があった。
【0003】
さらに上記油性インキは鉱物油留分である揮発性の炭化水素系インキ溶剤が使用されている場合が多い。しかし近年、環境への配慮から当該油性インキから揮発性の炭化水素系インキ溶剤を一切排除したVOC(揮発性有機化合物)フリーインキのニーズが高まっている。例えば、福田および石井等によれば(日本印刷学会誌、第37巻、第5号、第51頁)、オフセット印刷インキのVOCフリー化が可能となれば、4万トン以上の印刷インキ用石油溶剤の削減が可能になるとされている。
【0004】
上記の課題を解決するために、油性インキ用多色印刷機の後に、コーター機および活性エネルギー線照射装置を設置し、油性インキ印刷後直ちに活性エネルギー線硬化性オーバーコートワニスを塗工、硬化させる事により光沢感のある印刷物を作成する試みが行われているが、しかしこの方法では、徐々に光沢が減少する、特に単色よりインキの多色重ね刷りし厚盛りになった場合に、光沢の劣化が数日にわたって続き(グロスバック)、美的高級感を損ね商品価値を失うという問題点があった。
【0005】
また一方では、油性インキ用多色印刷機しか有していない印刷メーカーにおいて、前記の活性エネルギー線硬化性インキ/活性エネルギー線硬化性ニスのインライン・システムで印刷物を得ようとすると、活性エネルギー線硬化性インキが印刷機ゴムロールやブランケットに浸潤および膨潤し、インキの転移不良が生じたり、絵柄を変えて次の印刷を行う際に、膨潤した部分における印刷絵柄跡が次の印刷物に薄くゴースト状に出てしまい、印刷物としての商品価値を損ねてしまう。さらには印刷機の洗浄液も油性インキ用のものが使用できないなどの種々問題があり、活性エネルギー線硬化性インキに耐久性を有する印刷用ゴムロールやブランケットに変えたり、あるいは活性エネルギー線硬化性インキ専用の多色印刷機を新たに導入する必要があるなどの課題があった。
【0006】
上記問題点を解決するために、油性インキの成分と活性エネルギー線硬化性インキの成分を混合する試みも知られているが(例えば、特許文献1、特許文献2参照)、一般に油性インキと活性エネルギー線硬化性インキは相溶性が悪く、流動性が劣化し印刷時転移不良になってしまう。一般に油性素材であるロジン変性フェノール樹脂および植物油またはその脂肪酸エステル と活性エネルギー線硬化性を持つエチレン性不飽和二重結合を持つ(メタ)アクリルモノマーまたは(メタ)アクリルオリゴマーとは溶解し難い場合が多い。
【0007】
したがって、以上の様な理由から、ニス塗布後のグロスバックが抑えられ且つ油性インキ用多色印刷機で問題なく印刷できる、インキ/ニス・システムの開発が望まれている状況である。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−138516号公報
【0009】
【特許文献2】
特開平8−283529号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、油性素材であるロジン変性フェノール樹脂および植物油またはその脂肪酸エステルと油溶性に乏しい活性エネルギー線硬化性を持つ(メタ)アクリルモノマーまたは(メタ)アクリルオリゴマー両者に溶解し、両者の相溶化剤の役割を果たす石油樹脂と、ロジン変性フェノール樹脂、植物油またはその脂肪酸エステル 、および(メタ)アクリルモノマーまたは(メタ)アクリルオリゴマーを含有する油溶性、酸化重合性とアクリル重合性を併せ持つ硬化性被覆組成物、硬化性インキ、さらには、該硬化性インキを印刷後、印刷面が未硬化の状態で活性エネルギー線硬化性オーバーコートワニスを塗工し、次いで活性エネルギー線を照射する印刷方法および得られた印刷物に関する。
【0011】
酸化重合性とアクリル重合性を併せ持つ硬化性被覆組成物等の硬化性インキを使用することにより、一般の油性印刷インキの耐膨潤性、洗浄性、乳化印刷適性、ミスチング等の良好な性質、低コスト性を保持しつつ、多色印刷後、棒積みまたは直ちにウエットで活性エネルギー線硬化性オーバーコートワニスを塗工し、活性エネルギー線を照射してなるインライン印刷方法を行っても、上記グロスバックを惹起しない硬化性インキおよび、そのための硬化性被覆組成物の提供、その印刷方法およびその印刷物に関する。
【0012】
更に本発明は、石油系溶剤等の揮発性有機化合物(VOC)を一切使用しない硬化性インキ、およびそれらを用いて印刷される印刷物を提供することである。本発明によれば米国環境保護庁が提示しているVOC測定方法Metyod24(110℃、1時間の加熱による加熱残分測定)における熱重量減分を1%以下(水を除く)に制限することが可能となり、VOCフリーのインキおよび印刷物を提供することが可能となる。
【0013】
さらに環境対応としてオフセットインキに含まれる石油系成分、乾生油の一部を大豆油またはその変性物に替えた大豆油インキでASA(The American Soybean Association:アメリカ大豆油協会)の認定基準をクリアーしたインキが要求されており本発明によりその要求基準を満たすことも可能である。。
しかしながら、本発明は従来の石油系溶剤等の揮発性有機化合物(VOC)を含有する硬化性インキとしても適用可能である。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、植物油またはその脂肪酸エステル、および(メタ)アクリレートモノマーを含有することを特徴とする硬化性被覆組成物に関する。
【0015】
更に本発明は、(メタ)アクリレートモノマーが脂肪族アルコール化合物のアルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレートである上記硬化性被覆組成物に関する。
【0016】
更に本発明は、更に金属ドライヤーおよび/またはラジカル重合性開始剤を含有する上記記載の硬化性被覆組成物に関する。
【0017】
更に本発明は、更に着色剤を含有する上記記載の硬化性被覆組成物に関する。
【0018】
更に本発明は、上記記載の硬化性被覆組成物からなる印刷インキに関する。
【0019】
更に本発明は、基材に、上記記載の印刷インキを印刷し、印刷面が未硬化の状態で活性エネルギー線硬化性オーバーコートワニスを塗工し、次いで活性エネルギー線を照射することを特徴とする印刷方法に関する。
【0020】
更に本発明は、上記記載の印刷方法により得られた印刷物に関する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳しく説明する。
【0022】
本発明においてロジン変性フェノール樹脂として、石炭酸、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、(ターシャリ)ブチルフェノール、(ターシャリ)オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、ヘキサデシルフェノールおよびこれらの混合物等のフェノール類とホルムアルデヒドを縮合反応させたレゾールまたはノボラックフェノール樹脂とロジン類(ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン等)をクロマン化反応させ、さらにグリセリン、ペンタエリスリトール等のポリオールをあるいはp−トルエンスルフォン酸、メタンスルフォン酸、硫酸等の酸触媒を使用しエステル化反応させた重量平均分子量1〜15万の樹脂で反応法は常法による。
【0023】
次に石油樹脂とはナフサ分解により得られるC5留分あるいはC9留分をカチオン、アニオンあるいはラジカル重合することにより得られる。C5留分含む石油樹脂とは、常法に従ってシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、これらの2〜5量体、共多量体などのごときシクロペンタジエン系単量体単独、またはシクロペンタジエン系単量体と共重合可能な共単量体との混合物を、触媒の存在下あるいは無触媒で熱重合して得られるものである。触媒としてはフリーデルクラフト型のルーイス酸触媒、例えば三フッ化ホウ素およびそのフェノール、エーテル、酢酸などとの錯体が通常使用される。本発明の炭化水素樹脂におけるシクロペンタジエン系単量体と、それと共重合可能な共単量体との共重合比は、少なくともシクロペンタジエン系単量体が5モル%以上であることが必要である。使用される共単量体の例としては、エチレン、プロピレン、プロペン、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、2−ペンテン、イソブチレンを酸触媒で二量化して得られるジイソブチレン(2,4,4−トリメチルペンテン−1と2,4,4−トリメチルペンテン−2との混合物)、1−ヘキセン、2−ヘキセン、1−オクテン、2−オクテン、4−オクテン、1−デセンなどの炭素数2〜10のオレフィン類、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン(ピペリレン)、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエンなどの鎖状共役ジエン類、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、イソプロペニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどのビニル芳香族類、インデン、メチルインデン、クマロン(ベンゾフラン)、メチルクマロン(2−メチルベンゾフラン)などの芳香族不飽和化合物類などがあげられる。C9留分を含む石油樹脂は上記ビニル芳香族類、芳香族不飽和化合物類等の上記熱重合により得られる。以下丸善石油(株)製C5系のマルカレッツM510A、マルカレッツM845A、マルカレッツM905A、マルカレッツM100A、マルカレッツ#8011、マルカレッツT−100A、マルカレッツR−100B、マルカレッツS100A、マルカレッツH505、マルカレッツH700F、マルカレッツH925が例示される。さらに新日本石油化学(株)製日石ネオレジン540、日石ネオレジン580、日石ネオレジンEP−80、日石ネオレジンEP−110、日石ネオレジンEP−140,日石ネオレジンPH−105、日石ネオレジンNB−90、日石ネオポリマーS、日石ネオポリマー80、日石ネオポリマーL−90、日石ネオポリマー100、日石ネオポリマー110、日石ネオポリマー120、日石ネオポリマー130、日石ネオポリマーE−100、日石ネオポリマーE−130、日石ネオポリマーE−130S、日石ネオポリマーM、日石ネオポリマーS−110、日石ネオポリマーE−100日石ネオポリマーGS、日石ネオポリマー170S、TO−90,TO−100が例示される。
さらに日本ゼオン(株)製C5系クイントン1000番シリーズ(1325、1345、1500、1522、1700)、クイントンQTN1100、クイントンQTN1345H、クイントンRI−201が例示される。
さらに東邦化学(株)製トーホハイレジン(#60、#90、#90S、#NX、#120、#130、#140、#120S、RS−9、RS−21、#2100,スーパー#110、スーパー#110T、PA−140)、COPEREX2100等が例示される。
さらにトーネックス(株)製ESCOREZ1100番シリーズ、1200番シリーズ、1300番シリーズ、2000番シリーズ、5000番シリーズ、8000番シリーズ等が例示される。
さらにトーソー(株)製C9系のペトコール(以下各グレードLX、LX−HS、100−T、120、120HV、130、140、140HM、140HM3、150)、C9系リッチのC9/C5混合系のペトロタック(70、90)等が例示される。
【0024】
さらにハーキュレス(株)製C5系ピコタック(95、B)、ピコペール100、C9変性C5系ハーコタック1149、C9系エンデックス155、クリスタレックス(以下各グレード#1120、3085、3100、5140、F100)、ハーコライト(以下各グレード#240、290)
ピコラスチック(以下各グレードA5、A75、100、LC)、水添C9系リガライトY(以下各グレードR1010、R1090、R1100、R1125、S5100、R7100)等が例示される。
【0025】
さらに上記石油樹脂にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸またはその酸無水物を反応させた樹脂、さらには上記石油樹脂にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸またはその酸無水物を反応させた樹脂に1〜6価のアルコールを反応させた樹脂が例示される。α,β−エチレン性不飽和カルボン酸またはその酸無水物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、2,4−ヘキサジエノン酸(ソルビック酸)などが例示できる。これらα,β−エチレン性不飽和カルボン酸またはその酸無水物の変性量としては、本発明で用いられる炭化水素樹脂中のシクロペンタジエン系単量体に対して1〜100モル%の範囲で変性可能であるが、通常、該石油樹脂100g当たり0.01〜0.5モルの範囲内の量で変性する。最適な変性量は、これら不飽和カルボン酸および/またはその酸無水物の残存がないように調整することが望ましい。変性温度は、通常該石油樹脂が溶融する温度である100℃以上〜300℃以下が推奨されるが、150℃〜250℃の範囲が好適に用いられる。これら不飽和カルボン酸および/またはその酸無水物は、単独または任意の量比で複数を組み合わせて用いることが可能である。上記石油樹脂にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸またはその酸無水物を反応させた樹脂として日石ネオポリマー160(新日本石油化学(株)製無水マレイン酸変性C9系石油樹脂)が例示される。
【0026】
さらに1〜6価のアルコールとしてC1〜C50の1〜6価アルキルまたはアルケニルアルコールがあり具体的にはメタノール、エタノール、ブタノール、オクタノール、トリデカノール、オクタデカノール、エイコサノール、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールオクタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール等が例示され、単独または任意の量比で複数を組み合わせて用いることが可能であるる。上記石油樹脂にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸またはその酸無水物を反応させた樹脂と1〜6価のアルコールを反応させるには160〜300℃好ましくは180〜260℃で反応させる。前者の石油樹脂α,β−エチレン性不飽和カルボン酸反応物のカルボン酸基と後者の1〜6価のアルコールの水酸基のモル比は0.9〜1.1が好ましい。さらに必要に応じ脂肪酸、安息香酸、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、(無水)トリメリット酸、ピロメリット酸等の1〜4価のカルボン酸化合物の一部併用も可能である。本発明において好適に用いられるエステル変性石油樹脂の重量平均分子量は0.1万〜30万、好ましくは0.1万〜10万である。
【0027】
さらに上記石油樹脂とC0〜C16のアルキルフェノールホルムアルデヒドレゾール型縮合物またはロジン変性C0〜C16のアルキルフェノールホルムアルデヒドレゾール型縮合物とを反応させた樹脂、例えば新日本石油化学(株)製日石ネオレジン(NP660、NP540、NP150Y)等が例示される。
【0028】
次に、本発明で使用される植物油またはその脂肪酸エステルについて説明する。先ず植物油とは、グリセリンと脂肪酸とのトリグリセライドにおいて、少なくとも1つの脂肪酸が炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ有する脂肪酸であるトリグリセライドのことであり、その様な植物油として代表的な化合物は、アサ実油、アマニ油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ油、カポック油、カヤ油、カラシ油、キョウニン油、キリ油、ククイ油、クルミ油、ケシ油、ゴマ油、サフラワー油、ダイコン種油、大豆油、大風子油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ニガー油、ヌカ油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ヘントウ油、松種子油、綿実油、ヤシ油、落花生油、脱水ヒマシ油などが挙げらる。さらに好適な植物油を挙げるとすれば、そのヨウ素価が少なくとも100以上ある植物油(括弧内は油脂化学製品便覧:日刊工業新聞社から引用したヨウ素価を示す。)、アサ実油(149以上)、アマニ油(170以上)、エノ油(192以上)、オイチシカ油(140以上)、カポック油(85〜102)、カヤ油(130以上)、カラシ油(101以上)、キョウニン油(97〜109)、キリ油(145以上)、ククイ油(136以上)、クルミ油(143以上)、ケシ油(131以上)、ゴマ油(104以上)、サフラワー油(130以上)、ダイコン種油(98〜112)、大豆油(117以上)、大風子油(101)、トウモロコシ油(109以上)、ナタネ油(97〜107)、ニガー油(126以上)、ヌカ油(92〜115)、ヒマワリ油(125以上)、ブドウ種子油(124以上)、ヘントウ油(93〜105)、松種子油(146以上)、綿実油(99〜113)、落花生油(84〜102)、脱水ヒマシ油(147以上)が好適に用いられ、さらには、ヨウ素価が120以上の植物油がより好ましい。ヨウ素価を120以上とすることで、硬化性組成物の酸化重合による乾燥性をより高めることができる。
【0029】
その他、本発明においては、天ぷら油などの食用に供された後、回収/再生された再生植物油も用いることができる。再生植物油としては、含水率を0.3重量%以下、ヨウ素価を100以上、酸価を3以下として再生処理した油が好ましく、含水率を0.3重量%以下にすることにより、水分に含まれる塩分等のインキの乳化挙動に影響を与える不純物を除去することが可能となり、ヨウ素価を100以上として再生することにより、乾燥性、すなわち酸化重合性の良いものとすることが可能となり、さらに酸価が3以下の植物油を選別して再生することにより、再生植物油の酸価を低いものとするができ、インキの過乳化を抑制することが可能となる。回収植物油の再生処理方法としては、濾過、静置による沈殿物の除去、および活性白土などによる脱色といった方法がとられる。
【0030】
次に、本発明における脂肪酸エステルとしては、植物油の加水分解で得られる飽和または不飽和脂肪酸と、飽和または不飽和アルコールとをエステル反応させてなる脂肪酸モノエステルを挙げることができるが、常温(20〜25℃)で液状で且つ常圧(101.3kPa)で沸点が200℃以上の脂肪酸モノエステルが好ましく、その様な脂肪酸エステルの具体例としては、飽和脂肪酸モノエステルとして、酪酸ヘキシル、酪酸ヘプチル、酪酸ヘキシル、酪酸オクチル、カプロン酸ブチル、カプロン酸アシル、カプロン酸ヘキシル、カプロン酸ヘプチル、カプロン酸オクチル、カプロン酸ノニル、エナント酸プロピル、エナント酸ブチル、エナント酸アミル、エナント酸ヘキシル、エナント酸ヘプチル、エナント酸オクチル、カプリル酸エチル、カプリル酸ビニル、カプリル酸プロピル、カプリル酸イソプルピル、カプリル酸ブチル、カプリル酸アミル、カプリル酸ヘキシル、カプリル酸ヘプチル、カプリル酸オクチル、ペラルゴン酸メチル、ペラルゴン酸エチル、ペラルゴン酸ビニル、ペラルゴン酸プロピル、ペラルゴン酸ブチル、ペラルゴン酸アミル、ペラルゴン酸ヘプチル、カプリン酸メチル、カプリン酸エチル、カプリン酸ビニル、カプリン酸プロピル、カプリン酸イソプロピル、カプリン酸ブチル、カプリン酸ヘキシル、カプリン酸ヘプチル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ビニル、ラウリン酸プロピル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸イソアミル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸−2エチル−ヘキシルなどを挙げることができる。
【0031】
不飽和脂肪酸エステルとしては、オレイン酸エチル、オレイン酸プロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸アリル、オレイン酸イソアミル、オレイン酸ヘプチル、オレイン酸−2−エチルヘキシル、エライジン酸メチル、エライジン酸エチル、エライジン酸プロピル、エライジン酸アリル、エライジン酸ブチル、エライジン酸イソブチル、エライジン酸−tert−ブチル、エライジン酸イソアミル、エライジン酸−2−エチルヘキシル、、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸アリル、リノール酸プロピル、リノール酸イソプロピル、リノール酸ブチル、リノール酸イソブチル、リノール酸−tert−ブチル、リノール酸ペンチル、リノール酸ヘキシル、リノール酸ヘプチル、リノール酸−2−エチルヘキシル、リノレン酸メチル、リノレン酸エチル、リノレン酸アリル、リノレン酸プロピル、リノレン酸イソプロピル、リノレン酸ブチル、リノレン酸イソブチル、リノレン酸−tert−ブチル、リノレン酸ペンチル、リノレン酸ヘキシル、リノレン酸ヘプチル、リノレン酸−2−エチルヘキシル、アラキドン酸メチル、アラキドン酸エチル、アラキドン酸アリル、アラキドン酸プロピル、アラキドン酸イソプロピル、アラキドン酸ブチル、アラキドン酸イソブチル、アラキドン酸−tert−ブチル、アラキドン酸ペンチル、アラキドン酸ヘキシル、アラキドン酸ヘプチル、アラキドン酸−2−エチルヘキシル、エイコセン酸メチル、エイコセン酸エチル、エイコセン酸アリル、エイコセン酸プロピル、エイコセン酸イソプロピル、エイコセン酸ブチル、エイコセン酸イソブチル、エイコセン酸−tert−ブチル、エイコセン酸ペンチル、エイコセン酸ヘキシル、エイコセン酸ヘプチル、エイコセン酸−2−エチルヘキシル、エイコサペンタエン酸メチル、エイコサペンタエン酸エチル、エイコサペンタエン酸アリル、エイコサペンタエン酸プロピル、エイコサペンタエン酸イソプロピル、エイコサペンタエン酸ブチル、エイコサペンタエン酸イソブチル、エイコサペンタエン酸−tert−ブチル、エイコサペンタエン酸ペンチル、エイコサペンタエン酸ヘキシル、エイコサペンタエン酸ヘプチル、エイコサペンタエン酸−2−エチルヘキシル、エルカ酸メチル、エルカ酸エチル、エルカ酸アリル、エルカ酸プロピル、エルカ酸イソプロピル、エルカ酸ブチル、エルカ酸イソブチル、エルカ酸−tert−ブチル、エルカ酸ペンチル、エルカ酸ヘキシル、エルカ酸ヘプチル、エルカ酸−2−エチルヘキシル、ドコサヘキサエン酸メチル、ドコサヘキサエン酸エチル、ドコサヘキサエン酸アリル、ドコサヘキサエン酸プロピル、ドコサヘキサエン酸イソプロピル、ドコサヘキサエン酸ブチル、ドコサヘキサエン酸イソブチル、ドコサヘキサエン酸−tert−ブチル、ドコサヘキサエン酸ペンチル、ドコサヘキサエン酸ヘキシル、ドコサヘキサエン酸ヘプチル、ドコサヘキサエン酸−2−エチルヘキシル、リシノール酸メチル、リシノール酸エチル、リシノール酸アリル、リシノール酸プロピル、リシノール酸イソプロピル、リシノール酸ブチル、リシノール酸イソブチル、リシノール酸−tert−ブチル、リシノール酸ペンチル、リシノール酸ヘキシル、リシノール酸ヘプチル、リシノール酸−2−エチルヘキシルなどを例示することができる。
【0032】
本発明における脂肪酸エステルを構成する飽和または不飽和脂肪酸は、実際上は、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、水添大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、あるいはその分別蒸留などによる分別脂肪酸が使用され、前記した飽和または不飽和脂肪酸の混合物として得られる。
【0033】
さらに近年環境対応型として大豆油またはその脂肪酸エステル(大豆油脂肪酸エチルエステル、大豆油脂肪酸ブチルエステル等の大豆油脂肪酸アルキルエステル等)が例示される。
【0034】
さらにエポキシ化大豆油、エポキシ化大豆油アクリルエステル(サートマー社製CN111、UCB社製エベクリル860)、エポキシ化アマニユ、エポキシ化アマニユアクリルエステル、さらに他のエポキシ化脂肪油、エポキシ化脂肪油アクリルエステルが例示される。
【0035】
さらに大豆油とグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等ポリオールのエステル交換反応物の残水酸基との(メタ)アクリル酸を反応させたエステル化反応生成物等または大豆油脂肪酸とグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等ポリオールとのエステル化反応物の残水酸基との(メタ)アクリル酸を反応させたエステル化反応生成物等が例示される。さらに大豆油とグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等ポリオールのエステル交換反応物の残水酸基または大豆油脂肪酸とグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等ポリオールとのエステル化反応物の残水酸基とトリメチロールプロパンモノまたはジ(メタ)アクリルエステル、グリセリンモノまたはジ(メタ)アクリルエステル、ペンタエリスリトールジまたはトリ(メタ)アクリルエステル、ジグリセリンジまたはトリ(メタ)アクリルエステルジトリメチロールプロパンジまたはトリ(メタ)アクリルエステル、ジペンタエリスリトールテトラまたはペンタ(メタ)アクリルエステル等の(メタ)アクリルエステル化合物残水酸基をトリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物を反応させた大豆油性ウレタンアクリルエステル化合物等が例示される
エチレン性不飽和二重結合を持つ(メタ)アクリルモノマーまたはアクリルオリゴマーについて説明する。エチレン性不飽和二重結合を有する(メタ)アクリルモノマーモノマーとしては、1官能モノマーとしてアルキル(カーボン数が1〜18)(メタ)アクリレート、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートがあり、さらにベンジル(メタ)アクリレート、ブチルフェノール、オクチルフェノールまたはノニルフェノールまたはドデシルフェノールのようなアルキルフェノールエチレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノメチロール(メタ)アクリレート等が例示される。さらに2官能モノマーとしてエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、 ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート(通称マンダ)、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−オクタンジオールジ(メタ)アクリレートジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート(三菱化学)、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレートトリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノーAジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート等が例示される。3官能モノマーとしてグリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が例示される。4官能以上のモノマーとしてペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネート、テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイドヘプタ(メタ)アクリレート等が例示される。
【0036】
さらに脂肪族アルコール化合物のアルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレートモノマー、特にC3〜C20以上のアルキレンオキサイドを持つ脂肪族アルコール化合物のアルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレートモノマーは上記樹脂、植物油またはその脂肪酸エステルに対し溶解性が向上してくる。脂肪族アルコール化合物のアルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレートモノマーとして脂肪族アルコール化合物のモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、ペンチレンオキサイド、ヘキシレンオキサイド他)モノまたはポリ(1〜10)(メタ)アクリレートがある。1官能モノマーとしてアルキル(カーボン数が1〜18)(メタ)アクリレート、例えばメタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、エタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ブタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ヘキサノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、オクタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ドデカノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ステアリルモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドがある。さらにブチルフェノール、オクチルフェノールまたはノニルフェノールまたはドデシルフェノールのポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート等が例示される。さらに2官能モノマーとしてエチレングリコールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、 ジプロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタネオペンチルグリコールポリ(2〜20)(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加体ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート(通称マンダ)、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレンオキサイド付加体(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)ジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−オクタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレートジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレートが例示される。3官能モノマーとしてグリセリンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタンポリ(3〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート等が例示される。4官能以上のモノマーとしてペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加体テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネート、テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタン(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンポリ(4〜200)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(5〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)ヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサカプロラクトネートポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)オクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイドヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)オクタ(メタ)アクリレート等が例示される。
【0037】
さらに(メタ)アクリルオリゴマーとして、ポリオール、多塩基酸および(メタ)アクリル酸のエステル化物、さらにはエポキシアクリレート等が例示される。ポリオール、多塩基酸は本願で既に例示したものが使用され、例えばポリオールとしてはエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど、多塩基酸としては無水フタル酸、イソフタル酸、琥珀酸、マレイン酸などが使用される。
【0038】
次に、金属ドライヤーとしては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソペンタン酸、ヘキサン酸、2−エチル酪酸、ナフテン酸、オクチル酸、ノナン酸、デカン酸、2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ネオデカン酸、バーサチック酸、セカノイック酸、トール油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ジメチルヘキサノイック酸、3,5,5−トリメチルヘキサノイック酸、ジメチルオクタノイック酸などの有機カルボン酸の金属塩、たとえばカルシウム、コバルト、鉛、鉄、マンガン、亜鉛、ジルコニウム塩などの公知公用の化合物が使用可能であり、印刷インキ表面および内部硬化を促進するために、これらの複数を適宜併用して使用することもできる。
【0039】
次に、ラジカル重合開始剤としては、光開裂型と水素引き抜き型に大別して例示することができる。前者の例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−アクリルべンゾイン等のベンゾイン系、ベンジル、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパンー1−オン(イルガキュア907:チバスペシャルティケミカルズ社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン(イルガキュア369:チバスペシャルティケミカルズ社製)、ベンジルメチルケタール(イルガキュア651:チバスペシャルティケミカルズ社製)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184:チバスペシャルティケミカルズ社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173:メルク社製)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(ダロキュア1116:メルク社製)、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、4−(2−アクリロイル−オキシエトキシ)フェニル−2−ヒドロキシ−2−プロピルケトン、ジエトキシアセトフェノン(ZLI3331:チバスペシャルティケミカルズ社製)、エサキュアーKIP100(ラムベルティ社製)、ルシリンTPO( BASF社製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド(BAPO1:チバスペシャルティケミカルズ社製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BAPO2:チバスペシャルティケミカルズ社製)、BTTB(日本油脂(株)製)、
CGI1700( チバスペシャルティケミカルズ社製等が例示される。
【0040】
後者の例として、ベンゾフェノン、p−メチルベンゾフェノン、p−クロルベンゾフェノン、テトラクロロベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’ −メチル−ジフェニルサルファイド、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4ジエチルチオキサントン、2,4ジクロロチオキサントン、アセトフェノン等のアリールケトン系開始剤、4,4’ −ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’ −ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、p−ジメチルアミノアセトフェノン等のジアルキルアミノアリールケトン系開始剤、チオキサントン、キサントン系のおよびそのハロゲン置換系の多環カルボニル系開始剤等が例示される。これらの単独または適宣組み合わせにより用いる事も出来る。これらの開始剤は組成物中に0.1〜30重量%の範囲で用いる事が出来るが、好ましくは1〜15重量%の範囲で用いる事が出来る。
【0041】
次に着色剤としては、無機顔料および有機顔料を示すことができる。無機顔料としては黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミウムレッド、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム粉、ベンガラなどが、有機顔料としては、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系、ピラゾロン系などの溶性アゾ顔料、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系モノアゾ、アセト酢酸アニリド系ジスアゾ、ピラゾロン系などの不溶性アゾ顔料、銅フタロシアニンブルー、ハロゲン化(塩素または臭素化)銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、キナクリドン系、ジオキサジン系、スレン系(ピラントロン、アントアントロン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系など)、イソインドリノン系、金属錯体系、キノフタロン系などの多環式顔料および複素環式顔料などの公知公用の各種顔料が使用される。
【0042】
本発明において従来通りの石油系溶剤などの揮発性有機化合物(VOC)を含む沸点200〜400℃の印刷インキ溶剤を用いてもよい。
【0043】
本発明の印刷インキ溶剤は、例えば日本石油(株)製1号スピンドル油、3〜8号ソルベント、ナフテゾールH、アルケン56NT、三菱化学(株)製ダイヤドール13、ダイヤレン168、日産化学(株)製Fオキソコール、Fオキソコール180等が例示される。芳香族成分を3%以下に減じた印刷インキ用溶剤とは同沸点範囲の石油系溶剤で芳香族系成分/ナフテン系成分/パラフィン系成分の重量比が0〜3/0〜100/100〜0の溶剤であり、時にはオレフィン系成分が含まれることもある溶剤である。具体的には、日本石油(株)製AFソルベント4〜8、0号ソルベントH、ISU(株)製N−パラフィンC14−C18、出光興産(株)のスーパーゾルLA35、LA38等、エクソン化学(株)のエクソールD80、D110、D120、D130、D160、D100K、D120K、D130K等、マギーブラザーズ社製のマギーソル−40、−44、−47、−52、−60等が例示される。アニリン点は60から115℃が望まれる。もしアニリン点が115℃より高い溶剤を使用すれば、インキ組成中の使用樹脂との溶解力が不足して、インキの流動性が不十分であり、その結果被印刷体へのレベリングが乏しく光沢のない印刷物しか得られない。また、60℃より低いアニリン点の溶剤を使用したインキは乾燥時のインキ被膜からの溶剤の脱離性が悪く乾燥劣化を起こしてしまう。
【0044】
次に、本発明における硬化性組成物としての使用形態について説明する。本発明における硬化性組成物は、印刷インキまたはオーバープリントニス(OPニス)としての使用形態がある。印刷インキにおいては、通常平版印刷インキとしての形態において使用されるが、凸版印刷方式である活輪インキ、フレキソインキとしての使用も可能である。通常の組成比は下記の通りである。
*ロジン変性フェノール樹脂 1〜40重量%
* 石油樹脂 1〜40重量%
*植物油および/またはその脂肪酸エステル 5〜40重量%
*エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーまたはオリゴマー5〜90重量%
*着色剤 0〜30重量%
*ラジカル重合禁止剤 0.01〜1重量%
* ラジカル重合性開始剤 0〜 15重量%
* 金属ドライヤー 0〜3.0重量%
* その他添加剤 0〜10重量%
* 印刷インキ用溶剤 0〜40重量%
さらに、本発明の硬化性組成物を印刷インキ用として使用する場合は、該組成物を印刷インキに供し易い粘度(100 〜300 Pa ・s /25℃)を持ったワニスにすることが望ましい。
【0045】
本発明のワニスを製造するにあたって、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、植物油またはその脂肪酸エステルで180〜260℃の温度範囲で0.5〜3時間溶解後80〜120℃に冷却しエチレン性不飽和二重結合を持つ(メタ)アクリルモノマーまたは(メタ)アクリルオリゴマーを重合禁止剤を仕込みながら、80〜120℃で溶解させ粘度50〜300Pa・S/秒ワニスの形使用する。本発明における硬化性組成物を製造するに当たってはその場合、必要に応じて空気吹き込み、窒素ガス、重合禁止剤の添加、あるいは酸化防止剤の添加などを同時に行う。
【0046】
重合禁止剤としては、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p −メトキシフェノール、t −ブチルカテコール、t −ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p −ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5−ジ−tert−ブチル−p −ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、、クペロン、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ−p −ニトロフェニルメチル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等が使用される。
【0047】
添加剤としては、例えば、耐摩擦剤、ブロッキング防止剤、スベリ剤、スリキズ防止剤としては、カルナバワックス、木ろう、ラノリン、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの天然ワックス、フィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、およびシリコーン化合物などの合成ワックスを使用することができる。
【0048】
さらに、該ワニスをゲル化剤を用いてゲルワニスとすることも可能である。ゲル化剤としては、通常アルミニウム錯体化合物を挙げる事が出来る。環状アルミニウム化合物類、例えば環状アルミニウムオキサイドオクテート(川研ファインケミカル社製アルゴマー800)、環状アルミニウムオキサイドステアレート(川研ファインケミカル社製アルゴマー1000S)等、アルミニウムアルコラート類としてアルミニウムエチレート、アルミニウムイソプロピレート(川研ファインケミカル社製AIPD) 、アルミニウム−sec−ブチレート(川研ファインケミカル社製ASPD) 、アルミニウムイソプロピレート−モノ−sec−ブチレート(川研ファインケミカル社製AMD) 、アルミニウムアルキルアセテート類、例えばアルミニウム−ジ−n −ブトキサイド−エチルアセトアセテート(ホープ製薬製Chelope−Al−EB2)、アルミニウム−ジ−iso−ブトキサイド−メチルアセトアセテート(ホープ製薬製Chelope−Al−MB12)、アルミニウム−ジ−iso−ブトキサイド−エチルアセトアセテート(ホープ製薬製Chelope−Al−EB102)、アルミニウム−ジ−iso−ブトキサイド−エチルアセトアセテート(ホープ製薬製Chelope−Al−EB2)、アルミニウム−ジ−iso−プロポキサイド−エチルアセトアセテート(ホープ製薬社製Chelope−Al−EP12、川研ファインケミカル社製ALch)、アルミニウム−トリス(アセチルアセトナート)(川研ファインケミカル社製ALCH−TR) 、アルミニウム−トリス(アチルアセトアセテート)(川研ファインケミカル社製アルミキレート−A) 、アルミニウム−ビス(エチルアセチルアセトナート)−モノアセチルアセトナート(川研ファインケミカル社製アルミキレートD) 、アルミキレートM(川研ファインケミカル社製)、アルミキレートNB−15(ホープ製薬社製)、ケロープS(ホープ製薬社製)ケロープACS−2(ホープ製薬社製、液状オリープAOO(ホープ製薬社製) 、液状オリープAOS( ホープ製薬社製) が例示される。アルミニウム石鹸としてアルミニウムステアレート(日本油脂(株)製)、アルミニウムオレート、アルミニウムナフトネート、アルミニウムウレート、アルミニウムアセチルアセトネート、が例示される。これらのゲル化剤は、ワニス100重量部に対し、0.1重量部から10重量部の範囲で使用される。その他のゲル化剤として、環状ジペプチド類、有機液体をゲル化せしめる性質エチレンビス(12−ヒドロキシオクタデカン酸)アマイド等のビスアミド類、Al −Mg−ヒドロキシカプリレ−ト、Al −Mg−ヒドロキシミリステート、Al −Mg−ヒドロキシパルミテート、Al −Mg−ヒドロキシベヘネート等の粉末状のアルミニウム−マグネシウム化合物が例示される。さらにテトライソプロピルチタネート、テトラn−ブチルチタネート、テトレオクチルチタネート、チタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル等の有機チタネート等が例示される。さらにジルコニウム−テトラブトキシド、ジルコニウムアセチルアセトン、ジルコニウムアセチルアセトン、ジルコニウムアセチルアセトン、アセチルアセトンジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド等の有機ジルコニム等が例示される。ゲルワニスの作成は、通常ゲル化剤を0.1〜3重量部を仕込み、100〜200℃の温度範囲で、30分〜2時間反応させて得られる。
【0049】
印刷インキは、常温から100℃の間で、着色剤、ワニスおよび/またはそのゲルワニス、本発明のハイブリッド化合物、植物油またはその脂肪酸エステル、エチレン性不飽和二重結合を持つ(メタ)アクリルモノマーまたは(メタ)アクリルオリゴマー、ラジカル重合禁止剤、ラジカル重合性開始剤および/または増感剤、金属ドライヤー、その他添加剤などの印刷インキ用成分を、ニーダー、三本ロール、アトライター、サンドミル、ゲートミキサーなどの練肉、混合、調整機を用いて製造される。
【0050】
本発明の硬化性組成物からなる硬化性インキは、通常湿し水を使用するオフセット印刷に適用されるが、湿し水を使用しない水無し印刷にも好適に用いられる。また、本発明の硬化性組成物は、オーバープリントニス(通称OPニス)にも適用される。本発明の硬化性組成物、硬化性インキは、フォーム用印刷物、各種書籍用印刷物、カルトン紙等の各種包装用印刷物、各種プラスチック印刷物、シール/ラベル用印刷物、美術印刷物、金属印刷物(美術印刷物、飲料缶印刷物、缶詰等の食品印刷物)などの印刷物に適用される。硬化性インキについては、紫外線硬化性インキ、電子線硬化性インキとして、オーバーコートワニスについては、紫外線硬化性オーバーコートワニス、電子線オーバーコートワニスとして使用され、さらに水性オーバーコートワニスとして使用されることもある。
【0051】
さらに本発明は、本発明の硬化性インキを用いた印刷物の美的高級感や耐久性をさらに高めるために、基材に硬化性インキを印刷し、直ちにウェットで活性エネルギー線硬化性オーバーコートワニスを塗工し、活性エネルギー線照射する印刷方法や、該方法によって得られた印刷物をも提供する。通常酸化重合性のみの一般油性インキを印刷した後、ウェットで直ちに活性エネルギー線オーバーコートワニスを塗工し、活性エネルギー線照射した場合、数日後の光沢を測定すると、初期光沢が維持されずに光沢低下する、いわゆるグロスバックが生ずるが、本発明の硬化性インキを用いた場合、活性エネルギー線硬化性オーバーコートワニスを直ちに塗工、活性エネルギー線照射した場合でも、このグロスバックは著しく改善され、美的高級感のある印刷物を提供することができる。尚、基材としては北越製紙(株)製マリコート、ポリエチコート紙、アルミコート紙等のコートボール紙、三菱製紙(株)製特菱アート紙、上質紙等の薄紙コート紙、合成紙、プラスチックフィルム、金属板等が使用される。
【0052】
以下具体例をもって、本発明を詳細に説明する。例中「部」とは、重量部を示す。
【0053】
【実施例】
次に具体例により本発明を説明する。例中「部」とは重量部を示す。以下具体例により示す。
(樹脂実施例R1)
ロジンフェノール樹脂の合成例1
(レゾール型フェノール樹脂の合成)
攪拌機、還流冷却器、温度計付4つ口フラスコにp−オクチルフェノール206部、37%ホルマリン203部、キシレン250部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら加熱攪拌し、50℃で水酸カルシウム2.0部を水10部に分散させて、その分散液を添加し95℃に昇温し、同温度で3.5時間反応させた。その後、冷却し、硫酸で中和、水洗した。レゾールキシレン溶液層と水層を静置分離した。このレゾール型フェノール樹脂をレゾ−ル液とする。
【0054】
(ロジンフェノ−ル樹脂の合成)
攪拌機、水分離器付き還流冷却器、温度計付4つ口フラスコに窒素ガスを吹き込みながら、ロジン60部を仕込み、加熱攪拌し、200℃でレゾール液40部(固形分)を滴下しながら約2時間かけて仕込み、その間水とキシレンを回収しながら反応させ、仕込み終了後、昇温し250℃でグリセリン6.0部を仕込み12時間反応させ、酸価が25以下になったので汲み出した。
本樹脂の重量平均分子量は4.5万であった。(樹脂R1)
注)*ロジンと反応するレゾ−ル液の重量部は150℃30分加熱し蒸発後の固形分の重量部を示す。
*重量平均分子量は東ソー(株)製ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(HLC8020)で検量線用標準サンプルはポリスチレンで測定した。
ロジンフェノール樹脂の合成例2
(レゾール型フェノール樹脂の合成)
攪拌機、還流冷却器、温度計付4つ口フラスコにp−ターシャリブチルフェノール150部、37%ホルマリン203部、キシレン250部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら加熱攪拌し、50℃で水酸カルシウム2.0部を水10部に分散させて、その分散液を添加し95℃に昇温し、同温度で3.5時間反応させた。その後、冷却し、硫酸で中和、水洗した。レゾールキシレン溶液層と水層を静置分離した。このレゾール型フェノール樹脂をレゾ−ル液とする。
【0055】
(ロジンフェノ−ル樹脂の合成)
攪拌機、水分離器付き還流冷却器、温度計付4つ口フラスコに窒素ガスを吹き込みながら、ロジン65部を仕込み、加熱攪拌し、200℃でレゾール液35部(固形分)を滴下しながら約2時間かけて仕込み、その間水とキシレンを回収しながら反応させ、仕込み終了後、昇温し250℃でグリセリン6.5部を仕込み12時間反応させ、酸価が25以下になったので汲み出した。
本樹脂の重量平均分子量は4.8万であった。(樹脂R2)
注)*ロジンと反応するレゾ−ル液の重量部は150℃30分加熱し蒸発後の固形分の重量部を示す。
*重量平均分子量は東ソー(株)製ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(HLC8020)で検量線用標準サンプルはポリスチレンで測定した。
【0056】
石油樹脂アルキッドの合成例
攪拌機、水分離器付き還流冷却器、温度計付4つ口フラスコに窒素ガスを吹き込みながらマルカレッツ510A(丸善石油(株)製C5系石油樹脂)100部、無水マレイン酸7部、MIBK5部を仕込み150℃で2時間ディールスアルダー反応させる。その後ネオペンチルグリコール8部を仕込み180℃〜230℃で8時間酸価が5以下になり汲み出した。
本樹脂の重量平均分子量は4万であった。(樹脂R3)
ワニス製造実施例(樹脂ワニスの作成)
攪拌機、水分離冷却管、温度計付き四つ口フラスコに樹脂(R1)25部、マルカレッツM510A(丸善石油(株)製C5系石油樹脂)15部、あまに油15部を仕込み、窒素気流下で190℃1時間加熱撹拌後90℃にしt−BHQ(ターシャリブチルハイドロキノン)0.1部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート44.9部を仕込み30分撹拌後粘度を150〜200Pa・s/25℃に調製し、汲み出した(実施例ワニスV1)。以下、同様に実施例ワニスV2〜実施例ワニスV5、実施例ワニスV7を作製した。
【0057】
(実施例ワニスV6)
攪拌機、水分離冷却管、温度計付き四つ口フラスコに樹脂(R1)25部、日石ネオポリマー160(新日本石油化学(株)製C9系石油樹脂無水マレイン酸変性物)15部、大豆油15部、ALCH(川研ファインケミカル(株)製ゲル化剤)0.5部を仕込み、窒素気流下で加熱溶解し、190℃1時間保温後、その後表2の実施例ワニスV6の処方内容で実施例ワニス1の操作手順で作製した。(実施例ワニスV6)。
【0058】
【表1】
【0059】
比較例ワニス
比較例ワニス(V8)の製造例(酸化重合型ワニス)
攪拌機付き、水分離冷却管付き、温度計付き四つ口フラスコに、窒素気流下に、ロジン変性フェノール樹脂R1を45部、あまに油20部、AF5溶剤(日本石油(株)製アロマフリーインキ溶剤)34.4部、ALCH(川研ファインケミカル(株)製ゲル化剤)0.5部、t−BHQ(ターシャリブチルハイドロキノン)0.1部を仕込み、200℃で1時間加熱溶解した。コーンプレート型粘度計で粘度測定したところ、98Pa ・s /25℃であった。
【0060】
以下同様に、表2に示した処方で、比較例ワニスV9、V10を作成した。
【0061】
比較例ワニス(V11)の製造例(活性エネルギー線硬化型ワニス)
攪拌機付き、水分離冷却管付き、温度計付き四つ口フラスコに、ダップトートDT170(東都化成(株)製ジアルルフタレート樹脂)30部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート69.9部、ハイドロキノン0.1部を仕込み、空気気流下で100℃で30分〜1時間で溶解した。コーンプレート型粘度計で粘度測定したところ、152Pa ・s /25℃であった。 以下同様に、表2に示した処方で、比較例ワニスV12を作成した。
【0062】
【表2】
【0063】
硬化性インキ(インキ1)の製造例
紅顔料としてカーミン6B(東洋インキ製造(株)製紅顔料)18部、ワニスV1を49部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートを26.9部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(EAB)を2.5部、イルガキュア907を2.5部、t−BHQ(ターシャリブチルハイドロキノン)0.1部、ナフテン酸マンガン1部を仕込み、三本ロ−ルミルで常法により製造した。
【0064】
尚、インキはタック値7〜8/25℃に調製した。以下表3、表4に示した処方でインキ2〜10を製造した。尚、インキ9、10は電子線硬化性インキの例である。
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】
比較例油性インキ(インキ11)の製造例
カーミン6Bを18部、ワニスV8を70.9部、AF5溶剤を10部、t−BHQ(ターシャリブチルハイドロキノン)0.1部、ナフテン酸マンガン1部を仕込み、三本ロ−ルミルで常法により作成した。
【0068】
尚、インキはタック値7〜8/25℃に調製した。
【0069】
以下同様に、表5に示した処方で比較例油性インキ12、13を製造した。
【0070】
【表5】
【0071】
比較例紫外線硬化性インキ(インキ14)
カーミン6Bを18部、ワニスV11を30部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート26.9部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート20部、EABを2.5部、イルガキュア907を2.5部、ハイドロキノン0.1部を仕込み、三本ロ−ルミルで常法により作成した。尚、インキはタック値7〜8/25℃に調製した。
【0072】
以下同様に、表6に示した処方で、比較紫外線硬化性インキ20を製造した。
【0073】
比較例電子線硬化性インキ(インキ16)
カーミン6Bを18部、ワニスV11を35部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート26.9部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート20重量部、ハイドロキノン0.1部を仕込み、三本ロ−ルミルで常法により作成した。尚、インキはタック値7〜8/25℃に調製した。
以下同様に、表5に示した処方で、比較電子線硬化性インキ17を製造した。 本発明の効果を、グロスバック試験にて説明する。(実施例1〜10、比較例1〜9)
−紫外線照射の場合−
マリコート紙(北越製紙(株)製コートボール紙)にRIテスター(明製作所(株)製簡易印刷機)を使用し、インキ盛り0.3ccで展色刷りした後、直ちにワイヤーバー#3K−ロックスプルーファ(RK PRINT−COAT INSTRUMENTS Ltd)で、紫外線硬化性ニス(FDPCA902ワニス:東洋インキ製造(株)製)を塗工、紫外線照射し、直後と72時間後に光沢を測定した。またセロハンテープ剥離による密着試験も実施した。紫外線照射は、USHIO(株)製照射装置UVC−2535(120W/cm超高圧水銀オゾンノーカットランプ1灯、コンベヤースピード30m /min の条件)を使用した。光沢計は村上色彩研究所(株)製60度の条件で使用した。
−電子線照射の場合−
紫外線照射の場合と同条件で展色刷りし、EB硬化性ニス(FDPCA902から開始剤を除いたニス)を塗工後、直ちに電子線照射した。電子線照射については、米国ESI(株)製低エネルギー電子線照射装置(加圧電圧175KV、酸素濃度500ppm の窒素置換した雰囲気)を用い30KGy で照射した。
【0074】
以上の結果を表6にまとめて示した。
【0075】
【表6】
【0076】
次いで、本発明の効果を、ブランケット膨潤性試験にて説明する。
【0077】
油性インキに一般的に使用される金陽社(株)製ブランケットS7400上に、各インキおよび各原料素材を乗せ、72時間後のブランケット膨潤性をマイクロゲージで測定した。膨潤後のブランケットと膨潤前のブランケットの厚さの差を、膨潤前のブランケットの厚さで除し、百分率( %)で表示した。結果を表7にまとめて示した。表中で、0〜0.5%は膨潤良好、0.6〜0.9%はわずかに膨潤するが実用レベル、1.0%以上は不良。
【0078】
以上の結果を表7にまとめて示した。
【0079】
【表7】
【0080】
インキ洗浄性:
RIテスターで各インキを印刷後、ミネラルターペンでインキの洗浄性を試験した。結果を表9にまとめて示した。表中○は洗浄性良好、×は洗浄性不良を示す。
【0081】
【発明の効果】
以上の様に、本発明は、油性素材であるロジン変性フェノール樹脂および植物油またはその脂肪酸エステルと油溶性に乏しい活性エネルギー線硬化性を持つ(メタ)アクリルモノマーまたは(メタ)アクリルオリゴマー両者のに溶解し、両者の相溶化剤の役割を果たす石油樹脂と、ロジンフェノール樹脂、植物油またはその脂肪酸エステル 、および(メタ)アクリルモノマーまたは(メタ)アクリルオリゴマーを含有する油溶性、酸化重合性とアクリル重合性を併せ持つ硬化性被覆組成物等の硬化性インキを使用することにより、一般の油性印刷インキの耐膨潤性、洗浄性、乳化印刷適性、ミスチング等の良好な性質、低コスト性を保持しつつ、多色印刷後、棒積みまたは直ちに未硬化で活性エネルギー線硬化性オーバーコートワニスを塗工し、活性エネルギー線を照射してなるインライン印刷方法を行っても、上記グロスバックの抑制された光沢感のある高級印刷物を提供することが可能となる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、油性素材であるロジン変性フェノール樹脂および植物油またはその脂肪酸エステルと油溶性に乏しい活性エネルギー線硬化性を持つ(メタ)アクリルモノマーまたは(メタ)アクリルオリゴマー両者に溶解し、両者の相溶化剤の役割を果たす石油樹脂と、ロジン変性フェノール樹脂、植物油またはその脂肪酸エステル 、および(メタ)アクリルモノマーまたは(メタ)アクリルオリゴマーを含有する油溶性、酸化重合性とアクリル重合性を併せ持つ硬化性被覆組成物、硬化性インキ、さらには、該硬化性インキを印刷後、印刷面が未硬化の状態で活性エネルギー線硬化性オーバーコートワニスを塗工し、次いで活性エネルギー線を照射する印刷方法および得られた印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種紙器、書籍、ポスター、カレンダー、ラベル、包装紙、カードなどの印刷において、美的高級感や各種耐性(耐摩擦性、耐水性、耐油性、耐溶剤性)を付与するという目的のため、インキを印刷後、オーバーコートワニス、特に活性エネルギー線オーバーコートワニスを塗工することが従来より一般的に実施されている。例えば、油性インキ(酸化重合性)を印刷した後、インキが乾燥する数日後まで棒積みにし、その後活性エネルギー線硬化性オーバーコートワニスを塗工する方法(油性インキ/活性エネルギー線硬化性ニスのオフライン・システム)、活性エネルギー線硬化性インキを印刷後、直ちに活性エネルギー線硬化性オーバーコートワニスを塗工する方法(活性エネルギー線硬化性インキ/活性エネルギー線硬化性ニスのインライン・システム)などが取られていた。しかし、前者のオフライン・システムの場合は作業効率が悪く、また後者のインライン・システムの場合でも活性エネルギー線硬化性インキのコストが高いなどの問題点があった。
【0003】
さらに上記油性インキは鉱物油留分である揮発性の炭化水素系インキ溶剤が使用されている場合が多い。しかし近年、環境への配慮から当該油性インキから揮発性の炭化水素系インキ溶剤を一切排除したVOC(揮発性有機化合物)フリーインキのニーズが高まっている。例えば、福田および石井等によれば(日本印刷学会誌、第37巻、第5号、第51頁)、オフセット印刷インキのVOCフリー化が可能となれば、4万トン以上の印刷インキ用石油溶剤の削減が可能になるとされている。
【0004】
上記の課題を解決するために、油性インキ用多色印刷機の後に、コーター機および活性エネルギー線照射装置を設置し、油性インキ印刷後直ちに活性エネルギー線硬化性オーバーコートワニスを塗工、硬化させる事により光沢感のある印刷物を作成する試みが行われているが、しかしこの方法では、徐々に光沢が減少する、特に単色よりインキの多色重ね刷りし厚盛りになった場合に、光沢の劣化が数日にわたって続き(グロスバック)、美的高級感を損ね商品価値を失うという問題点があった。
【0005】
また一方では、油性インキ用多色印刷機しか有していない印刷メーカーにおいて、前記の活性エネルギー線硬化性インキ/活性エネルギー線硬化性ニスのインライン・システムで印刷物を得ようとすると、活性エネルギー線硬化性インキが印刷機ゴムロールやブランケットに浸潤および膨潤し、インキの転移不良が生じたり、絵柄を変えて次の印刷を行う際に、膨潤した部分における印刷絵柄跡が次の印刷物に薄くゴースト状に出てしまい、印刷物としての商品価値を損ねてしまう。さらには印刷機の洗浄液も油性インキ用のものが使用できないなどの種々問題があり、活性エネルギー線硬化性インキに耐久性を有する印刷用ゴムロールやブランケットに変えたり、あるいは活性エネルギー線硬化性インキ専用の多色印刷機を新たに導入する必要があるなどの課題があった。
【0006】
上記問題点を解決するために、油性インキの成分と活性エネルギー線硬化性インキの成分を混合する試みも知られているが(例えば、特許文献1、特許文献2参照)、一般に油性インキと活性エネルギー線硬化性インキは相溶性が悪く、流動性が劣化し印刷時転移不良になってしまう。一般に油性素材であるロジン変性フェノール樹脂および植物油またはその脂肪酸エステル と活性エネルギー線硬化性を持つエチレン性不飽和二重結合を持つ(メタ)アクリルモノマーまたは(メタ)アクリルオリゴマーとは溶解し難い場合が多い。
【0007】
したがって、以上の様な理由から、ニス塗布後のグロスバックが抑えられ且つ油性インキ用多色印刷機で問題なく印刷できる、インキ/ニス・システムの開発が望まれている状況である。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−138516号公報
【0009】
【特許文献2】
特開平8−283529号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、油性素材であるロジン変性フェノール樹脂および植物油またはその脂肪酸エステルと油溶性に乏しい活性エネルギー線硬化性を持つ(メタ)アクリルモノマーまたは(メタ)アクリルオリゴマー両者に溶解し、両者の相溶化剤の役割を果たす石油樹脂と、ロジン変性フェノール樹脂、植物油またはその脂肪酸エステル 、および(メタ)アクリルモノマーまたは(メタ)アクリルオリゴマーを含有する油溶性、酸化重合性とアクリル重合性を併せ持つ硬化性被覆組成物、硬化性インキ、さらには、該硬化性インキを印刷後、印刷面が未硬化の状態で活性エネルギー線硬化性オーバーコートワニスを塗工し、次いで活性エネルギー線を照射する印刷方法および得られた印刷物に関する。
【0011】
酸化重合性とアクリル重合性を併せ持つ硬化性被覆組成物等の硬化性インキを使用することにより、一般の油性印刷インキの耐膨潤性、洗浄性、乳化印刷適性、ミスチング等の良好な性質、低コスト性を保持しつつ、多色印刷後、棒積みまたは直ちにウエットで活性エネルギー線硬化性オーバーコートワニスを塗工し、活性エネルギー線を照射してなるインライン印刷方法を行っても、上記グロスバックを惹起しない硬化性インキおよび、そのための硬化性被覆組成物の提供、その印刷方法およびその印刷物に関する。
【0012】
更に本発明は、石油系溶剤等の揮発性有機化合物(VOC)を一切使用しない硬化性インキ、およびそれらを用いて印刷される印刷物を提供することである。本発明によれば米国環境保護庁が提示しているVOC測定方法Metyod24(110℃、1時間の加熱による加熱残分測定)における熱重量減分を1%以下(水を除く)に制限することが可能となり、VOCフリーのインキおよび印刷物を提供することが可能となる。
【0013】
さらに環境対応としてオフセットインキに含まれる石油系成分、乾生油の一部を大豆油またはその変性物に替えた大豆油インキでASA(The American Soybean Association:アメリカ大豆油協会)の認定基準をクリアーしたインキが要求されており本発明によりその要求基準を満たすことも可能である。。
しかしながら、本発明は従来の石油系溶剤等の揮発性有機化合物(VOC)を含有する硬化性インキとしても適用可能である。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、植物油またはその脂肪酸エステル、および(メタ)アクリレートモノマーを含有することを特徴とする硬化性被覆組成物に関する。
【0015】
更に本発明は、(メタ)アクリレートモノマーが脂肪族アルコール化合物のアルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレートである上記硬化性被覆組成物に関する。
【0016】
更に本発明は、更に金属ドライヤーおよび/またはラジカル重合性開始剤を含有する上記記載の硬化性被覆組成物に関する。
【0017】
更に本発明は、更に着色剤を含有する上記記載の硬化性被覆組成物に関する。
【0018】
更に本発明は、上記記載の硬化性被覆組成物からなる印刷インキに関する。
【0019】
更に本発明は、基材に、上記記載の印刷インキを印刷し、印刷面が未硬化の状態で活性エネルギー線硬化性オーバーコートワニスを塗工し、次いで活性エネルギー線を照射することを特徴とする印刷方法に関する。
【0020】
更に本発明は、上記記載の印刷方法により得られた印刷物に関する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下本発明について詳しく説明する。
【0022】
本発明においてロジン変性フェノール樹脂として、石炭酸、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、(ターシャリ)ブチルフェノール、(ターシャリ)オクチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、ヘキサデシルフェノールおよびこれらの混合物等のフェノール類とホルムアルデヒドを縮合反応させたレゾールまたはノボラックフェノール樹脂とロジン類(ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン等)をクロマン化反応させ、さらにグリセリン、ペンタエリスリトール等のポリオールをあるいはp−トルエンスルフォン酸、メタンスルフォン酸、硫酸等の酸触媒を使用しエステル化反応させた重量平均分子量1〜15万の樹脂で反応法は常法による。
【0023】
次に石油樹脂とはナフサ分解により得られるC5留分あるいはC9留分をカチオン、アニオンあるいはラジカル重合することにより得られる。C5留分含む石油樹脂とは、常法に従ってシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、これらの2〜5量体、共多量体などのごときシクロペンタジエン系単量体単独、またはシクロペンタジエン系単量体と共重合可能な共単量体との混合物を、触媒の存在下あるいは無触媒で熱重合して得られるものである。触媒としてはフリーデルクラフト型のルーイス酸触媒、例えば三フッ化ホウ素およびそのフェノール、エーテル、酢酸などとの錯体が通常使用される。本発明の炭化水素樹脂におけるシクロペンタジエン系単量体と、それと共重合可能な共単量体との共重合比は、少なくともシクロペンタジエン系単量体が5モル%以上であることが必要である。使用される共単量体の例としては、エチレン、プロピレン、プロペン、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、2−ペンテン、イソブチレンを酸触媒で二量化して得られるジイソブチレン(2,4,4−トリメチルペンテン−1と2,4,4−トリメチルペンテン−2との混合物)、1−ヘキセン、2−ヘキセン、1−オクテン、2−オクテン、4−オクテン、1−デセンなどの炭素数2〜10のオレフィン類、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン(ピペリレン)、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエンなどの鎖状共役ジエン類、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、イソプロペニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどのビニル芳香族類、インデン、メチルインデン、クマロン(ベンゾフラン)、メチルクマロン(2−メチルベンゾフラン)などの芳香族不飽和化合物類などがあげられる。C9留分を含む石油樹脂は上記ビニル芳香族類、芳香族不飽和化合物類等の上記熱重合により得られる。以下丸善石油(株)製C5系のマルカレッツM510A、マルカレッツM845A、マルカレッツM905A、マルカレッツM100A、マルカレッツ#8011、マルカレッツT−100A、マルカレッツR−100B、マルカレッツS100A、マルカレッツH505、マルカレッツH700F、マルカレッツH925が例示される。さらに新日本石油化学(株)製日石ネオレジン540、日石ネオレジン580、日石ネオレジンEP−80、日石ネオレジンEP−110、日石ネオレジンEP−140,日石ネオレジンPH−105、日石ネオレジンNB−90、日石ネオポリマーS、日石ネオポリマー80、日石ネオポリマーL−90、日石ネオポリマー100、日石ネオポリマー110、日石ネオポリマー120、日石ネオポリマー130、日石ネオポリマーE−100、日石ネオポリマーE−130、日石ネオポリマーE−130S、日石ネオポリマーM、日石ネオポリマーS−110、日石ネオポリマーE−100日石ネオポリマーGS、日石ネオポリマー170S、TO−90,TO−100が例示される。
さらに日本ゼオン(株)製C5系クイントン1000番シリーズ(1325、1345、1500、1522、1700)、クイントンQTN1100、クイントンQTN1345H、クイントンRI−201が例示される。
さらに東邦化学(株)製トーホハイレジン(#60、#90、#90S、#NX、#120、#130、#140、#120S、RS−9、RS−21、#2100,スーパー#110、スーパー#110T、PA−140)、COPEREX2100等が例示される。
さらにトーネックス(株)製ESCOREZ1100番シリーズ、1200番シリーズ、1300番シリーズ、2000番シリーズ、5000番シリーズ、8000番シリーズ等が例示される。
さらにトーソー(株)製C9系のペトコール(以下各グレードLX、LX−HS、100−T、120、120HV、130、140、140HM、140HM3、150)、C9系リッチのC9/C5混合系のペトロタック(70、90)等が例示される。
【0024】
さらにハーキュレス(株)製C5系ピコタック(95、B)、ピコペール100、C9変性C5系ハーコタック1149、C9系エンデックス155、クリスタレックス(以下各グレード#1120、3085、3100、5140、F100)、ハーコライト(以下各グレード#240、290)
ピコラスチック(以下各グレードA5、A75、100、LC)、水添C9系リガライトY(以下各グレードR1010、R1090、R1100、R1125、S5100、R7100)等が例示される。
【0025】
さらに上記石油樹脂にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸またはその酸無水物を反応させた樹脂、さらには上記石油樹脂にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸またはその酸無水物を反応させた樹脂に1〜6価のアルコールを反応させた樹脂が例示される。α,β−エチレン性不飽和カルボン酸またはその酸無水物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、2,4−ヘキサジエノン酸(ソルビック酸)などが例示できる。これらα,β−エチレン性不飽和カルボン酸またはその酸無水物の変性量としては、本発明で用いられる炭化水素樹脂中のシクロペンタジエン系単量体に対して1〜100モル%の範囲で変性可能であるが、通常、該石油樹脂100g当たり0.01〜0.5モルの範囲内の量で変性する。最適な変性量は、これら不飽和カルボン酸および/またはその酸無水物の残存がないように調整することが望ましい。変性温度は、通常該石油樹脂が溶融する温度である100℃以上〜300℃以下が推奨されるが、150℃〜250℃の範囲が好適に用いられる。これら不飽和カルボン酸および/またはその酸無水物は、単独または任意の量比で複数を組み合わせて用いることが可能である。上記石油樹脂にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸またはその酸無水物を反応させた樹脂として日石ネオポリマー160(新日本石油化学(株)製無水マレイン酸変性C9系石油樹脂)が例示される。
【0026】
さらに1〜6価のアルコールとしてC1〜C50の1〜6価アルキルまたはアルケニルアルコールがあり具体的にはメタノール、エタノール、ブタノール、オクタノール、トリデカノール、オクタデカノール、エイコサノール、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールオクタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール等が例示され、単独または任意の量比で複数を組み合わせて用いることが可能であるる。上記石油樹脂にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸またはその酸無水物を反応させた樹脂と1〜6価のアルコールを反応させるには160〜300℃好ましくは180〜260℃で反応させる。前者の石油樹脂α,β−エチレン性不飽和カルボン酸反応物のカルボン酸基と後者の1〜6価のアルコールの水酸基のモル比は0.9〜1.1が好ましい。さらに必要に応じ脂肪酸、安息香酸、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、(無水)トリメリット酸、ピロメリット酸等の1〜4価のカルボン酸化合物の一部併用も可能である。本発明において好適に用いられるエステル変性石油樹脂の重量平均分子量は0.1万〜30万、好ましくは0.1万〜10万である。
【0027】
さらに上記石油樹脂とC0〜C16のアルキルフェノールホルムアルデヒドレゾール型縮合物またはロジン変性C0〜C16のアルキルフェノールホルムアルデヒドレゾール型縮合物とを反応させた樹脂、例えば新日本石油化学(株)製日石ネオレジン(NP660、NP540、NP150Y)等が例示される。
【0028】
次に、本発明で使用される植物油またはその脂肪酸エステルについて説明する。先ず植物油とは、グリセリンと脂肪酸とのトリグリセライドにおいて、少なくとも1つの脂肪酸が炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ有する脂肪酸であるトリグリセライドのことであり、その様な植物油として代表的な化合物は、アサ実油、アマニ油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ油、カポック油、カヤ油、カラシ油、キョウニン油、キリ油、ククイ油、クルミ油、ケシ油、ゴマ油、サフラワー油、ダイコン種油、大豆油、大風子油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ニガー油、ヌカ油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ヘントウ油、松種子油、綿実油、ヤシ油、落花生油、脱水ヒマシ油などが挙げらる。さらに好適な植物油を挙げるとすれば、そのヨウ素価が少なくとも100以上ある植物油(括弧内は油脂化学製品便覧:日刊工業新聞社から引用したヨウ素価を示す。)、アサ実油(149以上)、アマニ油(170以上)、エノ油(192以上)、オイチシカ油(140以上)、カポック油(85〜102)、カヤ油(130以上)、カラシ油(101以上)、キョウニン油(97〜109)、キリ油(145以上)、ククイ油(136以上)、クルミ油(143以上)、ケシ油(131以上)、ゴマ油(104以上)、サフラワー油(130以上)、ダイコン種油(98〜112)、大豆油(117以上)、大風子油(101)、トウモロコシ油(109以上)、ナタネ油(97〜107)、ニガー油(126以上)、ヌカ油(92〜115)、ヒマワリ油(125以上)、ブドウ種子油(124以上)、ヘントウ油(93〜105)、松種子油(146以上)、綿実油(99〜113)、落花生油(84〜102)、脱水ヒマシ油(147以上)が好適に用いられ、さらには、ヨウ素価が120以上の植物油がより好ましい。ヨウ素価を120以上とすることで、硬化性組成物の酸化重合による乾燥性をより高めることができる。
【0029】
その他、本発明においては、天ぷら油などの食用に供された後、回収/再生された再生植物油も用いることができる。再生植物油としては、含水率を0.3重量%以下、ヨウ素価を100以上、酸価を3以下として再生処理した油が好ましく、含水率を0.3重量%以下にすることにより、水分に含まれる塩分等のインキの乳化挙動に影響を与える不純物を除去することが可能となり、ヨウ素価を100以上として再生することにより、乾燥性、すなわち酸化重合性の良いものとすることが可能となり、さらに酸価が3以下の植物油を選別して再生することにより、再生植物油の酸価を低いものとするができ、インキの過乳化を抑制することが可能となる。回収植物油の再生処理方法としては、濾過、静置による沈殿物の除去、および活性白土などによる脱色といった方法がとられる。
【0030】
次に、本発明における脂肪酸エステルとしては、植物油の加水分解で得られる飽和または不飽和脂肪酸と、飽和または不飽和アルコールとをエステル反応させてなる脂肪酸モノエステルを挙げることができるが、常温(20〜25℃)で液状で且つ常圧(101.3kPa)で沸点が200℃以上の脂肪酸モノエステルが好ましく、その様な脂肪酸エステルの具体例としては、飽和脂肪酸モノエステルとして、酪酸ヘキシル、酪酸ヘプチル、酪酸ヘキシル、酪酸オクチル、カプロン酸ブチル、カプロン酸アシル、カプロン酸ヘキシル、カプロン酸ヘプチル、カプロン酸オクチル、カプロン酸ノニル、エナント酸プロピル、エナント酸ブチル、エナント酸アミル、エナント酸ヘキシル、エナント酸ヘプチル、エナント酸オクチル、カプリル酸エチル、カプリル酸ビニル、カプリル酸プロピル、カプリル酸イソプルピル、カプリル酸ブチル、カプリル酸アミル、カプリル酸ヘキシル、カプリル酸ヘプチル、カプリル酸オクチル、ペラルゴン酸メチル、ペラルゴン酸エチル、ペラルゴン酸ビニル、ペラルゴン酸プロピル、ペラルゴン酸ブチル、ペラルゴン酸アミル、ペラルゴン酸ヘプチル、カプリン酸メチル、カプリン酸エチル、カプリン酸ビニル、カプリン酸プロピル、カプリン酸イソプロピル、カプリン酸ブチル、カプリン酸ヘキシル、カプリン酸ヘプチル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ビニル、ラウリン酸プロピル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸イソアミル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸−2エチル−ヘキシルなどを挙げることができる。
【0031】
不飽和脂肪酸エステルとしては、オレイン酸エチル、オレイン酸プロピル、オレイン酸ブチル、オレイン酸アリル、オレイン酸イソアミル、オレイン酸ヘプチル、オレイン酸−2−エチルヘキシル、エライジン酸メチル、エライジン酸エチル、エライジン酸プロピル、エライジン酸アリル、エライジン酸ブチル、エライジン酸イソブチル、エライジン酸−tert−ブチル、エライジン酸イソアミル、エライジン酸−2−エチルヘキシル、、リノール酸メチル、リノール酸エチル、リノール酸アリル、リノール酸プロピル、リノール酸イソプロピル、リノール酸ブチル、リノール酸イソブチル、リノール酸−tert−ブチル、リノール酸ペンチル、リノール酸ヘキシル、リノール酸ヘプチル、リノール酸−2−エチルヘキシル、リノレン酸メチル、リノレン酸エチル、リノレン酸アリル、リノレン酸プロピル、リノレン酸イソプロピル、リノレン酸ブチル、リノレン酸イソブチル、リノレン酸−tert−ブチル、リノレン酸ペンチル、リノレン酸ヘキシル、リノレン酸ヘプチル、リノレン酸−2−エチルヘキシル、アラキドン酸メチル、アラキドン酸エチル、アラキドン酸アリル、アラキドン酸プロピル、アラキドン酸イソプロピル、アラキドン酸ブチル、アラキドン酸イソブチル、アラキドン酸−tert−ブチル、アラキドン酸ペンチル、アラキドン酸ヘキシル、アラキドン酸ヘプチル、アラキドン酸−2−エチルヘキシル、エイコセン酸メチル、エイコセン酸エチル、エイコセン酸アリル、エイコセン酸プロピル、エイコセン酸イソプロピル、エイコセン酸ブチル、エイコセン酸イソブチル、エイコセン酸−tert−ブチル、エイコセン酸ペンチル、エイコセン酸ヘキシル、エイコセン酸ヘプチル、エイコセン酸−2−エチルヘキシル、エイコサペンタエン酸メチル、エイコサペンタエン酸エチル、エイコサペンタエン酸アリル、エイコサペンタエン酸プロピル、エイコサペンタエン酸イソプロピル、エイコサペンタエン酸ブチル、エイコサペンタエン酸イソブチル、エイコサペンタエン酸−tert−ブチル、エイコサペンタエン酸ペンチル、エイコサペンタエン酸ヘキシル、エイコサペンタエン酸ヘプチル、エイコサペンタエン酸−2−エチルヘキシル、エルカ酸メチル、エルカ酸エチル、エルカ酸アリル、エルカ酸プロピル、エルカ酸イソプロピル、エルカ酸ブチル、エルカ酸イソブチル、エルカ酸−tert−ブチル、エルカ酸ペンチル、エルカ酸ヘキシル、エルカ酸ヘプチル、エルカ酸−2−エチルヘキシル、ドコサヘキサエン酸メチル、ドコサヘキサエン酸エチル、ドコサヘキサエン酸アリル、ドコサヘキサエン酸プロピル、ドコサヘキサエン酸イソプロピル、ドコサヘキサエン酸ブチル、ドコサヘキサエン酸イソブチル、ドコサヘキサエン酸−tert−ブチル、ドコサヘキサエン酸ペンチル、ドコサヘキサエン酸ヘキシル、ドコサヘキサエン酸ヘプチル、ドコサヘキサエン酸−2−エチルヘキシル、リシノール酸メチル、リシノール酸エチル、リシノール酸アリル、リシノール酸プロピル、リシノール酸イソプロピル、リシノール酸ブチル、リシノール酸イソブチル、リシノール酸−tert−ブチル、リシノール酸ペンチル、リシノール酸ヘキシル、リシノール酸ヘプチル、リシノール酸−2−エチルヘキシルなどを例示することができる。
【0032】
本発明における脂肪酸エステルを構成する飽和または不飽和脂肪酸は、実際上は、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、水添大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、あるいはその分別蒸留などによる分別脂肪酸が使用され、前記した飽和または不飽和脂肪酸の混合物として得られる。
【0033】
さらに近年環境対応型として大豆油またはその脂肪酸エステル(大豆油脂肪酸エチルエステル、大豆油脂肪酸ブチルエステル等の大豆油脂肪酸アルキルエステル等)が例示される。
【0034】
さらにエポキシ化大豆油、エポキシ化大豆油アクリルエステル(サートマー社製CN111、UCB社製エベクリル860)、エポキシ化アマニユ、エポキシ化アマニユアクリルエステル、さらに他のエポキシ化脂肪油、エポキシ化脂肪油アクリルエステルが例示される。
【0035】
さらに大豆油とグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等ポリオールのエステル交換反応物の残水酸基との(メタ)アクリル酸を反応させたエステル化反応生成物等または大豆油脂肪酸とグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等ポリオールとのエステル化反応物の残水酸基との(メタ)アクリル酸を反応させたエステル化反応生成物等が例示される。さらに大豆油とグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等ポリオールのエステル交換反応物の残水酸基または大豆油脂肪酸とグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等ポリオールとのエステル化反応物の残水酸基とトリメチロールプロパンモノまたはジ(メタ)アクリルエステル、グリセリンモノまたはジ(メタ)アクリルエステル、ペンタエリスリトールジまたはトリ(メタ)アクリルエステル、ジグリセリンジまたはトリ(メタ)アクリルエステルジトリメチロールプロパンジまたはトリ(メタ)アクリルエステル、ジペンタエリスリトールテトラまたはペンタ(メタ)アクリルエステル等の(メタ)アクリルエステル化合物残水酸基をトリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物を反応させた大豆油性ウレタンアクリルエステル化合物等が例示される
エチレン性不飽和二重結合を持つ(メタ)アクリルモノマーまたはアクリルオリゴマーについて説明する。エチレン性不飽和二重結合を有する(メタ)アクリルモノマーモノマーとしては、1官能モノマーとしてアルキル(カーボン数が1〜18)(メタ)アクリレート、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートがあり、さらにベンジル(メタ)アクリレート、ブチルフェノール、オクチルフェノールまたはノニルフェノールまたはドデシルフェノールのようなアルキルフェノールエチレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノメチロール(メタ)アクリレート等が例示される。さらに2官能モノマーとしてエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、 ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジ(メタ)アクリレート(通称マンダ)、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−オクタンジオールジ(メタ)アクリレートジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート(三菱化学)、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレートトリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノーAジ(メタ)アクリレート、水添加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アクリレート等が例示される。3官能モノマーとしてグリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が例示される。4官能以上のモノマーとしてペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネート、テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイドヘプタ(メタ)アクリレート等が例示される。
【0036】
さらに脂肪族アルコール化合物のアルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレートモノマー、特にC3〜C20以上のアルキレンオキサイドを持つ脂肪族アルコール化合物のアルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレートモノマーは上記樹脂、植物油またはその脂肪酸エステルに対し溶解性が向上してくる。脂肪族アルコール化合物のアルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレートモノマーとして脂肪族アルコール化合物のモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、ペンチレンオキサイド、ヘキシレンオキサイド他)モノまたはポリ(1〜10)(メタ)アクリレートがある。1官能モノマーとしてアルキル(カーボン数が1〜18)(メタ)アクリレート、例えばメタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、エタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ブタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ヘキサノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、オクタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ドデカノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ステアリルモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドがある。さらにブチルフェノール、オクチルフェノールまたはノニルフェノールまたはドデシルフェノールのポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート等が例示される。さらに2官能モノマーとしてエチレングリコールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、 ジプロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタネオペンチルグリコールポリ(2〜20)(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加体ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート(通称マンダ)、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレンオキサイド付加体(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)ジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,5−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−オクタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレートジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−ドデカンジオールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノまたはポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレートが例示される。3官能モノマーとしてグリセリンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタンポリ(3〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート等が例示される。4官能以上のモノマーとしてペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加体テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネート、テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンポリ(2〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタン(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンポリ(4〜200)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(5〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)ヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサカプロラクトネートポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)オクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイドヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)オクタ(メタ)アクリレート等が例示される。
【0037】
さらに(メタ)アクリルオリゴマーとして、ポリオール、多塩基酸および(メタ)アクリル酸のエステル化物、さらにはエポキシアクリレート等が例示される。ポリオール、多塩基酸は本願で既に例示したものが使用され、例えばポリオールとしてはエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど、多塩基酸としては無水フタル酸、イソフタル酸、琥珀酸、マレイン酸などが使用される。
【0038】
次に、金属ドライヤーとしては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソペンタン酸、ヘキサン酸、2−エチル酪酸、ナフテン酸、オクチル酸、ノナン酸、デカン酸、2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ネオデカン酸、バーサチック酸、セカノイック酸、トール油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ジメチルヘキサノイック酸、3,5,5−トリメチルヘキサノイック酸、ジメチルオクタノイック酸などの有機カルボン酸の金属塩、たとえばカルシウム、コバルト、鉛、鉄、マンガン、亜鉛、ジルコニウム塩などの公知公用の化合物が使用可能であり、印刷インキ表面および内部硬化を促進するために、これらの複数を適宜併用して使用することもできる。
【0039】
次に、ラジカル重合開始剤としては、光開裂型と水素引き抜き型に大別して例示することができる。前者の例として、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−アクリルべンゾイン等のベンゾイン系、ベンジル、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパンー1−オン(イルガキュア907:チバスペシャルティケミカルズ社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン(イルガキュア369:チバスペシャルティケミカルズ社製)、ベンジルメチルケタール(イルガキュア651:チバスペシャルティケミカルズ社製)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184:チバスペシャルティケミカルズ社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173:メルク社製)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(ダロキュア1116:メルク社製)、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、4−(2−アクリロイル−オキシエトキシ)フェニル−2−ヒドロキシ−2−プロピルケトン、ジエトキシアセトフェノン(ZLI3331:チバスペシャルティケミカルズ社製)、エサキュアーKIP100(ラムベルティ社製)、ルシリンTPO( BASF社製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド(BAPO1:チバスペシャルティケミカルズ社製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BAPO2:チバスペシャルティケミカルズ社製)、BTTB(日本油脂(株)製)、
CGI1700( チバスペシャルティケミカルズ社製等が例示される。
【0040】
後者の例として、ベンゾフェノン、p−メチルベンゾフェノン、p−クロルベンゾフェノン、テトラクロロベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’ −メチル−ジフェニルサルファイド、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4ジエチルチオキサントン、2,4ジクロロチオキサントン、アセトフェノン等のアリールケトン系開始剤、4,4’ −ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’ −ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、p−ジメチルアミノアセトフェノン等のジアルキルアミノアリールケトン系開始剤、チオキサントン、キサントン系のおよびそのハロゲン置換系の多環カルボニル系開始剤等が例示される。これらの単独または適宣組み合わせにより用いる事も出来る。これらの開始剤は組成物中に0.1〜30重量%の範囲で用いる事が出来るが、好ましくは1〜15重量%の範囲で用いる事が出来る。
【0041】
次に着色剤としては、無機顔料および有機顔料を示すことができる。無機顔料としては黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミウムレッド、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム粉、ベンガラなどが、有機顔料としては、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系、ピラゾロン系などの溶性アゾ顔料、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系モノアゾ、アセト酢酸アニリド系ジスアゾ、ピラゾロン系などの不溶性アゾ顔料、銅フタロシアニンブルー、ハロゲン化(塩素または臭素化)銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、キナクリドン系、ジオキサジン系、スレン系(ピラントロン、アントアントロン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系など)、イソインドリノン系、金属錯体系、キノフタロン系などの多環式顔料および複素環式顔料などの公知公用の各種顔料が使用される。
【0042】
本発明において従来通りの石油系溶剤などの揮発性有機化合物(VOC)を含む沸点200〜400℃の印刷インキ溶剤を用いてもよい。
【0043】
本発明の印刷インキ溶剤は、例えば日本石油(株)製1号スピンドル油、3〜8号ソルベント、ナフテゾールH、アルケン56NT、三菱化学(株)製ダイヤドール13、ダイヤレン168、日産化学(株)製Fオキソコール、Fオキソコール180等が例示される。芳香族成分を3%以下に減じた印刷インキ用溶剤とは同沸点範囲の石油系溶剤で芳香族系成分/ナフテン系成分/パラフィン系成分の重量比が0〜3/0〜100/100〜0の溶剤であり、時にはオレフィン系成分が含まれることもある溶剤である。具体的には、日本石油(株)製AFソルベント4〜8、0号ソルベントH、ISU(株)製N−パラフィンC14−C18、出光興産(株)のスーパーゾルLA35、LA38等、エクソン化学(株)のエクソールD80、D110、D120、D130、D160、D100K、D120K、D130K等、マギーブラザーズ社製のマギーソル−40、−44、−47、−52、−60等が例示される。アニリン点は60から115℃が望まれる。もしアニリン点が115℃より高い溶剤を使用すれば、インキ組成中の使用樹脂との溶解力が不足して、インキの流動性が不十分であり、その結果被印刷体へのレベリングが乏しく光沢のない印刷物しか得られない。また、60℃より低いアニリン点の溶剤を使用したインキは乾燥時のインキ被膜からの溶剤の脱離性が悪く乾燥劣化を起こしてしまう。
【0044】
次に、本発明における硬化性組成物としての使用形態について説明する。本発明における硬化性組成物は、印刷インキまたはオーバープリントニス(OPニス)としての使用形態がある。印刷インキにおいては、通常平版印刷インキとしての形態において使用されるが、凸版印刷方式である活輪インキ、フレキソインキとしての使用も可能である。通常の組成比は下記の通りである。
*ロジン変性フェノール樹脂 1〜40重量%
* 石油樹脂 1〜40重量%
*植物油および/またはその脂肪酸エステル 5〜40重量%
*エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーまたはオリゴマー5〜90重量%
*着色剤 0〜30重量%
*ラジカル重合禁止剤 0.01〜1重量%
* ラジカル重合性開始剤 0〜 15重量%
* 金属ドライヤー 0〜3.0重量%
* その他添加剤 0〜10重量%
* 印刷インキ用溶剤 0〜40重量%
さらに、本発明の硬化性組成物を印刷インキ用として使用する場合は、該組成物を印刷インキに供し易い粘度(100 〜300 Pa ・s /25℃)を持ったワニスにすることが望ましい。
【0045】
本発明のワニスを製造するにあたって、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、植物油またはその脂肪酸エステルで180〜260℃の温度範囲で0.5〜3時間溶解後80〜120℃に冷却しエチレン性不飽和二重結合を持つ(メタ)アクリルモノマーまたは(メタ)アクリルオリゴマーを重合禁止剤を仕込みながら、80〜120℃で溶解させ粘度50〜300Pa・S/秒ワニスの形使用する。本発明における硬化性組成物を製造するに当たってはその場合、必要に応じて空気吹き込み、窒素ガス、重合禁止剤の添加、あるいは酸化防止剤の添加などを同時に行う。
【0046】
重合禁止剤としては、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p −メトキシフェノール、t −ブチルカテコール、t −ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p −ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5−ジ−tert−ブチル−p −ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、、クペロン、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ−p −ニトロフェニルメチル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等が使用される。
【0047】
添加剤としては、例えば、耐摩擦剤、ブロッキング防止剤、スベリ剤、スリキズ防止剤としては、カルナバワックス、木ろう、ラノリン、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの天然ワックス、フィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、およびシリコーン化合物などの合成ワックスを使用することができる。
【0048】
さらに、該ワニスをゲル化剤を用いてゲルワニスとすることも可能である。ゲル化剤としては、通常アルミニウム錯体化合物を挙げる事が出来る。環状アルミニウム化合物類、例えば環状アルミニウムオキサイドオクテート(川研ファインケミカル社製アルゴマー800)、環状アルミニウムオキサイドステアレート(川研ファインケミカル社製アルゴマー1000S)等、アルミニウムアルコラート類としてアルミニウムエチレート、アルミニウムイソプロピレート(川研ファインケミカル社製AIPD) 、アルミニウム−sec−ブチレート(川研ファインケミカル社製ASPD) 、アルミニウムイソプロピレート−モノ−sec−ブチレート(川研ファインケミカル社製AMD) 、アルミニウムアルキルアセテート類、例えばアルミニウム−ジ−n −ブトキサイド−エチルアセトアセテート(ホープ製薬製Chelope−Al−EB2)、アルミニウム−ジ−iso−ブトキサイド−メチルアセトアセテート(ホープ製薬製Chelope−Al−MB12)、アルミニウム−ジ−iso−ブトキサイド−エチルアセトアセテート(ホープ製薬製Chelope−Al−EB102)、アルミニウム−ジ−iso−ブトキサイド−エチルアセトアセテート(ホープ製薬製Chelope−Al−EB2)、アルミニウム−ジ−iso−プロポキサイド−エチルアセトアセテート(ホープ製薬社製Chelope−Al−EP12、川研ファインケミカル社製ALch)、アルミニウム−トリス(アセチルアセトナート)(川研ファインケミカル社製ALCH−TR) 、アルミニウム−トリス(アチルアセトアセテート)(川研ファインケミカル社製アルミキレート−A) 、アルミニウム−ビス(エチルアセチルアセトナート)−モノアセチルアセトナート(川研ファインケミカル社製アルミキレートD) 、アルミキレートM(川研ファインケミカル社製)、アルミキレートNB−15(ホープ製薬社製)、ケロープS(ホープ製薬社製)ケロープACS−2(ホープ製薬社製、液状オリープAOO(ホープ製薬社製) 、液状オリープAOS( ホープ製薬社製) が例示される。アルミニウム石鹸としてアルミニウムステアレート(日本油脂(株)製)、アルミニウムオレート、アルミニウムナフトネート、アルミニウムウレート、アルミニウムアセチルアセトネート、が例示される。これらのゲル化剤は、ワニス100重量部に対し、0.1重量部から10重量部の範囲で使用される。その他のゲル化剤として、環状ジペプチド類、有機液体をゲル化せしめる性質エチレンビス(12−ヒドロキシオクタデカン酸)アマイド等のビスアミド類、Al −Mg−ヒドロキシカプリレ−ト、Al −Mg−ヒドロキシミリステート、Al −Mg−ヒドロキシパルミテート、Al −Mg−ヒドロキシベヘネート等の粉末状のアルミニウム−マグネシウム化合物が例示される。さらにテトライソプロピルチタネート、テトラn−ブチルチタネート、テトレオクチルチタネート、チタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリコレート、チタンラクテート、チタンラクテートエチルエステル等の有機チタネート等が例示される。さらにジルコニウム−テトラブトキシド、ジルコニウムアセチルアセトン、ジルコニウムアセチルアセトン、ジルコニウムアセチルアセトン、アセチルアセトンジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコニウムブトキシド等の有機ジルコニム等が例示される。ゲルワニスの作成は、通常ゲル化剤を0.1〜3重量部を仕込み、100〜200℃の温度範囲で、30分〜2時間反応させて得られる。
【0049】
印刷インキは、常温から100℃の間で、着色剤、ワニスおよび/またはそのゲルワニス、本発明のハイブリッド化合物、植物油またはその脂肪酸エステル、エチレン性不飽和二重結合を持つ(メタ)アクリルモノマーまたは(メタ)アクリルオリゴマー、ラジカル重合禁止剤、ラジカル重合性開始剤および/または増感剤、金属ドライヤー、その他添加剤などの印刷インキ用成分を、ニーダー、三本ロール、アトライター、サンドミル、ゲートミキサーなどの練肉、混合、調整機を用いて製造される。
【0050】
本発明の硬化性組成物からなる硬化性インキは、通常湿し水を使用するオフセット印刷に適用されるが、湿し水を使用しない水無し印刷にも好適に用いられる。また、本発明の硬化性組成物は、オーバープリントニス(通称OPニス)にも適用される。本発明の硬化性組成物、硬化性インキは、フォーム用印刷物、各種書籍用印刷物、カルトン紙等の各種包装用印刷物、各種プラスチック印刷物、シール/ラベル用印刷物、美術印刷物、金属印刷物(美術印刷物、飲料缶印刷物、缶詰等の食品印刷物)などの印刷物に適用される。硬化性インキについては、紫外線硬化性インキ、電子線硬化性インキとして、オーバーコートワニスについては、紫外線硬化性オーバーコートワニス、電子線オーバーコートワニスとして使用され、さらに水性オーバーコートワニスとして使用されることもある。
【0051】
さらに本発明は、本発明の硬化性インキを用いた印刷物の美的高級感や耐久性をさらに高めるために、基材に硬化性インキを印刷し、直ちにウェットで活性エネルギー線硬化性オーバーコートワニスを塗工し、活性エネルギー線照射する印刷方法や、該方法によって得られた印刷物をも提供する。通常酸化重合性のみの一般油性インキを印刷した後、ウェットで直ちに活性エネルギー線オーバーコートワニスを塗工し、活性エネルギー線照射した場合、数日後の光沢を測定すると、初期光沢が維持されずに光沢低下する、いわゆるグロスバックが生ずるが、本発明の硬化性インキを用いた場合、活性エネルギー線硬化性オーバーコートワニスを直ちに塗工、活性エネルギー線照射した場合でも、このグロスバックは著しく改善され、美的高級感のある印刷物を提供することができる。尚、基材としては北越製紙(株)製マリコート、ポリエチコート紙、アルミコート紙等のコートボール紙、三菱製紙(株)製特菱アート紙、上質紙等の薄紙コート紙、合成紙、プラスチックフィルム、金属板等が使用される。
【0052】
以下具体例をもって、本発明を詳細に説明する。例中「部」とは、重量部を示す。
【0053】
【実施例】
次に具体例により本発明を説明する。例中「部」とは重量部を示す。以下具体例により示す。
(樹脂実施例R1)
ロジンフェノール樹脂の合成例1
(レゾール型フェノール樹脂の合成)
攪拌機、還流冷却器、温度計付4つ口フラスコにp−オクチルフェノール206部、37%ホルマリン203部、キシレン250部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら加熱攪拌し、50℃で水酸カルシウム2.0部を水10部に分散させて、その分散液を添加し95℃に昇温し、同温度で3.5時間反応させた。その後、冷却し、硫酸で中和、水洗した。レゾールキシレン溶液層と水層を静置分離した。このレゾール型フェノール樹脂をレゾ−ル液とする。
【0054】
(ロジンフェノ−ル樹脂の合成)
攪拌機、水分離器付き還流冷却器、温度計付4つ口フラスコに窒素ガスを吹き込みながら、ロジン60部を仕込み、加熱攪拌し、200℃でレゾール液40部(固形分)を滴下しながら約2時間かけて仕込み、その間水とキシレンを回収しながら反応させ、仕込み終了後、昇温し250℃でグリセリン6.0部を仕込み12時間反応させ、酸価が25以下になったので汲み出した。
本樹脂の重量平均分子量は4.5万であった。(樹脂R1)
注)*ロジンと反応するレゾ−ル液の重量部は150℃30分加熱し蒸発後の固形分の重量部を示す。
*重量平均分子量は東ソー(株)製ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(HLC8020)で検量線用標準サンプルはポリスチレンで測定した。
ロジンフェノール樹脂の合成例2
(レゾール型フェノール樹脂の合成)
攪拌機、還流冷却器、温度計付4つ口フラスコにp−ターシャリブチルフェノール150部、37%ホルマリン203部、キシレン250部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら加熱攪拌し、50℃で水酸カルシウム2.0部を水10部に分散させて、その分散液を添加し95℃に昇温し、同温度で3.5時間反応させた。その後、冷却し、硫酸で中和、水洗した。レゾールキシレン溶液層と水層を静置分離した。このレゾール型フェノール樹脂をレゾ−ル液とする。
【0055】
(ロジンフェノ−ル樹脂の合成)
攪拌機、水分離器付き還流冷却器、温度計付4つ口フラスコに窒素ガスを吹き込みながら、ロジン65部を仕込み、加熱攪拌し、200℃でレゾール液35部(固形分)を滴下しながら約2時間かけて仕込み、その間水とキシレンを回収しながら反応させ、仕込み終了後、昇温し250℃でグリセリン6.5部を仕込み12時間反応させ、酸価が25以下になったので汲み出した。
本樹脂の重量平均分子量は4.8万であった。(樹脂R2)
注)*ロジンと反応するレゾ−ル液の重量部は150℃30分加熱し蒸発後の固形分の重量部を示す。
*重量平均分子量は東ソー(株)製ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(HLC8020)で検量線用標準サンプルはポリスチレンで測定した。
【0056】
石油樹脂アルキッドの合成例
攪拌機、水分離器付き還流冷却器、温度計付4つ口フラスコに窒素ガスを吹き込みながらマルカレッツ510A(丸善石油(株)製C5系石油樹脂)100部、無水マレイン酸7部、MIBK5部を仕込み150℃で2時間ディールスアルダー反応させる。その後ネオペンチルグリコール8部を仕込み180℃〜230℃で8時間酸価が5以下になり汲み出した。
本樹脂の重量平均分子量は4万であった。(樹脂R3)
ワニス製造実施例(樹脂ワニスの作成)
攪拌機、水分離冷却管、温度計付き四つ口フラスコに樹脂(R1)25部、マルカレッツM510A(丸善石油(株)製C5系石油樹脂)15部、あまに油15部を仕込み、窒素気流下で190℃1時間加熱撹拌後90℃にしt−BHQ(ターシャリブチルハイドロキノン)0.1部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート44.9部を仕込み30分撹拌後粘度を150〜200Pa・s/25℃に調製し、汲み出した(実施例ワニスV1)。以下、同様に実施例ワニスV2〜実施例ワニスV5、実施例ワニスV7を作製した。
【0057】
(実施例ワニスV6)
攪拌機、水分離冷却管、温度計付き四つ口フラスコに樹脂(R1)25部、日石ネオポリマー160(新日本石油化学(株)製C9系石油樹脂無水マレイン酸変性物)15部、大豆油15部、ALCH(川研ファインケミカル(株)製ゲル化剤)0.5部を仕込み、窒素気流下で加熱溶解し、190℃1時間保温後、その後表2の実施例ワニスV6の処方内容で実施例ワニス1の操作手順で作製した。(実施例ワニスV6)。
【0058】
【表1】
【0059】
比較例ワニス
比較例ワニス(V8)の製造例(酸化重合型ワニス)
攪拌機付き、水分離冷却管付き、温度計付き四つ口フラスコに、窒素気流下に、ロジン変性フェノール樹脂R1を45部、あまに油20部、AF5溶剤(日本石油(株)製アロマフリーインキ溶剤)34.4部、ALCH(川研ファインケミカル(株)製ゲル化剤)0.5部、t−BHQ(ターシャリブチルハイドロキノン)0.1部を仕込み、200℃で1時間加熱溶解した。コーンプレート型粘度計で粘度測定したところ、98Pa ・s /25℃であった。
【0060】
以下同様に、表2に示した処方で、比較例ワニスV9、V10を作成した。
【0061】
比較例ワニス(V11)の製造例(活性エネルギー線硬化型ワニス)
攪拌機付き、水分離冷却管付き、温度計付き四つ口フラスコに、ダップトートDT170(東都化成(株)製ジアルルフタレート樹脂)30部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート69.9部、ハイドロキノン0.1部を仕込み、空気気流下で100℃で30分〜1時間で溶解した。コーンプレート型粘度計で粘度測定したところ、152Pa ・s /25℃であった。 以下同様に、表2に示した処方で、比較例ワニスV12を作成した。
【0062】
【表2】
【0063】
硬化性インキ(インキ1)の製造例
紅顔料としてカーミン6B(東洋インキ製造(株)製紅顔料)18部、ワニスV1を49部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートを26.9部、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(EAB)を2.5部、イルガキュア907を2.5部、t−BHQ(ターシャリブチルハイドロキノン)0.1部、ナフテン酸マンガン1部を仕込み、三本ロ−ルミルで常法により製造した。
【0064】
尚、インキはタック値7〜8/25℃に調製した。以下表3、表4に示した処方でインキ2〜10を製造した。尚、インキ9、10は電子線硬化性インキの例である。
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】
比較例油性インキ(インキ11)の製造例
カーミン6Bを18部、ワニスV8を70.9部、AF5溶剤を10部、t−BHQ(ターシャリブチルハイドロキノン)0.1部、ナフテン酸マンガン1部を仕込み、三本ロ−ルミルで常法により作成した。
【0068】
尚、インキはタック値7〜8/25℃に調製した。
【0069】
以下同様に、表5に示した処方で比較例油性インキ12、13を製造した。
【0070】
【表5】
【0071】
比較例紫外線硬化性インキ(インキ14)
カーミン6Bを18部、ワニスV11を30部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート26.9部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート20部、EABを2.5部、イルガキュア907を2.5部、ハイドロキノン0.1部を仕込み、三本ロ−ルミルで常法により作成した。尚、インキはタック値7〜8/25℃に調製した。
【0072】
以下同様に、表6に示した処方で、比較紫外線硬化性インキ20を製造した。
【0073】
比較例電子線硬化性インキ(インキ16)
カーミン6Bを18部、ワニスV11を35部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート26.9部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート20重量部、ハイドロキノン0.1部を仕込み、三本ロ−ルミルで常法により作成した。尚、インキはタック値7〜8/25℃に調製した。
以下同様に、表5に示した処方で、比較電子線硬化性インキ17を製造した。 本発明の効果を、グロスバック試験にて説明する。(実施例1〜10、比較例1〜9)
−紫外線照射の場合−
マリコート紙(北越製紙(株)製コートボール紙)にRIテスター(明製作所(株)製簡易印刷機)を使用し、インキ盛り0.3ccで展色刷りした後、直ちにワイヤーバー#3K−ロックスプルーファ(RK PRINT−COAT INSTRUMENTS Ltd)で、紫外線硬化性ニス(FDPCA902ワニス:東洋インキ製造(株)製)を塗工、紫外線照射し、直後と72時間後に光沢を測定した。またセロハンテープ剥離による密着試験も実施した。紫外線照射は、USHIO(株)製照射装置UVC−2535(120W/cm超高圧水銀オゾンノーカットランプ1灯、コンベヤースピード30m /min の条件)を使用した。光沢計は村上色彩研究所(株)製60度の条件で使用した。
−電子線照射の場合−
紫外線照射の場合と同条件で展色刷りし、EB硬化性ニス(FDPCA902から開始剤を除いたニス)を塗工後、直ちに電子線照射した。電子線照射については、米国ESI(株)製低エネルギー電子線照射装置(加圧電圧175KV、酸素濃度500ppm の窒素置換した雰囲気)を用い30KGy で照射した。
【0074】
以上の結果を表6にまとめて示した。
【0075】
【表6】
【0076】
次いで、本発明の効果を、ブランケット膨潤性試験にて説明する。
【0077】
油性インキに一般的に使用される金陽社(株)製ブランケットS7400上に、各インキおよび各原料素材を乗せ、72時間後のブランケット膨潤性をマイクロゲージで測定した。膨潤後のブランケットと膨潤前のブランケットの厚さの差を、膨潤前のブランケットの厚さで除し、百分率( %)で表示した。結果を表7にまとめて示した。表中で、0〜0.5%は膨潤良好、0.6〜0.9%はわずかに膨潤するが実用レベル、1.0%以上は不良。
【0078】
以上の結果を表7にまとめて示した。
【0079】
【表7】
【0080】
インキ洗浄性:
RIテスターで各インキを印刷後、ミネラルターペンでインキの洗浄性を試験した。結果を表9にまとめて示した。表中○は洗浄性良好、×は洗浄性不良を示す。
【0081】
【発明の効果】
以上の様に、本発明は、油性素材であるロジン変性フェノール樹脂および植物油またはその脂肪酸エステルと油溶性に乏しい活性エネルギー線硬化性を持つ(メタ)アクリルモノマーまたは(メタ)アクリルオリゴマー両者のに溶解し、両者の相溶化剤の役割を果たす石油樹脂と、ロジンフェノール樹脂、植物油またはその脂肪酸エステル 、および(メタ)アクリルモノマーまたは(メタ)アクリルオリゴマーを含有する油溶性、酸化重合性とアクリル重合性を併せ持つ硬化性被覆組成物等の硬化性インキを使用することにより、一般の油性印刷インキの耐膨潤性、洗浄性、乳化印刷適性、ミスチング等の良好な性質、低コスト性を保持しつつ、多色印刷後、棒積みまたは直ちに未硬化で活性エネルギー線硬化性オーバーコートワニスを塗工し、活性エネルギー線を照射してなるインライン印刷方法を行っても、上記グロスバックの抑制された光沢感のある高級印刷物を提供することが可能となる。
Claims (7)
- ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、植物油またはその脂肪酸エステル、および(メタ)アクリレートモノマーを含有することを特徴とする硬化性被覆組成物。
- (メタ)アクリレートモノマーが脂肪族アルコール化合物のアルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレートである請求項1記載の硬化性被覆組成物。
- 更に、金属ドライヤーおよび/またはラジカル重合性開始剤を含有する請求項1または2記載の硬化性被覆組成物。
- 更に着色剤を含有する請求項1ないし3いずれか記載の硬化性被覆組成物。
- 請求項4記載の硬化性被覆組成物からなる印刷インキ。
- 基材に、請求項5記載の印刷インキを印刷し、印刷面が未硬化の状態で活性エネルギー線硬化性オーバーコートワニスを塗工し、次いで活性エネルギー線を照射することを特徴とする印刷方法。
- 請求項6記載の印刷方法により得られた印刷物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002298242A JP2004131613A (ja) | 2002-10-11 | 2002-10-11 | 硬化性被覆組成物、印刷インキ、印刷方法およびその印刷物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002298242A JP2004131613A (ja) | 2002-10-11 | 2002-10-11 | 硬化性被覆組成物、印刷インキ、印刷方法およびその印刷物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004131613A true JP2004131613A (ja) | 2004-04-30 |
Family
ID=32287718
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002298242A Pending JP2004131613A (ja) | 2002-10-11 | 2002-10-11 | 硬化性被覆組成物、印刷インキ、印刷方法およびその印刷物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004131613A (ja) |
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006008845A (ja) * | 2004-06-25 | 2006-01-12 | Arakawa Chem Ind Co Ltd | 印刷インキ組成物、およびその製造方法 |
JP2006008844A (ja) * | 2004-06-25 | 2006-01-12 | Arakawa Chem Ind Co Ltd | 印刷インキ組成物、およびその製造方法 |
JP2006045395A (ja) * | 2004-08-06 | 2006-02-16 | Seiko Polymer Corp | 印刷インキ用樹脂 |
JP2008045103A (ja) * | 2006-07-17 | 2008-02-28 | Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd | 活性エネルギー線硬化型インキ樹脂組成物 |
JP2008516052A (ja) * | 2004-10-08 | 2008-05-15 | フリント グループ インコーポレイテッド | 印刷方法および大豆油誘導体含有エネルギー硬化性新聞インク |
JP2010006913A (ja) * | 2008-06-25 | 2010-01-14 | Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd | 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物 |
JP2010189537A (ja) * | 2009-02-18 | 2010-09-02 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 活性エネルギー線硬化型インキ組成物および該組成物を印刷してなる印刷物 |
JP2010229302A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | オフセット用オーバープリントニス組成物および印刷物 |
JP2016188273A (ja) * | 2015-03-30 | 2016-11-04 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物 |
WO2019111985A1 (ja) * | 2017-12-07 | 2019-06-13 | サカタインクス株式会社 | 活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物、並びにそれを用いた印刷物の製造方法及び印刷物の光沢を向上させる方法 |
JP2021134326A (ja) * | 2020-02-28 | 2021-09-13 | サカタインクス株式会社 | 活性エネルギー線硬化型組成物 |
WO2023021766A1 (ja) * | 2021-08-19 | 2023-02-23 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 電子線硬化型組成物、及び積層体 |
-
2002
- 2002-10-11 JP JP2002298242A patent/JP2004131613A/ja active Pending
Cited By (18)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006008845A (ja) * | 2004-06-25 | 2006-01-12 | Arakawa Chem Ind Co Ltd | 印刷インキ組成物、およびその製造方法 |
JP2006008844A (ja) * | 2004-06-25 | 2006-01-12 | Arakawa Chem Ind Co Ltd | 印刷インキ組成物、およびその製造方法 |
JP2006045395A (ja) * | 2004-08-06 | 2006-02-16 | Seiko Polymer Corp | 印刷インキ用樹脂 |
JP4734600B2 (ja) * | 2004-08-06 | 2011-07-27 | 星光Pmc株式会社 | 印刷インキ用樹脂 |
JP2008516052A (ja) * | 2004-10-08 | 2008-05-15 | フリント グループ インコーポレイテッド | 印刷方法および大豆油誘導体含有エネルギー硬化性新聞インク |
JP2008045103A (ja) * | 2006-07-17 | 2008-02-28 | Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd | 活性エネルギー線硬化型インキ樹脂組成物 |
JP2010006913A (ja) * | 2008-06-25 | 2010-01-14 | Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd | 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物 |
JP2010189537A (ja) * | 2009-02-18 | 2010-09-02 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 活性エネルギー線硬化型インキ組成物および該組成物を印刷してなる印刷物 |
JP2010229302A (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-14 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | オフセット用オーバープリントニス組成物および印刷物 |
JP2016188273A (ja) * | 2015-03-30 | 2016-11-04 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物 |
CN111527156A (zh) * | 2017-12-07 | 2020-08-11 | 阪田油墨株式会社 | 活性能量射线固化型胶版印刷用油墨组合物、使用了该组合物的印刷物的制造方法以及提高印刷物的光泽的方法 |
WO2019111985A1 (ja) * | 2017-12-07 | 2019-06-13 | サカタインクス株式会社 | 活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物、並びにそれを用いた印刷物の製造方法及び印刷物の光沢を向上させる方法 |
JPWO2019111985A1 (ja) * | 2017-12-07 | 2020-12-17 | サカタインクス株式会社 | 活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物、並びにそれを用いた印刷物の製造方法及び印刷物の光沢を向上させる方法 |
US11365324B2 (en) | 2017-12-07 | 2022-06-21 | Sakata Inx Corporation | Active-energy-ray curable offset printing ink composition, and method for manufacturing printed matter and method for enhancing gloss of printed matter using the same |
JP7288859B2 (ja) | 2017-12-07 | 2023-06-08 | サカタインクス株式会社 | 活性エネルギー線硬化型オフセット印刷用インキ組成物、並びにそれを用いた印刷物の製造方法及び印刷物の光沢を向上させる方法 |
JP2021134326A (ja) * | 2020-02-28 | 2021-09-13 | サカタインクス株式会社 | 活性エネルギー線硬化型組成物 |
JP7481127B2 (ja) | 2020-02-28 | 2024-05-10 | サカタインクス株式会社 | 活性エネルギー線硬化型組成物 |
WO2023021766A1 (ja) * | 2021-08-19 | 2023-02-23 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 電子線硬化型組成物、及び積層体 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3876647B2 (ja) | 硬化性被覆組成物、硬化性インキ、その印刷方法およびその印刷物 | |
JP4511822B2 (ja) | 活性エネルギー線硬化性乾式平版印刷インキ組成物、印刷方法およびその印刷物 | |
DK2297256T3 (en) | DEPTH PRINT COLOR, INCLUDING DENDRIMER | |
US10689532B2 (en) | Radiation curable hybrid inks | |
JP4734490B2 (ja) | 活性エネルギー線硬化性乾式平版印刷インキ組成物、印刷方法およびその印刷物 | |
JP2007056187A (ja) | 硬化性組成物、それを使用した活性エネルギー線硬化性印刷インキ及びその印刷物 | |
JP2004131613A (ja) | 硬化性被覆組成物、印刷インキ、印刷方法およびその印刷物 | |
EP3033225A2 (en) | Energy curable lithographic inks containing lactic acid resins | |
JP2002363446A (ja) | 硬化性被覆組成物、印刷インキ、その印刷方法およびその印刷物 | |
JP2007045104A (ja) | 活性エネルギー線硬化性印刷方法およびその印刷物 | |
CN115135730B (zh) | 活性能量射线固化型平版印刷油墨和印刷物 | |
JP2005225903A (ja) | 活性エネルギー線硬化性印刷インキ組成物、印刷方法およびその印刷物。 | |
JP2003119230A (ja) | 硬化性組成物、硬化性インキ、その印刷方法およびその印刷物 | |
JP2002293832A (ja) | 硬化性組成物、硬化性インキ、その印刷方法およびその印刷物 | |
JP2007056186A (ja) | 硬化性組成物、それを使用した活性エネルギー線硬化性印刷インキ及びその印刷物 | |
JP3876643B2 (ja) | 硬化性被覆組成物、硬化性インキ、その印刷方法およびその印刷物 | |
JP2007045103A (ja) | 活性エネルギー線硬化性印刷方法およびその印刷物 | |
JP2007056185A (ja) | 硬化性組成物、それを使用した活性エネルギー線硬化性印刷インキ及びその印刷物 | |
JP4068273B2 (ja) | インキ組成物 | |
JP2006016508A (ja) | アクリルモノマーまたはそれを含む活性エネルギー線硬化性組成物およびその印刷物。 | |
JP3559542B2 (ja) | 印刷紙の再生方法 | |
JP2002308935A (ja) | 硬化性組成物、硬化性インキ、その印刷方法およびその印刷物 | |
JPH11228899A (ja) | 平版および活版用印刷インキ | |
JP2006016507A (ja) | アクリルモノマーまたはそれを含む活性エネルギー線硬化性組成物およびその印刷物。 | |
US11306216B2 (en) | High molecular weight polystyrene in inks and coatings |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050711 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070904 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080205 |