JP2016188273A - 浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物 - Google Patents

浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2016188273A
JP2016188273A JP2015067883A JP2015067883A JP2016188273A JP 2016188273 A JP2016188273 A JP 2016188273A JP 2015067883 A JP2015067883 A JP 2015067883A JP 2015067883 A JP2015067883 A JP 2015067883A JP 2016188273 A JP2016188273 A JP 2016188273A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
offset printing
ink composition
printing ink
ink
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015067883A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6524751B2 (ja
Inventor
真平 岡本
Shinpei Okamoto
真平 岡本
郁夫 河崎
Ikuo Kawasaki
郁夫 河崎
剛之 三輪
Takayuki Miwa
剛之 三輪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Artience Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink SC Holdings Co Ltd filed Critical Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority to JP2015067883A priority Critical patent/JP6524751B2/ja
Publication of JP2016188273A publication Critical patent/JP2016188273A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6524751B2 publication Critical patent/JP6524751B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、印刷インキに関し、更に詳しくは、新聞、チラシ等の印刷に使用される浸透乾燥型オフセット印刷用インキに関し、更に詳しくは、溶性アゾ顔料および体質顔料を合計30〜40重量%含有することを特徴とするインキにおいて、従来よりも湿し水耐性に優れヒッキー耐性の高い浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物およびそれを用いた印刷物の提供。【解決手段】溶性アゾ顔料、体質顔料、バインダー樹脂、植物油、環境対応型石油系溶剤を含有するオフセット印刷用インキ組成物であって、五員環化合物を構成成分として含む炭化水素樹脂をα、β‐エチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物により変性した酸変性炭化水素樹脂を1〜10重量%含有することを特徴とする浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物を用いることにより解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、印刷インキに関し、更に詳しくは、新聞、チラシ等の印刷に使用される浸透乾燥型オフセット印刷用インキに関し、更に詳しくは、溶性アゾ顔料および体質顔料を合計30〜40重量%含有することを特徴としたインキにおいて、従来よりも湿し水耐性に優れヒッキー耐性が高い浸透乾燥型オフセット印刷用インキに関する。
浸透乾燥型オフセット印刷用インキの乾燥メカニズムは、印刷インキを構成している溶剤や植物油などが、毛細管現象で紙の繊維部分に浸透し、顔料や樹脂の一部の固形物が紙の表面に固形皮膜の画像を形成させるという乾燥方式をとっている。
この浸透乾燥型オフセット印刷用インキは、ヒートセット印刷用インキの様な加熱オーブン(ドライヤー)を用いてインキ中の溶剤を乾燥させ、固体皮膜を形成させる方式と区別するため、コールドセット印刷用インキとも呼ばれている。
浸透乾燥型オフセット印刷用紙は、浸透乾燥型オフセット印刷用インキの溶剤を毛細管現象により浸透させる必要があるため、用紙表面が荒く表面強度も低い場合が多い。このため、浸透乾燥型オフセットインキはヒートセット印刷用インキと比較して、インキの粘度や粘着性が低いことが特徴として挙げられる。
近年では、コストダウンを目的に今まで以上に紙面強度が低い低級紙が市場に出回っている。このような紙面強度の低下に伴い、インキが紙の繊維を剥離してしまうことに起因するトラブル、すなわち紙剥けやパイリングのトラブルが散見されている。
上記トラブルに対しては、今まで以上にインキの粘着性を低下させることが有効な対処法となっている。インキの粘着性を下げる手法として、インキの粘度を下げるという手法が挙げられる。
しかし、インキの粘度を下げると粘着性は下がるものの、インキの流動性が過剰となってしまい、流動性過剰によるトラブル、例えばフライングや地汚れなどを引き起こす。また印刷物の網点再現性を損なうため印刷物の品質を損なってしまう。
他の手法として、インキに体質顔料を添加するという手法が用いられる。しかし、体質顔料の添加は顔料の分散性を劣化させてしまう。
近年、オフセット印刷機の高性能化に伴い印刷速度が益々進行しており、以前より湿し水の供給量を高めて印刷することが多く、湿し水が過剰供給されることによるトラブルが問題となっている。具体的には、濃度変動、インキの過乳化による汚れ、フライング、ヒッキー等である。
中でも紙面品質を大きく損なうトラブルとしてヒッキーが問題となっている。これは、湿し水過剰な状態で印刷を続けるとインキが過乳化し、過乳化したインキが水練りローラーや水着けローラー上に堆積し、長時間ローラー上で滞留する中で顔料がインキから遊離、凝集し、さらにその凝集物が版上に付着することで発生する紙面トラブルである。
ヒッキーは顔料の分散性が低いほど発生しやすい傾向があり、紙剥けやパイリング対策としてインキの粘着性を下げるために体質顔料を添加すると、ヒッキーは発生しやすくなる。
また、オフセット印刷用インキで一般的に使用される溶性アゾ顔料は親水性部位を有しており、湿し水と乳化した際に顔料分がインキから遊離しやすい点が挙げられる。この性質により特に溶性アゾ顔料を使用したインキにおいてヒッキーが発生しやすい傾向がある。
以上のことから、低級紙に対応した低粘着性のインキ、特に溶性アゾ顔料を使用したインキにおいて、湿し水耐性が高くヒッキー耐性が高いインキが望まれている。
特開2007−154182号公報 特開2003−20431号公報 特開2001−19884号公報
本発明は、印刷インキに関し、更に詳しくは、新聞、チラシ等の印刷に使用される浸透乾燥型オフセット印刷用インキに関し、更に詳しくは、溶性アゾ顔料および体質顔料を30〜40重量%含有することを特徴としたインキにおいて、従来よりも湿し水耐性に優れヒッキー耐性の高いオフセット印刷用インキに関する。

上記課題を解決するために誠意研究した結果、溶性アゾ顔料、体質顔料、バインダー樹脂、植物油、環境対応型石油系溶剤、及び五員環化合物を構成成分として含む炭化水素樹脂をα、β‐エチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物により変性した酸変性炭化水素樹脂を1〜10重量%含有する浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物において本発明の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、バインダー樹脂、溶性アゾ顔料、体質顔料および溶剤を含有する浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物であって、
バインダー樹脂が、五員環化合物を構成成分として含む炭化水素樹脂をα、β‐エチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物により変性してなる酸変性炭化水素樹脂を含み、かつ、
前記酸変性炭化水素樹脂が、インキ組成物全体に対して0.5〜10重量%含有することを特徴とする浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物に関するものである。
さらに、本発明は、酸変性炭化水素樹脂の酸価が、20〜40(mgKOH/g)、乾球法による軟化点が150〜170℃、重量平均分子量が2000〜10000であることを特徴とする上記浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物に関するものである。
さらに、本発明は、顔料および体質顔料が、インキ組成物全体に対して、合計30〜40重量%含有されていることを特徴とする上記浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物に関するものである。
さらに、本発明は、溶性アゾ顔料が、カーミン6B(Pigment Red.57:1)であることを特徴とする上記浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物に関するものである。
さらに、本発明は、バインダー樹脂が、さらに、ロジン変性フェノール樹脂を含み、
ロジン変性フェノール樹脂の重量平均分子量が、10,000〜300,000であることを特徴とする上記浸透乾燥型オフセット印刷用インキに関するものである。
さらに、本発明は、溶剤が、石油系溶剤および植物油類から選ばれる一種類以上であることを特徴とする上記浸透乾燥型オフセット印刷用インキに関するものである。
さらに、本発明は、石油系溶剤のアニリン点が、65〜110℃であることを特徴とする上記浸透乾燥型オフセット印刷用インキに関するものである。
さらに、本発明は、上記浸透乾燥型オフセット印刷用インキを非塗工紙または微塗工紙に印刷してなる印刷物に関するものである。
新聞、書籍、チラシ等の印刷において、本発明が提供する浸透乾燥型オフセット印刷用
インキは、溶性アゾ顔料および体質顔料を合計30〜40重量%含有したインキにおいて、従来より湿し水耐性が高くヒッキーを抑制できる。
本発明において五員環化合物を構成成分として含む炭化水素樹脂をα、β‐エチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物により変性した酸変性炭化水素樹脂は、インキ全量に対して、0.5〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%含有されていることが望ましい。含有率がインキ全量に対して0.5重量%よりも少ないと、本発明の効果が得られない。一方、インキ全量に対して10重量%よりも多いと溶解性のバランスが崩れ、インキの流動性、機上安定性が損なわれる。
本発明で使用される五員環化合物を構成成分として含む炭化水素樹脂とは、常法に従ってシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、これらの2〜5量体、共多量体などのシクロペンタジエン系単量体単独、シクロペンタジエン系単量体と共重合可能な共単量体を触媒の存在下あるいは無触媒で熱重合して得られるものである。触媒としてはフリーデルクラフツ型のルイス酸触媒、例えば三フッ化ホウ素及びそのフェノール、エーテル、酢酸などとの錯体が通常使用される。五員環化合物を構成成分として含む炭化水素樹脂として、日石ネオポリマー120、(JX日鉱日石エネルギー(株)製)、ペトコール120、(東ソー(株)製)などが例示できる。
本発明におけるシクロペンタジエン系単量体と共重合可能な共単量体の例としては、エチレン、プロピレン、プロペン、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、2−ペンテン、イソブチレンを酸触媒で二量化して得られるジイソブチレン、(2,4,4−トリメチルペンテン−1と2,4,4トリメチルペンテン−2との混合物)、1−ヘキセン、2−ヘキセン、1−オクテン、2−オクテン、4−オクテン、1−デセンなどの炭素数2〜10のオレフィン類、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン、などの鎖状共役ジエン類、スチレン、α‐メチルスチレン、β‐メチルスチレン、イソプレペニルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等のビニル芳香族類、インデン、メチルインデン、クマロン(ベンゾフラン)、メチルクロマン、(2−メチルベンゾフラン)などの芳香族不飽和化合物などが挙げられる。
本発明におけるα、β‐エチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、2,4−ヘキサジエノン酸(ソルビック酸)、等が挙げられる。これらα、β‐エチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物の変性量としては、本発明で用いられる炭化水素樹脂中のシクロペンタジエン系単量体に対して1〜100モル%の範囲で変性可能であるが、好ましくは、当該炭化樹脂100gに対して0.1〜0.5モルの範囲が望ましい。変性温度は100〜300℃が好ましいが、より望ましくは150〜250℃の範囲が好適に用いられる。
本発明で使用される溶性アゾ顔料は、一般的にオフセット用マゼンタインキに使用されるカーミン6B(Pgiment Red 57:1)において、最も効果的にヒッキー抑制効果を発現する。
本発明で使用される体質顔料は、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、クレー、カオリン、アルミナホワイト、ホワイトカーボン、沈降性硫酸バリウム等が例示できる。
溶性アゾ顔料の含有率は、インキ組成物全体の5重量%〜20重量%が好ましい。含有率が5%重量未満の場合、所定の濃度を印刷するのに必要なインキ量が増え、インキのミスチングやインキ余りによる汚れのトラブルを引き起こすことがある。また、20%を超える場合、所定の濃度を印刷するのに必要なインキ量が少ないためにローラー上のインキ膜厚が薄くなり、濃度変動のトラブルを引き起こすことがある。
体質顔料の含有率は、溶性アゾ顔料の含有率に応じてインキ組成物全体の30〜40重量%になるように調整する。溶性アゾ顔料と体質顔料の合計が30重量%未満の場合、インキのタックが高くなりパイリングを引き起こすことがある。また、40重量%を超える場合、インキの流動性が極端に悪くなることがある。
本発明で使用されるバインダー樹脂としては、ロジン変性フェノール樹脂以外に、ロジン変性マレイン酸樹脂、アルキッド樹脂及び石油樹脂等を任意に単独または2種類以上を組み合わせて使用できる。樹脂の重量平均分子量としては、10,000〜300,000のものが好ましい。重量平均分子量10,000未満ではインキの粘弾性が不足し、300,000を超えるとインキとしての流動性が不充分となる。
本発明で使用されるロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、アルキッド及び石油樹脂は石油系溶剤、植物油類から選ばれる少なくとも一種である溶剤と、場合によってはアルミニウムキレート化合物のようなゲル化剤を添加して、190度程度で溶解してワニス化したものとして使用される。樹脂の添加量は印刷インキ組成物の全量に対して20%〜50重量%である。
本発明における植物油類とは植物油並びに植物油由来の化合物であり、グリセリンと脂肪酸とのトリグリセライドにおいて、少なくとも1つの脂肪酸が炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1つ有する脂肪酸であるトリグリセライドと、それらのトリグリセライドから飽和または不飽和アルコールとのエステル化反応からなる脂肪酸モノエステルが挙げられる。
植物油として代表的ものは、アサ実油、アマニ油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ油、カポック油、カヤ油、カラシ油、キョウニン油、キリ油、ククイ油、クルミ油、ケシ油、ゴマ油、サフラワー油、ダイコン種油、大豆油、大風子油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ニガー油、ヌカ油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ヘントウ油、松種子油、綿実油、ヤシ油、落花生油、脱水ヒマシ油などが挙げられる。特に大豆油、ヤシ油、アマニ油、菜種油が好ましい。
本発明において、使用される植物油エステルとしては、大豆油、綿実油、アマニ油、サフラワー油、トール油、脱水ヒマシ油、カノーラ油、菜種油等の植物油由来の脂肪酸エステルが挙げられる。脂肪酸エステルとしては、モノアルキルエステル化合物が挙げられ、モノエステルを構成する脂肪酸としては、炭素数16〜20の飽和または不飽和脂肪酸が好ましく、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸等が例示できる。脂肪酸モノエステルを構成するアルコール由来のアルキル基は、炭素数1〜10のものが好ましく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルヘキシル等のアルキル基が例示できる。これら脂肪酸モノエステルは、単独で、または2種以上を組合わせて使用でき、本発明においては、植物油成分として、植物油、脂肪酸エステルをそれぞれ単独で用いてもよく、両者を併用しても良い。溶剤の添加量としては、インキ中10〜50重量%が好ましい。
本発明で使用される石油系溶剤としては、パラフィン系、ナフテン系、及びこれらの混合溶剤であり、溶剤中の芳香族炭化水素の含有量が1重量%以下が好ましい。溶剤のアニリン点は65〜110℃が好ましい。アニリン点が110℃より高い溶剤を使用すると、インキ組成中の使用樹脂との溶解性が乏しいため、インキの流動性が不十分となり、レベリング不良から光沢のない印刷物しか得られない。また、65℃より低いアニリン点の溶剤を使用したインキでは、乾燥時のインキ皮膜からの溶剤の離脱性が悪く乾燥劣化を起こしてしまう場合がある。
さらに、本発明の浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物には、必要に応じてゲル化剤、顔料分散剤、金属ドライヤー、乾燥抑制剤、酸化防止剤、耐摩擦向上剤、裏移り防止剤、非イオン系界面活性剤、多価アルコールなどの添加剤を適宜使用することができる。
本発明において、印刷する基材は、浸透乾燥型である本発明のオフセット印刷用インキの目的に合致すれば何でもよいが(溶剤が浸透するような基材)、紙、特に非塗工紙または微塗工紙、あるいは更紙のような浸透乾燥するような基材が、本発明の印刷する基材としては適している。
本発明におけるトレランスとは、試験管中に樹脂2.50gとAFソルベント5号(新日本石油(株)製)を5g入れ、適時攪拌しながら5分間で180℃に昇温し、溶解したものを25.0℃まで冷却し、攪拌しつつ0号ソルベント(新日本石油(株)製)で少量ずつ希釈していき、微濁状態を終点とした時の0号ソルベントの量から以下の式によりトレランスの値を求める。
Figure 2016188273
重量平均分子量測定には、東ソー(株)製ゲルパーメーションクロマトグラフィー(商品名 HLC−8020)および東ソー(株)製カラム(商品名 TSK−GEL)を用いた。
次に、実施例に基づいて本発明を説明する。ただし、本発明の範囲は、以下の実施例に何等限定されるものではない。なお、本発明において、「部」及び「%」は、特に断りのない限り、それぞれ「重量部」「重量%」を意味する。
[ロジン変性フェノール樹脂ワニス1製造例]
平均分子量200000、酸価 21.0、軟化点165℃であるロジン変性フェノール樹脂 38部、大豆油30部、非芳香族系溶剤であるAFソルベント5号(JX日鉱日石エネルギー株式会社製、アニリン点88.2度)31部を仕込み、180℃に昇温させ、同温で30分間攪拌した後放冷し、ゲル化剤としてエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド1.0部(川研ファインケミカル(株)製ALCH)を仕込み190℃で30分間攪拌してロジン変性フェノール樹脂ワニス1を得た。
[ロジン変性フェノール樹脂ワニス2製造例]
平均分子量20000、酸価 21.6、軟化点170℃であるロジン変性フェノール樹脂 44.0部と、大豆油29部と、非芳香族系溶剤であるAFソルベント5号(新日本石油株式会社製、アニリン点88.2度)26部とを仕込み、190℃に昇温させ、同温で30分間攪拌した後放冷し、ゲル化剤としてエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド1.0部(川研ファインケミカル(株)製ALCH)を仕込み190℃で30分間攪拌してロジン変性フェノール樹脂ワニス2を得た。
[マレイン酸変性炭化水素樹脂の製造例]
「日石ネオポリマー120」(JX日鉱日石エネルギー(株)製炭化水素樹脂)100重量部を200℃で加熱溶解後、無水マレイン酸3重量部を添加して3時間反応させ、マレイン酸変性炭化水素樹脂を得た。本樹脂の平均分子量は4000、酸価は30、軟化点は165℃であった。
[マレイン酸変性炭化水素樹脂ワニス製造例]
「日石ネオポリマー120」25量部と、マレイン酸変性炭化水素樹脂25量部と大豆油50量部とを仕込み、190℃に昇温させ、同温で30分間攪拌した後放冷し、マレイン酸変性炭化水素樹脂ワニスを得た。
[インキ製造例]
得られた樹脂ワニス、カーミン6Bのプレスケーキ(リオノールレッド6B 4234P(トーヨーカラー(株)製))、沈降性炭酸カルシウム(ネオライトSA−300(竹原化学工業(株)製))および溶剤(AFソルベント6号(AF6。JX日鉱石油(株)製、アニリン点93.6℃)を表1の配合でフラッシングし、次いで三本ロールで分散し、次いでミキサーを用いてインキ粘度を7.0Pa・sに調整し、浸透乾燥型オフセットインキ組成物の実施例1〜6を得た。

Figure 2016188273
同様に、表2の配合でフラッシングし、次いで三本ロールで分散し、次いでミキサーを用いてインキ粘度を7.0Pa・sに調整し、浸透乾燥型オフセットインキ組成物の比較例1〜4を得た。

Figure 2016188273
(評価結果)
上記実施例1〜6及び比較例1〜4の浸透乾燥型オフセットインキ組成物における、ヒッキー耐性、粘着性、機上安定性について評価を実施し、結果を表3に示した。







Figure 2016188273

<ヒッキー耐性の評価方法>
東浜精機株式会社製2N−750型印刷機にて評価を行った。一般的な絵柄、濃度で10000部印刷した後、水着けローラーに堆積したインキを掻き取り、並行板粘度計で測定した際の60秒後のインキの広がりから評価した。水着けローラーに堆積したインキが流動性を失っているほど、インキ中の顔料分散性が劣化しておりヒッキー耐性は劣っているといえる。
[印刷条件]
用 紙 :新聞用紙更紙:超軽量紙(43g/m2)(日本製紙(株))
湿し水 :NEWSKING ALKY(東洋インキ(株))0.5%水道水溶液
印刷速度:12万部/時
版 :CTP版(富士フィルム(株))
(評価基準)
○60秒後のインキの広がりの直径が40mm以上
△60秒後のインキの広がりの直径が36〜40mm未満
×60秒後のインキの広がりの直径が36mm未満
<粘着性の評価方法>
株式会社東洋精機製デジタルインコメーターにインキ1.32ccをセットし、30℃、1200rpmの条件で1分後のタック値を測定する。タック値が高い程インキの粘着性が高く、紙剥け等のトラブルが発生しやすいといえる。
(評価基準)
○:3.5未満
△:3.5以上、4.0未満
×:4.0以上
<機上安定性の評価方法>
株式会社東洋精機製デジタルインコメーターにインキ1.32ccをセットし、40℃、1200rpmの条件においてタック値が最大値になるまでの時間を測定する。最大値になるまでの時間が長い程、インキのタック値が緩やかに変動するため印刷機上でのインキの粘度上昇や流動性の変化が少ないことを示しているため、機上安定性に優れていることを示す。
(評価基準)
○:20min以上
△:15min以上、20min未満
×:15min未満
表3の結果より、ヒッキー耐性、粘着性、機上安定性について全てのバランス良く、優れているのは実施例1〜4及び6であることが分かった。
本発明による実施例により、溶性アゾ顔料と体質顔料を30〜40重量%含有するインキにおいて、湿し水耐性が高く高速オフセット輪転印刷機においても優れたヒッキー耐性を有した浸透乾燥型オフセットインキ組成物を提供できることを見出した。

Claims (8)

  1. バインダー樹脂、溶性アゾ顔料、体質顔料および溶剤を含有する浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物であって、
    バインダー樹脂が、五員環化合物を構成成分として含む炭化水素樹脂をα、β‐エチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物により変性してなる酸変性炭化水素樹脂を含み、かつ、
    前記酸変性炭化水素樹脂が、インキ組成物全体に対して0.5〜10重量%含有することを特徴とする浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物。
  2. 酸変性炭化水素樹脂の酸価が、20〜40(mgKOH/g)、乾球法による軟化点が150〜170℃、重量平均分子量が2000〜10000であることを特徴とする請求項1記載の浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物。
  3. 顔料および体質顔料が、インキ組成物全体に対して、合計30〜40重量%含有されていることを特徴とする請求項1または2記載の浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物。
  4. 溶性アゾ顔料が、カーミン6B(Pigment Red.57:1)であることを特徴とする請求項1〜3何れか記載の浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物。
  5. バインダー樹脂が、さらに、ロジン変性フェノール樹脂を含み、
    ロジン変性フェノール樹脂の重量平均分子量が、10,000〜300,000であることを特徴とする請求項1〜4何れか記載の浸透乾燥型オフセット印刷用インキ。
  6. 溶剤が、石油系溶剤および植物油類から選ばれる一種類以上であることを特徴とする請求項1〜5何れか記載の浸透乾燥型オフセット印刷用インキ。
  7. 石油系溶剤のアニリン点が、65〜110℃であることを特徴とする請求項6記載の浸透乾燥型オフセット印刷用インキ。
  8. 請求項1〜7何れか記載の浸透乾燥型オフセット印刷用インキを非塗工紙または微塗工紙に印刷してなる印刷物。
JP2015067883A 2015-03-30 2015-03-30 浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物 Active JP6524751B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015067883A JP6524751B2 (ja) 2015-03-30 2015-03-30 浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015067883A JP6524751B2 (ja) 2015-03-30 2015-03-30 浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016188273A true JP2016188273A (ja) 2016-11-04
JP6524751B2 JP6524751B2 (ja) 2019-06-05

Family

ID=57240353

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015067883A Active JP6524751B2 (ja) 2015-03-30 2015-03-30 浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6524751B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07149852A (ja) * 1993-11-26 1995-06-13 Toyo Ink Mfg Co Ltd ロジン変性フェノール樹脂および印刷インキ
JP2001262032A (ja) * 2000-03-15 2001-09-26 Harima Chem Inc 印刷インキ用ワニス
JP2004131613A (ja) * 2002-10-11 2004-04-30 Toyo Ink Mfg Co Ltd 硬化性被覆組成物、印刷インキ、印刷方法およびその印刷物
JP2004269640A (ja) * 2003-03-07 2004-09-30 Toyo Ink Mfg Co Ltd 樹脂の製造方法および印刷インキ
JP2004285255A (ja) * 2003-03-24 2004-10-14 Seiko Polymer Corp 印刷インキ用樹脂及び該印刷インキ用樹脂を使用した印刷インキ
JP2007154182A (ja) * 2005-11-14 2007-06-21 Sakata Corp プロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物セットおよびプロセス印刷方法
JP2011225750A (ja) * 2010-04-21 2011-11-10 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 平版印刷インキ用樹脂の製造方法、および該樹脂を用いた平版印刷インキおよび印刷物

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07149852A (ja) * 1993-11-26 1995-06-13 Toyo Ink Mfg Co Ltd ロジン変性フェノール樹脂および印刷インキ
JP2001262032A (ja) * 2000-03-15 2001-09-26 Harima Chem Inc 印刷インキ用ワニス
JP2004131613A (ja) * 2002-10-11 2004-04-30 Toyo Ink Mfg Co Ltd 硬化性被覆組成物、印刷インキ、印刷方法およびその印刷物
JP2004269640A (ja) * 2003-03-07 2004-09-30 Toyo Ink Mfg Co Ltd 樹脂の製造方法および印刷インキ
JP2004285255A (ja) * 2003-03-24 2004-10-14 Seiko Polymer Corp 印刷インキ用樹脂及び該印刷インキ用樹脂を使用した印刷インキ
JP2007154182A (ja) * 2005-11-14 2007-06-21 Sakata Corp プロセス印刷用浸透乾燥型印刷インキ組成物セットおよびプロセス印刷方法
JP2011225750A (ja) * 2010-04-21 2011-11-10 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 平版印刷インキ用樹脂の製造方法、および該樹脂を用いた平版印刷インキおよび印刷物

Also Published As

Publication number Publication date
JP6524751B2 (ja) 2019-06-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6243248B2 (ja) 印刷インキ組成物
JP6368548B2 (ja) オフセット印刷インキおよび印刷物
JP2013144765A (ja) オフセット印刷インキ組成物
JP2008179691A (ja) 水なし平版印刷インキ組成物
JP2011074112A (ja) オフセット印刷用墨インキ
JP5485610B2 (ja) 浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物
JP6719268B2 (ja) オフセット印刷インキおよび印刷物
JP2013100394A (ja) 印刷インキ用ワニスおよび印刷インキ組成物
JP6524751B2 (ja) 浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物
JP5467556B2 (ja) 平版印刷用インキおよびそれを用いて印刷した印刷物
JP6226502B2 (ja) オフセット印刷インキ用ゲルワニス、オフセット印刷インキおよび印刷物
JP2010215848A (ja) オフセット印刷インキ組成物
JP2017197700A (ja) オフセット印刷インキおよび印刷物
JP5689548B1 (ja) 印刷インキ組成物
JP6183397B2 (ja) 浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物
JP6183396B2 (ja) 浸透乾燥型オフセット印刷用インキ組成物
JP3392126B2 (ja) オフセット印刷インキ組成物
JP2006298948A (ja) 水なし平版印刷インキ組成物
JP2011144295A (ja) 水なし平版印刷用インキ組成物および印刷物
JP2015063667A (ja) オフセット印刷インキおよび印刷物
JP2008184600A (ja) 水なし平版印刷インキ組成物
JP2013189528A (ja) 浸透乾燥型オフセット印刷インキ組成物
JP6063232B2 (ja) 印刷インキ組成物
JP2011225750A (ja) 平版印刷インキ用樹脂の製造方法、および該樹脂を用いた平版印刷インキおよび印刷物
JP2011144294A (ja) 平版印刷用インキ組成物および印刷物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180115

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20180228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180911

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20181102

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190409

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190422

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6524751

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250